映画『バイオハザードV リトリビューション』吹替え版を観てきた。

『バイオハザード』シリーズ第5弾。
前作からの続き。アンブレラ社の謎の実験施設に囚われていたアリスと彼らをサポートする仲間の壮絶な脱走劇を描く。

今までの話や場面、これまでのキャラもだいたい集結し、最終章『VI』へ向けた前哨戦みたいな様相。
いかに目線を惹きつけるかで、スロー巻き戻しから始まり、カメラアングルや音響や編集が実にイイ仕事。
見どころはアリスをはじめとした猛者どものバトル・アクション。男も女も筋肉逞しい~。銃撃戦に肉弾戦、まだやるのかって続き、観てるほうが疲れちゃうw。

でもアリスの母性を刺激する話は、母親の琴線が痛み、ストーリーとしても卑怯だな~。アリスの眼差しと声が優しい。何が本当でどこまでが現実なのかも分からなくなりそう。
ミラ・ジョヴォヴィッチの全裸もどきも出るが、体の線はもはや中年。あの逞しさは羨ましくもある。
心残りは、クリス&クレアの行方がしれなかったこと。早いとこ、最終決戦で見せてほしい。

吹替え版は声優陣で固めて安心感。
アリスの本田貴子は聴くほどに格好良くて魅力。ジルの湯屋敦子は理知的。
エイダの岡本麻弥は可憐さもある。朴路美はレインともう一役あり、小さな演じ分けも聞き所。かないみかは聴くほどに憎たらしいw。
宮内敦士、楠大典が男らしい。序盤に出てくるてらそままさきはもう一役あるが、出番は少ない。
ウェスカーの立木文彦は不気味だが、今回は安心して聞ける。
中島美嘉は喋らず。エンディングで歌う曲は『ガンダムSEED』な雰囲気と重なり染みる。
映画『王様とボク』&初日舞台挨拶を観てきた。

8月にあった無料イベントを受けての映画鑑賞。
後出しで発表された舞台挨拶の時間が都合よかったので取った。立ち見もいっぱい。

6歳の時から不慮の事故で眠り続けていたモリオが12年の歳月を経て目を覚ます。そのニュースを知った同級生のミキヒコは、彼との時間を取り戻そうとするが…。
20年前に発刊されたやまだないとの小説の映画化で、原作者と前田哲監督との共同脚本。

18歳から19歳の少年たちのみずみずしい感情としなやかな体が画面を躍動する。
あまりに危うくて切ない彼らだが、どんどん愛おしさが募る。
主演の菅田将暉、松坂桃李がとても繊細な演技。モリオ役の菅田さんは6歳でも18歳でもない、無邪気で大らかな芝居で心に迫る。ミキヒコ役の桃李さんはキスやベッドとラブシーンが多く感情表現が豊か。シンケンレッドがライダー化してるのは見どころだろうw。
トモナリ役の相葉裕樹は思ったよりも出番が少ないが印象に残る。
二階堂ふみが演じるキエは、ミキヒコとトモナリとでは反応がまるで違うので驚く。モリオとは全く関係ないのに、誰よりも知ってる風。イイ子なんだが、出しゃばりでウザイ存在に見えるのは何故だろう。
トモナリの母の松田美由紀が、大人の味と子供っぽさを覗かせてキュート。

彼ら3人の6歳の時が可愛らしく、エンディングにも使われている。
でもモリオに関わる小学生3人のほうが、とても味があって面白かった。ミキヒコとモリオがいる喫茶店の外で、3人がヘンな顔をして茶化す様子が実に笑える。

最大の疑問は、モリオやミキヒコの家族の存在が殆どなかったこと。モリオは誰よりも母ちゃんに逢いたいだろうし、ミキヒコの進路問題も親と相談すべきだろう。エッチしてても、彼らはまだ未成年なのだw。
新たな解釈によるラストは、スローな映像で幻想的なイメージで、ホントなのか妄想なのかも捉えにくい。トモナリの心の変化も分かりにくかった。あまりにはぐらかされたような結末で、モヤモヤ感が募る後味だった。
期待していた割に、ストーリーに面白みがなく盛り上がらない。キャストの好演が最大の収穫だろう。

会場も同じ反応だったのか、舞台挨拶前なのに、上映後に拍手が起きなかったのがそれを証明していた。


上映後、舞台挨拶。上映後の舞台挨拶としては、ここが初めてだという。
登壇者は、菅田将暉、松坂桃李、相葉裕樹、二階堂ふみ、前田哲監督。

菅田さんは「上映後のしっとりしたモヤモヤ感」は自分と同じだと上手い表現。相葉さんは感想待ちだとニッコリ。松坂さんは18際の頃を思い出したとしみじみ。
「菅田くんとの共演は楽しかった」「違う役でも共演したい」とイベントと同じ言葉でアプローチする松坂さん。相葉さんは、美由紀さんとの距離感をとりながらやったと語る。熱心にみんなが語る中、ふみさんだけがメンズとの距離感は特になかったと手応えのない言葉。ネットは当てにならないので口コミでと言う彼女に、どうしたどうした?とメンズがフォローw。
お気に入りシーン。菅田さんは「ヘッドフォンしながらチュウするキエ」桃李さんは「菅田さんと食事するシーン」相葉さんは「ベッドのお腹空いたメール」ふみさんは「美由紀さんのつまんない」監督は「トンネルが心霊スポットだった」としょうもないギャグを飛ばすw。

松坂さんが喋ってる途中で、劇場のマイクが突如キーン!と物凄い雑音を響かせ、キャストも会場も耳を塞ぐぐらいの圧力。その場は「桃李、ヘンな超音波出すなよ」と相葉さんと桃李さんで和やかにフォローしてくれたが、その後も続けて2回もキーン!とマイク音が鳴る始末。3回目は菅田さんが最後の挨拶をする時だったので尚更始末が悪い。気を削がれた菅田さんは「観て頂けただけで嬉しいです」と言うだけで精一杯。
終了後、ふみさんは客席を見もせずに、ふてくされたような顔で出て行った。菅田さんはマイクのコード処理に手間取り、桃李さんと相葉さんが先に出て行き、後から菅田さんがお辞儀をしてから、追いかける形で出て行った。

今回は劇場側の不手際で、ヒドイ舞台挨拶になってしまった。
キーンの怪奇音も1回なら許せるが、重要なトーク中に何回も大きく鳴るとウンザリする。当然、話もストップになり、場がどんどん険悪な雰囲気に包まれる。最後のマイクコードもスタッフ側がステージでフォローするべきことだろう。
客側としても、せっかくの舞台挨拶の楽しみが半減した気分になった。
映画『天地明察』を観てきた。

江戸時代前期、暦に大きなずれが生じていたのを憂い、会津藩主の命で、日本初の改暦に挑戦した実在の人物・安井算哲を描く。

映画で一番耳に残ったのが、「ご明察!」という言葉。
今の言葉でぴったり当てはまる意味が見つからないが、劇中で聞く度にウキウキと楽しい前向きな気分にさせてくれる。算哲が妻・えんにも「ご明察」と優しく微笑み、夫婦間にも睦まじいリスペクトが感じられた。
今にない、日本語の素晴らしさ。映画には日本の美しくも壮大な景色が広がり、一歩一歩踏みしめる日本人の姿がある。
日本人で良かった…と、あらためてしみじみ思わせる映画であった。

囲碁打ちでありながら、算術や天文学に夢中になると周りが見えなくなる、純粋でひたむきで素直な安井算哲。男としてはあまり興味がないが、彼の周りのコネクションがすごくて、何て恵まれた名家のお坊ちゃまなんだと思う。まして本業よりも趣味がいつの間にか仕事となって、衣食住に不自由せず長期間没頭できるなんて、今と考えるとやはり恵まれすぎる。
妬ましくもなりそうだが、岡田准一がイヤ味なく誠実に演じているのが幸い。人を惹きつける彼自身の魅力が算哲を通して爽やかに出ている。

