映画『ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島』吹替え版を観てきた。

あれから数年後のイギリス。いとこの家に預けられていた兄妹が、いとこと共にナルニアの海へ導かれ、懐かしい仲間たちと再会するが、邪悪で謎めいた「霧」を追い払う冒険の旅に出る。

ペベンシー兄妹のエドマンドとルーシー、そしてナルニア国の王となったカスピアンがメインの話。
今度は海洋ファンタジー・アドベンチャーなので、お宝に海獣、大荒波に暴風に海底と、誰もが目にする海賊めいた匂いがいっぱい。
魔法の島や、ナルニア海軍の帆船「朝びらき丸」を舞台に、ナルニアの個性的キャラクターが賑やかに活躍する。

4兄弟の次男次女というのは、其々上に対してコンプレックスがあるようだ。心に潜む不安や恐れを実体化させる「霧」の魔力で、二人とも己の弱さと勇気を試されるが、具現化されるだけで思ったより迷いや葛藤が少ない。経験を積んだ二人は、既に確固とした考えで自覚と責任を持っているから、ウィークポイントが出てこない。
カスピアンも不明の父への思いはあれど、知恵と勇気を持って優しく凛々しく船員や民を導く満身創痍な王なので、これといって不備な点が見つからないのだ。男らしいしイケメンだものね。彼女や妃がいないのがフシギなくらい。
エドマンドとルーシーは1章と比べると心身ともに大きく成長していて驚く。カスピアンは既に立派な大人の構え。もう「子供たち」とは呼べないだろう。

彼らの代わりに登場するのが、エドマンドたちのいとこ・ユースチス。イジワルで傲慢で、エドマンドたちを敵対視し、ナルニアの国や民の存在も信じられず馴染めずに、反発してばかりだったイジっぱりで強情な男の子。彼が日記に書くことは、ナルニアを知らぬ普通の人間たちの見方だから、似た共鳴感さえわかせて可笑しい。
ところが彼も自業自得の行為で変貌したおかげで、早々と自分の過ちに気づいてしまう。素直さは可愛いが、人物の手ごたえ感は薄かった。

ユースチスと思わぬコンビを組まされるのが、誇り高きネズミの騎士リーピチープ。彼の存在がこの友情物語に不可欠だ。リーピの軽妙な喋りと颯爽とした動きが見どころ。リーピに支えられるドラゴンのお目目がカワイイ。大小の生き物が共闘し超越する姿こそ、ナルニアの真骨頂なのだろう。
残念ながら、アスランはここでも彼らを見守り導く役どころで出番は少ない。「アスランの国」も目的と象徴にすぎない。

今回は彼らの前に立ちはだかる「敵」が、はっきりした理由と具体的な形を伴って出現しないのが辛い。「白い魔女」さえも再現としてでしか現れない。敵が明確でないと、彼らの旅がどこか空回りに見えて、どうしても心底に共鳴できないのだ。
冒険じたいは昔ながらのワクワクドキドキ感があるが、やっぱり子ども向けを脱しない範囲。
アスランの言葉通り、今度はユースチスが彼らの跡を継ぐのだろうか。映画では彼ひとりだと心基ないので、新しい仲間が欲しいところ。

吹替え版では、ユースチスの朴路美がくそ生意気な声で周りを騒がしく彩るが、情感豊かに締めている。
3Dではなかったが、2Dで充分に愉しめる。やたら3Dにする必要はないのではないか。
映画『あしたのジョー』を観てきた。

言わずと知れた、高森朝雄・ちばてつやのボクシング漫画の金字塔の実写化。アニメはリアルタイムで観ていた。
昭和40年代。天性の才能を持つアウトロー矢吹丈と、チャンピオン級プロボクサー力石徹が、少年院での運命の出会いからライバルとして惹かれ合い、ついにプロのリングで闘うまでを描く。

漫画やアニメの名場面をいかに実写で再現できているかという点に注目。細かなエピソードや人物描写はすっ飛ばされていたが、よくもまあ上手く綺麗に纏めたなと感心する。
原作のセオリーを踏まえた構図や描写が実に上手い。巧みな陰影やSE、スローモーションやCGなど、最新の映画手法で原作の世界観を見事に表現していて成功している。顔の歪み具合なんて計算され尽くしているんだろう。

山下智久や伊勢谷友介の数ヶ月に渡るボクサー体型を見るのも楽しみのひとつ。腹筋割れや腕筋にはゾクゾク。特に減量した後ではじめて肉体をさらした力石の体は、肋骨が見えんばかりの凄まじさで、見事な再現ぶりだ。
山下くんは野性味が足りないが、後半はジョーとシンクロするように、どんどんと目付きに鋭さが出てくるのがいい。声も低く絞っている。
伊勢谷さんはさすがに芝居が上手く、ギラギラ感の中に色気が宿っていてたまらんv。力石像に厚味と膨らみを見せた。
難を言えば、二人が見せた肌がまるでギリシャ彫刻のようにとても綺麗だったこと。あの年頃の男の子ならありそうな擦り傷や引っ掻き傷が、一つもなくて肌がツルツルだったのが合点がいかない。やっぱり彼らは俳優さんなのだ。草食系男子がいきなり肉食系男子に変身すると、こうなるんだろうなというお手本かもしれない。
丈のトレーナー丹下段平の香川照之は、泥臭さが感じられ、見事な化けっぷり怪演ぶり。スパークリングの動きは、さすが本物のキャリアを見せる。丈への並々ならぬ愛情表現も可愛い。
白木葉子役の香里奈は、品と知性が感じられず、ややミスマッチ。
中野裕斗やおぐらとしひろの名前もあった。予告ナレーションをしていた東地宏樹の姿はもちろんなしw。

「打つべし打つべし打つべし」な真摯な練習や、胸に迫り来るような白熱した試合シーンでなかったのが少々残念。目を覆いたくなるような怪我や血もなかったし、ズシンとくるパンチもなかった。
バタ臭さに欠けすべてが綺麗にまとまっていて物足りなさはあったが、エンタメ性を考えれば、そして平成のジョーを描くには、これが精一杯の表現なんだろう。

昭和のトタン屋根やバラックを再現したドヤ街の雰囲気がとてもよく出ていた。まるで『焼肉ドラゴン』のような光景だ。
漫画から抜け出したような、蝿たたきのおかみさんや二つ結びの女の子など、ドヤ街に暮らす人たちもよく描けていた。
「金持ちは貧乏人を憐れむもんだろ」当時はヤクザより財閥のほうが恐い存在だったのだ。「金持ちも貧乏人もリングに上がったら関係ない」と言えるほど、金持ちと貧乏人の格差が小さい時代だった。ブルジョワとプロレタリアの対決の話でもあったのだと思い出した。
たんぽぽや紙飛行機が作品を細やかに象徴する。社会の底辺から這いつくばって必死になって生きようとするからこそ、「立て、立つんだ、ジョー!」という言葉が胸に重く響く。「あしたのために」歯を食いしばって生きるジョーの姿をもっと見たかった。
力石のグローブに触れたジョーが、「あいつ、いいグローブ使ってやがったな」と苦笑するサマを勝手に想像することにしよう。

続編や『2』は作らなくてもいい。綺麗に終わったのだから、綺麗なままの記憶で残していただきたいと思う。
劇場版『ブレイクブレイド 第五章 死線ノ涯』を観てきた。

観劇後は、映画館へ急ぐがやはり疲れる。
第四章を観た時の引換券でコースター。キャラはランダムなのか、チビホズルだった。

いったんは退却した両大隊だが、敵部隊がライガットの故郷を襲撃する報せが入る。制止を振り切って単身急行するライガットを、ボルキュスが待ち構えており、最大の危機が襲い掛かる。

ボルキュス将軍がキーマンとして目立ってから、ゼスの出番はなくなった。戦隊を指示するだけのホズルも更に出番が減ったようだし、シギュンはすっかり色物専用になった感。ライガットを入れた4人の回想シーンも印象が薄い。

いよいよ物語も佳境。第五章は戦闘シーンの比重が多く、いっそう濃厚で壮絶だ。
重厚感、スピード感、臨場感もさることながら、操縦者の表情や動きがじわじわと激しく伝わってくる。装甲がパラパラと剥れるサマや、チェーンやソードの武器使いにも注目。
ライガットとボルキュスの一騎打ちは、単に力押しやメカ能力だけでなく、戦術やかけ引きが重要なポイント。踏み留まるライガットもよくやったが、手練手管のボルキュスのほうが一歩上手だった。
保志総一朗VS.中井和哉。『戦国BASARA』テイストを反芻したくなったが、思ったより呆気ない決着ではある。

ライガットの気持ちはわかるが、故郷への突っ込みは性急過ぎる。結果的に部隊の危機を招いたし、愚の骨頂だ。
操縦者を引きずり出そうと、デルフィングの扉を開けようとする場面も、やけに間延びして引っ張ること。
ライガット救出までの指示は颯爽としてたが、その後のナルヴィの行動は油断大敵そのもの。
敵に襲撃されたナルヴィやナイルらを残して、ライガットは逃亡したジルグを追いかけていたとは。あまつさえ味方同士で戦うなんて、この危機に何をしてるんだ。
話を繋げるためとはいえ、納得いかないことが多く、イライラが募る場面が多かった。
イオの部下ニケの狂乱の顔と声がキモかったが、もう見ることはなさそう。

抜群の戦闘テクニックと残忍性を見せて、ジルグの最強さがまた浮き彫りになる。ボルキュスの興味も今やジルグだけか。
ライガットとジルグには、戦ってこそ分かり合えるものがあるのだろう。父として将軍として、バルドは圧倒的な存在だった。
矛ではなく、盾を選んだジルグの姿は、凛々しくいじらしかった。ライガット、彼の気持ちも汲んでやってくれ。

第六章『慟哭ノ砦』は3/26よりロードショー。
第一シリーズの決着となるのだろうか。
来週19日もこの映画館にこれるかな?
映画『GANTZ』を観てきた。今回はフリーチケット。

