劇場版『ブレイクブレイド 第四章 惨禍ノ地』を観てきた。

今週金曜まで公開ということでまたギリギリ^^;。2週間はやはり短い。
ロビーに早くも第五章のポスターがあり、ホッシー&トリさんのサイン。

ナルヴィ隊長の特別遊撃隊に入ったライガットは、“味方殺し”のジルグの実力を目の当りにして彼の編入にも賛同。だがクリシュナ軍とボルキュス将軍率いる大部隊との壮絶な闘いが、アラカン荒野で既に繰り広げられていた。

ライガットのデルフィングは機動力はあるが、耐久力がなさそう^^;。まだまだ未完成の領域。
ジルグのエルテーミスが強すぎるのか。「切れた」「折れた」と呆気にとられるライガットの表情が可笑しい。
ついでに「伸びた」とライガットがイジる、シギュンのほっぺ。人妻にそんなコトしていいんか?

第三章までの雰囲気やポジションがガラリと変化。
シギュンのライガットへの気持ちは無自覚のまま加速していく。ホズルもライガットが好きなだけに、彼の交差する“愛”がいつ嫉妬や憎しみに変わるのだろうか。それもライガットに対して?シギュンに対して?今回出番が少ないホズルが不気味。
それにしても、裸や透けネグリジェや下着など、シギュンは完全に色モノキャラになっちゃった感じ^^;。もう少し知的に描いて欲しかったが。
重厚でリアルなメカアクションというより、エルテーミスが飛んだり跳ねたり堕ちたりするので、スピード感あるアクロバットな動きが目立った。
熱血のトゥル将軍は惨敗。賢さがウリのバルド将軍もヤバかった。このまま将軍が二人も去ってしまうのはつまらないと思ったが、何とか堪えた様子^^;。

見どころの一つは、幾つもの障壁を挟んで互いの存在を意識して睨み合う、真田幸村VS.伊達政宗(笑)いんや、ライガットとボルキュス将軍。保志総一朗の演技の雰囲気が何となく幸村化してたし、中井和哉はイングリッシュが出そうな威圧感だったw。
二人の機体を覆ってるあのボロマントは、隠れ蓑なのか演出なのか。武士の甲冑みたいに見えたりしてね。
ボルキュスの配下は手勢が多く手強そうだ。ニケはライガットと同い年だが、どちらも幼く見えるw。

第五章『死線ノ涯』は来年1/22よりロードショー。
2ヶ月待ちなので、また忘れそうだ。
映画『マルドゥック・スクランブル圧縮』レイトショー&初日舞台挨拶を観てきた。

長い歳月を経て、ようやく公開の運びとなったアニメ作品。
上映前に舞台挨拶。登壇者は、冲方丁(原作・脚本)工藤進(監督)林原めぐみ(ルーン=バロット役)。林原さんを見るのは随分と久しぶり。

公開が”今日”という日にこだわっていたのは、主題歌「アメイジング・グレイス」を唄われた本田美奈子さんの命日だったから、と皆さん。
見えない力に導かれた「奇跡」と、こうしてここに集まった「ご縁」の喜びを語られていた林原さん。
ネタバレなしということで、林原さんは金色ネズミのウフコックの可愛さと、ボイルドの怖さを挙げてくれた。畜産業者もダメだとか^^;。胸ポケットに入れていた小さなウフコックがお気に入りのようで、頼んでないのに商品化されたものらしい。
冲方さんは何度も脚本がボツにされたそうだがw、それだけスタッフが本気で作ってくれたのだと、アニメーションのマルドゥックをプッシュ。
タイトル通りギュっと「圧縮」されていると語る監督は、来年予定の続きについても、血みどろでやっていると期待させた。林原さんからも「早くどうにかして欲しい」とw。
フォトセッションもあり、リクエストのガッツポーズにウケていらした冲方さん。林原さんのガッツポーズも珍しいかも。


終了後、上映。

マルドゥック市で生きる少女娼婦が、資産家の男によって殺されるが、かろうじて救出され全身に強化皮膚を施され特殊な力を与えられ生まれ変わる。人命保護の裁判に出頭することが条件であり、相棒で変身多様な金色ネズミと共に、自分の存在意義を模索するが、彼女を抹殺する敵に追いつめられる。

物凄くクォリティの高い映像で、力強い画面世界にぐいぐい引き込まれ、魂を揺さぶられた。
金色ネズミのウフコックが、淡々と頼りになってホントに可愛いこと。パロットがウフコックにキスするシーンが情感豊か。
確かにグロいシーンやエロチックさもあって、PG12が相応しい。

作品が頓挫する前のキャスティングでは、ドクター役は郷田ほづみさんだった。今回新生されたキャストは、東地宏樹さんになっていたが、私には偶然とは言えないものがある。結局、この作品を観なければならない“ご縁”があったのかもしれない。
郷田さんの声を想像しながら聞いた、ドクターの東地さんの声。ひょうひょうとした雰囲気とナチュラルな演技は、確かに似たものがあって面白い。でも郷田さんの演技と違って、東地さんのはやや色男風に格好付けたテイストも感じたりw。

林原さんは「骨伝導」を意識した、骨を震わせるマイクを使っての熱演。たまに聴き取り難い台詞もあった。
ウフコックの八嶋智人は、いい意味で調和と浄化をもたらす声と演技。
中井和哉はセクシーだがねちっこい悪ブリ。磯部勉はかなり渋くてタフで、ターミネーターばりの恐ろしさを感じさせる。
このメンバーに若本規夫が入るので最強尽くしw。

リピーター特典はフィルム。来年予定の第ニ作を早く観たくなった。
ボトムズフェスティバル第1弾。
映画『装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE(ケース;アービン)』&初日舞台挨拶を観てきた。

今までボトムズの舞台挨拶にはあれこれ参加してきた私。新世代ボトムズといえども例外ではないだろう。
ボトムズの会場がこんなに女性で埋められているのも珍しいw。入口でミニクリアファイル。

バトリングは遊びだという青年の逃げと、バトリングは戦争という青年の狂気がぶつかり合い、街と日常を戦火に変えて激突する物語。

主人公アービンと、敵対するペイガンは、ともに戦争から戻った帰還兵。片や妹とAT整備工場を営み慎ましやかに暮らす青年、片やバトリングで冷酷で残虐に勝利を追及する青年。
ギルガメス兵の格好やクメンの雰囲気の回想が出てくるが、アービンはキリコとは、ある意味対極になるキャラクター。サンサ編始めのキリコと似たような苦しみや葛藤を味わうが、アービンの傍にいるのが、癒してくれる恋人ではないのがミソ。口煩くツンデレな美女と兄を信じて戸惑う純粋な妹は、バニラやココナと重なりそうだ。
そしてペイガンは、執拗に残酷にアービンを付け狙う、ベジータっぽいロッチナさんってトコかなw。

『舞-Hime』に似た華やかで可愛らしいキャラ絵は、ボトムズ本来の男臭さやオヤジ臭さを一掃し、若いファンを念頭に置いているようだ。
だが絵柄に反して、物語の内容は深くて色濃く、青年の心の闇なども描かれ、様々な人間ドラマを含んでいる。
バトリング・アクションはスピーディな迫力でまずまずの出来。
だが、映像的に分り難かった場面があり、もう少し丁寧な工夫を望みたい。
単純明快な短編なので、ボトムズ初めての女の子でも取っつき易いだろう。これを機に、過去のボトムズにも興味をもって貰えるかもしれない。


終了後は舞台挨拶。
登壇者は、右から五十嵐紫樟(監督)遠藤綾(イシュルーナ役)平川大輔(アービン役)福山潤(ペイガン役)。
カメラやムービーも備えられ、DVD特典映像に入るという。

司会者が「これまでボトムズ観たことある人~?」と会場に手を挙げさせたら、半数近くが初めてだった様相。「ボトムズも意外と…」「とても楽しめたでしょう?」と尋ねていたのが可笑しい。

五十嵐監督も福山さんも、ボトムズとのファーストコンタクトは、予告カットや初回のスキンヘッドで丸裸の女の人で、子どもの頃だったからえらく衝撃を受けて強烈な印象だったとかw。
平川さんは、たまたま観た最終回でカプセルの中で裸の男女が抱き合っていて、子どもだからラウマになったとかw。
綾さんはこれが初ボトムズで、思ってたボトムズの印象と違ったそう。

最初は気楽に短編の尺でとバトルアクションと人物描写をと考えていた監督だが、こうしてイベント上映に関わるとは思ってなかったとビックリ。でも話の筋をしっかり絞ることと、アービンの心の痛みを描くことを念頭に入れたという。
ライトタッチなのに重たい人間ドラマで、アフレコは難しかったと言う平川さん。様々な顔を見せるアービンだが、一本筋が通ったところを表現したという。
綾さんも、明るくなるかと思ったが意外と人間ドラマだったと言う。お色気キャラだが、イシュルーナも色んな面があったことを指摘。
ボトムズは何作か観ていたが、自分がボトムズに入る姿は想像できなかったと言う福山さん。バトリングやATで、意外とイイ顔の役で、テンションがどんどん上がったというw。バックボーンは自分で想像しつつやったが、主人公らを追いつめるサマはロバート・デ・ニーロのイメージでやったとか(笑)。
平川さんと綾さんのお気に入りキャラは、普通な印象のシラフで、一番感情移入できたそう。
福山さんだけは、最初と最後もずっと楽しんでやれたと、自分のキャラをプッシュw。

