早朝から、映画『ローレライ』を観てきた。ぴあでのリザーブ席。試写を入れると2回目の鑑賞だが、新たな発見があり、ラスト近辺ではほんのり涙ぐみそうになった。

試写会場と比べ、やはり劇場のは音響と字幕が大きくてはっきり。
音響のクォリティ、音響演出や使われ方が実にうまい。
そして日本語の言葉の持つ力をあらためて感じた。役者から発せられる「魂」の篭った台詞に胸を熱くさせたものもあった。

押井監督も指摘されてたが、この映画には、どのシーンどのカットをとってみても、一つとして無駄が無い。どのカットどの台詞も、見逃せず聞き逃せない。深い意味が込められている。
ダラダラしたシーンの一つも無ければ、終始緊張感に包まれることになるが、それはスタッフ陣には許されなかったのであろう。
逆に言えば余裕の無さ、余裕さえ生まれないギリギリのスタンスの中での作業だったのか。全てが真剣勝負だった監督やスタッフ陣の若いパワーと熱意がひしひしと感じられた。

そもそも洋上艦ではなく潜水艦ものにしたのは、予算の関係だったからと聞く。2時間という枠組み、これだけの低予算内、予め決められた厳しい条件の下で、それでも監督達はこれだけの作品を作り上げたのだから賞賛に値していいと思う。いや、もっとお金をかけることが出来ていたら、色々な問題点もクリア出来たかもしれないが、その結果がどうなっていたかは疑問である。

むしろ、今までの日本映画には無かったこういう作品が、全国の映画館で幅広い観客層を呼び、良き悪しきの感想でネットを賑わせ注目され、しっかりエンターテイメントしてるという事実こそが驚異である。まさしくこの作品が、今後の映画界、そしてアニメやゲーム業界、クリエイター達への起爆剤となることは確かだと思う。

中盤でようやく富野由悠季氏をキャッチ。画面右上でほんの一瞬だったから、1回目では発見できんよ。御大だ〜!と喜んだ(^.^)
押井監督デザインのB29のイラスト「ドッグ・スレー」もじっくり拝見。でも「犬ぞり」じゃなく「犬小屋」なんだよねw。それとウラニウムじゃなくプルトニウム。このB29と原爆と米駆逐艦フライシャーの模型は、実は先週のトークイベントで飾られていたので、皆に混じって私も撮影してきた。
押井監督が苦言を述べてたヘッジホックは、確かに当たってないのに次々起爆してたな〜。それは計算しての演出なのだが、軍事マニアが見たら、やっぱリアルじゃないと言いたくなるのかな^^;。
EDテロップをじっくり見たが、浅倉良橘が役者のトリを飾っていたのか。

確認したいところは、おかげでほぼ脳内補完できた。これに限らず、観終わった後に何かモヤモヤ感が残った方とか、もう一度見てみたいと思う方も少なくないかもしれないな。意外や、リピーターを作る作品なのかもしれない。

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上映後は観客の拍手。マスコミ各社を招き、盛大に舞台挨拶。
役所広司、妻夫木聡、柳葉敏郎、香椎由宇、石黒賢、堤真一、樋口真嗣監督、福井晴敏が其々コメント。
役所さんは、髭を剃った男前なお顔でよく通るお声。口元が笑みするのが魅力的で、大物のオーラを感じさせた。
柳葉さんは、ファンへの気遣いが流石。「あやとり」を観客から誉められ照れていた。
石黒さんは、お洒落なチーフを首に巻いてて、嬉しそうだった。
堤さんは、舞台が終わったので髭をスッパリ剃られていて、ラフな格好で言葉少なめだった。

樋口監督は、20kg痩せた体重が撮影終了後戻っちゃったとか。面白かったら触れ回って欲しいが、ダメじゃん!と思ったら、公開終了まで黙ってて、ネットに書かないでくれと(笑)。監督のコメントが一番面白かったなw。
お初の福井氏は、監督の後のコメントはいつもし辛いと。新婚の妻の誕生日なのに、監督からメール貰ったので来たとか。奥様もこの会場に来ていると話していた(ノロケ?)。

役所さんの「伊507 出航!」の掛け声で、役者陣が白いテープを観客に投げたが、樋口監督と妻夫木くんのは手元のテープが切れちゃて失敗w。福井氏はサイドブロックにきちんと投げていた。

観客を大海原に見立て、入場時に配られた青&紺のハンカチを掲げウェーブの練習までさせられた。
役者陣の静止写真時は、ハンカチをずっと前に出したまま参加。ムービー撮影時でウェーブへ。ところが妻夫木くんが恥かしさと笑いで「ローレライ 始動!」の掛け声がなかなか決まらず、3回目でやっと実現(笑)。観客のウェーブがどんなものか、堤さんや樋口監督が後ろを向き、微笑んで見ていたのが印象的。この二人、隣同士だったから、ずっと注目してしまったv。

出演者の中では、樋口監督が一番背が高く見えた。役所さんも高かったが、監督は横幅も広いからなぁ(笑)。去年の『Ζガンダム』舞台挨拶で、富野監督が一番背が高かったことが思い出された。
盛大な拍手の中、皆さん退場。妻夫木くんとかは手を振っていた。
お目当ての方やお初の方も拝めて、楽しい時間だった。
アメリカ映画『Uボート 最後の決断』を観てきた。
かわぐちかいじ氏が絶賛されていた戦時潜水艦もの。
ドイツUボートという密室の中で、ドイツ軍とアメリカ軍捕虜が、追い詰められた極限状態で、どんな決断をしどう生き残ろうとするのかを描いたドラマ。
大作ではなく地味な作品だったが、人間ドラマとしては見事な佳作。二つの国の軍人達をしっかり描き、緊迫感あるリアルな映像にも引き込まれ、一気に見せてくれた。

伝染病出現でパニック映画な空気を感じたが、前半の敵対ムードから、後半徐々に関係が変化する様子が面白い。ドイツ語と英語のキャッチボールもいいな。写真、煙草、クーデターもお約束か。
リーダー達が「部下を生かす」ことに不屈の魂を見せる。ここでは「戦争での勝利より、生還での敗北を取る」ために決断し戦う。うがった見方をすると、戦勝国の余裕の思想ともとれそうだが^^;。

Uボートが最も暗黒な時代の話。人員不足からかドイツ軍人も殆どが20代という若さだった。だからかドイツ側にやや感情移入。「ホモ」って言葉も出てきたが、ドイツにはいい男が多い。
ヨナス艦長は軍帽とジャケット姿が『沈艦』の海江田な雰囲気。リーダー故の孤独と責任、弱さと強さと男らしさにはジンときた。副長とは名前で呼び合っていたのも奥が深いな(^.^)。
でも軍服萌えは出来なかった^^;。みんな短髪だけど、妙に自由でラフな格好なんだもん。
アメリカ兵では、エイバースという水測員が逞しくて印象的。
アメリカ女が出過ぎでウザくて、ここでは要らないと思った。子供でも良かったんじゃないかな。

『ローレライ』とあえて比較すると、Uボート内部はやけに広くて明るくて綺麗だった。撮影にもあまり手間取ってない気がする。戦闘シーンは少なかったが、リアルな重量感で見応えはあった。
テーマは絞られているが、お話的には後味もあっさりしていて、ずっとは残らないという感じ。
『ローレライ』のほうは、設定やストーリーはどうであれ、1カット1カットに鮮烈な印象が残る。極めてアニメ的漫画的な技法と演出なんだろうが、脳裏に焼きつくのは『ローレライ』のほうか。

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月刊ニュータイプ4月号増刊『ローレライCOMPLETE GUIDE』。
他所のインタビューでも話されていたが、堤真一はたった4日間の撮影だけで、美味しい役どころをゲットされたんだなぁとw。丁度去年の今頃の撮影だったようだ。
浅倉良橘が9月11日生まれの乙女座だと知ったw。土谷が超絶美少年という設定にもワロた。何をネラッているんだ〜(笑)。勝手に妄想し捲りそうだから、どなたかこれでBLものでも書いてくれ〜!
映画『ローレライ』試写会へ行ってきた。
なぜか娘が行くと言い出し、一緒に見ることに。でも娘を連れて見てきて良かったと今は思う。
約2時間少々。展開の早さと音響の素晴らしさも手伝って、あっという間に終わった!面白かった!感動した!と娘は嬉々として語った。Newtypeの対談で「ミリタリー・ファンタジー」という言葉が出てきたが、そのファンタジー性が子供の琴線に触れたのであろうか。思いもかけぬ手ごたえに、これは親子三世代に渡って観るに値する、新しいエンターテイメント作品なのだと信じた。
ちなみに娘が気に入った登場人物は、白き軍服に身を包んだ浅倉大佐が「カッコイー!」と(*^。^*)。今までキャラの好みが合わないでいた母娘だったが、今回こそは血の濃さを思い知った(笑)。

