AND ENDLESS 堕天 初日
2011年4月27日 舞台演劇AND ENDLESS 15th Anniversary Special Program vol.1の『堕天』初日を観てきた。
某所で安価で良席という言葉にのせられチケットを取ったが、こんな安くてこんな観易くていいの?っていうぐらい、前方の花道横の最上席だった。
舞台は、新撰組副長・土方歳三を主軸に、幕末から明治に至るまでを描く、何度も再演されたAND ENDLESSの代表作。
新撰組の池田屋襲撃から龍馬暗殺を描いた『堕天』、函館五稜郭での最終決戦までを描いた『神殿』、番外編『遅咲きの蒼』の三部作で、キャストを一部替えた三作が交替で上演される。
AND ENDLESSのことは、舞台『戦国BASARA』で知ったが、アクション・エンターテイメント集団という印象。
『堕天』も、まるで“幕末BASARA”といった様相で、広い舞台や花道を殺陣と立ち回りとアクションが、所狭しと覆いつくす活気溢れる舞台だった。
普通の新撰組ものとは異なり、女が武士として活躍する設定も奇抜だ。有名なアノ人もアノ人も実はぜ~んぶ女なのだと観客に納得させ、女特有のかけ引きや絡みが如実に出てくる。汗臭い男優陣に混じって、女優陣も激しい殺陣をこなし、女性ダンサーたちが華やかに場を盛り立てる。女性の動静を見事に生かした舞台といえよう。
作・演出は、土方を演じた西田大輔。前半は名乗りから始まり、ギャグやネタで何度も脱線させて、脱線気味にやや閉口。後半は急にシリアスに転じるが、会話ややり取りがしつこく、本筋やヤマ場に入るまでが大変。
休憩含めて3時間30分近くもあり、予想はしつつも中盤はやや飽きがきて長く感じられた。もう少しゴテゴテした贅肉を落としてシャープに纏めれば、人物も場面もすっきりと描かれ印象深くなったと思う。
土方歳三の西田大輔さんは、ケンカ殺法のような殺陣が凄まじいこと。30-DELUXの清水順二さんとも重なるが、清水さんが激しく華麗なのに比べて、西田さんのは激しく厳しくて対照的。体が弱ってる総司を容赦なく叩きのめしたり、仲間を簡単に切腹させようとしたり、まさに“鬼”そのものを表現した冷酷残忍な土方に少々面食らった。
ここでの沖田総司は弱くて頼りにならないし、沖田と斎藤一はイチャイチャだし、近藤勇は強いんだか弱いんだか分らないし、新撰組メンバーにいまいちのめり込めなかった。
ゲスト出演者が豪華で実力派揃い。
久保田悠来は、パーリィーな岡田以蔵って感じw。躍動感あふれる殺陣やアクションが素晴らしく、西田さんとの立ち回りも格好良く決まってた。ここでの以蔵は恋する男で、優しさと強さの中にひたむきな想いがよく出ていた。
宮下雄也(RUN&GUN)は、抑えた演技で桂小五郎役。殺陣も少々奮闘。
森田成一は、重厚かつ軽妙に勝海舟を好演。髪型をからかわれていたが、富士額がイイね。あいにく殺陣の披露はなかったが、あらゆる人物と絡んで存在感があった。
キーマンの中村真知子は、飄々とした強かさが憎らしく映る。塚本千代の静かで柔軟な演技に注目。
盛り上がりで流れるムード歌謡が、この舞台の持ち味らしい。照明が鮮やかで印象的。ヒラヒラの新撰組衣装が気になった。以蔵の腰紐がほどけてアブナかった。
勝の護衛をする以蔵の場面で、前田慶次と伊達政宗がほんのり浮かんだw。
土方の「おれが新撰組だ!」に、「おれがガンダムだ」が浮かんで名言だと思った。
神殿とははたして何なのか? 続編の舞台『神殿』も観てみたいが、スケジュール的にも場所的にもムリ。森田さんが主役になるのかな。
カテコで全員が立ち並ぶ中、何故か挨拶をふられて一瞬スポットライトが当てられた森田さん。劇中ネタであっさりかわすところはさすがw。
その後は花道を通って退場する皆さんが、穏やかな笑みで手を振っていた。
劇場を出ると雨模様で、駅までの道のりが遠いこと。
前進座は観客には不便この上なく、吉祥寺シアターのほうがまだいい。でも『らん』もあるし、ヘロQも控える。
次のAND ENDLESSは、浅沼晋太郎氏とのコラボ『NEW WORLD/ESORA』。久保田くんは今度は浅沼氏の舞台に出演。
某所で安価で良席という言葉にのせられチケットを取ったが、こんな安くてこんな観易くていいの?っていうぐらい、前方の花道横の最上席だった。
舞台は、新撰組副長・土方歳三を主軸に、幕末から明治に至るまでを描く、何度も再演されたAND ENDLESSの代表作。
新撰組の池田屋襲撃から龍馬暗殺を描いた『堕天』、函館五稜郭での最終決戦までを描いた『神殿』、番外編『遅咲きの蒼』の三部作で、キャストを一部替えた三作が交替で上演される。
AND ENDLESSのことは、舞台『戦国BASARA』で知ったが、アクション・エンターテイメント集団という印象。
『堕天』も、まるで“幕末BASARA”といった様相で、広い舞台や花道を殺陣と立ち回りとアクションが、所狭しと覆いつくす活気溢れる舞台だった。
普通の新撰組ものとは異なり、女が武士として活躍する設定も奇抜だ。有名なアノ人もアノ人も実はぜ~んぶ女なのだと観客に納得させ、女特有のかけ引きや絡みが如実に出てくる。汗臭い男優陣に混じって、女優陣も激しい殺陣をこなし、女性ダンサーたちが華やかに場を盛り立てる。女性の動静を見事に生かした舞台といえよう。
作・演出は、土方を演じた西田大輔。前半は名乗りから始まり、ギャグやネタで何度も脱線させて、脱線気味にやや閉口。後半は急にシリアスに転じるが、会話ややり取りがしつこく、本筋やヤマ場に入るまでが大変。
休憩含めて3時間30分近くもあり、予想はしつつも中盤はやや飽きがきて長く感じられた。もう少しゴテゴテした贅肉を落としてシャープに纏めれば、人物も場面もすっきりと描かれ印象深くなったと思う。
土方歳三の西田大輔さんは、ケンカ殺法のような殺陣が凄まじいこと。30-DELUXの清水順二さんとも重なるが、清水さんが激しく華麗なのに比べて、西田さんのは激しく厳しくて対照的。体が弱ってる総司を容赦なく叩きのめしたり、仲間を簡単に切腹させようとしたり、まさに“鬼”そのものを表現した冷酷残忍な土方に少々面食らった。
ここでの沖田総司は弱くて頼りにならないし、沖田と斎藤一はイチャイチャだし、近藤勇は強いんだか弱いんだか分らないし、新撰組メンバーにいまいちのめり込めなかった。
ゲスト出演者が豪華で実力派揃い。
久保田悠来は、パーリィーな岡田以蔵って感じw。躍動感あふれる殺陣やアクションが素晴らしく、西田さんとの立ち回りも格好良く決まってた。ここでの以蔵は恋する男で、優しさと強さの中にひたむきな想いがよく出ていた。
宮下雄也(RUN&GUN)は、抑えた演技で桂小五郎役。殺陣も少々奮闘。
森田成一は、重厚かつ軽妙に勝海舟を好演。髪型をからかわれていたが、富士額がイイね。あいにく殺陣の披露はなかったが、あらゆる人物と絡んで存在感があった。
キーマンの中村真知子は、飄々とした強かさが憎らしく映る。塚本千代の静かで柔軟な演技に注目。
盛り上がりで流れるムード歌謡が、この舞台の持ち味らしい。照明が鮮やかで印象的。ヒラヒラの新撰組衣装が気になった。以蔵の腰紐がほどけてアブナかった。
勝の護衛をする以蔵の場面で、前田慶次と伊達政宗がほんのり浮かんだw。
土方の「おれが新撰組だ!」に、「おれがガンダムだ」が浮かんで名言だと思った。
神殿とははたして何なのか? 続編の舞台『神殿』も観てみたいが、スケジュール的にも場所的にもムリ。森田さんが主役になるのかな。
カテコで全員が立ち並ぶ中、何故か挨拶をふられて一瞬スポットライトが当てられた森田さん。劇中ネタであっさりかわすところはさすがw。
その後は花道を通って退場する皆さんが、穏やかな笑みで手を振っていた。
劇場を出ると雨模様で、駅までの道のりが遠いこと。
前進座は観客には不便この上なく、吉祥寺シアターのほうがまだいい。でも『らん』もあるし、ヘロQも控える。
次のAND ENDLESSは、浅沼晋太郎氏とのコラボ『NEW WORLD/ESORA』。久保田くんは今度は浅沼氏の舞台に出演。
ミュージカル レ・ミゼラブル 感謝デー
2011年4月26日 舞台演劇ミュージカル『レ・ミゼラブル』の2回目を観てきた。
帝劇100周年感謝デーのソワレでお得なチケット価格。
しかも座席が前回とは逆、前方左手側で観易いんだかそうでもないんだかw。
観る方向が違うと、同じ舞台でも見方が全然違い、人物への思い入れも変わっていく。
キャストも前回観た時と殆ど替わり、バルジャンとジャベールとテナルディエ妻以外は、殆どが初お目見えとなる。
別所哲也@バルジャンと岡幸二郎@ジャベールは同じ。
別所バル、最初は声に力が感じられないが、中盤からどんどん本調子になって抜群の歌声を聴かせて安心感が伴う。
特に岡ジャベールと絡むと、別所バルの歌は力強い。二人の歌の激突では、歌も芝居もゾクゾクさせる迫力がある。
コゼット、エポニーヌと演じ、ついにファンテーヌになった知念里奈。全体的に少々若く見え、体も声も線が細く感じられたが、まずまずの及第点だろうか。
平田愛咲@エポニーヌは、キュートな中に力強さと切なさをもっててとてもイイ。前回のJenniferよりは好みだし、新妻エポに繋がるものがある。芝居も上手いし、高めのシャウトで胸を焦がしてくれた。
中山エミリのコゼットは、思った以上の出来で満足。見た目は普通だが、それがコゼットの優しさと似合って可愛く映り、歌の高音には色気がある。
アンジョルラス役だった原田優一は、背がちょっと足りないと思っていたが、今回はマリウスとしてピッタリハマっていた。声質的にはアンジョなのだが、見た目や雰囲気はマリウス。原田さん、歌声もステキだが、芝居が丁寧で繊細でとても好み。
中盤でかなり気になったのが、原田さんの髪に差していたマイクがズリ落ちてかなり目立っていたこと^^;。何かのハプニングで、鬘でもズレちゃったんだろうか。
年齢的に気になってたエミリ@コゼットだが、遠目だと関係ないし、落ち着いた原田@マリウスと絡むととてもお似合い。これが、うんと年下の山崎マリウスと絡むとどうなるのか、不安と期待が混じる。
でも別所@バルジャンとエミリ@コゼットは、親子というよりは、歳の離れた兄妹の関係かなw。何となく親子とは違った“愛”を感じたのだが。
テニミュ初代河村だった阿部よしつぐ@アンジョルラスは、もう少し声量が欲しいが、声的にはまずまずの凛々しさ。芝居が割と大雑把で、もっと皆を束ねて引っ張っていくような力強い動きが欲しいところ。
加藤清史郎@ガブローシュは、体が小さくて声量も小さく、まだまだの可愛らしさ。先に観た鈴木知憲くんと比べると、頼りなくてしょうがないw。歌詞も一部聞き取れなかったが、撃たれた時にもう少し痛々しい芝居が欲しい。あちこち走り回って、大人に混じって結構気を使ってるようなので、場数を踏めば上達するだろうと思う。
三波豊和@テナルディエは、コブシというよりドスが効いてて新鮮で面白い。駒田一ほどのアクの強さや憎たらしさはなく、ひょうきんな小悪党という感じでイイ。ウエディング場面で現れた時はかなり道化師な様相で、思わず笑いをそそった。
そのウエディング場面で、マリウスとコゼットが去った後、突然地震が襲来。座席も天井もかなり揺れて客席もざわついたが、舞台はそのまま続行。幸いにも揺れは止み、不安感を払拭するように、テナルディエ夫妻の歌には手拍子も出た。
エピローグでは、またもや涙が頬を伝った。老バルジャンの元へ駆けつけたコゼットが感謝の言葉を捧げる中、後ろのファンテーヌがにっこり微笑む。まさに“愛”という言葉に相応しい表情。知念@ファンテとエミリ@コゼットって、親子のような雰囲気だなとちょっと思った。
アンジョたちがバックで隊列を組む中、ガブローシュだけがいないのが残念。
時間的制約で、平日夜の「エピローグ」と「カテコ」には子役は出演しないのだ。
カテコで出演者が出てくる中、前回はアンジョとガブが一緒に出てきたのが、今回は「ABC」の仲間たちと出てきたアンジョ。
2回目のカテコから、バルジャンとマリウスでまたもコゼットの取り合い(笑)。別所バルがエミリコゼの手を引っ張って行くと、呆然とする原田マリ。原田さんのアドリブがまた愉快で、3回目になると悔しそうに地団駄を踏んでたりw。
役者たちが客席に投げ入れる花、結構かすったが取れなかった。グランテール@土屋研二が強肩で遠投していた。
次の観劇は5月の下旬。今度は、子ども店長のカテコが観れるかもw。
スペシャル・キャスト出演回も控えているので楽しみ。
帝劇100周年感謝デーのソワレでお得なチケット価格。
しかも座席が前回とは逆、前方左手側で観易いんだかそうでもないんだかw。
観る方向が違うと、同じ舞台でも見方が全然違い、人物への思い入れも変わっていく。
キャストも前回観た時と殆ど替わり、バルジャンとジャベールとテナルディエ妻以外は、殆どが初お目見えとなる。
別所哲也@バルジャンと岡幸二郎@ジャベールは同じ。
別所バル、最初は声に力が感じられないが、中盤からどんどん本調子になって抜群の歌声を聴かせて安心感が伴う。
特に岡ジャベールと絡むと、別所バルの歌は力強い。二人の歌の激突では、歌も芝居もゾクゾクさせる迫力がある。
コゼット、エポニーヌと演じ、ついにファンテーヌになった知念里奈。全体的に少々若く見え、体も声も線が細く感じられたが、まずまずの及第点だろうか。
平田愛咲@エポニーヌは、キュートな中に力強さと切なさをもっててとてもイイ。前回のJenniferよりは好みだし、新妻エポに繋がるものがある。芝居も上手いし、高めのシャウトで胸を焦がしてくれた。
中山エミリのコゼットは、思った以上の出来で満足。見た目は普通だが、それがコゼットの優しさと似合って可愛く映り、歌の高音には色気がある。
アンジョルラス役だった原田優一は、背がちょっと足りないと思っていたが、今回はマリウスとしてピッタリハマっていた。声質的にはアンジョなのだが、見た目や雰囲気はマリウス。原田さん、歌声もステキだが、芝居が丁寧で繊細でとても好み。
中盤でかなり気になったのが、原田さんの髪に差していたマイクがズリ落ちてかなり目立っていたこと^^;。何かのハプニングで、鬘でもズレちゃったんだろうか。
年齢的に気になってたエミリ@コゼットだが、遠目だと関係ないし、落ち着いた原田@マリウスと絡むととてもお似合い。これが、うんと年下の山崎マリウスと絡むとどうなるのか、不安と期待が混じる。
でも別所@バルジャンとエミリ@コゼットは、親子というよりは、歳の離れた兄妹の関係かなw。何となく親子とは違った“愛”を感じたのだが。
テニミュ初代河村だった阿部よしつぐ@アンジョルラスは、もう少し声量が欲しいが、声的にはまずまずの凛々しさ。芝居が割と大雑把で、もっと皆を束ねて引っ張っていくような力強い動きが欲しいところ。
加藤清史郎@ガブローシュは、体が小さくて声量も小さく、まだまだの可愛らしさ。先に観た鈴木知憲くんと比べると、頼りなくてしょうがないw。歌詞も一部聞き取れなかったが、撃たれた時にもう少し痛々しい芝居が欲しい。あちこち走り回って、大人に混じって結構気を使ってるようなので、場数を踏めば上達するだろうと思う。
三波豊和@テナルディエは、コブシというよりドスが効いてて新鮮で面白い。駒田一ほどのアクの強さや憎たらしさはなく、ひょうきんな小悪党という感じでイイ。ウエディング場面で現れた時はかなり道化師な様相で、思わず笑いをそそった。
そのウエディング場面で、マリウスとコゼットが去った後、突然地震が襲来。座席も天井もかなり揺れて客席もざわついたが、舞台はそのまま続行。幸いにも揺れは止み、不安感を払拭するように、テナルディエ夫妻の歌には手拍子も出た。
エピローグでは、またもや涙が頬を伝った。老バルジャンの元へ駆けつけたコゼットが感謝の言葉を捧げる中、後ろのファンテーヌがにっこり微笑む。まさに“愛”という言葉に相応しい表情。知念@ファンテとエミリ@コゼットって、親子のような雰囲気だなとちょっと思った。
アンジョたちがバックで隊列を組む中、ガブローシュだけがいないのが残念。
時間的制約で、平日夜の「エピローグ」と「カテコ」には子役は出演しないのだ。
カテコで出演者が出てくる中、前回はアンジョとガブが一緒に出てきたのが、今回は「ABC」の仲間たちと出てきたアンジョ。
2回目のカテコから、バルジャンとマリウスでまたもコゼットの取り合い(笑)。別所バルがエミリコゼの手を引っ張って行くと、呆然とする原田マリ。原田さんのアドリブがまた愉快で、3回目になると悔しそうに地団駄を踏んでたりw。
役者たちが客席に投げ入れる花、結構かすったが取れなかった。グランテール@土屋研二が強肩で遠投していた。
次の観劇は5月の下旬。今度は、子ども店長のカテコが観れるかもw。
スペシャル・キャスト出演回も控えているので楽しみ。