最後にひと言ずつ挨拶。三人とも作品に参加できた喜びを語り、色んな人にボトムズを観る機会ができたと語る。
福山さんは、今回ジャンク屋のオヤジで出た広瀬広志さんが次回どんな役で出るか楽しみにと、面白いポイントに触れた。広瀬さんはボトムズの世界に欠かせない方ですもんね。
五十嵐監督は、同じボトムズの世界でもこんなに違うんだと楽しみを語る。
平川さんは、「ケース;アービン」に触れ、作品の人物にも色んなケースがあるのだと作品の持つ深味を語り、新たな1ページが生まれるようにこれからも応援して欲しいと締めた。銀河の歴史ではないが“ボトムズの歴史にまた1ページか。立派な挨拶だった。

途中で抽選会があり、ポスターや台本がプレゼント。
約20分。世代間の差と時の流れを感じさせて、笑いが絶えず盛り上がった舞台挨拶だった。

パンフは3作品共通で840円という安さ。『ボトムズ』&キリコの歩み年表や関係図が貴重。来年の『孤影再び』の映像も載っているが、ハゲしくネタバレな気もするw。
ボトムズ予告はネットでも見れるが、大スクリーンから石田さんの声が流れるとテンションが上がるw。今この劇場の1階と9階ではしょっちゅう石田さんの声が流れるので聞く度に困っちゃうw。
ボトムズBeatマガジン『ボトびー』VOL.09は平川さん。次号はもちろん石田さまが登場w。12/4上映会場で配布予定。
映画『SP THE MOTION PICTURE 野望篇』を観てきた。

ドラマシリーズは観ていたが、正直あまり自分の好みではなく^^;、映画もあまり気が進まなかったが仕方がない。
ドラマを観直すこともせず、殆ど忘れかけていたので、映画を観ながら細部を思い出していくという作業になった。
ドラマシリーズの続き。国家的大規模な革命に加担している尾形が、井上を仲間に引き入れることに失敗。井上が殉職という形で葬り去られようとする話。

【要人警護】というより、SP警護が必要なんじゃないの!?ってぐらい、井上が執拗にターゲットにされ、仲間のSPが次々と危険な目にあう。まさに井上疫病神!
ストーリーにそれ程進展はないが、井上が本物の覚悟を見せ、尾形がブラックの立ち位置となった。そのまま彼はブラックでいるのか。全てを「必然」と割り切れるのか。
大義だ正当だ日本のためだといっても、一般の庶民を巻き添えにしては、所詮は卑劣なテロ行為。政治家だけは別。総理に幹事長を、早いトコどうにかして欲しい^^;。官房長官は良しとしようか。どうしても革命を起したいなら、『桜田門外ノ変』に倣って、“国会議事堂外ノ変”でも起せばいいのだ。

見どころは、迫力とスピード感と臨場感あふれる映像とアクションシーンに尽きる。
爆発シーンや疾走など、CGと実写が見事に融合した映像はリアル感たっぷり。
スタントなしで臨んだ岡田准一はもはや立派な格闘家! 殺陣やしめ技などがとにかく凄く、場面に釘付けになり息を飲む。アクションのひとつひとつに妥協がなく、渾身の魂が篭っているようだ。岡田さんはアクションで言葉を語るという感じだろう。岡田さんは目力もあり、『GARO』の小西さんとちょっぴり重なるが、これでもう少し背があって体が大きかったらな~。
対して堤真一は、言葉少ない中「残念だよ…」と印象的な科白をはくが、目の表情ひとつひとつに内なる思いが込められており、目で語っているといえよう。

警護中の笹本の大きな胸がゆさゆさ揺れてて気になったがw、真木よう子がクールに大活躍。
香川照之は見飽きた感じで辟易。山本圭の本格登場は次のステージか。公安連中の家族芝居にウケた。
井上のシンクロ能力が活躍したが、この力もそのうち果てるのではないかと思われる。
来春3月12日公開の『革命篇』の予告がまた煽ること。今度こそ堤さんの尾形が動いてくれるだろう。フラグが立ちそうだけどw。
それにしてもビートルズか。

堤真一さんは、女性とより、男性との二人だけの会話がよく似合う。
奇しくも2日から舞台『K2』が公開。草なぎ剛さんとの二人芝居がどう展開されるのか。
来週観劇予定。
映画『桜田門外ノ変』を観てきた。

大老・井伊直弼暗殺の「桜田門外ノ変」を、襲撃の指揮を執った水戸藩士の立場から追い、襲撃者たちの思いや末路までを描く。
娯楽時代劇ではなく、歴史時代劇である。ある意味『十三人の刺客』とは対をなす位置の作品だろう。
こういう重厚で骨太で硬質な作品は嫌いではない。作り手の気迫や信念が迫り、観るほうを真摯な気持ちにさせる。

本編は最初にメインの襲撃暗殺がきて、そこに至るまでの回想が並べられ、襲撃者の処罰や逃亡劇が語られるという奇妙な構造だ。
日米修交通商条約や安政の大獄と井伊大老の強引なやり方は確かに酷いが、井伊に対する怒りや憎しみがなぜどのように暗殺実行に走らせたのか、彼らの気持ちの憤りや高まりがあまり理解できない。
主人公の関鉄之助への感情移入が難しい。良い家庭人や父親に見えたが、俗世との関わりが中途半端だ。大事を為すなら、とっとと妻子と離縁すべきだし妾を囲う必要もない。
志士たちひとりひとりの描かれ方も不充分。処刑場面にテロップが出るが、誰が誰やら把握できない。むしろこれだけ調べ上げたのだと史料発掘を褒めるべきなのか。
説明もないので、人物と人物の関係性も分り難い。関を最後まで匿ってくれた老士はどうしてそこまで世話をしてくれたのか。
今回驚いたのが、狭くて広い日本のネットワーク。襲撃者ひとりひとりを洗い出し、他藩の隅々まで手配書を回し、漏らすことなく捕えて処罰する徹底ぶり。よく二年も逃亡できたなと思うが、二年経っても捕縛を諦めない幕府側も凄まじい。

襲撃で一番注目していたのが、薩摩藩の有村次左衛門だ。大河ドラマ『篤姫』では遠藤雄弥が演じたが、若干21歳の青年が井伊に致命傷を負わせ斬首したのだ。薩摩独特の気合の殺陣を見せたり、井伊の首を掲げたり、その後の悲惨な自刃など、大河では味わえなかった生々しいドラマがそこにはあった。
三千の兵を約束していた薩摩藩は裏切ったし、薩摩藩と水戸藩の繋がりももう少し掘り下げて欲しかった。できるなら今度は薩摩藩側から見た『桜田門外ノ変』を見せて貰いたいし、有村兄弟をクローズアップして頂きたい(長兄の海江田さんも興味深い)。

『篤姫』でも島津斉彬(なりあきら)と徳川斉昭(なりあき)の呼び名に苦笑したが、この二人がキーマンであろう。
襲撃に対する斉昭の切り替えしが凄いが、日々変化していく藩の情勢に付いていけず、落ちこぼれた志士たちが哀れだ。
歴史上ではこの事件が日本の歴史に大きな影響を与えたとなっている。襲撃は意義のあったことなのか、無駄であったのか。
少なくとも土佐潘では、尊皇攘夷派が吉田東洋を「土佐の井伊直弼」として天誅を与えている。若者たちに影響を与えて間接的に動かしたからこそ、歴史も動いたのだろう。

主演の大沢たかおは、意地と粘りと誠実さが共に押し寄せて掴みどころのない感じ。親しい人から「鉄之助」と呼ばれるが、周りからは「関」「関さん」「関様」と呼ばれるので、つい関俊彦さんが浮かんできちゃうw。
鉄之助の妻子に何故危害が及ばなかったのかと不審がったが、実は内縁で届けておらずという後付説明。長谷川京子と加藤清史郎は思ったほど出番がない。
柄本明、北大路欣也、伊武雅刀がさすがの迫力。薩摩の平次郎だった榎木孝明は、ここでは斉昭の忠臣役。須賀健太は『ピスメ』以来の時代劇出演か、あの幼い顔で19歳は少々ムリがあるw。

「桜田門」の駅はいつも通り過ぎるだけだったが、今度は降りて自分の目で空気を噛み締めてみようか。
ラストで桜田門から国会議事堂にパンするが、「国会議事堂外ノ変」を期待しているのか!?と勘ぐってしまうw。もし起こったとしたら、日本の閉塞感も動かせるかもしれない。
いばらきが誇れる事件なのか、テロップにはいばらきの名が連なる。いばらき人の意気込みや挑戦も感じられた作品だった。
東京国際映画祭特別招待作品『武士の家計簿』を観てきた。

チケットを取る前は、上映前に舞台挨拶あり(登壇者未定)とあったのに、取った後いつの間にか、舞台挨拶の文章が消えていた^^;。期待していた人も多かったのに、突然の変更はいただけない。

これが国内最速の公開となるんだろうか。少々の雑感に留める。
上映前に主演の堺雅人のコメント映像あり。
国際的に英語の字幕テロップ付きなのが興味深い。時代劇に英語、意外と合って内容も分り易くさせた。

