ミュージカル『忍たま乱太郎』を観てきた。

原作の尼子騒兵衛氏からも花壇。
Gロッソにしては前方のとても観易い席だが、平日ソワレのためか、座席は半分程しか埋まっておらず。
開演5分前の前説は、くの一3人と土井先生。やっぱ唄っちゃうのね~♪

忍術学園一年生の乱太郎たち3人組がドクタケ忍者にさらわれて、学園長から救出の命を受けた六年生たちが、きびしいたたかいに挑んでいく。いつもの一年生ではなく、六年生のイケメン6人が活躍するお話。
さらわれた原因とか、ドクタケではない忍者との絡みとか、人質取引に謎の武器とか、ツッコミ所満載なグダグダでぬる~いストーリー。休憩入れずに2時間30分はやっぱり少々長いと思う。
でも歌やダンスあり、忍者バトルにアクションありと内容は盛りだくさん。笑いやギャグの中に友情や絆をギンギンに詰め込んで、ほのぼのと楽しいファミリー・ミュージカルに仕上がっていた。

放送17年目を迎えることで、原作よりアニメのほうをやたら意識したアプローチが多かった。みんなキャラクターをよく研究していて、アニメと結構よく似ているから愉快。
乱太郎たち一年生はAキャスト。3人とも小学生でぷくぷくと可愛くて、演技も頑張ってこなす。きり丸がやや背が高く、しんべヱがアニメと一番ソックリでちゃんと唄うこと。

今井靖彦@山田伝蔵先生役もよく似ていたが、今井さんのバク転やアクロバットがカッコイー。伝子さんもお楽しみのひとつ。
森本亮治@土井半助先生は雰囲気たっぷり。『bambino』シリーズの森本さんが頭にあったので、関西弁じゃない言葉使いが可笑しい。声は関俊彦さんというより智一さんに近いかもw。着物から出したナマ足も綺麗。
学園長も似ていたが、八方斎のは被り物ではないだろうかw。
さけもとあきらは歌が素晴らしく、場違いのミュージカルスターという感じで、穴太の存在感をアピール。
くの1の3人はもっぱら説明役としてあちこちに出没、歌やダンスでもキュートに盛り上げて重宝な役どころ。おシゲちゃんの話し方がかわゆい。
赤壁役の人は殺陣や立ち回りを激しくこなして凄かった。最初は”あかかげ”と聞こえてしまい伝説の忍者を勝手に想像w。
忍者アクションではJAEの面々も共演、慣れない若手を導いていた。

6年生役の役者は、みんなどこかの舞台で拝見した若手ばかり。
留三郎@片岡信和は、一段と精悍な顔つきになり、堂々と主演をつとめて周りを引っ張っている。でも留三郎が剣を使って立ち回りを見せると、忍者ではなく武士に見えるのは『戦国BASARA』の影響だろうw。やたら殺陣やアクションが多くて目立つのはいいが、一時は留三郎のキャラにブレが見えたのは私だけだろうか。
伊作@橋本淳は、先月のアミューズでも見たばかり。一番不運なキャラのハズだが、演技的には一番安心できて一番個性がある。アクロバットもさりげに披露。
小平太@桑野晃輔は、『アンネ』の大人しいペーターとはうってかわり、やんちゃで活発な役だが、もっと豪放さがあってもいい。こちらもアクションいっぱい。
『鴉10』にも出ていたD2メンバーが3人も出演、一段と成長した姿を見せていた。
文次郎@山口賢貴は、女々しさももつ久我源とは全く違う、男っぽくて熱血な役どころ。留三郎と文次郎は似ているが故に犬猿の仲だが、片岡くんと山口くんが背格好も顔も遠目だとソックリで、最初はちょっと区別がつき難かった^^;。山口くんの声の低さや所作が文次郎ぽくて、それで判別していたぐらいw。
仙蔵@三津谷亮は、演技がしっかりしていて、頭脳明晰で冷静沈着な面を最後まではずさない。ソフトな声だがよく通り、役的にも目立っていた。
長次@上鶴徹は、静かで無口な役どころをよくこなしていた。惜しむらくは、縄術でミスが出たところだろうか。

6年生は緑色のコスチュームを着用が、刀の鞘や道具を仕舞う場所には困りそう。
最初は刀を振り回す剣術だけで疑問に思ったが、最後に各々の得意とする術の見せ場がちゃんと用意されていて、真剣なアクションが格好良かった。
何人かは忍者らしい重心を低くした構えを常に見せており、突き出したヒップにちょっぴり色気を感じるw。
6人集まってのやり取りは新鮮で、全員で唄うビートの効いた歌が熱く、揃って踊りながら敵をノックアウトする図にはしびれた。

オリジナル楽曲は会場も手拍子で盛り上げたりと良かったが、まだ耳には残らない。テーマ曲「勇気100%」が出た時は、さすがに会場も沸いて共に唄って心を一つにした。
カテコは2回ぐらいかな。片岡くんが中心で慣れた調子で挨拶をした後、この土日の目標を言うようにと文次郎に振って、指された山口くんがしどろもどろで挨拶、最後も締めてくれた。和気藹々のチームワークぶりw。
幕が閉まる間際まで、しんべヱ役の子のほっぺをムキムキする6年生たち。子役たちとも楽しい雰囲気が伝わった。
終了後に、左手幕からくの一3人がひょっこり登場。後方扉からの退出を促すが、横扉は使用不可なのか。

一度観るとハマるのか、明日以降の公演チケットを買い求める人も少なくなかった。
私も余裕があればもう一回観たかったが、6千円はちとキツイ^^;。それにVOL.1ということで、この続きもあるようだ。
舞台『黒執事』の第二弾もあるし、この分だと『戦国BASARA』もありそうだ。
劇団俳優座創立65周年記念公演『どん底』を観てきた。
新年観劇一発目がこーゆうタイトルというのもなんだかなぁ^^;。
プログラムがコピー誌というのが同人誌ぽくて安い。

マキシム・ゴーリキーの『どん底』をモチーフに、明治初期の東京下町を舞台に、強欲な大家の下で暮らす貧窮する人々を描いた群像劇。
去年観た『蟹工船』の脚本・演出を担当した安川修一の最新作だ。
時間通りにきっちり始まりきっちり終わって約3時間。ボリュームのある骨太な舞台だが、達者な演じ手とナマの音と光の巧みな演出で、笑いもあるエンタメ性の高い作品に仕上がっていた。

江戸から東京へと変革しても、庶民の生活は何ら変わらない惨状は、政権交代しても、私達の生活がそう変わらない今の時代ともオーバラーラップさせる。
”格差”や”貧困”や”病”がいっそうはびこる中、様々な事情を抱えた人々が身を寄せ合って、ボロい木賃宿でひっそりと暮らす様子は、家を失って宿泊所に集まる現在の労働者と殆ど変わりはない。鋳掛屋とか職人とか、僅かでも仕事を持てる点では、まだ昔のほうがマシだろうか。昔は泥棒でも夜鷹でも偏見なく、食っていけるだけでも有り難かったのだろう。

登場人物男女合わせ17人だが、鬘や汚れた衣装もあって、若い人たちは特に判別しにくい。特に名前の紹介もなく、其々にもつ特技や個性もさりげに見せるだけで、人物の背景も想像しにくい。
強欲で嫉妬深い家主・喜兵衛と後添えで執拗な策略家・おはんが、そもそもの元凶。おはんの妹おせんは健気な娘かと思いきや、盲目的に突進する大胆さもある。
病の女房に冷たいと思いきや、実は情深かった鋳掛け屋。酒飲みのプロ博打打の遊び人が、実は教養深く物知りだったり。高圧的で居丈高だった元殿様が、自分の誤りにも気づく柔軟さもあったり。自分の世界を大切にしなやかに生きてた元役者が、己の世界を追い求め貫いてしまったり。真面目に仕事をこなす桶職人が、酒を飲むとトラになったりw。
島英臣、中野誠也、河野正明、村上博、塩山誠司らベテランの役者が、其々に渋味と深味を発揮して、生き生きと人物を演じきる。豪快な中野さん、色気のある村上さんの声は目立つこと。

おはんの情夫として喜兵衛家族と因縁をもつ灰二郎役を内田夕夜。太股を見せ着物も着替え流し目で誘いといかにも色男風だが、低い声で流暢に喋り時に凄みを聞かせる内田さんの声が艶があって新鮮だ。役柄とはいえ濃厚な口づけという艶っぽいシーンが二度も盛り込まれ、なかなか油断ならない舞台w。
御遍路という設定の伊之吉役の可知靖之の声が、ややしゃがれた中に力強さと柔らかさを伴って、すっと耳に入る心地良さをもつ。老人・伊之吉は、人生について人間について、あらゆる薀蓄ある言葉を投げかけて人々に優しく接するが、つい信じ込ませるほど説得性あるキャラクターだ。

ものの多面的な見方を示し、住人たちに生きる希望や勇気を少なからず与えてきた伊之吉の言葉も、結局は住人たちの生きる支えにはならなかった。いや、希望や勇気をもたせる言葉が、必ずしも生や幸福に繋がるとは限らないのだ。
正直に真っ当に生きようと心を入れ替えたとしても、人の悪意や策略で簡単に堕ちて破滅していく運命にもなる。
「ええじゃないか」を打ち消すような悲報は、虚しく脱力させ呆けさせる。貧窮と絶望の”どん底”に生きる庶民たちは、歌と酒で束の間の娯楽に浸るが、状況も場所も所詮は何も変わらない。
”どん底”から這い出すには、おせんのように我が身をさらして反逆しなければならないのだろうか。
ひらり、空中分解。Vol.17『ひらりのクリスマス・キャロル』を観てきた。

イヴにぴったりのタイトル。
お初のせんがわ劇場は新しく綺麗なホール。
仮タイトルは「bambino」だったような^^;。チラシ裏に書いてあった話とも少々違うような^^;。それは問題なしか。
前説アナウンスはもちろん脚本家の金津泰輔氏。今回も演出家の郷田ほづみ氏とのゴールデンペアだ。

故郷で昔の仲間と共にショーを行うことになった落ち目の女性シンガー。幼くして別れた父親の面影を追う彼女と、パーパを探して放浪する少女が、クリスマスの夜にリンクするという物語。
今回はクリスマスらしく、エンターテイメントな楽しさが会場を包む。
5曲もある新曲は柔らかで賑やかな歌とメロディー。ダンスもたっぷり、ひらりアラフォー・メンバーがイカしたステップで踊る。朗読や映像が静かな時間を奏で、ビターでナンセンスな笑いとお芝居が広がっていく。
プレゼントのビックリ箱のように、”ひらり、空中分解”という箱に詰まっていた色々なものが、ステージで飛び出して弾けたような舞台だった。