漫画原作の実写映画化で2部作。前編。
漫画は未読だが、アニメは観ていた。
アニメとキャスト変更の配信中のVOMICを見て、アニメの雰囲気が徐々に思い出される。

電車にひかれて命を落としたハズだった幼馴染みの青年二人が、黒い謎の球体「GANTZ」に呼び出され、同じような境遇の者たちと共に、異形の「星人」との戦いを強いられる。

人物の設定に変更はあれど、筋書はほぼ原作に沿っているようだ。
転送シーンや、星人のビジュアルなどが綿密に作り込まれていて、技術や美術面では見事。
原作さながらの、グロくてキモい描写にはビビるけれど、抑え気味のカラーにはしてあるようだ。女性や小中学生を意識した規制があったのだろうか。

存在感が薄いヘタレな大学生が、戦いによって見い出す己の存在意義と役割。
偽善者と言われようと、家族やか弱き者たちを守るために戦いに身を投じる苦労人。
相反する二人の友情、恋愛・家族・仲間などがあっさりと描かれているが、人間ドラマとしては消化不良気味だろう。
だが、アクション・バトル・サスペンス・ミステリー・ホラー・SF・宇宙人・怪獣(笑)お笑いと、あらゆるエンタメ要素が詰まっていて、作り方によってはいかようにも化けられる作品だ。

主演は二宮和也と松山ケンイチ。
マツケンがとにかくイイ!(^^) 外見ではなく、深いところで加藤勝のキャラクターと繋がっている。屋上で自分の身の上を語る時の、マツケンの孤高の姿と優しい眼差しにキュンキュンきたv。『デスノート』のLは頭脳戦で殆ど動かずだったが、『ガンツ』ではバリバリとアクションを披露するのも見どころ。
ニノはヘタレが似合うとはいえ、原作の玄野計とは全く違ったタイプ。ニノがやると、憎たらしくて情がわいてこない^^;。確かにアクションは頑張っていたが、やることなすこと腹黒さが目立ってしょうがないのだ。正直、ミスキャストとしかいいようがない。大人の事情で仕方ないとはいえ、玄野のイメージ的には勝地涼あたりがやってくれたらと思った。

思った以上に頑張って熱演していたのが岸本役の夏菜。憂いのある瞳も印象的。
小島役の吉高由里子の喋り方にイラっとくるが、後編に向けて出番温存といったところ。
西丈一郎役の本郷奏多の映画を観るのは『テニスの王子様』以来でw、実はこっそりお目当てだった。生意気な口調やクールで不敵な目付きにもハクがついてきた。
加藤の帰りを待つ弟・歩役の千阪健介は、『恋極星』で加藤和樹演じる颯太の幼少期を演じてた子。ちょっとの間に大きくなったな。

田口トモロヲが実直な味を出していてよい。
山田孝之は最後ちょこっとだけ。しかもキャラ名は不明のまま^^;。
田中星人ならぬ、田中星児の楽曲が流れていたのがオカシイ。

4月公開の後編はオリジナル展開だとか。原作未読者にはありがたい。
後編予告を観たら、完璧な答えを知りたくなってきた。
『テレビまんが 昭和物語 劇場版』を観てきた。
今年はじめに4話が先行放送されたテレビアニメの映画版。

昭和39年の高度成長期の日本の風景を舞台に、小学6年生の次男・山崎公平を中心に、町工場を営む家族と関わる人たちを描く。
劇場版では、昭和38年の大晦日から昭和39年のオリンピック開催までが舞台。

『ALWAYS 三丁目の夕日』に出てきた鈴木一家のような、工場と家庭が同じ敷地内にある家族設定。
テレビとは違った切り口で、テレビの登場人物とは印象が少々違う。テレビの公平くんはもっと我が儘だったし、長女の裕子はもっと良い娘だったし、長男の太一はもう少し素直だったw。映画では短気で頑固な父親だが、ちゃぶ台をひっくり返すまではいかず、意外と気が小さい。しっかり者で優しい母親は、ここぞという時に手をあげる。口煩いけど飄々とした祖母の体は大丈夫かな。
賑やかな家族の絆を支えているのが従業員のゴローさんや隣の良さんで、二人の存在は不可欠である。

シニア・団塊世代をターゲットにしているそうで、台詞や映像はゆったりと綺麗で分り易い作り。
「みゆき族」とか言葉は知ってても意味が分らないこともあるので、本編での説明が少々必要かもしれない。
ストーリーそのものは現代でもある普遍的なもの。父と息子が進路で衝突したり、娘が悪い男に騙されたり非行に走ったり、息子が野球が好きで友情を育んだり。どれも騒動に違いないが、現代と比べて切羽詰った感や緊迫感がないのが羨ましい。
当時はパソコンや携帯がなかったのが、かえって幸いしたのだろう。
旋盤工を営む父親だが、新幹線のブレーキの部品や、オリンピックの聖火台の部品にも携わったとわかる。“ものをつくる”大切さと誇りが生まれる日本の時代が羨ましい。

テレビ版では数々の挿入歌が懐かしかったが、劇場版ではあまり音楽を感じさせなかった。
東海道新幹線、モノレールや羽田空港が出てくるが、誰もがテレビを通して身近に感じた東京オリンピックに、こちらまでワクワクしてしまう話だった。

松本保典の逞しい父親ぶり、玉川砂記子の柔らかな母親ぶりがハマる。
京田尚子、塚田正昭、高木渉が脇をしめて好演。福圓美里、青木誠が繊細に演じる。
千葉翔也が頑張っている。吉野裕行が甘い色男ぶり。

テレビアニメ全13話は、4月より本放送予定。
『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕』&初日舞台挨拶を観てきた。

入場プレゼントは早くも海賊野郎w。
舞台挨拶回はさすがに即完売だった模様。

スーパー戦隊“VS”シリーズ最新作。
外道に堕ちたシンケンレッドを救うため、敵の野望を打ち砕くため、ゴセイジャーとシンケンジャーが心を一つにして立ち向かう話。

“護星天使”の前に突然現れた“侍”たち。
「ここにおわしますのは…」が、じいから飛び出して笑い。
ゴセイジャーの天装術と、シンケンジャーのモヂカラを合わせた協力な技。属性同士だとそういう組み合わせになるか。“ブルー”は一緒、ハイドと流ノ介って背格好もソックリだ。
戦闘では、ブルー同士、ピンク同士、イエロー同士、ブラック&グリーンはいいとして、ゴセイナイト&ゴールドがなにげに面白い。
外道シンケンレッド、つえぇ~!
レッド同士が戦うのは、『シンケンVSゴーオン』でもあってもはや常道かな。
新戦隊も顔見世。あの野性味はちょっとガラがワルくて好きかもw。海賊版にビックリな懐かしさ(^o^)。何でもアリだな~w。

アラタが率先して、「諦めない」心で結ばれた天使と侍が一丸となって立ち向かう。
これでもかこれでもかと引き摺ってのビックリ箱状態w。
でもこの作品の最大の立役者は、血祭のブレドラン! ブレドランがいないと始まらないw。
「シンケンレッドは貰った」いや~、腐女子が憧れる究極の攻め言葉だわw。
「なんだ!あの化け者は!?」確かにあれはバケモノw。
最後の最後まで絶対に諦めなかったブレドラン、アッパレ!\(^o^)/

血祭のブレドランの声で飛田展男の出番がいっぱい!(^^) 過去のブレドランの声も味わえる。
マダコダマの声で玄田哲章。こちらもねばっこく登場。
小西克幸、宮田幸季に加え、ダイゴヨウの遠近孝一の声も懐かしい。
新登場で、モパイレーツの声で関智一の名前が。番宣の声は確か古谷徹だった気がするが。

エンディングの映像が遊び心満載で、愉快痛快でとにかく笑える。
超スピードだったので、エンディングも目当てにもう1回観たいかもw。


上映後、初日舞台挨拶。MCは寺迫麿さん。
向かって左がゴセイジャー組の5人、右がシンケンジャー組の6人。シンケン組には特に拍手や歓声が多く相変わらずの人気ぶり。加えて伊吹吾郎さんも来てくれて、「じい」「じい」と歓声。

中央にレッド2人が並ぶが、千葉くんが話す度に、隣の松坂くんがニッコリと熱~い眼差しで見つめていたのが印象的w。この二人は一応同学年だっけ。
頑張ったことは?の質問。殿と二人のシーンが多く、「身長差があるので、首を持ち上げるのを頑張りました」と千葉くんw。「楽しかったですか?」と千葉くんが訊くと、「もちろん」と松坂くんが低い声で答えて微笑ましい。
ピンクのさとうさんはマコちゃんとの絡みシーンで頑張ったが、「ちょっとウザかった」と高梨さんw。
浜尾くんは「天装術に文字を書くシーンで、ことはと…」、にわさんは「ことははゴセイジャーにいないタイプ」と、何かとヤリダマにあがっていたことは。森田さんが「イライラから現場で徐々に慣れて仲良くなりました」と可愛く弁明w。
ゴセイ組は其々自分のカラーを交えての服装だが、小野くんだけがひとり半袖でブルーっ気なし。千葉くんからは「寒くない?」、相葉くんからも「キバりすぎだよ」(笑)なんて声も。小野くんは「流ノ介と絡むシーン」で、「とにかくパワフルでアドリブがスゴクてw、食らいついていけるように頑張りました」という。「撮影が夏だったので暑かった」とも話すが、それを引き摺っての半袖か?とツッコミの声w。

