劇場版『図書館戦争 革命のつばさ』を観てきた。

紀伊国屋ホールの『天守物語』に通う中、隣の公認ショップを物色したのが観るきっかけ。
男子組ポスカ目当てに2週目からの鑑賞。

有川浩の原作は未読。テレビアニメはずっと観ていたので、物語の背景や設定は頭に入っているつもり。
「メディア良化法」がはびこる日本国。主人公の笠原郁と堂上篤は既にデートをする仲。ひとりの小説家・当麻を守るため、郁たち図書特殊部隊と良化隊との激しい攻防を描く。

冒頭でキャラ紹介もあり、観ながら思い出したが、郁は上司の篤よりもデカいのだw。熱血バカというより、頬を真っ赤に染める純情バカぶりがポイント。
柴崎と手塚慧の暗躍とか、手塚兄弟のツンデレな絆とか、見どころもあれこれ。小牧は笑いよりも、オタクな格好が印象的w。

良化隊の執拗な攻撃と、果てしなく続く逃亡劇は、緊迫感と疾走感たっぷり。
いつも目にする紀伊国屋書店の表玄関が映った時は、照れくさい嬉しさがあったり。ここでも、堂上をめぐる小さな出会いと思いがあったんだね。
地下鉄に入り半蔵門線とか出た場面も、見慣れた光景でウキウキした。こういうリアルっぽさがたまらない。
舞台が関西に移ってからは、大阪のおばちゃんのターンかな。『プリンセス・トヨトミ』の映像を思い出した。

一貫して、郁と篤の恋愛ものをうたっており、あまりにベタ甘な展開と結末。少女漫画と捉えればイイのだが、ヒネリもなくてちょっぴり疲れる。
当麻蔵人が書いた「原発テロ」は、日本の厳しい現状を考えると生々しい。海外からの抗議や圧力で、やっと変わることになる日本の姿が不甲斐ない。

井上麻里奈、前野智昭、沢城みゆき、鈴木達央、石田彰、鈴森勘司のお馴染みのボイスキャスト陣。吉野裕行の「未来計画」会長がクールでイイ。イッセー尾形の当麻は味わいがある。
プロダクション I.G 制作で、監督が浜名孝行、アフレコ監督が平光琢也といえば『テニスの王子様』。ハズレはない。

前野くんは公開中の『アメイジング・スパイダーマン』吹替え版で主人公ピーターを演じているが、そちらも恋愛物語か?w


アニメイトで『忍たま乱太郎フェア』開催中。
池袋のオンリーショップで、あれこれ買って、雑誌風ミニノートVol.1〜6とVol.7(山田利吉)を貰ってきた。7月から公演のミュんたまのチケットを見せると、第3弾再演版のミニノートも貰える。
ミュージカル会場で、フェア開催中のレシートを見せると、また何かくれるらしい。こういうコラボ商法にすぐのせられるけど楽しいねw。
映画『スノーホワイト』吹替え版を観てきた。

グリム童話が誕生してから200年らしい。
有名な『白雪姫』を大胆にアレンジ、VFXを多用させて、今風のアクション・アドベンチャーに変貌させている。

魔法の鏡から現れた人型、毒リンゴを渡すのはお婆さんではない、森の小人ならぬ7人か8人の番人、王子様じゃない人のキス。童話にあったキーポイントが悉く裏切られた格好で戸惑った。
触るだけで心臓を手に入れたり、若いエキスを吸い取ったり、どろどろの銀風呂に入浴したり、カラスの群れが黒いマントになったり、エキスが足りず醜い老婆の顔をさらしたりと、ラヴェンナ女王の底知れぬ恐ろしさと強さは『ダーク・シャドウ』の魔女にも匹敵。

最先端のヴィジュアルが先行する割に、どこかで観たようなシーンや雰囲気が目立つ。『ロード・オブ・ザ・リング』に『もののけ姫』…。7年も幽閉されてたのに馬も剣術もすぐに身につける賢いスノーホワイトは、ジブリ映画に出てくるヒロインとカブるw。
女王と姫を取り巻く人物に至っては、力不足でキャラ立ちがなく、番人も妖精も可愛げがない。どれも魅力的に思えないから、共鳴もしにくい。

永遠の「美しさ」を武器に、自分や家族を虐げた男たちへ復讐するラヴェンナの気持ちも分らなくはないが、説得性が足りない。7年間でただ美しさに邁進してきたとしたらつまらないし、女王の周りにイイ男がいなかったのも腑に落ちない。弟がなぜそこまで姉の言うなりに動くのもいまいち分らないが、スノーホワイトをどこまでも追いかける執拗さには驚いたw。
「心の美しさ」を武器にするスノーホワイトは、真実を見抜く聡明さも欲しいところ。相反する二人だが、女王との戦いというより、過酷な自分の運命と戦うお姫様といったほうがふさわしい。
長いドレスが切られ、チュニック風になっていたところがキュート。銀の甲冑はもはやジャンヌ・ダルクのレベルw。

シャーリーズ・セロンはそれほど美しいとも思えなかったが、クリステン・スチュワートも悲壮感漂わす表情はそんなに綺麗じゃない。
エリックのクリス・ヘムズワース、ウィリアムのサム・クラフリンもそんなに逞しく男前に見えない。心臓を取られた息子が一番イケメンだったかw。

物語はほぼスノーホワイトの逃亡劇で、ラスト20分でいきなり革命劇へと変わり、強引に押し込んでいく。スノーホワイトと女王の対決は思ったより盛り上がらず、スノーホワイトのその後や、キスの相手との後日談もなし。
エンドテロップ後にエピローグがあるかもと待っていたんだが…。投げやりかい^^;。
お金をかけて仰々しく作り上げたのに、面白さも後味感も薄い作品になってしまった。

日本語吹替え版は話題作り。
小雪のラヴァンナ女王は頑張ってはいるが、深みや濃くが足りない。
椎名桔平のエリックは後半にかけてハマってくる。だが前半の二人のやり取りが退屈この上ない。
スノーホワイト@坂本真綾とウィリアム@浪川大輔は、『スター・ウォーズ』まんまの関係で新鮮味がない。フィン@咲野俊介は独特な粘り気があり良かった。
大塚さんが三人出揃ったのがミソ。その割に、芳忠さんのハモンド公は出番が少なく、明夫さんの鏡も押えた声で微妙だ。
後半に登場する森の番人が豪華キャスト。大塚周夫や茶風林や高木渉の声はすぐにわかるし、菅生隆之や山野井仁もいる。ただ、番人たちの名前と顔がなかなか一致せず、ずっと声で見分けをつけていたw。
映画『愛と誠』を観てきた。

20世紀に何度か映画化やドラマ化された、1970年代の人気漫画が原作。
角川版であらたに映画化となる予告を観た時、これはコメディ版かと目を疑い、大いに興味をそそられた。
『愛と誠』といえば、1974年の映画で太賀誠を男前に演じた西城秀樹の記憶しか残っていないから。