小説『終戦のローレライ』のほうは、悲惨な終局を予感しつつも、いまだ文庫本4巻目の途中^^;。とにかく映画では文庫本1巻&2巻を思いっきりすっ飛ばすような展開から始まってるから、あえて小説を読まなくてもいいんじゃないかと思いたくなる。
小説のいいとこ取りというか、濃縮したエッセンスとして残されてもいるから満足はいく。
小説の重要キャラが抹消されてたのは分ってたが、その分映画では一人のキャラクターが多くの役割を担うことで沈静化されてる。そのせいで、映画キャラは一人一人がとにかく忙しい。役者の演技力発揮も試されるわけだが、そうしたことを見越した上で、樋口真嗣監督は「生身の役者」に拘ったのだ。役所広司や小野武彦やピエール瀧や國村隼など渋さと深みを持つリアルな演技の奥に、小説で描かれていたようなサイドストーリーを想像させてくれる。所謂キャラ立ちした生き生きとした存在感を見せてくれるのだ。

それでも難を言えば、米海軍軍人達の喋りが早いから、下の日本語テロップも早過ぎて、全部を追えなかったことか。漢字も多いし。娘もそこら辺は適当に流してたみたい。
CGも分ってはいたが、かなり使われている。たまに不自然なシーンもあり苦味を感じるが、ファンタジーだと思えばいいのか。

福井氏は特技監督としても名を連ねていて、原爆のシーン等も細かくリアルで見応え充分。冒頭シーンとラストシーンやEDテロップなどは、やはり平成『ガメラ』の空気を感じさせてくれる。
アニメファンとしてはご多分に漏れず『ヤマト』『ガンダム』『マクロス』『ラピュタ』『攻殻』等が脳裏を宿るが上手く昇華されている。ついにアニメを超えた実写版が誕生したというべきか。
迫力ある音響も凄かったが、全編に漂う「モーツァルトの子守歌」が甘美で切ない効果をもたらし、これ以上はない綺麗な終局へ運んでくれた。アニメではよくある「希望のある終わり方」だった。

ゲスト出演で、間宮大尉役の富野由悠季。捕獲できず(-.-)。たぶんあのシーンに映っておいでだと思うけど。テロップには同じゲスト出演で庵野秀明の名前も目に入ったが見間違いかな^^;?
スタッフではもちろん出渕裕、庵野秀明、押井守の名前も確認した。それと某独立法人サマ^^;。

お土産は『ローレライ』SPECIAL DVD。家に帰って早速見たら、トレーラーCMがびっしり収録されてて、見ながら娘とまた感想を語らい。娘は「また見たい」「DVD買って」(早っ^^;)と言う。
私も、捕獲分やら確認事項も残ってるので、もう一回別の観点で見てみたい。
「戦争映画」ではないという「ローレライ」だが、今週末に押井守の「現実の戦争について語る」トークイベントがある。特別ゲストで樋口監督も予定されてるので、そこでじっくり「戦争」そして「ローレライ」について、私も考えていきたい。
映画『きみに読む物語』を観てきた。う〜、ホントは別のを観に行きたかったんだけど。

古き良きアメリカのノスタルジックな青春映画。前半はありきたりの若いカップルのラブストーリーが進行し、ハグやキスシーンの甘甘なシーンもたらふく見せられる。
現在と交差させつつ、その中に伏線やヒントが随所に盛り込まれ、後半それが煌きとなり生きる。

監督は美しさの見せ方や演出が実に上手い。「お涙頂戴」も計算され尽くしたものなんだろうが、女性たちは見事に乗せられてしまう。会場至るところで鼻を啜ってるのが聞こえた。
かくいう私も、ラスト30分前の名優二人のシーンに、涙がツツツーと流れてしまった(;_;)。ジェイムス・ガーナーと、監督の母親ジーナ・ローランズの素晴らしい演技に熱くなったのかもしれない。

『アリーmyラブ』というか、アリー役のレイチェル・マクアダムスは身体いっぱいに喜怒哀楽を表現し、笑い顔も可愛くて天真爛漫。ライアン・ゴズリング演じるノアは、ワイルドで情熱家と思いきや、意外とクールで知的で、印象が二転三転。彼の父親も曰くありげで、教養もあり良き理解者だが、出番が少なかったのが残念だ。
しかし現代から逆算して考えると、アリーもノアも、もう少し深みのある役者さんだったほうが納得はいく。

こういう細かく突っ込みたくなる箇所が色々あり気になった。
「偶然」は果たして「必然」なのか。あの偶然が無かったら、あのまま物語は終わってしまってたハズ。現実だったらそうなる(私の場合もそうだ^^;)。偶然を「行動」に起こした結果だったのか、それとも「運命」だったのか。
第二次大戦の描き方も薄い。その割に、軍服姿のノアやロンに萌えそうになったがw。見た目も男前だったロンが、結構いい人だっただけに、どうも手放しで喜べない。
老人二人もやけに綺麗でお洒落な格好。どうやって裕福になったのかと後半生が見たくなる。やはりこの世は金次第か。土地さえあれば何とかなるのか。
そういう嫌味な汚い部分は無かったように流して、景色と同じように物語も綺麗に纏め上げ、その出来があまりに完璧に美し過ぎて、心は夢を見つつも、物足りなさがジワジワと去来する。

原題は『The Notebook』で、本人の手にかかれば、自分に関わったどんな人も「その他」の「良い人」に脚色することも可能なんだなw。今の邦題よりは、『きみが望む永遠』という某パクリなタイトルのほうがずっと合っているかもと思った(笑)。
普通のお伽噺は「めでたしめでたし」で終わり、映画でも泣き笑いで通過したが、その後の顛末までやって究極の「ラブ・エンディング」に昇華させ、良い映画だったという思いに終結させた。

同じように、アルツハイマー発症の妻と夫を描いた『半落ち』と比べると、日本と米国の戦後歩んだ道の違いがくっきりと分り、浪花節的な半落ちのほうも良い映画だったのだとあらためて思った。

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火曜深夜アニメ『巌窟王』。
「これが僕の愛 これが僕の心臓の音 キミには分っているハズ」って某フレーズがよぎった。
フランツの無償の愛…平川大輔の心揺さぶるような熱演…涙がうっすら浮かんだ(;_;)。
先週ユージェニーへの言伝が、遺言のように聞こえたんだよね。よもやTVアニメで、あそこまで残酷な描写はやるまいと思っていた。しかし容赦は無かった。今回も前田真宏監督の絵コンテ。
アルベールが「もうすぐ…」と言った時、「もうすぐ、僕も君のソバにいくから」と言うのかと思っちまった^^;。
しっかし、あの甲冑というか決闘メカと動きが、平成『ガメラ』のイリスのデザインとソックリ^^;。
映画『アレキサンダー』を観てきた。
3時間は覚悟してたが、それ程長くは感じられなかった。あの時代、彼が辿った土地への興味のほうが勝っていたからか。

壁画やコインに描かれているアレキサンダーと比べると、雄々しいとは言い難い風のコリン・ファレルはミスキャストなのでは、と観る前から決め付けていた。
しかし単なるヒーロー伝説的な話ではなく、王の内面的葛藤を深く掘り下げた内容で、彼の弱さや寂しさや情けなさを表現するのに、コリンは合ってるかもしれない。『トロイ』を意識するまでもなく、作中ではアキレスの存在感が強くてブラビとつい比べてしまうが、ラストで高山から遥か先を見下ろすコリンの眼差しには、彼独特の情感が溢れていた。

暴君な父と、野心的な母。親を敬いつつも、父からの愛と母からの呪縛からの解放を願う賢い息子。現代でもありそうな家庭構図が分り易い。息子を溺愛し操ろうとする母オリンピアスは過激ではあるが、心情に同調しちゃうのは、私も息子を持つ母だからだろうか。アンジェリーナ・ジョリーが三十年分を確固とした強さで熱演している。
アンソニー・ホプキンスも壮年から老人まで、渋い存在感が味わい深い。

アレキサンダーと親友ヘファイスティオンとの愛が見どころ。彼らの語らいにジンときて、ラストで涙ぐみそうになった。なまじ濃密なキスシーンやベッドシーンが無いからこそ、二人の愛情が崇高なものに信じられる。全てを知りつつ、結果的に親友との愛に殉じた格好の最期は、アレキサンダーらしいとも言える。
ヘファイスティオン役のジャレッドが、どこかジョニデ風な美形と重なり、言葉に力を持ついい役者だとウットリ見惚れていた。

合戦シーンのヤマ場は二つぐらいで、意外に少なかったなという感。流石にお金をかけただけあって凄まじくリアルな画面で釘付け。セット美術や衣装にも相当お金がかかってるようだ。だが戦闘そのものより、その後に来る空虚感や悲哀感のほうの印象が強い。

自由と解放のための征服支配という意味では、米国の存在と当然重ねたくなる。皮肉なことにガザやバビロンの地では、現代になっても戦闘が絶えない。歴史や人間の愚かさをただ噛み締めるばかり。
しかしアレキサンダーが他者と違ってるのは、彼が若さゆえの純粋な理想と志を抱いてたという点ではないか。彼は大いなる征服者・支配者でありながら、革命家であり冒険家だったのだと思う。変革はいつも旧体制から理解されず拒まれる。それゆえ英雄はいつも孤独である。まるでこの作品とストーン監督を暗示してるようでもある。
民族の融合を目指し、血の融合はこなしたが、魂の融合は難しかったというべきか。それでも結果的にヘレニズムという文化の融合へと導いたのだから、この作品も文化的に立派な意義があると思う。