松坂くんは「変身解除して、集まってくれたみんなの顔がニヤついていたので、ついニヤニヤしてしまった」という。即座に隣の相葉くんが「俺の膝の上でね」(笑)。殿にかけつけていくみんなの順番も実は見どころだった、と麿さん。
相葉くんは「ゴセイのみんなを引っ掻き回した」「初期の流ノ介みたいだった」と役どころを話し、千葉くんからは「元気を貰いました」。結構カットされてる場面もあったとかで、会場からの「見たい~!」の声に、相葉くんまで「見よう!」。でも「心で想像して」と後付けw。
高梨さんは「2年前と比べて、みんな大人になったな」と。勝吾くんは「衣装合わせの前からはしゃいでいた」。森田さんは「楽しいことを忘れてしまった」。圭祐くんは「プリキュア言ってたのに大人になって」と、とにかく懐かしさと嬉しさで感無量な感じ。
Wラインハルトな松坂くんと相葉くんは別としてw。勝吾くんと圭祐くんが洗練されてかなりイケメンになっていた(^^)。高梨さんは色っぽさが増し、森田さんも大きくなったというか綺麗になった。松坂くんはシンケン仲間の言葉にやたらツッコミを入れて、相葉くんや勝吾くんを親しげに「おまえ」呼びw。相葉くんも賑やかなムードメーカーぶりを発揮。

伊吹さんは「じいじゃなく、じじいですが」と挨拶し、オンエア中の思い出やDVDから映画になって、「もうこれで終わりかなと、一抹の寂しさですが、また別の形で会えるかなと」としみじみと語ってくれた。

フォトセッション。“満員御礼”の垂れ幕を後方のメンバーが持ち、前方のメンバーは“祝”の巨大喉飴を持って並ぶ。ムービーでは手を振る皆さん。
飴のプレゼント。バスケットからみんなが飴を投げ入れるが、バラツキがあり過ぎ。私の前列の2人が拾っていた。

最後に松坂くんと千葉くんが挨拶。
最後まで侍を全うしたシンケンジャー。最終回まで護星天使の誇りを大切にするゴセイジャー。
約40分間もあり、観客もキャストも笑顔でキラキラした楽しいひと時だった。


来週は新しいスーパー戦隊のプレミア発表会。続いてGロッソで、ゴセイジャーショー第4弾。
この1ヶ月は私の中で戦隊祭り。
映画『アンストッパブル』を観てきた。

危険物質を積んだ無人の暴走列車を止めるべく、様々な人たちが立ち向かっていく話。
実際にあった鉄道事故を軸に、実話からインスピレーションを得て作られたという。

90分の中にあらゆることが凝縮され取り込まれた濃厚な作品。迫力と圧巻の映像で、息をのみながら見入って面白かった。
登場人物に感情移入させながら、列車を止めようとする光景を臨場感を伴って追いかけ、その様子をまた映像中継で一般人と共に見守らせるという、三重構造の仕掛けが巧みだ。
近遠メリハリのあるカメラワーク、シャープで力強い編集と、熟練したスタッフの職人技を感じさせ、キャストの熱演がドラマを熱くさせる。
安心して気持ちを奮起させる佳作に、久々にめぐり逢えた。

暴走列車は太い骨組みではあるけれど、本当は人間同士の「連結」や「牽引」を描いた人間ドラマだったと思う。
ベテラン機関士と若い車掌が反発し合いながら、互いに自分のことを語って協力し合っていく様子。操車場長の女性との緊迫したやり取り。助け舟を出す仲間。助言する鉄道局職員。二人の危機を見守りながら、励ましと祈りを捧げる身内。すべてが繋がり協力し合ってこそ、成し遂げられる大作業。「あきらめるな!」の大きな掛け声が、そのまま人生の指針となっていく。
もうひとつの注目は、老人と若者との「連結」だろう。クビを通告される老兵が、半端な気持ちで仕事につく新兵を、理屈ではなく身体をはって忠告し指導していく。どちらかが動けなくなった時は、若者と老人がフォローし合っていく。そんな二人の姿に胸がすく思いだ。
子どもたちが列車内で言ってた通り、社会で大切なのは「正確さ」。どんな仕事でもどのような職人でも、この「正確さ」を忘れてはいけないという教訓にもなった。
人が起した事故ではあったけれど、警備員のメタボが最大の要因w。鉄道会社はこれを機に太った者は雇わないほうがベターかも。尤も、ゴルフをやってた社長は論外だけど。

デンゼル・ワシントンは、さすがの渋さで凛々しく、笑顔が愛嬌たっぷり。
2009年の『スター・トレック』でカークを演じたクリス・パインは、沈んだ顔はいまいちだが、はにかんだ笑顔が可愛い。
後半、列車が加速し危険も倍増するに連れて、二人の顔になぜか笑みが出てくるのが印象的だった。家族のヒーローは、笑顔が一番相応しい。
映画『装甲騎兵ボトムズ 孤影再び』の2回目を観てきた。
前売券をしっかり消化。
入場プレゼントのフィルム栞は、テイタニアにステビア、キリコもいてラッキーv。

1時間の中に、ギュっと内容が深く濃く凝縮され、キリコの魅力がさく裂した作品である。
池田成の脚本や絵コンテも秀逸だが、演出も優れているなぁと実感。
『ペールゼン・ファイルズ』や『幻影編』と比べて、キリコが一番TVシリーズの雰囲気のままのキリコになっている。

おべんちゃらを言うキリコv。年増女に「変わってない」は一種の殺し文句なのを、キリコは気づいてないで言ってるのか?w でも私もココナだったら、娘を盾にして声だけでキリコに言葉をかけると思う。女心が分っている設定だな~。
キリコの飲む赤ワイン(「砂漠の赤いバラ(仮名)」)も、いっそ商品化したら売れるかもしれない。
今回のキリコの表情で一番好きなのは、バニラを殴った時の横顔w。あのクールな目元と口元がたまらんv。
戦闘シーンが半端なく凄い。前2作の『ケース;アービン』や『ボトムズファインダー』なんか、子ども騙しに見えるほど。これが本物のボトムズだ!という迫力と臨場感たっぷりだ。その中でキリコの卓越した戦闘能力と戦闘センスをこれでもかと見せ付けられる。あらためて人間離れしたキリコの凄さを味わうのだ。

舞台となった砂漠に円形劇場跡。昔行ったトルコやヨルダンの地を思い出させて甘酸っぱい気分にさせた。
長女ステビアは、髪は母譲りだが、性格は父親似なんだろうな。次男ソルティオは髪は父譲りで、性格は母親似かもしれん。他の兄弟たちもアニメで見たかった。
原作でファンの反感を買った(?)キーマンのギャッシルマンは、アニメではただの胡散臭いイヤな奴という薄い印象。
「戦え」「戦え」に反発した修行僧たちのビジュアルが、『とある魔術…』の尼僧たちに似ていたw。
郷田ほづみ、松岡洋子、富田耕正、千葉繁、川浪葉子ら、お馴染みの面子が世界観を継承する。
ステビアの桑島法子がナレーションの中でキリコを想う。陶山章央、櫻井孝宏らの新参者に、國府田マリ子ら懐かしい面々も華を添える。

去年5月の六本木の夜に宇宙カプセルの光を見たから、なおさらキリコがこのグルフェーに降り立った意味が分り得る。
宇宙を漂い続ける愛する女。だがキリコの目の前にいる女は、瀕死の中でキリコに愛を注ごうとしている。今は、眠り姫よりも、生を全うする女を選んだキリコ。やっと心を通わせ抱き締め合った二人の姿に、胸がじくじくと痛み涙ぐんだ(;_;)。
戦いたくはない…だが戦わないと生きられない宿命(さだめ)。
哀しくも切ない、大人のラブストーリーだった。
キリコを捜し求めるテイタニアのエンディングが柔らかな余韻をそそる。

さあ、この後『幻影編』を再び観ていこうっと。
映画『装甲騎兵ボトムズ 孤影再び』&初日舞台挨拶を観てきた。
3人の監督による新作【ボトムズフェスティバル】の最終章! ミニクリアファイルも3枚集めたw。

1983年のTVアニメ『装甲騎兵ボトムズ』から続いたシリーズで、1994年のOVA『赫奕たる異端』の後日談となる作品。
あれから32年。家庭をもったバニラとココナが暮らすグルフェーの地に、キリコが突如として現れ、メルキア軍の黒い稲妻旅団とマーティアルとの三つ巴の戦いが始まる。
高橋良輔監督が書かれた小説版とは、だいぶ脚色はされている。

懐かしい音楽とBGM、懐かしいレギュラーキャラと新キャラ。
フィアナのフォローと、テイタニアとの決着。
滑らかでスピード感と迫力のあるバトルアクション。
戦いで浮き彫りになるキリコの圧倒的な強さ。寡黙でストイックなキリコが、ふと見せる優しさと追い求める愛。

キリコに焦がれる3人の女といった様相だった。
キリコをあたたかく見守る女。キリコに嫌悪と憧れを抱く女。キリコを憎み追いかけ想う女。
そしてもの言わず永遠に愛する女。
噴煙の中に切ない愛とロマンがいっぱい詰っていて、ジンと胸に残った。

先の2作『ケース;アービン』と『ボトムズファインダー』が、若々しくひたむきな情熱と勢いを持つものなら、『孤影再び』はまさに大人のアニメ。リアルな歳月を伴った乾いた土壌の中で、決して燃え尽きない忍耐強い愛情を感じさせるドラマだろう。


上映後、舞台挨拶。
『ケース;アービン』『ファインダー』と徐々に会場が狭くなり登壇者の人数も少なくなるw。
登壇者は、郷田ほづみ(キリコ・キュービィー役)高橋良輔監督。司会は小林氏。

郷田さんは「今、裏でナマアフレコしてきました」と早速新年のジョークを一発!w
高橋監督はあいにく風邪気味だが、薬を飲む前に「お腹がすいた」と穏やかな笑顔。
TVシリーズが終了して28年。ペールゼンファイルズ→孤影→幻影と時系列通りに収録された郷田さんだが、「そろそろボトムズの時代が来たなと!」と嬉しそう。ただ、キリコと違って自分は順当に歳を取ってしまったので、「他のキャストが共に歳を取ったキャラを演じるのが羨ましかった」という。尤も富田さんは昔からあんな感じだったと(笑)。

TVシリーズ当時は52本の企画で、その先があるとは考えられなかったので、「今も続いているボトムズは非常に幸せな作品」と振り返る高橋監督。長く続いたことについて、「スタッフやキャストが殆ど代わっていない」と吉川さんや塩山さんや大河原さんのことを挙げ、「キャストが歳をとっても本質は変わらないので安心感がある」とココナ役の川浪さんの美しさを挙げた。
思い入れがあって、自身もキリコファンだと言う郷田さんは「長く続けていられるのが嬉しい」と話す。キリコの本質について「男が見ても憧れる男」といい、今回のココナたちと再会するシーンやバニラとのシーンもキリコだなと見どころを語る。

TETSUさんの曲、塩山さんイラストのエンディングについて。テイタニアの物語の完結で話の中心なのでと理由を述べ、「テイタニアに対する鎮魂歌」と監督。キリコが二股にならないように、キリコの優しさを出したという。
宇宙を飛んでるモノについては、「考えが纏まったので、あとはチャンスがあったら」と次作への含みをもたせると、会場から拍手が起きた。ファンがスタッフに圧力をかけて実現もありか!?