現代風かと思いきや、ちゃんと高度成長期の1970年代が舞台。場末の乱雑な店構えや広告がしつこいほどアピールw。
これは、三池風ミュージカル仕立てのパロディー劇だった!
冒頭の乱闘シーンから、妻夫木聡が「激しい恋」を唄い出して笑い。これは秀樹への一応オマージュなのか!?w
誠を一方的に一途に想う早乙女愛が唄う「あの素晴らしい愛をもう一度」は、“愛”のフレーズが何度もリフレインw。武井咲は『wの悲劇』とはまた違ったお嬢様役で、思い込みが激しい天然ぶりとめげない強さがキュートだ。
こういうクサイ芝居は斎藤工にはお手のもの。「愛のためなら死ねる」とクサイ台詞をのたまう岩清水弘が、ナルシーに唄って踊るのが「空に太陽がある限り」。メガネな優等生だから、その右手にラケットを握らせたくなるw。「メガネメガネ」と馬鹿にされ殴られるヘタレな役の割には出番も見どころも多く、誠を食わんばかりの存在感だ。
其々のキャラクターが持ち歌を唄う中、絶対高校生に見えないw伊原剛志が「バンババンバン…」とやり出した時点で大いに吹いたw。まさかまさかの「狼少年ケン」を一緒になって唄い出しそうだw。
不良グループの手下たちもちゃんと踊ってくれるんだよね。パッと見は『ウエストサイド物語』のダンスのようw。純情ツンデレなガムコの「また逢う日まで」は、キャラの声で唄ってないのが惜しい。
どれもが知っているナツメロばかりで、まるで『ラムネ』の舞台な雰囲気。加藤清史郎くんにも、ぜひ東宝ミュージカルな実力を披露して欲しかったw。
残念なのは口パクと録音なので、映像からはナマの迫力が伝わらないこと。どうせならこのままキャストを変えて舞台化して、ナマの歌唱を聴きたいと思った。

誠は、一方的に愛を押し付けてくる愛に対しても容赦ないのが楽しい。世間知らずのお嬢様が、吹っ飛ばされたり殴られたりするのを見るのも快感。スケバングループの女たちをバキバキ殴る誠の姿も凛々しい。
そして「愛のためなら死ねる」を自ら実行しようとする愛の姿が、いつしか献身的に見えてくるのは、誠だけではないだろう。「僕が死んでも愛くんを助けられない」と妙な理屈で負けを認める弘も潔く見える。
コメディを楽しみながら、いつしか登場人物を愛おしく思えた時に、急にシリアスな筋書きに戻り、ちょろっと切なくさせるテクニックがニクイ。これもアメとムチか。

アニメみたいな漫画仕立ての説明は興醒め。エピローグにも要らない。清史郎くんよりカッコイー男の子に描かれてるしねw。
エンディングテーマ曲も馴染みがないし、どうせなら70年代の曲で纏めて欲しかった。
70年代の映画はこの後『続』『完結篇』と続いたが、今回も続けるのだろうか。
やはり『ラムネ』感覚のライブで観たい。そして手拍子をしたり拍手を送りたい。
映画『メン・イン・ブラック3』3D吹替え版を観てきた。

MIBエージェントの活躍を描く、ウィル・スミス&トミー・リー・ジョーンズ主演のシリーズ第3弾。
過去2作は全部テレビで観たものであり、第3弾にしてはじめて映画館で鑑賞。
時間的都合で3Dにしたので吹替え版をチョイス。2Dでも充分楽しめるだろう。

脱獄した凶悪犯によって、突然Kの存在を消されエイリアンの侵略が始まる。歴史を正すため、Kが生きていた40年前にタイムスリップしたエージェントJは、謎を解き明かし凶悪犯の追跡に挑む。

3Dは尖ったものやネバネバしたもの、イヤンなものが飛び出す仕組みw。ジャンプシーンは顔がねw。戦闘中のグリーンのレーザーや透明感は綺麗に見えた。
導入部は『ゴーカイジャーVSギャバン』で、デンライナーな電王シリーズを思い出しながら、ラストは『宇宙兄弟』かと思いきや、『クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲』みたいな展開w。色んな邦画作品のオイシイとこが詰まった映画でもあるw。

今までのシリーズから一転、ふざけたコミカルで濃い場面が少なく、アクション満載のストーリー重視になった印象。
細かな設定や理屈は端折って、とにかくJとKの因縁ありきをメインに据えた、テンポいい展開ではある。
ウィルの体を張ったアクションはまだまだイケるが、トミーは年齢的にも大変な時だろうか。そのためジョシュ・ブローリンが若いKを務めるが、似ているようでやはり雰囲気が違う。仏頂面のトミーは渋いが、ジョシュの優しい眼差しにはほっくりくる。
40年間でKがなぜあんな頑なになったのか、その謎の糸口は見えたが、肝心なところは雲に閉ざされたまま。
でも40年間知らなかったことが明かされる真実に、Jと一緒に思わず涙腺が刺激されそうだった。

今回の作品のキーマンは実はグリフィン。フシギな能力とキラキラな瞳に釘付け。マイケル・スタールバーグは要チェックかな。
未来はほんの偶然のきっかけで変わり、意思と忍耐でいかようにも変えられるが、変えられないものもある。
運命と必然性。Jはいわば“特異点”だったのかな。あの丸い乗り物が面白い。グラサンライダーJ!なんてねw。『仮面ライダー電王』に夢中になってた時を思い出し、日本人好みのストーリーだなと思った。

日本語吹替え版キャストは先日のテレビ版とは違う。
ジェイの江原正士は、『ハリポタ』の“あの方”と全然違ってコミカルで野生的。まくし立てる中にもシリアス感が滲む。
ケイの谷口節は、ヤング・ケイも演じるひとり二役で、声も巧みに使い分ける。
ボリスの中田譲治もヤング・ボリスを演じるが、二人の掛け合いの声使いが面白くて聴きどころだ。
オーは高島雅羅、ヤング・オーは北西純子で、こちらは違う。
アンディの津田健次郎も、ある意味、二色使いの声で“W”というのも納得w。
グリフィンの三ツ矢雄二がピッタリ! 早口でよく喋るが意味不明で意味深で、痛快でチャーミング。グレーゾーンならぬ、ミステリアスゾーンなキャラになっていて印象強かった。
テレビ版になっても、グリフィンは三ツ矢さんのままにしてほしい。
映画『ダーク・シャドウ』吹替え版を観てきた。

ティム・バートン監督&ジョニー・デップの8度目のタッグ作品。
50年前に放送された人気テレビドラマのリメイク版だそうで、映画も1970年代初期に設定してある。

魔女の愛と呪いによって吸血鬼にされ埋められたバーナバスが200年後に蘇り、今や没落したコリンズ家の末裔に力を貸し、かつて愛した女とそっくりの女性に惹かれるが、魔女の力が再び彼らを襲いくる。

吸血鬼って魔女の魔法の力でなれるんだ、と先ず新しい設定に面食らった。吸血鬼の哀愁と不死をうたったのかと思ったら、魔女の凄まじい怨念(愛と憎しみ)とスゴイ力を見せ付けられただけだった。
現代に蘇った吸血鬼が経験するギャップが面白味のハズだが、既に使い古されたネタであり、殆ど笑えもしない。
冒頭のコリンズ家の栄光とバーナバスの愛と裏切りは駆け足なので、彼の愛情の深さや魔女の嫉妬と憎しみの重さが伝わり難い。バーナバスとヴィクトリアが愛を育んでいく様子もスキップ感がある。
「血は水よりも濃い」が謳い文句だが、ラブ・ストーリーにしては薄味だし、ファミリー・タイズものにしては大雑把。それほど面白くもなく、感動もさせない、中途半端で微妙な作品だった。

ジョニデの白塗りと髪型は慣れると新鮮味はないが、長い指先の動きはとてもセクシー。最初は高圧的だったのが、だんだん懐柔されてしまいそうなのが物足りない。コミカルに見えるが、罪なき人達を残忍に殺していくので、バーナバスというキャラ自体は好きになれない。
アンジェリークの真っ赤なデカイ口が印象的。ヴィクトリアの目や表情が不気味。
結局、吸血鬼と魔女が交わるとこんなにスゴイんだってのを見せたかったのか。色んな意味で子供には見せたくない映画だw。