主人公は女性なので、ゲストの二人が大活躍。
お馴染みの山口景子は、ぷう子役でとってもキュートで活動的。白とピンクの衣装が可愛らしく、セクハラもどきの行為にもめげず、逞しくも生き生きした熱演で舞台を沸かす。山口さんあっての舞台であり、その存在感に感服。
仲根映里は、色っぽい衣装でセクシーでしなやかな女性を演じる。歌もダンスも綺麗だった。

ひらり。メンバーは2役または3役で登場。作品的に女性を盛り立てる役どころか。
今回一番の美味しいどこ取りは、若山慎だろう。相変わらず脱いだりもして、熱くて突っ走り感があるが、真面目に抑えて締めるところはさすが! ぷう子とのラストシーンには思わず涙腺が緩んだ。
大波誠や八幡朋昭は、凝った衣装に注目。坂本充広の足から捥げた靴が気になった。
松川貴弘が諸事情で映像と声のみの出演だったのは残念。
その分メンバーの歌やダンスの頑張りはすごいが、ひとり欠けると、ひらり。のパワーはやはり少々ダウンしたようにも見えた。

作品のモチーフは”父親さがし”。
だがサンタクロースを信じて夢みてた子供の頃とは違い、大人になって知った現実社会は、金や欲や名声で汚れきった厳しく辛い世界に他ならない。いつしかサンタはいないのだと分るかもしれない。
そんなシビアな絵本世界と、幻想だったと気づく現実世界。二つの世界が交互に物語を紡いでいき、少女の繊細な心と周りで見守る人を映し出す。いつだって”光”は彼女たちの傍にあったのだ。
探していたのは父だけではない。周りの人たちの思いやりや優しさに気づき、辛くても哀しくても、明日を生きようとする自分自身をも探していたのだ。そして見つけられた。

奇跡が信じられる良いお話である。大人だけでは勿体無い。シモネタやギャグ等を少々手直しされたら、子供にも見せたいファミリー向けのお芝居になるだろう。
今年1回限りでは勿体ない。来年また、今度は12月頭ぐらいに、ぜひ再演を希望したい。このまま、ひらり。さんの定番にされてもいいかもしれない。


終演後ロビーで、今回の立役者の若山さんにご挨拶と握手。
金津さんと郷田さんにもお目にかかれて、お話と握手をしていただいた。
イヴに、思いがけず私にもステキなクリスマス・プレゼントとなった(*^。^*)。

皆さま、メリークリスマス。
ウチはシンケンにキャラデコだーっ!
ミュージカル『テニスの王子様』The Final Match 立海 Second feat.ライバルズを観てきた。
東京公演は年末だし日程が少ないし、時間的都合で1回のみの観劇。

青学VS.立海の全国決勝戦は、双方2勝2敗で残すはS1のみ。だが立海の幸村と対戦するリョーマはまだ記憶を取り戻せず、リョーマのピンチを救うべくライバルたちが集結する。
漫画の結末は何となく知ってはいたのだが、いや~引っ張る引っ張るw。前半はライバルたちと再対決、休憩後の後半でやっと幸村と対戦で、故意の時間稼ぎはあれど、最終試合開始までの時間がどんだけ長いんだ~!?とツッコミ(笑)。

リョーマとこれまで対戦してきたライバルたちが登場。実は観る前は、単なる回想かイメージだけのシーンで、彼らの出番もさほどないのではと思っていたが^^;、ちゃんと実物として出てリョーマと闘い、後半も試合を見届けて、リョーマを励ましたり場を盛り立てたりと、思った以上の活躍を見せてくれた。何といっても彼らのプレイや個性や台詞が懐かしいこと(^^)。
伊武深司は、小西遼生(大樹)から太田基裕に変更、”ぼやき”っぷりをもっと強調してもいい。不二裕太はあんな髪型だったっけ?と思ったが、KENNが爽やかで軽快な動きを久しぶりに見せて嬉しかった。阿久津@清水良太郎のツンデレ不良ぶり、田仁志@松崎裕の豪快な沖縄弁は、会場からも度々笑いが起きる。日吉@細貝圭は『華鬼』の麗二とは全然違うのであらためて凝視、久しぶりの「下克上♪」を聴いたら初代リョーマの柳が思い出された。跡部@久保田悠来は動きや体のラインが『戦国BASARA』の伊達と重なってしまうw。
そして立海大の真田がシンガリか。兼崎健太郎が大きな声とケレン味ある芝居で、随所で笑いを起こし、率先して舞台を活気づかせ盛り上げる。インフルでヘコんでた兼ちゃんも今は昔^^;、逞しい存在感は貴重だ。

新曲ばかりだが、メロディーが複雑で難しいのか、耳に慣れていないのか、まだ頭に残らない。ダンスもますます難しく高度になったようだ。
ライバルたちの歌やダンスは、引っ張っていく人が多いのか、迫力と意気込みを感じていい。
ライバル側にいた真田を欠いたためか、前半ラストの立海の歌とダンスはやや迫力不足。
サポートメンバーを配した立海だが、個々人の活躍場面がないので、チームワークと纏まり感はあってもややパワー不足。
部長の幸村@増田俊樹は、最初こそ静かめで歌も不安があったが、徐々に歌にも動きにも威厳と力を発揮、知的で不気味で動じないカリスマ性が垣間見えた。
四天宝寺はAキャスト、この二人だけだと浪速の明るさがいまひとつ。Firstで試合を見守ってきた他のメンバーは、設定上どこへ行ったんだろう?^^;
リョーマ父・南次郎役は、お初に観る本山新之助。トゥでクルクル回るバレエ仕込みの動きが華麗。でもリョーマを記憶喪失のままで帰して、何とかなるとでも思っていたんだろうか?^^;

今回の立役者はまさしく越前リョーマ@高橋龍輝。滝シーンも含めてほぼ出ずっぱり、前半後半のプレイも盛りだくさんで、よくまあ確かな段取りとパワフルな動きをマスターしたなぁと感心。歌もソロ曲が多過ぎな感で、以前ほどの歌唱ではないが、徐々に調子が出てのびやかな声で歌い上げる。背が伸びたよね、声も前より低く太くなったような。動きも滑らかさと鋭敏さが出て、技を決めた時のポーズと汗を滲ませる表情はマジに格好良く見えた。舞台の牽引力と存在感は『鴉04』でも気づいてたが、ますます力が出てきたようで、更なる可能性を感じさせる。
青学メンバーは1幕ではあまり出番もなく、今回は盛り上げ役に徹する。リョーマとの絡みで桃城と海堂の活躍が目立つ。そういえば乾は包帯を巻いていたっけと思い出したがw、新井裕介の声が力強くなっていて聴き取り易かった。不二周助が裕太にひと言投げかける場面で納得させられたが、橋本汰斗とKENNの絡みが何だか面白い。
一年トリオがそこそこ活躍してたかな。実況に夢中で思わず咳き込んでいたのはダレ?w

それにしても1幕終わりも引っ張る引っ張る^^;。前回のように立海歌で幕かと思いきや、リョーマのダッシュ映像とリョーマ歌がきてやっと幕かと思いきや、ライバルズの歌がまた入ってきて、ダラダラと続いて切れ目が分らん^^;。

阿久津からは「小僧」だが、幸村からは「坊や」呼ばわりされるリョーマ。試合前半で幸村の策にかかったリョーマの図が、『聖闘士星矢』のシャカとフェニックス一輝のようだったw。何もかも失ったように思われたリョーマが、テニスに出会った頃の思いに還り、不死鳥のように蘇る。テニスが好きだ、テニスは楽しい。記憶を取り戻しただけでなく、初心の気持ちも取り戻したリョーマの場面が分り易い。
まさに初心に帰る。懐かしいキャラと再会しながら、初演から6年の日々を邂逅し、様々な思いが私の胸にも去来した。キャストはもちろん、作り手の側も同じような気持ちで感慨深いことだろう。

ファイナルの結末は少々呆気ない。立海サイドの役目はもうお仕舞いとばかりに、青学の「バンザイ!」ばかり。乾の「バンザイ!」が痛快な起爆剤でバンザイの歌が咲く。
リョーマの「知ってるかい?」に、柳生が「知ってます」と答えて笑い。全員でヒーロー・リョーマを讃える歌。
立海のメンバー紹介はケジメとして分るが、何故ライバルズも紹介?そんなの知ってるからw。

冬の制服姿の彼らを拝めるのは眼福。我が息子は中学では青学服だったが、今は立海っぽい服だなぁとニヤニヤ。
そして5代目キャストの卒業式も兼ねているのか。青学は11組もあるなんて、どこまでマンモス校なんだw。新キャプテンにやや不安だがw、トリオのジャージの青が眩しい。

終演ステージでは、みんなが和気藹々と大はしゃぎ。日吉がイジられまくりで、真田がテンション高く、会場からもいっぱい笑いが起きた。

初演からの自分には懐かしくて、テニミュの集大成として盛り上がれて、それなりに楽しめた。
でも長かった!^^; 構成上の都合からなのか、余計な場面やどうでもいいカットがあったのは否めない。もう少し纏まり感やメリハリを出して時間を短縮させ、再構築していただきたいものだ。
凱旋公演では、もう少しテンションが上がる観易い席で観たいな。
《RELAX》第14回公演『天河鈴の妖霊病症録~鬼の巻~』千秋楽を観てきた。

さすがに席が埋まっていて、年齢幅も広い観客。
今日はMHさんと一緒に3列目の席へ。

初日に観た時より、全体的に完璧なメリハリある芝居となっていた。
満月から半月、三日月へと変わっていくのを、今度ははっきりと意識して見た。
声と照明の舞台づくりで、意外と音楽が流れないのが面白い演出だ。だから最後の愉快な音楽とタイトルコールが効果的に返ってくる。
モノノケたちキャラクターがみんな、何度見ても個性的で愛着がわく。シリーズ化されるなら、ホントにメインキャラのグッズとかを作って頂きたいものだ。できればボイス付きでw。

戸部公爾@熊さんは、何度も場面を転換させる重要な役どころで、台詞ひとつで皆を注目させる力と技量が必要。ヤマ場の呪文を大きく唱えるところは、緊迫感あふれる中での仁王立ちだったが、いかにも天狗らしくて格好良かった。

飛田展男@花木田は、頑固な風に登場するだけで笑いを誘う重厚かつコミカルな役。出方や去り方が毎回颯爽と自然なのがイイ。
天河はモノノケを制御する力を持っているらしく、リンと動きを止められた花木田が、踊り子のように片足でクルリと回される場面が見どころ。柔軟かつ静止の動きはさぞ難しいと思うが、飛田さんは達者にこなした。
花木田と信夫の関係が意味深くて、色々と想像をめぐらしてしまう。実在した折口信夫も、顔にアザがあり、同性愛者だったという。このお芝居の花木田は、信夫を”人”であって欲しいと願い遠ざけていたが、他にも色々と理由はあったのだろう。でも信夫はとっくに”人”に見切りをつけて、先生と同じ世界に留まりたいと願っていた。彼の見切りの要因となったのは、たぶん以前愛した”人”であった男性だったのだろう。そんな三角関係も視野に入れて、信夫と師匠の花木田をメインにした、外伝の舞台を観てみたいと思う。

