映画『父親たちの星条旗』日本語吹替え版を観てきた。吹替え版は3日より上映中。
監督のクリント・イーストウッドじたいが好きではないし^^;、どうせアメリカ万歳の戦争映画だろうと躊躇していた。だが、二部作の『硫黄島からの手紙』を観る為にはこちらも観ておかねばならない。

第二次世界大戦末期に激戦地であった「硫黄島の戦い」をアメリカ側からの視点で描き、英雄に祭り上げられた若者達を追った、ドキュメンタリー風フィクション。
現在、過去、その中間、そして過去のカットと構成は複雑。戦闘中はモノトーンで、殆ど無名の俳優たちが「無名」の兵士を演じることに意味があるようだ。

私の嫌いな部類のアメリカ人がわんさか出てきて、絶えず不快な思いと静かな憤りを感じながら観た。
硫黄島で死闘した兵士らと、戦地に行かずのうのうと国内で暮している者たちとが、あまりに違い過ぎる。
そして、戦争とは戦地にいかない者たちによって作為的に作られていくのだと、あらためて思い知らされる。

アメリカ人にとって戦争とは、勝つか負けるかではない。生きるか死ぬかでもない。当然勝つことを前提とした、戦争とは「金」であるのだ。戦争が金儲けの手段なのか、金儲けの為に戦争をするのか。軍資金を集めるためなら、英雄を作り上げて茶番劇に仕立て、国中を巻き込んでのお祭り騒ぎに大イベントを催す。何だって利用し何だってやってのけるのがアメリカ人なんだな。乗り気でなくとも、そのキャンペーンに利用され、英雄扱いされていく若者たちの反発や葛藤は面白かったが、彼らも結局は「良きアメリカ人」を選んでしまう。

「死人に口なし」なのだ。散っていった戦友は思い出されるだけでまだいいが、遺族はやはり切ないだろう。
それ以上に、硫黄島死守をやむなくさせられ、最後の最後まで戦い抜いた日本軍人や島民らのおびただしい犠牲がたまらない。アメリカの金集めの為に、最も利用されたのが日本人。そもそも、タフで狡猾で傲慢で物量物資に富むアメリカなんかと戦いを始めた日本が愚直で大馬鹿なのだ。

戦争キャンペーンの柱となった擂鉢山の星条旗。映画は硫黄島の真実を淡々と追っていく。戦争をヘタに美化せず、ありのままに後世に伝えることが大切だと映画は語っている。
だがイーストウッド監督は、戦争はやってはいけないこと、戦争は断じて悪なのだ、とは決してここでは語っていない。反戦でもなく、非戦でもないメッセージが含まれた戦争映画。勝者だけが持ち得る戦争観だろうか。アメリカ人の戦争に対する意識や考え方そのものが、日本人の持つ感覚と根本的に違っているのだと認識させられた。

終映後に『硫黄島からの手紙』予告編を上映。日本側視点の映画では、戦争観のズレがはたして修正されているだろうか。不気味な作品になっていないことを祈る。

それにしても「衛生兵が1人死ねば、負傷兵が20人死ぬ」と言われた衛生兵とは、そんなに重要で大変な役割だったのか。
戦場カメラマンも命がけだが、結局はマスコミ側の一人。『ジパング』のグールドさんが浮かんだ。


運命に翻弄される三人の若者たちの声が、竹若拓磨、関智一、志村知幸。竹若さんが分別と良識のあるドクを静かに演じ、志村さんが温和で激しいアイラの苦悩を見事に表現。一番憎らしい役どころのレイニーを智一くんが絶妙に演じ、俳優と智一くんの顔がだんだんとカブってきたりw。確かに、ヒーローものと言えば関智一だ(笑)。
勇ましいリーダーだったマイクを桐本琢也が、一番男前な風貌で知的だったハンクを森川智之が演じる。どちらも出番的には少ないが印象的。
ドクの息子が過去を振り返る後半は、井上和彦の静観とした語りが延々と続く。癒しと誇りに満ちた和彦さんの声にしばし聞き惚れる。
智一くんファン、和彦さんファンには、ぜひ吹替え版をお奨めしたい。
学校休みの息子に付き合って、映画『DEATH NOTE(デスノート)the Last name』を観てきた。
月曜だから空いてるかと思いきや、学校休みの子供たちでめいっぱい混雑^^;。息子の同級生もいっぱいいたり。その子供達み〜んなデスノートを観にきてたのには大笑い。

三度目の私は退屈なら寝ちゃってもいいかな〜と思ってたが、すぐに引き込まれしっかり観てしまった。リピーターも増えそうだな。
今回は二度目で見過ごした細かいカットや台詞、伏線を確認する楽しみがあった。二度目を見た後にパンフを読んだのだが、ネタバレ注意なことがいっぱい書かれていてその確認作業も。

「さくらテレビ祭り」で流れる田中真弓の音頭も耳をダンボで集中。それらしき歌声ではあったがやっぱり分り難かった^^;。
松山ケンイチが語っていたお菓子について。Lの言葉には感情は込められていないが、その分、Lが食べるお菓子に、台詞では表現できない意味合いを込めているという。板チョコ、水飴、かき氷、お茶、おはぎ…。その時々の状況で、松山くん自ら選んで食べるシーンに注目すると、Lの心情も伝わってきそうだ。

原作版は知らないが、映画ではかなりLの存在感が強く印象に残る。藤原竜也との対決でも、一歩引きながらも覆いかぶさるような松山くんの演技力は圧巻で、Lそのものの存在や結末を左右したのかもしれない。
ライトの保身の「正義」が、Lの命をかけた「正義」に叶うはずもない。
親の愛情を知らないLが、父親に愛されていたライトを、どこかで羨ましく思っていたのも伝わり切なくさせた。

青山草太演じる松田刑事は、癒しや笑いだけでなく、射撃や小芝居といっぱい活躍。刑事たちがみんな欲望も持たない善良な人で良かった。
利用され、裏切られ、捨てられようとしても、健気に純粋にライトを想い続けるミサミサも結構好きだった。

記憶を失うと罪に問われないんだろうか。白ライトのままでいたらよかったのにね、と息子がポツリと言った。
観終わった後、息子が見逃していたシーンやデスノの設定などを、復習ついでに何度も説明させられた^^;。

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雑誌『LOOK at STAR!』vol.23。
裏表紙がデスノの広告だけあって、中味もちょいデスノw。
舞台『オレステス』の藤原竜也のレポ写真のページがあり、20ページ後には、Kimeruの『Timeless-THE MOVIE-』で青山草太のレポ写真ページ。青山くんもデスノでまた一気に知名度がアップか。

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土曜深夜ドラマ『地獄少女』新番組。
始まる前は不安があったが、アニメ版の雰囲気を壊さずに快調なスタート。
能登麻美子の持つ危うさとは違うが、岩田さゆりの「いっぺん、死んでみる」もなかなか神秘的な言い方で雰囲気たっぷり。あいの祖母の声はアニメと同じ声に聞こえた。
杉本彩は健康的な色気だし、小倉久寛は人の良さそうな怪しさ。お目当ての加藤和樹は左目を隠してイケメンなノリ。出番はまだ少ないが、セクシーな妖しさと優しさを醸す。「最大のライバルはアニメ版・一目連です(笑)」と書いてあったが、そのうち松風雅也と対談でもして欲しいw。

一緒に観ながら息子が、『地獄少女』って『デスノート』に似てるよね、と言った。
確かに、理不尽で不条理な世の中にあって、法律では裁けない者に制裁を下すデスノートと、憎い人物への怨みをはらして地獄に落とす地獄少女とは似た作業と世界観を感じる。地獄少女はある意味「死神」でもあるわけだ。
だが地獄少女の場合は、人形を渡されても赤い糸を引くまでに最終決断の時間が許される。自分が死ぬ時は地獄へ落とされる末路が待っていると忠告はされる。デスノの「無」と少女の「地獄」、死んだ後はどちらがいいのか。地獄少女のほうが、より日本的で切ないかもしれない。
まぁ、人を殺そうとする者は、自分も殺される覚悟と死んでからの覚悟の両方を持たないといけないわけだ。

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飛田展男さん、お誕生日おめでとうございま〜す!\(^o^)/
12月のアンジェ舞踏会、4公演とも参加する予定。初めての全公演でドッキドキv。
1月にはRELAXさんでようやく舞台『絹の道』(?)。シルクというと白か黒かでソワソワv。
映画『DEATH NOTE(デスノート)the Last name』初日舞台挨拶へ行ってきた。
8時上映スタートと朝が早かったが、どうせ子供らの学校もあったし、祝日なんかウソのよう。

松竹ネットで座席指定券を取ったのは2回目。『地下鉄に乗って』の時は取るのに1時間以上も苦労したので、今回は開始1時間後にアクセスしてみたら、たまたま前方中央座席が空いてて、ラッキーにも取れちゃったというもの。
おかげで、舞台挨拶はバッチリ観れるが、映画鑑賞には不向きで顔面神経痛になりそうだった^^;。


試写会に続き2回目だが、全く飽きなくて、またもや引き込まれた。
前回は筋を追うだけで精一杯だったが、ようやくデスノートの利用設定もよく理解できたし、次々と新しい発見が分る余裕もできた。

夜神月の服の色に注目とずっと前に聞かされていたが、確かに白ライトと黒ライトで使い分けてはいる。ただ、デスノートを手放して白ライトになってる時も、もしや”いい月”になったフリをしてるんじゃないかと前回は疑っていたので私には分り難かった。白ライトの”いい月”を、藤原竜也がもう少しメリハリをつけて明確に演じてくれれば、更に分り易く伝わったかと思われる。
ラストの藤原くんはホントに舞台を観るかのような迫力だった。

Lは前回以上に流暢な”L節”で、ひょっとこお面とかビンゴとか、笑いもいっぱい引き受けてますますキュート。松山ケンイチの細い綺麗な指も変らずだが、椅子の座り方がやけに強調されてた。松山くんの書く字も初めて見たかも。

人を殺す者は、自分も殺される覚悟をしなければならない。
”死神の目”を最後まで拒否した月は、結局はこの覚悟を持つことが出来なかったんだろうな。我が身の寿命、自分が死ぬことを、ある意味、一番恐れていた弱き者だったのかもしれない。