吹き替え版では「バーナビー」とも呼ばれてたw、平田広明のジョニデが男前かつチャーミング。ナレーションも含めて全編喋っているので、平田さんファンにはたまらない作品だろう。
アンジェリークの深見梨加は色っぽくて力強い。ヴィクトリアの本名陽子は凛としていて可憐。高島雅羅のエリザベスは『デスパレートな妻たち』に出てきそうな雰囲気w。高乃麗のヘレナ・ボナム=カーターは『ハリポタ』に次いでピッタリ。
白石涼子のキャロリンと矢島晶子のデヴィッドは、ある意味、最強の従弟かも。ヒメコ&クレしんだからw。

当時の洋楽が聴き所のひとつ。久しぶりにカーペンターズをテレビで見て(笑)感激、舞台『ア・ソング・フォー・ユー』を思い出しながら「top of the world」のリズムに懐かしく浸れたw。
いっそヴィッキーのリクエストで、全編カーペンターズの音楽にしちゃえばいいのにw。
ラストシーンから40年後を描く続編もできそうな含み。今ならどんなアーティストが出てくるのかな。
『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』episode 5「黒いユニコーン」&舞台挨拶を観てきた。

回を重ねるごとに新規ファンが増えるのか、どんどん取り難くなるチケット。
来場者限定プレゼントは、劇場限定小冊子とユニコーンガンダムカードとepisode 6&7特製ポストカード。

episode 4を観たのは半年前。映像作品も買わず復習もせず、どんな話だったかも忘れかけていたが、本編前に流れたダイジェスト映像が記憶を蘇らせた。ナレーションは池田秀一。
episode 5のストーリー。拘束されたバナージと捕らわれたミネバを救うため、ブライトらが奇策を打ち出し動くが、バナージの前に黒いユニコーンの乗り手が立ち塞がる。

濃密で迫力の1時間。
敵と味方がめまぐるしく変わり、様々な勢力や関係が混沌とする中、人の渾身の思いと絆が鮮やかに描かれる話だった。

バナージとマリーダの関係は、かつてのカミーユとフォウを思わせる。
違うのは、バナージにはミネバがいて、マリーダにはキャプテンのスベロアがいるってこと。そのあたりは、福井作品らしい救いになっている。
バナージとミネバの揺るぎない絆。揺れ動き彷徨うマリーダとキャプテンの絆。
それでも最後には、人が信じる力、人が貫き通す思いのほうが勝るのだと知る。

心に染みるいい言葉がいっぱい散りばめられている。
ブライトの言葉も深い。懐かしい顔ぶれにも安堵する。でも「笑うなよ」はガルマの言葉じゃなかったかw。
あらためて、アルベルトとバナージが兄弟だと知ってちょっと呆然w。財団とか実業家とか、とかくお金と軍隊は結びつくものだ。
可哀想だったのはリディ。ダブルで女たちにボコられて、道化師に果てるw。だが嫉妬と憎しみで沸騰した男はものすごく恐ろしい。

成田剣@ブライトは、言い回しがちょっと違うがまずまずな出来。
手塚秀彰、小山力也、高木渉と、ベテラン勢が出ると安心感が宿る。
しばらく出番がなかったが、タクヤ@下野紘の声を久々に聞いたw。

とにかく作画の迫力と美しさには息を飲む。
めまぐるしいピッチと様々なカメラワークで、観る者を釘付けにさせる。
3Dではないのに、同じような威力をもつ特化したアニメである。


上映後、舞台挨拶。
登壇者は、内山昂輝(バナージ役)浪川大輔(リディ役)甲斐田裕子(マリーナ役)古橋一浩(監督)、福井晴敏(原作)。
甲斐田さんとは和装の『船弁慶』以来。藤村歩さんがいないのが残念。司会進行は浪川さん。

バナージの心の動きを演じた内山くんは、ブライトとの会話に時間をかけたという。気合を入れてスタジオ入りした甲斐田さんは、マリーナを何度も作り直したという。浪川さんはリディについて「哀しくなりました」ととっても無念そうw。リディが最後に撃つところは絵コンテを作り直したと、あらためてリディの表情をフューチャーする福井氏w。私は4話で出し切ったとおっしゃる古橋監督は、5話は優秀なスタッフのおかげだと感謝。

2013年春に上映予定のepisode 6「宇宙(そら)と地球(ほし)と」に続き、episode 7「THE FINAL」が追加されることについて。福井氏から「単にもう1本作るだけだったw」が、おそらく1時間越えた大ボリュームになると。
最後にひと言ずつ。これでゴールが見えてきたと言う浪川さんは、リディの今後も全力でやっていきたいという。回を重ねるごとにみんなと仲良くなって、寂しい思いが強いという甲斐田さん。1を録った時は10代だったという内山くんは、バナージが成長したのと同じように、自身も成長して駆け抜けていきたいと意気込み。
監督からはこれからは物量の作業なので体力の続く限りという言葉。皆さんのご支援あればこそだと福井氏は、引き続きの投資など期待し、自身の本の告知宣伝も。
マスコミ撮影があって、20分ほどで終了した。

episode 4はイベント会場で観たので、5のついでに4のパンフも買った。
映画『テルマエ・ロマエ』を観てきた。

古代ローマのテルマエ(浴場)設計技師が現代日本の“風呂”にワープ。そのアイデアを使って名声を得るが、ワープの度に平たい顔族の女が絡まって騒動が起きる。時空を超えた入浴スペクタル。

ノイタミナのアニメを観ていた時から、阿部寛の古代ローマ人はピッタリ!と思ったので、違和感なくすんなり溶け込めた。
前半はキャストの好演による笑いと熱気、後半はタイムスリップによるシリアスな温かさで、全然違うカラーなのも飽きさせない。

「BILINGUAL」のテロップや花畑などのバックが、まるで『のだめカンタービレ』みたいと思ったら、その監督さん!
古代ローマのセットやエキストラのスケール感は本物で、小物や衣装を見るだけで、カンツォーネは聴くだけで楽しくなってしまう。
風呂のアイテムを懐かしみ、古代ローマの歴史と言語を学びと、ひと味違った面白味もある。“ローマ”の諺が詰め込まれ、“水”が重要なメタファーでもある作品。『バトルシップ』のように老人たちが活躍するのもいい。『遙かなる時空の中で』もふっと思い出された。
二つの世界が融合することで、主人公やヒロインが夢や信念を取り戻そうとする姿も気持ちよく描かれていた。

風呂だけに、裸がたんまり出てくる。阿部寛は褐色の肌と引き締まった体を何度も披露して見応えたっぷりv。『宇宙兄弟』といい、イイ男の入浴シーンは必要不可欠w。阿部さんのオーバーな挙動とイイ声のモノローグがカワイイ。
阿部寛と市村正親といえば、先月観た『シンベリン』と『エンロン』の舞台対決ではないか~と笑いが込み上げた。
上戸彩のコケティッシュな芝居が意外とハマってチャーミング。キムラ緑子のチャキチャキ振りが痛快。

風呂といえば、日本人にも馴染みがある“トルコ風呂”。アカスリに歌に踊りと、あの陽気さは日本の温泉にも繋がると思う。
『るろうに』の映画予告が流れたが、ローマの次はヴェローナへワープ。
夜のイベントまで時間があったので、渋谷の映画館へ。
渋谷に着いた途端、急に空が暗くなって、あっという間に激しい雷雨。
雨宿りついでの映画館は正解だったが、エントランスに“貞子”がいっぱいいてちょっとビビった^^;。人形だったけど。その日は渋谷の貞子がスゴかったようだ。

映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』を観てきた。
本編を見るのは2回目。入場カードを貰うのは3回目。
ヒーローの舞台の後に、ヒーローの映画を観るのもオツなものw。