抽選会。箱から引いた紙の番号を読むため、眼鏡を取り出す監督の仕草がキュート。「H列」に「私みたいだな」と言う監督と、「H列をひきたくない」と言う郷田さんw。
フォトセッションもあり。
プチ情報。1/16の大河原さんのサイン会。1/11に高橋監督Webラジオどきゅあに。ボトムズが「スパロボ」初参戦、何十メートルの相手にどう戦うのか!?w
最後にメッセージ。「今年一年お元気で」「応援よろしく」と監督。「若いファンを連れてきてくれて布教して貰えて嬉しい」「またお会いできますように」と郷田さん。
約30分、楽しく充実したひと時だった。
郷田さん、最初のほうで隣のHさんと私に気づいて下さった(*^。^*)。

前売券があるのであと1回観る予定。できれば『ANIME FES.』と同じ日にしたいけど。
映画『シュレック フォーエバー』2D吹替え版を観てきた。
今年初の映画鑑賞にぴったりの作品だ。

シリーズ最終章。『シュレック3』を観てから、丁度3年6ヶ月ぶりとなる。
最愛の家族と幸せに暮らしていたシュラックだが、魔法使いに騙されて契約し、存在を消されたパラレルワールドに飛ばされてしまう。契約を無効にするため、何としても愛する人とのキスにこぎつけようと、新しい仲間たちの協力を得て奮闘する話。

“おとぎ話”のエンディングによくある、「いつまでも幸せに暮らしました」の顛末を、リアルに情感豊かに描ききる、ファミリー冒険ファンタジー。
愛する妻にはこき使われ、手のかかる子供たちには翻弄され、世間の好奇の目に晒されてと、シュレックの生活は毎日気の休まることがない。疲れて自由気ままな生活を求める姿は、まさに中年男の悲哀そのもの。酒の酔いも手伝って、深く考えもせず契約してしまうシュレックは浅はかであるが、シビアで滑稽で憎めない。
よくあるタイムパラドックスネタだが、シュレックがもう一度出会いや関係をやり直し、他者と着実に積み上げていく生き様が心地良い。ドンキーやネコとの友情、再会したフィオナとのときめき。そこには青春よもう一度!のドリームが詰っている。
父親となったシュレック自身も成長している。己の間違いにすぐ気づき、忍耐強くタフに繊細に物事を進めていく。自分の身を投げ出して仲間を救おうともする。シュレックのそんな真摯な逞しさが、映画の魅力とも重なっている。
失ってはじめて気づく本当に大切なもの。本当の愛が宿っているキス。本当に得がたい友情。“幸せ”のありがたみに気づける感動作だった。

今回の濱田雅功@シュレックは包容力と男っぽさが加わり、藤原紀香@フィオナは色っぽさの中に気高さが入る。シュレックとフィオナとの格闘やダンスが見どころの一つ。
今回の山寺宏一@ドンキーは、気弱さから賢さへと変化。歌では相変わらず目立って楽しそう。
竹中直人@長ぐつをはいた猫は、メタボな体型と共に声も太めな感。ウルウルお目目の愛くるしさは健在。
悪党ランプルスティルスキン@劇団ひとりがクセのある声で熱演。バージョン鬘が可笑しい。

お目当ての飛田展男@ピノキオは、のっけから強気で登場、歌を唄ったり鼻が伸びたりと、ちょこちょこブラックな出番があって注目。
お馴染みクッキーマンは小技なアクション、三匹の子豚は食っちゃね、ガチョウは優雅に騒がしくと、いつもと違った姿が見られる。
新キャラでは魔女たちが煩くてウザイ。ハーメルンの笛吹き男は声なし。フィオナの部下で屈強の男の声が玄田哲章。

懐かしの音楽をはじめ、『オズの魔法使い』など伝説作品のオマージュも見られて、丹念に拘った作りが伺える。
ラストのシャンデリアや縄のアクションなど、3Dならばより楽しめそうなシーンも盛り込まれている。
3作目の時に次は原点にかえった作品を望みたいと書いたが、今回はまさに原点にかえったような筋書きとテーマで、最後を飾るに相応しい出来栄えとなった。
映画『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』を観てきた。

これが今年最後の映画になるかな。何としても年内に観たかった。
都内では今のところココでしかやっておらず、師走というのに2階席まで満員状態。
あらためて根強い人気のほどを確認。
私は12月の舞台版で火がつき、MXTVの再放送で見直し、前日の最終回を待って映画になだれ込んだので、ファンというにはおこがましい。

TVアニメ『Dead Aggressor』視聴者を前提にしての初の劇場版。6年の歳月を経て作られるというのも、12月公開というのも運命的だなと思う。
切なく辛く息苦しい話が続いたTVアニメだったが、最終回は何らかの希望が提示されて後味は悪くなかった。だが“蒼穹作戦”によって真壁一騎の視力は失われ、“同化現象”が進行した皆城総士の肉体は消滅し、実は何も解決していなかったのだ。
劇場版では、それらの問題にようやく決着がつき、新たな希望を呼び起こすような話で、ファンならずとも納得したのではないだろうか。

2年間の歳月は、何も変わらないようでいて、様々な変化と成長を促した。
人類軍は相変わらず戦いに戦いを重ね、アルヴィスに再び危機を運んでくる。新たなファフナー搭乗者として選ばれた後輩たち4人が戦闘を通じて徐々に逞しくなっていく様子や、彼らの意識を高めさせる剣司や真矢たちの成長ぶりが眩しい。咲良も戦線復帰できるほどに回復。カノンは髪が伸びて積極性が増したようだ。
だが一番注目させたのが、故・道生と弓子の子供・日野美羽の存在。2歳といえば片言の会話ができる年。彼女が希望のひとつになる。
島の人たちを丁寧に掘り下げ、新しい群像劇として刻み付けた人間ドラマは変わらない。

一騎が総士の導きで、無人潜水艦の中で人型を見つけた時は、『ボトムズ』のキリコとファントムの出会いのような運命を感じた。新キャラクターの名前・来主操というのが、何となく渚カヲルの名と波長が似ている気がするw。
操が提示したのは無条件降伏。操とあくまで“対話”を貫き、彼の考えを変えようと粘る一騎。その間にも、フェストゥムは新たな形で現れたり攻撃したり、島の防衛で戦いが繰り広げられたり、島のコアが成長期に入り不安定になったり、史彦たちがその後遺症を発症したりと、これでもかこれでもかと辛く哀しい試練が島を襲い続ける。
とにかく超スピードの迫力で目まぐるしく展開していき、話に追いついていくのに精一杯。場面が飛ぶので、どこか端折ってあるのかとさえ思いたくなる。劇場で一気に集中させる効果はあるが、本来ならTVの1クールぐらいで放送して貰いたいほど情報量が多く密度が濃い。キャラクターにももう少し感情移入できただろう。
おそらく1度観ただけではすぐに理解できない。2度3度観てこそ味わえる内容だろう。

操の心を開かせ叫ばせた、一騎の“対話”の粘り勝ちといえようか。再稿に再稿を重ねたという冲方丁の脚本には愛情と情熱がほとばしっており、平井久司たちスタッフの結集と渾身の力がひとつひとつの画から生き生きと迫ってくるようだ。
登場人物のみならず、作り手も観るほうも待ち望んでいた“蒼穹”の美しさが、ようやく再び叶えられたと思う。
angelaの主題歌「蒼穹」はラストに相応しい盛り上がり。挿入歌「さよならの時くらい微笑んで」はTV版を思い出させる曲。

一騎役の石井真はひたむきな演技の中、いい意味での余裕や信念を感じさせる。
総士役の喜安浩平は出番に比べて存在感がある。操役の木村良平は純真さを打ち出した。
真矢役の松本まりか、乙姫役の仲西環が、TV版よりもしっかりした演技になっていた。
白石稔、篠原恵美、葛城七穂ら、舞台版キャストも健在。
TV版に続き、田中正彦、土師孝也などベテラン陣が支える。
てらそままさきが元・人類軍のイアン役で参戦、葛城さんとはあまり絡まないが、『ER』をちょっこし思い出させた。

25日より池袋スタンプラリー開催中。パセラのカラオケを利用しないと押せないのが難^^;。
映画『トロン:レガシー』3D吹替え版を観てきた。

父が謎の失踪を遂げてから20年。父のメッセージを追いかけて、父の作ったコンピューター・システムの世界に迷い込んだ息子が、独裁者らに命を狙われながら、謎の美女の助けを受けて、この世界の壮絶な秘密を知っていく話。