ミュージカル レ・ミゼラブル マチネ
2011年4月19日 舞台演劇ミュージカル『レ・ミゼラブル』マチネを観てきた。
今年は帝劇100周年。劇場も記念で彩られている。
昨年11月の第一次製作発表が懐かしい。ロビー1階2階には役者の写真メッセージ(あいうえお順)と、東北被災地へ向けた色紙メッセージが飾られていた。
今年もまた『レ・ミゼ』を観る機会に恵まれたことに感謝。
ジョン・ケアード氏新演出のため、本年は今までの演出の見納めともなる。
座席は前方上手サイド。やや身体を斜めにしたが、役者の表情や小芝居がはっきり見えた。
19世紀前半のフランス。罪人の過去を隠して、血の繋がらない一人娘を育てて生きるジャン・バルジャンの姿を、ジャベールとの対決や学生や民衆の蜂起と共に、壮絶に描き出す。
重税がのしかかり失業が後を絶たず、貧富の差が更に拡大する混沌とした時代設定。レ・ミゼの背景が年ごとに今の日本の状況と似通ってきて、驚愕すら覚える。
しかし、貧しくて困難な時でも、どう生きていくか、いかに愛すべきかを、芝居と音楽と共に伝えていく普遍的な作品である。
馴染みのある数々のミュージカルナンバーに包まれるだけで、涙が次々とこみ上げてきた。
曲のリフレインがキャラクターの心情と重なって染みていく。
「囚人の歌」や「ベガーズ」で踏みつけられ、「夢やぶれて」で心が砕けようとも、「The People’s Song」で奮起させる。
「明日が来たとき そうさ明日が♪」歌詞の数々が、生命を謡い上げ希望へと繋げてくれる。
バルジャンとジャベールは別所哲也と岡幸二郎。細やかな芝居と圧巻の歌唱力で何も言うことはない。
駒田一と阿知波悟美のテナルディエ夫婦も達者でユニークな芝居と歌で盛り上げる。
お初の方がたくさん。
ファンテーヌ@和音美桜は、伸びのある清楚な声で美しい。
エポニーヌ@Jenniferは、日本語も綺麗でよく声が出るが、歌い方にクセがあってちょっと違和感が伴う。
コゼット@折井理子は、高音部もよく出て、見た目の幼さが可愛らしく柔らかくて好演。
アンジョルラス@上原理生は、長身でスマートな見た目と誠実さが現れ、高めに伸びるイイ声がとても良い。
山崎育三郎は『ラストゲーム』で観たが、マリウスとしては初めてかも。やや背が低く和風な顔立ちだが、張りがあるよく通る声がハマる。
ガブローシュの鈴木知憲が、堂々とした歌いっぷりで、しっかりした芝居が見事。
エポニーヌとマリウスの関係がまだ出来上がってないかな。エポが最後に自分からマリウスにキスするのが当り前だと思ってたので、それが無かったのに少々面食らった。マリウスの哀しみや絶望もいまひとつ伝わってこない。むしろマリウスのコゼットへの想いはよく出ていたので、今回の勝利はコゼットになるだろうか。
今回一番注目していたのが、石飛幸治(Studio Life)。飲んだくれのグランテールだが、その役として出るまで様々な役を演じていて痛快。石飛さん、顔や体がデカからか、ステージでもよく目立つ。主に上手よりから見えるのも幸い。
初っ端から囚人や工場労働者として出てきて、女郎屋でファンテーヌを陥れる憎たらしい男にも扮してビックリ。グランテールとしてはしょっちゅう酒瓶を片手にベロンベロン状態だが、マリウスにやたら絡んで、アンジョを頭にマリウスとは対照的位置だったとようやく知る。一昨年だったら、遼生マリウスと絡んでくれただろうに残念。
ガブローシュとは一番絡んできて、一幕ラストの「民衆の歌」では肩に担いだままステップを踏み歌うのだから、さぞ大変かもしれないw。二幕の戦闘前は危険だからとガブを帰らせるのに、ガブがこっそり戻ってきたりと、二人の無言の芝居がいじらしく切ない。アンジョが撃たれると、自暴自棄のようにバリケードに挙がって酒瓶を振り回し抵抗する。
同志たちの間で何かと絡み暴走するが、実は気が優しく情も熱い不器用な男だったのだと分る。
ソロはグランテールの荒々しさを表現した歌い方だが、皆を奮起させて数多くあり、アンジョたちと歌い上げる歌も逞しい。
石飛さんの抜群の歌唱力や繊細な表現力にしみじみと感動した。
『前橋ヴィジュアル系』舞台挨拶以来の藤田玲は、モンパルナスでエポニーヌと絡む。エポを足蹴にするところが憎らしいが、学生役ではガラリと雰囲気を変え、みんなと共に歌っていた。
カテコは、バルジャンとマリウスでコゼットの取り合いをしていて面白かった。今回、バルジャンが育て上げたコゼットを本気で愛している様子が伝わってきたしね。2度目のカテコで、取られまいとコゼットの手をさっと引っ張っていくマリウスの顔がムスっとしていたのが愉快。
花を客席に投げ入れた後、上手にジャベールが来てくれたり、マリウス&コゼットが来てくれたりと沸かせてくれた。最後にバルジャンはファンテーヌの手を取っていたけれど。
次は来週の帝劇100周年感謝デーを観劇。チケットが安いから。
5月2日のチャリティ・コンサートも参加予定。5月は他に2回観劇予定だから、レ・ミゼにたっぷり浸かりそう。
パンフの内容が充実。『レ・ミゼ』全公演キャスト表に、俳優の出演場面と役割を表示した『レ・ミゼ』香盤表まで。こういうのを一昨年欲しかったな~。
『レ・ミゼ』を5分で10倍楽しむガイドまで配布されて、いたれりつくせりの観劇w。
今年は帝劇100周年。劇場も記念で彩られている。
昨年11月の第一次製作発表が懐かしい。ロビー1階2階には役者の写真メッセージ(あいうえお順)と、東北被災地へ向けた色紙メッセージが飾られていた。
今年もまた『レ・ミゼ』を観る機会に恵まれたことに感謝。
ジョン・ケアード氏新演出のため、本年は今までの演出の見納めともなる。
座席は前方上手サイド。やや身体を斜めにしたが、役者の表情や小芝居がはっきり見えた。
19世紀前半のフランス。罪人の過去を隠して、血の繋がらない一人娘を育てて生きるジャン・バルジャンの姿を、ジャベールとの対決や学生や民衆の蜂起と共に、壮絶に描き出す。
重税がのしかかり失業が後を絶たず、貧富の差が更に拡大する混沌とした時代設定。レ・ミゼの背景が年ごとに今の日本の状況と似通ってきて、驚愕すら覚える。
しかし、貧しくて困難な時でも、どう生きていくか、いかに愛すべきかを、芝居と音楽と共に伝えていく普遍的な作品である。
馴染みのある数々のミュージカルナンバーに包まれるだけで、涙が次々とこみ上げてきた。
曲のリフレインがキャラクターの心情と重なって染みていく。
「囚人の歌」や「ベガーズ」で踏みつけられ、「夢やぶれて」で心が砕けようとも、「The People’s Song」で奮起させる。
「明日が来たとき そうさ明日が♪」歌詞の数々が、生命を謡い上げ希望へと繋げてくれる。
バルジャンとジャベールは別所哲也と岡幸二郎。細やかな芝居と圧巻の歌唱力で何も言うことはない。
駒田一と阿知波悟美のテナルディエ夫婦も達者でユニークな芝居と歌で盛り上げる。
お初の方がたくさん。
ファンテーヌ@和音美桜は、伸びのある清楚な声で美しい。
エポニーヌ@Jenniferは、日本語も綺麗でよく声が出るが、歌い方にクセがあってちょっと違和感が伴う。
コゼット@折井理子は、高音部もよく出て、見た目の幼さが可愛らしく柔らかくて好演。
アンジョルラス@上原理生は、長身でスマートな見た目と誠実さが現れ、高めに伸びるイイ声がとても良い。
山崎育三郎は『ラストゲーム』で観たが、マリウスとしては初めてかも。やや背が低く和風な顔立ちだが、張りがあるよく通る声がハマる。
ガブローシュの鈴木知憲が、堂々とした歌いっぷりで、しっかりした芝居が見事。
エポニーヌとマリウスの関係がまだ出来上がってないかな。エポが最後に自分からマリウスにキスするのが当り前だと思ってたので、それが無かったのに少々面食らった。マリウスの哀しみや絶望もいまひとつ伝わってこない。むしろマリウスのコゼットへの想いはよく出ていたので、今回の勝利はコゼットになるだろうか。
今回一番注目していたのが、石飛幸治(Studio Life)。飲んだくれのグランテールだが、その役として出るまで様々な役を演じていて痛快。石飛さん、顔や体がデカからか、ステージでもよく目立つ。主に上手よりから見えるのも幸い。
初っ端から囚人や工場労働者として出てきて、女郎屋でファンテーヌを陥れる憎たらしい男にも扮してビックリ。グランテールとしてはしょっちゅう酒瓶を片手にベロンベロン状態だが、マリウスにやたら絡んで、アンジョを頭にマリウスとは対照的位置だったとようやく知る。一昨年だったら、遼生マリウスと絡んでくれただろうに残念。
ガブローシュとは一番絡んできて、一幕ラストの「民衆の歌」では肩に担いだままステップを踏み歌うのだから、さぞ大変かもしれないw。二幕の戦闘前は危険だからとガブを帰らせるのに、ガブがこっそり戻ってきたりと、二人の無言の芝居がいじらしく切ない。アンジョが撃たれると、自暴自棄のようにバリケードに挙がって酒瓶を振り回し抵抗する。
同志たちの間で何かと絡み暴走するが、実は気が優しく情も熱い不器用な男だったのだと分る。
ソロはグランテールの荒々しさを表現した歌い方だが、皆を奮起させて数多くあり、アンジョたちと歌い上げる歌も逞しい。
石飛さんの抜群の歌唱力や繊細な表現力にしみじみと感動した。
『前橋ヴィジュアル系』舞台挨拶以来の藤田玲は、モンパルナスでエポニーヌと絡む。エポを足蹴にするところが憎らしいが、学生役ではガラリと雰囲気を変え、みんなと共に歌っていた。
カテコは、バルジャンとマリウスでコゼットの取り合いをしていて面白かった。今回、バルジャンが育て上げたコゼットを本気で愛している様子が伝わってきたしね。2度目のカテコで、取られまいとコゼットの手をさっと引っ張っていくマリウスの顔がムスっとしていたのが愉快。
花を客席に投げ入れた後、上手にジャベールが来てくれたり、マリウス&コゼットが来てくれたりと沸かせてくれた。最後にバルジャンはファンテーヌの手を取っていたけれど。
次は来週の帝劇100周年感謝デーを観劇。チケットが安いから。
5月2日のチャリティ・コンサートも参加予定。5月は他に2回観劇予定だから、レ・ミゼにたっぷり浸かりそう。
パンフの内容が充実。『レ・ミゼ』全公演キャスト表に、俳優の出演場面と役割を表示した『レ・ミゼ』香盤表まで。こういうのを一昨年欲しかったな~。
『レ・ミゼ』を5分で10倍楽しむガイドまで配布されて、いたれりつくせりの観劇w。
ミュージカル テニスの王子様 青学VS聖ルドルフ/山吹
2011年4月16日 舞台演劇ミュージカル『テニスの王子様』青学VS聖ルドルフ/山吹を観てきた。
先月31日に観るハズだったのが、初日が延びて結局4月半ばの観劇。31日のは2階席だったし、払い戻しでよかったか。
今回はアリーナ前方席。表情や小芝居までくっきり観易い!
前半は、青学と聖ルドルフ学院との準々決勝。聖ルドルフの司令塔・観月の徹底した分析が青学を追いつめる。後半は、青学と山吹中との決勝戦。山吹の異端児・亜久津に青学の一年は翻弄される。
戦いの内容は殆ど忘れかけているが、他校のキャラクターは印象的。
聖ルドルフは粒ぞろいで濃ゆくて面白い。「んふっ」の観月に不二弟の裕太、野性味溢れる赤澤部長、「アヒル」の柳沢に木更津弟の淳。金田はすっかり忘れていたw。
山吹は個性的だがどこか地味。不良な野獣の亜久津、マネージャーの壇、ラッキー千石と地味’sの二人。グラサンの室町はすっかり忘れかけていたw。
青学メンバーは、不動峰戦の時と比べると、パワーアップしていて確実に成長している。
中でも菊丸@小関裕太は、前回がいまひとつだっただけに成長ぶりが顕著。歌でも声がよく出るようになってて、アクロバットや体の動きが軽快で、表情や芝居にも菊丸らしい笑顔や自信が表れていた。
今回のキーマン、大石@平牧仁とのコンビも頼もしい。不二周助@三津谷亮は揺るぎない柔軟さと安定感。桃城@上鶴徹、海堂役@池岡亮介は独自のテイストで熱血ぶりを示す。
他校はチームワークはいいが、個人の芝居や歌はまだまだ納得のいくものではない。
観月@小林豊は、滑舌やセリフに不安があるが、「んふっ」を通り越した不気味な笑いや独特のアプローチもあり、これから伸びていきそうだ。
不二裕太@小西成弥は、芝居はまだ硬いが、爽やかな可愛さがあって好ましい。赤澤@猪塚健太は眼力があって男っぽい。金田@大久保祥太郎は、経験豊かなので芝居が上手く、さりげに存在感を放つ。柳沢@陣内将も、手馴れた芝居でムードメーカーぶりを発揮。木更津@廣瀬大介は、六角戦にも兄として出るのかな。
千石@聖也は、軽い唄い方が難だが、身軽なアクロバットをエンディングで披露。太一@柾木玲弥は、前説も可愛く担当。室町@小野賢章は、いい芝居をするが、試合がないのが惜しかった。亜久津@岸本卓也は、凄みがあって明確な芝居。
聖ルドルフは、キャラクターで観月や裕太に目がいくが、キャスト的にD2を追いかけてしまう。
ダブルス戦は二つコートの同時進行設定で、ステージ上でクロス展開、疾走感があって面白かった。ダブルス2の淳が金田だったら、まさに夢のD2四人対戦になってたハズw。金田の赤澤に対する思いがよく出ていたし、菊丸を庇う大石も逞しかった。『陰陽師』アフタートークで、上島氏がtutiに言ってた大石の歌はコレね。裕太を手なずける周助の料理名は毎回変わるんだろうか?
山吹メンバーは選手5人で数的にも寂しい。地味’sの歌もジミだったなw。千石はもっと実力発揮してくれないとつまらない。亜久津の試合も思ったよりは呆気なかった。試合がない室町の存在が目立たない。山吹戦は全体的に印象が薄かった。
次の氷帝戦へと繋げる都大会勝負で、勢いと楽しさの中に、もの足りなさが残る薄味の舞台だった。
凱旋公演でもう1回観劇予定。もう少し進化しているかな。
会場の1Fとアリーナのロビーで、1stシーズンの衣装やパンフやチラシ、パネル写真を展示中。懐かしくてキュンとなったv。パンフは全部持ってるが、チラシなど手に入らなかった公演もあり、見るだけで貴重。
てか、六角と対戦のリョーマ@通くん、いまさっき舞台挨拶で観てきたばかり!(^o^) 金髪だったり茶髪だったりしたが、この黒髪の通くんが一番しっくりくる。
先月31日に観るハズだったのが、初日が延びて結局4月半ばの観劇。31日のは2階席だったし、払い戻しでよかったか。
今回はアリーナ前方席。表情や小芝居までくっきり観易い!
前半は、青学と聖ルドルフ学院との準々決勝。聖ルドルフの司令塔・観月の徹底した分析が青学を追いつめる。後半は、青学と山吹中との決勝戦。山吹の異端児・亜久津に青学の一年は翻弄される。
戦いの内容は殆ど忘れかけているが、他校のキャラクターは印象的。
聖ルドルフは粒ぞろいで濃ゆくて面白い。「んふっ」の観月に不二弟の裕太、野性味溢れる赤澤部長、「アヒル」の柳沢に木更津弟の淳。金田はすっかり忘れていたw。
山吹は個性的だがどこか地味。不良な野獣の亜久津、マネージャーの壇、ラッキー千石と地味’sの二人。グラサンの室町はすっかり忘れかけていたw。
青学メンバーは、不動峰戦の時と比べると、パワーアップしていて確実に成長している。
中でも菊丸@小関裕太は、前回がいまひとつだっただけに成長ぶりが顕著。歌でも声がよく出るようになってて、アクロバットや体の動きが軽快で、表情や芝居にも菊丸らしい笑顔や自信が表れていた。
今回のキーマン、大石@平牧仁とのコンビも頼もしい。不二周助@三津谷亮は揺るぎない柔軟さと安定感。桃城@上鶴徹、海堂役@池岡亮介は独自のテイストで熱血ぶりを示す。
他校はチームワークはいいが、個人の芝居や歌はまだまだ納得のいくものではない。
観月@小林豊は、滑舌やセリフに不安があるが、「んふっ」を通り越した不気味な笑いや独特のアプローチもあり、これから伸びていきそうだ。
不二裕太@小西成弥は、芝居はまだ硬いが、爽やかな可愛さがあって好ましい。赤澤@猪塚健太は眼力があって男っぽい。金田@大久保祥太郎は、経験豊かなので芝居が上手く、さりげに存在感を放つ。柳沢@陣内将も、手馴れた芝居でムードメーカーぶりを発揮。木更津@廣瀬大介は、六角戦にも兄として出るのかな。
千石@聖也は、軽い唄い方が難だが、身軽なアクロバットをエンディングで披露。太一@柾木玲弥は、前説も可愛く担当。室町@小野賢章は、いい芝居をするが、試合がないのが惜しかった。亜久津@岸本卓也は、凄みがあって明確な芝居。
聖ルドルフは、キャラクターで観月や裕太に目がいくが、キャスト的にD2を追いかけてしまう。
ダブルス戦は二つコートの同時進行設定で、ステージ上でクロス展開、疾走感があって面白かった。ダブルス2の淳が金田だったら、まさに夢のD2四人対戦になってたハズw。金田の赤澤に対する思いがよく出ていたし、菊丸を庇う大石も逞しかった。『陰陽師』アフタートークで、上島氏がtutiに言ってた大石の歌はコレね。裕太を手なずける周助の料理名は毎回変わるんだろうか?