部外者であったペーターが実に面白いキャラだった。太陽のようにやって来て嵐を巻き起こし、風のように去っていく狼さん。片言っぽい日本語が場面にアクセントと笑いを起す。好きな国の人になろうとする狼さんは、やはり小泉八雲なんだろう。
花木田と熊の頬に、次々と陽気にキスするペーターは役得だな~w。キスされて訝しげな表情を見せる花木田@飛田さんが可愛い。いち早く逃げ出した天河を、追いかけろとペーターに無言で合図する花木田のちょい意地の悪さ、無理やりキスされて悲鳴をあげる天河の可愛い場面が最高に可笑しかった(^o^)。

そして、またも信夫から逃げ出そうとする花木田を止めるため、余計なことは言わずに、湯呑みを机に置くことで伝える熊さん。花木田と熊の長年の深い絆が垣間見えた場面だった。
それ程多くなかった戸部さんと飛田さんの絡みが、ラストにかけて一気に昇華したようで楽しませて貰った。


終演後、役者さんとの歓談。
飛田さんとご挨拶と握手。来春からの『薄桜鬼』が楽しみだが、OVAの『ムダヅモ無き改革』のブッシュJR.の出番は少々だとか。最後まで目を見て丁寧にお礼を言って下さるのが嬉しい。
戸部さんとご挨拶と握手。舞台裏や稽古の話などもお聞かせくださった。ホントに来年も楽しみ。
ありがとうございました。
ご一緒してくれたMHさん、そしてRさん、楽しかったです。ありがとう。
舞台『困ったメン~絶望のジングルベルMIX~』を観てきた。

先週行ったスペース・ゼロが、また一段と華やかにクリスマス気分。
今作は三方から観る変則ステージなので、座席もタテとヨコシートに分れる。私は迷わず正面から観るタテシート。
前説アナンスはナマなのか、ランダムなキャストが時に噛んでたりw。

より深刻な不景気を迎えていた2013年。不況や雇用悪化で、夢も希望も生きる意味も見失いかけていた若者たちが、幾多の挫折と苦難に合いながら、自分自身でハッピーなクリスマスを求めようとする話。
出てくるキャラクターが「おバカ」なら、設定もストーリーも「おバカ」で、若い「困ったメン」の勢いと熱に巻き込まれながら、ジェットコースター的展開をただ楽しめばいいんだという舞台だった。
そこには理屈も深読みも批判も感激も何も要らない。一時でもこの不景気を忘れさせ、激情へと突っ走って、クリスマスを笑って唄えればそれでいい。ノリとフィーリングが爆発したような作品を、拙者ムニエルの村上大樹が書いて演出した。

上山竜司(RUN&GUN)が主人公タダオを熱血をもって膨らませる。その牽引力と存在感は、見るだけで引き込まれ圧倒されそう。先陣をきった歌もダンスも確かなものを見せてくれる。
海老澤健次が一番変化が激しい役どころだが、それだけに注目される。厳しい猛者ぶりがあったから、中盤からのアノ役がより生きてくる。正直、海老澤くんがこんなに愉快な役者だとは知らなかった。
鯨井康介がグンと痩せていてビックリ。精悍な顔つきになっていたが、役的には逆だったような。
松本慎也(Studio Life)は可愛さ重視かと思いきや、日和見的な役だった。
上山くんとマツシンのやり取りは、『フルーツバスケット』を思い出させるが、鯨井くんとマツシンが頻繁に絡む場面は見るだけで嬉しくなる。
7人の「困ったメン」以外は兼ね役もするが、其々堂にいったおバカっぷりを披露。
紅一点・平田敦子がボリュームある演技だが、メンズを従え美味しい役どころには違いない。

それにしてもみんな、歌もダンスも達者で上手いな。踊れるのが普通だというぐらい踊り込まれている。ダンスではやはり青柳塁斗が目立つか。アクロバットやコンビネーションプレイも難なく披露してくれ、みんな本当に楽しそうだった。マツシンは彼らの荒波についていく感じ、「みんなと一緒に踊りたいんです」という言葉は本音だったに違いない。
ステージでは収まりきれない動きや演技は、新たに増やした客席通路をたっぷりと使って、更なる臨場感を追及。客をも巻き込んだ暴れっぷりは、会場に活気を与えること。

それにしても、着る服もなく食べものも買えず、100円を後生大事にするという、”貧乏”をテーマにした作品がかつてあっただろうかw。借金を背負いながらも働くのが面倒臭いからたかる、裏切られたから騙してやるという、”最低野郎”を主人公にした芝居がかつてあっただろうか^^;。
「超現実逃避型青春コメディ」とうたってはいるが、4年後にはホントにこんな社会が来るかもしれないし、それは誰にも分らない。こんな大不況が更に続き、若者達が働けない社会がずっと続くなら、若者たちも「おバカ」にならざるを得ないだろう。「おバカ」にならないと生きていけなくなる社会になるのだ。
「おバカ」のベクトルが、人に迷惑をかけたり犯罪を引き起こすよりは、一年に一度笑って唄って踊るところへ向けられたほうがよっぽどいい。「おバカ」の仲間同士が集まるなら、絶望もひょっとして希望に変えられるかもしれない。
などと、真面目に深読みして考えてしまうお話だった(^o^)。

最後はやっぱり客席の手拍子で賑やかに幕。楽にかけて、その前の歌の時も手拍子が出てくるだろう。
全員のお辞儀もちゃんと三方向を向き丁寧にやっていて好感がもてた。

終演後は『困ったマン』。毎回、誰かが自分の脚本と演出で一人芝居を披露するコーナー。今回は青柳塁斗。
怪盗るいるい参上。床を鮮やかに滑る! 得意のダンスも披露。
驚いたのは、アレを器用に回しながら、山手線一周。お客にちょっと助けられながら大江戸線一周。
若いのに色んなワザを持ってるんだ。るいるいの魅力にあらためて感服。10分間が楽しかった(^o^)。


今年は『イタKiss』をはじめ、るいるいの舞台をあれこれ観たな~。年末は『ハンサム』イベントもあるし、今年のるいるいはまだ終わらない。
海老澤くんには東映からも花壇がきていた。『炎神戦隊ゴーオンジャー』終了後は、ステージでブルー、グリーン、イエローと見てきたが、ついにブラックを拝めた。レッドはまだ見てないが、来年は2つ舞台がある。

テレビと舞台が表裏になった『インディゴの夜』のチラシ。舞台には和樹の名前はまだなし。
舞台『罠』が主人公の加藤和樹は残して、キャストも新たに再演。上山竜司が今度はアノ役か!? 辺見えみり、松田賢二との共演も楽しみ。今度は銀河劇場。
てか上山くん、来年は半年間に3本も舞台に出るの!?
《RELAX》第14回公演『天河鈴の妖霊病症録~鬼の巻~』初日を観てきた。
前夜に明日は行けそうだと分り、朝からスケジュールいっぱいなのに更に詰め込み、勇んで出かけた。

今回は役者のフォト展示は会場左手へ移動。写真を見るだけでも可笑しい。
座席フリーなので、思いきって最前列へ。

とある診療所と思しき所に現れ出でたる、天河鈴という女。妖しい雰囲気が漂う中、関係者や来訪者が入り乱れ、魑魅魍魎の”愛”のものがたり(?)が進行する。
”妖怪モノ”は数多くあれど、《RELAX》版、妖怪百鬼夜行はひと味もふた味も違う。

作・演出は、お馴染み奇才のEMI。怖い話、怪談話、ホラーも大好きというEMIさんだけのことはあって、出てくるモノノケたちは半端じゃない。
妖怪・妖精・モノノケ・怪物…。たくさんのモノノケどもがわんさか登場。知っていても知らなくても、そのうち紹介してくれるので助かる。
彼らは口々に”人”を語り、”人”を批判し、”人”に絶望する。その冷静で普遍的な見方が、真実を鋭く突いていて深いこと。
そして人も登場する。だがひょっとして、一番分らない謎で一番怖い生き物は、この”人”なのではないだろうか。

暗転中の闇が多い芝居である。だが暗闇が深くて長いほど、暗転後の光が眩しく明るく引き立つものだ。
最初こそ闇の中で声が幾重にもこだまし、おどろおどろしくも怖い雰囲気だったが、モノノケと人との静かで熱を帯びた掛け合いが、どんどん可笑しくエスカレートして引き込まれる。
役者の達者な芝居もあり、キャラクターが生き生きと楽しい。《RELAX》さんには珍しい、色とりどりのカワイイ衣装が舞い、観るほうの気分も柔らかくさせる。
そして、相変わらず登場人物の名前が凝っているのにも注目。
天河鈴とは、何てチャーミングな名前だこと☆

その天河鈴を岡本嘉子。いつもの岡本さんとは違う衣装に注目。とにかく声がデカくて迫力たっぷり。明るく世話好きで情もあり、騒がしい人たちをキッチリとまとめる、懐が深い役だろう。
清水スミカは、『不思議な国のアリス』のウサギに近いだろう。モコモコ衣装が可愛く、いつもより数倍若々しく楽しく見えた。

戸部公爾は、熊さんにピッタリな髭の濃い役どころ。下駄歩きは大変そうだ。熊さんが登場した途端、それまでピリリと静寂だった場面がいっぺんに明るく賑やかになって、さすが存在感ある戸部さんだ。クシャクシャに笑った顔が可愛く、力の篭った大きな声が頼もしく、舞台に楽しさと安らぎも与えてくれた。
飛田展男は、「先生」とも呼ばれる頑固で渋い役どころ。上品な和装で、自前だというお髭をたくわえ、どっしり落ち着いていつもお茶を啜る。立ち座り位置は、ステージ右寄りが多いかな。早くから登場し、人に対して手厳しいが、実は人によって一番変化させられたキーマンなのかもしれない。

戸部さん&飛田さんは、掛け合い的にはボケ&ツッコミだろうか。違うようで似ているフシギな関係、ラストの台詞も息ぴったりv。熊さんにはペーターがいて、先生には弟子がいるから、他者との関係性も見どころ。
ペーターの松本ヨシロウが、背がぐんと高くて逞しく、好奇心旺盛な役を陽気な声で愉快に表現。
今回は若手が多く知らない役者さんも多かったが、ベテランに混じって上手く関わり、人物と世界観をしっかり作り出していた。