大王の足跡を求めバビロン遺跡へ行きたくても、当分は絶対に叶わないというのが残念でたまらん。
そういや大王の名が残るアレキサンドリアには、男同士のカップルが街中いたる所にいて、「ホモの街」だと決め付けていたが^^;、地中海を望む青さと雄大さが男の心を未来へと共鳴させ、彼らの魂を結びつけているのかもしれないと思うようになった。

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ちなみに、2000年度劇場版アニメ『アレクサンダー戦記』。
OVA13話を劇場版に編集した作品で、内容の是非はともかく^^;。
キャストでは、アレクサンダーが関俊彦。ヘファイスティオンは辻谷耕史、プトレマイオスは池田秀一だったか。山寺宏一がコメントしてた通り、キャラのチビパンツが異様に凄かったw。
ED主題歌が、作品以上に大ブレイクした「あなたのキスを数えましょう〜You were mine〜」だったなぁ。

映画『アレキサンダー』吹替え版キャストは、もう決定してるのかな? アレキサンダーの声は、『キング・アーサー』と同じく東地宏樹になりそうな気がしちゃう^^;。

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モーニング『ジパング』。
あれ?木曜発売だったんでは?と不審に思いつつ、センターカラーの如月克己に釣られて買ってしまった。
危険な刺客ぶり…。どこまでが本気か分らぬとこに、如月の孤高の戦いを見る。
しっかし梅津一人だけ行かせても、お先は真っ暗な気がする^^;。第一どこにどうやってウランを廃棄するんだか?
劇場版『テニスの王子様』を息子と一緒に観てきた。
劇場内も周辺も、もんの凄い人ごみ。若い女性だらけ。息子はちと浮いていたかも。
場内入ると、スクリーンが目の前で…最前列だった。映画は観辛いこと(~_~;)。

先ずは急ごしらえの壇上での舞台挨拶。女性MCの紹介で、歓声の中を横扉から諏訪部順一、近藤孝行、高橋広樹が登場。諏訪部君は和装で、近藤君はハンティング帽で、広樹君は松葉杖取れていた。
場内騒ぎすぎて、諏訪部くんが跡部声で一喝。また場内キャー! 苦労したことや裏話では、三人とも「画が出来てなかった」を強調w。試写会で観たら、みんなもポツポツ笑ってしまって、特に桜吹雪の髭があんなトコから出てて笑ったと諏訪部くん。『跡部からの…』が本編と力説する諏訪部くんに、つい同調しちゃう近藤君、慌てて広樹くんが「僕達も頑張ったでしょ」と。諏訪部くんと広樹くんと挟まれ、近ちゃん大人しかったw。最後に三人共決め台詞(?)で挨拶、場内またキャー!(^o^)広樹くんって菊丸声する時は、仕草がオカマっぽく可愛くなってるのに気付いたわん。去り際、諏訪部くんは軽く投げキッスしてたかな。もんの凄い黄色い声援に圧倒された。一番前の親子連れが目についたのか、広樹くんはしきりにコチラを見てた感じ。
そして上映。新宿の舞台挨拶へと急ぐ女子達が何人か去って行った。気持ちはわかる。

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『二人のサムライThe First Game』。
「ありえねーっ!」と息子が大苦笑(~o~)。いやテニプリの世界じたい、あり得ないってば。
徹底的に娯楽テイストで、腐女子の夢も満たしつつ、スタッフがもの凄く楽しんで作っていた。
さすがProduction I.Gというか、テニスに留まってない、宇宙的かつ破壊的な映像で大爆笑もん(゜o゜)。見どころは手塚ゾーンと、越前対決のヤマ場っすかな。去年の劇場版『星矢』を意識しつつ映像的には超越、息子も大ウケ。妙にリアルなオレンジといい、話とのギャップが可笑しい。

リョーガ役の山崎裕太は『BECK』の誰かの声に似てるかな。西岡徳馬も時代劇っぽくてイイっす。
個人的には、全ての発端(?)シルエットだけだった南次郎が父親ぽくて格好良く見えた。
場内のリアクションがたまらん。跡部や忍足が出るだけでワーキャーと煩くて可笑し過ぎっ。保志総一朗までテロップされてたが、食ってただけなんでは?

それと豪華客船ってことで、波音や水しぶきなど海の雰囲気は、さすが音響監督の平光琢也。途中で、海自っぽい制服のおっちゃん達が出てきたのはサービス?w

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『跡部からの贈り物〜君に捧げるテニプリ祭り〜』。
アニプリ・オールスターキャスト勢揃い。パンフにあった声の出演者、ざっと数えて総勢60人弱。誕生日&血液型付きのキャラ画も入り、他校の細かいヤツを覚えてない私には絶好のデータ本だわw。

もちろん声優全員揃うハズもなく、皆それぞれ別録りされたそうで、時間的にはかなりかかったとか。キャラ一人一人は台詞が少なく、ひと言二言のために録ったのかと思うと、贅沢と言えば贅沢w。
観月はふた言しか台詞無いよ〜ん。榊は「行ってよし」三連発。柳は柳の下だし。華村ラブな神城だし。宍戸は美味しかったかも。
予想外だったが、井上記者がダンディに決めて、郷田ほづみの声を聞けたのが嬉しかったv。

こっちも会場のリアクションがいちいちスゴクて大笑い(^o^)。手塚×跡部が一番凄かった。
最後に跡部にとっての「君」が誰だかわかって、じーん(笑)。トランス・アーツってスゴイ。
息子はこっちの主題歌をラジオで聞いて気に入ったらしく、劇場出た後も口笛吹いていた。
映画『ネバーランド』を観てきた。
「感動」なんて言葉では表せない。この作品に出会えたことで、今満ち足りた喜びを感じている。
中盤から涙がわいてきて…ラストまで止められなかった(;_;)。隣の人はハンカチで何度も拭いてたし。驚きなのは、観終わった後も余韻がじんわり残り、思い出す度に涙ぐみそうになること。

劇作家バリが『ピーターパン』創作の過程で育んだ、デイヴィズ家未亡人と4人の兄弟との愛と慈しみの話。きめ細やかで深くて温かい描写と演出の中に、今では忘れかけていた「人間愛」を感じた。
過酷で非情な現実の前に、夢を信じたり空想や想像力にふけるなどお笑い種だと思うこともある。しかしその二つは共存出来る。だから人は生きていけるのだと、あらためて思い起こさせた。

4人の子供達を表現する台詞の全てが愛しい。「男の子を静かにさせるのはムリ」とか、「早く大人になろうとする」ピーターに「30秒で大人になった」ジョージ。我が子と重ねながら見守っていた。
母シルヴィアにも思いを重ねながら、バリと共に喜び楽しみ、充実した幸せな時を味わった。

今回はジョニー・デップに全てをもっていかれた。この作品で彼は役柄を超えた演技力、彼自身の混沌とした多様性を見せ付けてくれた。大人になったり、子供になったり、父親になったり、彼の眼差しはいつも誠実で信じさせてくれる。彼もある意味ピーターパンだと思いたい。
今度こそジョニデに、そしてこの作品にも、何か賞をあげたいと心から思った。アメリカ国家が、はたして夢を信じているかどうかにもよるのだが。

吹替えではなかったが、ラストへと向う中で、字幕を見る前にフシギと人物の会話や言葉が頭に浮かんできた。感じたといってもいい。魂の込められた言葉は、国も言語も人種をも超えていくのか。
それでも吹替え版では、ジョニデの声はやはり平田広明を推す。ジョニデ登場時から、その掴み所のない悪戯っ子のような表情が平田さんご本人とソックリで、降りてきたかと思っちゃった(^.^)。

原題は『Finding Neverland』で、決して『ネバーランド』そのものではない。「ネバーランドを見つけること」そのものが生きることに繋がる。それは人類にとっての究極のテーマなのかもしれない。

『沈黙の艦隊』を読んでるから思うのだが、海江田四郎とジェームズ・バリはどこか似ていると感じる。内にいつまでも子供の心を持ち合わせている大物の大人。戦術家であり有識者。夢見ることを教えてくれる男。ネバーランドへの水先案内人。まるでピーターパンのような存在。背広を着てキリっと整髪したバリの顔は、そのまま海江田の顔とも重なりそうだ。
「核兵器廃絶と世界平和」なんて今では一笑にふされる非現実的な祈り。そんな世界があるとしたら、それこそネバーランドに違いない。でももし実現させたいと願うなら、そこには人類の「夢と想像力」が絶対的に必要なのだと確信させられた。

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今日の『トリビア』にもワロた。
『世紀末プライムミニスター』知ってる知ってる。あの作家さん、元総理のお孫さんだったのね。知らなかった。
漫画の総理の声に何故か三木眞一郎(^。^)。三木総理大臣かい(笑)。
前回は海自ネタがあったが、今回は陸自ネタ。この調子で自衛隊ネタが続くのかな?

