朗読劇 罠

2010年12月29日 舞台演劇
朗読劇『罠』を観てきた。

これが2010年最後の観劇となる。
今年は銀河劇場と縁が深かったが、年末ラストに最前真ん中というスゴイ席がきてドキドキ。

2010年5月に上演された舞台を、同キャストで演じるリーディングドラマ。
キャストは、加藤和樹、辺見えみり、岡田浩暉、上山竜司(RUN&GUN)初風緑、松田賢二、他。
皆さん、衣装や化粧で扮しおらず普段の格好で現れるので、舞台と趣が違う。和樹は白いオーバーシャツに黒ボトムとシンプル。岡田さんは中年刑事の装いは全くなく、若々しく爽やかな雰囲気。上山さんも普段のイケメンな格好w。お嬢様のようなフワッとしたスカートを予想していたえみりさんが、バックが変わった形のミニスカートだったので面食らった。椅子に腰掛ける度に腿の辺りが気になったが、綺麗な足元だったので見えることはなしw。逆に初風さんはセクシーな白いドレスで、松田さんもラフなスーツ。

皆さんは台詞が頭に残っているので、赤い皮カバーのの台本を手に目を向けながらも、滑らかにスムーズに会話が進行する。ナレーションがないので、言葉と言葉の間の動作や状況を想像する必要があるが、作品世界に自ずと引き込まれる。
緊張が高まる中盤、絵描きのメルルーシュ@松田さん登場で、雰囲気が忽ち一変! 「お正月」のハーモニーを口にしながら現れて、客席からも思わずクスリ。ダニエル@和樹の顔にかなり接近したり、銃声と共に思いきり倒れてバタンキューとなったり、朗読劇を超えた愉快なパフォーマンスで盛り上げてくれた。5月の舞台でも話題になった、メル画伯が描くダニエルの画は台本に忍ばせてあって、ソックリな劇画調に笑いがおきた(^o^)。松田さん、芸達者だなぁ。でもステージで会話を交わしていた俳優陣は、笑いを堪えていたに違いない。和樹は何とか抑えていたようだが、えみりさんは気を取られたのか少々噛んだw。
そこ以外でも、岡田さんや上山さんは少々噛んだ場面があったが、これが本当に最後という気安さがあったんだろうか。和樹は滑舌に不安はあるが、結局最後まで噛まずに貫き通して、さすがの座長ぶりを見せた。きっともの凄く緊張していたと思うが、その集中力はスゴイ。
ラストでステージ中央に仁王立ちし、全てを吐き出したダニエル。和樹の目の辺りに汗だか涙だかのものが光って、その陶酔した表情にぐっと魅入られた。

カテコは2回。最後に促されて、目の前に立っていた和樹がお礼を述べた。和樹の隣にえみりさん、その隣に松田さんという配置もステキ。
皆さんをものすごく近い場所から見つめ、存分にひたって楽しませてもらったひと時だった。

昼公演にはアフタートークがあったが、今回終演後は出演者によるお見送り。しかも握手付き!
えみりさんに思わず、お幸せに~と言ったら、ありがとうございますと素直に返ってきた。和樹にはしっかりメッセージを伝えられた。上山さんには、ランガンを言うのに精一杯。松田さんには画を褒めまくり、最後までにっこりと言葉を交わしてくれた。
5月に続き、面白くて素敵なカンパニーであった。和樹が再々度『罠』をやることはあろうが、またカンパニーが替わるのは寂しい。

劇場を出たところで、セブンイレブンの仮面ライダー・スタンプラリーを思い出した。
帰りのモノレールが異様な混み具合でビックリ(゜o゜)。
舞台『激動の時を超えて「BUTLER×BATTLER」 ~聖夜の贈りもの~』を観てきた。

クリスマスものは観劇時期が限られるが、25日ギリギリにおさえられた。
『ストラルドブラグ』のノクターン主催で、前作『バトラー×バトラー』のシリーズものになるようだ。

大正元年のクリスマス間近。万代寺財閥のお屋敷を舞台に、当主の謎の急逝の真相をめぐって、次期党首に万代寺家執事たちや使用人が繰り広げる人間模様。
前作とは趣が異なり、思ったよりも真面目な作りで、少々息苦しく疲れる空気感。親子や仲間の絆を打ち出したり、明智探偵や小林少年による推理サスペンスな要素もあり、ミュージカル風なダンスもありと、賑やかさの中にシリアスな展開を狙ったようだ。

届いたチケットの席が前方の端で、イヤな予感はしていたが^^;、案の定舞台に死角があって見え辛い場面が多かった。
舞台セットが頑丈に出来ていて、2階に続く手前の柱が大きくて邪魔で、こちら側からは中央の踊り場や階段の辺りの芝居が隠されて全く見えない(~_~;)。ラストの瀕死の場面も見えなかった。役者の動きや表情も分らないので、殆どドラマCD状態。見えないと当然集中力が途切れ、疲れて飽きてしまう。上演中、何度も何度もウトウトした(-.-)。ふと見ると、私の後ろの男性がぐっすり寝息をたてていて熟睡状態w。
土曜なのに空席が多かったが、客席真ん中がすっぽり空いていたのが恨めしい。

客席を想定しての舞台セットではない。加えて、中2階や2階の芝居が多過ぎて、肝心の役者の表情や芝居が届きにくくなっている。客席からは常に上を見上げる状態になり、首も顔も疲れさせることになりそうだ。
登場人物も多過ぎて焦点を絞りきれず、あれもこれもと欲張ったせいか、人物描写が中途半端で、肝心の心情や感情の変化がストレートに伝わってこない。唐突に始まる踊り、軽快なダンスやパフォーマンスもお祭り的にはいいが、多すぎると展開の妨げになる。常にステージにいる白いドレスの女たちの存在も意味不明だ。
脚本や演出、舞台装置など、見えや体裁や格好だけを整えた演出で、お客へのアプローチを考えていないのだ。スタッフだけでなく、メインキャスト以外の若い役者たちも、力の入っていない幼稚で適当な演技で味気なかった。

久保田悠来と根本正勝は、さすがに舞台慣れした役的位置を心得ており、ステージ上でもよく映える。動きや台詞がピタリと誠実に決まる根本さん、荒々しく激しい動作や台詞に優しさと情熱を秘める久保田くん。麗しくも鮮やかな静と動の異母兄弟として、時に対立したり時に共闘したりと好演し、バランスのとれた二人だった。
ダブル加藤も対照的ではある。加藤慶祐の舞台は初めて観るが、まだ動きも硬くどこか浮遊感があり、こんなに芝居がヘタだったのかと思ったりw。実際、キーマンでありながら出番は少なかった気がする。加藤良輔はさすがにこなれた芝居で、テンション高い明るさを自制しつつ、ダンスでは思い切り弾けて楽しそう。
矢吹卓也は小柄を生かした軽妙な動きのツッコミ役。谷口賢志はラストに渾身の力を発揮する。
男性キャストで名前と役柄が一致しない人もいたが、女性キャストも思ったより多くて、誰が誰やら状態^^;。みんな同じように見えちゃう。

何度もウトウトしたが、根本さん登場の時には俄然目を開けようと努力していた。なんせ根本さんの視線が何度もこちらのほうに飛んでくるので、ドキドキ感と共に眠らないようにと緊張していた。
『アニメ店長DECADE』を思わせるタイムスリップものだろう。あちらのほうがパワーと説得性があってまだ楽しかった。
クリスマスものにしては湿っぽく、いまひとつノれないストーリー。殺人と殺人未遂を起した犯人が、あんなにもすぐ爽やかに皆と馴染んでいるなんて^^;。

特典付きの高いS席だったのに、結局何も特典を貰えなかった。特典って何だったのか?特典ってウソだったのか? 腑に落ちないクリスマスとなり、芝居の後味をいっそう濁した(-.-)。
さいたまネクストシアター第2回公演『美しきものの伝説』を観てきた。

宮本研の42年前の戯曲を、蜷川幸雄の演出で、ネクスト・シアターの若い俳優たちによって上演。
会場は、三方自由席という臨場感に富んだ濃密な舞台空間。
開演前から、演歌師たちが客席に歌本を配りながら、三味線やヴァイオリンで賑やかに唄い練り歩き、観客を大正デモクラシー時代に心地良く誘う。

大正の「冬の時代」。時代に抗する社会主義者ら革命家たち、芸術家たち、新しい女性たちが、「死ぬほど生きた」生き方を、様々な視点から描き出す。
5年前マウスプロモーションの試演会で観た時は、恥ずかしながら予備知識も無かったため、かなり手ごわい作品だった。既にストーリーを把握していた今回は、予習やパンフのおかげで、難なく世界観や人物に引き込まれ、興味深く面白く観劇できた。

【売文社】を軸に、四分六、クロボトキン、野枝をメインにした群像劇。登場人物は実在の人物がモデルだが、舞台では実名でなくあだ名で呼ばれるので、符合や関係性を理解するまでとっつき難い。
彼らは時に激しく議論を交わし、時にユーモラスに会話をし、時に美しく言葉を紡ぎ、実に生き生きと個性的な者たちだ。
時代の閉塞感を味わいながら、彼らは確固とした自分の信念や志を貫こうと、もがきあがきぶつかり合う。なぜ彼らはこうも情熱的で、内に外にと凄まじいパワーを吐き出せるのだろう。諦めと焦燥を抱く私達にとって、彼らの姿は少々滑稽であり、少々羨ましくもある。彼らはまだ自分たちの力で、世界を変革できるのだと信じていた。信じられる時代だったのだ。彼らのほとばしるような熱気と前を見据える勇気と忍耐は、私達の目に凛々しく美しく映るのだろう。

まだ無名の若い俳優たちの情熱とパワーが、役に見事に反映され重なって、作品を昇華させていく。明瞭な発声、高らかな声、のびやかで柔らかな肢体、真摯な表情は時に私達を魅了し、今後の成長を期待させる。綺麗な方もいたが、イケメンも多かったな。
ゲストで、原康義が先生役を柔軟に、横田栄司がルパシカをお洒落に、飯田邦博が四分六を大らかに演じる。さいたまゴールド・シアターのメンバーも協力。

ヒロインの野枝は、男を食って成長していく、奔放で逞しく気丈な女。生涯7人も生んだのだろうか。彼女こそ「イカ女」と呼べるだろう。モナリザにしろサロメにしろ、男と共にしか生きられない女たちなのだろう。須磨子は出番が少なくてガッカリ。
ルパシカが「演出」という言葉を生んだのか。お気に入りの幽然坊は編笠を被って演奏、もう少し出番が欲しかった。

「ガラスの仮面」ならぬ、「ガラスの棺」が沢山登場。現代の喧騒の中、棺には花が置かれ故人を讃える形で、美しき彼らの姿を「伝説」として印象付けたようだ。
劇中劇の「サロメ」は時間枠が長い。『ガラスの仮面』にも「サロメ」が出てきたし、お気に入りのようだ。
暗幕には、冒頭石川啄木の詩の一節や、場ごとに時代設定が映されるが、ラストの推移の長い文章は読みきれず^^;。ナレーションもあれば把握できただろう。
三方座席はどれも満遍なく観れると案内されたが、席によって違う。場面によっては、人物の顔や表情が見えない時もあった。ドラマCD状態なので、そういう時はついウトウトしてしまう(-.-)。普通の会場だったら死角にならなかったかも。