出てくるモノノケたちが、互いに憎しみ合ったり激しく嫌ったりする関係でないのが良かった。其々の事情を知ったり理解したり、静かに見守ったり寂しがったり、底つ根の国なのにあたたかさに満ちている。
”人”に対して絶望していたのに、”人”と通じ合うことで、闇の中からひとすじの希望を見い出した。
妖怪たちが大好きという作り手ならではの、怖くて可笑しくて、ピリリと苦辛くてズンと優しいお芝居だった。
EMIさんの作品は2度観るとうんと楽しめるので、日曜楽も観劇予定。


終演後、ロビーで台本販売。表紙は3色。

恒例の役者さんとの歓談。
飛田さんとご挨拶。いろいろお話して握手とお写真も。ありがとうございます。
戸部さんとご挨拶。たくさんお話して握手とお写真も。ありがとうございます。
お二人から台本にサインまで頂戴した。

”鬼の巻”というから、シリーズ化されるだろうと思っていたが、次回公演は一年後、2010年11月の『天河鈴の幽怪病症録~蠱の巻~』。
続編も観たいし、次が決まっているのは嬉しいことだ。
Studio Life若手公演『パンジー・メイズ』Adventurerチームを観てきた。

スタジオライフが劇団初期に上演した、倉田淳のオリジナル作品で、私は未見。
14年半の時を経て、若手公演としての再演だ。

30歳の未婚OL吉田幸子は、会社でもプライベートでも不満の毎日を送っていたが、突然フシギな迷路のような世界に迷い込んでいく話。
作品全体に漂う”古めかしさ”に、苦笑を通り越して脱力感をおぼえながら、興味がもてない退屈なお芝居だった。つまらなさに何度も眠りの渕に陥ってしまった^^;。チケット代からすると勿体無いこと。

女性の30歳って、当時はそんなに切羽詰っていたのだろうか。お局様と呼ばれ、社員からも煙たがれ反発されるほどの存在だったのか。今となっては考えられない状況だが、今では死語となった台詞が舞台上でポンポン飛び交い、ありきたりの型通りの展開で、観ていて不快にもなってきた。
そんな壁を打破していくような主人公だったら文句ないが、吉田幸子は不満を抱えながら悶々と流されていく、”受け身”の女だから始末におけない^^;。昔の相手をずっと想い続けながら、上司との不倫も続けて、このままの状態で何となく過ごしてしまう毎日。自分自身で何かをしようとか、立ち上がり進もうとか、変えていこうとか、そういう気持ちも埋没している女。
そんな女にはとうてい共感も共鳴もできない。幸子の同僚の道子のほうが、キャリアウーマンらしく率直でまだマシだった。幸子の”詩”の朗読もさっぱり解釈できず、アザといだけだったな。
幸子役の青木隆敏は、ほっそりとした体に、女らしい仕草と柔らかい声でとても色っぽい。でも女はこういうものだという先入観があるのか、すべてがワザとらしく見えてしまう。または演出がそういう演技を求めているのだとしたら、かえって逆効果だろうと思う。

迷路の壁たちは、熱演は伝わるが、個性を出すためかやたらテンション高くて煩くて騒がしい。一発芸もヘタなお笑いのように滑稽で、耐えられずスルーしてしまった。でも壁たちのダンスや鮮やかなマジックは見応えはあり。壁たちが実は幸子が作り出した障害だということに気づいたのは、随分後になってからだ。
仲原裕之と青木くんのダンスは踊り込まれていて官能的。
倉本徹は役にハマっていたのか変態ぽい。歌は確かにヘタだが^^;、都はるみってのも古すぎる。
大沼亮吉は攻め役なのか? 石飛幸治はMの役どころだったがw、渋い男らしい声が舞台を引き締めていた。
日替わりゲストで登場したのは、笑顔でフニャフニャの舟見くん。台詞もフリも覚えておらず、周りからもツッコまれまくり^^;。ゲスト場面は毎回お笑いだけを追及するためのものなのか。

音楽も古めかしくて苦笑するが、「イエスタデイ・ワンスモア♪」は私が学生の時に始めて覚えた英語の歌だったので、懐かしく口ずさんでしまった。
舞台装置だけは機能的で斬新だったが、水槽の魚のところがよく見えなかった。食らいつく幸子は魚好きだったのか!?
タイムショッカーの声が元気すぎるし、小人はどういう意味をもつんだろう? 存在がよく分らないキャラが多かった。

迷路の中で真実の自分と向き合い、壁や殻を破って前を向き立ち上がったまでは分ったが、その後、幸子がどう行動したのかまでは描かれず、すっきり感もわかないお芝居だった。上司とすっぱり別れたとか、会社をやめたとか、ガードマンと結ばれたとか、そういったことは個人の想像に任せる作品だったのか。
14年前に観ていたら、もう少し作品に共鳴もできたのだろうが、今の現実社会とはそぐわない作品には違いない。身近な世界観だからこそ、再演にあたっては、リ・イマジネーションによる構築が必要だったかもしれない。

クローズアップヤングアクターイベント開催中。
今回は仲原裕介。リーフレットがアクター監修限定版で、終演後もショートトークショーがあるが、時間的都合でパスした。開演前に前説もやるようだが、いつあったんだろう?^^;

Studio Lifeの来年の公演は、『トーマの心臓』と『訪問者』から。
開いたチラシの折り目が、写真の本の開きとも重なって開放的に見える。
劇団ヘロヘロQカムパニー第22回公演『カラクリ雪之JOE変化』2回目を観てきた。

初日にあった2つ3つのシーンがごっそり無くなっていた!(゜o゜)
魚や野菜を持ち寄る場面や、姫の”馬小屋”発言や^^;、お婆の変化など、それなりに面白かったけど、本編とは直接の関わりはないと判断して、初日終了後に考察されたのだろうか。
カットされたことで、時間的にも余裕が生まれ、全体的に前よりもスリムに引き締まっていたと思う。でも折角のシーンだし、カット部分はDVD等で補完されるのだろうか。
初日のシモネタやお笑いネタの台詞も、一部カットされていた模様。笑いよりマジメさ重視にしたのだろうか。

前回とは全く逆の花道の左手座席だったので、花道を通る役者が間近によく見えて、臨場感があった。
ただ残念だったのは、幻十郎とスミレが花道上でデンと壁のように立ちはだかっていたため、幼い兄妹の回想シーンが全く見えなかったこと(-_-;)。初日に観て補完していたのでよかったが、まるでドラマCDのように声しか聞こえなかった。やはり花道左手席は不利。回想シーンではステージ左に移動させ立たせるとか、もう少し演出の工夫が必要だ。

キーマン葛江順之助を、櫻井孝宏が演じる初回。当然Wキャストの入野自由と比べてしまう。
花道から疾走してくるところは、まるで009の加速装置のような爽やかさw。眼鏡も衣装も同じだが、タッパがあるせいか、弱々しさやドジっぽさがあまり感じられない。入野くんよりもややハスキーだが、はっきりした声で台詞が聴き取り易い。動きにやや硬さが見られたが、笑顔が可愛くて熱演。
雪之JOEとはつかず離れずのイイ関係だが、二人のよちナデ場面で会場が一斉に沸いたので、BL風味がプラスされたかもw。入野くんと福圓さんの間に感じた淡い絆が、今回の櫻井くんと福圓さんからはあまり伝わってこなかった。

女優・福圓美里の魅力にますます惹かれた。台詞も演技もとっても分り易くて的確で自然で、上手い役者だとつくづく思う。私の好みに合って相性がいいのか、りん姫を見る度にどんどん好きになってしまう。髪の後ろのピンクのシュシュも可愛いし、『天空の城ラピュタ』のシータを思い出させる後半衣装も似合うこと。
昔とった杵柄を思い出させ、津本陽日演じるお婆が好きだ。若者たちには厳しいが優しく頼もしく、冷静な判断と深い知識をもち、この世界観にはかけがえのない存在だろう。
今回の関智一は出トチリというか、出だしから躓いていたので、私も含めて会場から思わず笑いw。
小西克幸が登場時はやはり笑いの渦。雪之JOEの存在そのものが愛らしくてたまらない。

今回は全体的に、台詞を噛んだり言い直したりと、不安定だったのが目立つ^^;。
それでも、雪之JOEの純真さや懸命な表情に胸うたれたり、りん姫の健気さや台詞の数々に胸がきゅんとなったりと、今回はこらえきれず何度か涙が流れた(;_;)。
「友の心で生かされている」と言えるまでになった姫。お婆とともに、りんの成長を心から喜べた。
智一さん、私が好むような良い話をつくってくれたな~。

終演後、全員がラインナップしたところで、智一さんから物販宣伝&次回公演予告。所々で長沢さんと小西くんから補足ツッコミもw。
ノンストップでキッチリ150分。アンケを出そうとBOXの場所を尋ねたら、スタッフが慌ててBOXを用意していたw。
ホリプロ五十周年記念 日英合作舞台企画『ANJIN ~イングリッシュサムライ~』を観てきた。

ロビー物販が様々なグッズで賑やか。台本もあるが、これは観てから考えよう。
実在の人物・三浦按針の故郷イギリスと、彼が辿った日本地図が飾られ、彫像と伊東で造った船ベンツーラ号の模型が目をひく。
少し安く買い求めたチケットだが、1階中程真ん中でステージは観易い。
字幕テロップがステージ上段にあり、1階前方だと見上げる形で大変そうだ。

嵐で日本に漂着したイギリス人船乗りウィリアム・アダムズが、時の権力者・徳川家康に気に入られ、祖国に帰りたいと願うも、三浦按針として家族をもち友情を育みながら、激動の日本の時代を生きていく話。
実話を基にしたオリジナル・ストーリーで、アダムズと家康の仲介役で、オリキャラの宣教師ドメニコが登場、怒涛の運命に巻き込まれる。

この舞台のキモは、英語と日本語がポンポンと飛び交うところ。英語と日本語が同時に発せられると、喧しさを通り越してこんなに汚くなるとは驚きだ。
英会話では上段字幕とステージを交互に観ることになり、慣れないと視覚的に負担がかかりそう。字幕切り替えがヘタで、台詞とズレがあったり、長台詞なのに瞬間映るだけだったりと読み取り難い。日本語だけの会話では英字が流れるが、興味をひきそちらにも目がいってしまうw。いっそ舞台にも出たフィーリングで、大まかに意味を感じ取ることも必要か。
日本語だけでも聞き辛い時もあって、ことに鹿児島弁は英語より手強いことw。