映画 北の零年

2005年1月18日 映画
タダ券があったので、映画『北の零年』を観てきた。
もう長くて長くて…時計と睨めっこしつつ、途中でお腹に食料も入れて見ていた。ラストも余韻を煽ったのか、ヘンに間延びして尻すぼみ…早くEDテロップになれ〜と祈っていた。
はっきりいって期待外れ。去年の『海猫』みたいなヒロイン作品だった。

吉永小百合は、ずーっとお変わりなく綺麗なまま。どんな極寒の中でも化粧が剥げずに吃驚。畑仕事をやろうと牧場をやろうと、全然日焼けもせず首も腕も白いまま。演技力もさすが。鍬を振り下ろす格好や馬を乗りこなす姿が凛々しくて、そんな風にちゃんと見える。いいかえれば、付け焼刃で体にしっかり身についてないなぁという感。でもサユリストや彼女を観に来た人には、大いに満足いく作品となったろう。

他の役者の芝居も見事。ちゃんと頑張ってる風に見える。が、見せ方や演出が不味くて、みんな嘘っぽく見えちゃう。生きる為の必死さが感じられない。だから結実するラストでも感動までいかない。
北海道の自然が臨場感ある素晴らしい映像だったから、余計にその中の人間の演技と演出が中途半端で負けてるように思える。リアリズムにはリアリズム。逆に局のセットのほうが良かったかもね。

脚本が昔の東映映画を見てるような逆行感。何でもアリ突っ込みどころ一杯で苦笑しそうだ。
先ず、静内移住を命じられたきっかけの稲田騒動とやらを知りたかったのに、それはテロップのみ。これでは強制移住させられた人の気持ちも半端。途中から急に5年後。まるでタイムマシンに乗せられたような気分で、変貌した人達を見せられる。その5年間の苦労が最も知りたかったことなのに。
主人公は夫婦ともどもラッキーマン。助けてくれた人のおかげで、いつの間にか成功者。いや〜アニメでもこんな都合のいいストーリーはなかろう。最後は突然「北馬物語」と化したラストへ。

どの登場人物もしっかり描ききっておらず、誰にも同調できず共感できないままだった。
強いてあげれば、生きる為に身体を投げ出す加代と、腹黒いやり方で権力者に成り上がる倉蔵が人間らしかったか。その倉蔵さえも、もっと腹黒い男によって善人になっちゃうし、彼を最後まで支えて欲しかった加代が、何故か最後は仲間として皆の元へ。よー分らん。

倉蔵役の香川照之も、アシリカ役の豊川悦司も、独特の魅力で力演してて存在感があったが、小百合脚本の前では彼らの折角の実力発揮も8分ぐらい。渡辺謙はもうダンディな外見だけで満足せざるを得ない。一番生き生きした演技(?)を見せてたのは、馬たちだったなw。
自然や動物やセットのリアル感スケール感に身を置いて、漸く3時間が終了。タダで良かった。

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映画『ローレライ』のチラシを貰ってきた。登場人物&出演者が勢揃い。ノベルス読むイメージの手助けになるかな。こっちの柳葉敏郎は『北の零年』と違って格好良さそうだ。
『ジパング』DVD1巻を引取ってきた。アフレコ台本ってこういう簡略型だったのね。角松二佐のみらい乗員身分証は、いったいどう使えばいいのかとw。どうせなら帝國海軍の…。
普通、イベントDVDって、イベント中や終了後に発売告知をするものだが、『エターナルバレンタイン』は、イベントをやる前からもうイベントDVDの発売告知。ちと早すぎるんじゃ〜^^;。
『国際アニメフェア』前売券もついでで買ってきた。毎年行ってるし、今年も行くだろうと予測。
映画『オーシャンズ12』上映会へ行ってきた。
豪華キャストな映画の内容に合わせて、『デス種』イベントがあったあの広い会場で多勢の観客を集めて、豪勢な上映会とはなったけど、終了後の観客の反応をざっと見ると、たいした作品ではなかったことが判明される^^;。

とにかく微妙だった。普通こういった頭脳戦やチームプレイには、笑いや可笑しさとか不可欠だと思うが、上映中殆ど笑い無し。淡々と進んでいき、たまに過去に戻りまた現在へと時間軸がややこしくて、わけが分らなくなる。会話にたまに冴えが見られるが、眠くなってくるほど話がつまらない^^;。
私が前作を見てないからかもしれないが、こんなに豪華で魅力的な登場人物がいるのに、一人として作品に生かしきれていない。キャラというより、俳優の知名度に頼りきってるという感。

しっかし後半のライナスが考え付いたあの仕掛けは、子供騙しというか、呆れて苦笑するしかない。カメオ出演の彼の生真面目な演技にも笑い。後からジュリア・ロバーツが腹から座布団取り出してたが、それでもまだ腹が出ていたように見えたw。キャサリン・ゼタ=ジョーンズも『ターミナル』では気付かなかったが、首筋を見ると年齢が分ってしまうなぁ。
マット・デイモンは、前作でもお子様な役どころだったのかしらん。ラストまで妙に可愛かった。
ブラッド・ピットは、クシャクシャっと笑うととってもキュート。顔を崩すところが魅力的。
この二人もそうだけど、男性俳優が殆ど短髪で、スッキリしてて良いのだわ〜。
肝心のオーシャンって、何か活躍してくれたのか? 颯爽とした格好良さが無かったような。

見ながら、ジョージ・クルーニーを勝手に小山力也の声に変換していた。
ヴァンサン・カッセルの顔が、どうにも佐々木功に見えて仕方がなく(笑)。吹替えではぜひ功さんにお願いしたい。ついでにブラピの声は森川智之で。
そっか。吹替え版で見たら、もう少し内容も理解できて楽しめたかもしれないな。
15日フジTVの『オーシャンズ11』は、この続編よりは面白そうだ。

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上映会の前に、先日も足を運んだ『いのちとこころの宇宙 金子みすゞ展』へまた行ってきた。
前回は子供達がいてゆっくり見れなかった展示、特にみすゞの弟・正祐からみすゞへ宛てた手紙を重点的に見た。みすゞの結婚に反対して書いた「建白書」の中に、「じっくり考えてください…じゃなく…じっくり考えなくていいから…」という文面があって、今の若者の文章と変らぬ情熱をそこに感じ取れた。
上山正祐さん…後の上山雅輔氏が劇団若草を設立され、脚本家・演出家・作詞家として名を成されたことを、私はようやく知った。
みすゞの作品を発掘された矢崎節夫氏と、みすゞの一人娘の上村ふさえさんとの対談ビデオも、やっとじっくり拝見できた。ふさえさんは80歳近い方だが、この展示会や皆様との縁について語っていた。

このビデオの模様が私の脳裏に焼きついていたのだろうか。私も不思議な縁と遭遇した。
帰りに物販でみすゞの本を手に取っていたら、不意に見覚えのある年配の女性の姿が目に入った。
それは、先ほど見た対談ビデオで矢崎氏と話されていた、ふさえさん! ビデオのよりも少し小柄だったが、女性のお声は紛れもなくビデオのふさえさんと同じ声なのだ。まさかまさか…と心がざわめく。
その女性はお知り合いの方々と話されていたので、私はその場を離れ洗面所に行ってからエレベーターを待っていたら、件の女性がお知り合いの方と丁度別れる場面に出くわした。
思いきって確認してみよう…さもないとモヤモヤ感が募る。こういう時の私の行動は早い。

初対面なのに失礼を承知で…と断って、その女性に、ふさえさん御本人様かどうかお尋ねしてみた。女性は「どうしてお分りになったの?」と吃驚されたようだったが、確信した私は、ビデオで先ほど拝見したばかりだったことをお伝えした。それにやっぱりお声は同じだもの〜私の耳に間違いはなかったのね。
ふさえさんは、ビデオでも感じられたが、明るくてさっぱりされたとても気さくな優しい方だった。そして、私の母よりは年上なのに、とてもお元気そうで生き生きとした笑顔の方だった。

私もあまりにも感激して、10年前から金子みすゞさんの世界に触れ、生きる力を頂いたことや、先日は子供達が一緒で今回は2回目などと、あれこれ語ってしまった。
ふさえさんも、「みすゞ会」のことや、みすゞ展のことなどをお話して下さった。
ふさえさんを通して、金子みすゞさんがより近く安らかに感じられた幸せな時間だった。
最後に握手をして頂いてお別れした。小さなぬくもりを私は忘れない。今年初めての握手が、こんなにも素敵で幸運な出会いから始まろうとは。

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劇場版『テニスの王子様』パスネットが17日から発売。
『ガッシュ!』『NARUTO』に続き、メトロもよくやるなぁ。早速、数枚予約してきた。

映画ターミナル

2005年1月5日 映画
今年初めての映画は、トム・ハンクスの『ターミナル』。あ、テレビの映画だと、平成版『ガメラ』シリーズになるか。この殺伐とした時代の新年の幕開けには相応しい映画だった。

キャラクターへ言葉を投げるとすれば、「待て、しかして希望せよ」ってことになるのか(笑)。
9ヶ月間ターミナル内で暮らしてきたビクターに、「待つ」ことを教わったような気もした。こんな目まぐるしいせかせかした日常だが、立ち止まって落ち着き、コミュニケーションを持つ事の大切さ。
強いメッセージ性は無いと思うけど、現代アメリカとその友好国に対する、スピルバーグの痛烈な皮肉が、さりげなく織り込まれていたように思えてしまうのは私だけだろうかね^^;。

