abc★赤坂ボーイズキャバレー Spin Off ゲネプロ!
2011年3月4日 舞台演劇『abc★赤坂ボーイズキャバレー Spin Off「ゲネプロ!」-自分に喝を入れて勝つ!-』を観てきた。
2010年夏のabc★『表』、abc★『裏』に引き続き、『表裏一体』の舞台・客席一体化公演。
夏の連続上演に気を良くした企業スポンサー「赤坂ビューティーセンター(通称:ABC)」により博品館劇場での再演が決定。初日の前日、客席にお客がいない「ゲネプロ」前の「場あたり」の最中という設定らしい。
abc★よ、またか…の感だが、この時期、赤坂ACTが取れなかったので、代わりにあつらえた感の博品館。これじゃHBC★かもw。今夏に控える大掛かりなabc★への、ツナギのような舞台に思えてしまう^^;。
役者はスタッフを演じたり、出演者を演じたりと二手に分かれ、博品館劇場の舞台上と客席の両方で芝居を進めて行く。
去年の公演を観てた人はニヤリとする雰囲気。舞台『ガラスの仮面』にも似た、リアルさと臨場感というべきか。
開演前からロビーでは劇が始まっており、役になっている南くんや柏さんらのやり取りを目にする。撮影日なので、その模様を撮影する本物のスタッフもいたりw。
出演者15人のうち、前回から同じ役を継いだのが何人か。新しい人が加入し新しい役も登場するが、見知らぬ男優さんもいるので、なかなか劇中の役と俳優名が繋がらず^^;。バラバンにも参加していないから馴染みもないのだ。
Studio Life組の表裏がここで合体。『表』に出ていた作・演出家の愛川役の岩崎大は、特有の立ちスタイルや話し方が気になったが、マジメで柔和な気質が本人と上手く噛み合っていた。『裏』に出ていた照明の早瀬は、仕事ができて頼りになり、相手が誰であろうとすっぱり言い切り観客に快感をもたらす。舟見和利が男らしい職人ぶりを見せ、これぞハマリ役といえよう。二人ともスタジオライフの本公演ではこういう役はやれないから、外部出演でこそ輝ける役どころといえようか。
落ち着いた雰囲気が出た柏木役の斉藤慶太、「天空旅団」仕込み熱血派の利根川役の柏進は、ベテランの風格を醸す役者役でノリにのってる。DAIZOもギターを弾いて澄んだ歌声を聞かせるが、今回は照屋としての役者面での演技がメインかな。三人とも殺陣もしっかり見せていた。
DVD撮影担当の榎木田役の永岡卓也は、今回も観客目線として舞台プロ用語の解説も担当、ひょうひょうとした芝居がイイ。
福山聖二演じるダンスチームの新リーダーの西が、髪型も変えて格好良くなってたw。
佐藤雄一の舞台監督がガッシリとした体格と表情で頼もしく見える。音響の平山佳延がフシギなムードで柔らかくサポート。池田純は「天空旅団」で組んだ先輩に面白く巻き込まれた。
憎まれ役の南圭介はやや演技が硬いかな。西海健二郎は踊りも披露して驚いたが、実際に役者の殺陣指導もされたと知ってビックリ。
大河元気はビジュアル系バンドのボーカリスト役だが、ビジュアルが森久保祥太郎にソックリ(笑)。去年舞台で共演したとはいえ、声も話し方も歌い方もどことなく似ていて、いつか祥ちゃんと双子の役をやれるんじゃないかと思うw。
音楽監督のほうは決着がついたけど、美術監督はどうなったんだろう?
脚本・演出の堤泰之は、こういう大人数でやる舞台を得意としているようだが、病院の裏側よりも舞台の裏側を描くほうが、やっぱり楽しいのだろうか。演出も多方面にわたり大変そうだが、劇中に出てくる演出家の愛川に思い入れが出るのだろうか。
この舞台の作り手に色々と伺いたいものだと思った。
4月の『コントンクラブ image4』にも、堤泰之さんの赤ちゃんの頃の写真が載ってるね。
8月9月は『abc★赤坂ボーイズキャバレー~2回表!~』上演。大くんと仲原くんに、ミカシュンも出る! ほかにも豪華すぎないか!?
元気くんもすっかりケイダッシュ続きになっちゃったw。てか堤泰之さん、すご過ぎる。DCの公演もお願いしますよ。
2010年夏のabc★『表』、abc★『裏』に引き続き、『表裏一体』の舞台・客席一体化公演。
夏の連続上演に気を良くした企業スポンサー「赤坂ビューティーセンター(通称:ABC)」により博品館劇場での再演が決定。初日の前日、客席にお客がいない「ゲネプロ」前の「場あたり」の最中という設定らしい。
abc★よ、またか…の感だが、この時期、赤坂ACTが取れなかったので、代わりにあつらえた感の博品館。これじゃHBC★かもw。今夏に控える大掛かりなabc★への、ツナギのような舞台に思えてしまう^^;。
役者はスタッフを演じたり、出演者を演じたりと二手に分かれ、博品館劇場の舞台上と客席の両方で芝居を進めて行く。
去年の公演を観てた人はニヤリとする雰囲気。舞台『ガラスの仮面』にも似た、リアルさと臨場感というべきか。
開演前からロビーでは劇が始まっており、役になっている南くんや柏さんらのやり取りを目にする。撮影日なので、その模様を撮影する本物のスタッフもいたりw。
出演者15人のうち、前回から同じ役を継いだのが何人か。新しい人が加入し新しい役も登場するが、見知らぬ男優さんもいるので、なかなか劇中の役と俳優名が繋がらず^^;。バラバンにも参加していないから馴染みもないのだ。
Studio Life組の表裏がここで合体。『表』に出ていた作・演出家の愛川役の岩崎大は、特有の立ちスタイルや話し方が気になったが、マジメで柔和な気質が本人と上手く噛み合っていた。『裏』に出ていた照明の早瀬は、仕事ができて頼りになり、相手が誰であろうとすっぱり言い切り観客に快感をもたらす。舟見和利が男らしい職人ぶりを見せ、これぞハマリ役といえよう。二人ともスタジオライフの本公演ではこういう役はやれないから、外部出演でこそ輝ける役どころといえようか。
落ち着いた雰囲気が出た柏木役の斉藤慶太、「天空旅団」仕込み熱血派の利根川役の柏進は、ベテランの風格を醸す役者役でノリにのってる。DAIZOもギターを弾いて澄んだ歌声を聞かせるが、今回は照屋としての役者面での演技がメインかな。三人とも殺陣もしっかり見せていた。
DVD撮影担当の榎木田役の永岡卓也は、今回も観客目線として舞台プロ用語の解説も担当、ひょうひょうとした芝居がイイ。
福山聖二演じるダンスチームの新リーダーの西が、髪型も変えて格好良くなってたw。
佐藤雄一の舞台監督がガッシリとした体格と表情で頼もしく見える。音響の平山佳延がフシギなムードで柔らかくサポート。池田純は「天空旅団」で組んだ先輩に面白く巻き込まれた。
憎まれ役の南圭介はやや演技が硬いかな。西海健二郎は踊りも披露して驚いたが、実際に役者の殺陣指導もされたと知ってビックリ。
大河元気はビジュアル系バンドのボーカリスト役だが、ビジュアルが森久保祥太郎にソックリ(笑)。去年舞台で共演したとはいえ、声も話し方も歌い方もどことなく似ていて、いつか祥ちゃんと双子の役をやれるんじゃないかと思うw。
音楽監督のほうは決着がついたけど、美術監督はどうなったんだろう?