そんな状況を逆手にとり、故意による誤訳や勘違いがネタになって、前半は結構笑えてストーリーを膨らませる。人物描写も生き生きと的確で、役者の達者な演技が光る。
だが思ったよりも歴史を詳細になぞり過ぎたようだ。関ヶ原や大坂の陣をじっくりやってくれて、『天地人』の流れでそれはそれで興味深いが、武将間の感情や争いごとは、按針にはあまり関係ないように思う。おそらく海外向けの構築なのだろうが、日本人には今更の歴史確認だろう。
休憩後は戦と戦の間の場面がどんどん単調になり、面白味も薄れて、ちょっぴり眠気が起きてしまった。
按針と家康の人間性に触れ、二人の関係をあらためて知るひと時は貴重で胸に沁みたが、休憩含めての3時間30分はやはり長いと感じた。

異国の地で領地と名前を与えられ、”青い目のサムライ”となった按針は、幅広い知識と柔軟な考えを持った真面目で率直な青年として描かれる。オーウェン・ティールが日本語も操り、男前で力強いこと。大柄な身体で跪きひれ伏し土下座をする姿が印象的。日本女性に色っぽい眼差しを見せるところがセクシーだ。
『天地人』では悪人だった徳川家康が、ここでは情が深く度量と器も大きく信頼厚い男となっていて、市村正親の凛とした渋さが冴える。ことに世界や海に憧れる向上心あるところや、父親としての思いが丹念に描かれており、新鮮な家康像として映った。

メインの一人かと思われたドメニコ役の藤原竜也は、思ったよりも出番や見せ場が少なく、位置的に曖昧な存在に思えた。前半は明朗とした意思の強さに共鳴できるが、中盤からはガラリと衣装や趣を変え、彼の葛藤や考えが伝わり難くなる。通訳中の英語は小さい声なのでよく聞こえないが、英語の発音や滑らかさは勉学しただけの成果は出ていたようだ。
宣教師らしさを意識したのか、藤原くんがあまりにほっそりと痩せていて吃驚。胸板まで細かったのは役作りの為だろうか。

他キャストが其々何役も演じ分けていたのに注目。
徳川秀忠と大谷吉嗣をを演じた高橋和也、石田三成と真田幸村を演じた沢田冬樹が、格好良い声を発し好演して目立った。
小林勝也演じる本多正純が、飄々とした存在感で笑いを醸し盛り上げる。
外人サイドでは、達者な日本語で煙をまくジェイミー・バラード、英国風イケメンのセバスチャン・アーメストが印象的。

家康が按針から、戦関係の武器知識を学んで役立てた場面があったが、西洋学問を学んだ場面が殆どなかった。算術や天文学は支配者には役立ったのだろうか。
家康を訪れた按針が持参したのが丸いものだったので、てっきり”首”かと思ってしまった^^;。
二重三重に造り込まれた奥行きのある舞台だが、障子がスムーズな自動式なのが愉快。徳川の家紋が賑わうステージだった。

カトリックとプロテスタントの激しい反目。英国や列強の威圧的態度。当時の日本の良いところと誇れるところ、足りないものと弱いもの。今更ながらこの舞台で感じると共に、そういったしがらみや対立の真っ只中に立たされた、按針や宣教師たちの苦しみや嘆きを思い計る。
いつの時代も権力者によって戦が始まり、権力者によって状況が左右され、人の命が無数に失われていく。地球の正反対に位置する二つの国を憂う按針の孤独は、深かったに違いない。

カテコは2回。その前に帰る人も多かったが、スタオベの人も多し。
舞台袖にはける時に、箍が外れたように、藤原くんがジェイミーさんと笑いながら飛び上がっていた。市村さんは愛想よく何度も客席に手をふること。最後にオーウェンさんも微笑んで手をふっていた。
劇団ヘロヘロQカムパニー第22回公演『カラクリ雪之JOE変化』初日を観てきた。
早めにロビー開場。今作のDVD特典の写真がデカッ。
ヘロQ芝居は初めての人が多いのか、スタッフにトイレの場所を尋ねる人が多し。

謎の”カバラの力”をめぐり、父を殺され城を逃げ延びてきた姫のため、機械仕掛けの”カラクリ”とその発明者、忍びや新たな仲間たちが、助け合い団結して強大な敵に立ち向かおうとする話。
ヘロQの第三回公演のリメイク版、というより、リ・イマジネーションだという。

登場人物がとにかく多い。其々に複雑な事情や深い秘密を抱えて生きており、彼らの生き様が時に格好良く、時に切なくはかなく、時に天晴れに描かれる。
人ではないが、人以上に人であろうとする、機械仕掛けの”カラクリ”を通して、人間らしく自分らしく生きるとは何なのか、を問いかけているようだ。
いつものヘロQよりは少なめだが、スピーディで迫力ある展開に、笑いありアクションありの楽しさ、真剣で達者な役者陣と抜群のスタッフワークの力で、正義を貫く娯楽作品に仕上がっていた。

小西克幸が、カラクリ雪之丞役。出てくるだけで和ませ、動くだけで笑わせる、愛すべきキャラクターだv。ビジュアル的にツボだったのが、膝小僧とか口の辺りとかお尻とか後ろの穴とかw。胸をはだける場面のノンベンダラリとした顔がたまらなくカワイイ。コニタンも実に楽しそうにやっているが、動きを止める演技は大変そうだ。表情や声音は型通りだが、たまに発する男前声にときめき、汗いっぱいの中で笑顔を見せたのが印象的でジンときた。

この話のホントの主人公は、りん姫なのだろう。気が強く我が儘で世間知らずだった姫が、雪之丞の純粋さに触れ、人々の優しさや情けを知ることで、世の中を良くする為にも自分ひとりで立ち上がろうとする自立の物語。見た目と声の可愛さだけかと思っていた福圓美里が、役にハマって実に生き生きと演じる。チョコチョコ動き回り飛び蹴りまで披露、体当たりの演技がみずみずしいこと。特にりん姫が決意した時の声には確固たる力が篭っていて、その健気な姿にジワっときた。

Wキャストの入野自由は、眼鏡と小柄な体が知的な可愛さに満ちて、演技も愛嬌たっぷり。さすが慣れたもので、他者との関係性や距離感の表現力が上手い。ことに雪之丞との親子愛や兄弟愛にも似た絡みっぷりは、笑いを伴い安らぎや暖かさが感じられた。
産みの苦しみを味わったという関智一は、ドラネタはあれど冷徹なヒール役に徹する。出番は多くないが、妹を想う兄の優しさが伝わる役だった。
べろ武田が、舞台『戦国BASARA』の織田信長のような迫力で圧倒。永松寛隆の力演には拍手したい。
長沢美樹や岩田栄慶の派手なアクションに加え、おぐらとしひろ達の軽快なアクションが盛り上げる。

ステージの様々な箇所を使って映した風景やアニメが、臨場感と雰囲気を醸して面白い。花道はみんなが満遍なく使うが、奈落をああいう形で使うとは考えた。花弁にも似た雪をたっぷり使用するのも気風がいい。
あちこち細かいところで、演出の楽しさが表れている。

終演後、全員がラインナップしたところで、智一さんからお馴染みの物販宣伝。こういう場ではいつも噛むのがご愛嬌w。
次回公演予告は『電波ヒーロー』、4/21の小西克幸お誕生日記念からだというw。
入野自由とWキャストの櫻井孝宏の出演回は火曜日に観劇予定。『クロスゲーム』コンビだね。
ロビーに中尾隆聖&関俊彦から花壇。
チラシのイラストは『無限の住人』の沙村広明氏だが、アニメには智一さんや小西くん、それに関俊彦さんも出ていたな。智一さんは来年の岸野組に客演。
ノンストップ150分、ヘロQ終演後はいつもトイレに駆け込む私なのだったw。
劇団道学先生『リンゴ リンゴ リンゴ』を観てきた。

劇団道学先生5年ぶり、中島淳彦の書き下ろし脚本と演出で、それなりに期待がふくらむ。
実は別日に観劇を予定していたが都合が悪くなり、急遽チケットを取り替えて頂いたもの。座席的には同じ列だが、こちらの方向はステージが観易いかもしれん。

借金を背負った元・演歌作詞家の中年男が、千葉のおんぼろアパートを仮の住み家とし、住人や管理人や関係者たちと絡み過ごしていく中で、ホントの自分に向き合っていく話。
当初は旅館部屋かと思った舞台装置は、一応壁があるという設定で開放的な空間に見える。たまに柱が邪魔をして人物が見えないのはご愛嬌か。古臭いミシミシ感がたまらないが、あの部屋の出入口は引き戸なのか開けっ放しなのか?

主宰・青山勝も中島氏もともに40代後半という。一発奮起した新作は、飛びたくてもなかなか飛べない中年男のもんもんとした悲哀を描く、「ドン・キホーテ」をモチーフにしたお芝居。
今年あった出来事や人物を巧みに盛り込み、”五輪”を”リンゴ”と呼ばせる風刺的ストーリーだが、キャラクターの居心地の無さに物足りなさを感じさせた。中年男とはかくも情けないものなのか。

出てくる登場人物は、個性的過ぎるのか掴みどころがなく、どの人にも共鳴できないのが辛かった。
特に主人公のアベオサムがよく分らない。過去を振り返り嘆き苦しみ、その後で現在の自分とじっくり向き合って、何かをつかみ立ち上がり、がむしゃらに前進していく姿を、観るほうは期待していた。
だが、彼を取り巻く周りの人達が現実を見据えて、どんどん変わっていくのに、彼だけは一向に変わる様子がない。いつまでも過去を懐かしみ、妄想を追いかけ、他力本願にすがるだけなのだ。これでは観るほうが滅入ってしまう。
彼の腹違いの弟も、親切心を押し付け、神経を逆撫でする言葉を平気で捲し立て、KYの典型のようで気分が悪い。
ベテラン青山勝が達者に切り込み、六角精児の珍妙な演技が煙をまく。二人の様子がホントの兄弟のように似ること。

お目当ての土屋裕一(*pnish*)は、ゴルファー猿に完璧になっていて、ヤマダイチロウという役名も忘れるほどw。半ジーンズに縞々が可愛いが、コートを着る時も足がモロ見えで笑えた。的確な芝居で関係性を表現し、長身でユニークな存在感が光る。半端なく上手い泣き声や泣き顔のおかげで、女の母性本能を擽らせまんまとゲットするところに、tutiの本領が発揮されたかw。
tutiとは呑み友達の津村知与支は、眼鏡で惹くアダルトかつセクシーな役どころ。

結局はお金なのか!?  名声よもう一度、妻よもう一度、五輪よもう一度と嘆きながらも、お金に固執するアベオサム。ホント、小さいなぁ。
一度堕ちたものは、なかなか這い上がれない社会。そんなとき、周りの協力や支えが必要なのに、それさえも手放してしまう中年男。
懐かしい「リンゴの唄♪」が流れて口ずさみそうになるが、リンゴは見るだけじゃなく、味わってみないと始まらない。
主人公以外の9人が格好良く勇姿をお披露目し、先頭のtutiの目線が飛び込んでいい気分には浸れた。だが、主人公がこの先、ちゃんと立ち上がり前進していけるかは定かではない。
羽衣1011 第5回プロデュース公演『純情姉妹繁盛記』を観てきた。
予約特典プレゼントも可愛く、手作り感あふれるグッズがロビーを賑わす。