幕末の激動期。代々加賀藩の御算用者として仕えてきた武士が、増え続ける家の借金に対し家計立て直しを計画実行。三世代にわたる親子の絆と家族を描いた話。
実際に発見された「家計簿」を元に書かれた原作本の映画化。
主人公は猪山直之だが、成長した息子・成之の思い出として語られるドラマ。成之のナレーションが、たまに堺さんの声と似てたりするから面白い。

直之の武器は「そろばん」。字幕には頻繁に「abacus」とか「book-keeper」という単語が並ぶ。「そろばんバカ」と呼ばれる直之は、生真面目で朴念仁で融通がきかなく、女性から見たら堅苦しく面白味がない男に見える。
だが息子が生まれた時から、直之に少しずつ変化が見られる。借金返済のために家財を売り払ったり、節約アイデアを藩にも持ち込んだりと、大胆かつ几帳面な才能やアイデアを開花させていく。見栄や世間体を気にせず執着しない自然体になっていく。

直之は柔和で穏やかな父親に見えるが、御算用者のスパルタ教育を施す息子には思ったより厳しい。四文銭を誤魔化そうとした10歳の息子に、「自分で何とかしなさい」とピシャリと言い放つ。キレた息子がそろばんを壊すと、黙ってぶちのめす。直之にとっての武士の魂、譲れない信念が切々と伝わって、堺雅人の怒りを抑えたクールな表情にゾクリとしたものを感じた。堺さん、ご自分の息子さんにもきっとこんな顔で叱るんだろうなw。
でも親としては、こんな風に子どもをきちっと躾けて教育する必要性を感じる。たとえ10円だろうと、不正や誤魔化しは許されない。社会や会社では風習となっている帳尻合わせも、家計ではそう容易く認められない。

食べるシーンが多彩にあるが、品数や膳がだんだん減っていき、弁当箱が竹皮と御握りになっていくのが愉快。家財も質売りし着物も地味になり、家が寂れていく貧困生活は、NHKの『ゲゲゲの女房』と似ている。松坂慶子も出ていたしね。
でもこういう貧乏ぶりは、自分と重ねられて心地良く、何故か涙が込み上げてしまう。貧乏は辛いけど、工夫して助け合えば何とかなる。そういう大変な時期こそ、後々になって楽しかったなと懐かしく振り返られるものなのだ。

息子が成長しても、直之の妻・お駒役仲間由紀恵が白髪もなくあまり老けていないのが残念。堺さんの老けっぷりもどこかヘンだw。
ひょうひょうとした中村雅俊、情感豊かな草笛光子が素晴らしい。直吉役の大八木凱斗くんが頑張っていた。

幕末から明治にかけての加賀藩の動向は殆ど知らなかったが、急場で案外と上手く立ち回ったようだ。
歴史の表舞台に立たずとも、家族でつつましく堅実に生き抜いた武士の話は地味だが、私には一番じわりと来る生き方かもしれない。
OVA『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』episode 2「赤い彗星」を観てきた。
episode 1から半年を経ての上映で、初日舞台挨拶付き。先月の『ガンダム00』の舞台挨拶が思い出される。
前から2列目なので映画は少々観辛い。

《ラプラスの箱》の《鍵》となるモビルスーツ《ユニコーン》を託された少年が、地球連邦軍とネオ・ジオン残党軍との闘争に巻き込まれ、《シナンジュ》と呼ばれる機体を駆り“シャアの再来”とも噂される“袖付き”の男と対峙することになる。

ついに「赤い彗星」こと、フル・フロンタルと声の池田秀一が登場。
早々と仮面を取ってくれるが、仮面を付ける理由をもっともらしく語ること。池田さんの長台詞や雄弁な喋りは、他を寄せ付けない迫力があり圧巻だ。

主人公バナージは、アムロというよりも、カミーユの頑固さと不器用さと繊細さを併せ持っているように思う。オードリーの正体は早々と知られたが、バナージがあくまで“オードリー”に拘り、ひたむきな思いを募らせていくのがイラつく^^;。
内山昂輝の声はやんちゃな中に色気があるが、物怖じしないのびやかさが逞しい。

オードリーは正体を知られた時から、急に大人びたもの言いをして驚かせるが、藤村歩が丹念な演技で表現する。
今回注目なキャラは、リディ・マーセナスとマリーダ・クルス。どちらも名前が覚え難いw。リディは少年顔の中に大人っぽい言動で進行させ、浪川大輔が好演。マリーダは第1話の印象とは違う意外な優しさに驚くが、甲斐田裕子が繊細に演じる。
フル・フロンタルに盲目的に従うアンジェロがウザいが、柿原徹也は美味しい役だろう。
アナハイムのアルベルトも保身主義でウザい存在だが、高木渉の声が上手く中和する。

聞き所は、《ラプラスの箱》と《鍵》をめぐって、モニター音声越しに交渉するフル・フロンタルとダグザ・マックールのシーン。池田秀一VS.東地宏樹という、セクシーで渋い美声がぶつかり合う緊迫感あるやり取りに酔いしれた(*^。^*)。『ウォーロード』の吹替えも思い出されたり。
ダグザは人相からして重厚で迫力があるが、彼のやること言うことは常識で冷静。2話のダグザはかなり重要な位置を占め、東地さんの声をめいっぱい楽しんだv。

先月観た『ガンダム00』と比べると、戦闘シーンはイイ意味で、昭和の情念に満ちたアナログ調で満身の迫力。分かりやすく感情移入もし易く、画面に見入ってしまう。
戦闘の結果は予想外に呆気ないが、これからもっと見せてくれるだろう。

バナージが居るとこは、どこもかしこもすぐ戦場となってしまうのか^^;。
来年3月公開の第3話も楽しみに待ちたい。


上映後、舞台挨拶。
登壇者は、古橋一浩(監督)福井晴敏(ストーリー)内山昂輝(バナージ役)池田秀一(フル・フロンタル役)。

仮面の人登場ということで、福井さんは、仮面キャラ大行進の設定を持って安彦氏へデザインを依頼したそうだが、今回のは正真正銘本物の仮面キャラです!と太鼓判w。小説を書いてた時から池田さんの声だったので、4年越しで叶ったと感無量の言葉。
第1話の時は10代だった内山くん。池田さんとの共演でも、のびのびとやらせて頂いたという。3話ものびのびやりたいとw。

逆に池田さんは、サブタイトルにもあるし、やらなければならないと緊張してやりましたという。初めての台詞では、ふっと30年前が自ずと蘇ってきて軽い眩暈を感じたという。今回は長い台詞も多かったので、昔はラクをしていたなと苦笑。夏の『赤い肖像』の朗読は初めての経験だったが、勉強して頂いたと共に、自分自身を振り返って考えさせられる時でもあったという。
内山さんとの共演では、若さってイイなとw。若さ故の過ちをたくさん経験して、イイ大人になるのだよと、ジョーク交じりでエールを送ったw。
最後に、30年経ってこういうキャラを演じるのは幸せだと語った池田さん。個人的に自分の忘れ物を探したいなと思う、皆さんに何かを見つける旅に誘えればいいなと思うと語る。ご自分と真摯に向き合って仕事をされる言葉が印象に残った。

古橋監督は、たくさん時間がかかっていつ終わるものかなと思ったそうだが、台風と合わせてイイ思い出になったと心に刻んで下さいと、ゆるやかなお言葉。
監督は今徹夜で鋭利製作中だからと、福井氏がフォロー。次回3話は全部が戦っていて全部が見せ場だから期待してくださいと締めた。
福井さんは「イイことだけをつぶやいて」とおっしゃっていたが、過ちを認めて糧にするのが大人のやり方だと、本編で誰かさんが言ってたのにねw。
約20分。本命登場でナマのお話が聞けて良かった。

episode 3「ラプラスの亡霊」は来年3月5日スタート。
ガンダムが続いたが、来週は『ボトムズ』と『マルドゥック』の初日舞台挨拶を予定。
今年の東京国際映画祭はグリーン・カーペット。
特別招待作品『牙狼<GARO> ~RED REQUIEM~』を観てきた。

上映前に舞台挨拶。音楽が流れて登壇者。
スペシャルゲストは、雨宮慶太(原作・監督)小西遼生(冴島鋼牙役)松山メアリ(烈花役)原紗央莉(カルマ役)。遼生さん、白いロングコートに魔戒剣を持って鋼牙の衣装が凛々しい(*^。^*)。TAFの制作発表でも衣装を着ていたが、その時よりもシックリきているような。メアリさんも烈花の衣装で、原さんはカルマ風ドレスでホントはボディペインティングがしてあるとか。
MCのエリカワさんが、特に遼生さんをイジってくれて面白く盛り上げたり。インタビューに英語通訳が付くところが国際的だが、慣れてないと答えるタイミングがなかなか計り難そうw。

雨宮監督によると、去年の7月8月に撮影し、苦労話は相当あるようであとでたっぷりw。3Dでの撮影はなにぶん技術不足で言葉を濁したようなw。TVシリーズも手間がかかっていたが、今回も肌にもデジタル技術で仕上げ。
遼生さんについて「たまにボケっとした顔になるんですが(笑)鋼牙をカッコ良くするために…」3Dをたちあげたとか何とかw。見どころは「小西くんがケリを放つとことヤられっぷり(笑)」「烈花のアクションと原さんの凶悪ぶり」。