元祖・文学座でも来年2月に『美しきものの伝説』が上演される。どのような形で仕上がるのだろう。
百年前にあった思想・表現の自由を求める闘い…。東京都青少年健全育成条例改正案に抗して立ち上がる若者たちはいないのだろうか。
舞台『蒼穹のファフナー FACT AND RECOLLECTION』を観てきた。

6年前に放送されたアニメ『蒼穹のファフナー』をアフリカ座が舞台化。
偶然にも劇場版の公開時期前に重なったのは運命的。アニメの構成・脚本を手がけた冲方丁氏を、先日の『マルドゥック・スクランブル』の舞台挨拶で拝見したのも、私には面白い偶然だ。

「あなたはそこにいますか…」。未知の生命体“フェストゥム”と人類との壮絶な闘いを、竜宮島の人々を中心に描く。
ロボットアニメなのに“ファフナー”も“フェストゥム”も出てこない。
舞台ではアニメストーリーを別の視点から見つめ、人間ドラマを中心にファフナーの世界観を見せる。

丁寧な作りで、情感あふれ躍動感のある人間ドラマに仕上がっていた。
キャラクターが生き生きと動き、作品をしっかり理解した演じ手の意気込みが感じられる。コスパさん協力の制服やスーツもイイ出来。
“空”を意識した、様々に変化するシンプルな舞台セットの使い方も上手い。照明や音響が鮮やかな効果を発揮し、会場はいつの間にか“竜宮島”の空気になっていた。

舞台ではアニメのサブキャラだった羽佐間翔子・羽佐間容子・カノンに焦点を合わせるが、メインキャラもたっぷり活躍するので見どころが多い。
アニメ版で声を担当した4人の俳優はさすがのシンクロ率だ。
翔子役の松来未祐は、長い髪と白いワンピースが可憐。愛らしい声には何度も癒されるが、時たまドスが入った声が出て笑いを誘う。舞台版ならではの個性的な翔子に仕上がっていた。
母・容子役の葛城七穂が、実はこの舞台化の仕掛け人。葛城さんと言えば『ER』のアビーなど吹替えで有名な方。アフリカ座の舞台は知らなかったが、過去に「ひらり、空中分解。」の舞台で葛城さんを拝見したことがあった。めぐりめぐって、こういう舞台で葛城さんの存在を大きく感じるとはビックリだ。娘を切に思う優しく逞しい母親ぶりが光った。
遠見千鶴役の篠原恵美は、白衣がよく似合い、言葉使いが柔らかく色っぽいこと。
近藤剣司役の白石稔は、野性味のあるガキっぽさを押し出していた。

舞台版のキャラもそれなりの雰囲気。
真壁一騎役の武田知大は、明るく軽妙な動きの中に情熱を込める。皆城総士役の高城元気は、髪型や服装がぴたりとハマり、多少の滑舌不安はあれどクールな声音と優しさを発揮していた。
真壁史彦役の中谷一博が渋くて男前。春日井甲洋役の薮中亮平が男前で、時々一騎と間違えそう^^;。

松来さん、篠原さん、葛城さんと共に、81プロデュースの俳優さんが多数参加していた。まるで来年2月の81プロデュース・イベントの前フリのような賑やかさだ。
衛のゴウバイン・メットがよく出来ていたが、衛に合わせて翔子がやった「ゴウ・バイン」ポーズが可愛くてお気に入り。総士の「11歩」まであった。
開演アナウンスはアニメ版一騎の石井真。

観劇前に、パンフにあった座談会の羽原(アニメ)監督のコメントを読んでしまったのがいけなかったかな。「子供は、そこにいてさえくれればいい」それは全ての親の願いだ。
舞台版登場人物は、親または子供しか出てこない。尚更、子供を戦場に送り出さねばならぬ、親の気持ちが浮き彫りになってて胸が痛んだ。
親と子、仲間の絆が切なく尊く描かれた舞台。アニメの雰囲気を思い出しながら、涙がとめどなく流れた。まるで「号泣のファフナー」状態(;_;)。周りからもすすり泣きが聞こえ、ハンカチ必須の舞台だった。


終演後トークショー。白石さんの司会で、葛城さん、松来さん、篠原さんらオリジナルキャストが登場。ゲストでアニメ主題歌を歌うangelaの二人と、TVアニメ監督の羽原信義が登壇。

監督は2回目の観劇で、モニタで観ながら今回も涙を堪えていたとか。
其々が舞台の感想やお気に入りの場面などを語った。葛城さんが、客席の涙を見るだけで満足ですと感無量の様子。

舞台版メインキャスト3名も加わるが、総士と真矢は手作りロボットを被って登場し客席から拍手。前回トークショーで一騎が被って出たら失笑をかったらしい。高城くんが「実写版」「3D以上」と言ってて笑いが起きた。

トークは20分以上あり満足。angelaの新曲「蒼穹」も流れて、12/25公開の劇場版やライブの宣伝もあり。
こうして皆さんが揃うと、まるで舞台挨拶のような豪華さで、楽しいひと時だった。
舞台の流れで、『HEAVEN AND EARTH』の前売券も買ってしまった。
MXTVでTVアニメも再放送中。石井真が顔出しでカウントダウン。舞台の後にアニメを観ると感慨もひとしお。


石井真といえば、6年前マウスプロで小野大輔とユニットを組み、舞台にも出ていた。二人が出ていた作品『美しきものの伝説』が、蜷川氏の演出で現在上演中。
夜から、劇団湘南アクターズ朗読劇『聖夜の贈り物』初日に行ってきた。

劇団初のドラマリーディング、そしてカフェスタイル。
ステージにはクリスマスツリーやリースが綺麗に飾られ、客席にはテーブルまで用意されてゆったりとした雰囲気。

百田尚樹の原作で、クリスマスに起こる奇跡のストーリー。今回は5編あるうちの2編から。
第1部は、派遣社員の飼い猫にまつわるラブ・ロマンス。
第2部は、入院患者の幸せな人生を一気に駆け抜けるラブ・ファンタジー。

どちらも20代の女性が主人公。優しく慎ましやかで献身的で、深く豊かに愛情を注ぐ女たちばかりが出てくる。男性にとっては、理想の女性像たちなのであろう。
女性側からすると、少々できすぎているような、リアルじゃない女たちにも見える。
お話からしてシンデレラ的要素を含んだ夢物語なのだから、生々しくない女性がいいのだろう。

キャストは、声優経験のある役者やアンダースタディ生の方たち。
明確な朗読で、生き生きとしたドラマを作り上げていた。たまに早口な場面展開もあり、頭ですぐに咀嚼できない言葉もあったが、何度か読み重ね聞き重ねることで解消されるだろう。
ナマものなのでハプニングはつきもの。2部のラストでは早々と拍手が起きたが、エピローグがあったとはね。でもあのオチは後味を濁すから私は聞きたくなかった。

演出を担当の郷田ほづみさんが、1部では若社長、2部では医者として登場。主に左手の立ち位置。
郷田さんのナマ朗読というと『奇談』のイベントが思い出される。台本に目を向けている郷田さんの姿を久しぶりに拝み、郷田さんの演技を耳にすると、じわりと心が満たされた。柔らかで男前なお声もジンと染みたv。壮年期や老年期の声も演じ分けされていた。

休憩込みで1時間30分。
終演後、郷田さんとお話。ご本人も久しぶりで緊張されていたそうだ。
郷田さんの朗読をまた拝見したい。ドラマリーディングは今後も続けていかれるそうだ。
2011年3月4月には『ソープオペラ』を上演。また時間を作って観に行きたい。
終演後のお忙しい中、お時間をとってくださって、ありがとうございましたm(__)m。
『究極!アニメ店長 DECADE -頂上決戦!!! 兄沢VSブラックアニメイト!集結9人の戦士-』を観てきた。

アニメ店長10周年記念 アニメイト&劇団ヘロヘロQカムパニー公演。
舞台『アニメ店長』シリーズとしては5年ぶりの第3弾。
しっかしなんちゅー長いタイトル^^;。開演前の客席はアニソン三昧。アナウンスは道玄坂店長。

悪の巨大企業「アニメイト」による未来の世界を救うため、現代の「アニメ店長」を守るべく、時空超越した一人の若者が、素晴らしいアニメ世界を知っていく話。

たくさんのアニメや特撮、コミックやゲームのネタがてんこ盛り!
決め台詞や設定やアクションやパフォーマンスの数々に、何度もウケたりニヤニヤしたり笑ったりして面白かった(^o^)。
『ガンダム』やら『Gガン』はもちろん、元祖『仮面ライダー』やら水嶋ヒロやらw、『キカイダー』から「9人の戦士と~♪」と言えば『009』(平成版)。もちろんBLネタもたっぷりw。トドメはやっぱり『ドラえもん』やら『電王』ネタか!?
知っていれば知っている人ほど超楽しめる作品に違いない。

座長・兄沢命斗の関智一、星井ラミカの長沢美樹、山登の小西克幸が熱演。
今回は兄沢の信念が崩れてショボーンとなったりw、ラミカが女らしかったり男らしかったり、サンシャインが意外に救世主だったりと活躍。サンシャイン的には下手側がベストだが、9階で小西さんのサイン会があったり、小西さんの新番アニメ紹介があったりで、小西克幸までしっかりネタにされていた(笑)。

井上和彦は予想通りああいう役どころ。後ろを向いてまさぐっていた箱からキンチャン団扇を振っていたのがウケた。
横山智佐はクールにアクションも披露。前に観た時は時代劇だったかなぁ。
人生初舞台という置鮎龍太郎は出番は少ないが、オイシイところをツマミ食いw。
松風雅也は、前半はストイックガイ、後半はキャラが違っていてw、二面性を楽しめたり。
おぐらとしひろは相変わらず「答えはきいてない」アクションw。

今回何といっても主役の玉城裕規くんが大活躍。
bambooの玉城くんは『遙か』の舞台から知ったので、智一さんに和彦さんに龍太郎さんと絡むと(ナレの三木さんもいたし)どうしても『遙かなる時空の中で』が思い出されてならないw。
カワイイし、着実な演技だし、身が軽くてアクションもやれるしで、とってもキュートなヒーローぶりだった。受けかと思いきや、実は下克上な攻めだったりするのもポイントか(笑)。

見どころのひとつはラブシーン。あっちの関さんもチュウしたんだから、こっちの関さんもするのかとものすごく期待しちゃったw。
その代わり、男同士のキスシーンもどきが見られて、ステージは忽ちスタジオライフな空気w。
愛ってイイね。ラミカちゃんの効用だね。
撮影日だったので、みんなで赤いサンバイザーを付けて集合写真w。
ELISA店長の歌は声量がなくてイマイチだったが、アニメ店長たちの歌声が響き渡り、久しぶりに燃え萌えできた舞台だった。