「お前が一番悪党だろ」と士が言ってたことがホントになったもの。
フォーゼとゴーバスターズがメインではなく、士VSマーベラスと見せかけて、大樹とジョーの話でもあるが、実は比奈とハカセが握手するまでの話。二人がすごくいい立ち位置で、一番共感できそうなキャラだった。
変身、また変身でニセモノを見分けるのも難だが、ディケイドとゴーカイレッドのスーツアクターもドラマとは違う方だし(渡辺淳と伊藤慎)、ある意味、ホントにニセモノだったといえようw。
騙された悪の怪人が「汚いことしやがって、それでも正義のヒーローか!?」と捨て台詞を残すが、作り手はこの言葉を一番言わせたかったんじゃないかなw。ヒーローだってみんなを守るためには、悪いことだってするのだよw。
ヒーローは清く正しく美しいものではない。なんだかプレイスターと近いものを感じてしまった。
昨日はスーパームーンだったそうだが、フォーゼの基地がある“月”を破壊するのは、今はやめて欲しいな。せめて『宇宙兄弟』をやっている間はw。

それにしてもスーパーヒーローならぬ、壮大なスーパー○○大戦な“結”部分w。
男同士って、めんどうくさい!(笑)
映画『宇宙兄弟』&初日舞台挨拶へ行ってきた。

上映前に舞台挨拶。マスコミ撮影もないので、アットホームな雰囲気。
登壇者は、小栗旬(南波六太)岡田将生(南波日々人)中野澪(少年ムッタ)中島凱斗(少年ヒビト)森善隆(監督)小山宙哉(原作者)。
キャスト4人は羽織袴の和装で登場。オレンジの羽織と金の袴がとりわけ目立つ岡田くんは自分から「宇宙服のイメージです」。

TV収録はこの後もあるので、「ちょっと働かされてる気が…」と小栗さん苦笑。昨日も仕事の後、二人で飲みに行って岡田くんが自分のウチに泊まって行ったという小栗さん。「そんな関係じゃないですよ~」と慌てて弁明する岡田くんは、一人で飲むのが不安だったからという。今朝は小栗さんに起こされてバタバタして支度したといい、TBSの『王様のブランチ』に到着した時は二人とも目が充血してスゴかったと明かしたw。

子役の二人は200人のオーディションから。澪くんは宇宙好きで、劇中で小栗さんが見ていたノートは澪くんが使ってたノートだと。凱くんはお調子者なので…が選ばれたポイントw。二人とも周りから似ていると言われて嬉しかったという。「この二人に支えられてできた」と褒める小栗さん。将来の夢を訊かれ、澪くんから「半分は宇宙飛行士」「半分は俳優に…じゃあ、小栗さんみたいな」と言われ、「じゃあ」に苦笑ししゃがみ込む小栗さんw。一方、岡田くんは「凱くんに初めて会った時タックルしてきたが、これが日々人らしいところだな」と納得し役作りに生かせたという。凱くんからは「隣にいる岡田さんみたいな俳優になりたい。演技が上手いし笑顔がカッコイー」と褒められて、逆に岡田くんが照れていた。

原作者の小山氏は映画について「キャストを聞いてビックリした。見てみたらムッタになりきっていた」。監督から小栗さんの一番情けない写真を受け取り、筆ペンでモジャモジャを描いて「イケる!」と思ったが、小栗さんが地毛をモジャモジャにしたのを見て笑ってしまったというw。岡田さんについては『重力ピエロ』を観た時に日々人っぽいなと思っていたので、納得して嬉しかったとか。

最後に監督から「この4人に尽きる映画。其々の見方になって共感しながら楽しんで貰えたら」。ひと言で表現できる言葉を考えてきたという岡田くんは「最強で最高な兄弟です」。兄弟が一緒になるシーンが少なかったという小栗さんは「幼少期の二人が支えてくれた」「熱演を見て下さい」と語った。


本編上映。

幼い兄弟が交わした「宇宙飛行士」の夢を胸に、先に叶えた弟と、弟に背中を押されて再び宇宙を目指そうとする兄との絆を描く。

原作は未読だが、アニメはもちろん観ていて、アニメの展開を振り返りながら楽しめる。
純粋で不器用なムッタを、小栗さんが熱演。アニメのムッタと徐々にカブって見えて笑いもとる。厚い胸板だけでなく、シャワーシーンで引き締まった肉体も披露。イイ男のシャワーシーンは、宇宙ものでは必然(笑)。
岡田くんのヒビトは、大らかで明るい笑顔にとろけそう。たまにKENNの顔に似てるなと思ったりw。
澪くん&凱斗くんのムッタ&ヒビトは、ホントにアニメそのままの可愛さと逞しさで、大人の二人にもよく似ている。澪くん自作のノートもチェック。
大人だけの緊迫感ある中、子供ムッタ&ヒビトのシーンを挿入することで、膨らみのある演出効果をあげている。小栗さんも挨拶で言ってた通り、子役の二人の好演に支えられて完成された作品だったと思う。

せりかの麻生久美子は表情と声が心地いい。
ケンジの井上芳雄は、ダルタニャンの時は(@ミュージカル三銃士)10代にも見えたが、今度はちゃんと30代の好青年に見えたw。
堤真一が思ったよりも出ていて、兄弟を応援する温かい表情がステキだ。パンフにあった「競争はあっても、戦いがないのがいい」のフレーズが印象的。

宇宙飛行士選抜試験の内容や面接の質問が興味深い。もしも自分がその場にいたら…と一緒に考えてしまう。
ロケット打ち上げの映像は迫力たっぷりだが、月面の様子もリアルな感じで息を飲んだ。
テンポいい展開で随所で笑わせながら、真剣に考えさせたりジンとさせたりと、前向きで爽やかで熱い作品だった。

ところで、世間でよくいう「ドーハの悲劇」を私は今まで覚えがなかったが、この作品を通してその理由がやっとわかった。丁度その日、私は出産中だったのだw。
映画『バトルシップ』吹替え版を観てきた。

ユニバーサル映画が100周年を記念して放つアニバーサリー大作。
ハワイ沖で世界各国の自衛艦が集結して大規模な軍事演習が行われるなか、突如出現したエイリアンの巨大物体に対し、知力と体力で立ち向かう海の精鋭たちを描く。はたしてエイリアンの目的とは…。

SFエイリアンものとしては新鮮味はなく、設定も展開も大雑把だが、人間味あふれる描写とVFXを駆使した迫力ある映像で興奮させて、面白さと爽快感を味わった。
戦艦や護衛艦がたらふく登場し、発砲や船内の様子など『宇宙戦艦ヤマト』や『タイタニック』を思い出させる描写が出てくるだけで、嬉しくなってしまう。
トランスフォーマーみたいなメカや武器の攻撃やバトルは圧巻。カメラワークの緻密さと大胆さも見事だ。

ハワイ沖という舞台が興味深い。パールハーバーの恨みを超えて、日米が手を取り合うには、第三の敵が必要なのだろう。北朝鮮か!?の台詞まで出てきたが、今回はエイリアンの出番となり、しかもアメリカの好戦的な性質が裏目に出たようだ。
日本人がフットボールで勝ったり艦長になったりと、映画の戦略的価値なのか、好意的な設定は日本人を気分良くしてくれる。
両足義足の退役陸軍軍人や爺さんの退役軍人など、裏を支える人たちが日の目を浴びる様子も心地いい。
武器をもたず戦う意思のない人間を攻撃しないエイリアンもいて、好戦的な人たちへの小さな警鐘ともなっていた。