脚本・演出の堤泰之は、こういう大人数でやる舞台を得意としているようだが、病院の裏側よりも舞台の裏側を描くほうが、やっぱり楽しいのだろうか。演出も多方面にわたり大変そうだが、劇中に出てくる演出家の愛川に思い入れが出るのだろうか。
この舞台の作り手に色々と伺いたいものだと思った。
4月の『コントンクラブ image4』にも、堤泰之さんの赤ちゃんの頃の写真が載ってるね。
8月9月は『abc★赤坂ボーイズキャバレー~2回表!~』上演。大くんと仲原くんに、ミカシュンも出る! ほかにも豪華すぎないか!?
元気くんもすっかりケイダッシュ続きになっちゃったw。てか堤泰之さん、すご過ぎる。DCの公演もお願いしますよ。
Studio Life公演 11人いる! Mチーム 東京千秋楽
2011年2月28日 舞台演劇Studio Life公演『11人いる!』Mizar(ミザール)チーム東京千秋楽を観てきた。
平日昼間だからか、ほんの少し空席がある。
これが泣いても笑っても私のラスト! 今公演は、前左、中中、後中、前右と様々な席で観れたが、この舞台は正面から観たほうが断然イイ。
あらためて前日のAlcorチームと雰囲気が全然違う。
個性的だが、遊びが少なく正攻法で、面白味がちょっとないような気がする。
松本慎也@タダより、三上俊@フロルのほうがデカく見えるんだもん! マツシンは公演中で一段と痩せてしまったのか、前に観た時より細く見えた。フロルのほうが手がデカいのがくっきり。腰もフロルのほうが太いハズ。フロルは華奢だとか細っこいとかのセリフに説得力が生まれやしない^^;。やはりこれはキャスティングミスだろう。
ミカシュンは前より化粧が薄めになっていた。可愛らしい声も出せるし、ラストで甘えるところはホントにカワイイ。
でもこの二人のコンビは、Aチームの芳樹&健には及ばない。じゃれ合っていても、どこか2人の間に薄い壁があるようで自然な空気が感じられない。最後は普通にフロルの肩を抱き寄せるだけ。二人の表情はいいが、どこか詰らない気がした。
アマゾンはこちらの堀川剛史のほうが声が太くて逞しくてイイ。でも傷痕が欲しかった。
チャコ&赤鼻&トトは「洋ナシ」ネタでタダと絡むが、ガンガを苦笑させることはない。
ガンガはヌーに手を叩かれるせいか、船戸ガンガがやけに林ヌーに視線を移して意識している様子が見てとれたw。
ウィヌドーの男女をやるのは芳樹さん&及ちゃんで、息ぴったりで美しい。
ボタンを押さないでと懇願するフロルが挙げた名前が「タダ」「王様」「ガンガ」「アマゾン」で、この4人は他の者よりも親しかったと分る。
 ̄
終演後、楽日恒例の役者ひと言ずつ挨拶。司会は曽世海司さん。
サクサクと流れる中、やっぱりこの人から笑いが。青木タダママみさえw、篠田メーテル。及ちゃんも「みさえの子・5歳のタダ」。芳樹さんはこれが本当に最後だが、地方の千秋楽にはひょっとしていくかも(?)。
船戸さんがAとMでは全然違うといい、Aでは自分はデカいと言われるが、Mは大きい人が多いという。すかさず林さんから「Mはメザワリチーム」(笑)。林さんも「両チームで立ち位置を変えていってる」。今回は劇場、特殊メイク、映像と初めて尽くしだったと語り、初日は大変だったが、千秋楽を迎えられて感無量な様子だった。山崎さんからも、ここは劇場として最高かもと褒め言葉。
最後に曽世さんが、平日昼にも関わらずこんなにいっぱい来て頂いたと感謝。今後もスタジオライフの「未来」を応援して下さいとにっこり。次回は倉田が長年あたためてきた『ファントム』だと宣伝も忘れなかった。
カテコは2回! スタオベはなかった。Aチームと同じく、音楽が流れる中、ガンガの「俺たちは、今」から受験生がひと言ずつ発して、みんなで「未来へ!」。手繋ぎのラインナップが綺麗だった。タダとフロルが最後まで手を振ってハケた。
ロビーにはタダとフロル、王様が物販活動。みんな名残惜しそうになかなか帰ろうとしなかった。
Axleのように、キャストを一部変更して、いつかまた再演でもして欲しいな。
Axleの『11人いる!』もダイナミックでライト感覚で良かったが、やはり本家Studio Lifeの『11人いる!』は格が違う。細やかで優しくて、原作ファンをも満足させ感動させてくれた。間違いなく劇団の代表作となるだろう。
平日昼間だからか、ほんの少し空席がある。
これが泣いても笑っても私のラスト! 今公演は、前左、中中、後中、前右と様々な席で観れたが、この舞台は正面から観たほうが断然イイ。
あらためて前日のAlcorチームと雰囲気が全然違う。
個性的だが、遊びが少なく正攻法で、面白味がちょっとないような気がする。
松本慎也@タダより、三上俊@フロルのほうがデカく見えるんだもん! マツシンは公演中で一段と痩せてしまったのか、前に観た時より細く見えた。フロルのほうが手がデカいのがくっきり。腰もフロルのほうが太いハズ。フロルは華奢だとか細っこいとかのセリフに説得力が生まれやしない^^;。やはりこれはキャスティングミスだろう。
ミカシュンは前より化粧が薄めになっていた。可愛らしい声も出せるし、ラストで甘えるところはホントにカワイイ。
でもこの二人のコンビは、Aチームの芳樹&健には及ばない。じゃれ合っていても、どこか2人の間に薄い壁があるようで自然な空気が感じられない。最後は普通にフロルの肩を抱き寄せるだけ。二人の表情はいいが、どこか詰らない気がした。
アマゾンはこちらの堀川剛史のほうが声が太くて逞しくてイイ。でも傷痕が欲しかった。
チャコ&赤鼻&トトは「洋ナシ」ネタでタダと絡むが、ガンガを苦笑させることはない。
ガンガはヌーに手を叩かれるせいか、船戸ガンガがやけに林ヌーに視線を移して意識している様子が見てとれたw。
ウィヌドーの男女をやるのは芳樹さん&及ちゃんで、息ぴったりで美しい。
ボタンを押さないでと懇願するフロルが挙げた名前が「タダ」「王様」「ガンガ」「アマゾン」で、この4人は他の者よりも親しかったと分る。
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終演後、楽日恒例の役者ひと言ずつ挨拶。司会は曽世海司さん。