終演後、残念ながらの前フリで(笑)玉ちゃんのお誕生日お祝い! ケーキのローソク映像がなかなか出なかったが、みんなで歌ってお祝いした。やっぱり来年のbambooのライブはハズせないかな。
次回公演の告知やグッズ宣伝もあり。『魔界転生』とはまた難しい舞台。

和彦さんの劇団K-Show客演チケットも確保。オッキーもまた舞台に挑戦して頂きたい。
2日後はアニメイト高橋社長こと小杉さんのイベントだ。
再来週はまた同じ劇場で『罠』。
プリエール プロデュース『烏賊ホテル』を観てきた。

「烏賊」と書いて「イカ」と読む。
このタイトルを見てふと浮かんだフレーズが、「イカホテルへ行かなイカ?」(イカねえちゃんの声でw)。

売りに出された海辺の古い家、通称「イカホテル」に集められた、別々に育った異父兄弟4人が語っていく、己の過去と母や父の人生の話。
潮風と夕焼けとイカの鳴き声とイカ墨のような匂いに包まれた広いステージで、甘酸っぱい時空間をたっぷり満喫した舞台だった。

子どもたちという複数の男が語ることで、その場にはいない当事者の母の波乱万丈の人生がわかり、其々の父の人となりが浮き彫りになっていく手法は、人気作『キサラギ』に似ているといえよう。
淡い推理ものと人情もので展開し、親子や家族の関係性も含んで、ビタースイートであたたかい面白さがあった。
この芝居は四度目の上演だそうだが、初めて観る人の興味もそそりながら、演じ手によって味つけも変わる普遍的な舞台だと思う。

見事に5歳違いの4人兄弟のクセや、生い立ちや境遇や現在の状況が絡み合う様子が可笑しい。話し方やリアクションによって、其々の個性がどんどん引き出されていく。
理知的で大らかな長男、感情的でムードメーカーな次男、真面目で逞しい三男、明るく柔軟で要領がいい四男。
大谷亮介(壱組印)井之上隆志、小林正寛(青年座)土屋裕一(*pnish*)という、一癖も二癖もある達者な役者陣が、滑らかで活発なやり取りで、彼らを生き生きと作り上げていく。時に胡散臭そうに見える流れがまた面白い。
その中で年少のtutiは、ピンクの衣装がキュートで、短く切った髪が爽やか。ホスト風な笑みをたたえ、調子のイイ言葉を飛ばし、とにかくフットワークが軽い。ともすればあのメンバーに揉まれて食われそうなのを、見事に跳ね返していて頼もしい。

それにしても惑わされひっかかりもつれ込む男達も男達だが、小泉トワというのは、さぞかし美しく愛らしく豊満で魅力的で、タフで強靭で運が強い妖女だったのだろう
イカって、死んだフリしてカラスを食っちゃうんだ^^;。知らなかった。
まさに「侵略!イカ女」ってとこだな(苦笑)。
本編中で「一緒に死ななイカ?」という台詞があったが、アニメでは絶対出てこないフレーズだろう。
新たな絆で結ばれたカラスたち4人を、ここまで立派に育て上げ愛情を注いだ皆さま、ご苦労様でした、と述べたい気分になった。

はじめて降りた高円寺駅は賑やか。はじめて行った座・高円寺は、横幅が広く段差があって観易い劇場だった。
昨日の大樹くんに続き、今日はtutiの舞台。年内の*pnish*関連はこれが最後になるかな。
舞台版『心霊探偵八雲~魂をつなぐもの~』を観てきた。

そういえばこの舞台チケットを取ったのは、KENNのライブの開場直前だった。
なにやら誠治郎くんが昨日のミラ☆トレの昼の回に来ていたらしいw。

死者の魂が見える赤い左眼を持つ青年・八雲と、姉の死に暗い闇を持つ女性・晴香が、幽霊絡みの様々な事件に巻き込まれる中、くされ縁の刑事たちと共に、事件の謎を解いていこうと奔走する話。

原作・脚本:神永学、演出:黒川竹春の【シン×クロ】による舞台版八雲の第3弾。
今回は満を持しての原作ストーリー。小説・コミック・アニメ・ドラマCDとマルチに展開する八雲ワールドだが、今回は小説版八雲の2巻と1巻抜粋からの構成である。オープニング映像で使われてるイラストも小説版のほう。
八雲役と石井役は第2弾からの続投、他は一新されたキャスト陣で、新たな“つながり”を舞台で見せる。

黒川氏の今回の演出テーマは「動かす」。その通り、ステージ上では様々なものが動いて、変化に富んだ舞台だった。
舞台中央の盆が大活躍。巧みな場面切り替えでスピーディな展開を進めていた。ただ、場所の移動が多過ぎて、その度に暗転が入ったりするので、観る側はストーリーを追いかけるのに一杯で、少々集中力が伴わなくなりそう^^;。脚本的に複数の場面をもう少し纏めて煮詰めたら、じっくりと味わえることもできそうだ。
八雲と晴香の出会いから始まるので、ラストに向かっての二人の心の変化や表情の動きが見どころ。後藤と石井の関係性や心情の動きも愉しみだが、彼らがこれまでにない程よく動いて活性化させているところも注目だ。

中村誠治郎の斉藤八雲はまさにハマリ役。これまで以上にぶっきらぼうでダークな八雲像になっていて全く笑みを見せないが、前作よりもキャラクターに深みと濃くが出ていて、誠治郎くんの成長ぶりを感じさせた。八雲の動作がとても自然に出ていて、色気があり格好良い。誠治郎お得意のルービックキューブのシーンもあり、役を楽しんで自分のものとしているのがわかる。
松本若菜の小沢晴香は、観る前は想像がつかなかったが、バッサリ髪を切られてショートパンツで現れたので違和感がなかった。なるほど、八雲と出会った頃の晴香の心の哀しみや切なさを表現するのに、若菜さんは合っている。「やあ!」という明るい笑顔もキュートだ。これが初舞台となるが、丹念に積み重ねたポジティブな演技で、若菜さんならではの晴香に好感がもてた。
美人でスタイル抜群の若菜さんが相手だからか、誠治郎くんがやけに男っぽくセクシーに見えてしまったw。二人が並んで絡む場面もバランスが取れて、若菜さんが可愛らしく見える。若菜さんは写真よりもナマのほうがカワイイな。
若菜さんといえば『仮面ライダー電王』のお姉ちゃんが思い出されるが、赤い眼をしたM良太郎の次は、赤い眼を持つ八雲を相手にしたりと、“赤い眼”に縁があるのかもしれないw。

後藤和利役に鈴木省吾と知った時は絶対ハマルだろうと期待してたが、まさに後藤刑事だった。渋くてダンディな後藤に、人間臭さを原作以上にプラスした感じで、頼りがいもありそうだ。「邪魔するぜ」の言い方がオモシロイ。
石井雄太郎の佐野大樹(*pnish*)は、私が持っていた石井のイメージに一番近く、最初の頃のドジでヘタレなところがリアルにハマっていたw。省吾さんとのコンビも息ぴったり、後藤の背中にヘバリ付くところが可笑しい。晴香を「天使」だとボーっとするところも、マジで若菜さんに見惚れている感じw。石井の悩みや葛藤も上手く表現されていたが、それらを突き抜ける明るさが大樹くんの持ち味。
本筋以外で、後藤と石井のキャラクターが特に生き生きしていて関係性を楽しめた。

木下役の林修司は、最初からアヤしさいっぱいだったがw、ラストにかけての迫真の演技には圧倒されそうだった。
前作とは違う役・土方真琴の真山奈緒は、中盤のコワサと終盤のカワイサのギャップがいい。
横井伸明はグラサンをかけた様子が東地宏樹ソックリで苦笑w。妖しく舞台を引き締めるが、まだまだ出番がありそうだ。

霊が憑依する様子は、ああいった形で表現するのかと納得。『ミラ☆トレ』でも霊が出てきたし、舞台で流行りなんだろうか。
盆から降りる時なのか、省吾さんがちょっと足をくじいたような気がした。その後も足を引き摺っていたようだし、大丈夫だろうか。
このメインメンバーだと立ち回りのある舞台で観たいが、今回は殺陣も歌もダンスもなく、ほとんどストレートプレイだったのも珍しい。

この調子で、また来年でも原作の舞台を作っていただきたい。その時は、斉藤一心も出る可能性ありかな。


アニメのほうは、一心が退場して波乱万丈の展開。
先週は個人的に後藤と一心のシーンに心躍ったv。東地さんと関さんが二人だけで会話するのもこれっきりかな。
bambooプロデュース 舞台版『ミラクル☆トレイン~大江戸線へようこそ~』の2回目を観てきた。

物販の「まめしば屋出張店舗」が繁盛。とくがわペーパーバッグ&ポスカ付きなので、私もとくがわのグッズについ手がのびるw。
ミラ☆トレ限定フレグランスも販売中。

今回は観易い真ん中ブロック。おかげで見逃したシーンも把握できた。
オープニング後、上の電光板に表示されていた「first approach E27」。次の「second」の舞台もあるってことかな。「E27」は新宿だが、上演場所のことなのか、それとも新宿さんが活躍する話ってことなのか。

アニメの雰囲気そのままで、お気に入りの台詞やシーンが色々と見つかって楽しい舞台。
キーポイントは、“純朴”“怖いもの見たさ”“六”だろうか。「奇跡籠」というのも痛快だ。
脚本や演出のアイデアは面白いが、中盤の展開はややダレてくる。ゲストキャラの女性二人が占める位置が大きくて、せっかくの新駅キャラの活躍が曖昧になっていることも要因だろう。アドリブのお遊びシーンにも時間を取っていたw。

これからいくらでもお話は作れそうだし、もっと時間をかけて演出にも工夫があれば、どんどんパワーアップしていく舞台だと思う。
できればメインキャラは同じキャストで、同じカンパニーでお願いしたい。それほどみんなキャラとハマっている。

KENN@六本木のソロは凛々しく伸びがあって染みる。
カテコのアニメの主題歌も、キャスト陣が様々なパフォーマンスで歌い上げて見どころいっぱい。舞台だけのキャラソンとかあっても面白そうだ。


終演後トークショーの3回目。
メンバーは、司会にアイル、左から長谷川愛、杉浦功兼、植田圭輔、渡辺大輔、KENN、吉田友一、大山真志、中代雄樹の9人。お題は「好きな台詞」について。

てっきり其々が自分の台詞を挙げるのかと思ったら、KENNから率先して都庁さんの台詞「客引きは条例で禁止されている!」と言ったから、その後は好き放題にクロストークでどんどん挙がること。「分別をわきまえろ」「月島がまとめた」「この時を待ちわびていた」など都庁さんの台詞ばかり集まること(笑)。吉田くんが「バカにされてる?」と苦笑すると、「都庁さん、愛されてる」とみんながフォローw。
杉浦さんが六本木の台詞「ここは一見フツーの車両だけど…」の導入部が好きで、目がハートになったと嬉しそうに言うのでw、KENNが焦りながら「おれ、そういう趣味じゃないし」と否定して沸かせた。
「ピンチです」「ピンチです」…とか「では」「では」…のように、何人かの言葉の繰り返しも好きだというみんな。
新宿さんの「子猫ちゃん」には客席からも黄色い声が上がるv。日本橋の「オイラはいつもここにいるから」は客席から激しく否定されたとかw。六本木の「僕はいつでもここにいるから」はアニメから舞台への繋がりを意識した演出なので気合が入る、とマジメに語るKENN。
今日の車掌さんはやけにサービスがよくて、「元気な日もあるんです」と足をピョンピョンさせたり回ったりとアヤしいテンションで暴走w。アイルさんが汐留のマネで「ピザもんじゃ!」をやってくれた時はみんなビックリw。