主人公は、出来のイイ兄ストーンをもったダメダメな弟アレックス。好奇心旺盛で熱血漢という昔の日本アニメのヒーロー像みたいで、戦闘の中で周りに支えられながら成長していく様子が見どころのひとつ。
交戦しようとするアレックスに、機関員ビーストが「救助が先です」と進言した場面が印象的。アレックスに助言し、最後は見事な共闘作業を務めたナガタの大らかな存在感もいい。

エンドクレジット後の話は続編を匂わせるが、美形の少年たちに注目したw。

日本語吹替え版のキャストがなかなか豪華。
平田広明と置鮎龍太郎が兄弟なんだもん! 『宇宙兄弟』と違って、平田さんがオッキーをビシバシと叱咤激励する強者ぶりが面白いw。前半は艦長として平田さんが、後半はオッキーが、指揮官としてみんなに命令する場面が格好良かった。
ナガタの声は浅野忠信そのままで、抑揚にかけるが誠実さが光る。
レイクス@土屋アンナは棒読み口調だが、キャラには合っていそう。
石塚運昇の厳格な声、本名陽子の可憐な声がぴったり。
ビースト@遠藤純一の温厚な声、ミック@乃村健次の重厚な声がいい。オーディ@佐藤せつじの高めの奇妙な声がアクセント。中博史が(中)管制官だったw。
仮面ライダー×スーパー戦隊『スーパーヒーロー大戦』初日舞台挨拶付きを観てきた。

2大ヒーロー、仮面ライダーとスーパー戦隊が激突。
仮面ライダーを動かすのは、仮面ライダーディケイド=門矢士。
スーパー戦隊を動かすのは、ゴーカイレッド=キャプテン・マーベラス。
仮面ライダー1号や、アカレンジャーまで参戦。
「なぜ、こんなことになってしまったのです」
「また変身した!」
怒濤の戦闘シーン。戦いの謎を追う者たち。

前半はキャストの芝居で、後半はスーツアクターのギネス級の多さで見せる。
何をどういえばいいのか思い付かないが、とにかくスゴかった!
仮面ライダーとスーパー戦隊がコラボすると、こんな夢のようなこともできるんだ!と面白かった。

ディケイドVSゴーカイレッドと見せかけて、ディエンド&ゴーカイブルーの話。ピンクと赤もイイが、蒼と青の関係も面白い。
戦隊は仲間がいるけれど、仮面ライダーは基本ひとり。男の嫉妬がいかに危険で厄介なのかわかったw。
ある意味、ゴーカイグリーンが最強かもw。イエローバスターを受け止めるフォーゼは、仮面ライダーなでしことダブるな。フォーゼが全てのヒーローと仲良くなる男で楽しかった。

個人的にはイマジン戦隊4タロスの登場。電王もソードだけじゃなく4フォーム出てきたのが嬉しい。ウラタロスは戦場でもナンパw。ただ、尺的都合でだいぶカットされてたのが残念。
関俊彦さんの声の前に、飛田展男さんの声が聞けたのが嬉しい。こんな絶好の機会だし、モモタロスVSブラジラなんてのも聞きたかったなw。ギル親子の共演も果たせたね。

初見だけでは、画面に圧倒されるばかり。
あと1~2回は観て、色々な発見を楽しまなくては。


上映後、舞台挨拶。
井上正大、戸谷公人、福士蒼汰、吉沢亮、高田里穂、秋山莉奈、鈴木勝大、馬場良馬、小宮有紗、金田治監督。

「ギネス」を連発する正大くん。「海東はそんな人なのです」と公人くん。蒼汰と亮が「宇宙みんなでいく?」「どうするん?」から、会場みんなで「宇宙キター!」。冬の撮影であの衣装は寒かっただろうなと思われるミニスカで登壇した里穂さんは、ゴーカイジャーの人と共演したので撮影を観に来た人にゴーカイピンクと間違われたという裏話w。TVシリーズの時は年下だったが、最近は年上キャラになったと言う莉奈さんは変わらずお元気そう。
勝大くんが負けずに「バスター!」と掛け声、みんなで「レディーゴー!」。「歴史の証人となって頂きたい!」とテンション高い馬場くんに、公人くんがツッコミ。小宮さんが明日の放送を宣伝した。

撮影45日間は厳しく辛かったという監督。オールキャストは一日がかり。雨風雪のカチカチの中の撮影だったとおっしゃっていた(雪は消したとか)。
ヒーローの歴史がまた1ページ刻まれ、最後は正大くんの「大ヒット」の掛け声で、みんなで「キター!」と叫び終了した。
『劇場版 名探偵コナン 11人目のストライカー』を観てきた。

毎年観る『名探偵コナン』の映画。
今回はJリーグとコラボし、サッカーをテーマにしたミステリー&アクション。
犯人が予告する、二段構えの大爆破事件に、コナンたちが挑む。

サッカーアニメはよく見るが、CGを豪勢に使った競技場や観衆の迫力は圧巻。
大画面ならではの臨場感もある。
カズと一緒にプレイするコナン君が可愛かった。
少年探偵団もここぞという時に出張ってくるしw。

Jリーグが好きな人にはさぞ盛り上がれる作品だっただろう。
あいにく私はよく知らないので、声がアレだとJリーガーなんだろうと判断w。
ゲスト声優の桐谷美玲は、容疑者の一人として場に馴染んでいたと思う。

私だけではないだろうが、予告で流れたボイスチェンジャーの声が誰だか既に分かっていたので、確認作業な意味合いもある鑑賞w。
動機が弱いしツッコミ所は多々あれど、たっぷり声が聞けたので良しとしよう。

コナンの前に『Black&White』や『捜査官X』の予告を流すのはやめてくれ~w。
『宇宙戦艦ヤマト2199 第一章 遥かなる旅立ち』を観てきた。

ヤマト・プロジェクト、始動!!
だが2週間だけの上映期間はあまりに短い。

38年前の『宇宙戦艦ヤマト』を観た“ヤマト世代”のスタッフが結集し、感謝と敬意と思いを込めて新生した『宇宙戦艦ヤマト2199』シリーズ。
私も『月刊アニメージュ』創刊号を持っていた、ヤマト世代の一人であろう。だからこの機会を見逃したくない。

第一章は第1話と第2話。EDテロップも分けて入る。
総監督として名を連ねる出渕裕が脚本、演出は榎本明広。
音楽は宮川泰の息子、宮川彬良というのが感慨深い。

「波動エンジン、始動」から「ヤマト、発進」の一連の流れは、昔のオリジナル版を思い出して胸が熱くなった。音楽や設定が変わっていないところがまた嬉しい。
戦艦などメカの作画は厚みや重みを増して、宇宙の描写は美しくも壮大だ。
キャラクターは今風の作画になったので、昔のイメージが根強いとすぐには慣れない。

担当や役割ごとにキャラクターが増えたので、一歩踏み込んだ群像劇が期待できそう。女子も選り取り見取りだw。
古代進は富山敬さんキャラから逸脱して、小野大輔キャラになっていたw。島大介も鈴村健一キャラでちょっと軽そうw。森雪の桑島法子は色気たっぷり。
菅生隆之の声の沖田十三は、前よりも厳しく見えたり。真田、徳川、佐渡、山崎など重鎮キャラの声も適材でぴったり。
昔はチョイキャラだった加藤三郎が、今回は古代のライバルにも見える存在感w。
それにしても新撰組キャラ名が目立つなりw。第一章には出てこなかったメインキャストまでパンフにあった(関俊彦さんの伊東が気になるw)。

ささきいさおさんのテーマ曲に思いを馳せ、イスカンダルのテーマに熱いものが込み上げる。
忘れていた“ヤマト魂”とやらがムクムクと刺激された。第二章を待ちたい。
無料券があったので、『劇場版 SPEC~天~』を観てきた。