山吹メンバーは選手5人で数的にも寂しい。地味’sの歌もジミだったなw。千石はもっと実力発揮してくれないとつまらない。亜久津の試合も思ったよりは呆気なかった。試合がない室町の存在が目立たない。山吹戦は全体的に印象が薄かった。
次の氷帝戦へと繋げる都大会勝負で、勢いと楽しさの中に、もの足りなさが残る薄味の舞台だった。
凱旋公演でもう1回観劇予定。もう少し進化しているかな。
会場の1Fとアリーナのロビーで、1stシーズンの衣装やパンフやチラシ、パネル写真を展示中。懐かしくてキュンとなったv。パンフは全部持ってるが、チラシなど手に入らなかった公演もあり、見るだけで貴重。
てか、六角と対戦のリョーマ@通くん、いまさっき舞台挨拶で観てきたばかり!(^o^) 金髪だったり茶髪だったりしたが、この黒髪の通くんが一番しっくりくる。
舞台 プリンスセブン
2011年4月14日 舞台演劇 コメント (1)舞台『プリンスセブン -フツーの王子をぶっとばせ!!-』を観てきた。
バレンタイン・チケットで、メッセージ綴りのポストカード(もちろん根本さんの)。
最前の端席で観易いのかどうなのか。
前説アナウンスは進藤学(ゴーカイジャー関連から花壇が)。ステージに数個の白いボックスが置かれていたが、これらはソファとして見るようにとお達しw。
学園の7人の王子様「プリンスセブン」が恋していた1人のお姫様。彼女が全然知らない男と結婚すると知り慌てふためくが、結婚式の会場で姫を奪取しようと密かに企むことに。
どうしてもゴロがよい「プリンセスセブン」って読んじゃうw。
脚本・演出はコメディユニット磯川家の人。いかにも男性が考えた、チープでグダグダなコメディでゲンナリ。
才能も魅力もある素敵なイケメンたちが、一人の姫に夢中になり、自分こそはただ一人の王子と自己主張、喧々囂々と我を張りいきりたつ様子は、子ども染みて阿呆らしくて見ていてとっても辛かった。
イケメンたちがヘン顔をして、プライドも何もかもかなぐり捨てての熱演は、ある意味新鮮味はあるが、そういうことで笑いを取るのは実に難しい。キャストの演技やアドリブに頼った“笑い”であり、あたたかいファンが“笑い”をもたらしただけであって、決して作品や演出による“笑い”ではなかった。
前半は殆ど笑えなかったが、中盤でイケメンたちが学生時代の思い出を再現する場面でテンションが変わる。鬘とスカートだけでみんなが次々と姫に成り代わる、“女装”イケメンとのイチャイチャ話が、かなり面白かった(^o^)。
しかも女になりきるのでなく、あくまで簡易“女装”を強調したイタキモイ芝居の連続。みんな、キモ過ぎっ!(^o^) 根本さんもガックンも全然似合ってなかったw。見た目は可愛く見えた心平も話し方がキモかったしw。大輔くんはあの体格で島岡さんの分まで2回も女装と大奮闘。大島くんは女装する時間さえ限られてて大変。
見どころは実は、女装した男と男同士で、膝枕したり抱き合ったりキスするBLカラー。フツーに淡々とやるので笑いも増幅しちゃう。役者もやってて一番楽しそうだった。
肝心の“姫”本人は出てこない。当初から分っていたが、彼らの口から語られる女の姿を想像させる手法は、『キサラギ』や『烏賊ホテル』でもやっていた。ただ、思い出話を7人で再現させるやり方は目新しいし、7人いればこそやれるのだろう。
『白雪姫と七人の小人』から名前が付けられてたのか。
ドックの渡辺大輔は、ちょっと太られた感があるが、今までのイメージを捨てた体当たりの熱血演技で、低音の声がホントにセクシー。『image4』の万平さんの後は弟くんで、高木心平のバッシュはやんちゃで悪ガキな面がよく出ていたが、ヒーローとしてはやっぱブルーだと思う。進藤学のスリーはダンディな声と「まかせとけ!」がステキだが、長身を生かしきれず動きが足りない。
根本正勝のグランは、クールで知的な表情から激しく衝動的な思いが吐き出されたり、笑ったりヘコんだりと、今回ばかりは本人とのギャップに戸惑ってしまった。長身の役者に混じって、思った以上に体力も使う熱演。喉の調子がよくないのか、声が掠れ気味で辛そうにも見えた。新境地の中にも芝居を締める役割は頼もしい。
初めて観る人が3人。一番冷静で常識的なハッピーの武末竜治が、存在感があって良かった。スニジの大島崚は可愛らしく初々しい。島岡亮丞(コメディユニット磯川家)のドーピだけが異色で、ハゲデブを隠しながら一歩引いた存在だった。
『キサラギ』風にいうと、島岡さんが“安男”のような美味しい役どころ。
「卒業」というとホフマンだが、今は尾崎世代が中心なのか。映画『卒業』のヒロインのキャサリン・ロスをみんな忘れていないか。清純な中にしたたかな一面があった彼女。みんなの憧れの“姫”も結局は、7人の男たちの気を惹くブリっこのキス魔だったといいかげん気づくべきw。
ホフマンと違って、彼女の幸せや気持ちも考えずに欲望のままに連れ出したら、犯罪になると気づくべき。爆弾にしろドッキリにしろ、犯罪スレスレのことを平気でやろうとする王子たちがコワイ。
姫と結婚した男が「フツーの王子」だという観念からして間違い。結婚式からは「フツーの王」と「フツーになった妃」になるのだ。
7人とももうイイ歳なんだし、ちゃんとした仕事も持って社会生活を送ってるんだから、そろそろ“王子”じゃなく“王様”になってよ、と思った話だった。
 ̄
アフタートークショー。7人が白い箱を椅子代わりに運んで着席。司会進行役の大輔くんが立って流暢に盛り上げる。
大輔くんに「万平」と呼ばれたりするらしい心平くんw。
根本さん的には、何故か出てきた「うぐいすか…」が、もしかして本採用? 先日ジャケットのボタンが取れた島岡さんは自分で付けたという。今日は大輔くんのボタンが取れたが、ステージに落ちていたのを素早く拾っていた根本さんナイス。女装心平くんとのやり取りで、心平くんのエア写真にマジに突っ込んだというゲンゴロウさんw。
自分の役とカブってるところは?の質問に、時間ギリギリの中「さわやか」と答えた根本さんなのだった。
バレンタイン・チケットで、メッセージ綴りのポストカード(もちろん根本さんの)。
最前の端席で観易いのかどうなのか。
前説アナウンスは進藤学(ゴーカイジャー関連から花壇が)。ステージに数個の白いボックスが置かれていたが、これらはソファとして見るようにとお達しw。
学園の7人の王子様「プリンスセブン」が恋していた1人のお姫様。彼女が全然知らない男と結婚すると知り慌てふためくが、結婚式の会場で姫を奪取しようと密かに企むことに。
どうしてもゴロがよい「プリンセスセブン」って読んじゃうw。
脚本・演出はコメディユニット磯川家の人。いかにも男性が考えた、チープでグダグダなコメディでゲンナリ。
才能も魅力もある素敵なイケメンたちが、一人の姫に夢中になり、自分こそはただ一人の王子と自己主張、喧々囂々と我を張りいきりたつ様子は、子ども染みて阿呆らしくて見ていてとっても辛かった。
イケメンたちがヘン顔をして、プライドも何もかもかなぐり捨てての熱演は、ある意味新鮮味はあるが、そういうことで笑いを取るのは実に難しい。キャストの演技やアドリブに頼った“笑い”であり、あたたかいファンが“笑い”をもたらしただけであって、決して作品や演出による“笑い”ではなかった。
前半は殆ど笑えなかったが、中盤でイケメンたちが学生時代の思い出を再現する場面でテンションが変わる。鬘とスカートだけでみんなが次々と姫に成り代わる、“女装”イケメンとのイチャイチャ話が、かなり面白かった(^o^)。
しかも女になりきるのでなく、あくまで簡易“女装”を強調したイタキモイ芝居の連続。みんな、キモ過ぎっ!(^o^) 根本さんもガックンも全然似合ってなかったw。見た目は可愛く見えた心平も話し方がキモかったしw。大輔くんはあの体格で島岡さんの分まで2回も女装と大奮闘。大島くんは女装する時間さえ限られてて大変。
見どころは実は、女装した男と男同士で、膝枕したり抱き合ったりキスするBLカラー。フツーに淡々とやるので笑いも増幅しちゃう。役者もやってて一番楽しそうだった。
肝心の“姫”本人は出てこない。当初から分っていたが、彼らの口から語られる女の姿を想像させる手法は、『キサラギ』や『烏賊ホテル』でもやっていた。ただ、思い出話を7人で再現させるやり方は目新しいし、7人いればこそやれるのだろう。
『白雪姫と七人の小人』から名前が付けられてたのか。
ドックの渡辺大輔は、ちょっと太られた感があるが、今までのイメージを捨てた体当たりの熱血演技で、低音の声がホントにセクシー。『image4』の万平さんの後は弟くんで、高木心平のバッシュはやんちゃで悪ガキな面がよく出ていたが、ヒーローとしてはやっぱブルーだと思う。進藤学のスリーはダンディな声と「まかせとけ!」がステキだが、長身を生かしきれず動きが足りない。
根本正勝のグランは、クールで知的な表情から激しく衝動的な思いが吐き出されたり、笑ったりヘコんだりと、今回ばかりは本人とのギャップに戸惑ってしまった。長身の役者に混じって、思った以上に体力も使う熱演。喉の調子がよくないのか、声が掠れ気味で辛そうにも見えた。新境地の中にも芝居を締める役割は頼もしい。
初めて観る人が3人。一番冷静で常識的なハッピーの武末竜治が、存在感があって良かった。スニジの大島崚は可愛らしく初々しい。島岡亮丞(コメディユニット磯川家)のドーピだけが異色で、ハゲデブを隠しながら一歩引いた存在だった。
『キサラギ』風にいうと、島岡さんが“安男”のような美味しい役どころ。
「卒業」というとホフマンだが、今は尾崎世代が中心なのか。映画『卒業』のヒロインのキャサリン・ロスをみんな忘れていないか。清純な中にしたたかな一面があった彼女。みんなの憧れの“姫”も結局は、7人の男たちの気を惹くブリっこのキス魔だったといいかげん気づくべきw。
ホフマンと違って、彼女の幸せや気持ちも考えずに欲望のままに連れ出したら、犯罪になると気づくべき。爆弾にしろドッキリにしろ、犯罪スレスレのことを平気でやろうとする王子たちがコワイ。
姫と結婚した男が「フツーの王子」だという観念からして間違い。結婚式からは「フツーの王」と「フツーになった妃」になるのだ。
7人とももうイイ歳なんだし、ちゃんとした仕事も持って社会生活を送ってるんだから、そろそろ“王子”じゃなく“王様”になってよ、と思った話だった。
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アフタートークショー。7人が白い箱を椅子代わりに運んで着席。司会進行役の大輔くんが立って流暢に盛り上げる。
大輔くんに「万平」と呼ばれたりするらしい心平くんw。
根本さん的には、何故か出てきた「うぐいすか…」が、もしかして本採用? 先日ジャケットのボタンが取れた島岡さんは自分で付けたという。今日は大輔くんのボタンが取れたが、ステージに落ちていたのを素早く拾っていた根本さんナイス。女装心平くんとのやり取りで、心平くんのエア写真にマジに突っ込んだというゲンゴロウさんw。
自分の役とカブってるところは?の質問に、時間ギリギリの中「さわやか」と答えた根本さんなのだった。
陰陽師 Light and Shadow 弐回目
2011年4月13日 舞台演劇ロックミュージカル『陰陽師~Light and Shadow~』の弐回目を観てきた。
先週、劇場入口に何も飾られてなかったが、今日はポスターだけ貼られていた。
先週パンフとプロマイドを買ったが、引いたクジが舞台『華鬼』の初演のパンフ。確か1500円はするハズ。再演時もパンフは買わなかったので、イイ記念になった。
前回観た時とはうってかわって、2階は空席、1階後方と端はガラガラ^^;。隣もいなくてモチベーションが下がりそう。
DVD撮影日だが、これまでのアフタートーク分は収録されてないということか。
2回目の観劇だと、ストーリーや場面に似たようなものが多く、いかに長くて纏まりがない話だろうと気づかされる。もう少し場面を集約させコンパクトにし、テンポよく進行したほうが作品の厚味も増すことだろう。
役者みんなを満遍なく歌わせるのもいいが、展開をストップさせ、人物描写をかえって分り難くさせる場合もある。2番を1番だけに3曲を2曲に留めるとか、もう少し演出的な工夫も必要だと思う。
陰陽師3兄弟や源氏サイドや化け猫鴉の場面はまだよかったが、シヴァが絡んだり平家サイドの話になると、途端に退屈になって眠気が出てきた^^;。
何より主人公・安倍泰親のあやふやな信念と生き方に疑問がある。先の『華鬼』の華鬼のように、途中から泰親の心情がわかり辛くなってくるのだ。だって、弟を殺した張本人の知盛とあんなに親しく仲良くするなんて! 泰親が企みをもって仇の知盛に近付いたのならいざしらず、ただの日和見主義にすぎなくて、本気になって知盛を心配するサマに呆然とさせられた。自分が仕出かしたことが歴史を覆す結果になると知るや、「しまった」と自己犠牲の道を選ぼうとする。人間臭いといえばそれまでだが、あまりに自分本位で浅はかで情けない陰陽師ではあるまいか。
毎日120%の泉見洋平は、今日の歌も冴え渡り圧巻。泉見さんのおかげで、泰親のアクが薄めになっている。前髪パラリに色気があった。
良知真次は、幼さと凄みのメリハリが素晴らしく、低音のシャウトにゾクゾクした興奮を覚えた。綺麗なサラサラの髪を、顔を覆い尽くしたり縛ったりと、細やかな役作りも素晴らしい。
加藤和樹の髪は三段階なのか、全体が逆立ってる髪型にはちょっと苦笑。滑舌に不安があるが、噛みそうで噛まないしw、純粋に役にハマっていると思う。
土屋裕一(*pnish*)は弁慶の被り物からちょっと黒髪が見えそうだった。拝む陰陽師二人の場に居合わせ、一緒に拝んでしまうところに人間らしさが滲む。tutiが履いてるのは運動靴なのか。
泉見さんのテカテカ白の衣装は平安風でいいが、和樹のキラキラ黒の衣装にももう少し和風テイストを追加して欲しかった。それよりも良知さんの悪霊衣装を最後まで着せるのもヒドイ。せめてラストやカテコでは灰色の陰陽師衣装を用意して欲しかった。
紫吹淳は3つ以上の衣装を着用。白拍子のが柔らかく、『源氏物語』で着てたような衣装もありw、真っ赤な衣装と銀の鬘は印象的だった。
人の生き死にを自由にコントロールする陰陽師によって、歴史が変えられる結果になったという驚愕の裏設定を描いた物語。
たとえ人の道を見失っても、己の信念のままに突き進めば、明日へ希望が繋がる…というテーマ曲。
人が死んでも次々と生き返る設定に、現実に失われた儚き尊き命を思って、虚しさと怒りを感じた。生まれ変わりを朗々と歌い上げるみんなの姿は凛々しくもあったが、所詮フィクションでしかない“残酷さ”を際立たせたと思う。
ストーリーや設定は置いといて、役者皆さんの熱演と魅力に惜しみない拍手を送った。
前方席は歌の時の手拍子といいノリがよく、今回のカテコでは真っ先にスタオベが出た。私も釣られてスタオベ。これを観劇するのも最後だしね。
先週、劇場入口に何も飾られてなかったが、今日はポスターだけ貼られていた。
先週パンフとプロマイドを買ったが、引いたクジが舞台『華鬼』の初演のパンフ。確か1500円はするハズ。再演時もパンフは買わなかったので、イイ記念になった。
前回観た時とはうってかわって、2階は空席、1階後方と端はガラガラ^^;。隣もいなくてモチベーションが下がりそう。
DVD撮影日だが、これまでのアフタートーク分は収録されてないということか。
2回目の観劇だと、ストーリーや場面に似たようなものが多く、いかに長くて纏まりがない話だろうと気づかされる。もう少し場面を集約させコンパクトにし、テンポよく進行したほうが作品の厚味も増すことだろう。
役者みんなを満遍なく歌わせるのもいいが、展開をストップさせ、人物描写をかえって分り難くさせる場合もある。2番を1番だけに3曲を2曲に留めるとか、もう少し演出的な工夫も必要だと思う。
陰陽師3兄弟や源氏サイドや化け猫鴉の場面はまだよかったが、シヴァが絡んだり平家サイドの話になると、途端に退屈になって眠気が出てきた^^;。
何より主人公・安倍泰親のあやふやな信念と生き方に疑問がある。先の『華鬼』の華鬼のように、途中から泰親の心情がわかり辛くなってくるのだ。だって、弟を殺した張本人の知盛とあんなに親しく仲良くするなんて! 泰親が企みをもって仇の知盛に近付いたのならいざしらず、ただの日和見主義にすぎなくて、本気になって知盛を心配するサマに呆然とさせられた。自分が仕出かしたことが歴史を覆す結果になると知るや、「しまった」と自己犠牲の道を選ぼうとする。人間臭いといえばそれまでだが、あまりに自分本位で浅はかで情けない陰陽師ではあるまいか。
毎日120%の泉見洋平は、今日の歌も冴え渡り圧巻。泉見さんのおかげで、泰親のアクが薄めになっている。前髪パラリに色気があった。
良知真次は、幼さと凄みのメリハリが素晴らしく、低音のシャウトにゾクゾクした興奮を覚えた。綺麗なサラサラの髪を、顔を覆い尽くしたり縛ったりと、細やかな役作りも素晴らしい。
加藤和樹の髪は三段階なのか、全体が逆立ってる髪型にはちょっと苦笑。滑舌に不安があるが、噛みそうで噛まないしw、純粋に役にハマっていると思う。
土屋裕一(*pnish*)は弁慶の被り物からちょっと黒髪が見えそうだった。拝む陰陽師二人の場に居合わせ、一緒に拝んでしまうところに人間らしさが滲む。tutiが履いてるのは運動靴なのか。
泉見さんのテカテカ白の衣装は平安風でいいが、和樹のキラキラ黒の衣装にももう少し和風テイストを追加して欲しかった。それよりも良知さんの悪霊衣装を最後まで着せるのもヒドイ。せめてラストやカテコでは灰色の陰陽師衣装を用意して欲しかった。
紫吹淳は3つ以上の衣装を着用。白拍子のが柔らかく、『源氏物語』で着てたような衣装もありw、真っ赤な衣装と銀の鬘は印象的だった。
人の生き死にを自由にコントロールする陰陽師によって、歴史が変えられる結果になったという驚愕の裏設定を描いた物語。
たとえ人の道を見失っても、己の信念のままに突き進めば、明日へ希望が繋がる…というテーマ曲。
人が死んでも次々と生き返る設定に、現実に失われた儚き尊き命を思って、虚しさと怒りを感じた。生まれ変わりを朗々と歌い上げるみんなの姿は凛々しくもあったが、所詮フィクションでしかない“残酷さ”を際立たせたと思う。
ストーリーや設定は置いといて、役者皆さんの熱演と魅力に惜しみない拍手を送った。
前方席は歌の時の手拍子といいノリがよく、今回のカテコでは真っ先にスタオベが出た。私も釣られてスタオベ。これを観劇するのも最後だしね。
ケイダッシュステージ コントンクラブ image4
2011年4月12日 舞台演劇ケイダッシュステージ『コントンクラブ image4』を観てきた。
昨年6月にあった『コントンクラブ』の第4弾。
ショートストーリーやショートコント、芝居あり歌ありダンスありで繰り広げられる、“笑い”が基本の“オムニバスギャグエンターテインメント”。
今回も芸達者な男女15人の役者が170役以上をこなし、濃縮でジェット・コースターな2時間を贈る。
特筆すべきは、演出がリチャード・レインという外人(有名な人なのかな?)。役者との間に言葉の壁があったようだがw、演出家までネタにし、アレを持ってちゃんと登場までしてくれるサービスぶり。
ショートストーリー脚本には、DC公演でもお馴染みの堤泰之(プラチナ・ペーパーズ)やTARAKOなど、錚々たるライターが7人参加。堤さんはまたも『abc』ネタで、ホントに“天空旅団”がお好きだこと(笑)。柏進演じる役者の熱血ぶりは、若かりし頃の堤さんとも繋がっているにちがいないw。TARAKOさんは“48歳”ネタも懐かしくジンとさせる話だが、小野健太郎(Studio Life)まで48にされて、ちょっと同情しちゃったw。
他は、柏さんの熱血教師が暴走する修学旅行ネタが面白く、大河元気のヤクザの話が切なくヒヤリとさせた。
ショートコントは、役者みんながネタを持ち寄って完成させたそうだ。終演後にあった柏さんの話によると、汐崎アイルが一番ネタが多かったが採用はタクシーの1個のみw、オノケンのイヴ話は体験談で、元気くんのイジめられっ子は本人希望だがネタは高木万平だったとか。
サッカー部の元気くんとか、幼馴染みが女優になった話とか、設定が繋がるコントもよかった。
元気くんは結局、アイルと小澤雄太(劇団EXILE華組)からコクられた?ってこと(笑)。
学ランといいDAIZOがとにかく可愛くて、歌だけでなく芝居もしっかりしている。DAIZOや元気の、ワケ分らん難解でクドイ長セリフも可笑しい。オノケン&アイル&DAIZOの3人ナオキがサイコー。
万平さんは柔らかいムードメーカーで、8月のabcにも出る知幸がダンディな味。
小澤さんと福山聖二は、女性たち5人と踊るダンスがめっちゃ格好良かった。
元気くんは先日の『裏』の京晋一郎として、また森久保祥ちゃんソックリの出で立ちで「エナメルラバーズ」を歌ったりw。
ドアが7つのシンプルなステージで、ビックリ箱のような雰囲気の中、目まぐるしく展開するお話の数々。
「コントンク~ラブ~♪」のジングルと暗転の中で、作品を反芻する余裕も生まれ気楽になれる。
役者やスタッフによる“楽しませる”という熱意や気迫がガンガン感じられて、次をまた観たくなるステージだった。
ラストはみんなでパワフルにテーマソング。こういう時、踊れる男たちはカッコイー。客席から手拍子が起きる中、賑やかに終了した。
夏はいよいよ、堤泰之氏による『abc★赤坂ボーイズキャバレー~2回表~』。錚々たるキャスト陣なので楽しみにしたい。
TARAKO氏の51歳の『Poco a Poco』も観たいな。
昨年6月にあった『コントンクラブ』の第4弾。
ショートストーリーやショートコント、芝居あり歌ありダンスありで繰り広げられる、“笑い”が基本の“オムニバスギャグエンターテインメント”。
今回も芸達者な男女15人の役者が170役以上をこなし、濃縮でジェット・コースターな2時間を贈る。
特筆すべきは、演出がリチャード・レインという外人(有名な人なのかな?)。役者との間に言葉の壁があったようだがw、演出家までネタにし、アレを持ってちゃんと登場までしてくれるサービスぶり。
ショートストーリー脚本には、DC公演でもお馴染みの堤泰之(プラチナ・ペーパーズ)やTARAKOなど、錚々たるライターが7人参加。堤さんはまたも『abc』ネタで、ホントに“天空旅団”がお好きだこと(笑)。柏進演じる役者の熱血ぶりは、若かりし頃の堤さんとも繋がっているにちがいないw。TARAKOさんは“48歳”ネタも懐かしくジンとさせる話だが、小野健太郎(Studio Life)まで48にされて、ちょっと同情しちゃったw。
他は、柏さんの熱血教師が暴走する修学旅行ネタが面白く、大河元気のヤクザの話が切なくヒヤリとさせた。
ショートコントは、役者みんながネタを持ち寄って完成させたそうだ。終演後にあった柏さんの話によると、汐崎アイルが一番ネタが多かったが採用はタクシーの1個のみw、オノケンのイヴ話は体験談で、元気くんのイジめられっ子は本人希望だがネタは高木万平だったとか。
サッカー部の元気くんとか、幼馴染みが女優になった話とか、設定が繋がるコントもよかった。
元気くんは結局、アイルと小澤雄太(劇団EXILE華組)からコクられた?ってこと(笑)。
学ランといいDAIZOがとにかく可愛くて、歌だけでなく芝居もしっかりしている。DAIZOや元気の、ワケ分らん難解でクドイ長セリフも可笑しい。オノケン&アイル&DAIZOの3人ナオキがサイコー。
万平さんは柔らかいムードメーカーで、8月のabcにも出る知幸がダンディな味。
小澤さんと福山聖二は、女性たち5人と踊るダンスがめっちゃ格好良かった。
元気くんは先日の『裏』の京晋一郎として、また森久保祥ちゃんソックリの出で立ちで「エナメルラバーズ」を歌ったりw。
ドアが7つのシンプルなステージで、ビックリ箱のような雰囲気の中、目まぐるしく展開するお話の数々。
「コントンク~ラブ~♪」のジングルと暗転の中で、作品を反芻する余裕も生まれ気楽になれる。
役者やスタッフによる“楽しませる”という熱意や気迫がガンガン感じられて、次をまた観たくなるステージだった。
ラストはみんなでパワフルにテーマソング。こういう時、踊れる男たちはカッコイー。客席から手拍子が起きる中、賑やかに終了した。
夏はいよいよ、堤泰之氏による『abc★赤坂ボーイズキャバレー~2回表~』。錚々たるキャスト陣なので楽しみにしたい。
TARAKO氏の51歳の『Poco a Poco』も観たいな。
ASSH-DX 降臨×Fight
2011年4月11日 舞台演劇ASSH-DX Vol.2『降臨×Fight(CALLING FIGHT)』を観てきた。
お初の吉祥寺シアター。前進座よりは歩かないが、ロビーに座るところがない。
物販はグッズやおみくじやらで混雑。ASSHの過去作品『刻め、我ガ肌ニ…』のDVD販売にあたって、ゴーカイレッドを強調しすぎw。
コーエーで取ったチケットは最前席で、めっちゃ舞台に近い。
横が広く天井が高く、段上も含めてGロッソを幅広くした風のステージ。
西暦1600年「関ヶ原の戦い」で敗れ命を落とした石田三成とその妻。時は現代、派遣を切られた若者がオンラインゲーム「降臨FIGHT」をプレイ中に謎のメールによってCALLすると、三成ら戦国武将が実体化して降臨してしまう。他のプレイヤーたちの陰謀が渦巻き、戦国武将らが闘うことで歴史が変わってしまう。
作・演出は主宰のまつだ壱岱。
*pnish*の『リバーヒストリカ』の憑依ものとは違い、『戦国BASARA』の戦いが現代に蘇ったらというストーリー。生体エネルギーで持ち主が実体化とか、戦国武将が死ぬごとに歴史が変わるとか仰天な設定でスケールが大きくなる。ヘンな政治家やマッドなプレイヤーの野望まで絡み合い、入り組んだ複雑怪奇な模様になかなか付いていけず。
戦国時代初心者用にか武将を紹介したり、信長は出るのに秀吉はムシとか、忍が多勢出張るとか、突っ込みどころも多過ぎる。
休憩含めて3時間弱だが、やたら間延びする展開と同じようなシーンには少々疲れた。
若手役者の魅力や挑戦、武将の生き様を楽しみ、アクションや立ち回りの迫力を味わう舞台なのだろう。
終わってみれば、それなりのメッセージも伝わって上手く纏まってはいた。三成の掲げた「大一大万大吉」のスローガンは、出演者やスタッフや観客を伴って達成したし、これからの日本が必要とする言葉かもしれない。
西村ミツアキ@石田三成は、柔らかな印象はいいが、動きや言葉に力が篭っていない。
KENN@直江兼続は、コスプレっぽい衣装で動きまで緩慢に見えるが、芝居の上手さで場を引き立てた。
滝口幸広@真田幸村は、ストレートな熱演で立ち回りも上手く、若手の中では光る存在感。
友常勇気@前田慶次は、翼宿(@ふしぎ遊戯)みたいな出で立ちが似合い、明るく溌剌としたムードメーカーで良かった。
笠原紳司@大谷吉継が、腰の入った立ち回りも格好良く、男の義や信念が感じられた。笠原さんの大谷を拝めたのが観劇して良かったことかな。
大谷雅恵@甲斐姫や佃井皆美@初芽が、殺陣やアクションで熱演し、当初の印象と随分変わった。
酒井瞳は、おりんとさくらで二役。腐女子丸出しの創木希美の怪演が愉快。異色の中村まいが柔軟に転がす。
徳川家康、黒田官兵衛、服部半蔵、伊達政宗、織田信長といった有名武将たちが、かなりアクが強く憎々しげに変貌しているので、ファンなら要注意かもw。
アンサンブルは何役かをこなし、アクション量も半端なく凄くて、見応えはあった。
30人以上の出演者がステージ上で激突し、あらためてキャストの力が大きい舞台だったと思う。
立ち回り中にブンブン振り回される刃物が、こちらまで来そうでヒヤヒヤと臨場感があった。
床下からすっと人物が現れるのでドキっとさせるが、出た後でご丁寧に蓋を閉めるサマに苦笑。
「コーリン・ファイト!」の声や、劇中ナレーションが面白い。
終演後、中村まいさんの進行で、友常さんとタッキーが挨拶。震災から丁度1ヶ月を迎え、こうして舞台をできることに二人とも感謝。「空席を見ると、被災して来れなかった人なんじゃないか」と色々思うことがあるというタッキーの言葉に胸を打たれた。
 ̄
アフタートークがあるとは知らなかった。
出演者は、司会の酒井瞳、滝口幸広、大谷雅恵、友常勇気、KENN。大谷さんからは、年齢や血液型や星座まで言って自己紹介。大谷さんとKENNって同い年なんだ。
本日初めて見た酒井さん。宮崎出身とかで、本人はフツーに喋ってるつもりだが、めっちゃ訛っていて、共演者も会場も大ウケ。見た目カワイイし、劇中では訛ってなかったのでいいが、訛りを消すのがホントに大変そうだった。
しかもこういう舞台なのに殺陣についてご存知ない。「納刀」と「抜刀」ぐらい知らないとね。
KENNは稽古中もクルクルと刀さばき、両手でも出来るようになって、大谷さんたちにも教えていたとか。でも兼続的に本番では披露する場面もなく、ちょっと惜しいかも。KENNは女性用の所作もやったことがあると、大谷さんには参考になったそうだ。
皆さん、殺陣の稽古は今年に入ってかららしく、タッキーの見どころはズバリ殺陣で、やっててホントに楽しいらしい。気心がしれてるのか、酒井さんは隣のタッキーにやたらかまいまくる。
好きな戦国武将は?の質問に、KENNが「吉継」と挙げたとこまで覚えているが、大谷さんが喋る前に、地震が!