最後にKENNが印象的な台詞で「僕たちは悩みを解決するお手伝いがしたい」を挙げ、僕ら役者たちも芝居や舞台を通して、皆さんの心を少しでも動かせるようにと思ってやっていると話し、会場をジンとさせた。
チャイムが鳴り、アイル車掌の締めの言葉で終了。あれこれ聞けた楽しい15分だった(^o^)。

ちなみに私の好きなのは、嘆いて去って行く両国に向かって六本木が小さく「ごめんね」と言う台詞。優しくて色っぽい声にドッキンv。
bambooプロデュース 舞台版『ミラクル☆トレイン~大江戸線へようこそ~』を観てきた。

地下鉄大江戸線の駅達と、彼らを統括している車掌がいる「ミラクル☆トレイン」。その電車に乗ってくる悩みごとを持つ人の悩みを、駅達が解決していく。
好評だった同名アニメの舞台化で、アニメと同じ脚本家によるオリジナル。
今回は、東京と江戸をまたいで時空を超えた若い女性二人の悩みを、駅達が解決しようと奔走奮闘していく話。

アニメそのままのまったりした雰囲気と、アニメのキャラがリアルに格好良く動いて喋って、爽やかで甘酸っぱいテイストで愉しめた。
アニメファンならなおのこと、アニメを知らない人でも面白く味わったようだ。
ちょっぴりのミステリアスとホラーを含みつつ、テンポよい場面展開で飽きさせず、さっくりと気持ち良く纏め上げた。遊び心をもった照明や音響も効果的だ。クリスマス前に誰でも楽しめるライトな一作といえよう。

やはりキャラクターとキャストの魅力に尽きる。
アニメと同じ六本木を演じるKENNは、キャラクター性を膨らませつつ情熱と安定感がある。KENNは六本木まんま!(^^)
降板した武田くんの代役、渡辺大輔の新宿が、アニメの置鮎さんとソックリの声! さすが元テニミュの手塚部長(笑)。ジャケットを肩にかけてるセクシーな佇まいはまさに新宿さん。アニメでは感じなかったのに、舞台で新宿から「子猫ちゃん」と言われるとドキッとするv。
吉田友一の都庁は脚が細くて長くて、スラリとした姿勢と眼鏡に手を当てる様子がカッコイー。吉田くんの片倉小十郎(『戦国BASARA』)が好きだが、都庁さんもこんなにハマるとは嬉しい。
月島の杉浦功兼を、今まで意識しないで観てきたが、平川大輔の顔に似てるw。より知的に柔軟な月島像で好感。ヘラさばきは音もスゴく、いつかヤキソバパンまんと対決して欲しいかもw。
汐留の植田圭輔は、『少年陰陽師』から何度か観たが演技的に着実に成長。声が梶くんソックリにキュートで癒される。
両国の大山真志は、思ったよりもデカくて逞しい。調子よくマイペースなノリも上手く、声が大きなところが頼もしい。
車掌の汐崎アイルは、ずっと仮面をハズさず貫くのだろうか。確かに仮面俳優だが、淡々とミステリアスなとこがよくハマる。
あかりちゃんはいないけど、とくがわがいるのが嬉しい! 田口治が着ぐるみで四つんばいで奮闘。声は老けてるがw、甘辛口の絶妙なツッコミを入れて、とってもチャーミング。

小野麻亜矢と長谷川愛が、イヤミなく男性陣に溶け込む。小野さんとアイルさんの絡みがなかったのが残念(アクラムとシリン)。
アニメでは出てこなかった駅達も登場し、興味をそそられそう。

アニメの主題歌を、アニメのキャストが歌うのを見るのを願っていたが、ここで舞台のキャストが歌って踊るエンディングは、夢が叶えられたようでとっても格好良かった。六本木がリードしているが、両国のラップがイケてる。
息もぴったりなとても愉快であたたかいカンパニー。続編も期待できそうな、彼らの空気をもう一公演味わう予定。


終演後トークショー。
メンバーは、司会にアイル、左から佐久本貴史、杉浦、植田、渡辺、KENN、吉田、大山、小野の9人。アイルさん、まだ仮面w。KENNが率先して、みんな席に着くや水をゴクゴク。「トークは本番より緊張する」らしい。

個人的に駅や電車が好きな吉田くんは、次は駅じゃなく電車になりたいとw。JR車掌のアナウンスをやりきって、会場からも拍手喝采。「リーダー」らしい。本物の鉄オタさんだったか。
もんじゃの修行に行ったという杉浦さん。月島に通って行くうち地元の人と仲良くなり、この舞台の宣伝チラシもこっそり渡したそうだ。「やり方がイケメン」という声がw。
代役でプレッシャーと不安を感じていた渡辺さんは、現場に行ったらみんな温かくて、やったら楽しくてしょうがないという。何と「地毛」でやっていて、「髪が(も)イケメンw」とKENN。
天王洲アイルさんは(笑)3ヶ月前にアニメを見て、自前の仮面を用意、仮面舞踏会のようだったとかw。
皆さん其々にアニメを見て研究していたようだ。
世界観やキャラクターを分っていたKENNは、生身で動くことでどこまで六本木を崩せるか試行錯誤もしたそう。「リアリティが舞台の魅力」と語った。

チャイムが鳴り、アイル車掌の締めの言葉で終了。あれこれ聞けた楽しい20分だった(^o^)。

LOVE LETTERS

2010年12月8日 舞台演劇
20周年記念クリスマススペシャル公演『LOVE LETTERS』を観てきた。

1990年8月のスタート以来、毎回違ったキャストの組み合わせで、20年間読み継いできた朗読劇の傑作『ラヴ・レターズ』。
クリスマススペシャル公演として私が選んだのは、ささきいさおさん×池田理代子さんの回。丁度のべ390組目だという。お二人の共通項は“歌い手”ということかな。

原作はA.R.ガーニー。訳・演出は青井陽治。
時代は1937年頃から1985年頃までの主にアメリカが舞台。登場人物はアンディとメリッサ。一幕は大学時代まで、二幕は成人後から壮年期。
幼なじみの男女が40年以上に渡ってやり取りした手紙の朗読劇である。

唐突に始まり、いつの間にか世界観に引き込まれる。たくさんの重要なキーワードが、読まれる手紙の中に含まれるので、注意し丹念に聞いていかなければならない。
どんなに離れていても、どんなに気持ちが重ならなくても、手紙という媒体で結ばれた二人の“絆”を描いて、美しく切ない人生模様だった。

手振り身振りを交えて、大胆にクリアに演じるささきさん。
声は小さめだが、一つ一つの言葉を丁寧に静かに紡いでいく池田さん。
一幕では、池田さんは赤のチェックのスカートとマフラー、ささきさんは緑のジャケットとネクタイで、合わせたようなクリスマスカラーの衣装。二幕では、ささきさんはパリっとしたスーツに着替えて足を組み、池田さんは薔薇柄のロングスカートと長いショールでアーティスト風に変身し、品の良い大人の雰囲気たっぷり。衣装は自前だったようだ。

休憩挟んで、約2時間の朗読。長いようで、それ程長さは感じなかった。
たまにコップの水を飲まれたささきさん。池田さんはずっと姿勢を崩さなかった。


終演後、演出された青井陽治さんが加わり、ささきさんと池田さんと3人でアフタートーク。

緊張の中、お二人とも“相手”がいる掛け合い朗読の難しさや、色っぽいシーンでの心構えなどを語った。
青木さんの稽古はたった1回(作者の希望)レクチュアーが1回。
時代背景について「典型的なアメリカの【WASP】」だと池田さん。
朗読の練習は防音の自室を利用し「滑舌に気をつけた」とささきさん。高揚してる時は気持ちだけが先に行くという。
メリッサの手紙にはいつも「たすけて」を含んでいると池田さん。一幕のメリッサのキャンキャンぶりが難しく、後半でようやく自分らしさが出たという。
映画のアフレコと違って、自分なりのリズム高低大小をかえていかねばならず、楽しいけど難しいとささきさん。
ベテランの方ほど難しいと思うらしい、とおっしゃる青井さんは、故・野沢那智さんが2回ともご自身で納得されてない様子だったという。

お二人の告知。
ささきいさおさんはデビュー50周年。CDやDVD(OP&ED映像51曲収録)・新宿のイベント・『ヤマト』ナレーションなど。
池田理代子さんは、まんが日本の歴史『篤姫』・1月のベルサイユ宮殿内でのコンサートなど。
「今日は大人のカップル」と青井さんも満足なご様子。たっぷりと約20分、様々なお話を伺うことができた。

松本零士さんからお二人別々に花壇を贈られていたが、ご本人も会場にお見えになっていた。
『宇宙戦艦ヤマト』や『ベルサイユのばら』世代には、たまらないひと時だった(*^。^*)。

ロビーにこれまでの出演者の写真が飾られていて壮観だった。故・野沢那智さん、先日の加藤雅也さん、ご無沙汰の中村優一くん。読み手の年代によって感じ方も変わってきそうだ。
舞台『SAMURAI 7』東京千秋楽を観てきた。

先ほどとは違い、女性客が殆どで物販の長い列。あとは関係者。賑やかだった花壇が取り払われていた。
さすがに満席で、2階席もびっしり。シアターじゃなく劇場だしね。
前回の最前列は観辛いところも多々あったが、この舞台はちょっと後ろのほうが観易い。
今回は前から10番目位だが、見逃したところも含め、全体をじっくりと観ることができた。

千秋楽ということで、前説や幕あい説からして突っ走ったテンション。恒例のサムライの名前コールも、バンザイ三唱も天主コールも、異常なほどの大盛り上がり(^o^)。これが最後かもと、私も思いっきり参加させて貰ったw。

前回観てから1週間以上経ったが、キャストの芝居がかなり馴染んで洗練されており、殺陣も見応えのあるものに進化していたのがはっきりと分った。みんなの台詞使いが明瞭で、聴き取り易くなっている。
特にキララの水野絵梨奈、大切なワードの語気を強めた台詞には信念が感じられ、キララの芯の強さにも繋げている。これで弱冠17歳とは、何と才能豊かな女優なのだろう。
カツシロウの三浦翔平はローボイスで通し、滑舌の不安定さから抜け出したように思った。芝居にも深みが出てきた。確かに成長を感じたが、カツシロウには低い声は似合わず、どこかマッチしていない。ヘタレな部分や葛藤や危うさがいまひとつ表現されていないようだ。やはり三浦くんにカツシロウ役は、ミスキャストのように思えてならなかった。