サクサクと流れる中、やっぱりこの人から笑いが。青木タダママみさえw、篠田メーテル。及ちゃんも「みさえの子・5歳のタダ」。芳樹さんはこれが本当に最後だが、地方の千秋楽にはひょっとしていくかも(?)。
船戸さんがAとMでは全然違うといい、Aでは自分はデカいと言われるが、Mは大きい人が多いという。すかさず林さんから「Mはメザワリチーム」(笑)。林さんも「両チームで立ち位置を変えていってる」。今回は劇場、特殊メイク、映像と初めて尽くしだったと語り、初日は大変だったが、千秋楽を迎えられて感無量な様子だった。山崎さんからも、ここは劇場として最高かもと褒め言葉。
最後に曽世さんが、平日昼にも関わらずこんなにいっぱい来て頂いたと感謝。今後もスタジオライフの「未来」を応援して下さいとにっこり。次回は倉田が長年あたためてきた『ファントム』だと宣伝も忘れなかった。
カテコは2回! スタオベはなかった。Aチームと同じく、音楽が流れる中、ガンガの「俺たちは、今」から受験生がひと言ずつ発して、みんなで「未来へ!」。手繋ぎのラインナップが綺麗だった。タダとフロルが最後まで手を振ってハケた。
ロビーにはタダとフロル、王様が物販活動。みんな名残惜しそうになかなか帰ろうとしなかった。
Axleのように、キャストを一部変更して、いつかまた再演でもして欲しいな。
Axleの『11人いる!』もダイナミックでライト感覚で良かったが、やはり本家Studio Lifeの『11人いる!』は格が違う。細やかで優しくて、原作ファンをも満足させ感動させてくれた。間違いなく劇団の代表作となるだろう。
Studio Life公演 11人いる! Aチーム 東京千秋楽
2011年2月27日 舞台演劇Studio Life公演『11人いる!』Alcor(アルコル)チーム東京千秋楽を観てきた。
さすがにびっしりと満席。
2週間近く来なかったが、グッズの種類が増えていた。
やっぱりAlcorチームのほうが私の好みだ。
Aチームの舞台は原作と同じベクトルにあるようで、昭和の匂いがほのかにしてナチュラルに溶け込める。
特に山本芳樹@タダと及川健@フロルは最高! さすが長年コンビを組んでただけある。頬を叩く時も、メジャーで計る時も、抱きつく時も息ぴったりで、こちらまでほんわかした気分になる。ラストで同じ道を目指すところは、肩をぶつけ合って飛び跳ねていたが、Mチームではこんなことやってなかったよね。楽日の特別かな?
一番のお気に入りは、タダがフロルにプロポーズするシーン。「きっと美人になるよ」「やっぱ熱あるみたい」で、芳樹さんの優しい表情と物言いにジ~ンときて、及ちゃんのお目目クルクルと頬を染めてそっと肩を預けるところにキュ~ンときちゃう(*^。^*)。原作のイメージそのまま、いやそれ以上の深まりや仕合せが感じられて、思わず涙がこぼれてしまった(;_;)。こういうのを感動の涙っていうんだろう。このシーンを思い出す度に、私は幸せな気分に浸れるんだろうな(^^)。
原作にはないような拘りや演出も、舞台を活気づかせ面白くさせる。
フロルの性別ハプニングで出てくる、象の声のようなアフリカ原住民のような音と音楽が愉快。
チャコ&赤鼻&トトのラップ隊が快調、タダを加えたポーズもビシっと決まったw。Mチームはラップじゃないので、チームキャストでアドリブを決めてるんだろう。
ガンガがとにかく口火をきるのが嬉しい。ラストで真ん中に手を置くが、ヌーにビシっと叩かれる音が大きくて毎回ホントに痛そうだw。
ガンガの「俺たちは、今」から始まって、受験生が立ち並んでひと言ずつ発するところは、爽やかな躍動感をもたらす。フロルが「走る」タダが「歩む」と言うのがイイ。全員の「未来へ!」に希望が高まっていく。
 ̄
終演後、楽日恒例の役者ひと言ずつ挨拶。司会は芳樹さん。
船戸さんはやっぱりバシっと叩かれることに、痛かったがだんだん快感になってきたと苦笑。それを受けて林さんは、自分も痛かったが痛くならない方法を見つけたと相変わらずニクい応え。
山崎さんはみんなと一緒に「未来へ」をやれなくて悔しそう。同じく倉本さんも試験官だからやれないと残念そう。倉本さんは萩尾作品に出るのはこの作品が初めてだったとか。
及ちゃんは「長年の相方のよっちんとやれて幸福な一ヶ月でした」と満面の笑み。最後に芳樹さんが劇団の未来を願って熱弁をふるった。
名古屋公演と大阪公演には芳樹さんは「個人的情報…事情で」(笑)出演されない。タダは両チームともマツシンが担当。なおさら、芳樹さん@タダのラストを拝めて良かった。
カテコは3回も! 拍手の多さでMチームより人気だったことを認識。後ろに誰もいなかったので、感極まって私はスタオベ。ぱらぱらとみんな立っていく。最後に芳樹さんの提案で、もう一度「未来へ」のくだりを再現。船戸さんから始まり、受験生がひと言ずつ発して、会場みんなで「未来へ!」。感無量の千秋楽だった。
とってもイイ楽日挨拶だったが、途中で後ろから花束をもったオバサンが登場。通路を降りて行って途中で留まるから、邪魔になって後ろの人は舞台が見えないじゃないか!?(~o~) 関係者でもなさそうだし、場を中座させるとは非常識すぎる。
すべて終了後、出演者の一部がロビーで物販活動。客寄せか。衣装のまま出てこられると、嬉しいけど余韻が冷めちゃう^^;。
明日はMizarチーム楽日。
版権などの都合で、公演のDVD化はなし。残念でならない。でもAxleの『11人いる!』はDVD化されているし、どうしてこっちでは出来ないのだろう? せめてどこかでテレビ放送でもしてくれないものか。
さすがにびっしりと満席。
2週間近く来なかったが、グッズの種類が増えていた。
やっぱりAlcorチームのほうが私の好みだ。
Aチームの舞台は原作と同じベクトルにあるようで、昭和の匂いがほのかにしてナチュラルに溶け込める。
特に山本芳樹@タダと及川健@フロルは最高! さすが長年コンビを組んでただけある。頬を叩く時も、メジャーで計る時も、抱きつく時も息ぴったりで、こちらまでほんわかした気分になる。ラストで同じ道を目指すところは、肩をぶつけ合って飛び跳ねていたが、Mチームではこんなことやってなかったよね。楽日の特別かな?