20年前の前作を観ていなかったので、コンピューター内の用語や難解な言葉に手間取ったが、何とか付いていける世界観。
人間のデジタル化にプログラム、電脳空間や仮想空間の世界などは、アニメでは珍しくないので、過去の様々な作品の記憶を手繰り寄せながら観た。
現実世界など作品の3分の1ぐらいは2Dで、コンピューター世界になると3Dになる。『アバター』と比べると、自然でリアルな奥行きと質感で目を疲れさせず、3D技術の進化が感じられる。
別世界のような冷たく無機質な画面と、破壊された時の滴や飛沫のような物体、疾走するライトサイクルや飛行マシンの長い軌跡など、目を瞠るような美しい映像の数々が新鮮に映る。確かにこれは大画面で観るに値する。

ただし描かれているストーリーは、アドベンチャーの中で生まれる「父と息子の絆」という、ごくごく普通の人間ドラマ。バディものとしても『スター・ウォーズ』や『インディー・ジョーンズ』などと変わりない内容だ。
普遍的な物語だけに、苦難の末に息子が本当の父親と再会した場面は胸にぐっときた。侘びを入れながら手を広げて息子を抱き寄せる父、頑なだった心が溶けていく息子。20年の歳月はこんなにも人の心を包容力に変えていくのだ。
父ケヴィンが作り出したプログラムのクルーは、かつての野望多き若い頃の自分の姿。過去の自分と対峙するという設定もよくある話だ。息子サムが27歳にもなって恋人がいなかったり、やんちゃをしている様子を聴きながら、きっと若い頃の自分と重ねて眩しく思ったのだろう。ケヴィンは20年をかけてようやく“完璧”よりも大切なことを知った。アイソウという“命”と、息子や人々への“愛情”を命がけで守ろうとしたのだ。
バトンにディスクにソードと単純な言葉が盛り込まれ、いかにも日本人ウケしそうな感動ものではある。本編にはケヴィンが坐禅で瞑想したり囲碁をする場面や和風衣装を着る姿があったが、近未来の世界の中に東洋の思想が息づいているのが興味深い。

ジェフ・ブリッジスのクルーにはCGも使われているそうだが、一人二役も新しい時代になったものだ。
ギャレット・ヘドランドは『トロイ』から随分と男っぽく成長した。
美女クオラが思ったよりも情があって良い娘でチャーミング。オリヴィア・ワイルドのキツすぎない色気がまたいい。
ブルース・ボックスレイトナーのアランの出番は少なかったが、これは前作で補完しなくてはならないかな。タイトルになっている肝心のトロンの出番がこれまた少ない。
マイケル・シーンのズースに、中川晃教の天主サマを重ねてしまった。そういやクルーって『ふしぎ遊戯』の心宿みたいな野郎だったな。

吹替え版では、サム@平川大輔とアラン@大塚芳忠のやり取りに『ロード・オブ・ザ・リング』を重ねてニンマリ。10年前と比べると、平川さんも男っぽく骨太な役をこなせるようになった。
ケヴィン&クルーの磯部勉は、ケヴィンの若い頃も含めて、演じ分けが大変だったに違いない。
クオラの小松由佳がキュートで爽やか。桐本琢也や咲野俊介が楽しそうに脇を固めて頼もしい。

クオラと共に朝日を追いかけるサムの姿は、続編を期待させるノリ。個性的なキャラを挿入させたり、もう少しひねったストーリーにすれば、もっと楽しませてくれるだろう。
そうはいってもディズニーだし、限界があるかな。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』新作の3D予告が愉しい。
映画『最後の忠臣蔵』を観てきた。
年内までにどうしても観たかった、2010年最後の時代劇となろう。

討入りから16年間、名誉の死を許されなかった二人のうち、内蔵助の忘れ形見を密かに育てあげていた武士の生き様を描く。

大石内蔵助もつくづく罪なヤツよのう。この時代に「生きよ」「守れよ」と臣下たちに、さも普通に命ずるのだから。
「真実を後世に伝え、浪士の遺族に金子を与えて援助する」使命を果たした吉右衛門の大変さや苦労が偲ばれるが、ここで描かれるのは始めのほうだけで、彼は見守る立場に徹する。
内蔵助の妾の子を誕生させ、16年間密かに育てる密命をやり抜いた孫左衛門がメイン。同じ“使命”でも、汚名を負いながら、誰にも悟られず見つからずにひっそりと守り抜く“密命”のほうが、より重かったというべきなのか。

美しく成長した可音と50を過ぎた孫左は、まるでツンデレお姫様とサムライ執事の関係! サムライ執事、いいね。可音の足の指先を孫左が丁寧に洗う様子がイイね。
決して、育ての父と義理の娘の関係にならないのがいい。現代なら父として育ててもいいところを、あくまで主君の娘で自分は使えて教え育てる立場なのを崩さない。
でも『あしながおじさん』ならぬ、可音の心には淡い恋心が宿り、それを必死で否定する孫左であったり、自分の身分や立場が分った後は恋心を抑えて他家へ嫁ぐ決心をする健気なお嬢様と、ひたすら主の幸せを願う執事。

観る前は、吉右と孫左の二本柱によるもっと骨太で男っぽい話を予想していたが、まるで少女漫画のラブ・ストーリーのような展開になってきたので少々苦笑。でもこうなると先の展開が読めてしまうのが困る。最後のほうも“侍”と“使命”を全うした終わり方で、予想通りで味気なかった。
でも可音が嫁ぐ時に、孫左に「抱いて」とねだり、体を預ける場面では、何ともいえない温かさが込み上げて涙が流れた(;_;)。人間の“愛情”が静かにじんわりと伝わるような作品だ。

役所広司は人間味あふれる表情と、信念の篭った渋い佇まいが素晴らしい。花嫁ににっこりと微笑む顔が何て愛らしいこと。
佐藤浩一は孫左と比べると若々しく快活に見え、引き締まった姿が美しい。
久々の安田成実は細い身体の中にほんのりと情熱を秘める。桜庭ななみは滑舌が気になったが、やんちゃさと落ち着きをバランスよく魅せる。

ただ、気になった面もあれこれあり。
孫左を「不忠義者」と罵り足蹴にする者たちが、どこまで忠義だったのかが描かれてないから、単なるイジメに見えて納得性に欠く。
清純な大人に見えていたゆうが、枕を二つ並べて用意していたのにも苦笑。嫁ぐ日を待ちわびていたようで、意外とヤりたい狡猾な女だったのかと。
合間に何度も入る人形浄瑠璃は、話と話のクッションにはなるが、曽根崎心中の演目はこの話の筋とは絡まっていないように思えてつまらない。
花嫁の輿入れに次々と集まってくる元家臣たちに苦笑。輿入れの時間にも遅れてしまうw。これで孫左の苦労も報われて思い残すことはなかろうと、感動させるには充分だが、あまりにもわざとらしい。

人の噂も85日というが、16年経つと、赤穂浪士たちへの見方がこうも好感されるとは、「時代」の恐ろしさと「人」のしたたかさをあらためて感じた次第。
「侍」の使命を全うするという意味では、壮絶な終わり方であり感動を呼ぶだろうが、心情的にはやはり理解できなかった。
出てくる人たちがみんな良い人すぎて、上手くいきすぎるのもつまらなくさせている。
感動はほんのりできたが、『十三人の刺客』のほうが作品的には面白かった。あちらの生き残り組の人生はどうなったのだろう。
『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE』&初日舞台挨拶を観てきた。

入場プレゼントはオーズ&Wのカード。
舞台は近いけど、映画はちょっぴり観辛い最前。

去年好評だった、2大ライダーのタッグバトル『MOVIE大戦』シリーズ第2弾。
今回も豪華3編構成で、スタート前はいちいちザッバーン!映像。

『仮面ライダースカル メッセージforダブル』
結婚前の亜樹子が戦いに巻き込まれ、父・鳴海荘吉の過去を垣間見る。風都で最初に起きたドーパント事件と仮面ライダースカル出生の秘密が明かされる。
仮面ライダーアレルギーって、蕁麻疹とかできるのかな。子ども版亜樹子がソックリ。
仮面ライダースカルと荘吉がシンクロする映像が面白い。スカル自ら罪を数え、「さぁ、お前の罪を数えろ」の意味をやっと理解w。でも荘吉って妻子がいるのに、周囲に女の匂いがいっぱいw。荘吉の葛藤や信念が貫かれ、吉川晃司が渋く熱演。
マツというと“トミーとマツ”が思い出されるw。バットにスパイダーが登場。最愛の人に触れると爆発するというスパイダーの能力は厄介。しかも倒した後も効力が生きるって!?^^;
キーマンのメリッサの描かれ方が不十分でモヤモヤ感^^;。二股をかけていたのか!? 荘吉を責める理由がわからない。

『仮面ライダーオーズ ノブナガの欲望』
鴻上ファウンデーションにより、ホムンクルスとして蘇生したノブナガ。青年姿のノブナガは火野映司との出会い後、グリードとして犯罪を重ねながらどんどんのし上がるが、オーズとの対決が待つ。
ノブナガに最初に優しく衣食住を与えてくれたのが映司だったから、親鳥の効果が残っていたのだろうか。映司とノブくんのお揃いのパンツがカワイイ。渡部秀と大口兼悟って10歳違いなのに同年代に見えちゃうw。兼悟の乳首もサービスかなv。
あれよあれよという間に、出世街道まっしぐらのノブくん。兼悟の「変身」がついに聞けた!これで兼悟も立派な仮面ライダーの一員v。でもノブナガ新ライダーの出番が1回だけなんて。新コンボや新フォームも登場するが駆け足な展開。
こちらもキーマンのノブナガの描かれ方が中途半端^^;。欲望の中で“愛”を知ったのか!? 心の動きが伝わらず、唐突にファンタジーになり、綺麗過ぎるラストに呆然^^;。