本物のようなセットや、スピーディで判り易い展開、見事なカメラワーク、アドリブも小ネタも効かせた演出と、笑いのツボも一杯で、さすが大御所の仕事ぶり。2時間強をたっぷり満足させてくれた。
トム・ハンクスも可愛さと渋さを醸しつつ、彼のポジティブな明るさが、役に愛しい魅力を一層与えてくれたと思う。脇役陣が特に素晴らしくて、ディエゴ・ルナは可愛いし、クマール・パラーナのパフォーマンスに笑ったり切なくなったりした。あらためてアメリカという国のごった煮のパワーを感じてしまったり。

ビクターとディクソンは対照的に描かれてたけど、行く先々でシンパを増やしていったビクターは、ある意味魔性の男かもしんないw。世界を達観する、未来人のようなエトランジェ的存在。
ビクターはやっぱり幸運で、彼のような境遇と設定じゃないと、こうは上手く進行しなかっただろう。これがアジア人とかアラブ人とか、女性だったとしたら、果たしてどうなっていたか興味深い。
彼が拘っていた入国目的は、ヲタク&マニア的には結構理解できる。それが自分の為ではなかったからなおのこと。彼自身の目的が…帰国して埋める…ちゃんと達成されたのか最後まで気にはなる。

シネコン通りに、映画『ローレライ』のポップが飾ってあったので、ここでもやってくれそう。書店には、ローレライの折り畳みガイドブックが置いてあり貰ってきた。今はこれが一番楽しみかも。
またまた息子に付き合わされて、映画『ハム太郎』と映画『犬夜叉』を観てきた。今年はゴジラと一緒じゃないから、ハム太郎フィギュアの特典ないのね。

『ハム太郎とふしぎのオニの絵本塔』。
孤独な絵本作家ハムスターによる、ハムちゃんず桃太郎ならぬ「ひまわり太郎」の話。
あくまでマイペースで明るいハム太郎が可愛い。島への旅途中の風景がまるで『ガンバの冒険』風で、波や渦巻きやイカダまでもがとっても懐かしい。ネズミもハムスターも似たようなもんかw。
あやや演じる童話作家を絡め、小さな友情物語に落ち着くところが良心的。
今回も小杉十郎太演じる板前ハムが登場、派手に唄ってくれる。オニハムキングが玄田哲章で、ゴジラに続き活躍。

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『犬夜叉 紅蓮の蓬莱島』。
犬夜叉の映画を劇場で見るのは初めて。今までテレビで見てたものね。
蓬莱島に巣食う四闘神により、人質にされた半妖の子供達を救うべく、犬夜叉らが決死の闘い。
さすがサンライズ。練られた脚本と壮大で迫力ある画面、キャラクター達の個性や持ち味も生かし、アクションたっぷりのドラマティックでスピーディな展開で、最後までハラハラさせて面白かった。
脚本・隅沢克之と作監・菱沼義仁と言えば『ガンダムW』が真っ先に思い浮かぶが、ガンダムでも描かれた「不屈の魂」というのを今回も貫き通した。犬夜叉らに頼りきるのではなく、力も無く臆病で弱い子供達が自分達の意思で敵に立ち向かっていく姿は、胸を熱くさせるほど感動を覚える。子供達の成長と、ちょっぴり前進した犬夜叉&かごめにホンワカさせられた。

ゲストキャラがみんなよく立っている。半妖の子達では、橙&緑の双子の少年が小生意気なコトをズバズバ言い当て、犬夜叉らにボカスカされてたが、明るく達者なムードメーカーぶりだった。
四闘神は兄弟なのかな。能力も技も個性的で、其々見どころがいっぱい。
獣羅役の草尾毅は野太い声で力演。珊瑚&弥勒と対決する目まぐるしいシーンは見応えあり。
凶羅役は飛田展男で、優美なるクールビューティ・ボイス(*^^*)。妖しさと残虐ぶりを披露し、圧倒的な存在感を見せた。冒頭から結構喋ってくれて、飛田ファンとしては満足満足(^.^)。こちらは殺生丸と因縁の対決だが、成田剣があまり喋らない分、凶羅が一杯喋ってくれた。
今回の犬夜叉は、殺生丸がやった事もあそこに居た事も何も知らなかったのでは?(笑)
龍羅役は、TVでは飛天役だった神奈延年。格好良く男っぽい悪役ぶりが小気味良かった。弱さを露呈した犬夜叉との対決に、ほんの少し神奈延年×山口勝平を想像v。

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桃太郎伝説的に言えば、今回の犬夜叉とハム太郎はちょっぴり繋がりがあるのかもしんないw。
来年はまたこの二つが組むんだろうか。ハム太郎前には映画『プリキュア』予告が、犬夜叉の前には映画『テニプリ』予告が(跡部の声を聞くとは〜)流れて、明らかに客層別の配慮だと苦笑した。
映画『GODZILLA(ゴジラ)FINAL WARS』を観てきた。
ゴジラ誕生から50年目の集大成、これが最後となるハズの28作目だ。

ゴジラシリーズは色々見てきたが、少々毛色が変ってて、後半は一気に興奮させてくれた。
ゴジラ同様、今回は人間も派手なアクションを展開。マトリックスもどきのワイヤーで肉体を駆使、人間としての意地と誇りも根底に見せてくれる。
肝心の主人公ゴジラの登場は1時間過ぎ。それまでの鬱憤を晴らすかのように、ゴジラが次々に出現する怪獣どもを千切っては投げ、千切っては叩き潰し、それはもう痛快この上ない。
ゴジラのふてぶてしい怖い顔と、頭脳的闘い方が、絶妙なバランスで笑わせてもくれる。怪獣を踏み台にするとこなぞ、ガンダムな動きではないか。敵怪獣も何だかエヴァかエイリアンにも見えてくる。
人間の闘いと怪獣同志の闘いがシンクロする点でも、それまであった境界線が縮められて、よりリアルな迫力でエンターテインメントな面白さを出していた。

ゴジラ第1作に出演された宝田明を始め、出演者も集大成な豪華さ。過去のゴジラ作品に対する北村龍平監督の心からのオマージュと力量が感じられる。あちこちで海外ロケも敢行したそうだが、世界に向けての新世代のゴジラ映画としても充分評価されていい。これが「さらば、ゴジラ」となるのはとても残念。
ゴジラは水爆実験の影響で変異し誕生し、戦争の如く地球上を破壊し尽くした。しかし最後の最後に「戦うことを止める」ように立ちはだかったのが、息子ミニラらの子供世代だったことに、胸が熱くなった。世界の未来にこっそり希望が持てた気がする。

日本の若手俳優はみんなカツ舌が悪いな。その中で松岡昌宏は前半に不安定さはあったが、後半は体当たりの堅い演技を見せた。北村一輝はイっちゃってる演技がたまらん。アドリブっぽい表情もゾクゾクさせる可愛さ。
ゴードン大佐役のドン・フライが豪快で頼もしい。玄田哲章が吹き替えてるので、シュワちゃんを被せて見ていたv。ナレーターが山寺宏一で、吹替えで富永みーなも参加し、ものまねバトルな雰囲気。伊武雅刀はデスラー総統復活かと一瞬思ったりw。小室少佐役の國村隼のムードメーカーぶりが好き。

期待していた風間×尾崎は前半だけで残念。この二人をもっと描き込んでくれたら、ドラマ的にもっと深さと熱さが出ていたと思う。ついでにゴジラ×モスラの新たな友情も描いて欲しかった(笑)。

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満を持しての『ジパング』17巻。
表紙は角松二佐だが、本編には全く出てこない。角松、アンタいったいどこで何してるんだ〜^^;。
菊池と尾栗が、其々の立場と意思を貫き艦内で牽制。相変わらず滝×菊池。
意外にも、滝と草加が同じ目的と共闘のもと、順調に作戦遂行中。慎重な滝と、達観している草加、見事な対比だ。滝の顔って、だんだん角松の顔に似てきてる気がするんだが^^;。
今一番気になってるのが、アニメで滝の声優が誰になるか?ということ。低めのエロボイス希望w。
ちなみにDVD1巻は予約しちゃった。特典2のキャラクター認定証、草加はvol.2なのかな。
NHKBS2『機動警察パトレイバー2 the Movie』。
『1』と『WXIII』は観たから、これもすっかり見た気分になってたが実は初見。
1作目と全然違う毛色で、ズッシリと重苦しい雰囲気。特車二課も前半は殆ど出てこない。
自衛隊によるクーデター…を偽装したテロの話。しかも具体的な目的も提示しない厄介なもの。
『亡国のイージス』と被さり、私的にはタイムリーだったので、かなり真剣に見入った。
こういう作品が10年前に既に作られていたとは。押井作品は一歩も二歩も先にいってる。

後藤と南雲に接触する荒川という男がキーマン。竹中直人が演じてるが、これがクールなシブ味で巧い。彼の語るどの言葉も痛烈で、軽いボディブローを食らった気になる。
「正義の戦争」より「不正義の平和」。「きな臭い平和」を守るのが自衛隊。「この国はもう一度戦後からやり直すことになるぞ」。東京湾や新宿の街が破壊されるサマはリアルな描写でさすが。