西島隆弘のキュウゾウは台詞が少ない分だけ、芝居部分はよく分らない。殺陣に関しては随分滑らかになって、動きがクリアになり大胆なアレンジも見受けられた。一幕の張りのある歌声がやはり見どころの一つだろう。
中川晃教の歌も更にもの凄かった。千秋楽という意識で、更に上のオクターブに届けと言わんばかりの高らかな歌声を響かせて、会場すべてを圧倒させた。芝居にも更にユーモアを含ませて、のびのび楽しんでやっていたのがわかる。

高橋広樹のゴロベエは更に滑らかな弁舌たくましい。台詞にも気合が篭っていて、優しさと男気が溢れている。一幕で終了なのが勿体無いこと。
シチロージの相葉弘樹は、動いているだけでサマになる。殿じゃないけど、カンベエに「お供します」と膝を曲げて畏まった姿が、まさにシンケンブルーでとっても似合うことv。長槍使いもパワーアップしていた。カンベエとのやり取りがとても自然で、長年苦楽を共にしてきた絆も感じさせて良い。相葉くんが30代になった時、またこの役で観たいと思った。
キクチヨの住谷正樹は、初演と変わらない、逞しく大らかで繊細な存在感がまた素晴らしい。機械として百姓としてサムライとして、そして男としての悲哀を滲ませて胸が熱くさせた。

印象的な台詞で彩られる舞台だが、今回はついにヘイハチの台詞で涙が流れた。台詞ひとつひとつの重さや深さを、そのまま体現して吐き出した、橘大五郎の力強くも真に迫った芝居のおかげだろう。他の役者だったら、これ程まで心打たれなかったハズだ。
ヘイハチの出番は少なめだが、殺陣は誰よりも滑らかでリズミカルで安定感があり、さすがベテランの底力だと感心させた。
前回は気に留めなかったが、キュウゾウ→シチロージ→ヘイハチで歌い継ぎ、3人で見事に揃ったダンスを見せるシーンがダイナミック。歌、映像、大衆演劇と別々の分野から集まった若者たちが、ここで一つになる瞬間が素晴らしい。そして大五郎さんはもちろん、3人ともメイクをしたら、すんなり女になれるほど美しい顔立ちだw。

イケメン揃いのサムライの中、やはりこの人がいてこその舞台、加藤雅也のカンベエの魅力にあらためて心躍らされた(*^。^*)。私の理想通りの、クールで凛々しい声が響き渡りv、絶妙な台詞と骨太な芝居で、若者たちをしっかり束ねて支えてくれる。今回は主人公じゃなかったが、座長としての逞しい存在感をひしひしと感じさせた。
終演後の役者紹介で、雅也さんが47歳だと知りビックリ。颯爽とした殺陣やアクションなので、てっきり40代始めなのかなと思っていた。アニメでカンベエを演じた、てらそままさきさんとも変わらないお年だったとは。あの野性味あふれる顔立ち、柔軟で力強い動き、声の張り、どれをとってもまだまだお若い。
休憩時間に思いきって、カンベエの写真セットを買ってしまった。雅也さんのカンベエは最高!

脇を固める役者やアンサンブルの団結力をあらためて感じさせる舞台。
ヒョーゴの丸山敦史はすっかりハマリ、新たなファンも増やしたようだ。テッサイの鉄榮史哉は初演に続き、殺陣も担当する実力派。誠実なリキチを好演した黒川恭佑、憎まれ役のマンゾウを熱演したとめ貴志も存在感がある。千秋楽ゆえに、マンゾウと娘との小芝居の時間が多く取られていたのもサービスだろうw。浪人三人の小芝居もちょいパワーアップしていたw。

初演よりも真面目で骨太なストーリーを貫き、人間とは機械とは、男とは女とは、そしてサムライとは百姓とはを問いかけ続けた、人間味あふれる壮観で格好良い舞台だった。
千秋楽は観客参加型の演出が盛り上がりを見せ、天主様のご機嫌も最高潮だったのでw、もしかしたら再演があるかもしれない。
今後も、形やキャストを変えて、普遍的に繰り返される作品なのかもしれない。


終演後は千秋楽ならではの役者紹介。さきほどのDC&鈴舟みたいに、メインひとりひとりに説明が付いた紹介ナレーション。高橋広樹には『テニプリ』ネタ。橘大五郎には女形ネタ。相葉弘樹には『シンケンジャー』ネタが入り、久しぶりにブルーの「一筆奏上!」が出た。私の両隣の人が相葉くんのファンらしく大喜びしていたw。西島隆弘には紅白ネタ。それらのネタを、住谷正樹@レイザーラモンの「フォー!」がかっさらったw。

メインがひと言ずつ挨拶。水野絵莉奈は感極まって涙。中川晃教は「今度は七人の中に入りたい。ウキョウはキツイ」と苦笑い。大五郎さんは「ここで勉強したことをこれからの役者人生に生かしたい」とさすがに立派。無口なキュウゾウの反動で、西島くんが紅白初出場までもよく喋る喋るw。雅也さんは「47歳はさすがにシンドイ。再演があるなら早めに」と苦笑いした後、「アンサンブルさんたちはサムライ以上にシンドかったと思う。アンサンブルさんがいてこその舞台」と感謝を述べ、会場からも皆さんに拍手が贈られた。雅也さんカッコイー!

客席に銀テープまで飛び、トリプルカテコでは予想通り会場いっせいにスタオベ。私ももちろん立って拍手を贈った。
役者みんながラインナップし、最後に何をしようかということで、西島くんの率先でみんなでアレをすることにw。住谷さんにやり方を教わりながら、観客も一緒にやることに。
両手両足を広げて「フォー!」。一体感と最高潮の気分が会場を大きく包んで終了した。

『銀河英雄伝説』と『ザ・シェイプ・オブ・シングス』のチラシがあったので貰ってきた。
シンケンブルーの後は、シンケンレッドの舞台が同じ劇場で上演される。
舞台『愛の結晶くん』の東京千秋楽を観てきた。

さすが千秋楽。リピーターさんから初見さんまで、びっしりと座席が埋まっていた。考えてみれば昼間にこのお芝居を観るのは初めてかも。
今日は前から3番目の真ん中。ご一緒のMKさんから、やっと観易い席になったと感謝されたりw。

ドラマティック・カンパニー&S.P.C.鈴舟の合同公演。
大人数でのタイミングや掛け合いを大切にした舞台なので、個々人でのアドリブは思ったよりも発揮し辛いと思うが、さすがに千秋楽を意識した芝居が多々あって、もの凄く盛り上がった。
第1話と第2話に出てくる団体のお辞儀も、いつも以上に声も姿勢にも気合が入っていたり。
第2話で3人が体を回す場面も、今日は綺麗に大成功! 特に40代の方は、頑張ったなぁw。
第2話と第3話に出てきた叩く場面も、力が篭っていたかな。

この前の日記にあれこれ書いていた、関俊彦さん演じる古郡。ところが今日は、まるでその日記を誰かが読んだかのようにw、関さんの弾けんばかりの演技にビックリするやら笑うやら。
シャツのボタンをもう一つと思ってたら、ボタンがもう一つ外れていたしw、乳首を~と書いてたらw、ホントに関さんの右の乳首が目に入って、ワタワタと喜んでしまった(^o^)丿。今日の関さん、半端なく大サービス!(笑)ありがとう関さん。自分の希望が叶えられて本望ですわ。

楽ならではのハプニングもあり。ボタンばかりでなく、点滴のチューブが外れたっ!! あの場にいた役者さんみんなヒヤリとしただろうし、客席も緊張の中で見守っていた場面。最後は小田木美恵さんが力押しでそそくさとハケて、酒井哲也さんと大谷典之さんが何事もなく芝居を続ける。いや~さすがベテラン。今まではそんなコト起きなかったし、ホントに舞台はナマものだなと苦笑した次第。

でも第3話のその後も、父と息子の会話のシーンで込み上げるものがあり、3回目でもやはり涙が流れて止まらなかった。今日はハンカチまで取り出して拭ったり。周りからもすすり泣きや泣きじゃくる様子が聞こえてきて、一番心打たれる場面だなと実感。
こんなに泣けてくるお芝居も久しぶりだ。ホントに良い舞台だった。一生忘れないと思う。


終演後は、中尾隆聖さんと田中完さんの司会進行で、恒例の役者紹介。名前の前にいちいち装飾語を入れるのが可笑しい。関さんには「DCの4番バッター」、中尾さんには「DCの大親分」とおっしゃった完さん。さしずめ関さんは若親分だろうw。最後はてっきり麻生美代子さんかと思ったら、麻生さんの後に完さんで、トリが中尾さんだった。

脚本・演出を担当された堤泰之さん(プラチナ・ペーパーズ)も登壇、大きな花束が贈られて御礼の挨拶を述べられた。今まで堤さんによる様々な舞台を拝見してきて、いったいどんな方なんだろうと興味を注がれたが、ちょっとシャイでユーモアとエネルギッシュ溢れるステキなオジサマに見えた。そして同年代w。
来週から始まる大阪公演の宣伝もつつがなく、10日を木曜日と言い間違えた関さんだがw、こういうトークはホントに苦手らしい。

カテコでは、鈴舟でお馴染みの背の高い安藤彩華さん(初日終演後にちょっとお話させて貰った)の後ろにわざと立たれた関さんが、しきりにジャンプしてアピールしてたのが可笑しい。初日でも立ち並んで笑いを誘っていたし。
ハケル時、上機嫌な関さんは笑って手を振りながらスキップした後、幕の手前で何と両手で投げキッスv。うっわ! 関さんの投げキッスって珍しい!(*^。^*) まさに「愛し合ってるか~い」状態w。ファン同士、どよめいて大喜び状態だった。

開演前に、サイン入りポスターを購入。麻生さんのももちろん入った総勢27名のサインなんて貴重だこと。
終演後にお手洗いの列で時間を食ったが、奥で役者さんが関係者と歓談する中、会場出口の辺りまで中尾さんがいらしたのをお見かけした。御礼だけでもと近付こうとしたら、中尾さんのほうから私を見て右手を差し伸べてくれて、そのままにっこりと握手して頂いた。おかげで舞台の感想や御礼を述べることができ、中尾さんからも温かい言葉を頂いた。私の顔だけは覚えて下さっていて嬉しいことv。ありがとうございます!来年はTARAKOさんとこの客演ライブですね。
会場を出てMKさんと歩いていたら、外出されていた酒井哲也さんと遭遇、お互いに御礼を言い合ってお別れした。DCの宣伝塔・酒テツさんは、すっかりお痩せになられて精悍な顔つきになられたなぁとシミジミ。

新宿の後は、表参道へ。もう一つの千秋楽の舞台へ向かった。
劇団あかぺら倶楽部 第35回公演『コミック・ポテンシャル』を観てきた。

20周年記念公演第2弾。
キャスティングに関わったという水鳥鐵夫氏が亡くなられ、演出は大西健晴が担当。
ロビー入口に大西さんがいらしたのでご挨拶。今回はご出演がなくて残念だ。

近未来の撮影スタジオ。感情とコメディセンスを持ったアンドロイド女優と、彼女の作品を夢みる新人脚本家の青年とが互いに惹かれ合うが、周囲の反発と処理をかったため、一緒の逃避行をしようとする、ハートルフル・ラヴ・コメディ。
アラン・エイクボーンの作品にしては、休憩込み2時間50分と、今回はかなり長かった^^;。