『MOVIE大戦CORE』
ガイアメモリとコアメダルと過去の仮面ライダーの記憶を持ち誕生した巨大な仮面ライダーコアを倒すため、Wとオーズが地球の中心“コア”へと突入する。
映司と翔太郎が会うのは2回目だったっけ。後藤まで知ってるのか。仮面ライダーバースが先行登場するも何故かみんなスルー^^;。完全フルCGのライダーの声は立木文彦。でも仮面ライダーコアの正体も本拠地もいまいち謎のままで、どんどん進行。
濃厚な迫力だったが、煙に巻かれたようにあっけなく終結。Wサイドのキャラが目立っていた。アンクやウヴァたちグリードの出番は少なし。

大黒摩季と吉川晃司のユニットが歌う主題歌「HEART・BREAKER」はカッコイー。
アイデアやキャラクターは面白いが、脚本の練り不足が感じられ、いまひとつ爽快感に欠ける話だった。

最後の最後に、【仮面ライダー生誕40周年記念映画】の予告映像。
仮面ライダー1号から始まって、電王とオーズがデカイ。デンライナーで振り返る歴代ライダーということかな。昨日観た『アニメ店長』の内容がチラつき、「行くぜ行くぜ行くぜ」の声が聞こえてきそうw。来年4月1日公開。


上映後、舞台挨拶。
登壇者は、田崎竜太(監督)渡部秀(火野映司役)三浦涼介(アンク役)高田里穂(泉比奈役)大口兼悟(ノブナガ役)。W組は別劇場から回り、有楽町で合流するのかな。
『広島に原爆を落とす日』以来のナマ兼悟がすっごく近いv。オーズ・キャストを観るのも初めてだものね。

お客さんがすっごくノリノリで、「エイジー」「アンクー」「りほちゃ~ん」と子供たちからも声援が飛びまくる。
三浦くんが「アンクって、この格好で分りますかね?」と言ってたが、お手製の腕アンクを付けてたお子様もいっぱいいて、アンクは会場の人気者w。
そんな中、劇場版ゲストの兼悟にも「ノブナガ~」と声が飛び、「胸を張ってノブナガですといえて嬉しいです」と満面の笑み。新宿の前の池袋では上映前の挨拶だったから、ネタバレも出来なかったようだ。
何でも話してオッケーなので、お気に入りのシーンなど。「ノブくんとパンツ一丁になったシーン」を挙げた秀くん。「秀くんと10個も違うのでどうしようかと思った」と言う兼悟に、パンツ似合ってたよ~と客席から声。
タイトルには出ていたのに、今まで役を秘密にしていたという兼悟は、甥っ子にだけちょこっと話したという。今はもう公言できるのでと嬉しそうに笑いながら、「TVにも出たい」とちょっぴり欲望を覗かせたりw。
秀くんは兼悟のことを「ベテランの方なので勉強にもなりました。お兄さんみたいで」と嬉しいことを言ってくれる。三浦くんは兼悟との共演は3年ぶりだが、「相変わらずイケメン」とニッコリ。
見どころとして、三浦くんは命をかけたバイクシーン。高田さんは初めてのウェディングドレス。田崎監督によると、CMシーンの監督は先輩の諸田敏監督で、役者兼監督の方だとか。

「其々のライダーの持ち味が最後にひとつに纏まるという形」と話す田崎監督。
最後に秀くんが「腕アンクがいっぱいいたので、腕エイジももってきて下さい(笑)」「一人最低2回は観て下さい」とバッチリ宣伝をして終了した。
約15分位。兼悟は照れ笑いでさっさとハケる。メイン3人はニッコリ手を振りながら退場した。
『劇場版 BLEACH 地獄篇』を観てきた。
映画版第4弾。入場者プレゼントのコミックは袋とじ仕様w。

地獄の罪人“咎人”に浚われた妹を救い出すため、力を貸してくれた同じ咎人を道案内に、地獄で壮絶な戦いを繰り広げる一護たちを描く。

舞台となる「地獄」は、今までのイメージと違い、まるで『インセプション』のような複雑な多重空間。堕ちた人間は永遠に地獄と鎖で繋がれ、肉体は再生しても心がどんどん砕かれていくという。
こんな地獄は寒気がするほど恐ろしい。死神は別にして、一護の妹や雨竜など生きた人間が地獄に行ったら、生きて還ってこれないのではと先ず思う。

起承転結できっちり収められた、二幕仕立ての厚みと迫力とスピード感ある構成で、集中して楽しめた。
黒崎一護は主人公らしさの活躍で孤軍奮闘。アニメの一護の六年間の軌跡と成長、信念と絆がぎゅっと本編に濃縮されていた。
劇場版では影が薄かった、石田雨竜や井上織姫も活躍。雨竜が久しぶりに格好良く見え、織姫の衣装に注目か。朽木ルキアは逞しい粘りでサポート、阿散井恋次の決断が男らしい。『BLEACHベツバラ』の内容が復習になったw。
仮面に金色装備、兄と復讐というキーワードに包まれ、どこかシャアの面影がチラつく内容。アムロの声の方も出ていたしw。

アフレコでも森田成一が、中井和哉や古谷徹の先輩を相手に、渾身の力を振り絞りながら嬉々として臨んでいたように見えた。お二人とも全体的に声のトーンが高めで、いつもと違うアプローチで切り込んできた。その中で森田くんは、計算付くなのだろうが、前半は高めの声で勢い良く攻め、後半一気に低めに自制して迫力を出し、ラストでちょっぴりクールダウンするという方向。一護の魂とシンクロしたような、森田くんの演技の幅や努力を味わえそうだ。

T.M.Revolutionの主題歌タイトルに、すべての思いが込められていそう。そのうちTV版に西川さん本人が出そうな感じw。

TV版は、藍染との最終局面に入り見逃せない展開が続く。もしや『S.S.D.S.』な集結もありか!?
舞台版は、新たなキャストと演出で来年夏に上演が決定。今回の劇場版を舞台化しても面白そうに思う。
新宿の後は、有楽町へ。

映画『武士の家計簿』&初日舞台挨拶へ行ってきた。
一日で石田さん&堺さんをダブルで観れるとは嬉しいこと(*^。^*)。
ボトムズのチケット代よりも、武士の家計簿のほうが1800円とお安いw。
映画館入口前に、以前の舞台挨拶時で使われたサイン入りダルマが展示中。堺さんのサインを集中して撮る人たち多し。

上映前に舞台挨拶。
登壇者は、向かって左から森田芳光監督、大八木凱斗、西村雅彦、草笛光子、仲間由紀恵、堺雅人、松坂慶子、中村雅俊、伊藤祐輝、藤井美菜。ボトムズは3人だったが、こちらは10人の大所帯w。松坂さんと仲間さんのお着物が紫と桃色であでやか。
皆さんの其々の服に、赤い“タイ”がワンポイントで付けられていると司会者が紹介。
堺さんは黒いスーツの胸ポケットに赤をのぞかせる。堺さんとは、今年1月の『ゴールデンスランバー』初日舞台挨拶以来だから11ヶ月ぶり。次作のための短髪もほど良く整い、1月よりも清々しく凛々しい立ち姿だ。

監督からは、はじめに券の争奪戦の話が出て、ここにおいでの人はラッキーな方々なので、初日のめでたさが引き立つという言葉。確かに、私も携帯でやっと取れたチケットだものね。客席からも「おめでタイ」という言葉が飛び出した。

「お天気も良く気分は最高です。親戚一同が顔を揃えた気分で、懐かしい思いです」と堺さん。
他の皆さんもキャストやスタッフのチームワークの良さに触れてにこやか。松坂さんが、キャストの皆さんのお人柄の良さや整った環境での撮影のスムーズさを挙げ、「準備や心構えが大事なので」とおっしゃったのが印象的。草笛さんは、家族揃って貧困を乗り越える姿に「なせばなる!」と語り、この不況時に政治家にも観て頂きたいと力強くおっしゃった。
中村さんが「期待通りの婿養子」と笑いを誘えば、西村さんが身構えて自己紹介する様子に、堺さんが後ろを向いて笑いを堪えていたのが可笑しい。

主人公・猪山直之の息子役の二人も挨拶。子供時の直吉の大八木くんが懸命に話をする姿を、にっこりと見守っていた堺さん。ところが成人後の成之の伊藤さんが、「堺さんとソロバンの特訓をした」とご自分でハードルを上げている様子を見て、横から堺さんが低い声音で「それぐらいにしたほうがイイ」とフォローw。伊藤さんがすかさず「はい父上」と親子の会話で返していた。堺さんの“オヤジぶり”を垣間見て可笑しかった(^o^)。

直之の魅力について、「手持ちの材料で自分たちで決断する時のカッコ良さ」と語る堺さん。
家族の生き方について、「家長であるリーダーがあたたかく深い愛情で引っ張っていく」と直之について語る仲間さん。
撮影からほぼ1年経つが、スタッフに感謝すると共に、「土佐や長州の人にも負けない魅力的な人物」「末永くこの一家を愛してください」という堺さんの言葉で締められた。

約20分。堺さんの終始にこにこした視線が印象的で、ほのぼのした温かさに満ちた挨拶だった。
退場する時も客席にいっぱい手を振ってくれた堺さんに、私も思わず手を振ってしまった。


舞台挨拶後、本編上映。
映画祭と合わせて2回目の鑑賞。

作品では、家計立て直し計画と、親子の絆や家族愛が描かれている。
私は特に、激動の時代における父と息子との激しいぶつかり合いが好きだ。毎日をつつがなく誠実に過ごす父親に反発し、父を超えようとする息子。でもいざという時、父親に習わされたお家芸のそろばんの腕が役に立ち、皮肉にも同じ仕事を全うしなくてはならない息子。あらためて気づかされる、父親への信頼と切なる思い。悩み葛藤しながら成長していく息子の姿は、“絆”の逞しさと普遍的なテーマを見せてくれた。

