舞台『カワイクなくちゃいけないリユウ』を観てきた。

同じ新国立劇場なので、先に取ってた『サロメ』に合わせたが、昼と客層が全く違うw。
4人芝居だし、1時間半ほどの上演かと思いきや、2時間10分+アフタートークで、観終わった後はグッタリ。

同棲生活4年のグレッグとスタッフは、ふとしたことから大ゲンカ、別れることになるが、二人を取り巻くケントとカーリーも順調に見えるその裏で…。
性格や内面性や生き方の「カワイサ」ではなく、単に見た目の「カワイサ」について問いた話。
ニール・ラビュートの戯曲を、深作健太が演出。海外のブラックな恋愛ものというと、和樹が出た『嘘』が思い出される。

時代背景も作家も分からないが、これがアメリカ人らしい光景なのだろうか。
痛烈で凄まじい会話と短気な暴力に先ず嫌気がさした。
膨大な台詞量だが、1シーンも長いこと。本音剥き出しで感情的な言葉の数々にゲンナリし、去ろうとする者を引き止める繰り返しにもウンザリ。
ラブ・コメディーという括りなので、ギャグやユーモアも多いのだろうが、日本語訳が不十分なのか、殆ど伝わらず面白くなかった。

センターステージを特設した舞台を客席が囲む。小劇場でこういうスタイルは30-DELUXの『ファミリア』以来か。
開演数分前から出演者は四方の空席に腰を下ろし、開演時にライトが当って4人がセンターへ集まっていく演出。開演中も2人が空席に座って、センターの2人の芝居をじっと観る場面もあるが、そこにどんな意味があるのか分からない。こういう4人は現代にもいるぞ、というリアル感を出したいのか。
登場人物4人は若いからか、なぜあんなに怒るのか意固地になるのか私には理解できない。感情移入どころか嫌悪感が増す。女性キャラも好きではないが、男性キャラは2人とも最悪で腹立たしく思う。

村井良大と植原卓也は安定した芝居で台詞回しも堅実。吉川友、村川絵梨はスタイルの良さが目を引く。
植原くん扱いのチケットだが、こちら側に顔を向けるのは村井くんのほうが圧倒的に多かった。
中心になる村井くんは3人其々とのやり取りがあり、植原くんとのガチな取っ組み合いは見どころ。植原くんと絵梨さん、友さんと絵里さんのやり取りは想像に任せるのみだが、関係性が薄く思えた。
場面セッティングをする配達員のような黒子さん達にも注目。
隅にいつも現れる赤いトラッシュカンがモチーフのひとつか。食べ残しの食料だけでなく、今までのうっぷんや膿、過去も友情も関係も何もかも捨てていく、新しい道への扉のようにも思えた。

要はキャストのファンのための舞台。村井くんは見た目、鈴木裕樹と重なる雰囲気だが、コミカルで情けない感じが高木渉と似ているなと思った。シチュエーション・コメディとかもやらせたい。


アフタートーク。MCは読売新聞の鈴木さん。四面に囲まれたリングみたいと言う。
販売中のTシャツに着替えた4人が、四方を動きながらトークする。

本日の褒めてあげたいところやハプニング。村井くんがとっさに出たアドリブに、返す絵梨さんも立て直せたという。村井くんの投げたグローブをお尻で守れなかったと植原くん。絵梨さんの投げるぬいぐるみは客まで飛んでいかない。
センターステージのモンローグは、お客さんに語りかけるようにとの演出。難しい、緊張する、ハラハラしながら楽しいというキャスト。
色々着替える衣装。最初のパンツ一丁の絵梨さん。稽古場では自前の村井くんはパンツオンパンツ!w 野球のユニフォームは久しぶりで嬉しい植原くん。お肉いっぱいつける友さん。
キャラクターが意外とピッタリという言葉に、「ストップストップ」とイヤそうに反応する植原くんは「ケントはホントひでえヤツ!」とゲッソリ。
また来たくなるような一言挨拶。「村井くんの茶色い歯が見どころ」と植原くん。台詞の素晴らしさやシーンを挙げる村井くん&絵梨さん。Tシャツ&パンフがセットで3000円を宣伝する友さん。

オールナイトでトークしようの冗談は国立だから却下w。15分で終了した。

コメント

nophoto
John
2014年6月12日9:34

You’ve captured this perftcely. Thanks for taking the time!

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