人間とアンドロイド(ロボット)の恋は、手塚治虫作品にもよくある、普遍的なテーマであるが、映画やドラマの撮影にアンドロイド俳優を使うという設定が奇抜で面白い。彼らを機器によってコントロールするスタッフや、彼らを束ねる監督は人間なのだ。アンドロイドたちは人間の思う通りに演技をし、何度でもテイクができるが、作り手の監督にすれば、何とも味気なく手応えがなく、共同作業という意欲は沸かないだろう。未来において人間の俳優は決して無くならないと思うが、ここではすべてが効率化された世界。そんな設定や前置きで前半部分に時間が取られてしまったようだ。

アンドロイド女優ジェシー・トリプルスリーには、客演の下田麻美。いつもと客層と違ってやけに混んでるなと思ったら、あさぽんファンが多かったようだ。キャスティングは、まさかの鈴村さんきっかけでw、故・水鳥氏の熱烈プッシュで決まったとか。
ジェシーは青年アダムと恋に落ちるが、その過程で“恋”という感情を処理できず、困惑したり暴走したりとトラブルを起こす。ジェシーの感情が徐々に表に出ていく一方で、ジェシーがこれまで演じてきた役の台詞が突然飛び出したりと、ジェシーを幾重にも楽しめるのが見どころ聞きどころだろう。ジェシーの存在そのものが、作品の面白さにもかかってきそうだ。
そんな重要で難しい役を演じる下田さんのことを、正直あまり知らなかった。舞台経験は多い方らしく、丹念に積み重ねた稽古の成果か、豊かな演技力が見られて、生き生きとチャーミングなジェシーに仕上がっていた。水鳥氏のキャスティングは間違いなかったのだ。
下田さんのジェシーの話し方は『Q10』の前田敦子に似ているが、“役としての”低い声やドスを効かせた声などが痛快だ。ダブルテイクの動きやダンスやアクションなど“動く”演技も多彩なので、さぞパワーとスタミナが必要だったと思う。
ジェシーの衣装にも注目したい。「ナースが嫌いな人なんて日本人じゃありません」と某入院患者さんが言ってたがw、ジェシーはまさにそのナースの格好。それだけだと味気ないので、逃亡途中で様々なドレスに着替える設定。どれもこれも愛らしく似合っていたが、ミニドレスの上からまたナースの服を着るのはちょっと反則w。

下田さんを信頼して見守り支えるのが、アダム・トレインスミスの吉田智則。爽やかで優しくて真面目で、誠実にひたむきにジェシーを愛する役を好演。吉田くんとは久しぶりだが、大らかで頼もしい成長ぶりを見せた。以前にも共演したそうだが、下田さんとも息ぴったりで、二人の間にあたたかく楽しい空気が流れる。

高木渉は柔軟な演技で脇を固める。チャンドラー監督は前半こそヤル気が無く頑固でひねた存在感があったが、後半は一気に理解のあるオヤジに豹変し、キャラ的に薄いテイストになった。
中村伸一のレスターは殆ど喋らず、レスターの言葉を伝えるマーミオンの山口登が調子良く喋り、二人でワンセットの関係だった。
男優アンドロイドの東龍一は、背が高く相変わらず男前だ。田中秀一がキュート。
カーラの天来ひろみの悪役は珍しいが、相変わらず胸元に目がいくw。プリムの北飯智子と、トゥルーディの小池美輪のレズ関係が見てて楽しい。

ラストはちょっとご都合すぎる展開で面食らいそう^^;。外国だからトップの挿げ替えもスンナリいくのだろうか。
昔はよく外国のコメディ作品を観たが、最近はとんとご無沙汰になった。ダブルテイクやカスタードパイなど、ベタだけど懐かしい場面に出くわして、近未来だからこそ見えてくる郷愁を味わった気分になった。
それにしてもやっぱり長かったなぁ。


終演後、アフタートーク。
MCが山口登で、吉田智則&下田麻美が登場。あさぽんファンが多いことを実感。

下田さんからは、あかぺら倶楽部との出会いや今回のキャスティングについて言及。稽古場は和気藹々で親戚みたいだとニッコリ。高木さんからも以前に「同じ釜のメシを食ったファミリーのよう」という言葉が出たそうだ。“家族”という言葉に反応したのか、吉田くんたちが「僕らはオジサン!」と笑う。
難しかったことは、「初めてのダンスシーン」と吉田くん。山口さんは昨日の舞台で噛んだそうだw。下田さんは「人間の感情を手に入れていくところ」で、「ハイボールを飲み干すシーン」も挙げた。4Lのハイボールの準備やカスタードパイの保存など凝っている小道具も、他のキャストやスタッフの皆さんのおかげだと感謝。

約15分位だが、三人の素の部分も味わえて楽しかった。

前回から販売した公演パンフだが、今回はちょっとお高い^^;。せめて千円位にしてくれないと手が出せない。
あかぺら次回作品にもまた客演が入るのだろうか。あかぺらのもつポテンシャルは見失わないでいただきたい。
舞台『愛の結晶くん』の中日を観てきた。

今日は最前列で、両側に誰もいない席。初日以上にガラガラだったのが気になったり^^;。

ドラマティック・カンパニーとS.P.C.鈴舟の合同公演。
客演も加え、総勢27名という大所帯だが、誰ひとりとして欠けてはならないキャラで、其々がきっちりと見せ場を押さえて役目を果たす。
初日にお名前を挙げなかった役者さん。
女優陣で気に入ってるのが、サバサバした三谷悦代、淡々と柔軟にこなす山内有香、おっとり清純な微笑みの斉木香。男性陣で注目なのが、優しさと激しさの田中完、器用で濃厚な優しさの和田太美夫、軽いナンパが優しい関根宏次。

病院を舞台にした3話のオムニバスには、一見関連性がないかと思いきや、あれこれ見つかってくる。
第1話のジュースから、第2話のリンゴ、第3話のみかんとなる。第1話のゲームの「う○こ」が第3話の「○ん○」に続くし、第2話の「母乳」が第3話の「オッパイ」へと続く。第1話のイニシャルは第3話で判明。花札→コミック→エロ本と娯楽ものも変わっていくw。
全話共通するアイテムの一つがタオル。第1話の小鹿のタオルは“星”が“葉”のように見えて花札の絵を思わせたが、第2話で出てきたタオルはもはや床を拭く雑巾と化しw、第3話のタオルは病人のよだれかけのような役目を見せるのが面白い。

初日では第1話~第3話を「死」「生」「時」を描いたものと思ったが、第1話は「男」、第2話は「女」、第3話は「家族」を描いたものには違いない。
特に第3話は、子供がいない夫婦と親がいない子供を合わせて描き、親子のあり方や絆の深さを浮き彫りにするところが秀逸である。
高橋伸禎の重厚な芝居を受ける、息子役の大谷典之の豊かな表現力が素晴らしい。父の顔をじいっと見つめる大谷さんの表情は、先日まさに私が寝たきりの母に見せた顔そのもので、胸がジワリと痛んで涙が流れ落ちた。私も、「がんばったな」と母に言ってほしかったな(;_;)。孝行したい時に親はなしというが、私は孫の顔を見せただけでも親孝行にはなるのかな。私も自分が死ぬ前に孫の顔だけは見ておきたいと、堤泰之氏のように、自らのカウントダウンを意識するのだったw。
磯田家と同室の根津と元カノの堕胎の過去話も、やんわりと切なくなったりした。

座席上、今日は第二部が実によく観えた。ことに前半の関俊彦さんには半ばカブリ付き状態v。
眼鏡をかけた関さんとキッチリ目が合ってしまった(*^。^*)。
背広やネクタイを脱ぐシーンで、シャツのボタンが微妙なところでハズれておらず、密かに期待していた乳首は見えずw。
初日は衝撃のほうが先に来た関さんのシーンを、今回は冷静にじっくり観察。派手に手足をバタバタさせてはいるが、中味はディープではなかったw。むしろもう一組のカップルのほうが、抜群に上手かったw。実経験が現れるのか?^^;

終演後、中尾さんが麻生美代子さんの手を取って一緒に登場する様子が微笑ましい。
全員が並んだ中、正面に立っていらした波岡晶子さんが私に気づいて下さった。

今日はDCメンバーも入った鈴舟の第5回公演予告の第1弾。前回も上演された『ベイビー・フェイス』(完全版)だが、麻生さんのナレーションで第1話のメンバーが寸劇を披露。明日は第2話のメンバーが出演するので、関さんのオカマ声が聞けるかもしれないw。
カテコで、田中さんの挨拶の後に、DCからは関さんの挨拶が。パンフの宣伝で来年のお正月のことにも言及、だんだんグダグダになるのを自分ツッコミで笑わせてくれた関さんだったw。智一さんといい、ダブル関さんはこういうのは苦手らしい。

ロビーで中尾さんのご子息をお見かけしたが、堤泰之氏とは『bambino』繋がりでもあったわけだ。そういや『bambino』の初演もこの同じ劇場だった。その後キャパを広げた芸劇中ホールの『bambino』をご覧にいらした関さんの姿も懐かしい。

いつの間にか日々更新中の《関俊彦の通院blog「愛し合ってるか~い」》。写メまで撮ってアップしてと気合が入っていて、ご本人も楽しそうだ。“セキ・古郡・トシヒコ”の古郡って、つい「コト」と呼んでしまう^^;。

残る観劇日は千秋楽。その日は『SAMURAI 7』の千秋楽とハシゴの予定。

予告に関して言えば、衣装替えもしたフルメンバーによる台詞も入れたダイジェストで、郷田さんのユニークなナレーションも効いてる、劇団湘南アクターズのほうが上だろうw。
舞台『愛の結晶くん』初日を観てきた。

ドラマティック・カンパニーとS.P.C.鈴舟の合同公演なので、一粒で二度美味しい。
病院を舞台にした三話オムニバス芝居なので、通常より3倍速は面白かった(^o^)。

堤泰之が自らの体験を基に書かれたコミカルでハートウォーミングなお話。あの『abc』の作者だとは思えないが、集団群像劇を得意とするところは一緒。
DC&鈴舟に客演を迎えて、達者な役者さん達による絶妙な芝居で、飽きることなく一気に楽しむことができた。

所々に、刺激的かつ衝撃的なシーンもあり(笑)。オタクなネタも見どころ満載。
今日ほど自分の“イニシャル”に、歓喜と誇りを感じたことはなかった(^o^)。

下手側の席だったので、中尾隆聖さんのお顔をずっと拝見していた。眼鏡に背広の関俊彦さんは上手側がよさそう。関さんは『八雲』の座談会でも一緒だった川島得愛さんともよく絡む。堀本等さんといい、今回は御三方にとって美味しい役かもしれないw。

第一部が「死」、第二部が「生」なら、第三部は「時」を描いているのだろうか。
自分が虫垂炎と出産で入院した時のことや、入院中の母のことが重なって、泣き笑いしながら胸が熱くなった。とてもとても良い舞台(^^)。