算哲という若く小さなキラ星を、あたたかく粘り強く見守り、時に叱咤激励しながら支えて、大きく光らせる周囲の姿が印象深い。どんな発見も偉業も、決してひとりの力では成し得ないのだ。
まるで映画のクレジットそのもののような厚み。岡田さんというキラ星を囲むキャストの皆さんが味わい深い。
建部昌明@笹野高史と伊藤重孝@岸部一徳は、アノ歩き方がキュートで忘れられない。関孝和@市川猿之助は静かさと激しさのギャップが魅力。本因坊道策@横山裕もクセのある芝居がぴったり。
えん@宮崎あおいの明るく大らかな存在が強くて、後半のラブ・ストーリー調が惜しい。江戸から京都へ一気にワープするより、じっと江戸で見守る妻の姿のほうが情はわく。

松本幸四郎演じた保科正之と中井貴一演じた水戸光圀は、先進的な風格でもっと知りたい人物。そのまま単独作品で観たくなった。保科はNHKでも採り上げられていたが、水戸光圀は原作者の新たな作品だから面白い。
冲方丁と奥様は、京都の町でサプライズ出演。町人と公家があんなタメ口で話せるなんてビックリw。
囲碁と算術と天文学、どれも相互に関わってくる学問らしい。
天皇・公家と武家・町人が関わり合うのは、利権や政治や経済絡み。でも日食を観る時、みんなメガネを持っていたのが面白い。天地の恵や禍は同様に降り注ぐ。

天文ゴールデンイヤーに相応しい内容だったが、“金環日食”前に公開されてたらもっと盛り上がっただろう。結局天文よりも登場人物に興味がわいてしまった。
でも原作者にとってはグッドタイミング。来週、冲方丁の『マルドゥック・スクランブル 排気』が公開。明日は林原めぐみさんの朗読劇だ。
映画『鍵泥棒のメソッド』&初日舞台挨拶を観てきた。

銭湯のロッカーで鍵をすり替えて人生を入れ替わった男と、入れ替わられた男を、ひとりの堅物女を絡ませて、コミカルなサスペンスタッチで描く。
大人向けのユニークなラブ・ストーリーだった。

健康で努力家で、真面目で丁寧な人。
やっぱりそんな男がいい。
ヘタレでカッコ悪い堺雅人と、真面目で格好良い香川照之と、利口でお馬鹿な広末涼子。
三人の関係が絶妙で楽しい。香川さんは迫力とチャーミングの二重仕掛けに、色んな声まで聴かせて達者。
“役者”の本質と本領も問われるw。演じる役者もさぞ楽しいだろう。
池田成志など馴染みの役者に、ヨーロッパ企画が束になって出ていた。

最後はやっぱり金に行き着くが、もう一段階あるのがオツ。
幾つになっても胸をキュンキュンさせるトキメキを忘れたくない。
そんなホット&ラブリーな映画だった。


上映後に初日舞台挨拶。
堺雅人、香川照之、広末涼子、森口瑤子、脚本も担当した内田けんじ監督。
『インディゴの夜』のオーナーを好演した森口さんにずっとお会いしたかったので夢が叶った。

周りに勧めるポイント。
小劇場出身の大先輩がキラ星のごとく多数出演。堺さんと香川さんの全裸も評判w。サングラスが似合わない堺さん、堺さんの服を着る香川さん、制服の広末さんと、衣装の面でも注目w。撮影は一年前だったとか。

ニコニコとずっと笑みを絶やさない堺さんを拝顔してると、こちらまでニコニコしちゃって癒されるv。
最後は監督が出口を間違えるプチハプングもあり、笑いに包まれたあたたかいひと時だった。
映画『メリダとおそろしの森』3D吹替え版を観てきた。

短編アニメーションを先ず上映。
『月と少年』は金色の星がまばゆい。
トイ・ストーリーから『ニセものバズがやって来た』は声の使い分けに注目。
2作品で約10分だが、メリダがなかなか始まらない。

本編。ディズニー/ピクサー史上初の女性主人公。
自由を愛する王女メリダが、森の魔女に「運命を変えて欲しい」と頼んだことから、森の魔法で王国に恐ろしいことが起きる話。

チラシにある説明だと曖昧だが、真実はこう。
口煩くて厳格な母親を邪魔になった娘が、森の魔女の魔法で母親を化物に変えてもらうが、ことの重大さに気付いて母を何とか元に戻そうと奮闘、やがて娘も母も自分たちの誤ちを反省し和解するという話だ。

おそろしいのは、“森”じゃなく、娘のメリダ(笑)。
魔法のチカラで、自分ではなく、母親を変えようとするなんて!
メリダの浅はかさや愚かさが全編に描かれているが、母親を変身させても、私のせいじゃないと全部魔女のせいにする卑劣さも見逃してはならない。彼女のやったことは、今でいえば“家庭内暴力”にも匹敵する。
ある意味、おおかみこどもの雪と花の親子関係とは真逆だ。それだけに生々しくて身近で、愛おしさすら覚える。
とりあえず、娘のもってきた“もの”は用心して食べないのがいい。実に教訓になる映画だw。
そして、何があろうと、最後には娘を体をはって守ろうとする母親の必死な姿に心打たれた。体当たりでぶつかっていく無償の愛だからこそ、娘の心も素直に動かされたのだろう。実に教訓になる映画だw。

メリダの赤い髪の毛一本一本が繊細に描かれ、リアリティあふれる美しい映像が見どころ。ファンタジー性を増す3Dだが、2Dでも充分だろう。
父親の大らかな単純馬鹿ぶりは頼りないが、三つ子の小さなヘルプが小気味よい。
3家臣の息子たちに誰ひとりイケメンがおらず、プチ恋愛が楽しめなかったのは残念。

日本語吹替え版。
メリダの大島優子は、間の取り方も上手くて生き生きとした熱演。
エリノア王妃の塩田朋子は品と知性があってピッタリ。ファーガス王の山路和弘が意外と愉快な芝居。おばあさんの木村有里がいいテンション。三つ子の阿久津秀寿がキュートに活躍。
マッキントッシュ卿の郷田ほづみ、天田益男、内田直哉がバランスよく共闘。其々の息子を加えた、3組の外伝があっても面白そうだ。


本日は郷田ほづみさんのお誕生日。
おめでとうございます\(^o^)/。
郷田さんのお誕生日で、メリダを早く観に行かなくちゃと駆け込んだ次第。終了前に観れて良かった。
映画『死ガ二人ヲワカツマデ・・・ 第二章 南瓜花-nananka-』&舞台挨拶を観てきた。

古代エジプト展の隣のシネマズ六本木で開催のプレミアムイベント。
劇団☆新感線の舞台で貰ったチラシで興味をもった作品だ。
『第一章 色ノナイ青』は観てないが、登場人物の関係はあまりないようだ。

田舎の小さな病院の病棟。徐々に視力を失う病で一年半の療養をしている怜羅は、担当医の中里らに励まされ、好きな絵を描き続けていた。ところが、病院内で患者による謎の自殺が続き、怜羅にも危険が迫る…。

死体や殺害などおびただしい要素もある、ホラーミステリー仕立てのラブストーリー。
思ったよりも中里と怜羅の交流場面が多く、前半はコメディ要素もたっぷり。
タイトルが示す通り、ラストの“南瓜”のシーンが先にイメージにあって、後から肉付けしていったような気もする。
突如現れる、能力者とかアカシックレコードとか、何でもアリの設定に戸惑い気持ちが付いていかない。
中里がバーで飲む漢方薬もアヤしいと睨んだが、あれは何でもなかったのか。
看護士や患者たちは結局どうなったのか、最後にしっかり回収して欲しかった。