結局、息子は父親を超えられなかった。父親が貫いた真摯の”正義”に、息子の保身の”正義”が叶うはずもない。だが、どんな息子であっても、父は愛し続けているということが切ない。
なぜ、人を殺しちゃいけないのか? なぜ、人が死んだら悲しいのか? それは残された者たちがいつまでも哀しみ、いつまでも無念な気持ちを引き摺るから。1年後のエピローグにはそんな思いが静かに込められていて余韻が残る。この映画のメッセージが充分に伝わってくる。

レムはなかなか切ない死神だった。池畑慎之介の声もクールで演技力も豊かで良かった。原作読んでない私は、レムはてっきり中性的な美死神かと思い込んでいたが、メスの死神だったのね^^;。
エンドロールのキャストの一部が”リューク文字”になってるのは私も気付いた。デスノを触ったか否か。


上映後は、一回目の舞台挨拶。今日は他劇場も含めて5回も舞台挨拶がある予定。
登壇者順は、マギー、片瀬那奈、戸田恵梨香、藤村俊二、金子修介監督。5人が並んだ真ん中が開いてて、サプライズで藤原竜也と松山ケンイチが左後方扉から登場。拍手喝采の中、観客とたまに握手を交わしながら、途中で二人立ち止まって二階席も見渡す。この時に藤原くんが松山くんについて「ズームインが好きなんですよ」と言ってたが、この理由は後ほどTVで判明w。二人ともゆっくりと客席通路を通って壇上へ。

藤原くんが先ず「チェーックメイト!」歓声。映画はいかがでしたか?と聞いて観客から良い反応。「非常に大変でしたが、力の篭った映画になった」と。
松山くんは「2時間20分が長くなるような感じではなかった」
戸田さんは「明るいミサみたいな役に出会えて良かったです」
片瀬さんは「映画は初めてで緊張しました。足が出過ぎてたかな〜。」
マギーさんは「ラ〜ストネーム。途中から全然出てなかったけど、覚えてますか?」
藤村さんはまた「親戚でもないのに拍手を頂いてw。役者はやりっぱなしになるが、こんな映画だったんだと」
金子監督は「ストレートな感情で纏められて、皆さんの良さを引き出せて、スタッフに支えられた」

香港のワールドプレミアについて。
藤原くんは「2万人は言い過ぎかな〜と。撮ったものが世界を駆け巡って得した気分です。人間の奥底の願望を表現している」
松山くんは「香港は暑かったです」隣の藤原くんに耳打ちされて「上海蟹が美味しかったです」(笑)肝心のプレミアについて聞かれ「思ったより人が少なかったです」(笑)「タツヤ〜!エリカ〜!の歓声の後に、エロ〜!と呼ばれた」とw。その後は真面目に「正義が沢山あって信じられない世の中だが…この作品に込められている」。

最後に藤原くんが「この作品が多くの方に受け入れられますように。関わってる俳優もスタッフを今後も見守って頂きたい」。
藤原くんが左隣の松山くんに何度も笑いながら話しかけていたり、松山くんと右隣の片瀬さんが客席を見ながら話していたり。和気藹々な雰囲気が随所に感じられた。

マスコミによるフォトセッション。にこやかに笑みを作る皆さん。松山くんの両腕はずっと後ろだが、藤原くんの両腕は横で、左人差し指の指輪が光る。ムービーでも不動で、最後のほうで藤原くんらに促され松山くんが手を振ってみせたりw。舞台でお疲れなのかちょっと咳をしていた藤原くん。飄々としててキュートな松山くんだった。

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日テレ『ズームイン!!SUPER』。
舞台挨拶前の三人が登場。物心付いた(付かない?)時からズームインに親しんできたという松山くんが、番組の最後で力強く「ズームイン!」コールをやっていた(笑)。
映画『DEATH NOTE(デスノート)the Last name』ジャパン・プレミア試写会へ行ってきた。
さすが人気作品。指定席券引換え前からもうスゴイ行列^^;。

18時開場。ロビー会場全体が、《POLICE》の機動隊によって厳重な警備が引かれててア然(・・;)。「キラがこの試写会を妨害するかもしれないので警戒して」らしい。以前『男たちの大和』で海兵たちがズラリと並んでた時みたいなパーフォーマンスだな。
ロビーに入ってすぐレッドカーペットの取材陣のほうに向う。柵外には人はまだ集まっておらずラッキー。そのうち芸能人がチラホラ柵内に見えてから、後ろがざわつき集まってきて、気付くとかなりの人混み。ベストポジションだった私は後ろから押されないようにと願う。

18時15分頃。MCの「レッドカーペット・セレモニー」で、出演者10人が登場。前列に、金子修介監督、片瀬那奈、松山ケンイチ、戸田恵梨香、藤村俊二が、後列に、マギー、上原さくら、青山草太、満島ひかり、五大路子が並び、インタビューと共にフォトセッション。
私の後方の女性達から「女の人知らな〜い。でも可愛い」な声が。うん、私も知らないや^^;。五大さんは平田広明さんとご一緒の横浜の舞台で何度か拝見したが、ライトの母親役だったとは気付かなかった^^;。青山くんには「映画だとあんなだけど実物はカッコイーね」な声も聞こえてニンマリw。私は『テニミュ』以来だ。松山くんには後方から黄色い声が。藤村さんには「おひょいさんだ。かわいい〜。顔が大きいね」な声も耳に入ったw。
其々自己紹介を述べてから、ギリシャ悲劇で欠席の藤原竜也さんについてコメントを求められ、共演はしたが会ってないマギーさんと上原さんは苦笑。Lとライトの丁々発止のやり取りを聞かれた松山くんは「(藤原さんは)素晴らしい方です。飲まれました」と素直にコメント。スタッフの間では「ラ〜スト」が流行ってると監督がおっしゃった時、松山くんからようやく笑みがこぼれた。
撮影陣に向って立っているので、柵外から見ると横向きだが、こんなに間近で芸能人を拝んだのも久しぶりだ。青山くんと片瀬さんは背が高いし、松山くんは緊張気味で可愛いし、おひょいさんは佇まいだけで味わい深い。約15分間、これから始まる舞台挨拶より中味が濃かったかもしれない。

終了後、人だかりも解散。ふと、リュークのでっかいフィギュアが目に止まり、近付いたらコス姿の平野綾と工藤晴香を発見! どうやらアニメ『デスノート』の『攻略マニュアル』コーナーの収録中。スタッフがしきりにカメラ禁止と呼びかけ。二人はいいが、あのリュークは撮りたいかもw。初めて見るハルカとアーヤは顔が小さくて細くてキュート。アーヤの口って大きいな。打ち合わせ後に本番。私らは静かにしてたのに、二人と一緒に出演のお兄さんがトチってリテイクw。「発売中!」で2回目は成功。ハルカとアーヤ、ぱっと見た限りはハルカちゃんがリードしてた模様。これはいつの放送分かしらん?
でもアイドル声優って知名度はまだまだみたいで、後ろの一般の人は「誰?アノ子たち。可愛いけど」な声もチラホラ。「CMで流れるんじゃない?」な会話が耳に入ったので、「たぶんアニメの最後のコーナーで流すと思いますよ」とお答えしちゃったが、余計なお世話かな?^^; でも教えてくれてありがとうとお礼は言われた。


1階座席に着くと、すぐにスペシャルプレビューの舞台挨拶スタート。
MCはアナウンサーの小倉ジュン。デスノート前編をご覧になってない方はいますか?の問いで、会場からパラパラ手を挙げる人達がw。そういう人達は偽名を使って下さいとお達し。
出演者登場の前に、先ず機動隊のポリスマンが多数壇上に並ぶ。「キラの妨害を警戒して」とw。
そして、五大さん、満島さん、青山くん、藤村さん(会場の拍手が一番大きかった)、戸田さん、松山くん、片瀬さん、マギーさん、上原さん、そして金子監督が登場。去年同じ壇上で、『男たちの大和』ではサブメインの位置に居た松山くんが、ここではメイン位置に立ってるよ。スゴ〜イ。

松山くんはさっきのセレモニーを受けて「ザ・ラ〜スト・ネーム」とやってくれて挨拶。「お菓子はあまり好きではありません」と。
戸田さんは「監禁シーンが苦しかったです」
片瀬さんは172cmもある上に、今日はヒールで190cmもありそうな背の高さで「足を綺麗に撮って頂きました」
マギーさんは「片瀬さんにセクハラして…ハッハッハ」と個性的な笑いw。
上原さんは「大好きな藤原さんらと共演したけど、一緒のシーンはありませんでした」
藤村さんは「拍手がカシワテに聞こえるようになった(笑)僕ほど内容を分っていない者はいないです」と会場を沸かせるサービス。
満島さんは「お父さんとお兄ちゃんがいないのが寂しいけど」
青山くんは「松田は唯一素っ頓狂なので癒してくれれば」と語った後、松山くんが突然横に入り、作品中のLと松田の「バカ」「バカ」掛け合い。イマイチ笑いがとれずw。
五大さんがマイクを取ろうとしたら、突然落ちて壊れるアクシデント。その破片をおひょいさんが拾ったり。マイクの替えでようやく「初めての映画だったんです」と「死と命」について真面目なコメントも残す。「壊しちゃった?」といつまでも気にかけていらした。
金子監督は欠席者について「ギリシャ悲劇とペテン師をやってて(舞台中)」と。デスノートの「デ」をよく噛んでしまうと、早速噛んでおられたw。「面白い力強い映画が出来たと思います」

藤原竜也さんについて。
片瀬さんは「人間的にも大人になってて、無邪気なところもあって」
戸田さんは「クールだけど寂しがりやで怖がりでギャップがある方」「年上だけど可愛いと思います」
松山くんは「役者としてもの凄く深く掘り下げて演じていらした」「現場でも気遣いをされてる方」
最後に金子監督から「複雑ではあるが、ストレートに気持ちを込めて撮ってきた。飽きさせることがない映画に作り上げた」と締めのコメント。

フォトセッションもなく、そのまま皆さん退場された。
MCからは、金曜ロードショー枠の前編の宣伝告知(Dカット版なんだね)や主題歌「スノー♪」について。


原作とは全く違う、予想を覆すような結末。
結末は絶対に言わないでください。
とのことなので、細かいトコだけ雑感。

原作は読んでいないので、どこがどう違っているのか分らん^^;。
映画という媒体では、これが最良の結末だったんだろうな。
2時間20分という長さを感じさせなかった。ずっと画面に釘付けになり、確かに飽きさせない展開だった。