連続ドラマは適当に観てて、先日のスペシャルドラマ『翔』がいい出来だったので、流れで劇場版も。

“未詳”捜査官の当麻とスペックを持つニノマエを軸に、公安たちとスペックホルダーたちとの戦いを描く。

ギャグやお笑いに比重がかかっているせいか、ミステリー性のある重苦しい雰囲気も少なく進行度もあまりない。当麻の能力的にも『翔』のような突き抜け感や納得感が薄く、ドラマ性の面白味はあまりなかった。
たぶん映画が初見の人には、そそられない出来上がり。

戸田恵梨香と加瀬亮はギャグとシリアスの切り替えが上手いが、映画ではコミカルのほうが印象に残りそう。ゴリさんな竜雷太が味わい深い。
神木隆之介は、監督やスタッフによっぽど愛されてるんだなと思ったw。伊藤敦史の能力は『ターミネーター』みたいなノリ。浅野ゆう子はジュリアナのノリか。三人の漫才が楽しそうだった。

私のお目当ては『翔』から出てきた“御前会議”(笑)。山寺宏一と戸田恵子は冒頭で登場。平田広明の顔もバッチリ映って、観てるこっちが照れそうw。平田さんの左肩に触れる、椎名桔平の芝居にも注目。
“ザコキャラ”と化した、戴寧龍二は「デカレッド」の名乗りのチャンスw。

結局、あの人は助かったのか?アイツはダレなのか?あの未来はいったい?など、数々の疑問をほったらかしにしたまま、次の「ケツ」へ丸投げ状態。広げるだけ広げた大風呂敷を回収せねばならず、脚本家は大変だw。
白いキーマンの男は、口元や話し方からあの俳優だと分かるが、若い連中ばかりがスペックを持つのもねえ。
「欠」な内容はイヤだが「血」な映像もイヤだな。
映画『アーティスト』を観てきた。

オスカーを受賞する前から、映画館の予告で観たいなと思っていた作品。
昔のチャップリン映画以来のモノクロ・サイレント映画は、とても懐かしくて目新しい。

サイレントからトーキーへと転換期を迎えた、1927年から1930年前半のハリウッドの映画界を舞台に、落ちぶれたサイレント映画スターの男と、トーキー映画でスターの座をかけのぼっていく新人女優とのラブロマンス。
ハリウッドを描いたフランス映画が、アメリカで受賞すること自体、太っ腹というか奇跡というか。

サイレント映画に不可欠なのが、音楽と最小限の字幕。俳優のオーバー過ぎるほどの豊かな表情と動き。ところがヒロインのペピーが、インタビューの中でこれらを指摘嘲笑しているところが可笑しい。
観る側は大きく想像力を描き立てられるが、字幕が不十分で、こちらが想像したことが大きく外している場面があった。
昔の英語は品があってくだけてないので、英語と日本語訳の字幕は英会話の勉強にもなりそう。
3Dやカラーに慣れた目にはモノクロは優しく、深みをもって画面に集中させる。

昔の手法を取り入れたのか、単純でさりげない演出が小憎らしいほどツボにくる。
男の背広の袖を使った、ひとりラブシーンw。階段上下に女と男を立たせた、まろやかな下克上シーンw。男と女の境目に太い柱を入れた、関係断絶シーンw。
ジョージのサインをするのが運転手なら、犬のサインをするのはジョージだったり。給料も貰えないのに「sir」をまだ付けたり。そこかしこの細かな演出が笑いを誘う。
ペピーの口の大きさは予告で知ってたが、二の腕も筋肉モリモリで立派。新しい時代のたくましい女性像だろう。
男女の仲をとりもつ、運転手クリフトンのジェームズ・クロムウェルが味があっていい。もう一匹、ジョージの愛犬アギーも愛らしい。

声が出ないのをいいことに、実は時おり、脳内で日本語吹替えを勝手にやっていたw。ジョージ=大塚明夫、ペピー=沢城みゆき、というマウスプロモーション・コンビ。クリフトン=麦人、キノグラフ社長=富田耕正と、なぜか昔風なキャスティングw。
サイレント映画にオマージュを捧げながら、ミシェル・アザナヴィシウス監督は今の時代の映画の良さを際立たせる、誇りと気骨を備えている。
周りの物音を急に聞こえさせ、自分の声だけが聞こえない場面は、試験的でもあり、ある意味ぞっとさせる世界だ。
トーキーによる音の恵みを観る側にも体感させたり、“THE END”を敢えて入れなかったり、ミュージカルの始まりまでも祝福していた。
日本でも中学の必修科目になったが、ダンス奨励のお話でもあったかなw。

1時間45分はリピートし易く、リピーター特典もあり。
『アーティスト』を先に見といて良かった。映画鑑賞後、すぐ観た舞台『道化の瞳』のタップダンスのほうが格段に上だったからw。
映画『ガチバン SUPERMAX』&初日舞台挨拶を観てきた。幕張から一転、渋谷レイトショー。

『クローズZERO』の三池崇史監督が作り出した『ガチバン』シリーズも13本目。
窪田正孝が出演した『ガチバン』シリーズも早6本目だという。
今までのシリーズは観ていないが、今回はゲストお目当てにチケットを取った。

上映館の機材トラブルなどで、15分遅れで役者とのハイタッチ入場がスタート。
窪田くんの笑顔がたまらん。鈴之助さんやっぱデカい。年長のやべさんは人に酔った感w。ラストの雄弥にゴンゾも楽しみですと言ったら、めちゃウけてくれた(^。^)。黒いハットを被った雄弥は一段と男っぽい。

登壇者は、窪田正孝(黒永勇人役)鈴之助(義男役)やべきょうすけ(天野光國)遠藤雄弥(佐竹京平役)権野元監督。権野監督は196センチと一番デカい。
「久しぶりによっちん先輩と共演できて嬉しい」と言う窪田くんはゲストについても「やべさんと共演できて嬉しい」「遠藤さんとは現場では初めてだが、会った時そこに京平オーラが出ていた」。
窪田くんとの久々のコンビで「会えば一瞬で埋まる」と嬉しそうな鈴之助さんは「やべさんがいて安心感で楽しかった」。
「天使とか魔法使いとか言われるが、監督に委ねてあまり役作りはしていない」「若い力を感じられた」と満足気なやべさん。
「僕もハヤトにしか見えなかった」と返す雄弥は、最後のガチ対決が「熱が入って凄かった」と窪田くんと一緒に頷く。やべさんの所は笑いを堪えるのが大変だったが、鈴之助さんとも芝居がしたかったと語った。
13本目にして初参加の監督は「ハヤトのうじうじした部分を出したかった」と言い、アクの強い人が集まったので猛獣使いみたいに放し飼いにしたとジョークw。出演者からは「顔はコワイけど優しい」と。勇人と京介がメンチ切りあう場面で、監督が代わりにやると、壁になって雄弥が見えないという話題もw。

告知。一週間の上映期間中、私物プレゼント。先着20名に窪田くんサイン生写真プレゼント。
最後にひと言ずつ。「楽しい現場だったが作品はもの凄い」「生き様を観て、余韻に浸って貰えれば」と窪田くん。「これからどんなマックスを付けて貰えるのか楽しみ」と鈴之助さん。ハイタッチ入場時のお客さんにも色々いたと愉快なやべさん。「スーパーマックスな気持ちになって」と雄弥。監督からは「熱い男たちの手で作ったもの」がお客様に受け取って貰えればと締めた。時間があれば恒例の窪田くんの歌とダンスがあったらしいが残念。
みなさん、通路のお客様とまたハイタッチしながら会場を後にした。