ザワザワする客席を前に、「慌てないでください」「この劇場は大丈夫ですから」と冷静なKENNやタッキーたち。いざとなれば、つおい戦国武将がいるから!?^^;
でも結構長く揺れが続いて、天井から下げられた垂れ幕などがいっぱい揺れていた。震度3から4かなと思った。
地震がようやくおさまり、とりあえずトーク時間が終了。大谷さんが喋れぬままで残念。
電車は一時ストップしたのかな? バスを使って帰宅したが、帰り着くまで落ち着かなかった。
お初の吉祥寺シアター。前進座よりは歩かないが、ロビーに座るところがない。
物販はグッズやおみくじやらで混雑。ASSHの過去作品『刻め、我ガ肌ニ…』のDVD販売にあたって、ゴーカイレッドを強調しすぎw。
コーエーで取ったチケットは最前席で、めっちゃ舞台に近い。
横が広く天井が高く、段上も含めてGロッソを幅広くした風のステージ。
西暦1600年「関ヶ原の戦い」で敗れ命を落とした石田三成とその妻。時は現代、派遣を切られた若者がオンラインゲーム「降臨FIGHT」をプレイ中に謎のメールによってCALLすると、三成ら戦国武将が実体化して降臨してしまう。他のプレイヤーたちの陰謀が渦巻き、戦国武将らが闘うことで歴史が変わってしまう。
作・演出は主宰のまつだ壱岱。
*pnish*の『リバーヒストリカ』の憑依ものとは違い、『戦国BASARA』の戦いが現代に蘇ったらというストーリー。生体エネルギーで持ち主が実体化とか、戦国武将が死ぬごとに歴史が変わるとか仰天な設定でスケールが大きくなる。ヘンな政治家やマッドなプレイヤーの野望まで絡み合い、入り組んだ複雑怪奇な模様になかなか付いていけず。
戦国時代初心者用にか武将を紹介したり、信長は出るのに秀吉はムシとか、忍が多勢出張るとか、突っ込みどころも多過ぎる。
休憩含めて3時間弱だが、やたら間延びする展開と同じようなシーンには少々疲れた。
若手役者の魅力や挑戦、武将の生き様を楽しみ、アクションや立ち回りの迫力を味わう舞台なのだろう。
終わってみれば、それなりのメッセージも伝わって上手く纏まってはいた。三成の掲げた「大一大万大吉」のスローガンは、出演者やスタッフや観客を伴って達成したし、これからの日本が必要とする言葉かもしれない。
西村ミツアキ@石田三成は、柔らかな印象はいいが、動きや言葉に力が篭っていない。
KENN@直江兼続は、コスプレっぽい衣装で動きまで緩慢に見えるが、芝居の上手さで場を引き立てた。
滝口幸広@真田幸村は、ストレートな熱演で立ち回りも上手く、若手の中では光る存在感。
友常勇気@前田慶次は、翼宿(@ふしぎ遊戯)みたいな出で立ちが似合い、明るく溌剌としたムードメーカーで良かった。
笠原紳司@大谷吉継が、腰の入った立ち回りも格好良く、男の義や信念が感じられた。笠原さんの大谷を拝めたのが観劇して良かったことかな。
大谷雅恵@甲斐姫や佃井皆美@初芽が、殺陣やアクションで熱演し、当初の印象と随分変わった。
酒井瞳は、おりんとさくらで二役。腐女子丸出しの創木希美の怪演が愉快。異色の中村まいが柔軟に転がす。
徳川家康、黒田官兵衛、服部半蔵、伊達政宗、織田信長といった有名武将たちが、かなりアクが強く憎々しげに変貌しているので、ファンなら要注意かもw。
アンサンブルは何役かをこなし、アクション量も半端なく凄くて、見応えはあった。
30人以上の出演者がステージ上で激突し、あらためてキャストの力が大きい舞台だったと思う。
立ち回り中にブンブン振り回される刃物が、こちらまで来そうでヒヤヒヤと臨場感があった。
床下からすっと人物が現れるのでドキっとさせるが、出た後でご丁寧に蓋を閉めるサマに苦笑。
「コーリン・ファイト!」の声や、劇中ナレーションが面白い。
終演後、中村まいさんの進行で、友常さんとタッキーが挨拶。震災から丁度1ヶ月を迎え、こうして舞台をできることに二人とも感謝。「空席を見ると、被災して来れなかった人なんじゃないか」と色々思うことがあるというタッキーの言葉に胸を打たれた。
 ̄
アフタートークがあるとは知らなかった。
出演者は、司会の酒井瞳、滝口幸広、大谷雅恵、友常勇気、KENN。大谷さんからは、年齢や血液型や星座まで言って自己紹介。大谷さんとKENNって同い年なんだ。
本日初めて見た酒井さん。宮崎出身とかで、本人はフツーに喋ってるつもりだが、めっちゃ訛っていて、共演者も会場も大ウケ。見た目カワイイし、劇中では訛ってなかったのでいいが、訛りを消すのがホントに大変そうだった。
しかもこういう舞台なのに殺陣についてご存知ない。「納刀」と「抜刀」ぐらい知らないとね。
KENNは稽古中もクルクルと刀さばき、両手でも出来るようになって、大谷さんたちにも教えていたとか。でも兼続的に本番では披露する場面もなく、ちょっと惜しいかも。KENNは女性用の所作もやったことがあると、大谷さんには参考になったそうだ。
皆さん、殺陣の稽古は今年に入ってかららしく、タッキーの見どころはズバリ殺陣で、やっててホントに楽しいらしい。気心がしれてるのか、酒井さんは隣のタッキーにやたらかまいまくる。
好きな戦国武将は?の質問に、KENNが「吉継」と挙げたとこまで覚えているが、大谷さんが喋る前に、地震が!
ザワザワする客席を前に、「慌てないでください」「この劇場は大丈夫ですから」と冷静なKENNやタッキーたち。いざとなれば、つおい戦国武将がいるから!?^^;
でも結構長く揺れが続いて、天井から下げられた垂れ幕などがいっぱい揺れていた。震度3から4かなと思った。
地震がようやくおさまり、とりあえずトーク時間が終了。大谷さんが喋れぬままで残念。
電車は一時ストップしたのかな? バスを使って帰宅したが、帰り着くまで落ち着かなかった。
劇団岸野組 踊る阿呆 千秋楽
2011年4月10日 舞台演劇劇団岸野組公演『踊る阿呆』千秋楽を観てきた。
もう千秋楽! 初日からあっという間だったような。
今日が初見という方も多く、会場はいつも以上の賑わいだった。
カイロ配りにも笑いが起きたが、上演が始まり少したつとじんわりと寒くなり、カイロを持ってくれば良かったと思った。
この話のモチーフはジョン万次郎。大河ドラマ『篤姫』に出てきた万次郎が一番印象に残っているかな。一時は万次郎の護衛を、土佐の岡田以蔵がしていたというのも有名な話だ。
その万次郎に絡めて、海で漂流中にアメリカに助けられた“名も無き”男たちのその後を描くことが、話の焦点となっている。
アメリカ人は実はイイやつ。助けられた恩返しをしたい。
助けられた男たちの気持ちは分るし、当時の世相や情勢にも思いを馳せられるが、戦中戦後のアメリカを知っているだけに、心に少々ひっかかる部分がある。
大震災で日本が大変な時分に、何兆円もの思いやり予算をアメリカに捧げなければならないことを思うと、情けなさと怒りがこみ上げてくる。
俯瞰的な展開もあって、瓦版屋のナレーションが活躍。
地球儀がクルクル回るごとに、ステージ上の人物がストップモーションする様子が面白い。
中途な動きを停止させ、まばたきもせずに止める役者もいて、結構キツいだろうなと興味深く目を凝らしていた。
相変わらず女性パワーが素晴らしい岸野組のお芝居。そしてイヤらしくないシモネタw。
山路清子は「穴」ネタを笑いにかえた流暢な喋りは圧巻。長身の奥戸浩子は意外や可愛らしい役で奮闘。男役や少年役をやれる女優さんがいるのも心強い。
客演の鳥居しのぶは美しくて品があり、情感豊かな役を好演。可愛らしい伊瀬茉莉也は先日最終回を迎えた『夢喰いメリー』の咲の声が印象にあるが、周りを明るくさせ男勝りな役で熱演だった。
関俊彦演じる次郎衛門は、岸野幸正演じる主人公・芳蔵の引き立て役といった感。男同士親友同士の葛藤や闘いがあるのかと思いきや、芳蔵の二股女性の話に転換されて、消化不良な役に思えてしまった。もう一歩、突き抜けた何かが欲しかったな。
関さん的には、「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ♪」の歌あり、チャンカチャンカの阿波踊りあり、ウラウラの踊りあり、徳島の方言あり、走りや段差を飛び超えるアクションありで(?)、美味しいどころはやんわりとあった。
そういや赤鬼さんに羽交い絞めされた関さんに、モモがカブってる!と思ってしまったw。
終了後、いったん締められた幕が開くと、皆さんが正座してお辞儀。岸野さんの心の篭った挨拶で終了した。
終演後のロビーは義援募金の呼びかけもあって大混雑。それでも関さんの列に並んで、ささやかながら募金をさせていただいた。笑顔で「いつもありがとうございます」と言われドキドキ、今回は握手をして頂きながらちょっぴりお話もできた。
お芝居のテーマのひとつ、「シェイクハンド」がこんなにも和ませてくれるなんて。
皆さまの笑顔と言葉と心温まるお芝居に感謝いたします。
もう千秋楽! 初日からあっという間だったような。
今日が初見という方も多く、会場はいつも以上の賑わいだった。
カイロ配りにも笑いが起きたが、上演が始まり少したつとじんわりと寒くなり、カイロを持ってくれば良かったと思った。
この話のモチーフはジョン万次郎。大河ドラマ『篤姫』に出てきた万次郎が一番印象に残っているかな。一時は万次郎の護衛を、土佐の岡田以蔵がしていたというのも有名な話だ。
その万次郎に絡めて、海で漂流中にアメリカに助けられた“名も無き”男たちのその後を描くことが、話の焦点となっている。
アメリカ人は実はイイやつ。助けられた恩返しをしたい。
助けられた男たちの気持ちは分るし、当時の世相や情勢にも思いを馳せられるが、戦中戦後のアメリカを知っているだけに、心に少々ひっかかる部分がある。
大震災で日本が大変な時分に、何兆円もの思いやり予算をアメリカに捧げなければならないことを思うと、情けなさと怒りがこみ上げてくる。
俯瞰的な展開もあって、瓦版屋のナレーションが活躍。
地球儀がクルクル回るごとに、ステージ上の人物がストップモーションする様子が面白い。
中途な動きを停止させ、まばたきもせずに止める役者もいて、結構キツいだろうなと興味深く目を凝らしていた。
相変わらず女性パワーが素晴らしい岸野組のお芝居。そしてイヤらしくないシモネタw。
山路清子は「穴」ネタを笑いにかえた流暢な喋りは圧巻。長身の奥戸浩子は意外や可愛らしい役で奮闘。男役や少年役をやれる女優さんがいるのも心強い。
客演の鳥居しのぶは美しくて品があり、情感豊かな役を好演。可愛らしい伊瀬茉莉也は先日最終回を迎えた『夢喰いメリー』の咲の声が印象にあるが、周りを明るくさせ男勝りな役で熱演だった。
関俊彦演じる次郎衛門は、岸野幸正演じる主人公・芳蔵の引き立て役といった感。男同士親友同士の葛藤や闘いがあるのかと思いきや、芳蔵の二股女性の話に転換されて、消化不良な役に思えてしまった。もう一歩、突き抜けた何かが欲しかったな。
関さん的には、「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ♪」の歌あり、チャンカチャンカの阿波踊りあり、ウラウラの踊りあり、徳島の方言あり、走りや段差を飛び超えるアクションありで(?)、美味しいどころはやんわりとあった。
そういや赤鬼さんに羽交い絞めされた関さんに、モモがカブってる!と思ってしまったw。
終了後、いったん締められた幕が開くと、皆さんが正座してお辞儀。岸野さんの心の篭った挨拶で終了した。
終演後のロビーは義援募金の呼びかけもあって大混雑。それでも関さんの列に並んで、ささやかながら募金をさせていただいた。笑顔で「いつもありがとうございます」と言われドキドキ、今回は握手をして頂きながらちょっぴりお話もできた。
お芝居のテーマのひとつ、「シェイクハンド」がこんなにも和ませてくれるなんて。
皆さまの笑顔と言葉と心温まるお芝居に感謝いたします。
陰陽師 Light and Shadow
2011年4月8日 舞台演劇ロックミュージカル『陰陽師~Light and Shadow~』を観てきた。
舞台『華鬼』と同じDHE@Stage。
昨年の『King of the Blue』に続き、上島雪夫氏の演出・振付によるオリジナル・ミュージカルの新作。
自粛や避難確保のためなのか、劇場入口内からポスターや花壇が取り払われていたのが少々寂しい。
チャリティプロマイドを買った。今回は観易い左前方通路側の席。アフタートークがあるためか割と埋まっていた。
時は西暦1180年。源氏と平家の壮絶な戦いを、陰陽師三兄弟の愛憎を絡ませて描く。
陰陽師や式神というと舞台『遙かなる時空の中で』を思い出すが、こちらの陰陽師は三人! しかも普通の術だけでなく、人の生き死にを操る錬金術まがいの超絶術まで使おうとする。
平清盛や源義経など史実の人物も登場し、その“歴史”の歯車をも狂わせる陰陽師。彼らの過酷で哀しい“運命”を、芝居と歌とダンスで鮮やかに描き出す。
人気の若手実力派が豪華勢揃い。私のお目当てもいっぱいで、どっと出てくると目の移しどころに困るぐらいw。
皆さんステージ経験も豊富で、芝居やアプローチに安定感がある。歌もたっぷりと情感込めてのびのびと歌い上げ、心を揺さぶってくれる。
音楽監督のKYOHEI(Honey L Days)の楽曲はクールで繊細でバラエティに富む。何度か聴くと耳に馴染んできそうだ。
アンサンブルも交えたアクションや殺陣も格好良く、白拍子の舞いなど軽やかな振付も愉しめる。
陰陽師の術は、音と光と映像で巧みに表現し、スモッグを多用して妖しげで不気味な世界観も構築。
とにかくすべてが見どころ満載で、真面目で人間らしい作品を貫く、熱気あふれる舞台であった。
泉見洋平と加藤和樹と良知真次が陰陽師三兄弟。泉見さんと良知さんは感じが似ているが、一人毛色が違う和樹だけが腹違いの異母兄弟に見えるw。
泉見さん@安倍泰親は、泰明と一文字違いの名がベタw。目的のためには手段は選ばずだが、悪にもなり切れず、平家を裏切るでもなく、性格的には微妙かな。泉見さんはソロも多く、その歌唱力には圧倒された。
良知さん@皐月は、『アトム』の時みたいな良い良知さんw。少年と悪霊の二役で難しい新境地だが見事にこなす。特に呪われた時のしゃがれた声と激しい表情、凄まじい歌声に驚かされた。
二人に比べると声量はまだまだだが、和樹も難しいメロディーをこなし、芝居やアクションにも精力的。兄と弟に挟まれて深く葛藤する様子も上手く出ていた。
兄弟の歌も多く、泉見さん&和樹、和樹&良知さんとのシャウトな歌声がとても素晴らしい。
植木豪と土屋裕一と菊地美香が源氏チーム。植木さんは初めて拝んだが、ブレイクダンスなアクロバットがカッコイーし、抑えた柔軟な芝居が源義経をよく表している。
植木さんが小柄なので、tuti@弁慶が体格的に映え、明るく豪快な面が思った以上に似合っている。tutiの歌は声がよく出ているし、若手の中ではtutiは芝居の上手さが突出しているなとしみじみ味わった。
菊地さん@静は可憐な中に強さを秘めて、歌もよくこなすがスタミナが少々足りないかな。
IZAM@平知盛は、セクシーな中に品があり、歌にも独特感がある。
東山光明と細貝圭は、化け猫と化け鴉という役でちょっと驚き。最初のうちは知盛役が細貝さんかと思ったw。二人とも舞台の箸休めの役どころで、明るくコミカルに盛り上げるが、ちょっと勿体無い感もある。東山さんの歌はのびがあって素敵だ。
紫吹淳のシヴァは様々な形で人物の前に現れるが、“ブラフマン”というのが相応しい。男声と女声を自在に扱い、張りのある歌声と滑らかな踊りはさすが。妖しく凄みのある存在感だが、物語の主軸に厳密には関わってこない。
和樹が源氏側なのは予想外だったが、おかげでtutiと一緒にいる場面が多く、見る度にニヤけてしまった。tuti(*pnish*)と和樹って互いに花交換はあれど、本格的な共演ははじめてだと思う。
泉見さんと菊地さんはレ・ミゼだし、良知さんと植木さんはユニットを組んでるし、東山さんはHoney L Daysだし、紫吹さんの『源氏物語』に和樹がゲストで出たし、みんな何らかの繋がりがあり、個性的な中にも一致団結しているのが面白い。
ストーリー的にはベタだが、役者の芝居や歌が魅力的で、彼らの姿をまた観たい気分にさせる。
来週あと1回観る予定。今度はもっとじっくり表情を刻んでおきたい。
 ̄
アフタートーク第一弾。
演出の上島さんに、細貝さん、和樹、tutiが衣装のままで出揃い、まさにテニミュな様相w。
和樹が「ジャラン!」と進行役だが、結局は上島さんリードかな。
お題は、皆さんから見た上島さんは?上島さんから見た皆さんは?