藤原くんは”字”を素で練習していたそうだが、確かにノートに書く”字”が上手くなってる!(笑)前編の感想に私も「字がヘタ」と書いちゃったからな^^;。
今回のお菓子全部、松山くん本人が選んで食べたそうだが、前編のと比べると、ノスタルジックなスイーツになってる気がするw。

来月公開後は息子と一緒に観にいかなくてはならず、その時にまた雑感を記したい。

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映画を見て思い直した。
今日は相方のお誕生日。お酒は買ったが、やはりケーキを買って帰らなければと。でも試写会終ってからじゃ、お店が開いてないじゃん^^;。
映画『地下鉄(メトロ)に乗って』初日を観てきた。試写会含めると2回目。
全劇場で最初の上映で、初日舞台挨拶付きなので場内満席。早めに入場したので、チラシ等はしっかりゲット。

MCの紹介で、堤真一、岡本綾、大沢たかお、常盤貴子、篠原哲雄監督が登場。堤さんは相変わらず、Tシャツにジャケットという地味なお姿。女性陣は美しいドレス姿。初見の大沢さんが堤さんよりも背が高くて注目。篠原監督にはちょっぴり樋口監督と似た雰囲気がw。

堤さんは「去年撮影したものが今こうして公開され、時差があるところが映画の良さ」という挨拶。舞台挨拶に慣れてらっしゃらない風の大沢さんは「前のお客様まで双眼鏡でご覧になってて恥ずかしい」とか何とかw。
「映画を観終わった後、自分達のお父さんお母さん、お爺さん達が親になる前のことを知って欲しい」と堤さんのメッセージ。
皆さん、言葉少なめながら、深い意味のコメントを残してくれた。

マスコミ関係のフォトセッションでも、皆さんとってもおとなしめ。会場からチラと「堤さ〜ん」の声で、ようやく堤さんから笑みがこぼれる。堤さんを真ん中に右左と身体を傾けるのだが、4人が一斉に動く中、大沢さんだけがやや遅れ目〜w。あまりに静かなムードで、ムービーの時はとうとう、手を振ってみてくださ〜いというMCからの指示。それでも皆さん控えめ。
退場時は、岡本さんとかは手を振っていたが、堤さんは姿勢正しくそのまま歩く。作品内容と同様、真面目な皆さんだった。


映画の雑感は先日の試写会後に書いたから、今回あらためて感じたこと。

前半、主人公・長谷部真次の旧姓が実は「小沼」だったと知った時から、みち子の悲劇と運命が決まっていたのだな。うー、知らないままが良かったのか、知っていたほうが良かったのか。あの上司はちょっぴりお喋り。その上司の読んでた本が『罪と罰』。「丁度佳境に入ってる」って、まさかラスコーリニコフの妹のところではあるまいw。
その後のみち子の台詞一つ一つ全てが、布石とも伏線ともとれて意味深い。「真次さんに嫉妬してるの」「みんなが忘れてないから」その意味をもう一度考えた時、実に切なく哀しい。

永田町で出会った中学の時の先生は、真次が時間移動した過去に何度も何度も現れる。満州の戦場での登場は原作通りだったが、霊安室や闇市などにもその影を見る。結局、この人物は時間移動の媒体的役割だったのだろうか。原作読んでてもイマイチ不明。

原作の真次は、浅田次郎氏の分身でもあるそうだ。そして佐吉は浅田氏の父親をモデルに書かれたそうで、いわば私小説にも近い作品だという。
そう考えると、原作が書かれた10年前、もっと早くに映画化して欲しかった。地下鉄の映像が今現在のそれだから、やっぱり40代の真次というのは納得がいかない^^;。
そして、女性作家だったら、母性本能を否定するこういうラストにはしなかったと思われる。「男女」や「親子」の愛は描いているが、「母親」と「娘」の愛が欠落しているから。「産んでくれてありがとう」と、その命を大切に出来る娘に育て上げたいと私は願う。

Salyuが歌うED主題歌『ブラットホーム♪』は強さがあっていい歌だと思っているが、小林武史のノスタルジックな音楽のほうが穏やかに印象に残る。
網の目のように東京を駆け巡るたくさんの地下鉄。人間関係も網の目のように複雑に絡み合う。その中で到着駅を見つけながら、前向きに生きる人達。走り抜けるメトロそのものが私たちなのだとようやく気づいた。


後ろ髪を引かれる思いで、映画後半の途中で劇場を抜けて有楽町駅へ。地下鉄ならぬJRを使い、品川経由で一路、横須賀へ。と、遠い^^;。

映画 カポーティ

2006年10月15日 映画
『アタゴオル』を見て不平たらたらの息子が、お口直しに^^;もう一本見たい!今すぐ見たい!というので、次の映画をタイムスケジュールで選択。『ブラック・ダリア』はR-15指定だし、『オトシモノ』は私が絶対イヤだと、散々迷ったあげく二人が選んだのが『カポーティ』。どんな映画?と聞かれても分るハズもない^^;。スケジュール紙の裏にあるミニ説明文を見せて、これでホントにいいの?と何度も確認しチケット購入。午前中の混雑ぶりと比べすぐ買えたのも皮肉。
場内へ行ったら子供が一人もいなくて、まさかPG-12じゃないよなぁと緊張^^;。以下、簡単に映画雑感。


映画『カポーティ』を観てきた。

映画『ティファニーで朝食を』は観たが、それを執筆したトルーマン・カポーティなる作家は全く存じ上げない。写真も見たことがない。そのトルーマンがある殺人事件に興味を覚え、取材のため拘留中の犯人と接触していき、ノンフィクション小説『冷血』を書き上げる。その6年間を追った特異な作品。

フィリップ・シーモア・ホフマンはカポーティを相当研究されたのか、かなり作り込んでいて、全編通してその独特の存在感に圧倒された。外見からしてクセのある奇人な風貌と仕草。ソフトで穏やかながら、変質気味のネチネチした声。知性と教養には溢れるが、ユーモアとブラックジョークで奇妙に笑いをとる会話。裏では狂気と葛藤に満ちて顔を歪めて苦悩する。本人を見てなくても、確かにこんな男が実在してたんだなと思わせるリアリティ感。さすが名前を冠したタイトル。さすがアカデミー賞やゴールデングローブ賞で主演男優賞をとった俳優。

さながらドキュメンタリーのように、淡々としたストーリーそのものには面白味は殆ど無い。いつもそこに不気味に存在していたカポーティという男。画面の彼を追い続けることに神経がいって、全編を通しフシギと眠気は感じられなかった。
かといって、カポーティが魅力的な男だったかは疑問。地位も名声も社会的適応力もある反面、執拗で冷酷でオタク性もある面が浮き彫りになる。その二面が微妙に入れ替わるところに、狂気と性悪さが感じられ怖くもある。

死刑囚の一人と何度も会話をして、自分と似たものを感じ心を通わせたのは、はたして本物のカポーティだったのか。取材の為には、まだ書き上げてないしタイトルも出来てないと嘘をつき続ける彼が本物だったのか。その嘘吐きの彼に、仲間や弟の嘘を告げ口する人達は本当に誠実だったのか。小説完成の為に、早くスミスの死刑を執行して欲しいと願う一方で、スミスの死は耐えられないと思うカポーティがいるジレンマ。
殺人事件の真相が判明した後は、自分もそのジレンマに陥る。残虐な行為に及んだスミスには早く死をと思う一方、絞首刑前の彼の言葉にふっと哀れみの情も抱く。
まことに人間とは、”理性”と”感情”が交錯する生き物だ。憤りや哀しみは、人の肉体や血管をたぎらせる感情だ。だとしたら、”Cool blood”も相反する言葉の相克なのかもしれない。そして生前のカポーティそのものなのかもしれない。

前半、カポーティと一緒に事件取材をしてた女性ネルを、最初は彼のアシスタントか秘書かと勘違いしていたw。そのうち彼の幼馴染の作家だと分り、彼女があの『アラバマ物語』の執筆者だと分りちょっと吃驚。『冷血』には興味はないが、『アラバマ物語』の映画は機会があれば観てみたい。
ネル役のキャサリン・キーナーは、日本の某女優さんに顔立ちが似てて、日本人好みの俳優かも。
私が思っていた通りの言葉を、ネルがカポーティに毅然と語る場面が印象的。「スミスのことを愛してるの?」「初めから助ける気は無かったんでしょ」彼女が夫にカポーティを選ばなかったのは正解だ。

DVDで吹替え版が出る時、カポーティの声が誰になるのかちょっと想像がつかない。ホフマンのクセのあるシツコさを出すなら、やっぱり山寺宏一とか桐本琢也とかかな。

しかし、観終わったあとの息子は複雑怪奇な顔で無口^^;。ほんの少しウトウトしちゃったそうだ。先ず、日本語訳の意味が分らなかったとか。確かに「控訴が棄却された」とかは息子にはまだ難しいか。首から血みどろや絞首刑シーンはショッキングだったようで、『プリズン・ブレイク』では電気イスなんだよ〜と、”死刑”についても語ってた親子だった^^;。
ワーナーマイカル15周年の《スペシャルサンクスディ》! 今日は全ての映画が1000円で鑑賞+クーポンセットも進呈ってことで、息子と一緒に映画のハシゴをしてきた。クーポンの1200円鑑賞券は要らんが、ポップコーン券は『デスノ』の時に早速使うつもり。娘は今は観たい映画が無いと止めたが、確かに21日以降に色々上映するんだよね。以下、簡単に映画雑感。


映画『アタゴオルは猫の森』を観てきた。
ますむらひろしの原作本は読んでないが、存在はそれなりに知っていた。
アタゴオルの祭りの夜、食いしん坊のトラブルメイカー・ヒデヨシが発端で再生した植物女王の世界征服の野望と、立ち向かうヒデヨシの仲間たちの死闘を描いたユートビア・ファンタジー。
かつての『銀河鉄道の夜』のますむら氏の絵は苦手だったが、フルCGも発展して綺麗な映像でよく動く。だが猫や植物はいいとして、人間の画はイマイチ不自然。