Kaoriこと山像かおりとMisaこと渡辺美佐、女優二人芝居ユニットの公演も2004年から始まって5回目。
狭い会場の自由席だが、パンパンの満員状態で、次から次へと補助席座布団席ができあがる。

姉妹漫才が解散離別して○年後。再会した二人が、過去を振り返りながらしばしの時間を過ごす、ノンストップ90分。
熱にうなされて書いたという秋之桜子の脚本と、彼女たちと5年以上も関わってきた郷田ほづみの演出。

ステージに散らばったたくさんの箱が、ビックリ箱のようで楽しいこと。次から次と箱から飛び出してくる、色とりどりの愛しい衣装たち。次から次へと蘇る、その時代に生きた姉妹と思い出の数々。
同世代ネタがてんこ盛りで、懐かしいメロディーと替え歌に苦笑しつつ、その時代の自分を思い出して共鳴した。”赤い”シリーズは定番だが、ここでいう”マクロス”は時空要塞のほうねw。

二人のテンポ良い会話が怒涛の風を起こし、お芝居はまるでメリーゴーランドのような楽しさだ。
注目は、早替わりの妙も含めて彼女たちの様々な衣装替え。10代の可愛いものから老年の地味~なものまで、コス気分をぼんやり満足させる。
目新しさは、2人以外の人物の即興芝居。小物ひとつで、声音と表情をガラリと変えるだけで、スッパリ誰かに成りきって、オチも忘れない。彼女たちの達者な演技力あればこそで、あらためて感服した。
さりげないライト効果も絶妙。スクリーンの凝ったアニメ映像、音楽と効果音と、演出やスタッフワークも抜群だ。

数ヶ月の年の差の姉妹。ある時は憎み、ある時は励まし、其々に悩みや葛藤を抱えながら、互いに支え合い過ごしてきた日々。どんなに遠く離れていても、どんなに長く離れていても、思いはいつも同じ~♪ なんて歌がどこかにあったっけ。「同じなんだ」と苦笑し合った二人に、姉妹の絆の深さが滲み出ているようでジンワリときた。
ウクレレとギターも初披露かな。お客さんの前で「純情姉妹繁盛唄♪」とお笑いを披露する二人の笑顔が、まるで双子のようにソックリだった。

姉妹が食べるラーメンやおでんは、一見して冷めきっているように見えた。でも5年前から揺るがない、かおりさんと美佐さんのパワーと情熱で、食べ物があったかく美味そうにも思えて、お腹の虫がなりそうだった。


開場前にロビーに着いたら、郷田ほづみさんがいらしていてビックリ。土曜マチネにおいでとは珍しいが、ひらり。さんの演出も抱えているしお忙しそうだ。今年はもうお会いできないと思っていたので、思いがけない嬉しさだった(*^^*)。

終演後、かおりさんと美佐さんが一人一人と言葉を交わしてお見送り。お疲れだろうに、二人の笑顔が眩しい。第6回公演も楽しみに待ちたい。

いったん帰宅して食事の支度後、再び観劇のため外出。郷田さんも演出されたことがある劇団道学先生の芝居だ。
TWIN-BEAT Presents bpm公演『ハイカラ』を観てきた。

『シーサイド・スーサイド』と交互に、ハイブリッド・アミューズメント・ショウbpmがおくる、もうひとつのシチュエーション・コメディ。

昭和14年、夏。太宰治ら文豪たちやその妻たちが、絡み合いすれ違いながら、ひとつの恋を成就させようとする話。
『シースー』とうって変わって、舞台は神社の境内。デンと構えた狛犬、のどかな葉桜に着物姿と、古き良き日本の香りが伝わるような光景だ。

あまり馴染みのない作家も含め^^;、たくさんの登場人物が、入れ代わり立ち代わり、テンポ良く繰り広げる会話劇。各々の個性と誇りと意地が混ざり合い、巧みな伏線と文学的ネタを散りばめながら、勘違い野郎たちの喜怒哀楽がたっぷりと描かれる。
誰にでもあるほんの少しの悪意と大らかな優しさが、友情や絆を拾い上げていくのが人間くさい。ただのハチャメチャドタバタ・コメディにとどまらず、浅沼晋太郎の人生讃歌がゆっくりと昇華しているようだ。

ここでも秋枝直樹が、太宰治のハマリ役。今回は主人公!着物はシースーと同じようだが、シースーより少々若くてやんちゃで無鉄砲。逃げたりダッシュしたり擦り寄ったりと軽やかな動きで、悪友や天敵との対決に臨むw。ここまでくると秋枝さんの太宰にどんどん愛着がわいてきてたまらんv。
太宰の妻・美智子役の猪狩敦子は、さしずめ『ヴィヨンの妻』といったところかw。シースーとはガラリと変えた天然おっとりキャラが可愛らしい。

郷本直也@織田作之助が、久しぶりの関西弁で楽しそう。その妻役の小原正子(クワバタオハラ)もマシンガントークな関西弁。漫才コンビの如し二人の会話はめっちゃ愉快だが、愛情も流れているのが伝わる。
伊勢直弘@坂口安吾が、眼鏡キラリのクールでブラックな味が冴え渡る。
多根周作@井伏鱒二が、のほほんとした柔和さで和ませるが、一番損な役回りだったか!?
そしてシースーでも話題になった(?)川端康成に押野大地。すごい!ホントに川端康成っぽいw。太宰とのやり取りや豊かな表情に笑わせてもらった。ノーベル賞とったんだものね!

『戦国BASARA』以来の谷口賢志が、テンション高くメリハリ効いた演技でキーマン。浅沼氏とはアニメでも沢山共演している牧野由依が、初々しくも可憐でしなやか。笹岡幸司が、落ち着いた中に複雑な感情を醸す。

おもしろうてやがて哀しき、可笑しくてやがて切なき。笑って笑って笑った先に見えるのは、迫りくる時代の荒波。
人間臭くて大して偉くもない文豪たちだが、彼らが己の人生から作り出した言葉や文面が、時にひとりの人間の心を救い、人の人生を左右することもある。人間を変えられれば、社会もいつかは変えられるだろうか。
登場人物すべてが、今はもういないという事実。彼らのエピローグに、あらためて開眼させられ、人生を愛おしく思った。
川端康成さんの最後の言葉に深く深く共鳴し、じわっと涙が込み上げてくるのだった(;_;)。また泣いちまった。

こちらも最後に、映画予告風な『シーサイド・スーサイド』の予告上映。
役者たちの平日クリスマス・プレゼント企画は、bpmの伊勢さんと秋枝さんが中心でスムーズに盛り上がり。大雨なので大物は大変そう^^;。
舞台『パッチギ!』を観てきた。
観客は幅広い年代層だが、後方に空席が多いのが惜しい。チケット代も関係しているのだろうか。

1968年の京都を舞台に、日本と在日コリアンの高校生が巻き起こす事件を、恋愛と友情を散りばめながら描く青春物語。
井筒和幸監督の大ヒットした同名映画は実は観ていない。井筒氏は舞台でも総合演出を担当するが、D-BOYSの『鴉~KARASU~』をヒットさせた羽原大介の脚本と茅野イサムの演出を楽しみにしていた。
舞台化にあたってスタッフやキャストが目指したのは、”映画をパッチギるパッチギ!”だったという。

日本と朝鮮という複雑でデリケートな問題を扱いながら、作品そのものはみずみずしくも甘辛い、そして熱気を帯びている。若い俳優さんたちがとにかく真剣で前向きで、”熱”をもって取り組んでいるのが分る。
舞台で度々出てくる朝鮮語が彼らを身近に感じさせ、美しくも色とりどりの衣装を着た女性たちのムヨン(舞踊)が、彼の国への興味と憧れを誘ってくれるようだ。
コリアンたちの「イムジン河」を沁み入るように聞きながら、当時日本で流行った流行歌の数々を懐かしむ贅沢な空間。南北を隔てた川ではないけれど、日本とコリアンという今なお続く歴史の反目やわだかまりを、人々の思いを込めた”歌と踊り”で、一気に洗い流して、橋をかけて繋げてくれるような良質な舞台だった。

登場人物は日本側とコリアン側にほぼ分れる。
松山康介@山本裕典の舞台を初めて観たが、まっすぐで純粋で好きな人を一途に思う高校生を好演。ナマのギター弾き語りが初々しくてストレートだ。安定した演技を見せるが、コリアンたちに罵倒される時のリアクションがなくて残念。冷静だったり感情的だったりする康介像に、もう少し厚味が欲しかった。
リ・アンソン@石黒英雄は、野生的であり繊細でありながら、独特の牽引力と存在感があって頼もしい。目にも声にもパワーが感じられ、ラストのどでかい歓喜はすがすがしくこの上ない。
そういや山本くんも石黒さんも、仮面ライダー『カブト』『電王』の1月のイベントで一度は拝見したという共通点があったw。

コリアンのトリオでは、アンソンが赤、バンホーが青、チェドキが黄と色分けしているのが面白い。
バンホー@中村昌也が、長身なだけに特に目立つ。前半は○○○ネタで笑わせるムードメーカーだが、後半は真剣で熱い男をずっしりと演じ、役的にも格好良いこと。D-BOYS Stageでは去年のバットから今年は刀ときて、今回は棒を振り回すというのが可笑しい。様々な場面で茅野氏との相性の良さを実感、間違いなく昌也の代表作となるだろう。
二人の舎弟であり相棒でもあるチェドキ@椎名鯛造が、元気でやんちゃでタフに活躍しながら、繊細で複雑な面を覗かせて深い。お得意のバク転もいいが、飛ばされ具合も軽妙。何より、昌也といつもイチャイチャハチャメチャふざけ合い、息の合った良きコンビぶりを見せるので、妙に嬉しくなってしまうw。

東高空手部の不良たちは、名前は覚え易いがw、ちょっぴり個性が足りないかな。
大声で圧する朝香賢徹、クールな包帯野郎の植原卓也、強気でフルパワー全開の小野賢章、押忍!で全て表現の戴寧龍二が、テンション高い芝居と程良い緊張感で盛り上げる。
鯛造くんと小野くんの小柄同士ガチ対決が愉快だが、どうせなら小野くんのバク転も見たかった。鯛造くんと戴寧さんとの『最遊記歌劇伝』対決は残念ながらなし、悟空と八戒の絡みも見たかった。
鯛造くんと山本くんとのやり取りを強調させて、二人が唄う場面でもあれば関係性に深味が出ただろう。