それを受けてか、遼生さんもひょうきんで可笑しかったこと。3Dを意識されましたか?の質問に「うん」と答えたり、魔戒剣をマイクにしたり、コートがカッコイイと言われて「コートも!」と強調してたりw。3Dだと『アバター』の奥行きを連想されたそうで、パンチやケリの当て方も意識したとか。下からのが撮れないので、TVシリーズと違う撮り方だったという。
見どころはやはり3Dアクションだが、個人的に津田寛治さんが出てるシーンが好きでイイ場面だという。

メアリさんは新体操をやっていたので、横山誠監督がアクションに取り入れてくれたとか。烈花のように普段は「オレ」と言わないw。見どころは烈花の演舞シーンやクライマックス。
原さんのカルマは本当に嫌な強い役。鏡の中のキャラなので人と絡まず、監督とマンツーマン撮影だったとか。見どころを聞かれ「どうですかねぇ~?」と言ったり、ファイティングシーンのネタバレをされたりとw、正直で面白い方だった。

フォトセッションの前に、「ガロー!」コールで黄金騎士ガロがついに登場。登場する前に遼生さんったら、抜刀したり上を見上げたり何やってんだかw。
スチールの時、「笑顔で」と言うマスコミに「ガロさん笑えないしw」とエリカワさん。
ムービーの時、ガロと遼生さんが抜刀して構えてカッコイーv。

全部で約25分ほど。楽しい皆さまの大人のトークだった(^o^)。


映画上映。
日本初の全編フルデジタル3D作品。

“ガロの称号”を持つ黄金騎士・冴島鋼牙が、知り合った魔戒法師らと共に、人間を襲う魔鏡ホラー・カルマと壮絶な闘いを繰り広げる話。
5年前のTVシリーズは殆ど記憶が抜け落ちて、話についていけるか少々不安だったが、初めての人でも分るような、見応えあるエンタメ映画に仕上がっている。

鋼牙はますます格好良くなったというか、達観した落ち着きぶりで渋いことv。
監督の言ってたように、遼生さんのやられっぷりが凄まじいw。思ってた以上に、遼生さんの両腕の筋肉が頼もしくてドキドキv。
影山ヒロノブ@魔導輪ザルバは、ますますチャラくて可笑しい。
鋼牙の少年時代が出てきて、演じる澤畑流星くんが頑張っていた。

メアリさんの新体操を生かしたアクションに『タンブリング』がチラつくが、特殊効果もありホントにしなやかで綺麗。両足があんなに広がるなんて!
原さんは存在だけで妖しくおどろおどろしくて別もののような感じ。熱演だった。

魔戒法師アカザ@斎藤洋介は独特の喋り方が雰囲気にマッチ。弟子シグト@倉貫匡弘の「鋼牙さん」がカワイイ。
笠原紳司と江口ヒロミが不気味な妖しさで強い。中尾彬はそういう役どころだったのか。
遼生さんが言ってたように、津田寛治がキーマンな存在でジンとくる。特に最後のシーンは思わず涙が出そうになった。

JAM Projectによるエンディングテーマは、影山さん渾身の曲で心に沁みる。
重厚で迫力あるスピーディーなアクションはさすが。映像の隅々まで拘りがあり凝っている。
鋼牙の過去とレクイエムが繋がり、人間の愚かさと優しさが昇華した神々しいストーリーにも惹き込まれた。

3D映画は何度か観たが、今回は少々微妙^^;。映画館や3Dメガネとの相性があるのだろうか。
映像が飛び出したり奥行きがあるというより、透けて見えるような透明感があって画面になかなか慣れなかった。途中から眼鏡を支える鼻が疲れてきて、何度か裸眼にして画面を観たほど。他の映画館で観たら印象も違ってくるかな。


そういえば『戦国鍋TV』の「うつけバー」コーナー。
小西遼生演じる“NOBUママ”(織田信長)がいなくなった後、倉貫匡弘演じる“伊達ママ”(伊達政宗)と山本匠馬演じる“小十郎子”(片倉小十郎)が登場。
もちろん女装のおかま(笑)。倉貫さんは右目眼帯だが、『BLEACH』の東仙要の時も黒眼鏡で両目を覆っていたし、目を隠す役が結構似合うw。
遼生さんと倉貫さん、『牙狼』繋がりのおかまってトコが笑える(^o^)。

映画 半次郎

2010年10月11日 映画
映画『半次郎』を観てきた。

幕末維新を駆け抜けた薩摩の英傑、中村半次郎こと桐野利秋の怒涛の生涯を、西南戦争をメインに描く。
主演をつとめた鹿児島出身の榎木孝明が、企画から参加して主要スタッフやキャスティングにも参加。
鹿児島をはじめ九州でロケをし、九州で先行上映もあったとか。

戦争スペクタル大河ロマンなので、2時間の上映では内容的にとても足りないのが残念。
戊辰戦争や西南戦争に明るくない上、薩摩側の視点であり、新政府軍との関係も変わっていくので、ストーリーに追いつくのが大変。キャラクターも有名無名問わずわんさか登場し、俳優で判別しながらついていくが、描ききれていないのが惜しい。連続ドラマだったら、もっと一人一人に焦点をあてたり、観るほうの感情も揺さぶられるのだろうと思う。
全編殆どが薩摩方言で喋られていて、会話をとことん理解するのも難しそうだ。

榎木孝明は18歳頃から40歳までの半次郎を、渾身の演技で凛々しく野生的に演じる。この半次郎はなかなかのくせ者。喜怒哀楽が明確で、豪放無頼で勇猛果敢、情誼に厚く節義を重んじる男。剣の腕は抜群だが、剣を振るう時の逞しい金きり声がどうしても笑いを誘う。女にモテるが、男の親友や盟友も多く、敵味方問わず愛される人気者だったようだ。後に私学校で若者たちを教え導くが、上下からの信頼も厚い人柄といえる。合戦前に香水をつけたりと、意外と洒落者な面がカワイイ。
半次郎はたとえるなら、新選組の土方歳三のような薩摩武士だったのではないか。土方が「多摩のバラガキ」なら、半次郎は向こう見ずで豪胆という意味の「ボッケモン」と呼ばれていたそうだ。土方に近藤がいたように、半次郎は生涯、西郷隆盛の傍らにいた。その最期を看取った後も孤軍奮闘し、土方と同じように敵の弾に倒れた。前夜に小姓の(?)常吉に全てを託して逃がしたところも似ているかw。
“男が男らしく、侍が侍らしく生きた時代”に、己の意思を真っ直ぐに貫いた男。彼が最後は軍服の桐野利秋としてではなく、半次郎として侍の格好で沈んだ場面が印象深い。

映画『Dear Heart 震えて眠れ』で和樹と共に舞台挨拶で観た榎木さん。あの時の物静かな感じとは違い、こちらでは男臭い快男児を演じる。榎木さんの作品や人物への愛情、情熱や気迫がしっかり伝わってきた。
和樹絡みと言えば、半次郎の恋人さと役で出た白石美帆も『罠』の舞台以来だろうか。雨の中の号泣はなかなかの迫真。
AKIRA(EXILE)はドラマ『タンブリング』のイメージしかなかったが、こちらでは知的で野生的な英傑として、殺陣シーンもこなす。最期の煙草のシーンが印象的。
大久保利通の北村有起哉は見た目ピッタリ。葛山信吾の鮎川小次郎は和装と洋装で登場だがインパクトは薄い。
西郷隆盛役の人はオーディション合格者の素人らしく、見た目は似ているが、台詞も少なく存在感が薄い。ホント、ただの担がれ役^^;。
西南戦争で果てた仲間たちはとても覚えきれないし把握が難しい。少年志士の虎役で中川大志が出ていたが、バリケードを抜けて敵に突進していくサマは、まるで『レ・ミゼ』のガブローシュのよう^^;。

今更ながら、西南戦争は日本最後の壮絶な内戦だったんだなと思った。
劇場版『機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』2回目。

前売券消化のため。
連休中だからか満席で、人気のほどを再確認。
初回で気づかなかったことや見損なったところをやっと補完。

つくづく思うに、デカルト・シャーマンが気の毒でならない(-.-)。出番も思いのほか少なく、周りを信じられずに屈折した感情のままで終わってしまった。せめて人間と人間の“対話”を遂げさせてから、満足気に逝ってほしかった。

刹那の「わからない」の繰り返しが、幼さや不気味さを表す。
何度か出てくる刹那の真っ裸に、劇場版の『聖闘士星矢』をはじめて観た時のような苦笑のインパクトw。裸を出せばイイってもんじゃないけど。
刹那が目覚める場面は、音楽効果も相まって、涙が出そうになった。死者の言葉は何よりも重く心に迫ること。

目まぐるしい戦闘シーンで、逃げても逃げてもエルスに追いかけられる切迫感には毎度ハラハラ。
初日にやけに耳についてイライラさせたエルスの金属音が、今回はそれほど気にならず。劇場の音響設備によるのか。
初回は忘れそうになってたアンドレイが、戦闘中に結構出ていたのに気づいた^^;。彼も哀れだなぁ。
自分のできることをしようと決意した沙慈のズボン越しの太股に筋肉がついていて、男らしい体になったなと小さくドキドキ。