しかしミュージカル・アニメだとは思ってなかった(-_-;)。ダンスはいいが、冗長的で脱力感ある歌の数々は退屈この上なく、物語のキャラだけでなく鑑賞者の眠気まで誘う^^;。いっそ『練馬大根ブラザーズ』みたいに、歌詞のテロップでも載せてくれればもう少し集中できたかも。

食いしん坊で自己中心的でとことん阿呆でバカなデブ猫ヒデヨシには、呆れるばかりでイライラ。しかし人間の本質を突いた発言にたまにドキリとさせられる。「世界」や「平和」の為ではなく、ただ父親として「我が子」の為だけに猛然と突っ込む姿には胸が熱くなる。そんな憎めないヒデヨシ像を山寺宏一がテンション高い声で演じきる。
ヒデヨシを父親と慕い尊敬しちゃうヒデコがひたむきで愛らしい。小桜エツ子が可愛さの中に強さを秘める。
デブなゾロリ&チビなハム太郎というコンビだなと思うと笑わされた。

息子が「ロジャーだね(@ゾロリ)」と言ってたギルバルスは、クールで男前な佇まいといい、スピード感溢れる剣やアクションシーンといい、女性ファンをいっぺんに惚れさせてしまいそうな格好良さ(*^^*)。田辺誠一のボソボソ声も微妙に合ってたかも。
女王レピア役の夏木マリは台詞の端々で池田昌子と似た雰囲気。平山あや、内田朝陽も好演だった。

注目すべきところは、どのキャラクターの台詞も奥深さがあり、真実が込められていることだ。反芻してじっくり考えさせられる度に胸が熱くなる。現代の世界情勢や人間の性などにも言及しており、アタゴオル世界の底知れない魅力が醸し出されている。そういう意味では大人向きの童話なのかもしれない。

しかし、予備知識も何もなく一緒に観た息子は不満たらたら^^;。歌がつまんなかった、物足りなかった、もっとスリリングなのがよかった、あげくに千円が勿体ないと。今風のアニメ映画に慣れた子供には素朴過ぎて、意外とウケないのかもしれない(~_~)。
映画『地下鉄(メトロ)に乗って』試写会へ娘と一緒に行ってきた。
またまた映画本編に出てきた”新中野”に近い中野にて。公開前なので短い雑感。

原作は浅田次郎の同名小説。今年初めに親娘で読んで、映画もずっと楽しみにしてきた。
映画はほぼ原作通り。中盤はかなり端折ってあったが、詩的な雰囲気や堅実な着地点は壊さず。良い意味で、日本映画の王道をいっている。
メトロを介在し、若き日の父の姿を知った男が、父への憎しみやわだかまりを昇華させ絆を再生するも、秘密を知った女は運命を選択する。親子の愛、男女の愛を、時代を超えて追求するヒューマン・ファンタジー。

こんなに真剣に映画を観たのは、『三丁目の夕日』以来だと娘は満足そうに言った。実は堤真一つながりだとは気付かずにw。
地下鉄車両や駅を見るだけで気分が高潮した。見慣れた永田町プラットホームにワクワクし、銀座線丸の内線方向階段の静まり返った様子にドキドキした。
リアリティをたっぷり満足させた後に、昭和39年の佇まいが懐かしく感じられ、原作では想像の枠だけだった戦後の闇市や戦中の銀座線に何故か胸がいっぱいになった。
時おり暗くなる車内の中、出征で戦地に向おうとする若者の姿に、何故だか涙が流れてきた(;_;)。
人間に永遠に変らぬものがあるように、私の身体にもあきらかに日本人のDNAが流れてるのだと感じた。

父と同じように、頑固で不器用で愛を欲する中年男の真次を、堤真一が好演。特に、台詞なき表情や仕草に台詞以上の深みがあって、また一つ堤さんの演技に惚れ込んだ(*^^*)。
大沢たかおは、味があって美味しい役どころだ。
岡本綾はイメージよりは地味だが、毅然とした女を演じきった。常盤貴子や吉行和子の凛とした存在感も印象的だ。

常に受け身だった真次と比べて、女達はみな自分で自分の運命を切り開こうとする強く健気で哀しい存在。ジンと切ない余韻を味わいながらも、「地下鉄に乗れば目的地に着く」という結末に吹っ切れる。忘れられるから、人は前向きに生きていける。
しかし、キスはともかく濡れ場は別に要らんよ。娘が過剰反応しちゃったさ^^;。
そして、私の立場で言わせて貰うと、男はやっぱり妻以外の人と関係をもっちゃいかんよ^^;。

タイムスリップ的には、時間が移動しても場所は移動しないという原則からは大幅に外れてて納得いかない点もあれこれ。
タイムパラドックス的には、あの『ジパング』と好対照でもある。
『時かけ』みたいに自分の意思で時間場所移動できないのがミソだが、時空移動が『プリズン・ブレイク』に出てくる映像みたいで興味深かった。
原作は10年前として、地下鉄の映像はやっぱり今現在。とすると、計算上では真次は50代中頃なハズだが、堤さんはどうしても50代には見えず(笑)。
パスネットも東京メトロ各駅で限定発売中。人物4人だけで、メトロが映ってないやんか^^;。

昭和30年代の写真を模したアンケ用紙が入場時に配られた。全部で5種類、電車やトラックや公衆電話や新聞の写真など。そのアンケの設問は以下の通り。
《地下鉄に乗ってタイムスリップできるとしたら、いつどこに行きたいですか? 理由は?》
映画公開する劇場に皆さんの答えが飾られているそうだ。
私も書いてみたが、結局はジパ草加と似たようなモンw。どこかに飾られているのかな〜。

堤真一と常盤貴子と言えば、清水邦夫の名作『タンゴ・冬の終わりに』が来月からコクーンで上演予定。久々に観る蜷川演出と堤さんだv。
映画『日本以外全部沈没』を観てきた。
レイトショーばかりで諦めかけてたが、先週からようやくモーニングショーでも上映。意気揚々と足を運んだが、結構人も集まり人気を実感。

小松左京氏の『日本沈没』ベストセラー宴会で、星新一氏がたきつけて、筒井康隆氏が1週間で小説化したというパロディ短編が原作。翌年の星雲賞はこの二作が受賞したという。
順番としては、『日本沈没』を観た後でこれを観たほうがいいそうだ。
30年前の作品だが現代風にアレンジ。大規模な地殻変動で、数週間で地球から日本以外の全ての陸地が沈没。日本に外人が大挙押し寄せ、日本も日本人の運命も大きく変っていく話。

河崎実監督のインタビューをTVで見たので、かなりハチャメチャな作品なのかと予想してたが、思ったよりも真面目な内容で、破壊も少なめで柔かめのトーンだった。
映像的には稚拙だろうか。間延びが目立ち、スピーディさが欲しい場面もある。全体的に何となく古めかしくてバタくさい。それが私の世代にはノスタルジーをかきたてられ、妙に嬉しくて可笑しい。CGをいっさい使わず、特撮だけで通してるのに注目。怪獣映画の話数、ニッポン音頭の首相の作り笑い、老人ホームの漫画など、徹底した拘りや手作り感がたまらない。
監督やスタッフさんも、私と同じように、三大SF作家の作品で育ってきた世代なんだなと、ヘンな同盟感まで生じそうだ。

笑っちゃう笑い、笑うに笑えない笑い、笑いたくない笑い。狂気の笑いが充満する中で、小橋賢児、柏倉収史、松尾政寿ら青年たちの誠実でひたむきな姿が光る。まるで”日本の良心”の如く。
元祖『日本沈没』に主演した藤岡弘(映画版)と村野武範(TV版)が握手する場面が劇的。お二人とも渋味と剛健さを出して、”強い日本”を体現し、爽快感さえある。「日本は世界だ!」「私は日本のためだけに生きてきた」この映画は、日の丸や君が代よりも、愛国心に絶大な”効果”と”毒”がありそうだ。
この映画が1年後に作られていたら、草なぎ剛もGAT隊員として出番があったかもしれん(笑)。
寺田農が実に楽しそうに田所博士を胡散臭く濃く演じる。デーブ・スペクター、松尾貴史といった面々が笑撃に登場。筒井康隆ご本人も怪演を披露しているw。

日本に外人が増殖すると、問題になるのはやはり食料。日本で一番安い食べ物の「うまか棒」があんな高値になっちゃうとは^^;。
メインで子供が出てこなかったのが救い。ウクライナ童話『てぶくろ』は知らなかったが、良き本を提供してくれた。

世界がひとつにまとまり、やっと平和がおとずれる瞬間。これが何とも切なくて切なくて、エンディングテーマ『遺言♪』が流れる中、涙がなぜか流れてきた(;_;)。なんてこった!(ーー;) 本家『日本沈没』でも泣かなかったのに、分家で涙が出てこようとは不覚。まるでアニメ『時をかける少女』を観た時のようなタイミングで涙が出て、さすが筒井作品だと冷静に感心したりw。
予想外に色々と考えさせられたけど、私のようにヒネた人にはウケるに違いない。ただし、外人にはとてもお奨めできない(笑)。
映画『X-MEN ファイナルディシジョン』吹替え版を観てきた。
英語タイトルは『THE LAST STAND』。邦題のほうがやっぱインパクトありそう。

人間VSミュータントだったのが、第三者が出張ることで、ミュータントVSミュータントの図式が明確になる展開。
X-MEN達は、アークエンジェルか、はたまた”みらい”か^^;。野望阻止の為とはいえ、同胞を殺傷していくサマには疑問を感じる。これぞアークエンジェルというのも登場していたっけ。

1&2のブライアン・シンガー監督からラトナー監督に替わったので、雰囲気も微妙に変化。
肉欲的な濃厚シーンが目立つ。前作の功労者だろうと何だろうと、邪魔者は容赦なく消す。身体が粉々に塵と化す場面は残酷で、今作を子供に見せるのに躊躇しそう。
ファイナルに相応しく、対決に決着がついたり、旧キャラも性急にリタイアさせたりしてたが、それにしては新キャラも続々登場させたりと気をもたせる。
おまけに、ラストシーンやエンドロール後の映像が、続編期待に輪をかける。