開場時ロビーに、波岡晶子さんと小田木美恵さんがいらしたので挨拶。お二人とも今日は舞台に出演されないのかな?Wキャストかしらん?とお尋ねしたら、初日なので駆り出されたご様子。でもこれがその後の衝撃的布石になっていくとはねw。

パンフはモノクロだけど、稽古場写真などもあってとっても良い雰囲気。
麻生美代子さんには『和風総本舗』からも花壇が届いていたが、ロビーの花が賑やかだこと。

この後は中日、千秋楽と席の位置が違うので、ゆっくり堪能できそう。

舞台 SAMURAI 7

2010年11月25日 舞台演劇
舞台『SAMURAI 7』を観てきた。

映画『七人の侍』をモチーフに、2004年にアニメ化された『SAMURAI 7』を基に、2年前の初演を経て、満を持しての再演。
初演と同じく、前説による練習で、観客がサムライ7人の名前をコールする観客参加型もあり。
今回は最前列の席だったが、スモッグや刀等で色々ハプニングがあった^^;。
DVD撮影日。

いつかの未来、とある惑星。機械の“野伏せり”の脅威に対抗するため、村人たち百姓が“サムライ”たちを雇い入れるが、天主による大きな恐ろしい陰謀が、彼らを壮絶な戦場へと連れて行く。

今回はキャストの一部が変更され、装いも新たな舞台になっていて、初演の記憶のある私としては少々戸惑った。
初演では、戦に疲れた熟達のサムライ・カンベエが主人公だったが、再演では、人を斬れない未熟なサムライ・カツシロウが主人公となっているようだ。
渡辺和徳の脚本は、初演よりも人間の“死”を意識した作りで、サムライたちの死ひとつひとつに重い意味を持たせて、じっくりたっぷりと描いた。初演よりも希望の見えるような終わり方だったと思う。
岡村俊一は、カツシロウにどうやら現代の日本を重ねて、様々な問いかけをしながら、彼の孤独や葛藤や成長を描こうとしているようだ。

歌って踊れる若いキャストを揃えたようだが、殺陣や立ち回りだけでは補えないところを、ミュージカル化していたのには呆然。肉迫する体のぶつかり合いが初演の見どころの一つだったのに。今回はどこでも見られるような、重苦しさが少ない軽い様相の舞台に感じられた。その分、随分と明るい雰囲気になっていたが、エンタメ性を狙ったのだろうか。

殺陣の稽古はどのくらいされたのか分らないが、上手かったのはメイン所で3人ほど。
カンベエの加藤雅也は、さすがの迫力と凛々しい存在感で、声がよく通って素晴らしい。殺陣もしっかり堪能できた。今回は座長として若者たちを支えていたが、初演より出番が少なかったような気がする。
キクチヨの住谷正樹(レイザーラモン)も、安定感ある豪快な芝居でスカっとさせる。コマチとのシーンも含め、見せ場がたっぷりあり目立っていた。
橘大五郎のヘイハチは、初演の飄々とした明るさよりも、過去を払拭しようともがく真面目な男として描かれる。出番的には少ないが、殺陣の軽やかさは見事だ。

『タンブリング』的にいうと、月森と火野の共演となるか。鳴り物入りでキャスティングされた、カツシロウの三浦翔平とキュウゾウの西島隆弘は、役的にチェンジしたほうがよかったのでは、と思ってしまう^^;。
三浦くんは滑舌が悪いのか、よく聞き取れない台詞が多過ぎる。しかもカツシロウにしては太い、体が大き過ぎ。最初の小さなヘタレ感が伝わらず、中盤のブラック感のほうが合っていて、どうも誠実で真面目な若者に見えないw。
西島くんは、小さ過ぎて華奢に見える。声も細くて聞き取れず、ダークな剣豪の雰囲気が伝わってこない。
一幕中盤、立ち回り中にカツシロウの刀が飛んだ時はビックリ!(゜o゜) 前列の客にあれはコワイだろう^^;。ハプニング中のアドリブも考えていたようで、咄嗟に敵の刀を使ったが、なかなか暗転になれないシーン。ふと気づくと、スタッフの一人がしゃがみながら、客の前に落ちていた刀を取りに来ていた。
二人とも、一幕では殺陣もいまひとつでヤキモキしたが、二幕では何とか良くなっていたので一安心。公演回を重ねながら飛躍していくのだろうか。

続投のゴロベエ@高橋広樹は、ダジャレ連発の大らかなムードメーカーぶり。声はやっぱりイイ。
シチロージ@相葉弘樹は、今回は長槍使いだが、槍が時おりラケットに見えて『テニミュ』のポーズと重なりそうw。相葉くんは雰囲気作りが上手くて、雅也さん@カンベエの女房役もさりげにこなしていた。
相葉くんの槍よりサマになっていたのが、ヒョーゴ@丸山淳史かもしれない。普段は刀だが、ある場面で槍を持っていて、それがまさに『最遊記歌劇伝』の悟浄そのものだったw。

キララの水野絵梨奈は、初演より色気が増したせいか、今回はカンベエへの想いがよりリアルに切なく伝わってきた。バレエシューズを履いていたが、しなやかな踊りが綺麗だ。
ウキョウの中川晃教は、ミュージカル風な喋り方が世界観にそぐわずイメージではない^^;。天主になってから純粋な黒さが出たが、いまひとつ浮遊感がある。一幕より二幕の歌がスケール感があったが、そもそも天主がここで唄うと存在が軽くなる気がした。

三浦くんの大きな体に隠れて、ヘイハチの場面やヤマ場が見え辛かった。最前列というのも考え物だな。
大事な台詞や大切なことが語られていてジンとはきたが、いまひとつ舞台の雰囲気に慣れなかった。

3回目のカテコの挨拶時で、三浦くんが刀の件で平謝り。西島くんのAAAの紅白初出場の話題も出た。どれもこれもDVDには収録されないだろうw。
雅也さんはまた観に来て欲しいと笑顔。初演と比べての手応え感はどうなのだろう?
千秋楽も観る予定なので、補完したいと思う。
舞台『絆 -少年よ大紙を抱け-』千秋楽を観てきた。
冠にはなかったが、ミュージカルだったのか。

元親友の2人が1人の少女に思いを伝えるため、卒業近い全日制イケメン学生と、廃校前の定時制問題児学生とが、学校の一大イベント“予餞会”で「書道パフォーマンス」対決をする話。
ダンスと歌、映像で魅せるエンターテインメントミュージカル。
ダンスも歌もまずまずの出来か。“袴姿で書道”という和風エッセンスが加えられるが、全体的にはそれほど新鮮味はない。
2階建てに組まれたセットだが、場所も設定もイメージもすべてが大スクリーンによる映像で見せる。出入り扉との組み合わせが絶妙でよく出来た映像だが、手作り感や温かみはわかない^^;。もの凄くお金がかかっているなとは分る。
当初はチケットが高いなと思ったが^^;、豪華な会場と、出演者の面子や人数からしても、仕方のない代金かもしれない。ただし話の内容は、ベタで陳腐で中途半端な様相だった。

この舞台では、起承転結の“転”が見当たらないのだ。
様々な誤解や障壁を乗り越えて、全日制と定時制とがようやく一つの目的を見い出し、互いにライバル意識を高め合うまではいいだろう。だが次の場面では、早々と予餞会が始まっていて、クライマックスの書道ダンスへとなだれ込む。
予餞会に向けて、彼らが書道やダンスの練習や稽古をしたり、衣装を作ったり(お揃いの袴は女子が作ってくれたという設定か?)勤め先へ休みを申請したりという、細々と懸命に努力した場面が全く映し出されていないのだ。
最大の見どころは「書道パフォーマンス」であるが、単に袴で踊って動いて芸をして半紙に字を書く作業にしか見えなかった。しかもみんなヘッタクソな字^^;。書道経験十年の私には、どこか書道を軽く見ているような意識さえ感じた。

これでは、肝心の「絆」が浮き彫りにされていない。本来、みんなで切磋琢磨しながらひたむきに頑張った先に、「絆」というものが見えてくるのではないだろうか。その部分が全く省略されていては、「絆」が伝わってこない。
もちろん若手の役者たちは、日々の稽古に懸命に取り組んで、彼ら同士の「絆」は深まったであろう。やり甲斐も新鮮味もあったと思う。だが現実のリアルな繋がりが、そのまま舞台のフィクションにも通じるほど甘くはない。
幼馴染み3人の姿は、“野球”に“愛”という名の娘の“ちゃん”呼びといい、いかにも『タッチ』な雰囲気だが、よく考えてみると、定時制の5人は“愛”ちゃんとは殆ど面識がなく関係もなさそう。それなのに書道で“愛”へのメッセージを書けるものなのか? 無理やりのこじ付けか後付なのか、とにかく作者の頭には“結”が先行されていたようだ。

客席はLeadの4人のファンと、SPゲストのパク・ジョンミンのファンとで埋め尽くされ、役者コールの熱気に包まれていて、パっと見ライブ会場のようだったw。カテコではサイリウムまで振られて眩しかったし^^;。
総勢28名もいたが、とにかく歌って踊れる若者を集めたようだ。
メインのLeadの歌やソロやダンスがふんだんにあり、韓国人留学生という設定のジョンミンの歌とダンスはダンサーと共に派手だった。
元宝塚の彩輝なおの伸びやかな歌声は綺麗だったが、台詞となると鼻声になって聞くのが辛くなる^^;。宝塚男役の方のストレートプレイは私には合わないようだ。

中土居宏宣に、瀬戸&柳下から花壇が来ていたが、『タンブリング』の舞台にもゲストで出た人だった。今回の舞台では瀬戸という役名w。
高木万平と高木心平は、初めて兄と弟の役が入れ替わり。イケメン生徒会長の弟くんのほうが目立っていたかなw。
イケメン“S5”に何とか食い込もうと懸命な米山役の入野自由が、コミカルで生き生きとした芝居で和ませ、思った以上に頼もしい出来だった。一番最初に“書道”を提案したのも彼だし、存在感も薄くはなかったw。
平野勇樹が、地味で豪快ながら安定感のある芝居。書道では一番“字”が上手かったと思う。

お目当ての根本正勝は、サラリーマンな定時制高校生で、クールかつ情熱的な独特の雰囲気。
相棒ではない(?)寿里は、これでも全日制高校生でw、キュートな長身がよく目立つ。
二人とも殺陣を披露したりと、男前で静かな佇まいだったが、ソロの歌もなくやはり脇の存在。
それでも若者に混じって、難しそうなダンスや振付までやっていて格好良かったv。稽古の成果はしっかり確認できた。
根本さんは淡々としたプロポーズが痛快w。入野くんがでっかい寿里の足元に蝉のようにへばり付いてたシーンが可愛かったv。

役者に罪はないが、出てくるキャラクターにあまり思いがわかず、反発だけがわいてくる。
予餞会中止ばかり叫ぶ頑固で自己中で虚栄心丸出しの教頭。独りよがりでウザくて自分のことばかり自慢する定時制の女教師。定時制を目の敵にし、全て定時制の責任にする全日制のやつら。女子高生もウザかった^^;。
校長が写真だけなのもいただけない。せめてひと声だけでもビシっと締めて欲しかった。
暴走族や追っかけやダンサーを加えて、派手でパワフルなステージにしたかったようだが、無駄に豪華な感じは否めない。キャラの名前なんてとても覚えられないもんね。
追っかけ連中のひとり、太った女の子が一番歌が上手かった。