tutiが「掴みどころのない感じ」和樹が「今回はずっと現場にいた」細貝さんは「ジョニデに似てる」と、当たり障りのないコメント。
上島さんは、本日初日の(3/31初日が延期になった^^;)テニミュ2ndを観てきたが、彼らはまだ学校に入った人たちで、それと比べるとこの3人は「学校を卒業した社会人」だと、上手い言葉で称えた。
不審なカラス役の細貝さんは、二人から結構イジられたり。和樹とずっと一緒に仕事をしたかったと言うtutiは、今日は出トチリしたとか(ちゃんと気づいてたゾ)、3兄弟の歌の時はセリの中でスタンバイしているとか、お茶目にフリーダムに暴露(笑)。感情を揺さぶられる役は難しいという和樹は、心の葛藤が頑張り所とマジメコメント。毎日120%も出す熱いエネルギーの泉見さんにまで話が及んだ。tutiはずっと筋トレしてたんだね。
「陰陽師を描いてみたい」という上島さんは、殺陣もやったとアピール。和気藹々の10分間だった。
トーク後は、細貝さんファンによる、細貝さんを囲んでの集合写真イベント。
カラスの衣装はちょっと映えないが、去り際もつまずくなど、最後までお茶目な細貝さんだったw。
舞台『華鬼』と同じDHE@Stage。
昨年の『King of the Blue』に続き、上島雪夫氏の演出・振付によるオリジナル・ミュージカルの新作。
自粛や避難確保のためなのか、劇場入口内からポスターや花壇が取り払われていたのが少々寂しい。
チャリティプロマイドを買った。今回は観易い左前方通路側の席。アフタートークがあるためか割と埋まっていた。
時は西暦1180年。源氏と平家の壮絶な戦いを、陰陽師三兄弟の愛憎を絡ませて描く。
陰陽師や式神というと舞台『遙かなる時空の中で』を思い出すが、こちらの陰陽師は三人! しかも普通の術だけでなく、人の生き死にを操る錬金術まがいの超絶術まで使おうとする。
平清盛や源義経など史実の人物も登場し、その“歴史”の歯車をも狂わせる陰陽師。彼らの過酷で哀しい“運命”を、芝居と歌とダンスで鮮やかに描き出す。
人気の若手実力派が豪華勢揃い。私のお目当てもいっぱいで、どっと出てくると目の移しどころに困るぐらいw。
皆さんステージ経験も豊富で、芝居やアプローチに安定感がある。歌もたっぷりと情感込めてのびのびと歌い上げ、心を揺さぶってくれる。
音楽監督のKYOHEI(Honey L Days)の楽曲はクールで繊細でバラエティに富む。何度か聴くと耳に馴染んできそうだ。
アンサンブルも交えたアクションや殺陣も格好良く、白拍子の舞いなど軽やかな振付も愉しめる。
陰陽師の術は、音と光と映像で巧みに表現し、スモッグを多用して妖しげで不気味な世界観も構築。
とにかくすべてが見どころ満載で、真面目で人間らしい作品を貫く、熱気あふれる舞台であった。
泉見洋平と加藤和樹と良知真次が陰陽師三兄弟。泉見さんと良知さんは感じが似ているが、一人毛色が違う和樹だけが腹違いの異母兄弟に見えるw。
泉見さん@安倍泰親は、泰明と一文字違いの名がベタw。目的のためには手段は選ばずだが、悪にもなり切れず、平家を裏切るでもなく、性格的には微妙かな。泉見さんはソロも多く、その歌唱力には圧倒された。
良知さん@皐月は、『アトム』の時みたいな良い良知さんw。少年と悪霊の二役で難しい新境地だが見事にこなす。特に呪われた時のしゃがれた声と激しい表情、凄まじい歌声に驚かされた。
二人に比べると声量はまだまだだが、和樹も難しいメロディーをこなし、芝居やアクションにも精力的。兄と弟に挟まれて深く葛藤する様子も上手く出ていた。
兄弟の歌も多く、泉見さん&和樹、和樹&良知さんとのシャウトな歌声がとても素晴らしい。
植木豪と土屋裕一と菊地美香が源氏チーム。植木さんは初めて拝んだが、ブレイクダンスなアクロバットがカッコイーし、抑えた柔軟な芝居が源義経をよく表している。
植木さんが小柄なので、tuti@弁慶が体格的に映え、明るく豪快な面が思った以上に似合っている。tutiの歌は声がよく出ているし、若手の中ではtutiは芝居の上手さが突出しているなとしみじみ味わった。
菊地さん@静は可憐な中に強さを秘めて、歌もよくこなすがスタミナが少々足りないかな。
IZAM@平知盛は、セクシーな中に品があり、歌にも独特感がある。
東山光明と細貝圭は、化け猫と化け鴉という役でちょっと驚き。最初のうちは知盛役が細貝さんかと思ったw。二人とも舞台の箸休めの役どころで、明るくコミカルに盛り上げるが、ちょっと勿体無い感もある。東山さんの歌はのびがあって素敵だ。
紫吹淳のシヴァは様々な形で人物の前に現れるが、“ブラフマン”というのが相応しい。男声と女声を自在に扱い、張りのある歌声と滑らかな踊りはさすが。妖しく凄みのある存在感だが、物語の主軸に厳密には関わってこない。
和樹が源氏側なのは予想外だったが、おかげでtutiと一緒にいる場面が多く、見る度にニヤけてしまった。tuti(*pnish*)と和樹って互いに花交換はあれど、本格的な共演ははじめてだと思う。
泉見さんと菊地さんはレ・ミゼだし、良知さんと植木さんはユニットを組んでるし、東山さんはHoney L Daysだし、紫吹さんの『源氏物語』に和樹がゲストで出たし、みんな何らかの繋がりがあり、個性的な中にも一致団結しているのが面白い。
ストーリー的にはベタだが、役者の芝居や歌が魅力的で、彼らの姿をまた観たい気分にさせる。
来週あと1回観る予定。今度はもっとじっくり表情を刻んでおきたい。
 ̄
アフタートーク第一弾。
演出の上島さんに、細貝さん、和樹、tutiが衣装のままで出揃い、まさにテニミュな様相w。
和樹が「ジャラン!」と進行役だが、結局は上島さんリードかな。
お題は、皆さんから見た上島さんは?上島さんから見た皆さんは?
tutiが「掴みどころのない感じ」和樹が「今回はずっと現場にいた」細貝さんは「ジョニデに似てる」と、当たり障りのないコメント。
上島さんは、本日初日の(3/31初日が延期になった^^;)テニミュ2ndを観てきたが、彼らはまだ学校に入った人たちで、それと比べるとこの3人は「学校を卒業した社会人」だと、上手い言葉で称えた。
不審なカラス役の細貝さんは、二人から結構イジられたり。和樹とずっと一緒に仕事をしたかったと言うtutiは、今日は出トチリしたとか(ちゃんと気づいてたゾ)、3兄弟の歌の時はセリの中でスタンバイしているとか、お茶目にフリーダムに暴露(笑)。感情を揺さぶられる役は難しいという和樹は、心の葛藤が頑張り所とマジメコメント。毎日120%も出す熱いエネルギーの泉見さんにまで話が及んだ。tutiはずっと筋トレしてたんだね。
「陰陽師を描いてみたい」という上島さんは、殺陣もやったとアピール。和気藹々の10分間だった。
トーク後は、細貝さんファンによる、細貝さんを囲んでの集合写真イベント。
カラスの衣装はちょっと映えないが、去り際もつまずくなど、最後までお茶目な細貝さんだったw。
劇団AUN ヴェニスの商人
2011年4月7日 舞台演劇劇団AUN公演『ヴェニスの商人』を観てきた。
AUNさんの舞台は『アントニーとクレオパトラ』以来。
今回は小田島雄志氏の翻訳で、吉田鋼太郎氏の演出。
当初出演予定だった大塚明夫氏が体調不良のため降板したのは残念だが、新たに横田英司氏をお迎えしたという。
今月末に上演予定のD-BOYS Stageの同名舞台とも絡めて、上演を楽しみにしていた。
親友の結婚のために、敵であるユダヤ人の高利貸しから借金したヴェニスの商人が、船が難破して返済できなくなり、裁判の席で肉体での返済を迫られる話。
メインの話はアントーニオとシャイロックの対決だが、親友バッサーニオと新妻ポーシャの恋話あり、友人グラシアーノーとポーシャの召使いネリッサとの恋話あり、友人ロレンゾーとシャイロックの娘との恋話あり、使用人ラーンスロットの道化話ありと、多種多様の登場人物が絡み合って進行する。
シリアスな基調の中にも、テンポ良く柔軟に展開し、コミカルで滑稽で痛快な舞台だった。
シェイクスピア独特の例えの多い長台詞はさすがに難解で、たまに危うげな場面もあったが、全体的に明瞭な発声で分り易く耳に届いた。
肉1ポンドや箱選びの話はベタなので、男女の指輪のエピのほうが面白く感じ、役者の達者な演技もあって何度も笑いが起きた。
シャイロックの吉田鋼太郎は、ケレン味たっぷりの深みのある演技が絶品。正義と理念を貫き通した結果、破滅してしまうシャイロックに、吉田さんの熱演も相まって、今回は心から同情してしまった。
キリスト教徒至上主義には辟易。みんな寄ってたかってユダヤ教徒を嬲り者にして恐ろしく感じた。ものすごい民族差別だ。
達者な芝居で楽しませる客演の横田英司さんは、見た目が加治将樹くんソックリw。Dボの舞台でもグラシアーノは、三上くんでなく加治くんにやって欲しくなったw。
アントーニオの中井出健が、若者の気持ちをのせて切々と歌い上げる。縛ってた髪がほどけた様子が別人に見えたが、逞しい肌に注目させられた。
バッサーニオは、新妻のポーシャとのキスより、親友アントーニオとのキスのほうが濃密v。男女で抱き合うより、男同士で抱き合うほうがエロチックに見えるのは何故だろうw。
ポーシャの林蘭は、そのままでも充分宝塚の男役に見えるw。ジェシカの金子久美子がオリエンタルな風貌。
シャイロックが黒い衣装で傘を持ってバス停に立つと、何故か『トトロ』の場面が思い出されてしまったw。
“白黒つけた”衣装が、目に眩しく印象的で、十字架がイヤしく見えた。
真ん中で客席を見据えて芝居をされる鋼太郎さんの目線をチラチラ感じたが、私の隣の方が鋼太郎さんのファンだったようで、そのおこぼれを頂いてたみたいw。
秋には、蜷川氏演出で鋼太郎さんと横田さん出演の『アントニーとクレオパトラ』が控えており、楽しみにしたい。
D-BOYS Stageは松岡和子氏の翻訳だし、また違った『ヴェニスの商人』が観られるだろう。
AUNさんの舞台は『アントニーとクレオパトラ』以来。
今回は小田島雄志氏の翻訳で、吉田鋼太郎氏の演出。
当初出演予定だった大塚明夫氏が体調不良のため降板したのは残念だが、新たに横田英司氏をお迎えしたという。
今月末に上演予定のD-BOYS Stageの同名舞台とも絡めて、上演を楽しみにしていた。
親友の結婚のために、敵であるユダヤ人の高利貸しから借金したヴェニスの商人が、船が難破して返済できなくなり、裁判の席で肉体での返済を迫られる話。
メインの話はアントーニオとシャイロックの対決だが、親友バッサーニオと新妻ポーシャの恋話あり、友人グラシアーノーとポーシャの召使いネリッサとの恋話あり、友人ロレンゾーとシャイロックの娘との恋話あり、使用人ラーンスロットの道化話ありと、多種多様の登場人物が絡み合って進行する。
シリアスな基調の中にも、テンポ良く柔軟に展開し、コミカルで滑稽で痛快な舞台だった。
シェイクスピア独特の例えの多い長台詞はさすがに難解で、たまに危うげな場面もあったが、全体的に明瞭な発声で分り易く耳に届いた。
肉1ポンドや箱選びの話はベタなので、男女の指輪のエピのほうが面白く感じ、役者の達者な演技もあって何度も笑いが起きた。
シャイロックの吉田鋼太郎は、ケレン味たっぷりの深みのある演技が絶品。正義と理念を貫き通した結果、破滅してしまうシャイロックに、吉田さんの熱演も相まって、今回は心から同情してしまった。
キリスト教徒至上主義には辟易。みんな寄ってたかってユダヤ教徒を嬲り者にして恐ろしく感じた。ものすごい民族差別だ。
達者な芝居で楽しませる客演の横田英司さんは、見た目が加治将樹くんソックリw。Dボの舞台でもグラシアーノは、三上くんでなく加治くんにやって欲しくなったw。
アントーニオの中井出健が、若者の気持ちをのせて切々と歌い上げる。縛ってた髪がほどけた様子が別人に見えたが、逞しい肌に注目させられた。
バッサーニオは、新妻のポーシャとのキスより、親友アントーニオとのキスのほうが濃密v。男女で抱き合うより、男同士で抱き合うほうがエロチックに見えるのは何故だろうw。
ポーシャの林蘭は、そのままでも充分宝塚の男役に見えるw。ジェシカの金子久美子がオリエンタルな風貌。
シャイロックが黒い衣装で傘を持ってバス停に立つと、何故か『トトロ』の場面が思い出されてしまったw。
“白黒つけた”衣装が、目に眩しく印象的で、十字架がイヤしく見えた。
真ん中で客席を見据えて芝居をされる鋼太郎さんの目線をチラチラ感じたが、私の隣の方が鋼太郎さんのファンだったようで、そのおこぼれを頂いてたみたいw。
秋には、蜷川氏演出で鋼太郎さんと横田さん出演の『アントニーとクレオパトラ』が控えており、楽しみにしたい。
D-BOYS Stageは松岡和子氏の翻訳だし、また違った『ヴェニスの商人』が観られるだろう。
劇団岸野組 踊る阿呆 初日
2011年4月2日 舞台演劇劇団岸野組公演『踊る阿呆』初日を観てきた。
久しぶりに観る時代劇。このご時勢で無事に初日を迎えられたことを嬉しく思う。
節電対策として上演中は客席の暖房が切れるので、開演前に希望者にカイロを配る心遣いが有り難い。
幕末の品川の旅籠大黒屋で奉公する中年の男。二人の女に言い寄られるも、ある秘密を抱えてるため姿を消そうとするが、黒船来航を機に己の決意を試される。
前回公演に続いての幕末もの。
龍馬は出てこないが、万ちゃんめいた存在があり、タイトル通り“阿波踊り”が重要なキーポイントになっている。
今回の岸野幸生さんは、珍しく(?)働き者でモッテモテの役w。曰くありげな重い秘密を抱えるちょっぴりニヒルなオジサンなので、演じるのも楽しそう。
色気たっぷりの鳥居しのぶ、快活な伊瀬茉莉也が、明るい姉妹役で華を咲かせる。二人の父親役の目黒光祐が包容力ある芝居。
大倉正章が相変わらず色男風の柔軟さ。志賀克也の実直さも面白い。
お目当ての関俊彦は、赤い衣装でまた若々しい格好。“赤鬼”がモチーフだし、太郎じゃなく“次郎”だし、なにやら“モモタロス”がチラチラ浮かぶw。
丁度目の前の位置で走る関さんの表情を拝めたし、阿波踊りで綺麗な体の線や動きを楽しめたのは良かった。
でも出番的にも役的にも、微妙だったかな^^;。あんなイイ男なのに、恋愛要素がないのも残念w。
キーアイテムの“地球儀”をグルグル回すのが愉しそう。
戦ではなく友愛で。言葉がダメなら踊りで。
賑やかな阿波踊りの後の静かな踊りが、とぼけた感じで岸野組らしかった。
ストーリー的にもキャラクター的にも不完全燃焼だったが、今の日本が必要としている“和”を伝えるには充分なのだろう。
終了後、いったん締められた幕が開くと、皆さんが座ってお辞儀をされているではないか。心の篭った挨拶だった。
次の観劇は千秋楽。進化しなくとも安定感があればよい。
終演後ロビーで義援募金の呼びかけをされる役者の皆さん。座員だけかと思ったら、客演の関さんまで募金箱を持って立たれていた。ささやかながら募金をしたら、晴れやかな表情でお礼を言われ、思いがけず握手までして頂いた。お疲れのところをありがとうございます。
帰りのホームで地震がきて、一瞬ヒヤリとしたが、普通に電車が動いてホッとした。まだまだ寒いが、春はすぐそこまで。
 ̄
夜はNHKのFMシアター『PTA広報委員長の渡辺です』。
私も子供の学校のPTA委員長を務めた経験があるので、少なからず渡辺さんの立場に寄り添いながら聴いた。あの頃はまだ“携帯”も“仕分け”も持ってなかったからまだよかった。
関俊彦さんは、中盤から出てくるテレフォンショッピングの客。「奥さ~ん」と乾いた声音をもらす、シニカルな変態の役どころw。パンツの色よりソックスの色のほうが、最近は流行りだと思いたいw。
岸野組観劇前は、『レッツゴー仮面ライダー』でモモの声を堪能したし、今日は関さん尽くしだったかな。
久しぶりに観る時代劇。このご時勢で無事に初日を迎えられたことを嬉しく思う。