「俺たちはチームだよな」とウルヴァリンが言った通り、X-MENには目的を共にした仲間達がいることが、『スーパーマン』や『スパイダーマン』と違った面白さを与える。
『サイボーグ009』の如く、其々の能力に合わせて敵と戦い、連携プレーも出来るということ。アルカトラズの死闘はそれだけを観ても息もつかせぬ面白さだった。ストームVSカリストは女の意地の戦いだったり、アイスマンVSパイロの炎氷対決は頭脳戦だったり、キティとジャガーノートの壁抜けは柔よく剛を制したり、ウルヴァリン&ビーストは見事なバッテリーだったし。ミュータント達にどんな能力があり、どのように効力的使用するのか知るのにも見入った。
そしてチームならでは、観た者其々にお気に入りキャラや注目キャラが出来るのだ。2ではベッドからすり抜けてた少女・キティが、今回は愛らしさと抜群の行動力で気に入った。

それにしても人間VSミュータントとの戦いが、現在の世界が抱える様々な問題を浮き彫りにする。異教徒間や異民族間との共存。イスラムにもある急進派と穏健派。新薬”キュア”によって連想されるのは、健常者と障害者との共存。自分の持つ能力によっては、ローグのように決断するのもやむを得なしか。
プロフェッサーは、暗黒面に心を操られた教え子を命がけで救おうとした先生であった。そして父親を最後に救ったミュータントの息子。今回も家族や学校といった揺るぎのない思いを伝えていた。
そして「戦争を仕掛けようとする者にはこっちから撃って出る」と断言した大統領のように、アメリカは今でも異分子は排除し攻撃は最大の防御といった強固姿勢なのだろう。人間だけの平和的共存にも未来が見えない。

現在に近い未来、そう遠くない未来の話。案外、ミュータント絡みの犯罪は既にどこかで起きているのかもしれない。ただ、宇宙人と同じく、ミュータントの存在そのものを(故意に)知らされていないだけだったりして。ミュータント絡みの犯罪が起きると予測&予知できたとしても、それを止める手立てが無かったりするから。いや、ミュータント絡みの犯罪をわざと起して、それを口実に戦争を仕掛けることもどこかの国ならやりそうだ^^;。我々が知らないうちに、世界はどんどん暗黒面に引っ張られているのかもしれない。

『X-MEN』は今まで映画館では観てなくて、TV版を観てもイマイチだったのが、先日TVで2の日本語版を観て、ようやく面白さを味わった。
だけど映画の吹替え版はTV版のキャストと全く違っていたのね。ウルヴァリンが磯部勉じゃなく山路和弘で、あまりの違いに吃驚。知的で包容力を感じさせる磯部さんと比べ、山路さんのはワイルドで大胆で飄々としてて、ルパン三世みたいな感じw。どちらがイイかは個人観だが、声だけでウルヴァリンの雰囲気がこんなに変わるとは。山路版にはなかなか馴染めず苦笑しながら見ていた。

映画 太陽

2006年9月13日 映画
ようやく近場の劇場でもやってくれたので、映画『太陽』を観てきた。
昭和天皇ヒロヒトの終戦直前から「人間宣言」に至るまでの苦悩と屈辱を描いた問題作。

後にも先にも日本国内では製作不可能だろう、天皇を主人公にした作品を、敢えてロシアの監督が綿密な調査や研究を基に作り上げたこと。その作品を銀座の某劇場が先んじて公開に踏みきってくれたこと。戦争を知らない若者たちがこぞって観て、色々考えるきっかけを与えてくれたこと。
そういう意味では、大いに評価できる作品だと思う。

しかし、作品自体には大きな誤解をして観てしまったようだ。
戦争とは無縁かのように、静かに粛々と侍従長たちと暮す男。彼の耳には、鉛筆のカリカリした音も、ラジオスピーカーの雑音も、航空機の飛ぶ音さえも入ってこないらしい。人が何百何千と死んでいく外にはおかまいなく、好きな海洋学生物の研究をしたり、趣味のポートレートに見入ったりと悠然と過ごす男。高貴ゆえの変人。天皇にもっと別の理想を抱いてた者には少々失望させられる。
だが、彼の想像した空爆シーンが、あまりに幻想的で神秘的で美しく、そこでようやく理解できた。
これは、史実や実在の人物を描いたものではない。いかにもリアリティに見せてはいるが、実は「昭和天皇」や「日本」をモデルにした「ファンタジー」なのであると。そこからは現人神と崇められ、戦争に利用された天皇の苦悩など、ついぞ浮かび上がってはこない。
その証拠に、淡々と進む前半の戦時中は、仄暗くぼやけたカラーで画面が覆われているではないか。

敗戦後連合国に占領され、総司令官マッカーサーとの会談あたりから、画面は急に明るくなり、市ヶ谷の部屋の中でさえ蝋燭が煌々と照り渡る。
連合国にとって天皇は、チャップリンやヒトラーと同列だと見なしているのが苦々しい。天皇が彼らに身のうちを語れば語るほど、英語を流暢に喋れば喋るほど、彼からどんどん品位が落ちて切なくなるのに、画面からは笑いが増えていくのが悔しい。

我々の言うことに全て従わなければ、国や日本人のことは保障しないぞ。
結局は、天皇は連合国に脅迫されたのだ。そして天皇は全てを受け入れてしまった。自分は「神」ではなく「人間」であるのだと宣言することを。軍部によって戦争に利用された国の「太陽」そのものだった天皇。それが失われたのだ。
代わりに、連合国側からの「太陽」を半ば強制的に持つことになった日本人。それこそ、憲法第一条であり第九条でもあり、様々な民主主義であり、チョコレートでもあった。
日本人は国内からは何の変革も出来やしない。黒船や明治維新から、日本は海の外からの圧力でしか変化できない。

天皇役のイッセー尾形の怪演は、ややデフォルメされた物真似と化してるが、雰囲気をよく伝えている。天皇の口癖「あっそう」の言い方も全部違っていて面白い。
佐野史郎は侍従長というより、家政婦は見た!な雰囲気w。
桃井かおりは存在感はあるが、愛情や品性が感じられない。

現在の日本が持ってる「太陽」も、やはり贋物ではないだろうか。仮に我々が今戦争に巻き込まれたとしたら、その太陽の為に戦えるだろうか? 「天皇陛下万歳」と戦死できるだろうか?
それこそ「黙示録」ならぬ、「太陽の黙止録」となったとしたら^^;。この映画はある意味、本物の日本人への警鐘なのかもしれない。
映画『出口のない海』試写会へ娘と一緒に行ってきた。
映画本編にも出てくる中野にて。以下、ネタバレ的雑感。

映画『半落ち』と同じ、横山秀夫原作×佐々部清監督作品。
太平洋戦争で日本の敗戦が濃くなる時代、海軍最後の秘密兵器「回天」という人間魚雷に乗り敵艦に激突する任務についた若者たちの青春物語。
「回天」についての知識は殆ど無いが、『大和ミュージアム』には「回天」十型(試作型)が展示されていた。江田島の旧海軍兵学校の教育参考館には、回天特攻隊員として出撃し命を散らせた若者達の遺書や遺品が保存されていて、私の目頭を熱くさせた。
その「回天」特攻隊員の話だから、当然ながら色々と期待させられるわけだ。

しかし、ストーリー的には盛り上がりに欠けて、お涙頂戴とまではいかなかった。
前半は、回天特攻に志願した元・甲子園球児の回想が度々挿入され気分も高まるが、後半は一転して、回天整備士の語りと目線で終始。視点が定まらず、人物に感情移入できないまま終る。

そもそも主人公・並木という人物に思い入れがわかない。大学生で恵まれた環境にいながら、海軍や特攻隊に志願。時代の洗脳と周囲の影響も動機で、死への決意や覚悟が薄れがちである。彼の末路は予想外のものであまりにあっけなく、戦争の悲惨さや壮絶さが明確に浮かび上がってこない。
市川海老蔵の演技は濃厚で模範的だが、若者に特有の危うさやはかなさが感じられず、座長のような雰囲気だった。恋人と一緒に歩いてる時はまるでお父さんみたいだったしw。

むしろ、貧しい中で深い事情を抱え特攻隊員となった北や佐久間や沖田、整備士の伊藤といった面々のほうが魅力的で絵になる。伊勢谷友介、塩谷瞬らの若手がみずみずしい演技を披露している。
若手女優のほうは、キャラ的な鬱陶しさもあり、品が感じられない。

映画『ローレライ』以来の伊号潜水艦だが、何故ソナー員はいつも眼鏡?もしや同じ俳優さん?^^;
「回天」の操縦や仕組みがあんなに複雑で難解だとは思わなかった。頭のいい人しかムリ。
三種の軍服の色がやけに鮮やかで、みんな男前に見えた。でも三種で全力投球すると破けそう〜。並木は一種もあったが、チラシやメトロパスネットにもあった二種は映らず^^;。
あのボール、遺族なら欲しかったと思うが、勝手に投げちゃってよかったのか?
今度は山口にも行ってみたいねという私の言葉に、即同意する娘w。

本来なら、スポーツや歌や仕事といったものが若者の情熱のはけ口となるはずが、戦時中は「死」だけしかはけ口として残されていなかった。名を残すため、生きた軌跡を残すため、回天を伝えるため、家族を国を守るためと、若者たちは特攻への様々な理由付けをしたが、その思いさえも日本の軍隊に利用されたというのが切なくもある。
映画『スーパーマン リターンズ』吹替え版をやっと観てきた。
もちろん息子と一緒。息子は単純にスーパーマン好きだからだが、私はむろん、東地宏樹@スーパーマンと平田広明@リチャードがお目当てなのだv。

冒頭、スーパーマンの宿敵レックス・ルーサーから石塚運昇の声が聞こえてきて吃驚(゜o゜)。これって、これって、ジパングファンへのプレゼント!? (笑)。アニメでは実現ならずだったが、草加VS滝を彷彿とさせる思いがけない設定に早くも萌えるv。
回想でヤングスーパーマンも出て、TVドラマと同じ野島健児の声も期待するが喋らず^^;。実現してたら”帝海スーパーマン・トリオ”と化していたかもしれぬ(笑)。

新人ブランドン・ラウスのクラーク・ケント。ひと目見た瞬間、リアル藍染隊長だ!?(゜o゜)てか、大口兼悟ソックリでドキドキv。眼鏡外すとセクシーで男前な設定は、元祖・メガネ属性キャラかもしれん(笑)。
そして東地さん演じるスーパーマンは本当にハマってて、主人公を何倍も格好良く見せてくれた(*^^*)。『トリニティ・ブラッド』のアベルのような二面性。アベルも眼鏡外すと超吸血鬼だったしなw。熱い思いを秘めるクラークの飄々さと、積極的に思いを伝えるスーパーマンの男っぽさを、東地さんは丁寧に確実に表現していた。
日曜TV版とは違い、ラストでは心の成長を遂げたスーパーマンの声から、達観した優しさと揺るがない決意のようなものが感じられたv。東地さんの深みのある最後の台詞が切々と心に染みる(^^)。