成長する。進化する。老いる。人間がどんどん変わっていくことは寂しさも残るが、人間に与えられた希望と宿命でもあるんだろうな。
エンドロール後のプロローグとエピローグの間に、生き残った人間たちの5年後くらいのシーンを挿入して欲しかった。
ラッセ、結婚していればいいなv。


午前中はアニメイトで舞台『アニメ店長』のチケット取り。
通販より早いし確実。公演日によって座席に随分違いがありそうだが、オッキー回はやはり人気なのか。8階での販売なので、ビンゴカードで早くも栞をゲット。

映画 大奥

2010年10月6日 映画
映画『大奥』を観てきた。

謎の疾病により男の人口が激減し、男女の役割が逆転した江戸時代が舞台。1人の女将軍に仕える女人禁制の男の園、大奥をめぐる者たちの話。
原作をチラっと読んでいたので、キャストを知った時はゲンナリたが^^;、イヤな予想はハズれず。
集客のためアイドルや若手を起用したことで、豪華版トレンディドラマ仕立てのライトな時代劇になってしまい、原作の持つ奥深さがなくなってしまったようだ。

二宮和也はやっぱり水野に合わない。演技力はあるようだが、見た目が幼すぎる^^;。童顔だし鬘も着物の格好もいまひとつ。裸の上半身を見てガッカリ、筋肉がない貧相な体では剣豪として説得力をもたない^^;。
前日に薄桜鬼の舞台で本物の迫力を見たせいか、鶴岡との殺陣も子どものお遊びにしか見えず苦笑するばかりだ^^;。
藤波の佐々木蔵之助や、松島の玉木宏も若いが、それなりには魅せる。玉木さんの美貌は、柏木の代わりをさせるためだったのかw。垣添の中村蒼は可愛かったからイイ。
意外にハマっていたのが、杉下の阿部サダヲで、己の身の上話を聞かせる場面にはジンときた。
徳川吉宗の柴崎コウは少々印象が弱いが、思ったよりはイイ出来だ。
意外に良かったのが加納久通の和久井映見で、藤波をギャフンとさせる原作のシーンも入れて欲しかった。
水野祐之進の父親で竹脇無我が出ていたが、『大岡越前』に出ていた無我さんが懐かしい。
三上博史は石塚という役だが、鬘になると見分けがつかなくなっちゃうw。

濡れ場やBL色は思いのほか淡白w。『十三人の刺客』のほうが生死をかけてるせいかBL色はあった。
イメージしていたものとは違うが、水野の流水紋の裃を見れたのは実写版ならではか。
豪華絢爛な衣装に相当の金がかかってるのは仕方がない。
質素倹約につとめ人員削減をさせる吉宗の姿は、ある意味理想だが、女がやると爽快感が増す。
エンドロールの後に、“没日録”へ繋がる場面があるかと思ったがそれはなし。続編への意欲はないということか。
結局は話題性やヒットしか念頭にない映画で、作品に対する作り手の愛や思いがあまり感じられなかった。
嵐の主題歌はイマイチだが、予告やTVで頻繁に流れた音楽は世界観にマッチする。


この後もサムライ・シネマが続々公開。
『半次郎』『桜田門外ノ変』『雷桜』『武士の家計簿』『最後の忠臣蔵』。ニンジャだが『忍たま乱太郎』もくるだろう。
映画館で『恋の正しい方法は本にも設計図にも載っていない』初日を観てきた。
中川翔子の初主演作品で、ケータイドラマだったのが2週間限定で劇場上映されたもの。

シネコン・ロビーのソファで開場を待っていたら、前の回で舞台挨拶を終えた、しょこたんが上のバルコニーに登場! 挨拶を観たファンもドヤドヤと集まって、バルコニーの前は人だかり。
映画の主題歌を唄ってくれるサプライズだった(^^)。
やや緊張した笑みで、伸びのある高い声で歌い上げたしょこたん。いい歌だった。
その余韻を胸に作品を鑑賞。

合コンで知り合った、恋に臆病な娘と、夢を追う自由な若者とが、恋を知っていく話。
ベッタベタなラブストーリーで先が読めてしまうがw、たまにはこういうものも悪くはない。
“遺伝子”とか“ひも”とか、“ガウディ”とか“ジュジョール”とか、ちょっぴり難しい言葉が出てくるのが今風なんだろうか。

しょこたんの素直な演技に好感。
しょこたんって左利きだったのか。ラテン系おしゃべりカエル&いずみネコw。あのイラストも全部しょこたんの直筆なんだろうか。

お目当ての鈴木裕樹ことズッキーは、『ラスゲ』前なので適度な短髪。木曜日に『アメリカ』を観た後、急にこの映画で違うズッキーを観たくなったから。映画のズッキーはスペインだねw。なにげに“津軽”本が重ねてあったり。
子供と一緒だとやっぱりレッドな顔だw。 笑った顔よりも、じいっと見つめる真剣な表情がカッコイー。ズッキーはタッパがあるので、ラブシーンではああいう姿勢になるのかと、キュンときちゃった。

しょこたんの唄う「千の言葉と二人の秘密」のミュージッククリップが最後に流れるが、いい歌だなとしみじみ思った。
アニメ『世紀末オカルト学院』の主題歌「フライング・ヒューマノイド」のシングルに入ってる曲だったのか。

ショップで、今日から公開のゲキ×シネ『蛮幽鬼』のパンフも購入。
堺雅人のインタビューや劇中写真もたっぷり、去年観た舞台を懐かしく思い出す。


午前中は、恒例の『コープ たべる、たいせつフェスティバル』。
会場のあちこちをめぐって、いっぱい試食や試飲をして満腹、たくさんお土産を貰ってきた。
映画『十三人の刺客』を観てきた。

将軍の弟で残虐な暴君が老中職につく前に暗殺せよとの密名をうけ、集められた13人の男達が、暴君やその参謀の軍勢300人を相手に壮絶な戦いを繰り広げる話。
オリジナルの工藤栄一監督版は観ていない。
観る前は、首が飛んだり夥しい血が流れる、気分の悪い光景ばかりを想像していたが、実際はそれらを上回る現代的なセンスと面白さが感じられ、エンタメ性のある時代劇に仕上がっていた。

冒頭「広島長崎の原爆」というテロップが流れたが、主演の役所広司は映画『ローレライ』に出てくる潜水艦の艦長そのままw。剣客たちを率いるサマは、大佐の命を受けて潜水艦乗組員と共に、巨悪な原爆を排除しようと向かっていく姿と重なってしまうw。山田孝之はさしずめ、『ローレライ』に出てきた妻夫木くんの役まわりだろうか。
天下万民のため、大義のためとは言いつつ、結局は上からの命令があればこそ。御目付けや師匠の人望で集まった者も少なくない。土井、島田と最初こそ名前がテロップに出るが、刺客ら殆どは名を呼ばれるだけで終わってしまう。
命をかけた無名戦士こそ、「真の捨て駒」「捨て駒としての理想」(戦国BASARA弐より(笑)。この上から目線の考えは、100年経っても変わらないのが怖ろしい。

「斬って斬って斬りまくる」以外で、結構見どころや笑いどころもある。
宿場町改造の地道な作業やトラップが面白かった。弓矢や槍はあるが、鉄砲や銃が殆ど使われない肉弾戦もいい。長回しのカメラワークは『さらば電王!』を、ビショビショ泥まみれの様子は『クローズZERO』を思い出させる。
男臭い現場にはつきものなのが、やおい色、二刀流に両刀使い(笑)。殺陣はやっぱり松方弘樹が大御所の凄みを見せて最高だが、伊原剛志もワイルドで格好良かった。理知的な沢村一樹、豪腕な古田新太もイイ。伊勢谷友介はヤることはヤってるフリーダムさがある種の癒しかもw。
『ゲゲゲ』のアシスタント・斎藤工と窪田正孝が出ていたが接点は全くナシ。窪田くんはここでの殺陣を『薄桜鬼』の沖田総司で生かすのだろうかw。山田くん×窪田くんになるかと思いきや、最後は伊原さん×窪田くんだったw。刺客側隅々まで描ききってないせいか、腐女子に妄想の余地を与えるところが三池崇史監督らしいというか^^;。

敵役はその分じっくり描かれていた。
稲垣吾郎の悪ぶりはなかなかハマってたが、こういう鬼畜なキャラってアニメにはよくいそう^^;。太平の世で“殺戮”がゲーム感覚になってるところは現代の若者とも繋がりそうだが、戦闘中のニヤリ笑いにはこっちまで苦笑。考えてみれば、一族郎党“みなごろし”は源平合戦や戦国の世では当り前のようになされていたこと。蹴鞠シーンもあったが^^;、この暴君はきっと遅く生まれ過ぎてしまったんだろう。
洞察力や観察力に優れ、潘のためお家のために忠義をつくす、冷静知将の名参謀・鬼頭がとにかく格好良かったv。二度もカッコイーと呟いちゃったw。市村正親がまた律儀に魅せること。島田への嫉妬と出世欲もあっただろうが、この鬼頭がいたからこそ、明石潘の侍どもは最後まで気骨溢れる戦いを見せたのだろう。世が世なら東郷さんや五十六さんみたいに、将軍として見事な戦略戦術で海外の敵を打ち破ったに違いない。この参謀もまた、早く生まれ過ぎてしまったんだろう。