節電対策として上演中は客席の暖房が切れるので、開演前に希望者にカイロを配る心遣いが有り難い。
幕末の品川の旅籠大黒屋で奉公する中年の男。二人の女に言い寄られるも、ある秘密を抱えてるため姿を消そうとするが、黒船来航を機に己の決意を試される。
前回公演に続いての幕末もの。
龍馬は出てこないが、万ちゃんめいた存在があり、タイトル通り“阿波踊り”が重要なキーポイントになっている。
今回の岸野幸生さんは、珍しく(?)働き者でモッテモテの役w。曰くありげな重い秘密を抱えるちょっぴりニヒルなオジサンなので、演じるのも楽しそう。
色気たっぷりの鳥居しのぶ、快活な伊瀬茉莉也が、明るい姉妹役で華を咲かせる。二人の父親役の目黒光祐が包容力ある芝居。
大倉正章が相変わらず色男風の柔軟さ。志賀克也の実直さも面白い。
お目当ての関俊彦は、赤い衣装でまた若々しい格好。“赤鬼”がモチーフだし、太郎じゃなく“次郎”だし、なにやら“モモタロス”がチラチラ浮かぶw。
丁度目の前の位置で走る関さんの表情を拝めたし、阿波踊りで綺麗な体の線や動きを楽しめたのは良かった。
でも出番的にも役的にも、微妙だったかな^^;。あんなイイ男なのに、恋愛要素がないのも残念w。
キーアイテムの“地球儀”をグルグル回すのが愉しそう。
戦ではなく友愛で。言葉がダメなら踊りで。
賑やかな阿波踊りの後の静かな踊りが、とぼけた感じで岸野組らしかった。
ストーリー的にもキャラクター的にも不完全燃焼だったが、今の日本が必要としている“和”を伝えるには充分なのだろう。
終了後、いったん締められた幕が開くと、皆さんが座ってお辞儀をされているではないか。心の篭った挨拶だった。
次の観劇は千秋楽。進化しなくとも安定感があればよい。
終演後ロビーで義援募金の呼びかけをされる役者の皆さん。座員だけかと思ったら、客演の関さんまで募金箱を持って立たれていた。ささやかながら募金をしたら、晴れやかな表情でお礼を言われ、思いがけず握手までして頂いた。お疲れのところをありがとうございます。
帰りのホームで地震がきて、一瞬ヒヤリとしたが、普通に電車が動いてホッとした。まだまだ寒いが、春はすぐそこまで。
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夜はNHKのFMシアター『PTA広報委員長の渡辺です』。
私も子供の学校のPTA委員長を務めた経験があるので、少なからず渡辺さんの立場に寄り添いながら聴いた。あの頃はまだ“携帯”も“仕分け”も持ってなかったからまだよかった。
関俊彦さんは、中盤から出てくるテレフォンショッピングの客。「奥さ~ん」と乾いた声音をもらす、シニカルな変態の役どころw。パンツの色よりソックスの色のほうが、最近は流行りだと思いたいw。
岸野組観劇前は、『レッツゴー仮面ライダー』でモモの声を堪能したし、今日は関さん尽くしだったかな。
舞台 ふしぎ遊戯~朱雀編~ 参回目
2011年4月1日 舞台演劇舞台『ふしぎ遊戯~朱雀編~』の参回目を観てきた。
今回は前方席なので、細かなシーンから小さな呟きまでしっかり把握できた。
皆さん、少々滑舌がワルいのか、中ほどの席からだと、どうしても聴き取り難いセリフや単語があったりする。前方だと、そうした小声も聴けるのがイイ。
劇中では、本だの破れた紙だのアイテムが色々出てくるが、予めダレが仕込んでダレが回収していくかも、よ~くわかったw。
心宿以外の五人も其々アイテムをちゃんと持っていて、ようやくどのキャラになっているのかが分った。
でも今回は役者の皆さん、ちょっとずつ噛んだり言い直したりとセリフに疲れが見えて、ヒヤヒヤさせられた。
ハプニングといえば、ブラック鬼宿のハチマキが、切れたはいいが顔の部分に張り付いてしまい、マヌケに見えて可笑しさが込み上げた。顔を見ながら真剣に言葉返す美朱も、内心きっと笑いを堪えていたハズw。
ラストは心宿にスポットが当てられたまま終了となるのが意味深。
近いうちに、『青龍編』が上演されることを期待したい。
公演終了後は役者日替わりの募金活動。今日は予想通り、井宿と翼宿、それに美朱と唯が募金箱を手に呼びかけ。笑顔の井宿に惹かれたが、硬い表情でお礼を言う翼宿の箱に入れた。
なんだかんだで3時間10分。次公演までに、原作本をよみかえしてみよう。
今回は前方席なので、細かなシーンから小さな呟きまでしっかり把握できた。
皆さん、少々滑舌がワルいのか、中ほどの席からだと、どうしても聴き取り難いセリフや単語があったりする。前方だと、そうした小声も聴けるのがイイ。
劇中では、本だの破れた紙だのアイテムが色々出てくるが、予めダレが仕込んでダレが回収していくかも、よ~くわかったw。
心宿以外の五人も其々アイテムをちゃんと持っていて、ようやくどのキャラになっているのかが分った。
でも今回は役者の皆さん、ちょっとずつ噛んだり言い直したりとセリフに疲れが見えて、ヒヤヒヤさせられた。
ハプニングといえば、ブラック鬼宿のハチマキが、切れたはいいが顔の部分に張り付いてしまい、マヌケに見えて可笑しさが込み上げた。顔を見ながら真剣に言葉返す美朱も、内心きっと笑いを堪えていたハズw。
ラストは心宿にスポットが当てられたまま終了となるのが意味深。
近いうちに、『青龍編』が上演されることを期待したい。
公演終了後は役者日替わりの募金活動。今日は予想通り、井宿と翼宿、それに美朱と唯が募金箱を手に呼びかけ。笑顔の井宿に惹かれたが、硬い表情でお礼を言う翼宿の箱に入れた。
なんだかんだで3時間10分。次公演までに、原作本をよみかえしてみよう。
舞台 ふしぎ遊戯~朱雀編~ 弐回目
2011年3月31日 舞台演劇舞台『ふしぎ遊戯~朱雀編~』の弐回目を観てきた。
初日よりちょっぴり緊張感がほぐれた感じの舞台。
みんな随分のびのびと動いて、アクションにキレがあったと思う。
初日と演出がちょっぴりかわった場面も見受けられたが、どうなんだろう。
昨年の初演DVDを早速観たが、よくあんな狭い小さなステージでやりきったな、とつくづく思った。
初演と再演では、筋書きや展開は中盤まではほぼ同じ進行。
青龍側に鬼宿が自ら行ってないのと、行ったところの分岐点から、大きくストーリーが変わっていく。初演では美朱や鬼宿の前にいきなり翼宿や軫宿が現れるし、今となっては何て勿体無かったんだろうと思うw。
肝心の朱雀の四神天地書も、唯から美朱へさりげに渡してあったんだね。脚本や構成にさぞ苦労したのだろう。
橋本愛奈と秋山ゆりかは、初演と比べるとホントに綺麗になった。芝居もしっかりしてきた。
ただ、制服カラーが膨張色なのか、今回も胸や足が太めに見えるw。美朱なんて見方によってはコロコロしている感じw。ミニのスカート下につい目がいくがw、パンツ下をしっかり穿き過ぎw。白いハイソックスがポイントねw。
七星士たちの衣装も、初演のペラペラ感と比べると良い出来栄え。心宿のマントがかなり大きく目立つw。鬼宿の黒の衣装もカッコイー。
ヘアスタイルも凝ってる。星宿は結った髪も濡れるような長い髪もステキ。美朱は髪を下ろすと急に大人びて見える。
アクセント的に登場する奎介(松浦温生)と哲也(松田陽平)は、場つなぎとはいえ、毎回やる血液型当てのアドリブは、楽しそうだが大変そうw。
脇の役者も、様々な役をこなして活躍。立ち回りも結構大変そうだ。
原作シーンがすぐ脳裏に浮かんで、やる前から先に笑いがこみ上げてくる場面もある。翼宿(伊崎央登)と攻児(來河侑希)が踊るシーンは、何度観ても愉しい。
翼宿が鬼宿(平野良)の肩をポンと叩くのにニンマリしたり、ラストで翼宿が船酔いしてるシーンに笑ったりと、つい彼に目がいっちゃうほど翼宿が好きなんだなとあらためて自覚。
伊崎くんの翼宿は目付きがワルいがw、タルそうな関西弁がオモロイ。初演の翼宿は笑顔が可愛かったが、ゴーカイレッドになる前の翼宿ももっと観たかったw。
ブラック鬼宿が美朱に「お前を…殺す」と言う場面で、ついヒイロな緑川光さんが浮かんでしまうw。舞台では平野くんの低目の声がよく響いて爽快だ。平野くんが歌う主題歌「今日の雨は君の涙」は二度目だと耳に残りそう。
終演後の役者登場で、鬼宿と心宿が其々の巫女を迎えて、4人一緒にお辞儀をするのがニクい。ハケる時は美朱が最後にお辞儀。カテコとかなくてあっさり目だが、スタオベの気分にさせるぐらい、何度観ても満足感ある舞台だった。
昼公演終了後は役者が日替わりでロビーで募金活動。いきなりメインの美朱と唯と鬼宿と心宿が、募金箱を手に立ち呼びかけ。平野くんの箱に入れたが、汗がまだ引いてない笑顔でお礼を言ってくれた。
明日もまた観劇予定。3時間は長いが、好きな作品だから飽きない。
初日よりちょっぴり緊張感がほぐれた感じの舞台。
みんな随分のびのびと動いて、アクションにキレがあったと思う。
初日と演出がちょっぴりかわった場面も見受けられたが、どうなんだろう。
昨年の初演DVDを早速観たが、よくあんな狭い小さなステージでやりきったな、とつくづく思った。
初演と再演では、筋書きや展開は中盤まではほぼ同じ進行。
青龍側に鬼宿が自ら行ってないのと、行ったところの分岐点から、大きくストーリーが変わっていく。初演では美朱や鬼宿の前にいきなり翼宿や軫宿が現れるし、今となっては何て勿体無かったんだろうと思うw。
肝心の朱雀の四神天地書も、唯から美朱へさりげに渡してあったんだね。脚本や構成にさぞ苦労したのだろう。
橋本愛奈と秋山ゆりかは、初演と比べるとホントに綺麗になった。芝居もしっかりしてきた。
ただ、制服カラーが膨張色なのか、今回も胸や足が太めに見えるw。美朱なんて見方によってはコロコロしている感じw。ミニのスカート下につい目がいくがw、パンツ下をしっかり穿き過ぎw。白いハイソックスがポイントねw。
七星士たちの衣装も、初演のペラペラ感と比べると良い出来栄え。心宿のマントがかなり大きく目立つw。鬼宿の黒の衣装もカッコイー。
ヘアスタイルも凝ってる。星宿は結った髪も濡れるような長い髪もステキ。美朱は髪を下ろすと急に大人びて見える。
アクセント的に登場する奎介(松浦温生)と哲也(松田陽平)は、場つなぎとはいえ、毎回やる血液型当てのアドリブは、楽しそうだが大変そうw。
脇の役者も、様々な役をこなして活躍。立ち回りも結構大変そうだ。
原作シーンがすぐ脳裏に浮かんで、やる前から先に笑いがこみ上げてくる場面もある。翼宿(伊崎央登)と攻児(來河侑希)が踊るシーンは、何度観ても愉しい。
翼宿が鬼宿(平野良)の肩をポンと叩くのにニンマリしたり、ラストで翼宿が船酔いしてるシーンに笑ったりと、つい彼に目がいっちゃうほど翼宿が好きなんだなとあらためて自覚。
伊崎くんの翼宿は目付きがワルいがw、タルそうな関西弁がオモロイ。初演の翼宿は笑顔が可愛かったが、ゴーカイレッドになる前の翼宿ももっと観たかったw。
ブラック鬼宿が美朱に「お前を…殺す」と言う場面で、ついヒイロな緑川光さんが浮かんでしまうw。舞台では平野くんの低目の声がよく響いて爽快だ。平野くんが歌う主題歌「今日の雨は君の涙」は二度目だと耳に残りそう。
終演後の役者登場で、鬼宿と心宿が其々の巫女を迎えて、4人一緒にお辞儀をするのがニクい。ハケる時は美朱が最後にお辞儀。カテコとかなくてあっさり目だが、スタオベの気分にさせるぐらい、何度観ても満足感ある舞台だった。
昼公演終了後は役者が日替わりでロビーで募金活動。いきなりメインの美朱と唯と鬼宿と心宿が、募金箱を手に立ち呼びかけ。平野くんの箱に入れたが、汗がまだ引いてない笑顔でお礼を言ってくれた。
明日もまた観劇予定。3時間は長いが、好きな作品だから飽きない。
舞台 ふしぎ遊戯~朱雀編~ 初日
2011年3月30日 舞台演劇舞台『ふしぎ遊戯~朱雀編~』初日を観てきた。
サブタイトルに“幻想少女・アドベンチャー”と付いている。
渡瀬悠宇の大人気コミックの舞台化で、昨年10月に上演され人気をはくした舞台の再演。
今回はキャパを広げて、朱雀七星士に的を絞り、コミック7巻までを元にしたストーリー。
初演はものすごい駆け足で目まぐるしく、綺麗に纏まってはいたが、原作ファンには色々物足りなさもあったと思う。
「もっと見たい」「再演を」の声もあがり、今回はキャラや世界観を掘り下げ、物語や人間関係にも厚味をつけて、ファンの満足度にもこたえている。初演からのキャストに新しいキャストやキャラも加わって、更にパワーアップされた舞台となっていた。
なんといっても前回要望した、“ブラック鬼宿”が出てくるのが見どころのひとつ。
鬼宿(平野良)をめぐる美朱(橋本愛菜)と唯(秋山ゆりか)の三角関係が浮き彫りになり、其々の気持ちが痛いほど伝わってくる。同時に、星宿(末野卓磨)の美朱への気持ち、柳宿(宮地真緒)の星宿への気持ちも高まり、物語は一気に恋愛模様へと加速するw。
井宿(矢吹卓也)の術が大活躍。翼宿(伊崎央登)や軫宿(中村康介)や張宿(富田大樹)の出会いと仲間になるシーンが加わり、其々関係者や七星士同士のやり取りも活発化し、原作にあるバラエティに富んだエピも愉しめる。
その分、青龍側は寂しい。心宿(寿里)は策士にとどまり、亢宿(桑野晃輔)に弟の存在がないのは仕方ない。寿里が「青龍の巫女」と言う度に、「龍神の神子」が思い出されたw。
鬼宿はやっぱりカッコイー! でも、やっぱり翼宿が一番好き! でもでも、星宿がとってもステキ!
鬼宿より翼宿のほうがちょっと背が高いのがグー。夢見ていた二人の闘いにシビれた。
それ以上に、鬼宿と星宿の剣の決闘は白熱していて凄かった。あらためて、今流行の立ち回りやアクションが多い作品だったんだなと思う。
JAEの末野さんは、さすが滑らかな殺陣で鮮やかな存在感。佐久間(イナイレ)や利吉(忍たま)も格好良かったが、星宿も美しくハマっている。漫画やアニメの星宿にはそれ程惹かれなかったが、舞台の星宿は誠実で情熱的でドキドキしたv。
オープニング映像は薄くてはっきり見えないのが残念。
平野良くんの歌が世界観のラストを彩る。
休憩入れて約3時間のボリューム。途中は長く感じたが、終わってみれば満足感でニヤけちゃう。
今回取ったチケットは、みんな席が違うので色々な見方ができるかも。
ついでに、初演のDVDも買ってしまった。再演の衣装は凝っていて出来が良い。
しばらくは『最遊記』じゃなく、『ふしぎ遊戯』ワールドに浸りそうだ。
サブタイトルに“幻想少女・アドベンチャー”と付いている。
渡瀬悠宇の大人気コミックの舞台化で、昨年10月に上演され人気をはくした舞台の再演。
今回はキャパを広げて、朱雀七星士に的を絞り、コミック7巻までを元にしたストーリー。
初演はものすごい駆け足で目まぐるしく、綺麗に纏まってはいたが、原作ファンには色々物足りなさもあったと思う。
「もっと見たい」「再演を」の声もあがり、今回はキャラや世界観を掘り下げ、物語や人間関係にも厚味をつけて、ファンの満足度にもこたえている。初演からのキャストに新しいキャストやキャラも加わって、更にパワーアップされた舞台となっていた。
なんといっても前回要望した、“ブラック鬼宿”が出てくるのが見どころのひとつ。
鬼宿(平野良)をめぐる美朱(橋本愛菜)と唯(秋山ゆりか)の三角関係が浮き彫りになり、其々の気持ちが痛いほど伝わってくる。同時に、星宿(末野卓磨)の美朱への気持ち、柳宿(宮地真緒)の星宿への気持ちも高まり、物語は一気に恋愛模様へと加速するw。
井宿(矢吹卓也)の術が大活躍。翼宿(伊崎央登)や軫宿(中村康介)や張宿(富田大樹)の出会いと仲間になるシーンが加わり、其々関係者や七星士同士のやり取りも活発化し、原作にあるバラエティに富んだエピも愉しめる。
その分、青龍側は寂しい。心宿(寿里)は策士にとどまり、亢宿(桑野晃輔)に弟の存在がないのは仕方ない。寿里が「青龍の巫女」と言う度に、「龍神の神子」が思い出されたw。
鬼宿はやっぱりカッコイー! でも、やっぱり翼宿が一番好き! でもでも、星宿がとってもステキ!