思い人ロイスをめぐり、彼と大人の三角関係になるのがリチャード。いや、クラークも含めると四角関係にもなるのか!?^^;
リチャード役の平田さんが、包容力のある優しく頼もしい声で魅力的(*^^*)。『パイレーツ』のジョニデとは全然違う大人っぽさ。『最遊記外伝』の捲簾と敖潤をチラと浮かべながら、対クラークやスーパーマンとのやり取りを味わい、声を揃えた「座標軸!」にニンマリv。リチャードは女にとって実に理想的な男。「ここで待ってる」とロイスを彼の元に行かせるシーンは、平田さんのクールな声も相まって、思わず涙が出てきた(;_;)。よもやスーパーマンで泣くとはねぇw。

ロイス役の安藤麻吹は、『ダ・ヴィンチ・コード』時のような無味無臭の落ち着いた声と着実な演技。
永遠のアイドル・カメラマンのジミーは川島得愛で好感度いっぱい。ルーサーの相棒キティー役が雨蘭咲木子で、『ダーマ&グレッグ』以来のキュートさは変らず。

そんなこんなで、吹替えをめいっぱい楽しんだおかげで、お話は二の次になってしまったが^^;一応は雑感。

スクリーンでは19年ぶりだが、物語は5年後に地球へ戦線復帰のスーパーマンの当惑ぶりから。
その再登場は実に派手だ。空に陸に海に、スーパーマンの無敵ぶりのアクションは観る者を釘付けにし、人々に喝采と爽快感をもたらす。勧善懲悪劇のまさに王道。ヒーローの格好良さに引き込まれ、一気に観ることが出来る。

だが、ここまでは前作の踏襲。
あれ程の強靭な肉体と精神力を持ち、品行方正で勇気と優しさに溢れる、自由と正義のヒーローも、裏ではただの男にすぎなかった。愛する女をストーカーする程に嫉妬心を募らせ、ライバルに負けじと再び彼女の気を引いてモーレツ・アタック。宿敵レックスの企みにも後手後手で、どこか精彩に欠ける戦い方。
そんな人間スーパーマンと恋の行方が、今までに無い面白さを放って興味深い。

ヒーローがこんな風に変ったのも、アメリカの現在の状況と大きく関わってるように思える。
アメリカの理想を具現化したのがスーパーマンだとしたら、極悪人は某国とか某国とか^^;。”クリプトナイト”は核に見えて仕方がない。レックスが創り出した大陸は、9.11直後のアメリカの姿なのかもしれない。
そもそも北極のスーパーマン秘密基地で獲得したものが、レックスの野望を助長したのだから、本当に「スーパーマンは必要だったのか?」ということにもなる。”自由と正義””世界の警察官”を名乗る国を、現実の世界ではもはや必要としていないだろう。
スーパーマンが命をかけてクリプトナイトを宇宙に捨て去ったシーンは、『∀ガンダム』のロランの行為と似てる。これがアメリカの良心であり理想。だが実際はそんな意思も勇気も決断も、この国には許されない。それが哀しい。

スーパーマンは瀕死の状態から見事に蘇るが、彼には新たな愛情が芽生える。それは未来永劫に向けた家族愛と平和への誓い。心身ともに大きな成長を遂げたスーパーマンの姿は慈愛に満ちていた。同時に、現実世界がいつまでも未熟なのを痛感させられた。
スーパーマンの男としての成長ぶりは歓迎するが、哀切たる現実の世界状況が常につきまとう。理想と現実のあまりのギャップに鬱々とさせられ、作品としては単純に楽しめなかった。

 ̄ ̄ ̄
金曜深夜アニメ『ウィッチブレイド』19話「思」。
これも大人の三角関係と呼べるのか。雅音は鷹山と二度目のベッドイン^^;。前回は成行きであったが、今回は愛情の確認でもあった。
自分の思い人の雅音を、傷心の鷹山の元へ車で送り届けた斗沢の姿が、『スーパーマン』のリチャードとどうにも重なっちゃってねw。
子持ちの女性版スーパーマンとして見ると、別の興味がそそられる作品である。そういやこれもアメコミが原作だっけね。
劇場版『遙かなる時空の中で〜舞一夜』を観てきた。試写会入れると2回目。
夏コミで一緒だったIくんが観たいと言ってたし、前売券2枚も早く使いたかったから。

劇場版限定パンフ、評判良いので買っちゃった。各人の撮り下ろし写真が必見で、男性陣は黒を基調にした服。その中で石田さんは、白黒とまさに陰陽師ちっく(*^^*)。佇まいも泰明っぽいと感じるのはファンの欲目v。
キャストのサインが入ったポスターも飾ってあった。石田さんの字でちゃんと《泰明》。保志くんのサインがちと見辛いか。


劇場版本編のネタバレ&曲解^^;雑感。
試写会の時は、
《龍神の神子と謎の青年との甘く切ないラブ・ストーリーと、見守る八葉の物語》
と書いたけど、ぶっちゃけ、
《記憶喪失でタラシの怨霊にたぶらかされた神子と、尻拭いをさせられた八葉の物語》
でもあったわけだ(爆)。

1回目観た時、季史と恋に堕ちたあかねの反応がどうにも腑に落ちず、共感できなかった。逢瀬を重ねたとあるが、たった2〜3回の数時間。一目惚れとはいえ、あかねの異常な感情の高ぶりは理解できず。彼の正体を知れば我を忘れたように暴れ、封印に何度も何度もためらい、いつまでもとめどなく涙を流す。
この1週間そのことをツラツラと考え、徐々に答えが推測され、今日2回目の鑑賞でしかと確認できた。

季史とあかねは、実は肉体関係があったのだ…と(笑)。
もちろん、そんなシーンは全く出てきてないし、そもそも純粋な乙女ゲー作品でそんな肉欲場面が禁止なのは当たり前。
でも、二人がデキてたと解釈すると、あかねの過剰反応にも納得がいくし、二人の台詞も深みが増す。
てか、こんな年寄りからすると、キスもしない純愛ドラマなんてとっても信じられんのよ。それだけ腐った思考力になっちゃったんだな^^;。
けれど、キャラのふとした台詞や行動から勝手に推測して解釈し、本編には出てこないシーンや設定を想像するのも、鑑賞者の自由ではある。

あかねと季史との再会で、古寺にこもった二人にそれはムリなく訪れる展開だった。あかねの孤独と不安の魂に共鳴した季史。彼女の涙をぬぐうシーンは何度も出てくるが、本来それは”くちづけ”なのだと推測できる。
同じ迷い子同士、気持ちだけでなく身体の繋がりも欲しくなる。
「二人でなら、道に迷っても恐ろしくはないだろう」
道に迷うは、文字通り、道から外れる行為。”乙女”や”生娘”ではなくなる行為。暗喩させた言葉に、だからこそ、あかねは頬を赤らめたのだ。
その後はあらゆるシーンで納得がいく。湯浴みしたのも、抱かれた身体を清める意味もあったのかと。

決定的なのは、舞殿で神子が季史の目を見つめて語りかけるシーン。
「私、色んなあなたを知ってるから」
言えねぇ、言えねぇよ〜。単なる精神的だけの恋愛感情だったら、とてもここまで言えないよ。”色々なあなた”とは、優しく抱き締めてくれた貴方、傍らで微笑んでくれた貴方のことも指してる。身体も一つになったからこそ、こういう台詞だってキッパリはけるのだろう。
だから、「あなたと一緒にいる」って台詞が生きてくる。この時、神子は本気で彼を取ろうとしてた。「季史さん」「季史さん」逢瀬の抱擁を思い出して、神子は呼び続けていたのだろう。

結局、季史が神子の幸せを祈り、自ら退くことで決着がつく。
神子は、”愛”より、”仕事”と”仲間”を取ったのだ^^;。
でも時おり、彼の優しくも狂おしかった抱擁を甘酸っぱく思い出しながら、こうつぶやく。「優しかったあなた」と。
龍神の神子は、大人の階段のぼる きみはもう シンデレラ〜さ〜♪

せっかくの劇場版遙かも、こんな曲解だと昼メロ風なエロチックさだな^^;。
でも一番エロかったのは、長い髪を四方に散りばめて、頬を両手で押さえながら目覚める藤姫の色っぽさだな(^.^)。夜の間に誰かのお忍びを受けたのかと思っちまった^^;。
安倍泰明は割と活躍してたと前回は思ってたが、今回見たらそうでもないことが分った^^;。後半なんか、炎の道を開けただけじゃ。泰明で一番エロかったのは、小天狗ちゃんの耳元で囁く呪いの台詞で妙にドキドキしちゃった(*^^*)。でも泰明の顔がそのシーンだけ崩れてて残念。

帝役の井上倫宏は2シーンだけだったが、久しぶりにアニメで聞いたなという思い。
男の子の怨霊役が大久保祥太郎で、アニメは『ぼくの防空壕』以来に聞いた。『レ・ミゼ』など実力派子役なので、また色々と出て欲しい。

 ̄ ̄ ̄
郷田ほづみさん、お誕生日おめでとうございま〜す!\(^o^)/
40代最後のまさに男盛り。
ますますの幅広いご活躍を楽しみにしています。
最近はとってもご多忙だけど、ご自愛くださいませね。

『装甲騎兵ボトムズ パーフェクトガイド』。
ボトムズ・ファンは必見のお宝本。郷田さんのインタビュー&写真もカラー2ページ。「キリコはとにかく疲れてる」って^^;。記念碑的作品だと断言してくれたのが嬉しい。

日記をスタートした頃に書いたけど、今でも本当にそう思っている。
《安倍泰明は、キリコ・キュービィに似てる》と。
ついにこんなモノを観てしまった^^;。
周りのちっちゃいお子様たちの可愛いツッコミにいちいち吹きながら(^.^)。