榊原良子演じる南雲が美味しい位置にいる。「やはり女だな」とも言われたが、女の持つ弱さとジレンマ、女しか持ち得ない強さと決意も盛り込まれて、様々な視点で見れた傑作だと思った。ラスト、メットを取り長い髪をなびかせたまま柘植と対峙する南雲に、女の残酷さとエロチックさを感じた。

日曜にNHKで放送されたアーカイブス『日本の素顔 自衛隊』と『海外派遣〜自衛隊PKO部隊』を予録しザッと見てみたが、今回のパトレイバーとも深い所で繋がりがあり、色々と考えさせられた。

明日は、舞台挨拶にも行った『WXIIIパトレイバー』。母親の視点で見ると、哀しくも痛い作品だ。

そういや関係者試写会が終了した映画『ローレライ』に、押井守や庵野秀明がスタッフとして参加されてるとか。更に富野由悠季が何と出演者としてクレジットされてるとか、ウソのような話が飛び交ってるが^^;、例えウソだったとしても、ますます観に行きたくなっちゃうじゃないかーw。

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『お父さんの恋』PEC先行で申し込んではみたが、これって抽選なんスね^^;。
でもま、PECカードを持ってて良かったとようやく思えた。
堺雅人のエッセイが載ってる『TV navi』はとりあえず立ち読み。毎月買うなんて出来んよ。堺くんの人柄がよく出ていた文章だった。そのうち本として仕上げてくれれば、買うかもしれない。
NHK『新選組!スペシャル』のキャラごとの番宣スポットが流れてるが、お目当ての山南さんは明日かな。前回の池田屋事件の時みたいに取り逃がしそう^^;。DVD-BOXにぜひとも収録して欲しいよ。
息子に付き合わされて、映画『Mr.インクレディブル』を観てきた。ゴジラを観たかったのに〜。
期待してなかったが、これが面白くて痛快だった。
かつてMr.インクレディブルとして活躍してたボブの家族全員が、ウチの家族ソックリ(笑)。ダッシュの台詞なんて、まんま息子が喋るようなモノばかり。ヴァイオレットの内気ぶりは娘みたい。インクレディブル夫人の勝気さは私のようだ。他愛ないコトで言い合ったりする光景もまさに我が家。
だから皆が其々のキャラに自己投影できちゃう。私も当然ヘレンに感情移入して、娘と息子に元気を出させるトコで思わずウルルンときてしまった(;_;)。息子は「ダッシュすげえっ!」と大喜び。
ごく普通の家族が一つだけ言えないこと、それはスーパー・パワーがあったのでした…って、たぶん私らもパワーがあったら、同じようなこと考え同じように行動するんだよね。

家族の中でもお父さんの位置って微妙で、昔の栄光が忘れられないデリケートな男なのよね。
前半はボブのそんな葛藤と妻との溝がメインで、少々退屈な展開ではあったが、後半はテンポ良く一気に見せてくれてスカーっとさせてくれる。これも家族というチームの成長の証なんだな。
これ観たら、妻として女として、夫にもう少し甘えさせてあげてもいいかなと思っちゃうv。

悪役が引き篭もりのヲタクをスーパーにしたようなタイプで、憎らしいけど可哀想なヤツ。
インクレディブル家族を助ける元仲間達が個性的でクール。マニア臭いエドナも面白いが、スーパーなフロゾンが格好良かった。息子と一緒に超お気に入り。

脚本が丁寧によく出来ていて、さりげなく分り易い伏線が張られている。後半の其々の見せ所やアクションが色々用意されて、最後まで気の抜けない緊張感が心地良い。
身近なキャラを思いっきりアニメチックに見せたからこそ、3Dの技法も成功していると思う。

日本語キャストも違和感なくハマってた。宮迫博之はもう声優としてもやっていけそうw。小倉智昭のハフの嫌味さも巧かった。声優陣では、ミラージュ役渡辺美佐の色っぽさが最高。トニーの鈴村健一は出番少しだが仕方ないか。

これ、続編もあったらいいな。13歳ぐらいになったダッシュも見たいし、ジャック・ジャックの未知数なパワーももっと見たいじゃないか。それまでボブとヘレンの体型が変ってないようにw。

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コーエーの『遙か祭』13日の優先チケット、昼夜共にSS席が取れた。後は座席がどこになるかだ。
一応は関俊さんの芝居楽日を保険にかけていたけど、そっちはムダになりそうかな^^;。
結局3月は遠方の関さん仲間に会えなくなりそうで、それはそれで寂しい。

『アニメで救おう!チャリティコンサート』はぴあに直接行って取れた。
*pnish*も何とかなりそう。残すものを頑張るのみ。
映画『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』を観てきた。
パリの下町を舞台に、アラブ人ではないイスラム教徒の老人と、孤独なユダヤ人の少年との優しいお話。老人は少年に、生活の知恵や幸せになれる方法を伝授し、生きることの楽しさや素晴らしさを教え、大人へと踏み出す少年の精神的な支えとなる。

60年代の空気がゆっくり流れている。パリ下町というと、竹宮惠子の『空がすき!』タグ・パリジャンを思い出すが、少年モモも初体験を済ませた後、娼婦達を夢中にさせ、思いを寄せる素人の少女にも手を出すスケコマシぶりw。そんな思春期の危うさを、最初は丁寧に描いてくれる。

でも性的に大人にはなっても、精神的に彼を成長させ一人前の男にしてくれたのは、食料品店のイブラヒムおじさん。彼の紡ぐどの言葉も、凛としていて深い。心に染みて癒される。彼の言葉は、イスラム教のコーランの教えから説いたものばかりだ。
イスラム教と一口にいっても、昨今世界を騒がせている急進派などのイスラム原理主義ではなく、イブラヒムが信仰してるのはイスラム神秘主義である。肉親を失い不幸な環境のモモが、おじさんの力を通じて徐々にコーランの扉を開けていく様子が微笑ましい。

私が一番見たかったのはトルコの風景だ。おじさんはモモを、ギリシャ正教会やカトリック教会、そしてイスラムやコンヤにも案内した。人と人との結びつきには宗教も人種も世代も関係ないのだよ、全ては同じ海から生まれたのだから、と言ってくれたようで、熱いものが込み上げてきた。
たおやかにゆったりと流れるトルコの田舎の大地が、終局であり始まりでもあったのだ。
世界の争いの全てを超越させるような優しく切ない繋がりに、ひと時の安らぎを感じた。

『アラビアのロレンス』で颯爽と登場し、今夏の『オーシャン・オブ・ファイヤー』で健在ぶりを示したオマー・シャリフだが、イブラヒムは彼の本音そのままの役柄だと感じる。渋く深い皺の顔に、たまに見せる悪戯っ子のような表情がまた可愛い。まだまだ彼の多彩ぶりを見てみたい。
モモは13歳の設定だが、ピエール・ブーランジェの当時の年齢からいっても15歳ぐらいには見える。数年後の色男ぶりを予感させる黒髪の美少年は私の好みだv。明と暗をくっきりと演じ分け、彼もオマーとの出会いで色々な事を学び演技に繋げたのだろうと思う。これからが楽しみな逸材だ。

劇中に流れた60年代の音楽はよく分らないが、ラストからEDテロップへと流れた「WHY CAN’T WE LIVE TOGETHER」が、何となく「非戦」がテーマな感じがして印象に残った。現代にも通じるような歌詞だったが、これが70年代の曲だと知って、酸っぱい思いが胸をよぎった。

映画 海猫

2004年12月2日 映画
明日限りの無料券があったので、映画『海猫』を観てきた。
周りの評判が芳しくなかったのでガラガラかと思いきや、危うく立ち見になりそうなくらい超満員でビックラ。劇場が小さかったせいかな。

予備知識なかったが、これって終戦直後の時代ではなく現代の話だったのね。
主人公の薫が自分と同世代なので共感するかと思いきや、あの女サイテー!(~o~) とにかくおバカでアホで何も一人で出来んヤツ。何でそう暗くて後ろ向きなんだっ。嫁に行けば、多少の我慢と辛抱は必要だぜ。そこから自分の生き方を探すんだろ。弟も同じく、地に足をつけず飽きっぽい性格。それは母方じゃなく、逃げ出した父から受け継いだのか。腹が立って仕方なかった。
他のキャラも、何でそんなコト言うの?何でそーなるの?で、とてもついてけない状態^^;。

結局は、何もかも放棄して全てから逃げた女。子供のことさえ考えなかったのか。誰からも愛され過ぎた女は、実は誰も愛してはいなかった。それが彼女の不幸であり、自分だけでなく家も周りも不幸にしたのだった。後味が悪いどころか、腹が煮え繰り返ったよ(~_~;)。お義母さんが一番可哀想だ〜。

とにかく薫役の伊東美咲の演技がド下手糞で素人以下! 妻としての生活感も無く、喋り方もイライラしちゃう。濡れ場は一杯あったが、ヌードも痩せてるだけで魅力無し。美しいとも思えなかった。
彼女に引き摺られるように、仲村トオルも冴えなかったな。小島聖は出番少なかったが、主人公よりずっと生き生きしていた。20年経っても、三田佳子を始めみんな年とって無いのも違和感。
薫の夫の邦一は、よくある夫のタイプ。扱い難いけど、それを理解し上手くやっていくのが妻の力量だと思ったり。ヘッポコな妻相手に、佐藤浩市が野性味溢れた気迫いっぱいの演技で目をひいた。