鬼宿より翼宿のほうがちょっと背が高いのがグー。夢見ていた二人の闘いにシビれた。
それ以上に、鬼宿と星宿の剣の決闘は白熱していて凄かった。あらためて、今流行の立ち回りやアクションが多い作品だったんだなと思う。
JAEの末野さんは、さすが滑らかな殺陣で鮮やかな存在感。佐久間(イナイレ)や利吉(忍たま)も格好良かったが、星宿も美しくハマっている。漫画やアニメの星宿にはそれ程惹かれなかったが、舞台の星宿は誠実で情熱的でドキドキしたv。
オープニング映像は薄くてはっきり見えないのが残念。
平野良くんの歌が世界観のラストを彩る。
休憩入れて約3時間のボリューム。途中は長く感じたが、終わってみれば満足感でニヤけちゃう。
今回取ったチケットは、みんな席が違うので色々な見方ができるかも。
ついでに、初演のDVDも買ってしまった。再演の衣装は凝っていて出来が良い。
しばらくは『最遊記』じゃなく、『ふしぎ遊戯』ワールドに浸りそうだ。
Musical オオカミ王ロボ
2011年3月28日 舞台演劇Musical『オオカミ王ロボ ~シートン動物記より~』を観てきた。
全労済文化フェスティバル2011参加作品。
E.シートン生誕150周年。
“すべての子どもの心をもつ人へ”時を越えてよみがえる、シートンが書きのこした音楽劇。
『シートン動物記』でおなじみの動物たちがいっぱい登場し、シートン自身がデザインした衣装を役者がまとうのも見どころだ。
少年が10歳の誕生日にプレゼントされた古びた本。中から飛び出してきた、誇り高き森の王者“オオカミ王ロボ”の導きで、少年は森の中でたくさんの魅力あふれる動物たちと出会う。だが恐ろしい人間の存在が彼らを脅かす。
子ども向けミュージカルだし、少年・翔(かける)と同じように、動物にはあまり興味がなかった私。
だが、舞台からジリジリと伝わるメッセージにとても心を揺り動かされた。「人間に負けるな~」と歌い紡ぐ動物たち。人間にはない、人間が忘れかけた大切なもの。自然と共生し、森の中で生きる動物たちのひたむきな“生”に圧倒された。
「大自然の中で生きとし生けるもののさだめ」劇中のエンジェルの言葉に、あの大震災の悲劇を思い起こす人も多かっただろう。
「生きる強さをもつのよ」「今日を懸命に生きれば、新しい明日があける」「森が教えてくれる」「そうやって命を繋ぐのです」“ワタオオウサギ”の小さなラグに、モリー母さんが話す言葉のひとつひとつが、重みをもって胸をうつ。
子どもよりも、むしろ大人のほうに伝えたい思い。すべての大人たちへ、すべての親たちへ知って貰いたい“命”の大切さ。深い感銘をもって、いつの間にか涙があふれた。周りの大人たちのすすり泣きも聞こえた。
中央に花道があり、ステージと両脇通路を繋ぎ、客席両通路を使用するなど、動物たちはとにかく縦横無尽に動き回る。
動物たちを身近に感じる子ども客は、大人がスルーするヘンなところで笑うので、その反応を確かめるのも面白い。
ミュージカルナンバーは豊富で、1曲あたりに少々冗長感があるが、どれも良質な曲ばかり。「モーニング」や「森の王者」など詩の煌きも心地良い。
衣装は凝ってるが厚そうで、キャストも汗をかきながらの熱演。森の最初の場面で、動物たちをざっと紹介するシーンがあればもっと分り易かった。
男性メンバーは人気実力共に豪華。元テニミュキャストやジュニアから活躍するメンバーもおり、歌やダンスがたっぷりと繰り広げられる。
大山真志は大柄な凛々しさで、優しい瞳に誠意を感じる。齋藤ヤスカはスピーディーな『エア・ギア』ぶりを披露w。小野田龍之介は歌とダンスに精彩を放ち軽快な安定感。内藤大希は柔和な甘さと優しさが光る。佑太が雄々しい姿で盛り上げる。大至は歌と芝居共に重厚な存在感。憎まれ役の縄田晋はダンディな魅力だ。
歌では大山くんと小野田くんと大至さんが圧倒的に上手い。ヤスカさんと大希くんはもう少し声量が欲しいかな。大希くんの小太鼓が愉快。若手たちの小芝居やアドリブも楽しい。
子役たちの実力が半端ない。石川新太は爽快な芝居と、声変期前の透き通るような美しい歌声を披露して圧倒させた。平松來馬の可愛らしさと歌唱力の上手さにも注目。
女性陣も個性的ながら、歌もダンスも実力派揃い。服部杏奈、後藤夢乃、拇野理紗子が素晴らしかった。安藤玲奈はタップダンスを披露。真園ありすは二役を好演。
前説アナと終演後挨拶の当番は大希くん。ステージに立てる喜びを語り感無量な様子はわかったが、「千秋楽までやってます」に会場も笑い。
最後に大山さんが「被災地ではまだまだ哀しいことが続いていますが、この舞台を通して、命の大切さや愛を少しでも伝えられればと思います」と立派な挨拶で締めた。
感動の拍手が続き、カテコまであって盛り上がった。
パンフが高めなのが少々難。1500円ぐらいにしたらもっと売れるハズ。
会場下のスペースゼロギャラリー・展示室では、『自然と動物を愛したシートン展』を同時開催中(入場無料)。観劇前に観ておくと参考になりそう。
全労済文化フェスティバル2011参加作品。
E.シートン生誕150周年。
“すべての子どもの心をもつ人へ”時を越えてよみがえる、シートンが書きのこした音楽劇。
『シートン動物記』でおなじみの動物たちがいっぱい登場し、シートン自身がデザインした衣装を役者がまとうのも見どころだ。
少年が10歳の誕生日にプレゼントされた古びた本。中から飛び出してきた、誇り高き森の王者“オオカミ王ロボ”の導きで、少年は森の中でたくさんの魅力あふれる動物たちと出会う。だが恐ろしい人間の存在が彼らを脅かす。
子ども向けミュージカルだし、少年・翔(かける)と同じように、動物にはあまり興味がなかった私。
だが、舞台からジリジリと伝わるメッセージにとても心を揺り動かされた。「人間に負けるな~」と歌い紡ぐ動物たち。人間にはない、人間が忘れかけた大切なもの。自然と共生し、森の中で生きる動物たちのひたむきな“生”に圧倒された。
「大自然の中で生きとし生けるもののさだめ」劇中のエンジェルの言葉に、あの大震災の悲劇を思い起こす人も多かっただろう。
「生きる強さをもつのよ」「今日を懸命に生きれば、新しい明日があける」「森が教えてくれる」「そうやって命を繋ぐのです」“ワタオオウサギ”の小さなラグに、モリー母さんが話す言葉のひとつひとつが、重みをもって胸をうつ。
子どもよりも、むしろ大人のほうに伝えたい思い。すべての大人たちへ、すべての親たちへ知って貰いたい“命”の大切さ。深い感銘をもって、いつの間にか涙があふれた。周りの大人たちのすすり泣きも聞こえた。
中央に花道があり、ステージと両脇通路を繋ぎ、客席両通路を使用するなど、動物たちはとにかく縦横無尽に動き回る。
動物たちを身近に感じる子ども客は、大人がスルーするヘンなところで笑うので、その反応を確かめるのも面白い。
ミュージカルナンバーは豊富で、1曲あたりに少々冗長感があるが、どれも良質な曲ばかり。「モーニング」や「森の王者」など詩の煌きも心地良い。
衣装は凝ってるが厚そうで、キャストも汗をかきながらの熱演。森の最初の場面で、動物たちをざっと紹介するシーンがあればもっと分り易かった。
男性メンバーは人気実力共に豪華。元テニミュキャストやジュニアから活躍するメンバーもおり、歌やダンスがたっぷりと繰り広げられる。
大山真志は大柄な凛々しさで、優しい瞳に誠意を感じる。齋藤ヤスカはスピーディーな『エア・ギア』ぶりを披露w。小野田龍之介は歌とダンスに精彩を放ち軽快な安定感。内藤大希は柔和な甘さと優しさが光る。佑太が雄々しい姿で盛り上げる。大至は歌と芝居共に重厚な存在感。憎まれ役の縄田晋はダンディな魅力だ。
歌では大山くんと小野田くんと大至さんが圧倒的に上手い。ヤスカさんと大希くんはもう少し声量が欲しいかな。大希くんの小太鼓が愉快。若手たちの小芝居やアドリブも楽しい。
子役たちの実力が半端ない。石川新太は爽快な芝居と、声変期前の透き通るような美しい歌声を披露して圧倒させた。平松來馬の可愛らしさと歌唱力の上手さにも注目。
女性陣も個性的ながら、歌もダンスも実力派揃い。服部杏奈、後藤夢乃、拇野理紗子が素晴らしかった。安藤玲奈はタップダンスを披露。真園ありすは二役を好演。
前説アナと終演後挨拶の当番は大希くん。ステージに立てる喜びを語り感無量な様子はわかったが、「千秋楽までやってます」に会場も笑い。
最後に大山さんが「被災地ではまだまだ哀しいことが続いていますが、この舞台を通して、命の大切さや愛を少しでも伝えられればと思います」と立派な挨拶で締めた。
感動の拍手が続き、カテコまであって盛り上がった。
パンフが高めなのが少々難。1500円ぐらいにしたらもっと売れるハズ。
会場下のスペースゼロギャラリー・展示室では、『自然と動物を愛したシートン展』を同時開催中(入場無料)。観劇前に観ておくと参考になりそう。
ミュージカル マルグリット
2011年3月25日 舞台演劇ミュージカル『マルグリット』を観てきた。
1月の『ゴーカイジャー』お披露目で松原さんが宣伝していたのに興味を持ち、先月安い値で手に入れたもの。
東日本大震災の影響を受けて、初日から1週間遅れの上演となったようだが、今回も無事に上演できて良かったと思う。
こんな時だから仕方ないが、楽しみにしていたアフターイベントが中止になったのは残念。
開演前に、災害時における注意事項のアナウンス。劇中で爆発音がするが演出効果ですからという。
ナチス占領下におかれている1942年のパリ。40歳の誕生日パーティの夜、マルグリットはピアノ弾きのアルマンと運命的な出会いをし、激しい恋に溺れていく。だが彼女はドイツ人将軍の男の愛人で、アルマンの仲間はレジスタンスだった。
名作『椿姫』を元に、身分と年代の違う男女の許されぬ愛を描いた悲劇のラブストーリーのミュージカル化。
『レ・ミゼラブル』などを手掛けたコンビが演出や楽曲などを担当。2009年に日本で初演され、新しいキャストでの再演である。
ミシェル・ルグランの楽曲が本当に素晴らしい。一度聞いただけで耳に残りそう。
流れるように展開する華麗な舞台セットは見応えたっぷり。窓が破壊される爆発音は確かに迫力があった。当時の世相を背景に、人物の感情をきめ細かに表現した手腕は評価できるが、少々舞台の一方に偏った演出もあり、席によっては観難さが生じよう。
男性5人、女性6人のアンサンブルも抜群に歌が上手く洗練されている。パワフルなサンボに、自ずと民衆目線になりそうだ。
舞台で良かったところを挙げると、これぐらいだろうか。メインキャストの出来がいまいちで、奥行きのあるストーリーにはのめり込めなかった。
休憩中の幕に映る藤原紀香は美しいが、実際に舞台に立つ彼女とはかなり違う。
紀香さんは胸は大きく足は細いが、肩幅も腰も頑丈で完全にオバサン体型、見た目は50代にしか見えない。ゴテゴテに濃過ぎた化粧で美しくも見えず、色気やしなやかさが感じられない。額の上にあったのはマイクだろうが、2つも付いてる割には声量がない。セリフは少々棒読みで明瞭でない。歌も高い音程が出ないのか危うげで伸びがない。歌唱力はあるのだろうが、ミュージカル向きではないし、主演をはるには時期尚早だと思う。音程をとるのに必死なのか、感情を歌にのせられず、マルグリットの心に寄り添えなかった。
西城秀樹のオットーはもっと酷かった。予想はしていたが、滑舌や呂律が回らない抑揚のない喋り方で、何を言ってるのか分らない。時おり唐突に怒鳴り散らすが、あまりにヒステリックに聞こえる。動きもギクシャクしていて凛々しさや逞しさが全く感じられない。歌も声がよく出ておらず、一緒に歌う者たちに声量的にも負けている。高めのキィは歌手としての歌い方で聞いていられない。結果的に、殆ど存在感がないオットーだった。
秀樹が頑張っている様子は分るが、ミュージカルや舞台でメインを張るにはムリなのではないだろうか。失礼かとは思うが、今回の秀樹を見てたら柳浩太郎を思い出した。大病や事故後の舞台復帰は、よほど熟考され生かされた役でないとプロとしてはやっていけないだろう。柳は成功例だし、まだ若いから見守れる立場になれるが、壮年期の秀樹の舞台を静かに見守っていくのは難しいかもしれない。
アルマンの田代万里生の歌の上手さや安定感ある演技が、かえって浮き彫りになったようだ。童顔のマリオくん、ピアノのシーンやベッドシーンもこなして熱演。一途で身勝手な表情もいい。ただ、紀香さんのお姫様抱っこはさぞ重かっただろうなとw。
松原剛志のルシアンがキーマン。着実な歌と演技で情深さを表現しまずまず良かったと思う。
アネットの飯野めぐみの綺麗でのびやかな歌声も良かった。
アネットとルシアンの歌も寂しげでステキ。正直、マルグリットとアルマンの恋より、この二人の恋が成就するようにと願ってしまう。
山崎裕太のピエロは、軽妙な前半と策士な後半とで全然違うので、あまり感情移入できず。
ジョルジュの横内正は、やっぱり老けたなぁが印象。むしろ秀樹がこの役だったら、もう少し存在感をアピールできたかなと思う。
前半はオットーの存在が薄い中、がむしゃらな情熱をぶつけてくる若者に、おばさん根負けしちゃった!って話に見えたw。
紀香さんは深紅のドレスから白い下着へと変わるが、下着姿やエロっぽいシーンが多かったなという印象。
ラストの紀香さんは、ナチュラルなメイクに変わり真摯な言葉を紡ぐが、ようやく彼女が綺麗に思えた。
後半のサンボは緑っぽい衣装が多い。赤白ときて、青だったらトリコロールなのに、緑ならイタリアやハンガリーになっちゃうなと、どうでもいいことを思ったw。
1944年にパリが解放され、民衆は手の平を返したようにレジスタンスを受け入れ、占領下で豪勢だった者たちへ刃を向ける。善良な者たちの報復という名の暴力。『レ・ミゼ』でもそうだったが、そうした名もなき民衆の力の爆発は凄まじい。
それはキャストにもいえる。このミュージカルの影の主役は、作品をパワフルに支えたサンボたちなのかもしれない。
ラストはぶつ切れ状態。余韻がわかない中で幕が下ろされ、拍手のタイミングも掴み難い。
終演後は皆が揃ったところで、紀香さんから被災地の方へメッセージ。そこで噛んだりw。
カテコは1回。お辞儀をする紀香さんの姿は美しい。秀樹はどうして最後まで無愛想な顔なのか。マリオくんら若手はやりきったという表情。カテコで皆さんの心情が伝わってくる。
休憩含めて約2時間半。作品も楽曲も良かったし、いつかキャストを替えての再演を望みたい。
1月の『ゴーカイジャー』お披露目で松原さんが宣伝していたのに興味を持ち、先月安い値で手に入れたもの。
東日本大震災の影響を受けて、初日から1週間遅れの上演となったようだが、今回も無事に上演できて良かったと思う。
こんな時だから仕方ないが、楽しみにしていたアフターイベントが中止になったのは残念。
開演前に、災害時における注意事項のアナウンス。劇中で爆発音がするが演出効果ですからという。
ナチス占領下におかれている1942年のパリ。40歳の誕生日パーティの夜、マルグリットはピアノ弾きのアルマンと運命的な出会いをし、激しい恋に溺れていく。だが彼女はドイツ人将軍の男の愛人で、アルマンの仲間はレジスタンスだった。
名作『椿姫』を元に、身分と年代の違う男女の許されぬ愛を描いた悲劇のラブストーリーのミュージカル化。
『レ・ミゼラブル』などを手掛けたコンビが演出や楽曲などを担当。2009年に日本で初演され、新しいキャストでの再演である。
ミシェル・ルグランの楽曲が本当に素晴らしい。一度聞いただけで耳に残りそう。
流れるように展開する華麗な舞台セットは見応えたっぷり。窓が破壊される爆発音は確かに迫力があった。当時の世相を背景に、人物の感情をきめ細かに表現した手腕は評価できるが、少々舞台の一方に偏った演出もあり、席によっては観難さが生じよう。
男性5人、女性6人のアンサンブルも抜群に歌が上手く洗練されている。パワフルなサンボに、自ずと民衆目線になりそうだ。
舞台で良かったところを挙げると、これぐらいだろうか。メインキャストの出来がいまいちで、奥行きのあるストーリーにはのめり込めなかった。
休憩中の幕に映る藤原紀香は美しいが、実際に舞台に立つ彼女とはかなり違う。
紀香さんは胸は大きく足は細いが、肩幅も腰も頑丈で完全にオバサン体型、見た目は50代にしか見えない。ゴテゴテに濃過ぎた化粧で美しくも見えず、色気やしなやかさが感じられない。額の上にあったのはマイクだろうが、2つも付いてる割には声量がない。セリフは少々棒読みで明瞭でない。歌も高い音程が出ないのか危うげで伸びがない。歌唱力はあるのだろうが、ミュージカル向きではないし、主演をはるには時期尚早だと思う。音程をとるのに必死なのか、感情を歌にのせられず、マルグリットの心に寄り添えなかった。
西城秀樹のオットーはもっと酷かった。予想はしていたが、滑舌や呂律が回らない抑揚のない喋り方で、何を言ってるのか分らない。時おり唐突に怒鳴り散らすが、あまりにヒステリックに聞こえる。動きもギクシャクしていて凛々しさや逞しさが全く感じられない。歌も声がよく出ておらず、一緒に歌う者たちに声量的にも負けている。高めのキィは歌手としての歌い方で聞いていられない。結果的に、殆ど存在感がないオットーだった。
秀樹が頑張っている様子は分るが、ミュージカルや舞台でメインを張るにはムリなのではないだろうか。失礼かとは思うが、今回の秀樹を見てたら柳浩太郎を思い出した。大病や事故後の舞台復帰は、よほど熟考され生かされた役でないとプロとしてはやっていけないだろう。柳は成功例だし、まだ若いから見守れる立場になれるが、壮年期の秀樹の舞台を静かに見守っていくのは難しいかもしれない。
アルマンの田代万里生の歌の上手さや安定感ある演技が、かえって浮き彫りになったようだ。童顔のマリオくん、ピアノのシーンやベッドシーンもこなして熱演。一途で身勝手な表情もいい。ただ、紀香さんのお姫様抱っこはさぞ重かっただろうなとw。
松原剛志のルシアンがキーマン。着実な歌と演技で情深さを表現しまずまず良かったと思う。
アネットの飯野めぐみの綺麗でのびやかな歌声も良かった。
アネットとルシアンの歌も寂しげでステキ。正直、マルグリットとアルマンの恋より、この二人の恋が成就するようにと願ってしまう。
山崎裕太のピエロは、軽妙な前半と策士な後半とで全然違うので、あまり感情移入できず。
ジョルジュの横内正は、やっぱり老けたなぁが印象。むしろ秀樹がこの役だったら、もう少し存在感をアピールできたかなと思う。
前半はオットーの存在が薄い中、がむしゃらな情熱をぶつけてくる若者に、おばさん根負けしちゃった!って話に見えたw。
紀香さんは深紅のドレスから白い下着へと変わるが、下着姿やエロっぽいシーンが多かったなという印象。
ラストの紀香さんは、ナチュラルなメイクに変わり真摯な言葉を紡ぐが、ようやく彼女が綺麗に思えた。
後半のサンボは緑っぽい衣装が多い。赤白ときて、青だったらトリコロールなのに、緑ならイタリアやハンガリーになっちゃうなと、どうでもいいことを思ったw。
1944年にパリが解放され、民衆は手の平を返したようにレジスタンスを受け入れ、占領下で豪勢だった者たちへ刃を向ける。善良な者たちの報復という名の暴力。『レ・ミゼ』でもそうだったが、そうした名もなき民衆の力の爆発は凄まじい。
それはキャストにもいえる。このミュージカルの影の主役は、作品をパワフルに支えたサンボたちなのかもしれない。
ラストはぶつ切れ状態。余韻がわかない中で幕が下ろされ、拍手のタイミングも掴み難い。
終演後は皆が揃ったところで、紀香さんから被災地の方へメッセージ。そこで噛んだりw。
カテコは1回。お辞儀をする紀香さんの姿は美しい。秀樹はどうして最後まで無愛想な顔なのか。マリオくんら若手はやりきったという表情。カテコで皆さんの心情が伝わってくる。
休憩含めて約2時間半。作品も楽曲も良かったし、いつかキャストを替えての再演を望みたい。
舞台『華鬼』を観てきた。
超人気インターネット恋愛小説の舞台化。
2009年には映画化、2010年には初演舞台化で、今回新しいキャストを迎えての再演となる。
初演は日程の都合で観に行けず、再演もチケットが取れなく諦めていた。
東日本大震災の影響で、多くの公演が中止となる中、上演決定を英断した主催者側を評価したい。やむなく劇場に来られない人には払い戻しをし、払い戻されたチケットはチャリティーチケットとして販売、早速お願いした。
私にとっては地震後、やっと迎えられた観劇。希望公演日を破格の値段で、こんな良席を頂けるなんて有り難いことだ。この観劇の時間、この機会を一生忘れないと思う。
ロビーでオトメイト会員にポスカがプレゼント。そういや『薄桜鬼』イベントチケットのため、モバイル会員になってたことを思い出して頂いた。
開演前に、地震及び災害時における避難方法の案内の紙と共に、丁寧な説明を受ける。ここまでしてくれるのも有り難い。
鬼と鬼の花嫁が通う鬼ヶ里高校を舞台に、様々な陰謀と争いが渦巻く中、鬼頭の花嫁として過酷な運命を背負わされた少女と、彼女に徐々に惹かれていく孤高の少年を描く。
先に映画でストーリーやキャラクターはだいたい把握していたので、すぐに世界観に入れた。
初演とは若干違う筋書きらしく、実力派の新キャストで固め、歌の要素を前面に押し出して、迫力と幻想性でパワーアップされた舞台となっていた。
とにかくアクションや喧嘩シーンが多い。みんな溌剌としていて機敏で、その熱演ぶりに驚かされた。がむしゃらで一途で情熱的な若者たち。舞台から伝わってくる熱っぽさは本物だし、だから心が揺り動かされる。