一番のお気に入りは、タダがフロルにプロポーズするシーン。「きっと美人になるよ」「やっぱ熱あるみたい」で、芳樹さんの優しい表情と物言いにジ~ンときて、及ちゃんのお目目クルクルと頬を染めてそっと肩を預けるところにキュ~ンときちゃう(*^。^*)。原作のイメージそのまま、いやそれ以上の深まりや仕合せが感じられて、思わず涙がこぼれてしまった(;_;)。こういうのを感動の涙っていうんだろう。このシーンを思い出す度に、私は幸せな気分に浸れるんだろうな(^^)。
原作にはないような拘りや演出も、舞台を活気づかせ面白くさせる。
フロルの性別ハプニングで出てくる、象の声のようなアフリカ原住民のような音と音楽が愉快。
チャコ&赤鼻&トトのラップ隊が快調、タダを加えたポーズもビシっと決まったw。Mチームはラップじゃないので、チームキャストでアドリブを決めてるんだろう。
ガンガがとにかく口火をきるのが嬉しい。ラストで真ん中に手を置くが、ヌーにビシっと叩かれる音が大きくて毎回ホントに痛そうだw。
ガンガの「俺たちは、今」から始まって、受験生が立ち並んでひと言ずつ発するところは、爽やかな躍動感をもたらす。フロルが「走る」タダが「歩む」と言うのがイイ。全員の「未来へ!」に希望が高まっていく。
 ̄
終演後、楽日恒例の役者ひと言ずつ挨拶。司会は芳樹さん。
船戸さんはやっぱりバシっと叩かれることに、痛かったがだんだん快感になってきたと苦笑。それを受けて林さんは、自分も痛かったが痛くならない方法を見つけたと相変わらずニクい応え。
山崎さんはみんなと一緒に「未来へ」をやれなくて悔しそう。同じく倉本さんも試験官だからやれないと残念そう。倉本さんは萩尾作品に出るのはこの作品が初めてだったとか。
及ちゃんは「長年の相方のよっちんとやれて幸福な一ヶ月でした」と満面の笑み。最後に芳樹さんが劇団の未来を願って熱弁をふるった。
名古屋公演と大阪公演には芳樹さんは「個人的情報…事情で」(笑)出演されない。タダは両チームともマツシンが担当。なおさら、芳樹さん@タダのラストを拝めて良かった。
カテコは3回も! 拍手の多さでMチームより人気だったことを認識。後ろに誰もいなかったので、感極まって私はスタオベ。ぱらぱらとみんな立っていく。最後に芳樹さんの提案で、もう一度「未来へ」のくだりを再現。船戸さんから始まり、受験生がひと言ずつ発して、会場みんなで「未来へ!」。感無量の千秋楽だった。
とってもイイ楽日挨拶だったが、途中で後ろから花束をもったオバサンが登場。通路を降りて行って途中で留まるから、邪魔になって後ろの人は舞台が見えないじゃないか!?(~o~) 関係者でもなさそうだし、場を中座させるとは非常識すぎる。
すべて終了後、出演者の一部がロビーで物販活動。客寄せか。衣装のまま出てこられると、嬉しいけど余韻が冷めちゃう^^;。
明日はMizarチーム楽日。
版権などの都合で、公演のDVD化はなし。残念でならない。でもAxleの『11人いる!』はDVD化されているし、どうしてこっちでは出来ないのだろう? せめてどこかでテレビ放送でもしてくれないものか。
ミシマダブル わが友ヒットラー
2011年2月25日 舞台演劇ミシマダブル『わが友ヒットラー』を観てきた。
三島由紀夫の代表作『サド侯爵夫人』と対をなす舞台で、蜷川幸雄演出により同俳優とほぼ同セットで交互上演。
『サド』が18世紀フランスを舞台の女性六名の話なら、『ヒットラー』は20世紀ドイツが舞台の男性四名の話。
どちらか一方を観たら、もう一方もどうしても観たくなる。二作品を見比べる楽しみと醍醐味。そういう意味でも成功した舞台だろう。
『サド』と同じく、はじまりは搬入口が見える空っぽの舞台。鏡ばりの壁や家具が運ばれるのは一緒。『サド』と違うのは、窓がバルコニーに代わり、ヒットラーが演説する場所となることだ。それだけでドキドキさせながら、一端下ろされた垂れ幕が開けられてスタート。“赤”がこんなに似合う舞台はない。
ナチスによる極左右粛清の前後。ヒットラー、レーム、シュトラッサー、クルップの思惑が交錯する話。
『サド』と同じく膨大で難解なセリフの洪水と、ぶつかりあう会話の渦に圧倒される。ただ『サド』とは様相がかなり違う。
ドイツ語を意識させる、キレのあるきびきびした言葉の数々。厳粛で硬質的なスーツにネクタイ、軍服に軍帽。まさに“漢”たちの空気がそこにあった。
だが表の見た目と違って、なんとなまめかしく感じられる舞台なのだろう。
『サド』は豪華絢爛な衣装と比べて、会話で表現されるのは男性的ともいえる闘いの激しさ。ところが『ヒットラー』では革命と軍隊という血なまぐさい話題をしながら、彼らの中からは感傷的で情熱的で苦々しい青春のドラマが見え隠れし、不気味な中にも女性的な甘酸っぱさが感じられるのだ。これは男優による男性だけの舞台特有の色気ともいえるだろうか。
ヒットラーに忠誠を誓い盲目的に慕うレームは、彼が世界の全てであり、心底から信頼し愛していたのだろう。レームは親しげにヒットラーに物言い、彼の肩を抱いたり手を握ったりと、一幕はかなり刺激的な演出で、腐女子の心をじっくりと惹き付けるw。
一幕が恋愛モードなら、二幕は浮気モード。ヒットラーはクルップを引き込むが、疑いもしないレームはシュトレッサーからの申し出を断固拒否する。二幕と三幕の間に破局。三幕はあらたな相手を求めるヒットラーの姿だろう。まるでひとつの壮大なラブ・ストーリー(笑)。これが色っぽくないわけがない。
東山紀之は二つの作品で、似て異なる役をやり遂げたといえよう。『サド』では侯爵を盲目的に愛する“貞淑”なルネ夫人が、結局侯爵を裏切る役。『ヒットラー』ではヒットラーに“貞淑”なレームが、結局ヒットラーに裏切られる役。
どちらも真面目で誠実な印象で、情熱的な思いが吹きだすような演じ方だが、レームのほうが武骨で不器用な青年らしさが出ていて似合っていた。軍人らしいビジュアルが美しく格好良いこと。ことに軍帽を目深に被った姿が『アドルフに告ぐ』のアドルフそっくりで、軍帽から現れた金髪にもドッキリさせられた。体の動きや敬礼なども実に軍人らしく、よく研究している。2幕でテーブルを別室に押していく様子に小さなユーモアも感じられた。セリフはやや単調に聞こえたが、演技を超えた凛々しさと楽しさがあった。