そして幕末のこの時期、大局を見ずにただ上からの命令だけで、あたら命を燃やして散らしていった男たちが、哀しいというか性急というか^^;。
虚しさだけが残った焦土は、それから百年後の日本そのもので、日本人のバカさかげんに痛感するのだった。

三池監督、次回作は実写版『忍たま乱太郎』。子供相手の撮影は大変そうだが、今度は「消えて消えて消えまくる」な“おバカ”な話になったりするのも一興。
ガンダムの後は、夕方から映画『×ゲーム』&初日舞台挨拶を観てきた。

先ずは舞台挨拶。
登壇者は、向かって右から、福田陽平監督、鶴見辰吾、相島一之、三上真史、仲川遥香、荒木宏文、菊地あやか、+Plusから3人。あらやんの肌がツヤツヤで、瞳がキラキラしていて綺麗。まーしーの短髪が爽やかに映る。

ひと言挨拶。主役のあらやんは「皆さんの心にとまれば×ゲームは完成する」。あやかさん&遥香さんらAKB48への男性コールや声援がもの凄くて、驚いたり呆気にとられたりw。相島さんもこの雰囲気にはビックリw。前に彼女たちと舞台挨拶を経験した鶴見さんは、この雰囲気にもう慣れたというw。監督は前日のニコ動配信とツイッターの反響に気を良くしている様子。

罰ゲームにちなみ、過酷な体験。あらやんは、×ゲームみたいな過酷なスケジュールだったそうで、神経衰弱していくようだったと苦笑。対して、相島さんは全くなくて、鶴見さんも撮影は一日で済んだという。長台詞がプレッシャーだったと言うまーしーは、荒木さんと菊地さんのチョッカイで噛んだそうw。遥香さんが困ったという、監督の一発芸まで飛び出し、チョイ引くw。

もし大ヒットしなかったら?の質問に、あらやんは「ジョリー・ロジャーさんには二度と立ち入りしません!」とキッパリw。まーしーはこの前したような気がするが「男らしく丸刈りに!」。鶴見さんの「3日間断食」はリアルそうw。
もしヒットしたら?の質問に、監督は「募集している×ゲームの一番人気なのをやります」。

見どころについて。監督は「割とポップで笑うところもある」「ただコワイだけじゃなく考えさせられる」「一度観ただけじゃ分らないので何度か観て下さい」。+Plusは「EDロールの主題歌にも耳を傾けて」。鶴見さんは「観終わると自分がSなのかMなのか分る」と自分はMだと自認。相島さんや遥香さんやあらやんは「イジメ」について言及、考えさせられる映画だと強調した。

途中、マスコミのフォトセッションもあり。出演者は手を交差して×を作ったり、ガッツポーズをしたり、ポスターを指差したりしてたが、「フツーのカッコウで」のリクが笑えた。
そんなこんなで約25分ぐらい。あの名前コールの雰囲気で終了した。上映前にパラパラと席を去る人達。次の舞台挨拶地へ向かうのだろうか。


予定より少々遅れて映画上映。

小学校の同窓会を契機に、突然の担任の死の後、突然拉致された4人の男女。彼らは、12年前にイジメられっ子だった少女と思しき犯人から、小学生の時に流行ってた「×ゲーム」という残忍なイジメを次々と強要されていく話。
原作は山田悠介の同名小説。D-BOYSの山田悠介とは全くの別人。
D-BOYS×AKB48を主演に迎え、実写化されたサスペンス・ホラー。

私には全くの苦手フィールドで^^;、ハラハラキリキリさせる、痛くて気持ちワルイ内容だった。
大雑把にいえば、イジメられた復讐をする『告白』の映画と、法では裁けない者たちに制裁を与える『JOKER』のドラマを合致させたようなテイストだろう。
イジメをした者たちは、イジメをしたことの認識が薄く、すっかり忘れていたり、都合のいいことしか覚えていない。人間の悪しき“性”をまざまざと見せ付けられる。
注意して見てると分るが、あらゆるところで布石があり、思った以上に根が深く奥が濃い。
奇妙な方向へ二転三転し、ドンデン返しや次のステップもあり、ある意味じわじわと楽しめるかもしれない。

見せ方はグロくて強烈。俳優の凄まじい演技もリアルちっく。
私としては途中から真犯人や組織がわかってきたのがやや興醒め。理由も後付けっぽい。
一番納得がいかなかったのが、イジメに実際に関わっていたその他の子たちに(少なくとも6人はいたし、女子もやっていたハズ)何のお咎めもなかった風で、片手落ちの感がある。校長や周囲の先生にも遠因があるのだし、どうせなら徹底的にやってほしかった。
覆面のもうひとりはアノ人だと考えていいのかな? あれこれ疑問点が残るが、復讐には金もかかるし、ひとりではできないということだ。

あらやんはラストで見せる残酷な顔と狂気の表情が実に上手い。あやかさんは髪と声がポイントかな。遥香さんの幼い声と演技が、時にユーモラスに映る。まーしーは坊主頭じゃないので、別人のように見えるw。

“×”の焼きごてが、『ベルサイユのばら』でジャンヌが受けた“泥棒”の焼きごてと重なりそうだった。
何かをされた者が“イヤダ”だと感じたものは、全部“イジメ”だという認識で、“イジメ”は絶対許さないと、某中学校の先生が言っていた言葉が思い出された。
原作はどんな結末なんだろう? 鑑賞後、ぴあのアンケートに答えたが、私はこの1回だけで充分だ。
劇場版『機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』&初日舞台挨拶を観てきた。

チケットありがとうございます。
人が多過ぎて、グッズ列もパンフ列もものすごいこと。
“対話”要望によって、通常版パンフ列を作って貰い購入。入場者カードはデカルトで、裏にちょっこし過去設定。

あの戦いから4年。木星から突如出現した“異星体(エルス)”と地球人類との壮絶なファーストコンタクトを描く。
謎の外的生命体がたとえ“対話”と“共存”を求めていたとしても、地球にわずかにいた“脳量子波”の人間が襲われ、人間が金属によってどんどん侵食されるのを目の当りにすれば、誰しも脅威と恐怖に怯え、敵と認識することになる。
異星体の大群を相手に、地球はひとつにならざるを得なくなるのも皮肉。再び集結したソレスタルビーイングは“対話”の方向性も探ろうとするが、要の刹那に受け入れる余力がなく、困難な道のりなのは明白だ。

“ガンダム”というより、ガンダムを出した、壮大なパニック・アクション・ムービーを観たという感じ。
過去のあらゆるSFパニック映画の内容が頭にチラついて、ホラーサスペンスの要素も否めない。
戦闘シーンは息もつかせぬもの凄い迫力が続き、これでもかというほど目まぐるしい。音響もすさまじく、戦闘シーンの金属音は苛立ちと緊迫感を与える。スタッフの熱情とパワーが最大限に結集し、画面を満遍なく覆いつくす。
ラストの刹那の“対話”シーンは、全方位的画面のような浮遊感で軽い眩暈を感じさせた。3Dとも違う、新たな映像手法を観ているようだった。

キャラクターがとにかく多い!多過ぎるw。
これが初見の人にはよく分らなく情報が追いつかないだろう。私もセカンドシーズンを復習しなかったので、こういう人もいたなと観ながら確認していく作業w。戦闘シーンでヤられる間際に、やっと思い出せるキャラもいた。
刹那は前よりちょっぴり声が低め、童顔だがやはり寿命が普通より長いせいか。フェルトとのシーンが微笑ましい。ロックオンは全てをふりきったような落ち着きさ。2体のハロがカワイイ。アレルヤ(ハレルヤ)の地上のアクションシーンがカッケー。声の使い分けも快調。ソーマとの息ぴったりのコンビもいい。ティエリアは本質をつくのでコワイが、小さい水先案内人が可愛かった。
コメディ要素は少ないが、ビリーとミーナ、カティとコーラサワーのような艶めいたシーンが笑える。
グラハムがいつまでも刹那を「少年」呼ばわりしているのが可笑しい。彼も丸くなったこと。
冒頭の実録映画がネタのひとつだが、沙慈のつぶやきが笑えた。自分のできることを果たそうとする沙慈、見守るルイスと、一般人も描かれている。
私としては、思いのほかラッセの出番があって、東地宏樹の声をまんべんなく聴けたのが嬉しかったv。ラッセにはなぜ浮いた噂がないのだろうw。

映画オリジナルキャラのデカルト・シャーマンに至っては、描かれ不足は仕方ないとして、扱い方には大いに不満が残った(-.-)。純血種のイノベーターとして、“対話”へと繋がる重要ポジションにもなるかと思ったが、ただの捨て駒に過ぎなくてガッカリ。変貌した上で刹那との対決もありかと期待させたが、とうとう名前も知られず「連邦軍のパイロット」で終わってしまった。鳴り物入りの客寄せパンダで登場させたものの、演出上使いきれなくなったのだろうか。
予告の声では吹き出したが、本編での勝地涼は好演だv。繊細なローボイスがデカルトの屈折した心情とよくマッチしている。普通の声優が大袈裟に叫ぶところも、勝地くんはややセーブしてリアルに演じていた。勝地くんもやればやるほど声優としての技量を発揮し、またひとつ成長を感じさせた。