スーパー戦隊シリーズ30作品記念
『轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE 最強のプレシャス』。
TVではいつもナガラ見なので、キチっと観たのは初めてw。
冒頭はプールの吸水口からスタート。痛ましい事件を受けて、急遽最初のテロップで《吸水口には気をつけて》とお子様に注意書き。

チーフの父・虹一が登場。冒険家同士の意地で、父息子の対決っ!? この親父が意外と強ぇっ(^o^)。ピンクの口から「お父様」「お父様」が飛び交い、最後は「さとる」と呼び捨て。もー、さっさと嫁入りしなっ(笑)。ブルーとイエローは相変わらずラブラブ。で、5人よりシルバーのほうがなにげに活躍かも。

紅一役の倉田保昭が私達世代には懐かしい。もちっとスマートなら更に〜。
最大の敵ハイド・ジーンの原型は某アニメや平成ガメラっぽい。飯塚昭三の声は不滅。
赤白青の敵がイマイチ区別がつかない私だが^^;、マウスのもう一組・森田順平や黒田崇矢の声はチラっと聞ける。三宅健太&鈴木千尋のガイ&レイは興味深いなw。

単純明解で30分位の軽快なストーリー。最後に映ったのがパシフィコ横浜付近で苦笑。


仮面ライダー生誕35周年記念
『劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』。
お目当ては和樹ッスv念のため。先月のスーパーヒーローショーの舞台挨拶を思い出しながら、なるほど〜と見ていた。

巨大隕石の落下から始まる、TVとは違ったアナザーストーリー。
ワーム対抗秘密組織ZECTとネオゼクトを背景に、仮面ライダー同士の熾烈な戦い。ワームとの三つ巴にもなりゃしない^^;。

劇場版での天道と加賀美とひよりの関係にビックラ(゜o゜)。「ひより」「ひより」が飛び交い、ちょっとした「ひより祭り」(笑)。TV版のキャラクターとは違うけど、「おばあちゃんが言っていた…」と「なんでボクが…」は聞けるのでグー。でも天道の料理の腕は見れず。
加賀美はカッコイーとこもあるのに、やっぱヘタレっぽくて可愛いっw。

劇場版限定のライダー三人は特筆なし。強いて言えば、ネオゼクトの織田が役的に美味しかった。
戦士の北斗が『亡国のイージス』のジョンヒみたいだったw。
ザビーはやっぱり矢車想のものだな。美形で策士だけどヘタレ。

風間大介は自由で穏やかな感じで、それなりに格好良いv。予想通り、出番は少なかった^^;。装備した武器は結局使われず。女性に紳士的なトコは致命傷。
相変わらず、仮面ライダードレイクは弱すぎてショボン(~_~)。それもライダー同士の戦いなら分るが、人間相手ってどーよ^^;。
加藤和樹は帽子が似合って、優雅な立ち振る舞いで、セクシーな目力で、一応は目の保養(*^^*)。

やっぱり大介にはゴンがいないとダメだな。
13日のTV版は、窮地の大介をゴンが愛の力で救う話。さすがゴン! すっかり可愛らしくなっちゃって、大介を信じてるんだね。もー、さっさと大介に嫁入りしなっ(笑)。

劇場版ではTV以上に萌えシーンいっぱい(^.^)。落ち込む加賀美をビンタし奮起させる天動。愛のムチっすよv。そのまま二人一緒にどこまでも〜。加賀美の危機を何度も何度も救う天道。見つめあう二人。こんな宇宙空間であからさまに天道×加賀美を見せ付けられてもねぇ(笑)。いっやー楽しかった。
水嶋ヒロと佐藤祐基の力関係がこの前のイベントでも想像できたが、同い年だったんだねこの二人。しかも祐基くんが早生まれで学年違いと絶妙〜。
和樹は徳山秀典と仲良しみたいなので、TVで矢車×大介なシーンも待っていたいw。

ツッコミどころ盛りだくさんだが、ラストのオチはやっちゃあいけない禁断のネタ。あれじゃあ、何でもアリになっちゃう(~_~;)。TV版のバラシだと言えばそうなんだが。ま、いっか。


次は『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』? ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品か。
年老いた(笑)ハヤタやモロボシ・ダンまで出てきて、あまりに懐かし過ぎる〜。

これで、今夏の日本アニメ映画はだいたい観たハズ。そのうちランキングでもするかな。
劇場版『NARUTO-ナルト- 大興奮!みかづき島のアニマル騒動(パニック)だってばよ』を息子と観てきた。
劇場版『BLEACH』の予告がやけに長かったが、ぴえろ繋がりだったねw。

今作はお目当ても何もなく、殆ど期待もしないで観たが、これがなかなか面白かった。
単純明解で勧善懲悪の分り易いストーリー。笑いとシリアスの絶妙なバランス。起承転結が明確のスピーディな展開。
春に観た『GAMERA 小さき勇者たち』にも繋がるものを感じた。「子供と動物」ネタはやっぱり強いってばよw。
「友情」「勇気」「不屈」という少年漫画の王道を久しぶりに見た思い。ストレートにガッツリ盛り上げて、ラストはちょっぴりウルウル感動(;_;)。
正直、ナルト劇場版3作のうちで、一番良い出来上がりだったといえよう。

作画や動画には荒削りな面も多々あるけどね。演出上の”タメ”もややしつこくて、テンポが損なわれたシーンもあったり。小さいお子様にはちょっぴり残酷な場面もあるし、途中で敵キャラの行方が不明になったりと、ツッコミ所もあれこれあったさ^^;。
だけどそういうのは大人の視点であって、要は子供達が楽しめて何かを感じて、スカッとした気分で締めてくれればいいわけだ。

今作のメッセージの一つは、大人を頼らず、むしろ大人をフォローする、子供たちの”パワー”のスゴさ。
期待してたカカシ先生は、写輪眼使いまくりで格好良かったが、早々とヘバってリタイヤ、実はそんなに活躍してないじゃん(笑)。やり遂げたのはナルト&サクラ&ロック・リーの強き「想い」。ナルトは作品中でも成長して、カッコイー”男”になったね。
ナルト達と出会って大切なことを先に学んだ少年は、ダメな父親を励まして心を動かす。親子の絆も見せ所だった。
MARIAの主題歌「つぼみ♪」が、そんな子供たちの応援歌として合っていた。

注目すべきは、メインゲストにちゃんと声優陣を起用してくれたこと。今夏の劇場アニメが殆ど素人声優だったので、逆に新鮮だった。
大塚明夫、納谷六朗、浜田賢二…と、去年が石田さんや加瀬さんだったから、マウスプロ大活躍といったところw。菅原正志に佐々木梅治と、主に外画で活躍してる面々を揃え、とにかくキャラクターに膨らみをもたせて安心して聞けた。
13歳の池田恭祐はまだこれからだが、ナチュラルな感じで好感。
買わされたパンフに、声優さんのメッセージとプロフィールまで載ってるのがまた嬉しいじゃないか。もちろん、大熱演した竹内順子、中村千絵、増川洋一、井上和彦の座談会付き。
話題作りのアニマル浜口親子やレギュラーは、あくまでアクセントだったのも歓迎だ。

サーベルタイガーが出てきた時は、『うたわれるもの』のOPみたいなシーンが待ち遠しかった。
サクラのヘソ出しルックもキュートだわん。
国王親衛隊の服装って自衛隊みたい〜。コレガさんが角松に見えて仕方なかった^^;。
劇場版第4弾もあるのかな〜。この調子で、私達が忘れていたものを映画で思い出させて欲しい。

映画 ゲド戦記

2006年8月1日 映画
映画の日なので、映画『ゲド戦記』を観てきた。
やっぱり自分の目で確かめないとね。子供らは当然スルー。

少年の成長物語かと思ってたら、魔法使い対決の話だった^^;。
約2時間、一回も笑わせもしないし、泣かせもしない。心が揺さぶられることは殆ど無く、1時間半程で時計をチラ見。
ヒネリや伏線が殆ど無いまま、前後の話をすっぱりカットした物語を淡々と描くだけ。世界観も分らず、ストーリーにも納得いかずに終了。
教訓めいた言葉や理屈っぽい台詞には、力と真実が篭っていなく、薄く空に浮くだけ。延々と道徳の絵本を見せられた気分で、見終わった後は心に何も残らない。

宮崎吾朗監督は、おそらくたいへん真面目で素直でストレートな方なのだろう。監督の人柄が反映されてるから、主人公アレンのような、まるで何かから恐れ逃げてるような尻込みと萎縮を作風から感じる。父の呪縛や「ジブリ」というネーミングから解放された時、吾朗監督の本当の手腕が発揮されるのだろうか。
同年代の細田守監督が『時かけ』で描いた、目にも鮮やかな青い空と白く大きな雲と比べながら、ゲド世界の濁った空と澱んだ雲を虚しく見ていた。

アレンはヒネてキレて暴れていたほうが魅力的だったかもw。『ひぐらし…』的な怖い表情に若干絵の乱れが^^;。魔法使いたちに取り合いにされた彼はあからさまに「受け」光線ビンビンで情けない。父殺しの理由は結局分らず仕舞いだし、アレンに心情を寄せることは不可能だった。
登場時のテルーは思ったよりイヤな娘。「助けて貰って礼も言わず睨むヤツなんて大嫌いだ!」だよ。柵ごと抜いた時は、おっと『コナン』化?とワクワクさせたが、違っててガッカリw。後半につれ素直で行動的になるが、それも「力」に裏打ちされてたものなら嫌味だ。「テルーの唄♪」は公開前から散々聞かされたせいか、挿入歌としてはあまり心に響かなかった。
岡田准一も手嶌葵も声優素人としては一生懸命で熱演。たまにハっとさせる輝きを聞かせる。

何といっても、真の主人公・ハイタカさんの渋い格好良さ! 若かりし頃はさぞかし…と過去も知りたくなるが、あの『カリオストロの城』のルパン三世が年を取ったら、彼のような感じだよ、たぶん(笑)。雰囲気じゃなくて、生きるスタンスみたいなものがね。菅原文太がベテランの深味を聞かせる。収録時も手振りや表情が豊かな文太さんだったが、俳優でも上手い人は上手い。
香川照之のウサギもアクの強さが出て良かった。他の俳優を声優陣と入れ替えて欲しかったよ^^;。