生田斗真がヒットラー役と知った時は驚いたが、この複雑で純粋で狂気な“怪物”をよくぞ演じきったなと感心する。一幕では友愛な指導者、二幕では理性的な指令者、三幕では凶暴果敢な独裁者へと、ヒットラーが変身するごとに、生田くんの演技もどんどん摩擦し燃え上がって大きく変貌していくのがスゴイ。一幕の演説のケレン味ある所作も面白かった。正直、生田くんがここまでヤれるとは思わなかった。まるで生田くんが今持つ全てを超越した力を、神がかり的に舞台に発揮されてたようだった。
ただ、髭をつけても軍服を着ても、どうしても若いヒットラーにしか見えなかった。それは声の持つ力強さにも関連している。年齢を埋める作業、ヒットラーの胸底にある醜さや恐怖までは表現できてなかったのが惜しい。
平幹二郎のクルップは武器商人らしい狡猾さと柔軟さが出ていて、セリフの一つ一つが実に分り易く味わい深い。『サド』のモントルイユ夫人と同様、場をかき乱し引き起す役だが、ここでは成功するタイプといえようか。
木場勝己のシュトレッサーは一番民衆の立場にあるのか、誰からも邪険にされる憎まれ役。『サド』と同じく悲劇的だが、もっと無念であったに違いない。木場さんの達者な演技に引き込まれるが、ヒットラーへの嫌悪感とレームへの好感の表現がカギとなるだろうか。
ひたむきにヒットラーを信望するまっすぐで純粋なレーム。
三幕で恐怖政治へとひた走る狂気と野望のヒットラー。
どちらも軍服を着ていたせいか、二人の姿に、割腹自殺を遂げた三島由紀夫本人を重ねそうにもなった。三島氏がどんな性格でどんな人だったのかよくは知らない。だがレームに自己を投影させて「わが友」と呼んだヒットラーも、実は自分のなりたかった影のひとつなのかもしれない。自分を愛したナルシストでなければ書けない劇だったとも思う。
三島由紀夫の代表作『サド侯爵夫人』と対をなす舞台で、蜷川幸雄演出により同俳優とほぼ同セットで交互上演。
『サド』が18世紀フランスを舞台の女性六名の話なら、『ヒットラー』は20世紀ドイツが舞台の男性四名の話。
どちらか一方を観たら、もう一方もどうしても観たくなる。二作品を見比べる楽しみと醍醐味。そういう意味でも成功した舞台だろう。
『サド』と同じく、はじまりは搬入口が見える空っぽの舞台。鏡ばりの壁や家具が運ばれるのは一緒。『サド』と違うのは、窓がバルコニーに代わり、ヒットラーが演説する場所となることだ。それだけでドキドキさせながら、一端下ろされた垂れ幕が開けられてスタート。“赤”がこんなに似合う舞台はない。
ナチスによる極左右粛清の前後。ヒットラー、レーム、シュトラッサー、クルップの思惑が交錯する話。
『サド』と同じく膨大で難解なセリフの洪水と、ぶつかりあう会話の渦に圧倒される。ただ『サド』とは様相がかなり違う。
ドイツ語を意識させる、キレのあるきびきびした言葉の数々。厳粛で硬質的なスーツにネクタイ、軍服に軍帽。まさに“漢”たちの空気がそこにあった。
だが表の見た目と違って、なんとなまめかしく感じられる舞台なのだろう。
『サド』は豪華絢爛な衣装と比べて、会話で表現されるのは男性的ともいえる闘いの激しさ。ところが『ヒットラー』では革命と軍隊という血なまぐさい話題をしながら、彼らの中からは感傷的で情熱的で苦々しい青春のドラマが見え隠れし、不気味な中にも女性的な甘酸っぱさが感じられるのだ。これは男優による男性だけの舞台特有の色気ともいえるだろうか。
ヒットラーに忠誠を誓い盲目的に慕うレームは、彼が世界の全てであり、心底から信頼し愛していたのだろう。レームは親しげにヒットラーに物言い、彼の肩を抱いたり手を握ったりと、一幕はかなり刺激的な演出で、腐女子の心をじっくりと惹き付けるw。
一幕が恋愛モードなら、二幕は浮気モード。ヒットラーはクルップを引き込むが、疑いもしないレームはシュトレッサーからの申し出を断固拒否する。二幕と三幕の間に破局。三幕はあらたな相手を求めるヒットラーの姿だろう。まるでひとつの壮大なラブ・ストーリー(笑)。これが色っぽくないわけがない。
東山紀之は二つの作品で、似て異なる役をやり遂げたといえよう。『サド』では侯爵を盲目的に愛する“貞淑”なルネ夫人が、結局侯爵を裏切る役。『ヒットラー』ではヒットラーに“貞淑”なレームが、結局ヒットラーに裏切られる役。
どちらも真面目で誠実な印象で、情熱的な思いが吹きだすような演じ方だが、レームのほうが武骨で不器用な青年らしさが出ていて似合っていた。軍人らしいビジュアルが美しく格好良いこと。ことに軍帽を目深に被った姿が『アドルフに告ぐ』のアドルフそっくりで、軍帽から現れた金髪にもドッキリさせられた。体の動きや敬礼なども実に軍人らしく、よく研究している。2幕でテーブルを別室に押していく様子に小さなユーモアも感じられた。セリフはやや単調に聞こえたが、演技を超えた凛々しさと楽しさがあった。
生田斗真がヒットラー役と知った時は驚いたが、この複雑で純粋で狂気な“怪物”をよくぞ演じきったなと感心する。一幕では友愛な指導者、二幕では理性的な指令者、三幕では凶暴果敢な独裁者へと、ヒットラーが変身するごとに、生田くんの演技もどんどん摩擦し燃え上がって大きく変貌していくのがスゴイ。一幕の演説のケレン味ある所作も面白かった。正直、生田くんがここまでヤれるとは思わなかった。まるで生田くんが今持つ全てを超越した力を、神がかり的に舞台に発揮されてたようだった。
ただ、髭をつけても軍服を着ても、どうしても若いヒットラーにしか見えなかった。それは声の持つ力強さにも関連している。年齢を埋める作業、ヒットラーの胸底にある醜さや恐怖までは表現できてなかったのが惜しい。
平幹二郎のクルップは武器商人らしい狡猾さと柔軟さが出ていて、セリフの一つ一つが実に分り易く味わい深い。『サド』のモントルイユ夫人と同様、場をかき乱し引き起す役だが、ここでは成功するタイプといえようか。