最後の最後にやっと登場した切り札のダブルオークアンタだが、長かった割には目覚しい成果がわからず。力任せな終局で、思ったより呆気なく綺麗に終らせてしまった。
“対話”には、途方もない膨大な犠牲と覚悟を必要としたわけで、それには“ガンダム”が効率の良いツールだったのだろう。
EDロール後に、プロローグとエピローグ。プロローグのアノ人の声はサービスか。エピローグではようやく分かり合えた二人だが、実に長かったな~。彼女の年齢を考えるほどに、やはりどんなことがあろうとも人間は長生きせねばならんと思った。


終演後、初日舞台挨拶。
向かって右から、水島精二監督、勝地涼、宮野真守、三木眞一郎、吉野裕行、神谷浩史が並ぶ。声優の皆さんお洒落な格好で、勝地くんは黒のロングブーツが可愛いv。

最初は型通りの挨拶ながら、マモくんは喋りたいことをいっぱい胸に秘めている様子。みんなも「とっとく」と言いつつ、初日を迎えられた嬉しさと会場の反応に手応えを感じた嬉しさが先にくるようだ。
勝地くんも「嬉しいです!」と微笑み、プレッシャーもあったが「デカルトの過去に想像を膨らませてやりました」と話す。TVシリーズからのキャラについて「過去を描かれていてイイですね」と羨ましく思い、会場の熱い思いに喜ぶ。

終演後なので、内容にふれたお気に入りシーンを、マモくんと監督がクロストークで挙げる。
監督自ら「パニック映画のようなワクワク感」と言っちゃったしねw。マモくんは最後の刹那が「超○○○だった!」(笑)と自分自身もビックリしたという。マリナと分かり合えたことも印象的だったとか。監督も、気づかなかったところで色々とあるので、何度も観て確認して欲しいとのこと。

最後にひと言ずつ。「達成感と寂しさ」を感じているマモくん。入場時のキャラカードの後ろに過去が書いてあると三木さんが話し、知らなかった勝地くんに周りが教える場面も。よっちんは喋りながらだんだんテンションが上がってきた様子w。神谷くんは映画の後DVDが届いてやっと終ったんだと思うが、初日なのでトランザムで駆け抜けていきたいと笑う。
勝地くんは「00がみんなの愛で作られているんだと確認しました」と、みんなで盛り上げてくれたらとにこやかに語る。
水島監督は“ガンダム”というコンテンツの強さをあらためて感じ、最後最後とみんなに言われると「まだまだ終らせたくないと思いました」(笑)。長く作品を愛して下さるなら、なんらかの形でまた送り出したいと、次への(?)意欲を見せてくれた。
TVシリーズとは違う劇場でやりたかったものを作ってくれたと、よっちんも話していたが、もうひとつのガンダムの方向性として企画段階で作りたかったものだと、監督は満足そう。劇場版としてやれてさぞ本望に違いない。

マスコミ撮影はなし。映画は2時間、挨拶は約20分間。上映後の濃い内容で楽しかった。
前売券があるので、別の週でもう1回観る予定。
映画『バイオハザードIV アフターライフ』3D吹替え版を観てきた。

お目当ては、ウェントワース・ミラー&東地宏樹さん(^^)。
映画版初登場のクリスが、主人公アリスらと共に刑務所を脱出して、アルカディアへ行こうとするストーリー。

わおっ!渋谷がぐちゃぐちゃ^^;。当分スクランブル交差点には行きたくないな。
でも実際はトロントにセットを組んで撮影したそうだ。
アンデッドがワサワサ無数に集まっていたり、突然出てきてあっという間に襲ったりと、ハラハラドッキリ感は凄まじい。
ビルから飛び降りるシーンに、リアルな風圧や重力を感じる。
でっかい鎌に圧倒されるが、何でも武器にしちゃうのがまたイケる。
銃を投げ渡すシーンが印象的。投げられたグラサンが、3Dメガネに見えそうだったw。

『アバター』と同じように3Dカメラを駆使しているので、3D映像は存分に楽しめる。
『マトリックス』を意識しているのか、3Dにスローモーションはつきものらしい^^;。
うなるような力強い音響がよくマッチ。水中でも3Dカメラを使ってるようだが、戦闘シーンはあまりなかったような。

アリスとクレアがクールでカッコイー。出産後のミラ・ジョヴォヴィッチは表情が柔らかくなって、どこか可愛らしい。
男どもはステレオタイプばかりだが、カワイイ奴もいる。

とりあえず消化不良のまま、次回に持ち越し。クリスが出るならまた観に行くかも。

本田貴子さんの声はクールかつ愛らしい。
立木文彦さんの声をいっぱい聞くと、『仮面ライダーW』と錯覚しそうw。

11月から3Dメガネ代金100円が追加。今までのメガネを大事にとっておかなきゃ。
映画『オカンの嫁入り』を観てきた。

女手ひとつで娘を育てたオカンが、ある日20歳も年下の金髪リーゼントの男を連れてきて結婚宣言。母の再婚に反発するも徐々に受け入れるようになる娘だが、またもや母娘で衝突してしまい、母が倒れてしまう。
柔らかい関西弁で奏でられる、母と娘のハートフルな物語。
舞台化もされたそうだが、映画は宮崎あおいと大竹しのぶの初共演が話題。二人とも関西弁の台詞を見事に表現している。

『BECK』を観た後だったので、つい見比べてしまった。
あちらの犬がベックなら、こちらの犬はハチ。母娘の家族の一員として、重要なポジションともなる。
桐谷健太が全く違った役どころで両作品にメイン出演。あちらが熱血ボーカルなら、こちらは働き者で優しい婚約者を演じている。髪の色は違うが、どちらも真面目で誠実な人柄が表れていて、本人はどちらの役も楽しんだに違いない。

自由奔放で天然であっけらかんとして、家事も苦手な母・陽子を、大竹さんは殆ど地のように自然体に演じる。突然の母の再婚に意固地になり、頑固で臆病だが優しい娘・月子を、あおいさんがのびのびと逞しく演じる。
ほぼ娘側の視点で展開するので、あおいさんのリアリティな存在感の輝きに目を奪われるが、大竹さんの柔和な浄化作用あってこそ。病院ロビーの二人の会話では、開き直ったオカンのシブトさとしのぶさんの強い口調が重なって、この二女優の勝負、オカンとしのぶさんに軍配あり!と思ったw。

娘とは、こんなにも母の再婚に反対するものなのか。素直になれない月子に「ヤキモチか」と周囲が問うが、母を若い男に取られるという感情だけでなく、月子の場合はもう少し複雑そうだ。月子の周りの男といえば、いい加減な上司とキモくて執拗なストーカーしかいなかった。ところが母には、働き者で思いやりがあるイイ男が言い寄ってくる。母と娘で激しく差がある男の質。月子には母親への嫉妬もあったといえるだろう。

母がピンクや白で、娘が青なのが、我が家と似ているかも。大竹さんの白無垢と白い顔は見られたが、青い顔が映らなかったのが残念。
さすが食道楽の大阪、食べ物や食べるシーンがいっぱいで、観ながらつい小腹が空きそう。でもいちいちエプロンをつけてお弁当を作るので苦笑。
月子もケンちゃんも無職だし、いつもご飯を食べにくる村上先生も何だかヒマそう。母娘に深く関わる大家のサクさんといい、母娘とあまりに密接なご近所付き合いがどこか世間ズレしている^^;。関西の人たちってみんなこんな親しさなのか?

当たり前の日常だと思っていたのが、ある日突然変わってしまう。失ってから本当に大切なことがわかる。亡き祖母を思ったケンちゃんの台詞は、まんま『仮面ライダー超・電王トリロジー』エピソードBLUEと似ているw。
オカンは爽やかに締め括ってはくれたが、『超・電王』のような感情のうねりまでには至らなかった。

映画 BECK

2010年9月8日 映画
映画『BECK』を観てきた。

ハロルド作石の人気コミックの実写映画化。
運命的な出会いにより結成されたバンド「BECK」の若者たちが、妨害や障害を乗り越えて、音楽を通して絆を深め成長していく姿を描く。
マッドハウスによる6年前のアニメは観ていたが、美味しいトコ取りのストーリーで分り易く、映画の旨味が存分に発揮されていて面白かった。

キャラクターの存在感がものすごい! 原作をインスパイアしながら其々の個性で生き生きと作り上げている。映画のためにみんな楽器の猛特訓を積み重ねたようだが、彼らの気迫がそのまま画面に映り込んでいるようだ。
迫力あるナマのサウンドがハートにビンビンときた。スクリーンの大きな画面でしか味わえない臨場感だろう。聞きながら思わず身体が動いてしまいそうなノリ。一緒に拳を振り上げたくなりそうだw。
ただ、コユキの歌声はやはりネックだったかな^^;。試行錯誤の末の表現なのだろうが、イメージを広げるにも個々人に限界がある。それまでリアルな画面だったのが、コユキの歌で急にファンタジーになるような物足りなさを感じた。

竜介@水嶋ヒロはダーティーとコミカルのバランスが抜群、英語の発音もカッケー。コユキ@佐藤健は序盤はまるで良太郎のようw、ひたむきな強さと優しさが目を惹く。平@向井理は冷静にメンバーを包む役割だが、ライブの上半身裸の逞しさも見どころ。この三人だとやっぱ『メイちゃんの執事』が思い出されるw。
千葉@桐谷健太は真面目な熱血ぶりが人間らしく、体から出す歌声が力強い。年少のサク@中村蒼の好演が光るが、実は一番才能に溢れた情熱家かもしれない。真帆役の女優さんは英語が流暢で可愛かった。