舞台挨拶後、上映。

歌舞伎町から北関東のド田舎に辿り着いた勇人と先輩の義男。勇人は“つっぱり軍団”の頭・京平と一触即発。一方、義男はハードな働き先で純情な恋を見い出すが。疾風怒濤の悪ガキ映画の最新作。

ツッパリでも、童顔の窪田くんは口元がキュートで、どこか寂しげな孤高のイメージ。
金髪でドハデな雄弥は、以前のドラマで見た金髪とは違う雰囲気で、凄みのある目力に惹かれる。
京平の彼女のみゆきとの深い繋がりも描かれ、雄弥の頼もしさや男らしさも魅力のひとつ。
最大の見どころは、勇人VS京平の吹雪の中の激しいバトル。血だらけ泥だらけになって拳をぶつける窪田VS遠藤の熱演がスゴイ。

義男の淡い恋の衝撃の行方とか、初代ヘッド・光國の魔法使いで天使になる意外な真実とか、そこかしこに吹き出す笑いどころもあり。
アクションも満載。窪田くんの腹筋の体は既に知ってるが、雄弥の腹筋具合も見たかったw。

上映終了が23時ちょい過ぎ。明日も早いので急ぎ駅に向かった。
映画『おかえり、はやぶさ』を観てきた。
ウリの3D版を観たかったが無かったので2D。

“はやぶさ”の打ち上げより前の火星探査機“のぞみ”、“はやぶさ”の後の“イカロス”についても描かれていて、意欲のある失敗の積み重ねが成功へ繋がるという、日本の宇宙開発の信念が描かれていた。
理学系と工学系の考えや思いの違いが出ていたが、共通するのはやはり宇宙へのロマンや希望。そのとっかかりや切り口が“はやぶさ”であり、美しく夢のある映像も使って、子ども向けにも分かり易く後味の良い作品になっている。

“のぞみ”プロジェクトマネージャーが大橋で、子役タレントを思い出すほど覚えやすいw。三浦友和演じる大橋が昔、鹿児島で講義した内容に心打たれた。
人間は小さくて弱いけれど、宇宙に支えられ生かされて、強さや賢さを培った。
人間と宇宙、なぜ人間は宇宙を目指すのかとあらためて考えさせられた。
JAXA対外協力室長の増沢が懸命に開発予算をキープしようとする姿も印象的。少ない予算だったから、日本人ならではの知恵や隠し玉も発揮できた。中村梅雀の演技がまた味がある。“のぞみ”が持ち帰ってきたのはサンプルだけではない、日本人の負けじ魂だという言葉にも共感した。
日本人に勇気や希望を与えて、情に訴えて、親子の再生と若者の成長も描いた、いい意味で模範的な作品だった。

藤原竜也の上から目線の話し方はちょい腹が立つw。杏のポジションも曖昧でよくわからず、後から博士だと知った。
7年の月日が流れる中、二人の髪型など小さな変化は見られたが、顔つきも関係性もあまり進歩していないw。小学生の子供ももっと大きくなっているハズだがw。
CGで描かれる“はやぶさ”くんだけが、何だか逞しくなっているように感じたw。

私的には、“はやぶさ”とスタッフの姿を描いた20世紀フォックス版が1位、人間と宇宙と“はやぶさ”を描いた松竹版が2位かな。“はやぶさ”を通して男臭い人間ドラマに終始した東映版はちょっと好みじゃなかった。
映画『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』を観てきた。
前作と同じ吹替え版にしたかったが無かった。

ガイ・リッチー監督「シャーロック・ホームズ」シリーズ第二弾。
連続爆破事件に、ホームズの相棒ワトソンの結婚と最低最悪のハネムーン。そして新たに登場したホームズの天敵・モリアーティ教授。ホームズとワトソンに同行するのが、新たなヒロイン・ジプシー女のシム。教授の野望の実行犯・モラン大佐、ホームズの兄・マイクロフトの存在にも注目。

盛りだくさんな内容と情報量で、舞台も二転三転する中、キャラクターの魅力と掛け合い、たっぷりのアクションシーンで、一気に駆け抜けた2時間半だった。
作品的には面白いものではなく、ツッコミ所や腑に落ちないところはあれど、場面ごとカットごとの面白味や映像の素晴らしさがあって、風変わりなエンタメ娯楽作に仕上がっている。

タメとスローの視覚的効果を狙ったアクションシーンは見応えたっぷり。特に森の逃走シーンはもの凄い迫力だ。ただ、ホームズの先読みシーンや回想カットなどは少々あざとくてしつこさを感じる。
エネルギッシュでお茶目なホームズと、冷静で人情味あるワトソンとの掛け合いも愉快痛快。前回より更に二人のホモっ気が加速し、絆が深まるところもイイ。ロバート・ダウニーJr.もジュード・ロウも、目で哀しみを現し目で真実を問い、目力の凄さに惹き付けられる。もちろん当時のファッションも注目。ホームズのアノ変装やアンな変装もキモいが楽しめそうw。
彼らに立ちはだかり攻撃してくるのが、表と裏の顔を巧みに使い分けるモリアーティ。武器商人として経済から世界を牛耳ろうとするところが具体的でリアル。ラストの盤上の対決は緊迫感があったが、大滝からこっちは投げっぱなしなのが残念。

銃や大砲など武器の発展と炸裂シーンはド迫力だが、後の大戦への恐怖を駆り立てる。車や医術の劇的なる進歩も戦争があってこそで、ある意味、恐ろしい。
モリアーティの深い影と闇さえ、迫りくるもっと巨大な影と闇のカムフラージュにすぎないのか。
それにしても、自分の傷口を自分で縫っちゃうワトソンや薬で生還するホームズのタフさに乾杯。20年経っても、決して記憶を失わないでと願いたい。
映画『TIME/タイム』日本語吹替え版を観てきた。

科学技術の進化で全ての人間の成長が25歳でストップする近未来の社会。体内時計が刻む“余命の時間”をめぐって富裕層に闘いを挑む、スラム出身の青年と大富豪の娘との逃避行を描く。

通貨が“時間”という世界、裕福な人は永遠に生きられる時間が与えられ、貧困な者は日々の重労働で時間を稼ぐしかなく、時間は貰い合い奪い合うことができる流動的なもの。奇抜な設定とアイデアに先ず惹かれた。
見た目は変わらない男女が実は親子だったりするのにウケるが、左腕に埋め込まれた緑のボディ・クロックが余命時間を刻んでいくカットはスリリングで、貧民層ならではの命を永らえるために懸命に走っていく様子は印象的だ。

“お金”に支配された現代社会と重ねながら、富裕層と貧困層との格差や社会の歪みに対する皮肉や警鐘がテーマなのかと思い、主人公の二人が真相を暴きだし時間秩序を作り出した黒幕やシステムに切り込んでいくのかと予想してたら、そこまで到達させる話ではなかった。まぁ2時間枠の中でそんなに詰め込めないし、キャラクター的にも足りない。世界観の説明も中途半端で厚みがなく、ツッコミ所は満載だ。
今作品は暗黒な新世界の中で、運命的に巡り会った貧富の男女の“自分らしい”生き様を描くことに重きを置いていたのだろう。

なんせシルビアとウィルって、タイム版“ボニー&クライド”だから!
坊主頭のジャスティン・ティンバーレイクは、知的で誠実でセクシーな野性味と筋力たっぷりの男っぷり。アマンダ・セイフライドの髪型を見た時、ベレー帽を被せたいと思ったぐらいw。
この二人がどんどん心を通わせ、やがて銀行強盗ならぬ、時間バンク強盗を繰り返し、義賊まがいのことまでやってのけ、時間管理側を混迷させていく。デンジャラスだが痛快だ。お嬢様だったシルビアの肝がだんだん座り、ウィルまで困惑させる位の逞しさを身につけるのが見どころのひとう。
娘を裏切り、そして裏切られた父ワイスの何と滑稽なこと。タイムキーパーのレオンはイイ味を出しているが、ウィルとの関係にもう少し深みが欲しかった。ストーリー自体はB級センスということか。