初主演の豊永利行は、眼鏡にネクタイに白衣の出で立ちだが、頼りなさげでドクターに見えないなぁw。
藤江れいな(AKB48)は色んな表情を見せて熱演。
栗根まこと、中谷さとみ、保坂エマ、高田聖子と劇団☆新感線が多数、独特の濃い芝居を繰り広げる。
長沢美樹が印象的な役だった。磯貝龍虎、林明寛、桑野晃輔らイケメンは、役名もほどほどに出番の少なさにオツ。
宮内洋は、本日は某所で「赤祭り」。第一章に出た喜矢武豊は特別出演。


上映後、キャストと監督の舞台挨拶。
皆さん、客席後ろの席に一列に座っていて、紹介を受けて立ち上がり、いっせいに通路を降りてステージへ立ち並ぶ。これもサプライズといえばそうか。

登壇者は、豊永利行 國立幸 長沢美樹 林明寛 磯貝龍虎 桑野晃輔 高宗歩未 おぐちえりこ 喜矢武豊 野永伊織 葵 松村清秀監督。 
この人出てたっけ?な人もいたので、役名を言いながら自己紹介は助かる。
おぐちさんの本番の相手役はメイクをした監督w。國立さんはドナルド・ダックみたいな声を要求されたと。劇団☆新感線のファンの長沢さんは結局絡みはなかったと。熱演で壁に穴を開けてしまった林くん。撮影は半年前だったとしみじみ桑野くん。

ところがキャンばかりか、二章には出ていない野永さんや葵さんのコメントが長くて勝手に盛り上がってる。ナナンカメンバー以外が目立ってどうするの!?
MCのピン芸人のラブモリナガって人も、グダグダで頼りない。最初から長沢さんの名前を間違えて、監督に指摘され気づいたり。あげくに監督から舞台挨拶の段取りを説明される不手際で、そんなの挨拶前にやっとけと言いたい。MCが真っ先に撮影裏話を尋ねたのが、一日しか撮影してない人だったり。そういうのはメインに尋ねるべきでしょ。

撮影した伊豆が地元の監督は、撮影前にも結構みんなを連れ回す豪放ぶりだが、なぜか林くんだけは連れていかなかった模様。
結局、監督ひとりがいっぱい喋りまくり、一章と二章の繋がりのネタバラシ(?)の説明があって終了。そんなこと言われても、一章は観てないからどうでもいい話。まして三章があったとしてもどうでもいい話。

最後に客席を背に写真撮影。後ろの方も出てきてと言い「見栄えを気にする」監督らしいw。「サイコー!」のレスポンスを要求されても、最高な映画じゃないし。
みんながハケた後、キャンと豊永だけ残されて、「背、ちっちゃいな」「人のこと言えねーだろ」なやり取りの後、豊永くんが先にハケた。一人残されたキャンが客にアピールしておしまい。第一章に食われた第二章だった。

明日夜も渋谷のイベントを取ってあったが、キャストのトークも聞けないようでは、気乗りがしないな。
映画『アベンジャーズ』2D吹替え版を観てきた。

ご存知、マーベル・コミックのスーパー・ヒーローチーム。
映画『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』『アイアンマン2』『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ』のヒーローたちが結集する、クロスオーバー世界の映画だ。

アスガルドのロキによって四次元キューブを奪われたS.H.I.E.L.D.長官のニックは、ヒーローたちの最強チーム「アベンジャーズ」を召集。だが人間でもある彼らは気持ちも行動もバラバラで、そこを敵につけこまれ危機一髪に陥ってしまう。

アイアンマン、ハルク、ソー、キャプテン・アメリカ…。
数年前から、彼らひとりひとりの作品をコツコツと観てきた。彼らに愛着をもちながら、ニック・フューリーの導きでこの集結をどんなに楽しみにしていたことか。
新しく知ったのがブラック・ウィドウとホークアイ。超人ではないが、二人の活躍も早速目にする。
彼ら全員が同じステージに立つシーンは、涙が出そうなほど感激した。

当初は日本のスーパーヒーロー大戦的な雰囲気かと思ったが、サッカーとかバスケとかのスポ根チームのドラマと似ている。
先ずは不完全なヒーロー同士のぶつかり合い。毒舌やガチな諍いが飛び交い、互いの武器や能力が炸裂。ソーのハンマーとキャプテン・アメリカのシールドは、最強の“矛と盾”の激突みたいw。トニーの父はスティーブと友人だったのに、なんで素直になれないのか。トニーとハルクが科学者的見解で意外とマッチ。洗脳されたホークアイは別にして、紅一点ブラック・ウィドウの人間味豊かな言動は好感。ソーとロキの歪んだ兄弟愛は、ソーが馬鹿としか言い様がない。
彼らの多彩な関係は面白いし、トニーを中心としたユーモアと皮肉混じりのテンポいい会話は楽しめる。こういう人間らしいヒーローの映画が見たかったのだ。

ニックの作為的手段は嫌味だが、あるきっかけで、其々がようやく認め合い再び集まってくるヒーローたち。爽快で痛快な団結力に、ヒーローたちの覚悟や宿命も盛り込まれているのが良かった。
後半の大戦は、其々の個性と能力がいかんなく発揮されて興奮の嵐。アイアンマンの飛行能力が要だが、キャプテン・アメリカのリーダーシップ、ハルクのジャンプと破壊力が目を引く。ハルクが片腕でブルンブルン叩き付けるところは快感この上ないw。

巨大な敵に対し一丸となって戦うヒーローたちの姿は眩しいが、日本みたいな組織や仲間や友情では決して繋がっていない。アメリカらしく、あくまでも個人主義で能力主義。だからこそ、必要とされる時だけ集結するドライな感じが頼もしい。
EDクレジット後に映る、トニーが言い出したヒーロー打ち上げシーン(?)はまさに無味乾燥な空間w。これはトルコで食べたことがあるが、イスラムは手強いともとれそうだ。

日本語吹替え版キャスト。
本来なら、トニー・スタークの藤原啓治、スティーブ・ロジャースの中村悠一が先にくるだろう。ゆうきゃんのキャプテン・アメリカは凛々しくて格好良かった。
ブルース・バナーは宮内敦士に変更だが当然だろう。『ハルク』の小杉十郎太でも良かったが。
ソーの三宅健太、フィル・コールソンの村治学は変わらず。フィルとスティーブのやり取りが良かった。加瀬康之のジャーヴィスとトニーのやり取りは今回も息ぴったり。
ニックは手塚秀彰から竹中直人に変更。ナターシャの米倉涼子はいまいちだ。ナターシャには、マリア・ヒルをやった本田貴子のほうがよかったな。ホークアイの宮迫博之はまずまず。
最強の敵ロキは続投の平川大輔。平川さんの声が存分に聴けるが、何となく小者な敵に見えなくもないw。
映画『おおかみこどもの雨と雪』を観てきた。

『時をかける少女』『サマーウォーズ』に続く、細田守監督の長編オリジナル作品。
製作にあたって、あらたに「スタジオ地図」を立ち上げた。
『グスコーブドリの伝記』を観たからには、こちらもハズせない。密かなお目当ては雨の声をやったD2の幸人くんw。

女子大生の花が“おおかみおとこ”の彼と出会い、授かった“おおかみこども”の姉弟を山奥でひとりで育てていくが、やがて親子の別れの時を迎えるまでの13年間を描く。

あちこちで評判が良い。確かにジブリとは一線を画した、壮大で情感豊かで美しい物語性は胸を打つ。
“おおかみこども”という奇抜な設定だが、ワケありの子をもった親の悩み、子育ての大変さ、子供の成長と将来の選択と自立という点では、普通の親子の物語と何ら変わりはない。どんな時でも子育ては普遍的なテーマだ。子育てを少しでも体験した者には、身近な事象であり懐かしく思い出される。
子供たちの表情や動きが繊細に豊かに描かれて、いつの間にか感情移入して見守りたくなる。
青や緑が広がり土色が交わる美しく雄々しい自然が、大らかでゆったりした気分に導いてくれる。