インテリ風の山崎育三郎は、歌を披露する場面もあり、康介との漫才的やり取りも痛快だったが、ラストにも出番が欲しかった。
リ・キョンジャ@三倉佳奈は、明るく清楚で可愛らしい中に芯の強さを秘めて、舞踊も軽やかに表現。ガンジャ@ちすんは、ツンデレかと思いきや、落ち着いた包容力ある看護女性を演じる。
坂崎先生@小市慢太郎が、人間味ある反骨精神を掲げていて共鳴、歌の素晴らしさに聞き惚れた。
ソンド@渡辺哲は、コミカルとシリアスのふり幅が激しい重厚な役だが、康介に対して激憤させる流れは納得し辛い。

日米安保反対集団に不良軍の団結、群舞の連なりなど、一見して『ラストゲーム』にも近い群集演出が面白い。
フォークソングと乱闘と出産とお葬式が舞台上で交錯する場面は、情熱がほとばしるような見事な演出で、思わず目に熱いものが込み上げた。そこでは誰もが哀しみや苦しみを乗り越えようとしており、アンソンの「パッチギ!」の叫びが自ずと観客の快感を誘った。
加藤和彦氏のザ・フォーク・クルセダーズのことをよく知らない私でも、舞台を通して、名曲の数々をあらためて意味をもって噛み締めることができた。普遍的な音楽と共に、普遍的な舞台となるであろう。

もう1度ぐらい観たいなと思うが、いかんせんチケットが高い^^;。リピーターでもS席8千円とは、去年の『風強』よりも高い。もう少し小屋も人員も低めに抑える料金にしたら、観客の熱も広めることができるだろう。
good morningu N.5『君、生きてる意味を知りたがることなかれ!』を観てきた。

グッドモーニングナンバーファイブの舞台はお初だが、今まで観てきた小劇場の中で、最もハチャメチャでフリーダムな公演だった(笑)。
全席自由だが、ステージと客席の境界線が曖昧で、前方は座布団が無造作に置かれているのみ。後方の段差のある座布団は人気なので50歳以上と設定w。
そして上演中の飲食は自由! お酒も可で、開演前にエビスビールとツマミを販売w。多少のお喋りや携帯通話も自由、トイレや途中退場も可。もちろん掛け声や手拍子や拍手も歓迎。ただし、暴力や故意の迷惑行為は禁止だ。
密接空間的に、『3人でシェイクスピア』の観客巻き込み型芝居と似ているか。

芝居の内容は、ナンセンスなショートコントの炸裂。女優男優の4人が次から次へと体当たりの演技を披露し、息もつかせぬ熱気と笑いのトルネードに、身も心も巻き込まれたといった感じだ。
とにかく女優2人が凄まじい。脚本と演出もした澤田育子と主演の藤田記子がガッチリとタッグを組み、その迫力にはただただ圧倒される。様々な役どころを怒涛の如く繰り広げるが、既存の”壁”をどんどんぶち抜いていくのが快感だ。
なにしろ女優なのに、腹芸や尻を出すのは序の口、パンティやオッパイを惜しげもなく出して、しかも○○させるっ!(゜o゜) 観客の目の前でw。ここまで強烈な捨て身の演技をする女優を見るのは初めてだ!

お目当ての岩崎大(Studio Life)は特別友情出演なので、出番的には期待していなかったが、どうして全編たっぷりと共演。みんなコスプレの連続だが、大くんも様々な役に挑戦、それは見てのお楽しみw。女役はライフの経験が役に立つが、肌やらヘソやら露出度アップ。まさかの「○○したーっ!」は、「絶望したー!」に聞こえなくもない自然な台詞に変幻(笑)。達者な役者陣に負けず劣らず、ソロの歌や踊りも披露したりと、大くんの新たな魅力と引き出しを満喫できた(^o^)。

同じく特別友情出演の河野ヒロアキ(吉本新喜劇)が、ユニークでタフな個性を発揮、リアルにキモイ部分を出しながら、女優陣を盛り上げる。
平日限定ゲストでMINAKO(米米CLUB)が登場。ちょっぴり歌と踊りとセクシー度を見せながら、ツアーライブの宣伝も忘れない。

居酒屋ミュージカルが一番本格的で(?)可笑しかった。レ・ミゼ風に展開してるなと思ったら、大くんが出ると急にテニミュ風に転換w。澤田さんも藤田さんも河野さんも歌唱力があるので尚更歌に聞き入ってしまうし、大くんも生き生きとやっていた。
実名のタレントが登場したり、某海外ドラマのパロもあったりと、バラエティある演目はジェットコースター的。
白い布を広げただけのスクリーンが開場前と暗転時に流れるが、稽古時やアフターの映像が実は芝居の伏線となってたりと巧妙なサービスぶり。
フロアには予めビニールシートが張ってあったが、これでもかというほどたっぷりと雪を降らせて汚していたのも痛快だ。

「君、死にたまうことなかれ」と何度も歌い上げる世界は、笑いと気楽で満ちていた。慣れない座布団席はお尻に痛かったが、90分なハズの100分はまさに娯楽と驚愕の時間だった。
終演後に、ここの永久株主になったのは言うまでもない(会費100円だし)。

大くんにもちょっぴり激励。次は年末のクルーズ・イベントかな。
でも白馬や人魚姫になっていた大くんが、来年『トーマの心臓』でオスカーをやるかと思うと笑いがこみあげるw。
劇団TEAM-ODAC 5周年記念公演 第8回本公演『ダルマ』を観てきた。
お目当てさんが出なければ、全く出会うことのなかった若手の劇団だ。

全てが崩壊した後の弱肉強食の世界。戦うことしか知らなかった孤高の男が、助け合いながら生きる弱者の男女集団と暮らすうちに、”家族”や”仲間”の大切さを知り、守るために戦うようになる話。
お目当ての根本さん以外、全く知らない若い役者が20人以上も参加する群像劇。
其々若さを発揮しての熱演だが、やたら叫んだり怒鳴ったり叩いたりこずいたりと賑やかで煩い雰囲気、じっくり芝居や筋に向き合いたい者にはちょっと合わない。
見どころはやっぱり殺陣と立ち回りで、忍者風の重心が低いアクションがメイン。珍しく無音の殺陣だが、残酷性を軽減して、肉体の鋭敏さや柔軟さを強調する。どうせなら拳銃も無音にして欲しかった。

根本正勝は主人公のダルマ役。”ダ”にアクセントがあるので、”ガルマ”と何度も聞こえてしまうw。台詞も考えもやや子供っぽいし、根本さんも高めの細い声で喋っていたので、ダルマの設定は20歳前後だろうか。髪型も衣装も若い感じなので、遠目だと根本さんの風貌が佐藤健に見えてしまう(笑)。健くんの岡田以蔵のイメージだ(ドラマはまだ始まってないけど)。破れた衣装や、背中の傷跡や血のりはよく出来ていた。根本さんの乳首も拝めたしw。
根本さんの殺陣はさすがに格好良くて、今回は野生の荒々しさや危うさが感じられた。特にラストの鮮やかな6人斬りは見応えたっぷりv。ダルマは精神的に弱いので、根本さんの苦痛に歪んだ顔が印象的だ。

ストーリーは思ったよりも平坦で平凡。キャラクターや関係性もよくあるステレオタイプ。ダルマの感情変化も唐突に感じる。だんだんと飽きて眠くてたまらなくなったが、暗転が多くて長いのも要因だ。
ダルマがイビキをかき眠って起きた後でも、まだどこからかイビキや寝息が聞こえてきたので、見渡したら年配のお客だったw。携帯のバイブもどこからか2回鳴っていた。
始まって15分経ってから、後方扉二手からドヤドヤ集団が入ってきたので、てっきり通路を使うための役者陣かと思っていたら、ただの遅れて入ってきた客たちだった。客にしては目立ちすぎるっ(~o~)。

結局、通路を使う演出はなかった。チケットのE席がC席に変更と当日行ってから分った時点で、イヤ~な思いはしていたんだが^^;。今回も”円形”という舞台構造をよく理解していない演出家のお仕事だった。
スクリーンの映像が見えず、役者の表情もあまり拝めないのはまだ我慢できる。準主役が死ぬ肝心の場面で、女の体が邪魔をして、声しか聞こえないドラマCD状態。目を閉じながら苦笑しそうだった^^;。
終演後のお辞儀も、前方の客のみでサイドはほったらかし。拍手するのもテキトーになった。
前楽で関係者も多く満席状態。根本さんの年末の舞台を拝めただけで良かったか。

昼公演に誠治郎くんが来ていたのを後から知ったw。幸いにも12月のAshのライブに行けることになった。粘れば叶うもんだ。
Special Playing Company 鈴舟の第3回公演『ベイビー・フェイス』を観てきた。

劇場に着いて、ほっとしたことが二つある。
頂いたリーフレットにあった演出家・堤泰之氏による、「子供として。親として。」の生き方についての言葉が、あまりに今の自分と当てはまっていたことw。
もう一つは、家の居間の舞台装置がいつもより一段も二段も高めに作られていて、サンモールのフラット席からでも充分観やすいこと。
観る前からいろいろな障壁が取り除かれているのは有り難い。

夫婦揃った中村家3世代が集まった、おかしくてにぎやかな一日を描く、鈴舟流ハートウォーミング・ホームドラマ。
チラシにもあるように、今回はみんな夫婦で、おまけに40代以下の女性はみなさんご懐妊中。田中完の原案で、冒頭ナレーションの通り、「たまたま」なのか「奇跡」なのは分らないオカシナ設定がウリだ。
でも大家族の中で語られ起こる出来事は、あるある!と思うようなコトばかり。そのリアル感で感情移入も容易い。軽妙で巧い展開と達者な役者陣に引き込まれ、いっぱい笑って考えさせて貰った。

鈴舟のアイドル麻生美代子は、今年6月に長期治療入院をされてからの復帰。今回は声の出演のみなので、てっきり亡くなった役なのかと思いきや^^;さにあらず。声だけで舞台に彩を添えながらも、モー娘。で弾けていてwお元気だった。出演されなくとも存在感を引き出した脚本にも乾杯だ。
夫役の内海賢二は、出番は多くないが、妻への思いや様々な表情が豊かで頼もしいこと。特にラストの内海さんの演技には胸が熱くなった。