映画を観た子供達は、絵や雰囲気には浸れても、物語は楽しめないと思う。はたして原作既読の方はどう感じただろうか。
今推薦するなら、元気にもしてくれる『時かけ』のほうかな、やっぱり。だって鬱々とした自分を見るより、未来の自分を見たほうが楽しいでしょ。

ジブリさんの最高峰は『ラピュタ』と『トトロ』だと思ってるので、またあんな作品を待ち望みたいな。時間は100分で充分。

 ̄ ̄ ̄
『ピクルス王子の市ヶ谷台探検ツアー』御案内キターッ!
防衛庁の食堂で食事が出来るのが嬉しいっ(笑)。
映画『時をかける少女』を観てきた。
評判も良くリピーターも多いようで、超満員で吃驚だった。

観るのを決意したのは先々週の『ルビーにくちづけ』での特集から。NHK少年ドラマシリーズ『タイム・トラベラー』の記憶を私と同じようにお持ちだった関俊彦さん。その関さんが大絶賛されていたからだw(時かけ公式サイトのブログに関さんの写真もあるのが嬉しい)。そして関さんの言葉通りの作品だったv。

画面から聞こえる息づかい、響き渡る泣き声、飛び散る汗、ほとばしる生のエネルギー。みずみずしい世界観に浸りながらも、「生きる」ことに懸命な若い熱にただただ圧倒された。

温故知新とでもいうのだろうか。
かつて少女だった私の思い出に生きた芳山和子は、受け身で待つだけだった。それが今や突き進んでジャンプする少女に変わっている。そのギャップに戸惑いながらも、主人公・真琴を眩しく羨ましく思える素直な自分がいた。
普段は積極的なのに、「恋」には臆病で逃げてばかりいる彼女の姿は、昔の和子にも似ていて、実は何も変わっていない「少女」の断片を見た。
かつて和子が想いを寄せた少年を、私もブラウン管越しで心ときめかせたように、この作品でも真琴が好きになった「少年」を今の若い人も好きになっちゃいそうな気がする(笑)。そういや少年達の名前にもちょっぴり繋がりがあった(嬉)。人の「想い」は今も昔も変ってはいないことを確認し、ラストでしみじみと涙が出てきた(;_;)。

振り返ると、色々な伏線や布石や細かな小物使い等もしっかり描かれていたようで、脚本の緻密さも感じた。
実際に見た東京国立博物館や《ベルリンの至宝展》ポスターに心躍った。あの「絵」も色々深い意味合いがあるんだろう。
『タイム・トラベラー』のネタ的には、途中から推測できて、それ故に切ない予感を味わう。
タイムリーブ中の映像が、劇場版『デジモン』のような雰囲気だった。そういやキャラクターの動きもどこか似ている。

殆どが声優未経験のキャストは、作品のカラーに合ってナチュラルな良さを醸す。仲里依紗は終盤にかけてどんどん上手くなる。何といっても豪快な笑いと泣き声が印象的。『ルビー』にもゲストされた板倉光隆は舞台役者らしい堅実な演技でお兄さん株かな。石田卓也は明暗が上手く出てた。原沙知絵も静かだが味わい深い。

真琴は都立高校なのかな。制服に統一感がなく、茶髪もピアスも自由で、自主性に任せる学校。でも私も娘も、ある程度服装もきちんとしている高校のほうが居心地良さそう。今の娘にはあまりにリアルな話だろうと思う。


残るアニメは『ゲド戦記』に『NARUTO』と『遙か』か。
見る前から言うのはなんだが、朝日朝刊のゲド酷評を読むとやっぱりと思ってしまう^^;。TVで流れているCMにはいささかウンザリしてたから。「大嫌いだ」「このマチはオカシイです」どうして生きる活力を失くさせるような否定的なことばかり言うのだろう?(~_~;)
確かに、今夏のアニメでは『時かけ』はベストかもしれない。NARUTOと遙かはマンネリ&ミーハー系っぽい。

筒井康隆氏といえば、映画公開される『日本以外全部沈没』を読んだ。パロディ短編だが、読んだ後ゾクっとさせる怖さがある。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』吹替え版を息子と一緒に観てきた。
待ちに待った吹替え! にしては満席ではなく、おそらく字幕版に流れたとみえる。

前作のスタッフ・キャストが集結、前作のノリを踏襲しつつ、更に大掛かりで複雑で派手でスピーディな演出をこころみ、コメディ・アクション・スリリングな要素もてんこ盛り、幅広い客層を楽しませるエンターテイメント・アドベンチャーな作品だった。

”キャプテン”・ジャック・スパロウは、相変わらずクネクネしたトボけた風体で、口八丁手八丁の食わせものだが、ツメが甘いマヌケ野郎。今回は特に卑怯なヤツだったが、何をやらかしても許せちゃうし愛おしく思えるのは、やはりジョニー・デップの芝居の極みと魅力なんだろう。ラストはさすが船長の凄みが出て格好良かったが、肝心なトコで続くのかよっ。

どーしてまんまとダマされちゃうのかな〜と、ジャックの詐欺まがいの甘言にノせられて巻き込まれるウィルとエリザベス。前回までは騙されたのに気づいても何も出来ない二人だったが、今回は少しは勉強し賢くなったようだ。ウィルはジャックに抵抗し、エリザベスは口説きで逆に騙し返すトコが気に入った。
ウィルは恋人と父親という二つの守るべきものが出来て逞しく成長したし、エリザベスは”安泰”と”冒険”という二つの男の選択で揺れている。

其々の思惑で戦うジャックとウィルとジェームズは、三つ巴な『三銃士』というより、三角関係な気分w。
丸い牢屋に水車といい、今回は回転アクションが印象的で『W3』を思い出した。
海中版エイリアンな乗組員や深海の魔物なんかはユニークだが気持ち悪くて、当分イカやタコの足は避けたい^^;。でもシーンとしては残酷だったな。
それにしても「死者の宝箱」の遠因が”恋愛”というのも何だかほのぼの。あのオルゴールもね。
前作ラストの主役は「猿」だったが、今作は今年の干支だった。3作目は何になるんだろう?

字幕版のジョニデやオーリーの声も特集とかでたまに聞けるが、吹替え版とちょっぴり印象が違うようだ。
前作に続き、平田広明のジャック・スパロウは飄々とした味わいで実にキュート。お決まりの「お分かり?」も聞ける。後半に連れノリが加速し、セクシーで渋味のある声と演技が盛り上げる。
ウィル・ターナー役の平川大輔は自信と深味が出て、より艶っぽく逞しい声で堂々と渡り合う。叫びや指導者的声も熱演。
二人の強敵・デイヴィ・ジョーンズの声が大塚芳忠で、ねちっこい濃さ。ウィルとの絡みでは、当然『ロード・オブ・ザ・リング』が浮かびニンマリ。
元提督・ジェームズ・ノリントンは前作に続いて森田順平。几帳面さにワイルド感がプラスされ出番も多かった。

3作目はオリエンタル・テイストな海賊ものらしい。ジャックの化粧がますます歌舞伎化しそうだし、ウィルが柔道着な衣装だったらどーしよーと、今から楽しみではある。
ちなみに息子は前作を観ないでいたが、『キングダムハーツ2』をプレイしてたおかげで、充分ついてこられたそうだ。おそるべし吹替え版。
ANGELICA+MPJ 《Short film market 2006》へ行ってきた。
今年渋谷にオープンした映画館CINEMA ANGELICAとMOVING PICTURES JAPANの共同プロジェクトで、若手監督らによる16本の新作短編映画を一挙公開する企画。
雨模様の平日だったが、15人位は観客がいただろうか。地下のホールは結構綺麗。

今日観たのはFプログラムの3本。Fプログラムのテーマ『部屋』にまつわる作品ばかり。その中の1本にお目当ての郷田ほづみが出演されてるのだv。

1.『隣人観察日記』
隣人の行動を日記に書き続ける男が巻き込まれる、六畳間アパートの事件。
登場人物も、話そのものも、ヘンでキモかった(~_~)。見ていると思ってたのが実は見られてて、普通だと思ってた人が実は…というドンデン返し的オチ。

2.『死亡時刻』
浮気中の妻と男のもとに帰ってきた夫を絡めた、マンションの一室が舞台のプチ・サスペンス。
日曜にTVでやってた洋画『運命の女』を思い出した。アレで殴ってどちらかが死ぬだろうな予感。推理マニアな妻が意外と冷静。横暴で思いやりが無いリーマンな夫だが、眼鏡が似合って知的で筋肉質でなかなかイイ男w。愛を確認し合ったのはいいが、アイツは死んだのか? なかなか面白かったかも。

3.『いくつもの、ひとりの朝』
リストラ求職中に別の女性と深い仲になり家を出た父と、そんな父を冷静に見つめながらも真実を問いただす長女とのひと時の心の触れ合い。広く綺麗なマンションの家より、ボロで狭いアパートの家を選んだ父の姿をじっくりと描いた佳作。

父・豊役が郷田さん! フード付きコートやセーターなど、地味な姿の中にもスマートさや品を感じる。積み重ねた年輪を感じさせる温和で落ち着いた役どころで、離れてても子供のことを想う優しい父親。普通の仕事人間の父親だった筈だが、会社という枷が外れた為に、自分自身を見つめ直し自然に生きようとしている中年男。そんな深い魅力をいっぱい漂わせていた郷田さん。
苛立つ娘をつい怒鳴ったり、娘が連れてきた青年にビールを勧めて褒めたり、娘と二人きりのゆっくりした時を過ごしたりと、先日の『幸せのアルデンテ』を思い出させた。台所で楽しそうに味見をする姿もほのぼのと可愛い。

郷田さん、色々なものを食してたかな。静かにコーヒー、気持ち良さそうにビール。炬燵囲んでの水餃子が美味しそう。娘が口にしたソフトも美味そう。冬のアイスは心をあたたかくする。

お父さんも今頃あの人とヤってるのかな…と娘が言った時、ほんのちょっぴり郷田さんがエロく思えたw。娘が告白した通り、あんまり格好良い父親を持つと、付き合う男もオッサンになりそうだ。
「まだ人生の途中だ」と答えを押し留めた父は、今は一人の”男”として別の女性を愛している。哀しくも寂しくもないけれど、しみじみとした切ない余韻が胸に残った。コヤマナオコの透明感ある「ライムライト♪」が染みた。
場面中、駅の広告に《平成16年3月》という文字が。2年前の郷田さんかー(^^)。7月28日まで公開中。

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