舞台経験が少ない子たちもしっかり演技をしていた。おそらく岡本貴也の粘り強い演出の成果だろう。基本の体も鍛えてあり、殺陣もじっくり稽古したのだろう。ものすごく激しい場面もあり、どうか怪我をしないようにと願う。
出演者みんなが、劇中の舞台でとても大きく見えたのが印象的。
華鬼役には林明寛。先月のアクサル『宮本武蔵』の熱演の記憶を引き摺って、座長として引っ張っていく頼もしい姿が眩しく見える。バネのあるアクションが実にカッコイー。
ただ、アラヤンが演じた映画でもそうだったが、中盤は華鬼の感情がよく掴めなかったりするので、なかなか感情移入し辛いキャラではある。
その分、神無の切なさに胸が痛むのだが、葉月あいがとても可愛らしくて好演していた。何度も身体を翻弄されるので、肉体的にもハードな役だと思う。おまけにみんなに担がれ抱き上げられるので、よほど体重が軽くなきゃつとまらないハズw。
初演から続投の長谷部恵介の光晴が、軽妙かつ真摯のメリハリがあってすっごくイイ。ベッキーの関西弁、はじめて聞いた。永泉よりハマリ役かもしれない。
前回の響がゴーカイレッドになったから、今回は落合モトキ。はじめて知った役者だが、固さが多い憎らしい敵役という感じ。
配下の国一に鯨井康介。金髪の鯨井くんははじめてだったので、すぐ気づかなかったw。存在感があり過ぎたかな。
鈴木拡樹が複雑な役どころの麗二を、柔らかく軽妙に、落ち着きと色っぽさを添えて好演しハマっていた。白衣も薬箱を持つ姿もよく似合う。ずっきーさん、『最遊記歌劇伝』の三蔵は合わなかったけど、ここ1~2年で随分と演技力がアップしてきたなと感心する。
驚いたのが初参加のD2のふたり。土屋シオンが、何と三翼のひとり、水羽を愛らしく繊細に演じ、アクションまで逞しく披露。堂々としたメインキャストぶりだった。
今野良太郎は歌や楽器には定評があったが、鬼神のひとりとして、歌と演技で参加。鬼神の他の二人にもヒケをとらず、その大人っぽい佇まいにすぐに気づかなかった。
鬼神として小谷嘉一(+Plus)とマコト(ドレミ團)。三種の神器が元ネタらしい。抜群の歌唱力のマコトさんは派手でのびやかな印象。小谷さんは背の高さが目立ち、黒のスーツがよく似合う。
鬼神三人は其々テーマ曲や挿入歌などたっぷりと歌を披露し、舞台の間ツナギや雰囲気で盛り上げただけでなく、重厚な演技で話を支えていた。
久々の観劇で、ひとつのシーンも逃すまいと、無我夢中で舞台にのめり込んだようだ。
パワフルでがむしゃらな舞台の熱気に、ひととき心が浄化され元気を取り戻せたと思う。
終演後は、MCの小谷嘉一に、林明寛、長谷部恵介、増山祥太が加わり、+Plusの三人を迎えてのアフタートーク。
映画『華鬼』の主題歌にも参加した+Plusだが、『×ゲーム』といい、舞台挨拶では何度か観たことがある面々。TVの『ピスメ』や『リボーン!』の歌でも馴染みがある。
舞台でも何曲かの楽曲を作り、今日は舞台から流れてきた音楽に満足されたようだ。この後、夜公演を観るという。
明寛くんらが舞台にかける意気込みを話したりと、ぐだぐだな中にも皆さんの真摯な思いが伝わってきた。
上演中は地震もなく無事に観劇できてほっとした。
このまま皆さんで無事に千秋楽が迎えられるよう祈りたい。
超人気インターネット恋愛小説の舞台化。
2009年には映画化、2010年には初演舞台化で、今回新しいキャストを迎えての再演となる。
初演は日程の都合で観に行けず、再演もチケットが取れなく諦めていた。
東日本大震災の影響で、多くの公演が中止となる中、上演決定を英断した主催者側を評価したい。やむなく劇場に来られない人には払い戻しをし、払い戻されたチケットはチャリティーチケットとして販売、早速お願いした。
私にとっては地震後、やっと迎えられた観劇。希望公演日を破格の値段で、こんな良席を頂けるなんて有り難いことだ。この観劇の時間、この機会を一生忘れないと思う。
ロビーでオトメイト会員にポスカがプレゼント。そういや『薄桜鬼』イベントチケットのため、モバイル会員になってたことを思い出して頂いた。
開演前に、地震及び災害時における避難方法の案内の紙と共に、丁寧な説明を受ける。ここまでしてくれるのも有り難い。
鬼と鬼の花嫁が通う鬼ヶ里高校を舞台に、様々な陰謀と争いが渦巻く中、鬼頭の花嫁として過酷な運命を背負わされた少女と、彼女に徐々に惹かれていく孤高の少年を描く。
先に映画でストーリーやキャラクターはだいたい把握していたので、すぐに世界観に入れた。
初演とは若干違う筋書きらしく、実力派の新キャストで固め、歌の要素を前面に押し出して、迫力と幻想性でパワーアップされた舞台となっていた。
とにかくアクションや喧嘩シーンが多い。みんな溌剌としていて機敏で、その熱演ぶりに驚かされた。がむしゃらで一途で情熱的な若者たち。舞台から伝わってくる熱っぽさは本物だし、だから心が揺り動かされる。
舞台経験が少ない子たちもしっかり演技をしていた。おそらく岡本貴也の粘り強い演出の成果だろう。基本の体も鍛えてあり、殺陣もじっくり稽古したのだろう。ものすごく激しい場面もあり、どうか怪我をしないようにと願う。
出演者みんなが、劇中の舞台でとても大きく見えたのが印象的。
華鬼役には林明寛。先月のアクサル『宮本武蔵』の熱演の記憶を引き摺って、座長として引っ張っていく頼もしい姿が眩しく見える。バネのあるアクションが実にカッコイー。
ただ、アラヤンが演じた映画でもそうだったが、中盤は華鬼の感情がよく掴めなかったりするので、なかなか感情移入し辛いキャラではある。
その分、神無の切なさに胸が痛むのだが、葉月あいがとても可愛らしくて好演していた。何度も身体を翻弄されるので、肉体的にもハードな役だと思う。おまけにみんなに担がれ抱き上げられるので、よほど体重が軽くなきゃつとまらないハズw。
初演から続投の長谷部恵介の光晴が、軽妙かつ真摯のメリハリがあってすっごくイイ。ベッキーの関西弁、はじめて聞いた。永泉よりハマリ役かもしれない。
前回の響がゴーカイレッドになったから、今回は落合モトキ。はじめて知った役者だが、固さが多い憎らしい敵役という感じ。
配下の国一に鯨井康介。金髪の鯨井くんははじめてだったので、すぐ気づかなかったw。存在感があり過ぎたかな。
鈴木拡樹が複雑な役どころの麗二を、柔らかく軽妙に、落ち着きと色っぽさを添えて好演しハマっていた。白衣も薬箱を持つ姿もよく似合う。ずっきーさん、『最遊記歌劇伝』の三蔵は合わなかったけど、ここ1~2年で随分と演技力がアップしてきたなと感心する。
驚いたのが初参加のD2のふたり。土屋シオンが、何と三翼のひとり、水羽を愛らしく繊細に演じ、アクションまで逞しく披露。堂々としたメインキャストぶりだった。
今野良太郎は歌や楽器には定評があったが、鬼神のひとりとして、歌と演技で参加。鬼神の他の二人にもヒケをとらず、その大人っぽい佇まいにすぐに気づかなかった。
鬼神として小谷嘉一(+Plus)とマコト(ドレミ團)。三種の神器が元ネタらしい。抜群の歌唱力のマコトさんは派手でのびやかな印象。小谷さんは背の高さが目立ち、黒のスーツがよく似合う。
鬼神三人は其々テーマ曲や挿入歌などたっぷりと歌を披露し、舞台の間ツナギや雰囲気で盛り上げただけでなく、重厚な演技で話を支えていた。
久々の観劇で、ひとつのシーンも逃すまいと、無我夢中で舞台にのめり込んだようだ。
パワフルでがむしゃらな舞台の熱気に、ひととき心が浄化され元気を取り戻せたと思う。
終演後は、MCの小谷嘉一に、林明寛、長谷部恵介、増山祥太が加わり、+Plusの三人を迎えてのアフタートーク。
映画『華鬼』の主題歌にも参加した+Plusだが、『×ゲーム』といい、舞台挨拶では何度か観たことがある面々。TVの『ピスメ』や『リボーン!』の歌でも馴染みがある。
舞台でも何曲かの楽曲を作り、今日は舞台から流れてきた音楽に満足されたようだ。この後、夜公演を観るという。
明寛くんらが舞台にかける意気込みを話したりと、ぐだぐだな中にも皆さんの真摯な思いが伝わってきた。
上演中は地震もなく無事に観劇できてほっとした。
このまま皆さんで無事に千秋楽が迎えられるよう祈りたい。
パルコ・プロデュース 国民の映画
2011年3月10日 舞台演劇パルコ・プロデュース『国民の映画』を観てきた。
三谷幸喜氏50周年記念のSTAGEの第2弾。
パルコは撮影不可の堅苦しさがあり、縦長の会場は観辛いので、あまり好きではない。
ナチスの宣伝大臣ゲッペルスは、全ドイツ国民が誇りに思う理想の映画「国民の映画」を作ろうと、映画関係者や俳優をホーム・パーティに招く。ところが招からざる客まで混じり、様々な人たちがぶつかり合う群像劇。
三谷氏が当時のドイツと映画についてかなりよく研究され、渾身の力で書き下ろした傑作であろう。
ナチスといえば、先日観たミシマダブル『わが友ヒットラー』が浮かぶが、登場人物が見事に重なっていないところがいい。ゲッペルスにヒムラー、ゲーリングと殆ど実在した人たちが出るので、馴染みは薄くても興味はわき、すっと物語に入っていける。
当然シリアスで重苦しいテーマになるところを、三谷氏は彼らをおそろしく人間味たっぷりに描いており、ユーモアとウィットに富んだ笑いを散りばめる。達者な役者陣も絶妙な掛け合いや間を演じて、彼らの魅力がまた笑いを誘発させた。
舞台でもうひとつの主役というと、映画黎明期からの数々の映画タイトルだろう。馴染みのない作品もあるが、映画好きのゲッペルスが超えるべき目標とした「風と共に去りぬ」は場面が浮かびそうな匂いがあった。
セリフに度々出る「あの人」に『ハリー・ポッター』を、聖櫃や冒険やムチに『インディ・ジョーンズ』を被らせて、お得意のオマージュ感も味わえる。
ゲッペルスの小日向文世は、温かさと冷たさを明瞭にして、純粋な少年と胡散臭い年寄り風を複雑に繊細に演じきる。足を引き摺る様子が大変そうだが、踊りをちょっぴり披露したり、よく動き回ったりと、活発な存在感を見せた。
段田安則のヒムラーは、存在感が薄い設定ながら、軍服に蟲のウンチクと、得体の知れない恐ろしさと可笑しさを持ち合わせる。
白井晃のゲーリングが体格のいいデップリ感でビックリ。役作りで太られたのかしらん。
相当な日和見でしたたかな映画人として、風間杜夫のヤニングスが実に面白くて逞しくて人間臭い。
『ジンギスカン』以来に観た平岳大はセクシーな間抜けっぷりを、今井朋彦は飄々とした爽やかさを、小林勝也は重厚な中にも愛らしさを表現する。
だが男性陣で異彩を放つのは、執事らしい執事ぶりがイタについて、その動きや表情につい目がいってしまう小林隆だろう。
『レ・ミゼ』以来に観るシルビア・グラブと新妻聖子は、歌の共演をチラっと見せ、役の上でも緊張感ある絡みを見せた。
石田ゆり子は細いし、吉田羊は胸があるしで、美しく可愛い華も健在。ナマの効果音やマイムまで見せるピアニストの存在も貴重。
この世界観で何でこんなに笑えるんだろうと思うくらい、一幕は痛快に展開するが、二幕になっても「国民の映画」製作発表までなかなか進まず、少々退屈になってくる。気伸びしたところで、後半、いきなり緊張感がやってくるから油断できない。
人間的だった男たちが、突然、無機質な言葉を吐く機械に変貌する。さっきまで夢のような風景が広がっていたのが、急に、現実の殺伐さに引き戻される。その天と地ほどのギャップに、恐ろしさと普遍性を感じ愕然とくるのだ。
映画は「嘘」で作られる。なら現実は「真実」なのか。夢の世界でしか生きられない映画人たちは、現実から目を背けるしかできない。コートや帽子で身を防御して、そそくさと逃げ出す様子が滑稽で哀れで羨ましくも思った。
ラストは三谷氏らしく、少々甘い気がする。私なら、あの夜からゲッペルスには、映画という映画をいっさい観れない状態にするだろう。それこそ、ささやかで最大な復讐とも呼べる。
この物語をエーリヒ・ケストナーの視点から描いたら、『美しきものの伝説』みたいな雰囲気になりそうだ。日本では、唯一、彼の作品だけが受け継がれている。
前回作品は啄木で、今回はゲッペルス、次は漱石だという。三谷氏の扱うものは、どうしてこう私のツボをおさえるのだろうw。
三谷幸喜氏50周年記念のSTAGEの第2弾。
パルコは撮影不可の堅苦しさがあり、縦長の会場は観辛いので、あまり好きではない。
ナチスの宣伝大臣ゲッペルスは、全ドイツ国民が誇りに思う理想の映画「国民の映画」を作ろうと、映画関係者や俳優をホーム・パーティに招く。ところが招からざる客まで混じり、様々な人たちがぶつかり合う群像劇。
三谷氏が当時のドイツと映画についてかなりよく研究され、渾身の力で書き下ろした傑作であろう。
ナチスといえば、先日観たミシマダブル『わが友ヒットラー』が浮かぶが、登場人物が見事に重なっていないところがいい。ゲッペルスにヒムラー、ゲーリングと殆ど実在した人たちが出るので、馴染みは薄くても興味はわき、すっと物語に入っていける。
当然シリアスで重苦しいテーマになるところを、三谷氏は彼らをおそろしく人間味たっぷりに描いており、ユーモアとウィットに富んだ笑いを散りばめる。達者な役者陣も絶妙な掛け合いや間を演じて、彼らの魅力がまた笑いを誘発させた。
舞台でもうひとつの主役というと、映画黎明期からの数々の映画タイトルだろう。馴染みのない作品もあるが、映画好きのゲッペルスが超えるべき目標とした「風と共に去りぬ」は場面が浮かびそうな匂いがあった。
セリフに度々出る「あの人」に『ハリー・ポッター』を、聖櫃や冒険やムチに『インディ・ジョーンズ』を被らせて、お得意のオマージュ感も味わえる。
ゲッペルスの小日向文世は、温かさと冷たさを明瞭にして、純粋な少年と胡散臭い年寄り風を複雑に繊細に演じきる。足を引き摺る様子が大変そうだが、踊りをちょっぴり披露したり、よく動き回ったりと、活発な存在感を見せた。
段田安則のヒムラーは、存在感が薄い設定ながら、軍服に蟲のウンチクと、得体の知れない恐ろしさと可笑しさを持ち合わせる。
白井晃のゲーリングが体格のいいデップリ感でビックリ。役作りで太られたのかしらん。
相当な日和見でしたたかな映画人として、風間杜夫のヤニングスが実に面白くて逞しくて人間臭い。
『ジンギスカン』以来に観た平岳大はセクシーな間抜けっぷりを、今井朋彦は飄々とした爽やかさを、小林勝也は重厚な中にも愛らしさを表現する。
だが男性陣で異彩を放つのは、執事らしい執事ぶりがイタについて、その動きや表情につい目がいってしまう小林隆だろう。
『レ・ミゼ』以来に観るシルビア・グラブと新妻聖子は、歌の共演をチラっと見せ、役の上でも緊張感ある絡みを見せた。
石田ゆり子は細いし、吉田羊は胸があるしで、美しく可愛い華も健在。ナマの効果音やマイムまで見せるピアニストの存在も貴重。
この世界観で何でこんなに笑えるんだろうと思うくらい、一幕は痛快に展開するが、二幕になっても「国民の映画」製作発表までなかなか進まず、少々退屈になってくる。気伸びしたところで、後半、いきなり緊張感がやってくるから油断できない。
人間的だった男たちが、突然、無機質な言葉を吐く機械に変貌する。さっきまで夢のような風景が広がっていたのが、急に、現実の殺伐さに引き戻される。その天と地ほどのギャップに、恐ろしさと普遍性を感じ愕然とくるのだ。
映画は「嘘」で作られる。なら現実は「真実」なのか。夢の世界でしか生きられない映画人たちは、現実から目を背けるしかできない。コートや帽子で身を防御して、そそくさと逃げ出す様子が滑稽で哀れで羨ましくも思った。
ラストは三谷氏らしく、少々甘い気がする。私なら、あの夜からゲッペルスには、映画という映画をいっさい観れない状態にするだろう。それこそ、ささやかで最大な復讐とも呼べる。
この物語をエーリヒ・ケストナーの視点から描いたら、『美しきものの伝説』みたいな雰囲気になりそうだ。日本では、唯一、彼の作品だけが受け継がれている。
前回作品は啄木で、今回はゲッペルス、次は漱石だという。三谷氏の扱うものは、どうしてこう私のツボをおさえるのだろうw。
野田地図『南へ』を観てきた。
たまに観たくなるNODA・MAP。今回は『ザ・キャラクター』以来だが、後ろの席だったせいか、上演中眠くなってきてしまった。
火山観測所にやってきた男を待っていたのは巧みに嘘を操る女。火山の下の宿では折しも天皇僥倖のためのVIPの姿がある。やがて大噴火の噂が流れ、時空を超えて「嘘」が交錯する。
四角の枠に囲まれた室内は無味乾燥とした雰囲気。その枠を囲むように左右にコロスたち。
フィクションの様相を呈しているが、演じられる話は生々しい熱気と乾きを帯びて、リアルな不気味さと残酷さを抉り出していた。
いつものように言葉の目くらましや多面性に驚かされるが、お遊び的には少ないほうだ。セリフより、むしろステージ上の能動的な動きが目についた。
枠を揺らして地震を起したり、幾つものパイプ椅子を動かし様々なものに変化させたり、何十人もの人の動きで場を洗い流したりと、お手並みの鮮やかさに圧倒される。計算された巧みな演出で、マンパワーの凄さをまざまざと見せ付けられた。
シンプルだが機能的で、いかようにも変化できる衣装も注目。上着を着たり帽子を被るだけで、背景まで変えていくのが面白い。
NODA・MAPは『キル』以来の妻夫木聡と、NODA・MAP初出演の蒼井優が、軽やかでバネのある動きをして惹き付けられる。机やポールにヒョイと飛び乗ったり、身体ごと体重をかけて倒れ込むなど、ひたむきな中に道化的な面白さが滲む。
妻夫木くんは表情の豊かさが頼もしいが、演じ分けや変貌していく様子がやや単調。もっとぶっ飛んだ破天荒さも観たいと思った。
蒼井優の短い髪はカツラなのかな。キンキンした声と発声が耳障りだが、純粋で幻想的な雰囲気が似合っていた。オデコがカワイイ。
嘘と真実。うわさとまこと。情報と操作。「信」じられないものばかりを縦軸に、日本人と天皇の関係をえげつなく浮き彫りにしたり、米軍基地や南北朝鮮の闇に迫ったり、マスコミや大衆の醜さに触れたりしたようだが、あれこれ詰め込み過ぎたせいで少々焦点がぶれたようだ。しちめんどう臭い展開を見せて、野田氏のメッセージもやけにくどい。手ごわい物語でありながら、納得させない後味の不味さがあった。
天皇を利用して、詐欺する日本人…。
過去は分っているし、真実を突きつけたまではいいが、じゃあ我々はどうすればいいのか。憲法のあり方も含めて、日本国は今や噴火間近の危機に瀕しており、意識はしてても、人ひとりで国を動かせるわけもなし。天皇を崇拝すればするほど、日本国という火山に飲み込まれていくのが個人なのだ。
井上ひさし氏の『夢の痂』』とはある意味、真逆だろうか。天皇に謝罪していただく…までやっていたら、国民的感情としてはよほどスッキリくる。
カテコは結局3回もあった。最後は野田さんと妻夫木くんが握手か。ビデオにも収録されそうだ。
たまに観たくなるNODA・MAP。今回は『ザ・キャラクター』以来だが、後ろの席だったせいか、上演中眠くなってきてしまった。
火山観測所にやってきた男を待っていたのは巧みに嘘を操る女。火山の下の宿では折しも天皇僥倖のためのVIPの姿がある。やがて大噴火の噂が流れ、時空を超えて「嘘」が交錯する。
四角の枠に囲まれた室内は無味乾燥とした雰囲気。その枠を囲むように左右にコロスたち。
フィクションの様相を呈しているが、演じられる話は生々しい熱気と乾きを帯びて、リアルな不気味さと残酷さを抉り出していた。
いつものように言葉の目くらましや多面性に驚かされるが、お遊び的には少ないほうだ。セリフより、むしろステージ上の能動的な動きが目についた。
枠を揺らして地震を起したり、幾つものパイプ椅子を動かし様々なものに変化させたり、何十人もの人の動きで場を洗い流したりと、お手並みの鮮やかさに圧倒される。計算された巧みな演出で、マンパワーの凄さをまざまざと見せ付けられた。
シンプルだが機能的で、いかようにも変化できる衣装も注目。上着を着たり帽子を被るだけで、背景まで変えていくのが面白い。
NODA・MAPは『キル』以来の妻夫木聡と、NODA・MAP初出演の蒼井優が、軽やかでバネのある動きをして惹き付けられる。机やポールにヒョイと飛び乗ったり、身体ごと体重をかけて倒れ込むなど、ひたむきな中に道化的な面白さが滲む。
妻夫木くんは表情の豊かさが頼もしいが、演じ分けや変貌していく様子がやや単調。もっとぶっ飛んだ破天荒さも観たいと思った。
蒼井優の短い髪はカツラなのかな。キンキンした声と発声が耳障りだが、純粋で幻想的な雰囲気が似合っていた。オデコがカワイイ。
嘘と真実。うわさとまこと。情報と操作。「信」じられないものばかりを縦軸に、日本人と天皇の関係をえげつなく浮き彫りにしたり、米軍基地や南北朝鮮の闇に迫ったり、マスコミや大衆の醜さに触れたりしたようだが、あれこれ詰め込み過ぎたせいで少々焦点がぶれたようだ。しちめんどう臭い展開を見せて、野田氏のメッセージもやけにくどい。手ごわい物語でありながら、納得させない後味の不味さがあった。
天皇を利用して、詐欺する日本人…。
過去は分っているし、真実を突きつけたまではいいが、じゃあ我々はどうすればいいのか。憲法のあり方も含めて、日本国は今や噴火間近の危機に瀕しており、意識はしてても、人ひとりで国を動かせるわけもなし。天皇を崇拝すればするほど、日本国という火山に飲み込まれていくのが個人なのだ。
井上ひさし氏の『夢の痂』』とはある意味、真逆だろうか。天皇に謝罪していただく…までやっていたら、国民的感情としてはよほどスッキリくる。
カテコは結局3回もあった。最後は野田さんと妻夫木くんが握手か。ビデオにも収録されそうだ。