リアリティある手法でありながら、これは一種の理想的な子育てファンタジー。作り手の子育てへの憧れから、子育てや社会はこうあって欲しいと願う夢物語。
だから理想的で完璧な若い母親を用意しなければ、物語は運び得ない。いつもニコニコと前向きで勉強熱心で頭が良く努力家で、誰にも寛大で優しく協調性があって、困難にもめげず逞しく強靭で忍耐力のある…。そういう母親でなくては、“おおかみこども”など育て上げられないのだろう。
でも世の中、聖母マリアな母親などそう多くはない。欠点だらけでどうしようもない母親でも、子育ては何とかやっている。それがリアルな親子の良さで面白さだろう。そういうズレや弱さが無いのが気になった。

いつも笑っている花に苦言をした老人もいたが、ラストで花が泣き叫び取り乱した時は印象的だった。花が予想もしない形で訪れた、愛する息子との突然の別れ。花の気持ちに引き込まれ、ぐっと胸に詰まって涙が流れた。私はまだ息子との別れを経験してないから、余計に哀しみや喪失感が迫ってくるのか。
タイトルの『雨と雪』は語呂合わせもあろうが、なぜ弟の“雨”が先にきたのかわかるような気がした。
物語は、姉の“雪”が、母の半生を語る形で進行するので、てっきり花はどうにかなったのではと思ってたが、違ったw。子どもが進級しても、花の見た目は変わらない。花は永遠の20代30代なのだ。
親にとって子どもはいつまでも子ども。20歳の雪も見たかったが、花はいつまでも変わらないのだろう。いや、細田監督はたぶん、40代から60代までの母親はしっかり描けないのかもしれない。母親も40代になってからが、子育ての本当の難しさや面白さを味わうハズなのに。

だから、このアニメで描かれているのは子育ての半分だけ。
良心的な親子物語で感動もさせたが、物足りなさ感は拭えなかった。

気丈で快活な花は、宮崎あおいらしい空気感が出ていてハマっている。大沢たかおの彼は、出番は少ないがまずまず。
大野百合から黒木華へ続く雪は、賑やかで活発で生き生き。
加部亜門から西井幸人へ続く雨は、物静かな中にミステリアス。
平岡拓真がやった草平は最初から声変わりw。
中村正&大木民夫の農家コンビのやり取りが味わい深い。菅原文太も存在感がある。

貞本義行のキャラデザはキュートで愛らしい。少年期の雨がかなりミステリアスな美少年に描き込まれており、表情によっては渚カヲルにも見えそうw。
映画『マダガスカル3』2D吹替え版を観てきた。

アフリカ大陸からニューヨークへ帰ることにしたライオンのアレックスたちは、ペンギンズを探しにモンテカルロのカジノに潜入するが、デュオボア警部率いる動物管理局に追われる。逃げるアレックスたちはサーカス一座の動物たちに救われ、ニューヨーク公演を目指すが、執拗な追跡が迫る。

『マダガスカル』シリーズをちゃんと観たことがなくても、あら筋を知っていれば大丈夫。
ニューヨークの動物園から脱走し、マダガスカル島とアフリカの大自然で暮らしてたアレックスたちだが、ここにきてホームッシック。されど、実際に自分たちがいた動物園の狭い世界を再び認識することで、結局は魂と体の“自由”を求めていたのだと知る。
“自由”とは自分ひとりだけでなれるものでも、自分だけがなるものでもない。手助けしてくれる“仲間”がいてこそ。そして“仲間”と共に力を合わせてなるからこそ、達成感も喜びも大きいのだろう。

アレックスたちを助けてくれる最大の功労者が、今回のお目当てのペンギンズ!
スパイばりの発明・戦闘・変装に加え、商人まがいの資金源と交渉もお手の物。まさにプロの頭脳集団。
トム隊長の声の飛田展男のクールドライな声がいっぱい楽しめて満足v。コワルスキーやリコはもちろん、新人も頑張っていたよね。
テレビの『ザ・ペンギンズ』シリーズも良かったが、本元の主役を食いそうな今回の活躍ぶりは面白さも倍増。

デュボア警部の執拗な攻撃も、もはや人間ではないほどの強烈なキャラクター。高乃麗の怪演も冴え渡る。
サーカス団のビターリは凄み抜群の菅生隆之。かつての失敗で悩んでた彼に、アイデアを授けて再び自信を取り戻させるアレックスとの友情がイイ。“小さな穴”が布石となって、いざという時ビターリが仲間と共に颯爽と鍵穴を抜ける。その描かれ方は一瞬だが、“自由”への飛躍にも見えて面白かった。
ジアの園崎未恵は、キュートな色気のヒロイン声。アレックスとの絡みも甘い。
お調子者のステファノの声は、最初は三ツ矢さんなのかと思ったら、堀内賢雄だった。芸達者でテンション高くて抜群。

キング・ジュリアンとモーリスの声は、おぎやはぎの二人。モートの山口勝平の声もたまに聞こえる。
アレックスの玉木宏、マーティの柳沢慎吾、グロリアの高島礼子、メルマンの岡田義徳はシリーズ続投。さすがに役によくハマってて違和感がない。

空中サーカス団のきらめく光景、アフロヘアーの愉快な集団、ダンスに歌と、まさにドリームな映像づくし。デュボア警部への逆襲はあっという間で、シニカルでスマート。
笑って発散させる、今夏一番のハデハデでキラキラな映画だった。
『コードギアス 亡国のアキト 第1章 翼竜は舞い降りた』を観てきた。

『コードギアス 反逆のルルーシュ』のスピンオフ作品。
時系列的には、『反逆のルルーシュ』と『R2』の間の話で、ヨーロッパを舞台としている。
今年、立て続けに舞台化やミュージカル化がされたが、このOVAも『コードギアス』シリーズの新プロジェクトの中の一つ。

日本が神聖ブリタニア帝国に占領されてから7年。日本はブリタニアの植民地「エリア11」として圧政を受けていた。
そんな中、ヨーロッパの戦場で、ユーロピア連合国の使い捨ての駒として送り出される「wZERO」に所属する日向アキトは、生存率の低い戦いに身を投じていた。

ナイトメアを投入したメカアクションが熾烈で迫力満点。
さすがSFロボットのサンライズだ。
しかし、少年兵たちに自爆を強いる戦い方は、戦時中を思わせてイヤになる。僕が死んだら、これで家族が生き延びられる…なんて哀しいネタも欝にさせる。

第1章は設定とキャラ紹介。全4章なので「起」の部分のみ。
主人公の日向アキト(声:入野自由)は、おさげ髪で、らんまやデュオを思い出させて惹かれそう。普段は感情を表に出さないが、仲間たちへの情も感じさせたり、戦闘中は残酷な顔を曝け出したりと、クールな中の複雑な内面性はまさにダークヒーロー。序盤の戦闘での唯一の生還者ぶりは、どこぞのキリコ・ビューティーなのかと思った(特異点か異能生命体?)。そういや、キリコに似てるっぽいw。
「wZERO」の司令官になるレイラ・マルカル(坂本真綾)は、戦場でも長い髪とスカートの格好は置いといて、まずまずのヒロインぶり。
不良テログループの三人(日野聡 他)の扱い、オスカー(森久保祥太郎)の描き方には特に目新しさはない。
ブリタニア帝国では、シン(松風雅也)の非情な暗躍に注目。“ヒュウガ”という名前からして、アキトと兄弟なのか? 