終了後のカテコで、全員揃って挨拶。自己紹介をしてくれるかと思いきや、千秋楽を迎えた感想をひと言ずつのみ。いまだに誰が誰やらの人も^^;。根本さんは「現代も戦国時代…」、寿里は「キャバクラ」発言で笑いをとっていたw。
最後に「絆」のテーマを全員で歌う。ジョンミンのあおりで客席もスタンディング。私はそこまで盛り上がれなかったので立たなかった^^;。座ったままでも、隙間から根本さんを観れたのでオッケーw。
ファンによるライブ会場みたいな熱気に溢れていたが、芝居の内容からは熱いものは感じられなかった。

12月の『BUTLER×BATTLER』では、もう少し根本さんの出番があるだろうか。
今回出演した若手の何人かは、2011年の『レ・ミゼラブル』に出演を予定。来週の製作発表オーディエンスでも会えるだろうか。
Studio Life 25周年記念第3弾公演『DRACULA』ALBASTRU(アルバストゥル)チーム2回目を観てきた。

今回は上手端の席で、色々不都合もあったが^^;、この舞台って見切れがないのが救いかな。
お初のAチームだが、先に観たRチームと当然比べて観てしまう。

同じ演目だが、メインのキャストが違うだけで、こうも芝居のカラーが変わるとはビックリだ。
端的に、Rチームは情感的、Aチームは娯楽的とでもいおうか。
Rチームは正攻法で真面目な作りで、観る側の心も揺さぶられて色々と考えさせられた。今回のAチームは、くだけた雰囲気で明瞭な芝居が小気味よく、味わいのある面白さがあるようだ。
Rチームも個性的な実力派が出演しているが、Aチームは芝居に達者なツワモノが顔を揃えており、長年培われたチームワークと独特のアドリブが発揮され、観客をじんわりと惹き付ける。実際、Aチームのほうが笑いも多く起こったようだ。

高根研一のドラキュラ伯爵には実は期待より不安が多かったが、観ていくうちに楽しくなってきたw。なんだ、この人間臭いドラキュラは!?(笑)喋り方も笑い方も、哀しみや切なさの表情も、すべてが人間ぽくて、登場人物の中で誰よりも人間らしく思えたw。こういう吸血鬼がいても、たまにはいいんじゃないかと思う。時おり大声を出しても、血を吸おうと口を開けても、威圧で動けなくさせても、何だか全然怖くないっ。むしろ高根ドラキュラが可愛く思えてきちゃうw。

山本芳樹のジョナサンは、青木ジョナサンと対照的で、強気で勝気でポジティブな青年。案の定、高根ドラキュラをあまり怖がってないように見えたw。むしろ、二人の間には最初から打ち解けた空気があったがw、かつては『LILIES』のコンビだったし息も合っていそうだ。ジョナサンが1回だけ気を失う場面があるが、それもちょっとワザとらしい感じ。ミナが犠牲になったことも含め、その後の彼のドラキュラへの復讐心と闘争心のほうが上回った。
及川健のミナは、小柄な体に情熱と挑戦を秘め、メリハリのある凛とした芝居が素晴らしい。ミカシュンのミナが美しい華だとすれば、及川ミナは光り輝く華といえよう。芳樹さんとも抜群のバランスで、心が通い合ってる様子がわかる。

アーサーの山﨑康一は、落ち着きと威厳があって芝居も上手い。ルーシー舟見和利とも上手く釣り合っている。
林勇輔のセワードは、お団子な髪型がキュートで、思ったよりも理知的にハマっていた。コミカルとシリアスな芝居が絶妙。
篠田仁志のレンフィールドは、倉本徹とは全然違う。イイ男だしイイ声だし知的に見えちゃうv。こんな男前なら、仲間に引き入れてもいいかなと思うw。
三魔女は、Rチーム魔女のような毒々しさはないが、三上俊と青木隆敏ってどこか似ている気がする。青木くんは、Rのジョナサンよりこっちのほうが生き生きと楽しそうに見えたw。
ヘルシングの河内喜一朗は、台詞でちょっと不安なところが^^;。十字架を近づける場面の迫力は藤原啓児に軍配かな。

カテコでのキャスト登場。最後に高根ドラキュラが階段を降りてくるところで、及川ミナを守るように、芳樹ジョナサンがポケットから十字架を取り出してかざしていたw。
三上魔女がクールな顔で青木魔女に近付き寄り添って、いかにも仲良さげな感じだったが、原田魔女が背後でちょっと寂しそうに見えたw。
Rチームと違い、高根さんと及川さんの中に芳樹さんが入って並ぶので、主人公はジョナサンな芳樹さんになるのかな。


終演後、25周年記念トークショーVol.4。
天の声は曽世海司さん。さすが滑らかでコミカルな喋り。強い絆で結ばれた人間チームということで、お題は【絆】について。
階段に腰掛けてる回答者は、ジョナサン@山本芳樹&ミナ@及川健、アーサー@山﨑康一&セワード@林勇輔、キンシー@緒方和也&キンシー(子供)@松村泰一郎、レンフィールド@篠田仁志&ヘルシング@河内喜一朗の8人。

松村さんは、暗闇の中で手を繋ぐ時に絆を感じるw。男同士、劇団員同士で手を繋ぐのも珍しくないと天の声w。
緒方さんは、劇中のアドリブが気に入ってるのか、再度「フキンシーでした」(笑)。
篠田さんは、先輩の話から「下心と真心」について。ついでに「今日はイイ夫婦の日」。
林さんは、前の篠田さんのコメントをキモチワルイとしきりにちゃかすがw、同期の「オイちゃんとヨシキ」とは何も言わなくても繋がってると。天の声曰く「イイナ、同期がいて」w。
山﨑さんは、演劇というのが絆。去年のお葬式に来てくれた河内さんにも言及。
及川さんも、芝居そのものが絆、劇団が絆の歴史。女優同士の絆もありw。相手役を何年もつとめた芳樹さんとの絆にも言及。
芳樹さんが、先の及川さんのコメントを受けて「アイシテルよv」。待ってて下さるお客さんとの絆を大切にしたいと。
河内さんは、数年前のギリシャ旅行で偶然逢ったライフのファンとのことを話し、やはり芝居が絆だとニッコリ。でも途中で言葉を噛んで、自分の頬をペチっと叩いたのが可笑しい。
柔らかな天の声で締められ、最後はみんな並んでお辞儀をして終了した。

先週木曜日とほぼ同じ時刻に劇場を出た。夜の長い観劇とトークのセットはやはり疲れる^^;。
これでやっと博品館劇場から解放されたw。駅から地下を歩き地上も歩くので遠く感じる。しばらく此処とは遠慮したい。
絆続きか、明日は【絆】という舞台。
cube neXt『押忍(おっす)!!ふんどし部!』千秋楽を観てきた。

チケットでたまにお世話になるキューブさん。そのcubeが贈るボーイズ企画の公演のようだ。
出演する役者もメインはcube所属かな。
場所は劇場ではなく、山野学苑の協賛による、お初の山野ホールという講堂。

初日の評判を聞いてチケットを安く手に入れたが、ステージからほど遠い後方のスタンド席。
前方のアリーナ席は真っ平で後ろのほうは見難そうだが、学園の体育館という設定の中、学園の一員として舞台に参加できる楽しみもあるようだ。
上演中も手拍子やハンカチ振りと賑やかなアリーナ席と、静かに見守るスタンド席とでは、かなりの温度差があった^^;。

かつてあった、白線流しならぬ「白ふん流し」の伝説を復活させるべく、一人の転校生の少年を中心に5人のイケメン男子たちが、数々の障壁や困難にめげずに立ち上がる話。
歌ありダンスあり笑いありの、よくある青春熱血学園ドラマ。
見どころは何といっても、白ふんどし姿になるイケメンたちだろう。レオタードで新体操をするイケメンたちよりは、白ふんで歌やダンスをするほうが、稽古的にも本番的にもラクだろうw。
上半身裸や丸出しのお尻と露出面は多いが、それ程長く見せるわけでもないので、ほんの少しの勇気と根性さえあれば、どんなイケメンでもやれそうだ。
尤も、遠目で見ただけだが、若手イケメンのふんどし姿にはあまりそそられなかったw。

人気作家・細川徹の脚本はベタな展開だが、小技やネタがよく効いて、度々笑わせてくれる。
マルチな才を放つ河原雅彦の演出は、スクリーン映像をふんだんに使い3Dと2Dをミックスさせての痛快な手法。歌の歌詞ロゴや学校や街並みの場面、質問に答える人や白ふん流しの様子まで映って、立体的な臨場感で会場を沸かせる。
「テニプリのお客をターゲットにしています勝手に。」と河原氏は書いていたが、歌やダンスはテニミュの域からは脱しておらず新鮮味はない。周知安定を狙ったのだろうか。
白く長~い布の出どころはさておき、沢山のお手伝いやお客さんを巻き込んだショーの割には、白ふん流しにいったいどんな意義や効果があるのか、さっぱり分らず仕舞いだった^^;。長い白ふんをただ腰に巻きつけるだけでは感動もわかない。

のほほんと平和に展開していく割には、手の指を痛めつけたり、殴る蹴るぶっ飛ばすの暴力シーンがあったのが気になった^^;。もっと酷かったのは、観客参加型だと称して、設定上とはいえ、ナイフで刺された者の手足を引きちぎらせるシーン(~_~;)。後々まで残酷な場面が目に残り、嫌悪感が消えなかった。小さいお子さんも観劇していたし、ああいったシーンを見せるのは良くないと思う。

『テニミュ』金太郎で好演した木戸邑弥は、ノーマルな高校生役でまずまずの出来。座長として頑張っていたと思う。
『テニミュ』葵剣太郎でお馴染み川原一馬は、眼鏡で知的な格好がよく似合う。さすがに場数を踏んだ安定感があって若手をリード。ダンスはみんなの中でもピカイチの上手さで、見ていて惚れ惚れした。
着実に経験を重ねている海老澤健次は、豪放でユーモラスな不良を熱演。ハマリ役ではあるが、年齢的にはどうなんだろう。
『イナイレ』豪炎寺の記憶も新しい金子直史が、クールな色男で溶け込む。歌には不安があるが、独特の華がありそう。
身体の柔らかさやバネを生かした坂口涼太郎のアクロバット、加藤諒のコミカルさ、双子の冨森ジャスティン&冨森アンドリューの吹替えが楽しかった。

カテコで全員が自己紹介と挨拶。やっと名前と顔が一致した人もいたりw。
河原氏が「オスフン」の愛称で親しんでくれることを願ったり、役者みんなが同じメンバーでの再演を望んでいたが、今回はたった4回の公演だったし、再演も充分にあり得そうだ。
出演者とのハイタッチ目当てもあるのか、物販のおすふんタオルが盛況だったw。

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