ヒロ、健とくれば仮面ライダー。桜田通、古川雄大も出演、『仮面ライダー超・電王』的に祖父ちゃんをイジめる孫とか(笑)敵役レイジとかでウケた。通くんと健くん、10センチの身長差がくっきりw。『仮面ライダーオーズ』の三浦涼介も出演。
アニメの時もサクってええやんvと思ったが、映画のサクはすっごくクールでイイ奴で、5人の中では一番好きだ(*^。^*)。演じる蒼くんのデビュー作『田園に死す』でサインを貰ったことがあり、ビッグになればいいなぁと当時は思ったが、4年後ベックになっちゃうとはねw。
ラストライブでコユキの後ろでサクのドラムが鳴り、コユキとサクが笑って目配せするところが友情の絆が感じられて好きだ。コユキたち年下が竜介たちを「くん」呼びするところも好き。
何度も行った横須賀の街が甘酸っぱい思い出をそそる。

大の大人が高校生に教えられた、音楽で本当に大切なこと。たとえ一人だろうと、彼らの音楽を聞く者が待っているなら、演奏しなければならない。それが音楽という絆の原点。
グレイトフル・サウンドの野外ライブシーンが圧倒的。『20世紀少年』でもエキストラの集客力をまざまざと感じさせたが、今回は雨の中の撮影なのにもの凄い盛り上がりだった。キャストと同じように、“本気”の観客がいたからこそ実現できた映像。
観る者や聞く者がいてやっと完成する、ライブを体感できる映画だった。

映画 東京島

2010年9月1日 映画
映画『東京島』を観てきた。

無人島に流れ着いた、草食系男子22人(日本人若者16人+中国人6人)&肉食系女子1人。彼らの生き様を壮絶に可笑しく描く。

ただひとりの女性が、40を過ぎた元専業主婦という設定が面白い。
都会ではおそらく地味でマジメな生活を送ってきた普通の女が、無人島ではいやおうがなく“女”を意識させられ、“男”のように興味本位で活発に動き回り、“女王”のようにも優遇される存在となったのだ。
極限状態の中で、今まで気づかなかった自分の新たな才能と新たな魅力に、中年女が目覚めていくポジティブな話なのだ。

彼女の一番の欲望は、性欲でも物欲でも知識欲でもなく、食欲というところが痛快。何ヶ月ぶりかの豚肉をがっついたり、食べ物に釣られて中国人側についたり。島とはいえ、色々な食べ物が出てくるから愉快。
島では労せずとも男たちが食べ物を与えてくれるので、彼女だけがぶくぶくと太っていくw。留まるところがダイエットw。
主役の清子さんに共鳴したり頷いたりしながら、何度も笑ってしまった(^o^)。
おとぎ話のようなファンタジーのような状況と設定だが、私から見ると女が妙にリアルで生々しい。でもその生々しさは不快じゃない。
木村多江の体当たりの演技が頼もしく、溌剌としていてとっても魅力的だ。化粧っ気のない顔もチャーミング。

22人も男たちがいるのだ。ちゃんと名前の紹介なり、一人一人フューチャーされる場面なりあるかと思ったが、そうでもなかった^^;。これだけ若い男が溢れているから、男×男の関係もできるかと思ったが、1.5組ほどだったか^^;。
抽選で夫を決めるやり方は、情の深い男を得たので、結果的に正解だったかな。3人目の男・福士誠治は、様々な名前を持ち色んな顔を見せるが、泣きべそが可愛かった。
まるで亀仙人の兄ちゃんみたいなwワタナベは、清子にいちいち真実を突き刺す憎まれっ子だが、陽気な窪塚洋介だからまだ許せたかな。
『ゲゲゲの女房』で怪演を見せた柄本佑は最後がスゴかった。木村了は受けから攻めへ転身。染谷将太が不気味w。片倉小十郎な吉田友一は眼鏡でやっぱり寡黙。
マツさんこと松川貴弘は、いい役どころで画面でも目立っていて、ラストのショットで笑わせてくれた。映画の役名は絶対忘れられないw。昨年末のひらりさんの舞台は、この撮影で出れなかったのね。

権力闘争の縮図とか、日本と中国の違いとか、文明社会の皮肉とか、あれこれ賢しく煩く捉えがちだが、この映画ではそんなことはどうでもいい。
真に強かった勝利者は、男でも女でもなく、若さでもない。ましてや島から出た者とも限らなかった。
はるかなる“海”に魂を宿す者。命をつむぐ者だったのだ。その瞬間、無人島は無人島で無くなるのだ。

どちらかというと女性向けの映画かもしれない。男性よりも中年女性にこそ観て頂きたい傑作だろう。
猛暑でヘトヘトになっていても、きっと元気が出てくるハズw。

観終わった後、書店で原作本を手にとって、パラパラ読みしてしまった。
原作と映画では、年齢や人数その他で設定が随分違うが、クールな生々しさは変わらない。
この調子で10月公開の『大奥』を観たらまた面白そう。あれも中年女が将軍だったら様子が違ってきたハズだw。
アニメ映画『Colorful -カラフル-』を観てきた。

死んだ“ぼく”の魂が、自殺したばかりの「小林真」という少年の体に入り込み、「真」として生きることで、様々なことが見えてきて、色々なことが代わっていく話。
アニメーション監督・原恵一の手による、最高の映像作品だった。

アニメでありながら、実写のような映像がとにかくスゴくて驚かされた。
人物の表情や動きのひとつひとつ、何気ない日常の風景や空や雲の自然、空気感に至るまでが、まるで写真の一部を切り取ったようなリアルさ。

ノスタルジーを誘う「風」など、流れる名曲が画面にもマッチして、青春時代を思い起こさせる。
世田谷の路面電車の廃線跡をたどるエピソードが秀逸だ。自分もその場にいったような気分にさせるほど、練りこまれて描かれている。鉄道マニアをも唸らせそうだ。「無くなっても、思い出すことで蘇る」というメッセージが映画本編にも繋がっている。
真の初めての友達になった早乙女くんとのエピソードも微笑ましい。カラアゲや肉まんだけで幸せになれるひと時。人間に本当に大切なものは何かを伝えてくれるようだ。
「ニコタマ」とはいうのに、「サンチャ」とはいわないのか。

だが、登場するキャラクターにはいまひとつ馴染めなかった。
小林真は考えも声も幼すぎて、とても中学3年には見えない。真役の俳優さんは声変わりしていないようで、画面から甘えっ子の印象を受ける。
母親が心をこめて一生懸命作った料理を、どんな理由があるにしろ、箸をつけない子どもは許せない。おまけに母親に対する残酷な仕打ち。この作品はいったいどこまで母親をイジめたら気がすむんだろう。
学校のイジメられっ子は、家庭ではイジメっ子になる。人を大切にしないから、自分の命も大切にできないのだ。真には最後まで寄り添えなかった。
母のことを知ってか知らずか、仮面をかぶる父親や兄も強引で傲慢だ。家族そろって食卓を囲む状態がとても空々しく不気味だった。みんな真のことを考えているようで、内面を理解しておらず、自分の気持ちを優先させる。そんな家族の食卓は偽物だろう。
過保護な母親には一番反感をもった。食事を食べないのなら、はじめから作らないほうがいい。真が残した食物は全部破棄されたんだろうか。勿体無い。オロオロと真の機嫌を伺い、お菓子を黙って食べさせ甘えさせ、真の高校まで黙って一人で見学に行ったり。余計なお世話だ。確かに負い目はあろうが、そこを開き直って、真に厳しく強く接するのが本当の母親だ。たとえそれで家庭が崩壊したとしても、子供に正直に立ち向かい貫くのが母親の覚悟だと思う。
真の家庭はきっと裕福なんだろう。食卓はいつも豪華。私立や医大に行かせるお金にも困らない。子どもにも高いシューズを買えるだけの小遣いを与える。みんなお金に困らないからこそ、心が貧しいのだろうと思う。

真のような子どもでさえ、白いところもあればピンクもあるし、黒いところもある。人は自分の中にたくさんの色をもっていて、一色や二色ではない。
世の中もそんなものだ。黒くてイヤしい色ばかりだが、賑やかで楽しい色も、優しく柔らかな色もある。黒の中にも、どす黒い色もあれば崇高な黒もある。
誰かの色と誰かの色が出遭って交じり合えば、新しいフシギな色になるんだろうか。でも自分の中に、たくさんのカラーをもっていたほうが、人生は面白くなるに違いない。

輪廻転生の話ではなく、再生の話だったのも受け入れられない。
もし20年前にこの作品を観ていたら、感動したのかもしれない。今、母親として観ると、痛くて不快に思う作品ではある。

高橋克実と麻生久美子の父母はなかなかの出来ばえ。佐野唱子役の宮崎あおいの怪演が面白い。早乙女役の入江甚儀に注目。藤原啓治、納谷六朗、矢島晶子も参加。

『ベスト・キッド』『カラフル』共にイジメられっ子の話であったが、作品的に爽快感と不快感で大きく分かれた。

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