木場勝己のシュトレッサーは一番民衆の立場にあるのか、誰からも邪険にされる憎まれ役。『サド』と同じく悲劇的だが、もっと無念であったに違いない。木場さんの達者な演技に引き込まれるが、ヒットラーへの嫌悪感とレームへの好感の表現がカギとなるだろうか。
ひたむきにヒットラーを信望するまっすぐで純粋なレーム。
三幕で恐怖政治へとひた走る狂気と野望のヒットラー。
どちらも軍服を着ていたせいか、二人の姿に、割腹自殺を遂げた三島由紀夫本人を重ねそうにもなった。三島氏がどんな性格でどんな人だったのかよくは知らない。だがレームに自己を投影させて「わが友」と呼んだヒットラーも、実は自分のなりたかった影のひとつなのかもしれない。自分を愛したナルシストでなければ書けない劇だったとも思う。
舞台 ろくでなし啄木
2011年2月24日 舞台演劇舞台『ろくでなし啄木』を観てきた。
1月の芸術劇場のほうが良かったが、先にこちらのチケットを取ってしまったから仕方ない。
三谷幸喜生誕50周年大感謝祭のSTAGE第1弾。
27歳で夭折した天才歌人・石川啄木をモデルに描いたオリジナル・ストーリー。
東北の鄙びた温泉宿に泊まる、若い男二人と若い女ひとり。石川一という男のある思惑の筋書きによって、三人の長い夜の幕が開ける。
石川啄木がまだ「ぴんちゃん」「はじめさん」と呼ばれていた頃。才能はあっても思うように稼げず、借金を山と抱えながら女のヒモのような生活で、世を拗ねる反動から花街で遊ぶ、自堕落な日々をおくっていた時の石川一。一には既に妻子がおり凾館に残してきたが、そのへんの事情は周りは知らないという設定らしい。
三者三様の視点で、三人其々が旅館の出来事を語っていきながら、ひとつの真実を追究していく、一種の推理ミステリー仕立て。『名探偵コナン』が浮かびそうな様相だが、三谷さんお得意の手法。
三人が言ってることは同じようで微妙に異なる。同じ場面を三度も見せられるが、その再現が凝っている。映像なら巻き戻し再生で済むが、舞台では同じことを役者が三度もやって見せる。ご丁寧に早送りやポーズボタンを使うのでw、役者は素早く移動したり、脚を投げ出したままヘンな顔のままで動作を止めなければならない。廊下を隔てた二室の設定なので、対角線方向から場が展開する俯瞰的要素もあり、観客は何度見せられても飽きるどころか、頭を活性化できて面白い。
藤原竜也&中村勘太郎というと、大河ドラマ『新選組!』の沖田総司と藤堂平助だが、ここでも一人の女をめぐり二人は気の置けない好敵手の関係だ。同じくドラマに出ていた吹石一恵は、この二人の男に翻弄され、気持ちを試され、散々な謎に包まれる。
“エロティック・サスペンス”という触れこみだが、三人とも爽やかな色気で、あまりイヤらしく感じさせないのがミソ。むしろ男女間の肌の触れ合いより、男&男の緊張感が伴う掛け合いのほうがよっぽど奇妙なセクシーさを醸すw。
テツ役の中村勘太郎を初めて観たが、物語中で様々に変化して、味のある痛快な役者さんだ。ふんどし一丁で体当たりの演技から、観客の前でスーツに早着替えで忽ち男前に変身。髭まで書いちゃうw。お笑いからコメディ、シリアスからダンディまで、声や動きや表情をくるくる変化させ、柔らかくキレのある身のこなしで、客席を忽ち惹き付けて席巻する。真面目にやってても笑いがあり、コミカルにやってても深みがある。
歌舞伎など長年の経験の為せる芸や技なのだろう。この話の立役者はまさに彼、勘太郎さんあればこその舞台だったと思う。
初舞台だというトミ役の吹石一恵は、綺麗すぎずあでやかすぎず、中庸で清純で柔軟な存在感がいい味を出している。スポンジが水を吸い込むように、芸達者なお二人に囲まれ刺激を受けて、おそらく彼女自身も気づかなかった、新しい魅力や演技の幅が出ているようだ。舞台も後半だし、彼女自身がやっていて楽しんでいる気持ちが、余裕と共に感じ取れる。
藤原竜也の石川一は、最後まで掴みどころがない、ファンタジーのような存在だった。
悪ふざけやイタズラを繰り返す前半は、いいかげんで気分屋で理屈っぽくて、そのくせ誇り高くて強情で、まるでドグラ星バカ王子(@レベルE)ソックリw。竜也さんが畳みに突っ伏したり脚をバタバタさせる仕草がやんちゃで可愛く、まさに大きな子どもw、とてもイメージした啄木さんとは重ならない。
一の説明は、二幕の中盤からだが、歳月の経ったテツとトミをからかいながら、その表情は寂しく切なさが滲む。袴姿で切々と劇的に言葉を紡いでいくが、文学青年の香りはすれど、生活臭の匂いがしないのは何故だろう。
序盤と中盤に現れた、傘をさし黒い合羽を被った一の姿が象徴的で美しい。言葉は語らずとも、竜也さんの思いのすべてがその立ち姿に詰ってるようだ。
二人を騙すつもりが、逆に自分を騙そうとするのが許せない一。自分は筋書きにおいて、彼らより優位に立っていなければならないのだ。だが一の完璧な筋書きで見落としていたのは、登場人物たちの心だった。彼らの「優しさ」が一に欠落していたのだ。
徹底的な敗北感を味わった後、朝の陽の光の中で、一は己の無知に気づく。己の「ろくでなし」ぶりを自覚し、生まれ変わったというべきか。どん底の闇から、まぶしい光へ。一を突き落とした友人たちこそが、最大の恩人だったのかもしれない。
一の頑なな心を温かく包み導いたのが、降り注ぐ朝の光だったというのが、ちょっぴり説得力に欠けるだろうか。もうひと押し、前半部で朝陽の布石があると分り易いし、彼を晴れ晴れとした笑顔にさせる何かがが欲しい。
切羽詰った悲壮感や人生の嘆きが、竜也さんからあまり伝わらなかったのが惜しい。一の妻の存在にももう少し言及されていたら、リアル感が出せただろう。
「ひとにぎり」ではない『一握の砂』。一が握っていた友人との関係が、砂のように流れてしまったと悔やむ話に思えてくる舞台だった。啄木の遺言に従わず、彼の死後公になった『ローマ字日記』は、案外、妻の優しい復讐なのかもしれないw。
休憩含めて2時間45分。もし映像化されたら、啄木の妻・節子をこっそり登場させて欲しいと思う。
1月の芸術劇場のほうが良かったが、先にこちらのチケットを取ってしまったから仕方ない。