第2章予告には、スザクやC.C.の姿が。やっと物語が動き出す。
2012年春に第2章公開予定。かなり間があるのが難。

主題歌は坂本真綾の「モアザンワーズ」。
赤根和樹の監督なので、やはり『エスカフローネ』を思い出す。劇場版の舞台挨拶の時、真綾ちゃんは16歳だったかな。

入野くんは先日舞台に出ていたが、真綾さんは来月舞台を控える。祥ちゃんもね。
『特命戦隊ゴーバスターズ THE MOVIE 東京エネタワーを守れ!』&舞台挨拶を観てきた。

昨日は『フォーゼ』メインで観たが、本日はお付き合いで『ゴーバスターズ』。

「東京エネタワー」周辺のエネトロンタンクを街ごと亜空間に転送させようとする、ヴァグラスのエンターの野望を打ち砕くため、立ち向かうゴーバスターズ。ところがバスターマシンが出撃できない事態に陥り、バディロイド・エネたんの出番となる。

潜水艦形態のバスターマシンが登場。バディロイドのエネたんは、生意気なツンデレ系だが、話のキーマンとして活躍。声の辻希美はいかにもなアニメ声。
ブルーにレッドにイエローまでがウィークポイントを突かれる窮地の中、助けに入れるのがアレだけとは頼りない。陣マサトもビートも早々とリタイア、彼らの活躍は冬以降に持ち越しかな。
今回はやっぱりエンターが印象的。メガゾードに自ら乗り込み操縦するエンターは髪型も変わって、妙なハイテンションで奇声。釣られて黒木司令官も奇声w。
三本の牛角みたいなスチームロイドの声は楠大典。

蒸気噴出のためスチームロイドがいっぱい水を必要としたり、噴水に海中に海面が舞台だったり、水しぶきが存分に飛び散ったりと、酷暑の中の映画館にいかにも涼しげな空気を送ってくれた。


上映後、初日舞台挨拶。
後方扉から出てきた、鈴木勝大、馬場良馬、小宮有紗、松本寛也、そして陳内将、柴崎貴行監督が登壇。エンターの陳内くんはサプライズで、エンターとしては初見え(嬉)。MCは昨日に続いて麿さん。

鈴木くんはちょい緊張しいだが、馬場くんはいつものひょうきんぶり。
松本さんの前に鈴木くんが出てきて、お約束の「カブルんじゃねえ!」(笑)。隣の陳内くんもカブル始末w。
男前の柴崎監督は「司令官じゃないですよね?」のフリに、「イエー!」と劇中のテンションw。はりきって東京タワーのTシャツ着用w。

エンターは撮影時から「オレ主役だよね」と言ってたそうで、「視点を変えなくてもエンターが主役」と陳内。海からビショビショになって出てくるところは気持ち良かったと強がりw。でも操縦する場面で変えられた髪型を、小宮さんから「ゴキブリみたい」と言われ、強烈なエンター返しにヘコむ陳内w。
陣さんは顔から消えていったが、あれはメガゾードの転送と同じなので上から消えるのが正解と監督。エンディングの東京タワー展望台のシーンは、好きにやってイイ!と言われて楽しんだ模様。

最後にみんなで決めポーズ。しかもエンターも、監督も、というムチャブリw。
鈴木くんが「イイ頃合になったら、みんなでゴー!って言って下さい」とアバウトな指示w。マイク置いてレッド、ブルー、イエロー、ビートバスターとやった後、陳内がグラサン付けて「エンター!」(爆笑)。仕切り直しでもう一度やったら、今度は監督が「ディレクター!」(笑)。あとの二人に持ってかれて終了。
やっぱ悪者がいるとひと味違うわ。思ったより楽しかった。
『仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!』&初日舞台挨拶を観てきた。

2大ヒーロー夏の祭。入場プレゼントのカード。DVDパンフ購入。
『フォーゼ』の前に『ゴーバスターズ』があったが、それは明日に持ち越し。
予告の仮面ライダーオーズの2人の『PIECE』がめっちゃ気になるw。

仮面ライダー部が、ある団体の依頼で、世界を破滅させる衛星兵器XVIIを破壊する役目を担い、宇宙へ旅立つことになる。ところが彼らの前に、破壊工作員と宇宙鉄人が現れて妨害、壮絶な戦いの火蓋が切って落とされるという話。

フォーゼ一年間の集大成。
「機械とも友達になる」と宣言した弦太郎だが、その覚悟を自分で裏切って後悔するという皮肉な結果が辛い。
冬の映画でもそうだったが、仮面ライダー部のみんなが弦太郎のために体当たりで動く光景には、思わず涙が出てしまった。友達のために懸命にやる姿ってホントに熱くなる。まして今回はライダー部の面々だけじゃない。顔ぶれだけでもテレビ版の総集編みたいで、懐かしくほころんじゃう。中には、味方とは思えない顔もいたけど、それさえ笑い飛ばせる勢い。
これは、ドラゴンボールでいう“元気玉”みたいなモンだね。
それも、ひとりひとりが足を使って言葉で思いを伝えていく、手作り感覚の元気玉。必死に駆け回る仲間たちの汗の輝きが眩しく映った。

先日観た『ダークナイト ライジング』ばりのカーチェイスや銃撃戦があり、前半は結構スリリング。原幹恵演じるインガは、キャットウーマンばりのアクションで、胸はこっちのほうがデカイw。
昨年の『ゴーカイジャー』ではジャスミンで出た木下あゆ美と、先日の『マグダライブ』ではアナスタシアの美しさだった岡田浩暉がゲスト。
アンガールズの田中卓志と山根良顕がついに揃って笑いを醸す。
磯部勉は『マジレンジャー』絡みでピッタリ。
『仮面ライダーウィザード』が初お目見え。多重影分身に見えて、魔法使いというより忍者みたいw。
前半で美羽達がやってた射撃などの宇宙訓練が、後半でしっかり役に立つなど回収されて、若いうちの経験ってムダなものはないんだなと思ったり。
なんだかんだ言っても、大人の階段の~ぼる~♪流星にもっていかれたかなw。友子、ガンバ!


上映後、初日舞台挨拶。
福士蒼汰、高橋龍輝、清水富美加、吉沢亮、坂本浩一監督が登壇。MCは麿さん。

吉沢くんが誰よりもテンション高くテンパっていて、この感動を5人に伝えて宣伝して欲しいと笑顔。ラストのあのシーンは、監督が何カットも違う角度から撮ったそうで、「ありがとうございます」とニッコリ。
パンフにもあったが、福士くんのクランクインはXVIIに向かって言うシーン、クランクアップは土手のシーン。インからスイッチが入って、ある一瞬涙が止まらなくなったという。吉沢くんも、弦太郎が熱すぎて自分の芝居も持っていかれそうだったとセーブ。監督も演技プランを変えたそうだ。
清水さんは「スクリーンではいつもより多めにキター!言ってます」。龍輝くんは「俺の親友は永遠に学園のヒーローだ」の賢吾の台詞に、賢吾も自分も成長したなと拍手したという。
オリンピックにちなんで、「フォーゼも金メダルの大ヒットを飛ばせるように」と蒼汰くんが言うと、亮くんが「アベンジャーズとかいるけどね。負けないけどね」(笑)。

ここでスペシャルゲストの土屋アンナが登場。TVに続き映画でも主題歌を唄わせて貰って嬉しかったと喜び、主題歌「Voyagers」については「人間違うからこそ一緒に生きていこう、違う道を歩んでいこう」「リスペクトして生きる強さ」というメッセージを述べた。フォーゼについても、自分の子供たちの笑顔についても言及した。ついでに監督には、「ぜひ今度は悪役で」とw。