猪山家にはお手伝いさんもいて家事いっさいをやってくれるので、味噌汁が出来た頃に起きてきて、悠々とマイペースで生活するお常の姿が羨ましくもあったり。煙草を吸いファッションにも熱を入れるお洒落なオバサン。こんなお姑さんだったら、あまり気を使わなくてラクそうだ。でもまだ平静の世だったから、こういうお嬢様でも通用したんだろう。
直之の妻・お駒は、働き者でしっかり者で、賢く芯が強く夫につき従うタイプで、まさに理想の嫁さん像。そのまま夫に従うのかと思ってたら、息子の悲報に我を忘れて夫に怒鳴るシーンが印象的だった。見通しの立たない戦の時代に突入したからこそ、それまで静かだった女も自らの意思で立ち上がる時が来たのだろう。
仕事に行く夫を見送る時にかける「行っておいであそばせ」という言葉が、ほんのりしていて使いたくなった。

淡々とした展開なので、中盤、ちょっぴりウトウトしちゃった^^;。挨拶後に私の両隣の人達がいっせいに劇場を出たことで、気が抜けたかもしれない。
とても豊かで良い作品だが、やっぱり地味で盛り上がりも少なく、ちょっと理想的すぎるような家族愛。
家計貧困のヒントも、現代の世界観とはあまり結び付かない。いまどき、無利子で返済を待つところなんてどこにもない。むしろ、借金がなくても全うな給金が貰えず、誠実に生きていても仕事が無くて、家族で生活できないのが現実の厳しさ。
猪山家は過去の遺産で築かれた先祖から続くお家芸で生き抜いたのだから、ラッキーな一家だったのだといえよう。

パンフはソロバン型のケース式。家計を考えるなら普通版で600円位にして欲しかった。
堺さんが出ている、ゲキ×シネ『蛮幽鬼』のパンフも細長くて見辛かったな。
ボトムズフェスティバル第2弾。
映画『ボトムズファインダー』&初日舞台挨拶を観てきた。

今回は前から3番目の真ん中。映画は観辛そうだが、挨拶は観易い。今日はIJさんがご一緒。

谷の上の世界に憧れるボトムズの少年が、誘拐された少女を救うため、Atを操って奮戦する姿を描く。

これまでの『装甲騎兵ボトムズ』とは一番遠い世界観だが、ある意味、真っ当な爽快感あるお話だった。
アキと幼馴染みのエイビーの関係が、『ガンダムW』のデュオ&ヒルデを思い出させて痛快。リリーナによく似たお嬢様もいるし、好敵手のディアハルトはゼクスのようだw。
監督はメカにかなり拘りがあって、ワイヤーミサイルにワイヤーアーム、エアバックなどAt(アルトロ)の武器や小道具、サーカスのようなメカ・アクションが面白い。
少年アキの成長や、人間同士が理解し合う姿も、ベタだけど好感が持てた。


終演後に舞台挨拶。重田淳司(監督)石田彰(アキ役)森川智之(ディアハルト)が登壇。重田氏はこれが初監督作品。
当初の勝手な予想とは逆で、石田さんは今までのボトムズをご存知で、森川さんが知らなかったようだ。石田さんは「やってる時点で相当違うな」と思ったそうだが、森川さんは「今との違いが全くわからない」w。
オーディションだったという、石田さんと森川さん。
ポスターのこの人(キリコ)みたいに陰りのない方向を目指してアキを演じたという石田さん。
僕が得意とする方向で若い感じでやったという森川さんは、 ディアハルトのフルネームをごまかしたがる(笑)。
4メートルというサイズが小さめのロボットについては、「乗ってて痛そう。ムチウチの身にはたまらない」と森川さんが言えば、石田さんも「尾てい骨が痛そうだなと」(笑)。でもヤられる時の衝撃をイメージして演じたという森川さん。
見どころは、「喧嘩のような出会いから、成長したアキ」と石田さん。「崖のところで二人が始めて名乗る時」と森川さんはちゃんとフルネームも言えたw。
色々なものを探すという意味の“ファインダー”だが、「作り手が新しいボトムズを探す意味もある」と語った監督に拍手が贈られた。

最後に「歴史のある作品に新しく扉を開いた作品」と森川さん。石田さんもお友達にも広げて欲しいと勧めながら、「僕らも作品を汚さぬように、お酒を飲んで喧嘩をしないようにします」とピリリと辛口で締めた。石田さんの真骨頂でた(笑)。

途中で抽選会もあり。約20分、和気藹々の中で楽しい挨拶だった。
冒頭で司会者が宣伝してた、アキが頭にしているボトムズバンダナは、売店で1260円で販売中。


ボトムズを知らないモリモリが、バンダイチャンネルの「わたしの“ボトムズ”おすすめストーリー」に、誕生日に合わせて26話をセレクト。知ってか知らずなのか、実はこれはポタリアのメイン回。26歳頃の速水奨さんをいっぱい聴ける話だったのだw。

恒例のボトびーは石田彰さんが登場。
次号のボトぴーは、満を持しての郷田ほづみさんがいよいよ登場。公開日が待ち遠しい。
映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』の初日を観てきた。

正体不明の敵ガミラスからの遊星爆弾により、放射能で汚染された地球を救うため、地球防衛軍の宇宙戦艦【ヤマト】がイスカンダルへの航海に出発。ヤマトの壮絶な戦いを描く。

アニメ『宇宙戦艦ヤマト』世代の私。宮川泰氏の懐かしい音楽が流れるだけでも胸がキュンとなる。
オリジナルのオマージュを踏まえつつ、残すところと捨て去るものとを丁寧により分けて、新しい世界観とキャラ設定を構築し、現代的で別ものの『ヤマト』になっていた。
日本のSF宇宙映画として、これはこれでアリだし、オリジナルのファンにもSFファンにも見せられる仕上がりになっていたと思う。

山崎貴監督と白組のVFX映像がものスゴイ!3Dを越えるほどの出来栄えかもしれない。
隅々まで監督の拘りが出ていて、スタッフの挑戦や情熱が感じられる画面。『スター・ウォーズ』のようなテイストもあるが、VFXの白組さんは『もやしもん』のような極小から『ヤマト』のような壮大なものまで手がけていて今後も楽しみだ。
丁寧で骨太なドラマも好感がもてる。志願する前の古代進、古代と沖田の関係が反発から信頼へと変わっていく様子や、古代とクルーとの関係もじっくり描かれて、青春群像劇としても面白い。俳優さんがアニメキャラにどこか似ているのも嬉しい。

ただし得るものがあれば、失われるものもあり。
佐渡先生が女性になったことで、沖田と佐渡の老兵同士の会話がなくなった。佐渡のお酒が“美少年”じゃないw。
周りの信頼も厚く大人の男として描かれた古代進はともかく、攻撃的な森雪には最後まで馴染めなかった。確かにアニメのポジションでは動かし難いが、今風なツンデレに侵食されたヤマトという感じだったw。恋愛も時間がかからず唐突過ぎる。
特に衝撃的だったのが、ワープ中のエッチ! もう、どうツッコミすればいいのか^^;。
スターシャは出てこず、アナライザーやデスラーは形を変えて登場するが、人間と機械、人間と異星人との関わりが薄っぺらく収拾されてしまった。
危機一髪が迫る際で、ラストの進と雪のシーンが長過ぎてやや飽きがくる。2時間20分がちょっぴり長く感じられた。

ナレーションのささきいさおはオリジナルを意識。2代目スターシャだった上田みゆきがイスカンダルの声を担当。ご夫婦の参加は『ガッチャマン』を彷彿。アナライザーの声の緒方賢一は、今は舞台を終えたばかりかな。アニメのデスラー総統で伊武雅刀の存在を知った私としては、実写でまたデスラーの声をされたことが嬉しくてたまらん(伊武さんキャラで好きなのは『ドカベン』の犬飼小次郎)。
アニメで、ささきさんが担当した斉藤始や、神谷明が担当した加藤が実写版では目立って活躍。

山崎監督は、香取慎吾→草なぎ剛→木村拓哉ときて、SMAPを制覇する勢いなんだろうかw。
キムタクは、ヤマトへの思いが溢れていて、力強く柔軟な演技が良い。キムタクのための映画といってもいいし、彼の代表作の一つとなることは確実。
黒木メイサは長い黒髪がチャームポイント。劇中でも髪を意識した演出が多いこと。
柳葉敏郎や緒形直人は誠実な演技でハマリ役。橋爪功と西田敏行も渋き闘魂でハマリ役。
山崎努はオリジナルより柔らかい存在で、寝たきりの敬礼がカワイイ。
池内博之と波岡一喜の熱演が好ましい。矢柴俊博はいいムードメーカー。斎藤工は話題の映画に出ずっぱり。三浦貴大はこの後の『忍たま乱太郎』土井先生に期待。
スターシャがいないので、堤真一の出番は序盤だけなのが勿体無い。

描かれたものは新しいが、作品のもつ“ヤマト魂”は変わってないところに、逆に不満に思う。
美しき自己犠牲と崇高なる特攻精神…。戦時中から日本人に脈々と受け継がれてきたもの。今年始めのアニメ『宇宙戦艦ヤマト復活篇』では超えたかと思われたが、実写版では復活してしまった。
『ヤマト』の魂ともいうべき西崎義展氏は公開前にお亡くなりになられたが、彼の戦士魂は実写ではなお健在なのだ。
エンディング主題歌は『アルマゲドン』を思い出させるスティーヴン・タイラー。海外を意識したオファーだが、日本人のこの精神ははたして海外に受け入れられるだろうか。
希望や可能性が残された予想がついた終わり方で、ひと通り満足はしたが、後味としてはいまひとつだった。
映画【ANIME FES."VS"】バトルステージ1を観てきた。