三谷幸喜生誕50周年大感謝祭のSTAGE第1弾。
27歳で夭折した天才歌人・石川啄木をモデルに描いたオリジナル・ストーリー。
東北の鄙びた温泉宿に泊まる、若い男二人と若い女ひとり。石川一という男のある思惑の筋書きによって、三人の長い夜の幕が開ける。
石川啄木がまだ「ぴんちゃん」「はじめさん」と呼ばれていた頃。才能はあっても思うように稼げず、借金を山と抱えながら女のヒモのような生活で、世を拗ねる反動から花街で遊ぶ、自堕落な日々をおくっていた時の石川一。一には既に妻子がおり凾館に残してきたが、そのへんの事情は周りは知らないという設定らしい。
三者三様の視点で、三人其々が旅館の出来事を語っていきながら、ひとつの真実を追究していく、一種の推理ミステリー仕立て。『名探偵コナン』が浮かびそうな様相だが、三谷さんお得意の手法。
三人が言ってることは同じようで微妙に異なる。同じ場面を三度も見せられるが、その再現が凝っている。映像なら巻き戻し再生で済むが、舞台では同じことを役者が三度もやって見せる。ご丁寧に早送りやポーズボタンを使うのでw、役者は素早く移動したり、脚を投げ出したままヘンな顔のままで動作を止めなければならない。廊下を隔てた二室の設定なので、対角線方向から場が展開する俯瞰的要素もあり、観客は何度見せられても飽きるどころか、頭を活性化できて面白い。
藤原竜也&中村勘太郎というと、大河ドラマ『新選組!』の沖田総司と藤堂平助だが、ここでも一人の女をめぐり二人は気の置けない好敵手の関係だ。同じくドラマに出ていた吹石一恵は、この二人の男に翻弄され、気持ちを試され、散々な謎に包まれる。
“エロティック・サスペンス”という触れこみだが、三人とも爽やかな色気で、あまりイヤらしく感じさせないのがミソ。むしろ男女間の肌の触れ合いより、男&男の緊張感が伴う掛け合いのほうがよっぽど奇妙なセクシーさを醸すw。
テツ役の中村勘太郎を初めて観たが、物語中で様々に変化して、味のある痛快な役者さんだ。ふんどし一丁で体当たりの演技から、観客の前でスーツに早着替えで忽ち男前に変身。髭まで書いちゃうw。お笑いからコメディ、シリアスからダンディまで、声や動きや表情をくるくる変化させ、柔らかくキレのある身のこなしで、客席を忽ち惹き付けて席巻する。真面目にやってても笑いがあり、コミカルにやってても深みがある。
歌舞伎など長年の経験の為せる芸や技なのだろう。この話の立役者はまさに彼、勘太郎さんあればこその舞台だったと思う。
初舞台だというトミ役の吹石一恵は、綺麗すぎずあでやかすぎず、中庸で清純で柔軟な存在感がいい味を出している。スポンジが水を吸い込むように、芸達者なお二人に囲まれ刺激を受けて、おそらく彼女自身も気づかなかった、新しい魅力や演技の幅が出ているようだ。舞台も後半だし、彼女自身がやっていて楽しんでいる気持ちが、余裕と共に感じ取れる。
藤原竜也の石川一は、最後まで掴みどころがない、ファンタジーのような存在だった。
悪ふざけやイタズラを繰り返す前半は、いいかげんで気分屋で理屈っぽくて、そのくせ誇り高くて強情で、まるでドグラ星バカ王子(@レベルE)ソックリw。竜也さんが畳みに突っ伏したり脚をバタバタさせる仕草がやんちゃで可愛く、まさに大きな子どもw、とてもイメージした啄木さんとは重ならない。
一の説明は、二幕の中盤からだが、歳月の経ったテツとトミをからかいながら、その表情は寂しく切なさが滲む。袴姿で切々と劇的に言葉を紡いでいくが、文学青年の香りはすれど、生活臭の匂いがしないのは何故だろう。
序盤と中盤に現れた、傘をさし黒い合羽を被った一の姿が象徴的で美しい。言葉は語らずとも、竜也さんの思いのすべてがその立ち姿に詰ってるようだ。
二人を騙すつもりが、逆に自分を騙そうとするのが許せない一。自分は筋書きにおいて、彼らより優位に立っていなければならないのだ。だが一の完璧な筋書きで見落としていたのは、登場人物たちの心だった。彼らの「優しさ」が一に欠落していたのだ。
徹底的な敗北感を味わった後、朝の陽の光の中で、一は己の無知に気づく。己の「ろくでなし」ぶりを自覚し、生まれ変わったというべきか。どん底の闇から、まぶしい光へ。一を突き落とした友人たちこそが、最大の恩人だったのかもしれない。
一の頑なな心を温かく包み導いたのが、降り注ぐ朝の光だったというのが、ちょっぴり説得力に欠けるだろうか。もうひと押し、前半部で朝陽の布石があると分り易いし、彼を晴れ晴れとした笑顔にさせる何かがが欲しい。
切羽詰った悲壮感や人生の嘆きが、竜也さんからあまり伝わらなかったのが惜しい。一の妻の存在にももう少し言及されていたら、リアル感が出せただろう。
「ひとにぎり」ではない『一握の砂』。一が握っていた友人との関係が、砂のように流れてしまったと悔やむ話に思えてくる舞台だった。啄木の遺言に従わず、彼の死後公になった『ローマ字日記』は、案外、妻の優しい復讐なのかもしれないw。
休憩含めて2時間45分。もし映像化されたら、啄木の妻・節子をこっそり登場させて欲しいと思う。
ミシマダブル サド侯爵夫人
2011年2月23日 舞台演劇ミシマダブル『サド侯爵夫人』を観てきた。
「ミシマダブル」と銘打った、蜷川幸雄演出の舞台。
故・三島由紀夫自身が「同じ俳優、同じセット」の上演を希望した2本の戯曲『サド侯爵夫人』と『わが友ヒットラー』を交互に上演しているひとつ。
当初は『ヒットラー』だけを観ようとしたが、どうせならということでこちらも観劇。どちらも
チケットを取るのが大変だった。
最初は空洞の舞台で、駐車場が見えるだけ。車の傍にいる人達は、自分たちが多勢の観客に見られているのを気づいているのだろうか、とふと思う。明らかにこれから観るのは、虚構のフィクションだと提示される。何しろ様々な“怪物”たちが出てくる、怪物物語でもあるのだからw。
それにしても、壁や家具や窓を運び込むスタッフの手際よさ、セットの合理的な出来栄えには感心する。窓枠から見える駐車場を隠して、赤い幕をいったん閉めて、さぁスタート。美しい劇世界はこんな簡単に出来上がるのだ。