フォトセッション。客席に黄色いフォーゼ・シートが配られ、みんなで掲げて参加。レッドバスターもやってきて、客席前方に立ち並び、蒼汰の「大ヒット!キターッ!」で、みんなで腕を上げて撮影した。
またひとつ、キャストの成長が見られて楽しいひと時だった。

次は9月の『ファイナルステージ&キャストトークショー』で会えるかな。
明日は『ゴーバスターズ』舞台挨拶。

さあ、宇宙のあとは、銀河だ!
映画『ダークナイト ライジング』吹き替え版を観てきた。

クリストファー・ノーラン版“ダークナイト”シリーズ3部作の完結編。

前作から8年後。恋人を失い長らく引きこもっていたブルース・ウェイン(バットマン)が、 ゴッサムシティを恐怖に陥れる凶悪な敵ベインの登場で、再び新兵器と共にシティに戻り、死闘が繰り広げられる。

息もつかせぬジェットコースターな展開で、3時間があまり苦にならなかった。
キャラクターの過去話が絶妙に盛り込まれ、後に繋げて回収されるストーリー構成も上手い。
バットマン本人のアクションよりは、バットポットなどマシンの活躍が目立ち、スリリングでエキサイティング。
残念なのは、バットマンサイドのジョンやセリーナのキャラが鮮やか過ぎて、肝心の敵の印象が終わってみれば薄くなっていること。

信頼と裏切り。どん底からはい上がる執念と覚悟。その生き様は『装甲騎兵ボトムズ』の世界観とも似ている気がした。
おぼっちゃまにはわからない♪ 金持ちのブルースにも自分と同じ目に合わせてやりたいとする意思は、わからなくもない。
なら、核爆弾はどうか。広島や長崎と同じ目に合わせてやりたい、と思う日本人がいなくて幸いだろう。だが、その地獄絵図がどうしても描けないところに、アメリカ映画の限界がある。

クリスチャン・ベールのブルース・ウェインの声は檀臣幸。
ゴードンの納谷六朗、アルフレッドの小川真司、フォックスの池田勝は不動のメンツで、深みと安心感。
ベインの山路和弘はマスク越しの声が多い。
新キャラのジョン・ブレイクは、鑑賞者目線で一番応援できるイケメン。土田大の包容力のある凛々しい声に癒される。
チャーミングな容姿で、バイクを駆るセリーナがカッコイー。園崎未恵の声もピッタリ。
五十嵐麗のミランダはやや抑えた色気だ。
スケアクロウで名を馳せたジョナサン・クレイン。日本テレビ版では関俊彦もやってたが、ここは遊佐浩二が担当。

正義と悪にとどまらず、人間の闇と弱さと恐ろしさを語ったシリーズ。
終わりよければすべてよし。ラストでのジョンのある決断にも喝采。
最後はジンとさせる余韻で満足できた。
映画『グスコーブドリの伝記』を観てきた。

宮沢賢治の原作。『銀河鉄道の夜』の杉井ギサブロー監督やスタッフが集まり、ますむらひろしのキャラ原案で作り上げた。
途中でグループ・タックがなくなり、あとを手塚プロダクションが引き継いで、4年もかかったという。

森を襲った冷害飢饉で、両親や妹ネリとの幸せな生活を奪われ、一人ぼっちになったブドリ。森を出て様々な人と出会い学び、やがて技術者・学者として、みんなのために出来ることをしようとする。

猫や動物なキャラクターだが愛らしい。
美術や背景が丁寧に描き込まれていて、美術や世界観は壮大でとても素晴らしい。
緑多き美しい自然と、荒涼としたむごたらしい大地とのギャップ感が、よりいっそう心に突き刺さるかもしれない。

だが、肝心のブドリ自身がいつも受け身なように見える。昨今のアニメは“家族”をうたったものが多いが、この作品自体は逆だ。父や母に捨てられたブドリは、映画『誰も知らない』状態の少年に過ぎない。妹が連れ去られ、ある意味自由の身となったブドリの前に、次々と仕事が舞い込んで食うことには困らなくなる。イーハトーヴ市に行っても、無料で大学で学べて、健全な仕事を世話して貰える。ブドリが単に頭が良くて真面目だから…こんなにラッキーなことに出会うのだろうか。ブドリが積極的に立ち向かっていく生き様は、この映画からは見えにくい。

ストーリーとしても随分端折っていて、救いも希望も感じられない。
映像に主を置いたのはわかるが、ネリを連れていった謎の男を追いかけるあまり、不気味で幻想的な世界を長々と見せ、実はそれはブドリの夢オチだった、というのでは芸がない。そんなものを描くなら、大きくなったネリとの再会を見せて欲しかった。
ブドリがなぜ故郷やみんなを救いたいと願うのか。それにはやはりネリが生んだ子どもの存在が必要になるだろう。それこそ小田和正の主題歌「生まれ来る子供たちのために」とも繋がってくる。あの中途半端な展開と結末では、ブドリの心情は伝わりにくいし、戦時中の自己犠牲と変わらないように見える。

そうした自己犠牲による平安が、後に“伝記”となって語り継がれるのだろうか。
作中に「潮汐発電所」というエネルギーのことが出てくるが、“伝記”は“電気”ともかけているのかな、と思った。

ブドリはキャラ的にはつまらないので、声の出演の小栗旬がちょいと気の毒になってくる。クーボー博士の柄本明、赤ひげの林家正蔵がイイ味を出している。

映像はないけれど、朗読 宮沢賢治名作選集の『グスコーブドリの伝記』のほうがよほど面白く聞ける。石田彰がクーボー博士や村人も兼ねる。
映画で『雨ニモマケズ』が読まれていたが、CDではこれも石田さんが朗読している。
徹夜明けで、『ROAD TO NINJA NARUTO THE MOVIE』を観てきた。

眠いけど今日しかない(^^;。入場特典のDVDがお目当て。結構混んでいた。
原作者・岸本斉史が自ら、企画・ストーリー・キャラデザを担当したNARUTO映画。

仮面の男の新たな謎の瞳術により、ナルトとサクラは異世界に飛ばされ、別人のように変わってしまった仲間たち、そして死んだはずの者たちに出会う。だがそこでも、仮面の男の攻撃が容赦なくナルト達を襲う。

亡き親のことを思い、孤独に沈むナルトの姿は、まるで伊達直人のEDテーマVer.。
口煩い母とうだつが上がらぬ父に反発するサクラは、今時の子供そのまま。
二人が行った別世界は、自分たちの夢が叶えられたドリーミンな場所。キャラがちょこちょこ正反対なのが可笑しい。ナルトの別名も注目。

どのキャラクターも生き生きしていて、今までのナルトの世界を踏破した感じで、例年よりはうんと面白かった。
ナルトの気持ちに寄り添い、サクラの心も理解しながら、やはりミナトやクシナの親目線で観てしまい、ホロリと涙してしまった。
テーマのひとつは親子の絆。ひと時の幸せな場所よりも、辛くても苦しくても真実の絆を求めるナルト。
仮面の男の正体は予想通り。恐るべき“暁”も、味方にするとこんなに心強い。
ヤマ場の戦闘はやや退屈気味に見えたが、今回はストーリー重視というべきか。

竹内順子&中村千絵がぴったりのコンビ。井上和彦らレギュラー陣も豪華に集合。
ミナトの森川智之、クシナの篠原恵美が快調。ヒナタの水樹奈々が強気w。ゼツの飛田展男も健在。

今回はカカシ先生というより、イルカ先生の出番! 前半の声があまりに冷たく硬質で、関俊彦さんの声に聞こえなかったが、それは布石でもあった。ラストでしっかり感動させてホロリ。加賀丈太郎を観た後だったので、ひとり関さん祭だったv。