バンダイビジュアルが贈る、話題の新作OVA3タイトルが一挙に楽しめる上映イベント。
今回はSMさんがご一緒。舞台挨拶を観るのに絶好の席。


★『コイ☆セント』(全1話)
遷都2000年祭を迎える奈良に、修学旅行で来た男子高校生と謎の美少女(+白いシカ)との淡い恋を描く、ショート・ラブストーリー。
『FREEDOM』スタッフが再結集した、スーパーSFラブコメディ。奈良遷都1300年記念作品。
仏像にシカがいっぱいで、カラフルな世界観。歌やアクションもふんだんで、地味っぽいが派手な仕上がり。
ヒロインのトトを演じ、主題歌や挿入歌も唄う寿美菜子の魅力を押し出した作品だろう。主人公シンイチの声は、ハリー・ポッターも好調な小野賢章。山口勝平は白いシカの笑い声もやっていたようだ。稲田徹&子安武人のアニキ&オトウトが面白い。

★『マジンカイザーSKL』Sect-1 Death Caprice(全3話の第1話)
はるかな未来。奇械島に設置された重力炉を停止させるため、三つ巴の壮絶な戦場に斬り込んでいく、デスカプリース隊の二人が操縦するマジンカイザーの凄まじい闘いを描く、ノンストップロボットバトルアクション。
原作は永井豪で、スーパーロボット作品などを引き継いだ、オリジナルストーリー。
オープニングがカッケー! 『マジンガーZ』世代にとっては、キャラクターからメカまで色んなオマージュにニンマリ。ドクロをかたどったパイルダーがオンだけでワクワクw。最強の力と凶悪そうなボディで、敵を容赦なく叩き潰す冷徹な迫力は、まさにダーク・ヒーローの極み。ロボット同士のバイオレンスな描写は暴力的だけど、ある意味エロスであったりw。
危険と狂気の二人の主人公が絶妙なバランス。海動剣の浅沼晋太郎はやんちゃな強気声、真上遼の日野聡はクールなローボイスで、二人の息もぴったり。
キバの檜山修之は、ひとりでこの二人を相手にする熱血ぶりw。ガランの銀河万丈はまだ序盤。
キバの部下ゴウダの飛田展男は、出番少な目の変態の役だが楽しそうw。グレンファルコン隊でも兼ね役。
早見沙織の由木翼、田中敦子のアイラなど、女性キャラは総じて色っぽくてイイ女ばかり。

★『.hack//Quantum(クアンタム)』(全3話の第1話)
女子高生3人が挑む「The World R:X」での新たな冒険。ひょんなことで追われる身となった3人のパーティにネコが加わるが、逃走劇の中で異常事態が発生する。
『.hack』3rdシーズンを飾る作品の1つで、新しい『.hack』。
テレビアニメや以前の劇場版と比べると、割と明るいカラーで作品世界にスンナリ馴染める。女子高生たちの個性や関係性に注目かな。現実とゲーム世界での二つの名前を把握する必要あり。謎のネコのハーミットは影があるけどカワイイ。
サクヤの花澤香菜は天真爛漫。トービアスの沢城みゆきはクールビューティ。メアリの藤村歩が柔らかで可憐。ハーミットの小倉唯はこれから。


上映後、初日舞台挨拶。
登壇者は、寿美菜子(トト役)森田修平監督/浅沼晋太郎(海動剣役)川越淳監督/沢城みゆき(トービアス役)橘正紀監督。浅沼さん、ジーンズに蝶ネクタイとまた変わった格好w。
横浜の舞台挨拶を終えた後なので、カブらないようなネタバレ話題。

作品のテーマやキーワード。
森田監督と寿さんは、ズバリ「歌」がテーマ。プレスコの後に歌を録ったが、何回も録り直したとか。
川越監督は、「叫び」がテーマ。台本はちょっと薄目だが、浅沼さん的にはラクではなかったようだw。
浅沼さんは、叫びを何発か下さいと言われて大変だったようだが、死ぬシーン(うめく声)にも何回か日野さんと一緒に参加したとかw。今までにないワルイキャラだが、戦いを楽しんでる感じが出ればイイなと。「コイ☆セント」のフワっとした気分をぶち壊してすいません、に会場からも笑い。
橘監督と沢城さんは、「絆」がテーマ。女子高生3人が楽しんでやってる雰囲気や、一人が大変なことになるシーンなど。花澤さんと二人で藤村さんを思いながらやるのが難しかった、と沢城さん。

印象的なシーンやセリフ。
寿さんは、真一がトトに言った「海にいこう」。
森田監督は、奈良には海がないと強調w。監督自身が奈良出身なので海を目指したというw。
浅沼さんがそれを受けて、奈良出身の白石涼子さん(スカーレット役)は血の海を見たわけか、とツッコミ(笑)。今日の浅沼さんは絶好調だなw。本編で剣が言った「威力はスゴイけど戻ってくるまでが長いんだよな」は、私も同じくウケた!(^o^)
川越監督も、ロケットパンチの使い方に言及。
沢城さんは、第一声の「子どもか、お前は?」。ハービットの足にトゲが刺さるシーン。
橘監督は、楽しんでやってる雰囲気を大事にしたかったのと、ハービットの細かいところを見て貰いたい(しっぽやヒゲなど)。

最後にメッセージ。
浅沼さんは、何度か観ると胃もたれしそうというも、永井豪の色んなオマージュにも注目。地獄の相方・日野さんのコメントも入ったブルーレイも宣伝w。
沢城さんは、観音開きになってるパンフまで宣伝w。

フォトセッションは、浅沼さんが真っ先にガッツポーズで笑いをとったり、みんなでノーマルポーズにしたり。6人揃って和気藹々なムードだった。


【ANIME FES.“VS”】バトル2は12/25上映スタート。
今度は『マジンカイザー』と『.hack』のガチ勝負。続きも観なくてはならんかな。
来週も同じ所でボトムズ初日舞台挨拶。
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』吹替え版を観てきた。
「ハリー・ポッター」シリーズ第7作。完結編の前編。

ヴォルデモート卿復活により、逃げ延びながら分霊箱の手がかりを探し回るが、「死の秘宝」の謎にぶち当たる、ハリーとハーマイオニー、ロンの姿を描く。
今回は学校の新学期は迎えない。第6作ラストからすぐの話で、ハリーは17歳を迎えるという設定だ。

原作未読派なので、ストーリーの端折り具合に首をかしげ、唐突に出てくる場面やキャラクターには追い付くのが精一杯、いまひとつ世界観に引き込まれない。ふに落ちない点や分からないところもあれこれ残っている。
サブタイトルとなっている「死の秘宝」の物語も、後編に向けて消化されるのだろうか。

最初のハリー・ポッターわんさかや、トイレに流される身体など、子ども向け予告にも使われた場面は笑えるポイントにはなろう。
だが、魔法省も魔法学校までも敵の手に落ち、裏切りや殺戮が続き、もはや周囲に大人の味方はいない中、追っ手から逃げるためあちこちを放浪するハリーたち3人の姿は、荒涼とした雰囲気で孤独だ。彼らの記憶と思い出と時間が交錯する中、暗鬱とした緊張感が絶えず付き纏い、見ているだけで辛い。
「世の中が間違ってる」とロンが言っていたが、八方塞の中であがく彼らの様子は、学校を出ても就職できなかったり弱者を次々と切り捨てにする現代の困難な状況とも重なって、リアルにシンクロされてきそうだ。

闇の力によるとはいえ、彼ら3人の愛と友情にもヒビが入り危機が訪れる。むしろ遅過ぎたアクシデントといえようか。ハリーとハーマイオニーがあんなに接近するのも見どころのひとつ。ダンブルドアの遺品が、あんな形で役に立つのが面白い。今回は、ダンブルドアの杖とかハリーの杖とか、“杖”が重要なキーワードだった。
テレポート魔力の凄さにもビックリ。『DB改』の悟空を遙かに超える跳躍魔法だw。綿密な計画や予測はたてず、感情優先の行き当たりばったりな行動は、まだまだ子ども。なかなか核心には当たらず、関連するアイテムだけを拾うも何かを失う危険が伴う手法は、RPG感覚のゲームと似ている。ロードムービーというより、スポットムービーとでもいおうか。
意外なところで助け舟や仲間が出てきて、少々都合が良すぎる気もするが、ハリーたちが今まで積み重ね構築してきたものが、完結編で一気に昇華されるのだ。私達も頑張って観た甲斐があったというべきだろうw。シリーズ第2作の内容がクローズアップされていたのも懐かしい。尤も、過去の作品をいま見直したら、切ない気分にも捕らわれそうだ。

多勢に無勢、先手先手をいく超強敵。彼らの正義が貫けるような起死回生が待たれる。
PART2は、2011年7月15日公開予定。

ダニエル・ラドクリフは、喉仏もくっきりと口顎に髭が生えて精悍な顔立ちになった。エマ・ワトソンは、乱れた金髪に色気を覗かせ誇り高い美しさを放つ。ルパート・グリントは、大柄な体に逞しさと優しさの他に包容力を持たせた。
彼らの成長と共に、ずっと声のキャストを担当してきた小野賢章、須藤祐実、常盤祐貴らの成長もみちがえるものがある。先日の『ボクは十二単に恋をする』など舞台で着実に経験を重ねる賢章くんは、演技にいっそう深みが出た。須藤さんは台詞の通りが滑らかになり、白熱した演技を見せた。声変わりも凄かった常盤くんは落ち着きと安定感がある。

ヴォルデモートの江原正士、スネイプの土師孝也は、外見の怖さや重さを更に際立たせる。
ベラトリックスの高乃麗はまさに魔女の如く凄まじい。ルーナの三村ゆうなの声に癒される。
ルービンの郷田ほづみは前半に出番、トビーの高木渉は後半に出演。
森功至と福山潤の名がEDロールにあったが、前作のリピートということかな。

当初3D映像が予定されていたが、2Dでも充分に画面を堪能できそう。
むしろ3Dにならなくて都合が良かった。今回は無料券で観れたんだものw。

予告のハリーな乱太郎クイズCMが愉快。集合ショットの中に溝口くんをいつも探すのだが、未だ見つからず^^;。

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