原作が悪いのか、脚本のせいなのか、とにかく話にムリがあり過ぎ、キャラが不愉快きわまりなかった。濡れ場も多いけどぬるくてさ。思いきって18禁にしてくれりゃ、別の意味で楽しめたのにw。
冬の海の荒涼感や、函館の美しさが懐かしかった。正教会でイコンなぞ見るより、私は五稜郭に何度も行って土方歳三にふれたいけどね。MISIAの『冬のエトランジュ』の主題歌が切ない高揚感を募らせるが、酷かった作品のほうは思い出したくもない。
EDテロップ途中で退出した人が多かったし、やっぱりこれは駄作だったと確信した。

劇場予告で早くも『亡国のイージス』登場。まだ文字だけだが胸が高鳴った。夏はこっちの佐藤浩市に期待しよ。あと吉永さゆりの『北の零年』は、北海道リベンジとして見なくちゃと思う。
レディースデイなので、映画『ハウルの動く城』を観てきた。以下ネタバレ注意。
戦時下での恋物語。これまでの『もののけ姫』や『千と千尋』があまりにメッセージ性が高くて好きになれなかったけど、『ラピュタ』辺りの原点に還ったことで、私にはとても心地良い作品となった。
作品中でも、光の方向や三つ編みネタ、ラピュタもどきの変てこな城等でオマージュを感じさせる。「自分の足で歩こう」な台詞も、『トトロ』のテーマ曲のようで懐かしい。劇場版『Zガンダム』で原点に還った富野由悠季と同じく、宮崎駿も到達された全ての先は、こんな単純で温かい話に行き着いたのだな。そういや洗濯物を干す場面で『∀ガンダム』の長閑なシーンと重なった。

全ては、ソフィーの一目惚れから始まった。彼女の一途な恋心は愛へと変り、何と戦争まで終わらせてしまう動力源となるのだ。現実ではあり得ない! 不可能だからこその夢を与えるファンタジー。
そうしてお姫様は自分から告白し、王子を助け蘇らせ、王子にキスして呪いを解いたのでした…ここでは昔の童話を悉く覆す逆転の話ばかり。それだけ女性が強く逞しくなったのか。理想の女性への憧憬と共に、女性への限りない可能性と愛情に満ち満ちていた作品。ハウルを主とした男どもが、あらゆる物を散らかし戦争で破壊する生物なら、ソフィーを主とした女達は、根気よく片付け創造していく生き物なんだろう。

ソフィーの恋を助けた起爆剤は、おばあさんになったこと。年を取ると、階段昇りも辛いし出来ないことも多い。でも老いると凛々しくパワフルになり、人間関係も気安く構築出来る。出来ることだって一杯あるのだ。ここでは老人と少女という二つの魅力を見せてくれる。誰もがいつか年を取るけど、恐れず前向きにいつもときめいて生きていきたい。

ハウルはね、一度は恋してしまいそうな魅力的な男性v。美形で格好良くてセクシーで、己の美学を持ってて、女性の扱いも上品で慣れている。ソフィーに手を重ねるシーンは、こちらまでドキドキ。半ケツや胸もとを見せたりと、サービスショットもバッチリ。その実態は臆病で弱虫で見栄っ張りな男だけど、母性本能も擽らせる。その彼が「愛する人を守る為に戦う」男へと成長するから大変。戦時下では、男には弱虫であって欲しいのよ〜などと矛盾と心配を抱える女も大変。

ソフィー役の倍賞千恵子は、予想以上の出来でピッタリ。後半につれ、島本須美の声にも似てきて、宮崎氏お好みの声なのだと納得。
懸念してたハウル役の木村拓哉は、ビジュアルが前面に出てたから違和感は無かった。いや、これぐらいで丁度いい(笑)。これが私の好きな声優、仮に石田彰とかに演じられたら、声フェチの私は間違いなくハウルに惚れてしまいそうだから^^;。ハウルに深みが出て、彼に泣けてしまいそうだから。
荒地の魔女役の美輪明宏は、後半のほうが持ち味が出てて楽しめた。
マイケル役の神木隆之助は、『キリク』の頃よりいっそう演技力アップ。ハウルのパズルCMの彼の童顔を見ながら、この子が声変わりしたらどうなるんだろ〜と、我が息子と重ねながらしみじみ思う。
隠れ主人公カルシファー役の我修院達也が、声的にムードメイカーで一番目立っていたかも。

さすがジブリで、背景などの美術や、精密で立体感ある作画やCGなど、とにかく素晴らしい。特にカメラワークというか、実際に空を歩き飛ぶような感覚にさせる技量には感服する。
戦闘機や兵器、混迷と破壊の描写がリアルで凄かったが、そのまま反戦というテーマに繋がっていかないのが興味深い。実際の本物の戦争は、こんなものではない。もはや人々が反戦を叫び、魔法でどうこうしようとしてもダメなのだ。ただ、人が他者を思い愛する限り希望はある。
ハッピーエンドと思いきや、叙情的な主題歌「思い出のうちにあなたはいない」の通り、キスから恋人は現実が始まるのだ。ひねくれた見方が出来るのも、私が年を取ったせいねw。

映画 笑の大学

2004年11月10日 映画
映画『笑の大学』を観てきた。最近子供関係で落ち込み涙することが多かったから、ここらで笑わせて貰おうと思ってね。『コラテラル』や『2046』を観なくて良かったと思う。以下ネタバレ注意。

三谷幸喜の原作脚本で、舞台でも上演、賞賛された作品のリニューアル版。当然、舞台や芝居好きな方にはお勧め。それよりパクリ…当時は「もじり」と言うようだが、そんなヲタクな方にもお勧めだ。
抱腹絶倒まではいかないが、「ぷっ」「クスクス」と何度笑ったことか。思わず手までたたき、これは舞台じゃないと慌てて引っ込めた。三谷氏の笑いのツボが妙にシンクロし、この要求にはこう切り返せ…次の台詞はこうくるな…と分ってしまう辺りも楽しい。
作家の本作りの苦労話や喜びが垣間見られる。登場人物に言わせる台詞も深くて二重に笑わせる。「本職でしょ」は役者への賞賛、「素晴らしい作家だ」は自身へのご褒美の意も含まれていそうだ。

ほんのりBL色なのも可笑しい。三谷氏は、男と女よりも、こういった男二人の会話や戦いぶりを描写するほうが断然巧い。立場上的にも年齢的にももちろん検閲官×座付き作家なのだが、一週間の攻防を続ける間に、攻めと受けが逆転する(笑)。互いを理解し本音を出し合う内に、不思議な友情が芽生えてしまうのだ。
検閲官からの視点が中心なので、彼の人間臭さを徐々に発見し傾斜し、変りように笑わされる。逆に人間らしいと思われた作家が実は、国家が理想とした完璧な人間なんだと気付かされた。

逆転はまだ起きる。後半はうって変わって場面が暗くなる。舞台だと、暗闇の中にスポットライトがうっすらと作家を映す感覚。これで作家の死を予感し、ドキドキと不安が募った。
笑いはいつの間にか涙に変り、ボロボロと頬を伝う。笑うことは結局は泣くことか。戦争は笑いを全て泣きに変えてしまう。映画の台詞をもじれば、これは「笑いがある悲劇」なんだと思った。

役所広司がハマリ役でとても素晴らしい。静けさの中に雷のような激しさ。強さの中に弱さ。厳しさの中に優しさ。渋さの中に可愛さ。向坂をここまで愛すべきキャラにしてくれた演技力に感服する。
稲垣吾郎は舌っ足らずな発音が耳障りだったが、繊細かつ力強い演技は彼ならではの個性。相当練習を積まれたのか、礼儀正しくお辞儀をする綺麗な姿勢が印象的だった。

作品中の三谷氏のギャグは、彼の人柄の良さか、正直少々ぬるいんだよね。それにビシリと色をつけてくれたのが、星譲監督の時代色のこだわり。EDロールの手描きのポスターとか見てたら、厳しい時代の中でこそ存在した夢や希望を思いやった。モデルとなった劇作家・菊谷栄や、喜劇王・榎本健一のことももっと知りたいと思った(最近エノケン付いてるなぁ)。
オマケで、三谷氏お気に入り役者陣がEDの為だけに出演。探しゲームもまた一興か。

『笑の大学』をぜひ生の舞台でも観たいと心底思った。出来れば私の好きな役者で…中尾隆聖&関俊彦のコンビでの二人芝居メイン。かの『デストラップ』を彷彿させるように。ムリだろうか。『貫一とお宮』も二人が演じてくれればサイコー!(笑)
笑いに行ったつもりが、結局は泣いてしまったな…w。元気は出てきたが。
上映後、Zガンダムフリーク&熱狂的カミーユファンな飛田展男仲間とお茶しながら大いに語り合った。以下ネタバレ雑感。

私はリアルタイムでZを見ていたとはいえ、今や細かい記憶はすっかり風化。あの頃は暗い内容が受け入れられず、カミーユのギスギス感も相容れず、クワトロにさえいい印象を持たなかった。
それが幸いしたのか、自分が年を取り丸くなったのか、テレビ版とは全く違った雰囲気の劇場版第1部はスンナリ歓迎できた。ひと言で言えば面白かった。第2部を早くも見たくなった。