劇場版とリンクしているのが、7/26に放送されたNARUTO疾風伝の「ROAD TO SAKURA」。今考えると、サクラの孤独が切ない。


ニコニコチャンネルでタツノコアニメを無料配信中。
『赤い光弾ジリオン』を第1話からずっと鑑賞中。5話を1週間だけなので大変だが、80年代のアニメの良さを味わえる。
こっちではカカシとイルカが強力タッグ。ネオロマを彷彿とさせるキャスト陣にも注目。
『劇場版ポケットモンスター ベストウィッシュ』第2弾を観てきた。

夏はポケモン!
1998年の第一作から数えて15年目のポケモン映画は、9年振りの短編と長編の二本立て。
パンフは短編の絵本付き。

★短編『メロエッタのキラキラリサイタル』
夜空で歌うメロエッタの「メロディベリー」4つが突風で飛ばされ、ピカチュウたちが仲間と共に探してあげる話。
ピカチュウたちに対抗するニャースは、メロエッタに密かにラブラブv。でもなんだかんだと不運に見舞われ、ソーナンスと共に飛ばされる始末w。
面白いのは、探し回る先が“陸”“海”“空”とちゃんとテツを踏んでること。ギュっと濃縮された冒険ものだった。
夏菜のナレーションはチャームだが、「メロディベル」と聞こえるなぁ。
テレビと同じ、ももいろクローバーZが歌うEDテーマで踊るポケモンたちは、まるで『プリキュア』な住人たちw。

★長編『キュレムVS聖剣士ケルディオ』
冒頭から、聖剣士の三体と特訓している物語の主役・ケルディオ。
これが結構長くて、サトシやピカチュウたちが現われるまで15分待たねばならないw。

ひと言で「三銃士」ネタだった。昨年から今年にかけて「三銃士」作品が世にひしめいたが、おそらく昨年初めに思いついた話だと思われる。
ポケモンと世界を守っている聖剣士、コバルオン&ビリジオン&テラキオン。そのままアトス&アラミス&ポルトスな雰囲気(笑)。声は、山寺宏一&本田貴子&安元洋貴。
ケルディオがダルタニアン。無鉄砲で自信家で喧嘩っ早いが、いったん失敗すると怖気づきくじけちゃう、いまどきの少年を体現。
ケルディオがサトシたちに出会い励まされたことで、仲間の大切さを知り、恐れずくじけない勇気を持つ。少年の成長物語の王道だ。ケルディオの声は初主演となる中川翔子で、並々ならぬ意気込みが感じられる。

聖剣士を相手にするのが、最強の龍ポケモン、キュレム。昨年の映画の繋がりもあり、キュレムは一体でブラックとホワイトに姿を変え、その造詣映像が迫力満点。竹中直人声に似ているなと思ったキュレムの声は、最近話題の高橋克実。ちょっと『シレンとザギ』で出した声にも似てたり。ただキュレムは、暗躍する枢機卿やロシュフォールとは違い、聖剣士にとって超えねばならない壁という存在感に徹する。
松本梨香のサトシは、ケルディオを導く役でもあり、15年前と比べるとかなり成熟しちゃった感。ブラックなロケット団の出番はないが、声はポケモンで聞けるか。

「一人はみんなのために みんなは一人のために」と似たようなフレーズもあり、剣を重ねるシーンもあって、型通りのネタに安心して笑える。
「三人よりも四人」とケルディオ。『四銃士』ならぬ、四聖剣士となった続きも見てみたい気がする。
弁当売りでモブ出演したローラの主題歌「Memories」が綺麗なハーモニー。ローラって歌手だったんだと知ったw。
映画『アメイジング・スパイダーマン』3D吹替え版を観てきた。

人気シリーズ『スパイダーマン』のリプート(生まれ変わり?)。
新監督と新キャストを迎え、設定や物語も変えて、新たにシリーズ化した。
筋書きは前シリーズの1作目と変わりなく、ストーリーにはすんなり入っていける。

父母が失踪して伯父夫婦のもとで育てられた高校生のピーター・パーカーが、父親の親友のコナーズ博士との関わりと父の残したメモを見つけたことから、スパイダーマンになる運命と過酷な戦いに身を投じることになる。

ピーターのアンドリュー・ガーフィールドは爽やかなイケメンで、グウェンのエマ・ストーンは知的でキュート。周りもイマ風のキャスト陣で固めている。狭いスケール感だが、青春ヒーロー・アクションとして成功している。
扱う小道具もPCが主流でスマホにタブレットと現代的。映像ひとつひとつが近代的で洗練されている。
最もたるものが3D映像。スパイダーマンの身体やトガったものが見事に飛び出し、ラストの無数の泡もファンタジーで、思いっきり集中させる。
スパイーダーマンの決めポーズも美しい。CGばかり多用かと思いきや、地下鉄のアクションや陸橋前のアクションはリアルで、特撮ものを彷彿とさせる。

スパイダーマンになる過程や復讐劇はやや強引ながら納得いくし、グウェンへ早々と正体を明かしたり、己の行為の責任を取ろうと葛藤したり、隅々まで細やかなエピソードが展開される。クレーン車の手助けには胸を熱くさせながら、「情けは人のためならず」の言葉が浮かんできた。
キャプテン・ステイシー警部と娘グエンとのやり取りは要らないと思われたが、後々に布石とわかり、警部とピーターとの真摯なやり取りもぐっとくる。

だが全てが上手く纏まっているため、なんだか出来レースみたいで味気ない。
頭の隅には常に前シリーズのことが浮かんできた。あちらの濃さに比べると、こちらは万人向けの普通の味に収まっている。
ピーターと伯母メイとの関わりも素っ気無いし、ベンやメイの言葉も深みをもって届いてこない。前シリーズの言葉はどれもが素直に感動させた。
ゴジラとトカゲを一緒にするギャグは笑えるが、玉子のエピソードは一日経っていてあまり効かない。
エンドクレジットの途中で、よく分らない伏線。両親の行方も含めて疑問や結末は残したまま、次回へ続くのか。
途中から聞こえる日本語歌詞の意味が一番わからなかったw。

吹替え版は、前野智昭がピーターを若者らしくクールに、時にシャイに好演。恋愛シーンも多く怪我もするので、つい『図書館戦争』の堂上とカブりそうになるw。
グウェンの本名陽子は可愛らしくてピッタリ。コナーズ博士の内田直哉は前半と後半の声の使い分けが見事。ステイシー警部の菅生隆之は語気が強く頼もしいが、娘には柔軟でイイ。
一龍斎春水のメイおばさん、佐々木敏のベンおじさんは味わい深い。
ピーターの父リチャードのてらそままさきは、最初と中盤でちょこちょこの出番。最近は父親役だとこういうパターンばかりw。でも父親の影はまだ残るので、次回の出番に期待したい。
本物のアナウンサー達が出演。だから日本的なパニック光景にも思えてしまったw。
『宇宙戦艦ヤマト2199 第二章 太陽圏の死闘』を観てきた。

2週間限定かなと思い、さっさと鑑賞。すごい満席。
冒頭は第一章ダイジェスト映像。第二章は第3話~第6話のボリューム。
ささきいさおのOP主題歌「宇宙戦艦ヤマト」はやや明るい曲調へ。

イスカンダルへ向かう宇宙戦艦ヤマトが、木星のガミラス浮遊大陸の攻防を経て、冥王星のガミラス基地を叩くための死闘を描く。

ヤマトの能力“ワープ”と“波動砲”が登場。
その科学的説明は、今聴いても漠然とした理解だが、映像の美しさや力強さを共鳴できる。ガミラス側にも“ゲシュタムジャンプ”というワープがあることを知った。ガミラスの反射衛星砲は、今考えると『ガンダム』などにも出てきたが、未知の武器を丁寧に考察観察し対処しようとするヤマト乗員の姿勢が好ましい。