夫婦の子供は3男1女だが娘婿がいるので、4人の男兄弟が何となく『電王』のタロスズみたいw。
和田太美夫は、頭の形がお父さんそっくりになってきたがw、父親との関係が一番の見せ場。田中完は、威勢がよくてお調子者だが愉快なリーダー格。大谷典之の第一印象は緑川光っぽいなだが、クールでマジメそうで新鮮。中野順一朗のキャラクターがまるで鈴村健一とおぐらとしのりを足して二で割ったような感じでw、絶妙なノリとツッコミが活気を与える。
定岡小百合が明るくしなやかな女性を好演、一番同調できたキャラクター。女優としての桑原裕子を観たのは『K』以来、今回は眼鏡で騙されそうになったが、さすが負けん気も押しも強いこと。吉田久代が今までにないエキセントリックなタイプ。相原美奈子がシャッキリ爽やかで快活でキュートで実に上手い。田倉夫婦の明るさに一番憧れるな。
『デュエル・マスターズ』で活躍の小林由美子は、相変わらず小顔で小柄で可愛い、娘として孫としての味がよく出ていた。途中登場の瓜生和也は、柔らかでトボけた演技で場をまとめるが、実はキーマンだったのだろう。
そうそう! 『サザエさん』を連想させるタマもキーニャンだったね。

60代の頃と思しき母の肖像画と、ユラユラ楽しく揺れていた父の椅子が余韻に残って、こらえきれずに涙まで出た(;_;)。
夫と妻、親と子、祖父母と孫、兄と弟と妹という普遍的な関係や、日常のありふれた生活が、実はどんなに大切でかけがえのないものなのか。
子供の笑顔を絶やさないのと同じくらい、「ベイビー・フェイス」を忘れない親であることも、家族の幸せに繋がるのだと、軽快な「ベビー・フェイス」の音楽にのせて伝えてくれたお芝居だった。


終演後、麻生美代子が舞台に登場し、田中完の司会で『美代子の部屋』トークショー。
脚本を書いた太田善也が客席通路を通ってステージへ、ソファの麻生さんの隣に座る。

予め書かれた内容を麻生さんが太田さんに質問し、太田さんが答えるコーナー。
脚本で苦労したことは、今通路を通ってきたことw。そもそもは『雷電』の堤さんと桑原さんとの共同執筆。結局、田中さんに強引に誘われたか誘ったかして…という感じ。最後にご自身の劇団「散歩道楽」のお芝居の宣伝。

今度は麻生さんに、右手の畳に座っている出演者たちから質問。挙手で一番元気だったのが大谷さん? 同じ質問する内海さんのボケっぷりw。
麻生さんの出身地。趣味のスキューバ・ダイビングでは大西洋以外はすべて潜ったそうで、一番綺麗だったのは南極に近いところでトラック諸島辺りだと、はにかんで答える麻生さん。実は活動的なスポーツウーマンでいらしたのね。やりたいことは、今までやらなかった歌と踊りだとか。

内海さんとにこやかに立ち並んで、丁寧にお辞儀を繰り返す麻生さん。お元気になられて本当に良かった。
田中さんもおっしゃってたが、今度は鈴舟さんで和風ミュージカルをやっていただきたいものだ。

鈴舟第4回公演は、来年5月の『太陽のあたる場所』。堤泰之氏の作・演出にも期待したい。中尾さんや関さんから花壇が届いていたし、その後DCとの合同公演か。
帰宅してテレビをつけたら、『和風総本家』から麻生さんの達者なナレーション。お元気な声を聴けて本当に良かった。

舞台 アンネ

2009年11月25日 舞台演劇
舞台『アンネ』を観てきた。

アンネ・フランク生誕80周年記念。
1929年6月12日に彼女は生まれたから、生きていれば80歳というわけだ。舞台の語り口もそこから始まる。
物語は1942年7月から1944年8月まで。ナチス・ドイツ政権下のアムステルダムにおいて、ユダヤ人迫害政策から逃れるため、隠れ家生活を強いられることになったアンネたちの2年間の日々を描く。

有名な『アンネの日記』を元に、『アンネの童話』から「映画スターの夢」と「妖精」も盛り込んだ、ファンタジー色もあるファミリー向けの良質な舞台だった。
隠れ家の住人はフランク一家だけではなく、ファン・ダーン一家や全くの他人の男もいたので、舞台の上で生々しい軋轢や喧騒も繰り広げられていく。
そんな中で、我が儘だった娘アンネが、悔しさや辛さにめげずに、初恋も経験しながら成長していく様子が微笑ましい。明日を前向きに生きる彼らの姿こそが、この作品のカタルシスなのだろう。

休憩入れて約3時間は、思ったより長かった。
途中アドルフ・ヒトラーが登場し、未曾有の経済危機を引き起こしたのはユダヤ人だ!と、『我が闘争』のごときアピールを繰り返す。諸悪の根源の考えを打ち出すのはいいが、それが度々繰り返されるのはしつこい。アンネの日記を破り捨てるイメージは分るが、アンネとわざと対比させる流れは余計だと思う。
ヒトラー同様、舞台のアンネは強烈で苦手なタイプだ。明るくまっすぐで逞しい女の子といえば聞こえはいいが、お喋りで出しゃばりで皮肉れ者で鼻持ちならないガキにしか見えない^^;。恋を知っていく場面でようやく可愛らしさが出るが、何というツンデレぶり!(苦笑)私は物静かで知的な姉マルゴーのほうが好みだな。
アンネ@高宗歩未がほぼ出ずっぱりで熱演、マルゴー@熊本野映が的確な芝居を見せた。

父オットー・フランクをAxleの柄谷吾史。10日ぶりの拝顔w。今まで10代の役が多かった柄さんが、今度は10代の子供を持つ父親役とはビックリだが、もの静かで優しく穏やかなお父さんを柄さんが男前に好演。ずっと柔らかな表情が多かったが、歯磨きの時が唯一のヘン顔かなw。背格好や凛とした声で皆を引っ張っていく感じ。ただ、ファン・ダーンの遠藤博之がでっぷりどっしり感があるので、どうしても見た目、柄さんが頼りなげ。お父さんというよりお兄さんかなw。オットーと妻エーディット、オットーと娘たちの会話場面があれば、父親の存在感がもっと出せたと思う。

ペーター@桑野晃輔が、一瞬見せた”イケメン”ぶりが愉快。ドラマや舞台に色々出ているらしく、今度はミュージカル『忍たま乱太郎』で拝めそう。
ミープ@望月寛子が、楚々としたしなやかな佇まいで良かった。
ヒトラー@淺井孝行の声が、吉野裕行にちょい似てる。狂気の目で思いっきり表現していた。チョビ髭がオカシイ。
舞台右手では終始、楽士2人によるナマ効果音とナマ演奏、ナマの歌が流れて臨場感たっぷり。通路を使った大きな演出もあったが、最前席の前をあんなに通るとは思わなかったw。開演前に荷物の注意もなかったし。でもナチの銃口を客席に向けられると、ちょっとドキリとするな。

「どうしてみんな仲良くなれないの?」「どうして私達を迫害するの?」みたいな台詞があったが、答えは一昨年観た舞台『アドルフに告ぐ』で語られているようにも思う。
パレスチナでユダヤ人がやっていることは、あのヒトラーたちと何ら変わりないのだ。

哀しく湿っぽい話になりがちだが、最後は手拍子で楽しく終わらせて、後味よくまとまっていた。
だが、老婆よりも現代の少女を通して語らせたほうが、”生きること””夢みること””希望を失わないこと”の重みや大切さが、より深く強く伝ったようにも思う。

【劇団ひまわり】のある劇場なので、入口のポスターは宮野真守と加藤清史郎が並んでいた。
29日からスタートのNHKドラマ『坂の上の雲』に、主人公・真之の友人役で柄谷吾史と加藤巨樹が出演。楽しみだ。
ドラマティック・カンパニー公演『a Suite(ア・スイート)』A公演の2回目を観てきた。
チケットありがとうです。

Aの1回目と同じ最前席だが、今度は扉側なので、観る方向が全く違う。
今日は暖かかったが、娘から風邪を貰ったようで^^;、一応コートを着用して観劇。

I. 『帰国』出演:土井美加(客演)&江口美里 演出:水下きよし
夫人の年齢は、私とあまり変わりないと見たw。土井さんの始めの衣装、前のとちょっと変わってなかった? 1回目の時はそんなに気づかなかったが、土井さんの頑丈そうな腰周りやヒップについ目がいっちゃう^^;。
江口さんが履くパンプス踵がおもしろい。土井さんが靴を並べながら台詞を言うが、あれも結構難しそう。トランクって着替えとか入れなければ、あんなに箱が詰められるものなんだ。
娘は知っていたのね、夫人の恋も、何もかもすべて。知っててそういうことやるんだ。娘なりの思いやりや優しさと思えばいいけど、私からすれば余計なお世話というか。出来すぎた娘というのも問題だ^^;。
エピローグもあるし、拍手するタイミングがちょっぴり難しいかも。

II. 『清算』出演:中尾隆聖×関俊彦 演出:藤田淑子
ブライアンの髭やビリーの髪が、ちょっぴり伸びたような気もするが、最初の頃と殆ど変わっていない。位置的にブライアンのジーンズ裾やビリーの靴元ばかりに注目。逆に観客も役者から見られる立場かもと思うので、今日は靴や座る足元にも気を配ったw。
座席的に目の前を二人が駆けて通るのだが、自分の足が邪魔にならないように奥に入れてはいても、大丈夫だろうか?私の足に躓いてこけたりしないだろうか?とつい気を使う。ビリーがカウンターバーをドン!と興奮気味に叩く時も、お酒やグラスが下に落ちはしないかといつもヒヤヒヤ心配になるw。
最初から”小道具”ってネタバレしてたのにねw。ブライアンがビリーの胸元を掴んで詰め寄る時、ビリーの内ポケットの航空券が明らかに目に入っているのに、その後のブライアンの「航空券はあるのか?」って台詞はどう考えてもオカシイだろう^^;。最初から「航空券を出せ」なら分るけど。1ポンドの換算額をチラっとパンフに書いておいて欲しかった。

終演後に4人が揃って、中尾さんと関さんで挨拶と告知。ニール・サイモンの『ロンドン・スイート』初演をここでやっていいのかどうかと中尾さんが言ったら、関さんがキッパリと「イイんです!」。来年はやっぱりサンモールなのか。
物販の抽選会なんて始めたんだ。こりゃ早く買いすぎたかな?^^; 河野智之@マクマーリン先生がトランプを持って登場。ひくのはいつも関さん?

今年のDC公演はこれで見納め。アトリエへも当分は行かないだろう。作品の面白さや役者の魅力は味わったが、余韻や感動とまではいかなかった。
今度はお芝居の中でDCメンバーの皆さんを拝見したいし、チケットが取れる所で上演して頂きたい。

アニメディア12月号の『DCのおもちゃ箱』に、稽古風景に加えて、アトリエへの道の案内図と写真があり。左手の酒店を過ぎた下り坂で、右手にアンゴラ共和国大使館があり、夜はツリーの灯りが綺麗で、暗い夜道でもほっと安心させられた。

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