とにかくMS戦やメカが格好良い。目まぐるしくよく動き迫力いっぱいで、瞬きさえ出来なくなる程に面白い。これ見たら、SEEDの戦闘シーンがちゃちく見えちゃいそうだ^^;。
新しい映像と古い映像の混ぜこぜはバリ違和感。どっちかと言うと、古映像のほうが浮きまくり^^;。新映像が最新技術でかなり良かったので、全部を作り直して欲しかったな。
ストーリーは飛び飛びで、30番地や月のシーンがカットされ、その付けたしや説明で新作画が入ったり、カミーユに妙な説明をさせたりと創意工夫状態。TV版作画に違う台詞を被せたりと苦しい。

展開が早いので仕方ないが、キャラの掘り下げが足りないなぁという感。
カミーユの複雑な家庭事情や名前へのコンプレックスも描かれてなくて、戦いへの葛藤に繋がる小さなエピも省かれているから、カミーユという人物の深みがない。TVでは17歳なのに行動があんな風だったから、そのアンバランスな危うさが魅力でもあったが、劇場版では15歳に変えられ、ムリに年相応だと納得させられる。結果、純真で素直で物分りのいいカミーユになり、万人受けはするだろうが、果たして今までのカミーユファンは納得いくだろうか。第2部では回想を使いながら、暗くさせていくのかな〜。

クワトロが格好良く見えちゃったv。重い過去を背負ったとは思えない、気のいいお兄さんだ。筋肉ムキムキも目立たず。どうやら彼のイヤな部分が全部消されてて、イイとこ取りに描写されてる感^^;。
逆にジェリドが、TVでのイイとこやラブなとこが消されてしまい、あれではただのマヌケに見えちゃう^^;。ボコにされまくってたしw。結構喋ってはいたが、井上和彦ファンには薦められないなw。
全体的にティターンズがもの凄い悪に描かれていた感。エウーゴ側に情がわくわな。

興味深く笑えたのが、両親が死んで落ち込むカミーユと、クワトロとエマとレコアの新作シーン。
この時シャア・アズナブルの話題になり、TV版ではシリアスな雰囲気でカミーユがまたイジケたように記憶してるが(?)、映画では逆にコミカルな雰囲気で、場内の笑いを誘っていた。アレをこう使うのかー。
レコアが「大尉にお尻を触られてた」とエマに言うシーンも、特に女性からの笑いが多し。

大気圏突入から地球降下、ジャブロー作戦までが何だかとっても早い。新作画の核の描写は迫力。
アムロがTV版よりも出張ってたような気がする。ラストのシャアとの会話もあんなに台詞が多かったっけ? 二人をキラキラ眼で見つめるカミーユがやけに可愛すぎるv。こんなシーンさえも、一部の腐女子を喜ばせ、コミケで本が増えそうな予感(笑)。
Gacktの主題歌は良くも悪くもなく…。T.M.のほうが若い人にはノれそう。

キャスト的には、スパロボなどがあったとはいえ、やはり皆さん年取った相応の声は仕方ない。
それでも二日間の収録なので、前半の硬さや手探り感と比べ、後半のほうが出来は良い。
飛田展男のカミーユもちょい渋さが残るが、まだまだイケルぞ少年声!と楽観はしている(^^ゞ。
池田秀一、古谷徹、鈴置洋孝は以前と同じテンション。ナレーター&ヘンケンの小杉十郎太を20年前は気に留めなかったので、今はその声が愛しいv。島田敏のシロッコは以前のような鋭敏さが不足。
ハヤトが檜山修之に、カツが浪川大輔に変更したのには驚き。其々08MS小隊と0080に出ていたから安全パイではあるが、最初は違和感あったな。アポリーは大川透に変更したんだね。
ファの新井里美は違い過ぎ。ファの描かれ方自体が薄いから、このままで行っちゃうんだろか。

はたしてZ初見の人はどう見るだろうか。あまりに展開が早くて、物語を追うので精一杯かな。よく分らないカットも出て意味不明だし。キャラクターも多過ぎだし、名前と一致させるのも大変。
でも映像の凄さと演出の力強さで、グイグイ話に引っ張られ、一気に見れるんじゃなかろうか。私にも、あっという間の90分で夢中にさせられたもの。

問題は、Zに思い入れが深い筋金入りのファンの人達かな。映画は突っ込みどころ満載で、隣の知人は終始苦笑していた。その姿を見てるのも面白かったが。描かれ方に物足りなさを感じ、違和感を感じつつも、新作なんだと割り切って見ることが必要なのかもしれない。
何といっても富野御大の重力に惹かれることから逃れられないのだから。何だかんだと厳しく評価しつつも、もう一度見たいという欲求は持っているようだ。

私も、公開されたらぜひまた見たい。ZのDVD-BOXは持ってないので、劇場版三部作のDVDが出たら買ってもいい!と早くも思ってるw。公開日の舞台挨拶、可能ならまた行きたいなぁ。
第2部のアフレコはまだやってないようだ。来年にかけてまた大変な作業が続くわけね。
映画『モンスター』を見てきた。アニメ『MONSTER』のほうは3週分溜まってるけどね。
見終わった後は、やるせない気分。フツフツと思い出されて、色々と考えさせられた。

実在した連続殺人犯で処刑されたアイリーン・ウォーノスの話。罪も無く必死に命乞いする男達まで殺害した彼女は確かに許せない。死刑は当然。同情はしないが、彼女を知ることは必要だ。
見る前は、彼女がモンスターなのかと思ってたが、単純にそうではなかった。
幼少時からの虐待と迫害。暴力とレイプ。酒と煙草。汚い服と汚い言葉。娼婦と男たち。同性愛。はびこる薬と銃。彼女の存在を許さないアメリカ社会の暗部そのものがモンスターなのだと。

本気で人を愛し愛されたこともなかった彼女に、神様は最後の出会いを与えて試す。
同じように周りから相手にされなかった孤独なセルビーを、彼女は本気で深く純粋に愛した。
スケート場や遊園地でのデート。明るい場所、明るい音楽なのに、どこか空虚で暗い風景。
カタギになろうとしたアイリーンに金の為に娼婦に戻ってと願う彼女。どこまでもアイリーンに依存する彼女。電話でひたすら自分は無関係だと話す彼女。最後の法廷で冷たく指差す彼女。
アイリーンの自己犠牲的な愛情に比べ、セルビーの愛情は自己保身に凝り固まっていた。セルビーの裏切りを知りつつも、彼女を最後までひたすら愛し続けたアイリーンの心情が切ない。
セルビーこそ、普通の人の仮面をつけた実は腹黒いモンスターだったのではと思う。最初に殺害された暴力男も、底辺の人間を腐ったモノのようにしか見ない人達も全て全て恐ろしい怪物のよう。
モンスターの世界は普通の人をもモンスターにし、モンスターを生む悲劇を繰り返すのか。

よく似たイメージで、アメリカンニューシネマの『俺たちに明日はない』を思い出す。
あれも底辺に生きる男と女が強盗を繰り返し射殺される話。10代の頃見てかなり影響を受けた。
何故か惹かれたフェイ・ダナウェイの役と、アイリーンが重なる。自己過信と自己嫌悪を抱えた生き方を救ってくれるのは人の愛情。でもアイリーンのは献身愛でしか無かったのが辛く哀しい。

役作りの為に体重を増やし変身したシャーリーズ・セロンだが、セルビー役のクリスチーナ・リッチのほうが肥えてるんじゃないの…と思うシーンも数々。『アイス・ストーム』で既に太ってたしね。
自身が悲惨な過去を経験してるだけあり、セロンの迫真の演技力は評価したい。

ファンタ映画祭のドキュメンタリー『シリアル・キラー アイリーン「モンスター」と呼ばれた女』を見れないのが残念(ナイトはムリだ)。先日その映像の一部がテレビで流れたが、本物のアイリーンはもっと醜くふてぶてしく汚い言葉を吐いていた。映画のアイリーンは可愛く描かれたのか。
「子供の頃は映画スターになりたかった」彼女は、死して銀幕デビューしたのだから、結果的には本望な人生だったのかもしれない。少なくとも愛することを知ったのだから。

 ̄ ̄ ̄
火曜深夜テレ東『遙かなる時空の中で〜八葉抄〜』新番組。
これぐらいだね、原作知ってるのは。コミックスとほぼ同じ展開。最初は八葉の大まかな紹介。アクラムが出張ってたな。友雅はフェロモンばっちり。泰明の「問題ない」も聞かせるサービスv。
作画はまずまずで安心したが、予告の2話の画にヒヤリ^^;。少女アニメは顔が命なんだから。
LaLaのCMは、石田彰の泰明声からコミカル声へ。月代わりになるのか不明。『ネオロマ7』のCMは、ぴえろの『最遊記』イベントDVDのCMを彷彿。『エトワール』の映像も見れた。

そういや新番アニメ『学園アリス』の新たなキャストが発表。
岬先生役に櫻井孝宏。ペルソナ役に三木眞一郎。二人ともNHKBS2に好かれてるよなぁ。

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