多数のキャラクターから、今回特に目立つ者。
技術解析や説明役の新見薫(声:久方綾)。あくまで冷静沈着で妙案をうちだす真田志郎(大塚芳忠)。新たに戦闘機乗りになった山本玲(田中理恵)と、彼女を見守る加藤三郎(細谷佳正)。
浮遊大陸での誘拐事件で、急速に近づく古代進(小野大輔)と森雪(桑島法子)だが、少しずつイイ関係になっていくのが微笑ましい。古代と島大介(鈴村健一)の互いの信頼関係もさりげなく出ている。
キャラ以上に声が飛び交っていて印象的なのが、榎本勇(藤原啓治)とアナライザー(チョー)。こういった古参の戦士がいるから重みが増す。
ガミラス帝国からはいよいよデスラー総統(声:山寺宏一)が登場。凄みのある存在感。先日結婚された山ちゃんと理恵さん、ここで共演という形になったのね。
シュルツとかガンツとか、やたらドイツ系の名前が並ぶ征服された惑星民族。シュルツ(島香裕)が娘の映像を見てたが、2等ガミラス人とか地球をテロンと呼ぶとか、深みのある設定がのぞく。

冥王星基地を叩く二段、三段構えの戦闘シーンは、緊迫感あふれて見応え抜群。
海底に潜んだ戦艦が、まさかの○○○化で、個人的にも大興奮!
間髪を入れず、海帽の縁を後ろに向け、スコープを覗きながら発射する沖田十三(菅生隆之)が実に格好良かった。旧作と比べて、新作の沖田さんはまさに鬼神!鋭く厳しく力強く雄々しい艦長。エンドテロップのキャストで真っ先にクレジットされるのも納得いく、凛々しいヒーローぶりだ。

食堂室の“宇宙海軍カレーセット”なるメニューが気になるw。
傷ついたガミラス星人を「手当てしなきゃ」と言う衛生士の原田に、アナライザーがすかさず「敵だぞ」のやり取りが興味深い。
玲が「古代一尉」と呼んでたが、“一等宙尉”のことだったか。森も一尉で、加藤は二尉。真田は三佐で、佐渡が二佐。『ジパング』とちょっと重ねたくなったw。

『第三章 果てしなき後悔』は10/13上映開始。
入場者プレゼントのステッカーもコンプリしたくなるw。
劇場版『BLOOD-C The Last Dark』を観てきた。

Production I.G×CLAMPのオリジナルアニメ。
昨年放送されたテレビアニメの続編の形だが、世界観や登場人物は共有するも、一本の作品として独立している。
浮島の惨殺事件で、ただひとり生き残った(?)小夜は、事件の黒幕の七原文人に復讐すべく東京へ。そこで新たな出会いと拠りどころを知り、対決の時を迎える。

ストーリーとしては悪くない。作画も美しく、スピーディーな動きや洗練されたアングルは見事だ。
小夜はセーラー服でない制服でも戦い、入浴中の裸や乳首もサービス。あざといぐらいのユリっぽい描写やイチャイチャもあり、萌えのポイントは押えている。
小夜役の水樹奈々はクールで落ち着いた芝居でいい。テレビであった可愛らしい声や柔らかな歌が聴けないのは残念だが、EDの主題歌で熱く世界観を唄い上げる。野島健児、神谷浩史、中村悠一、梶裕貴と人気男性キャストが支える。

テレビで過激だった流血やバイオレンスシーンは最初の地下鉄ぐらい。場面場面では集中させるが、中味が伴わなくてドラマ的に薄い。全体的に随分とおとなしく抑えられ、いまひとつの印象に終わっていた。
蔵人を代表とするサーラットの目的や信念が伝わらないし、メンバーのキャラクター性も弱い。キーボードを叩くスピードだけでハッカーか?PCがダメな伊織はただの運び屋か?どのキャラにも感情移入できないのが辛い。
最悪なのが、物語のヒロイン柊真奈。橋本愛の棒読みにもうんざりだが、ヘタレなのにやたら小夜に関わり、足手まといで邪魔になってウザくてたまらん。わざとじゃないかと思うほどで、最後の最後まで疑っていたw。

すべてを失い、向かうものはすべて敵で、闇に閉ざされた世界で孤高に生きる小夜が、東京で見いだした小さな光と束の間の場所。風呂やコーヒーを共にできるようになる、小夜の心の変化と癒しを描きたかったのか。
人間は簡単に化け物になってしまう。でも最後のはまるでジブリ映画のような様相w。
青少年保護条例は複雑だが、新都知事の存在には驚嘆。小夜との対決がなかったのが残念。
色んな意味で、文化庁の圧力がかかっていたのかなと思える作品だったw。
映画『少年と自転車』を観てきた。千円デー。

春の『淋しいマグネット』に通う中、観たいなと思って逃して諦めていたが、この度、一週間だけのアンコール上映決定。

もうすぐ12歳の少年シリルは、美容師のサマンサと出会い、週末だけの里親になって欲しいと頼む。やがてシリルは実の父親に捨てられたと分るが、二人はいっそう真摯な触れ合いになっていく。ところが悪い友達の魔の手がシリルに向けられる。

ベルギー=フランス=イタリア作品。
ダルデンヌ監督が来日した際に聞いた“帰ってこない親を施設で待ち続ける子どもの話”をもとに生まれた映画だという。
日本では週末だけの里親制度というのはあまり聞かないが、ボランティアなのか、それとも幾らかの養育費が入ってくるのか。
あちこち連れて行く交通費や光熱費もかかり、自分の時間も何もかも自由にならないだろう。それなのに、血の繋がらない子どものために、無償に何かを注ぎ込む。そこに存在するのは“愛情”にほかならない。

サマンサの愛情は包容力と忍耐だ。彼女の過去は語られないが、シリルに昔の孤独な自分を見たのだろうか。日常の生活を共に過ごしながら、少しずつシリルの硬い殻をほぐして、彼の良さを引き出そうとしていく。どんなことがあってもシリルを受け入れる、その温かさと強さに感心する。
シリルの愛情は一緒にいて役に立つことで、それで自分の存在意義を見出すこと。負けず嫌いで頑固な反面、臆病で繊細なのだ。父親のソース作りを手伝ったり、サマンサの買い物を手伝ったりする時の彼の幸福そうなこと。
だから、お婆さんを優しく世話する友達の行為にも胸を打たれ、彼の手助けをしてやりたいと純粋に思ったのだ。彼の愛情に、悪事や犯罪行為だという認識がかき消されてしまうのが恐ろしい。
普通の少年はこんなふうにすぐ不良少年になって、拘置所に入れられてしまうんだなと諦めかけていると、サマンサは彼の歪んだ愛情を否定せず、逆に自分の愛情で包み込んでしまう。こういう小さな愛情の積み重ねが、少年を更生させていくんだろう。
頭を殴られた親父が、復讐に燃える息子の過ちを、責めるよりも庇うところが愚かしいが、これもまた父性なりの愛情なのだろう。

シリルはとにかく足が速い。自転車にも追いついてしまう。自転車に乗ると、もっとスピードが出てすごい。その疾走感は、少年の危うさと成長に重なる。それにしても自転車の盗難騒ぎが多い街だが、鍵はかけないのか。
孤独に駆けていたシリルだが、やがてサマンサと自転車を交換してサイクリングを楽しむまでに成長する。中年の彼女は息が荒いが、筋トレをしたほうがいい。
しかし携帯音によってシリルが再生する場面で、映画は唐突にエンドマークになる。これは二人の明るい将来を表しているのか、それとも暗雲たちこめる未来を予兆させているのか。
この先もいろんな問題や事件が噴出するようで、二人の今後がとても気になった。爽やかなラストといかないところがヨーロッパらしい。

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