“ボニー&クライド”だから悲惨な結末なのかと、ブリッジの警官集結にヒヤリとしたが、タイム版は強引に切り抜ける安直ぶりがイイ。
時間強盗をするも、自分の保有時間は「一日あれば何でもできる」と笑うウィル。全然関係ないが、彼の言葉は『仮面ライダーオーズ』の映司が言った「明日のパンツ」に繋がるものがあるw。余分なものは要らない。明日があればいい。“ボニー&クライド”の邦題は『俺たちに明日はない』だが、タイム版の二人はさしずめ「俺たちに明日はある」だろうw。
物語中で「ダーウィンの進化論」を認める発言があり、マーク(@アルターボーイズ)の言葉が浮かんだw。なるほど、タイムの世界ではキリスト教は駆逐されているのかなと。大富豪のワイスはユダヤ人なのではと勝手に推測したが、彼はまさに『ヴェニスの商人』のシャイロックな役どころであろう。色々と考えさせられる作品だった。

去年はイベントや舞台のハシゴで“走る”ことが多かった私だが、映画を観てちょっと反省。これって、私が貧しい=余命が短いってことを証明しているようなもんだよね。これからは女子高生のようにゆっくり歩こう。とはいえ、昇りエスカレーターに乗るとつい歩いてしまうのだw。

せっかくの吹替え版だが、シルヴィアの声には興醒め^^;。AKBの篠田麻里子は声も酷いが演技もヘタ過ぎですごい違和感。話題性や集客でのキャスティングだろうが、はっきり言ってミスキャスト。沢城みゆきとかにやって欲しかった。
浪川大輔のウィルは悪くはないが、骨太のキャラにしては声が細くて甘くなりがち。これは中村悠一とかが似合うだろう。
内田夕夜のレオンは深みがあって新鮮で良かった。彼の部下で森田成一と勝杏里が出るが、役的に勝さんの声のほうが目立っていた。
ドラマ『マッドメン』に出ていたヴィンセント・カーシーザーの声は緑川光、落ち着いた声音に不気味な色気があった。
もし仮に日本でこんな設定の話が作られていたなら、25歳じゃなく(永遠の)18歳でストップさせていたかもしれないw。
映画『ドラゴン・タトゥーの女』吹き替え版を観てきた。

作品そのものに興味はなかったが、どうしても日本語吹替え版で観たくて、上映館を調べ日程や時間調整をしてようやくこぎつけた次第。
2009年に映画化されたスウェーデン版を、デヴィッド・フィンチャー監督によってハリウッドでリメイク。
スティーグ・ラーソンの原作シリーズはもちろん、件の映画も、WOWOWでやってたTV版の映画編集版3部作も観ておらず。全くの初心者には、映画はややハードルが高く手強かった。

大物実業家の不正を暴くも休職に追い込まれたジャーナリストの男が、大財閥の元会長から40年前に失踪した親戚の娘の事件調査を依頼される。調査がなかなか進展しない中、天才ハッカーで異色な女を助手に迎え、二人で迷宮入り事件の解明に挑む。

主人公は、10代の娘がいる中年男ミカエルと、超記憶力とハッキング能力をもつ異形な風体の孤高な若い女リスペット。
元々ミカエルの身辺調査をしていたのが、元会長秘書フルーデからの依頼で動いていたリスペット。この二人が出会うまでが長くて長くて、楽しみと同時に忍耐まで必要だw。
元会長ヘンリック・ヴァンゲルが住む孤島は一族が牛耳っているが、たくさんの名前や人物がいっせいに出てきて相関図もないままで、初見者にとって記憶処理能力が必要とされる。ホント、スウェーデン版「犬神家の一族」だw。そこへ迷宮入りした連続猟奇殺人事件のメタファーも加わり、ひと時たりとも画面から目を離せない。
緻密なテンポでじわじわと引き込み、常に緊迫感が伴う特異なストーリーに、吹替え版で良かったとあらためて感じた。

ダニエル・クレイヴ演じるミカエルは、仕事に情熱と誇りをもったセクシーで包容力もある男だが、思ったよりも誠実なところが好まれそう。
リスペットを演じたルーニー・マーラは、容姿から肉体まで体を張った熱演。中性的で危険な匂いを充満させるが、時折見せる可愛らしさや品のいい美しさが目を惹き、クールなダーク・ヒロインぶりが格好良く映る。
ミカエルの正直で優しい一面に触れたリスペットの心の揺れが愛おしく思えたり。官能的な濡れ場が何故か微笑ましく見えたり。
キャスト2人の魅力もあって、観終わってみると、サスペンス・ミステリーという形をとったラブ・ストーリーではないかと思った。

ロケしたスウェーデンの地が、重苦しく暗い雰囲気の中、厳粛で神秘的な世界観をつくり出す。
福祉が充実しているといわれてるスウェーデンだが、意外にも、女性への暴力事件が多発しており、女性差別や人種差別も根強いようだ。この作品はまさにスウェーデンならではの風味。虐げられてきた女たちによる、男たちへの復讐と反攻のドラマでもあるのだろう。水攻めと火攻め、二人の娘たちの反逆が対照的だったのも興味深い。
ミカエルやリスペットが膨大な資料を漁り聞き込みを繰り返、盗撮や盗聴まで配慮する様子が、丹念に描かれているのが好ましい。真実はいつも地道な調査と秀でた洞察から生まれ出る。面白いのは、リスペットが徹夜で資料から真相を見い出したのに対し、ミカエルは写真から一瞬で真実に辿り着いたことだ。男と女の違いか、中年と若輩の違いか。所詮、男と女の間には暗くて深い川があるのか。
男を助けるのは女だが、女を助けるのは男ではなく女。この辺り、2作目でも描かれるのだろうか。

リスペットが後見人を付けられることになった過去話はサラっと流された程度で、彼女の心の傷はまだ謎に覆われたまま。ロンドンにいた彼女の二人の仲間のことも不可解だ。彼女のタトゥーのドラゴンは何を意味するのだろう。
今回はミカエル・サイドがメインだったし、リスペット・サイドの話は2作目に持ち越しだろうと期待したい。

ダニエル・クレイグの声といえば、007ボンドの小杉十郎太だが、今作品ではてらそままさき。てらそまさんのミカエルは、色気のある真面目で静かで柔らかい声と演技。実娘には頼もしい父親ぶりだが、殆どの女性に対しては割と「受け」声なのがツボ。全編にわたって、てらそまさんの声が耳に染み込んでくるので、ファンには必聴かもしれない。
リスペットの東條加那子は、ポツポツとした言葉の中にもクリアで鋭敏な個性。激しく荒々しい叫びや、濡れ場でモラす艶めいた声など、多彩な熱演にも注目。「殺しちゃっていい?」と聞くキュートな声は、深夜アニメのヒールとも重なる。
「ミレニアム」の共同経営者エリカは、スウェーデン版と同じ佐々木優子。
田中敦子は出番は多くないが、ある意味、キーマンな役どころ。てらそまさんと敦子さんはマウスの舞台で夫婦役もやったし、二人が話し合う場面は何となくあったかい空気が感じられた。
吹替え版キャストの声に精通していると、もしかして真犯人に見当がついちゃうかもしれないw。
2作目が作られたなら、てらそまさん&東條さんのコンビはぜひ続投させて頂きたい。ひょっとして北川勝博や田中正彦ら劇団昴組の出番もあるかなw。

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