残虐かつ淫乱なサド侯爵を庇い愛し続ける妻のルネ。彼女の家族や貴族夫人たちが、不在の男を其々の感想で語っていく。
女装した男優六人によって濃密に繰り広げられる、ボリュームたっぷりの3時間芝居。休憩2回の3幕劇で、原作量にしては長く感じたが、芝居としてはそうでもない。それだけ観客を舞台に集中させる引力があるといえよう。
メイクも衣装もバッチリで、あでやかに見える男優たちが、殆ど動かずに地声で、女性視点の物語を語っていくのが面白い。
セリフや場に拍子木を多用し、リズムやアクセント付けにもなるが、歌舞伎のような圧縮された雰囲気とも重なっていく。
膨大で長いセリフの洪水は圧巻。華麗な装いと優雅なオブラートで包めども、口から出る言葉の応酬は、壮絶な取っ組み合いの喧嘩のようだ。
特にルネと母・モントルイユとの母娘、ルネとアンヌの姉妹が徐々にさく裂するサマは、身につまされる部分もあって、笑いさえこみ上げる。
其々が自分の考えや思いを語る中で、どんどん高揚感が増し、自分の言葉に陶酔していくような表情になっていく。もはや彼女たちの言葉は、それ自体が美しく奏でる音楽、華やかに回るダンスの様相で、闘い狂ってるようだ。
舞台正面の席だったので恵まれた。役者たちは殆ど正面を真っ直ぐ見据えてセリフを喋るので、表情も声もはっきり分る。
平幹二郎のモントルイユ夫人の存在感が凄まじい。セリフ一つ一つに人を惹き付ける力強さと情感がある。凛とした目に射られると、そむけることができない迫力がある。他の人達が喋っていても、ソファに腰掛けて手を動かす母親につい目が向いてしまう。母親の立場としても、共鳴するものがあった。この舞台での一番の主役は、平さんではないだろうか。
サン・フォン伯爵夫人の木場勝己は、見た目は中年オカマで太い声だが、コケティッシュで自由奔放な悪女ぶりに味がある。説得力ある毒舌とよどみないセリフにどんどん引き込まれ、凄まじい熱気にあてられた。
シミアーヌ男爵夫人の大石継太は、前半は従順な柔らかさが好かったが、後半は似た職業柄か『ムサシ』の坊さんとソックリな印象w。
シャルロットの岡田正は、フランスというよりアメリカにいそうな家政婦ぶり。
アンヌの生田斗真は、純真可憐な色合いで、見た目がとっても可愛かった。2幕3幕と徐々に可愛子ぶりっこが薄れ、セリフに不安感が覗くが、若さと情熱で乗り切った感じ。
ルネの東山紀之は、ほっそりと色っぽくてヴィジュアル的に申し分なく美しい。クールな表情や柔らかな笑顔も魅力があり、刺繍を縫う手つきも丁寧で所作も綺麗。ただセリフが加速し興奮度が増すと、どうしても棒読みな苦味が出る。
サド侯爵が“悪の怪物”、侯爵夫人が“貞淑の怪物”なら、モントルイユ夫人はさしずめ“保身の怪物”で、アンヌは“仕合せの怪物”だろうか。人はみんな自分の心に“怪物”を飼ってるのかもしれない。
ただ、革命後に世間の常識が一変し秩序が崩壊してからは、そんな怪物さえ特異なものではなくなってしまった。人の心はそうそう変わらないものだが、世の状況によって手の平を返したように変わるものもいる。変わってしまった心を受け入れられない心は、はたして罪なのだろうか。
ルネが夫・アルフォンスを語る時の様子は、『千年女優』と似た、自己陶酔と純粋無垢の空気が感じられる。
「だってあたし、あの人を想い続けているあたしがすきなんだもの」
時と共に夢の住人でなくなった者は、現世とおさらばするしかないのかもしれない。
三島由紀夫さんと今敏さん。お二人とも、普通の人より数周も早く走り続け、偉大なものを残してくれたが、40代半ばで逝き急いでしまった。
「ミシマダブル」と銘打った、蜷川幸雄演出の舞台。
故・三島由紀夫自身が「同じ俳優、同じセット」の上演を希望した2本の戯曲『サド侯爵夫人』と『わが友ヒットラー』を交互に上演しているひとつ。
当初は『ヒットラー』だけを観ようとしたが、どうせならということでこちらも観劇。どちらも
チケットを取るのが大変だった。
最初は空洞の舞台で、駐車場が見えるだけ。車の傍にいる人達は、自分たちが多勢の観客に見られているのを気づいているのだろうか、とふと思う。明らかにこれから観るのは、虚構のフィクションだと提示される。何しろ様々な“怪物”たちが出てくる、怪物物語でもあるのだからw。
それにしても、壁や家具や窓を運び込むスタッフの手際よさ、セットの合理的な出来栄えには感心する。窓枠から見える駐車場を隠して、赤い幕をいったん閉めて、さぁスタート。美しい劇世界はこんな簡単に出来上がるのだ。
残虐かつ淫乱なサド侯爵を庇い愛し続ける妻のルネ。彼女の家族や貴族夫人たちが、不在の男を其々の感想で語っていく。
女装した男優六人によって濃密に繰り広げられる、ボリュームたっぷりの3時間芝居。休憩2回の3幕劇で、原作量にしては長く感じたが、芝居としてはそうでもない。それだけ観客を舞台に集中させる引力があるといえよう。
メイクも衣装もバッチリで、あでやかに見える男優たちが、殆ど動かずに地声で、女性視点の物語を語っていくのが面白い。
セリフや場に拍子木を多用し、リズムやアクセント付けにもなるが、歌舞伎のような圧縮された雰囲気とも重なっていく。
膨大で長いセリフの洪水は圧巻。華麗な装いと優雅なオブラートで包めども、口から出る言葉の応酬は、壮絶な取っ組み合いの喧嘩のようだ。
特にルネと母・モントルイユとの母娘、ルネとアンヌの姉妹が徐々にさく裂するサマは、身につまされる部分もあって、笑いさえこみ上げる。
其々が自分の考えや思いを語る中で、どんどん高揚感が増し、自分の言葉に陶酔していくような表情になっていく。もはや彼女たちの言葉は、それ自体が美しく奏でる音楽、華やかに回るダンスの様相で、闘い狂ってるようだ。
舞台正面の席だったので恵まれた。役者たちは殆ど正面を真っ直ぐ見据えてセリフを喋るので、表情も声もはっきり分る。
平幹二郎のモントルイユ夫人の存在感が凄まじい。セリフ一つ一つに人を惹き付ける力強さと情感がある。凛とした目に射られると、そむけることができない迫力がある。他の人達が喋っていても、ソファに腰掛けて手を動かす母親につい目が向いてしまう。母親の立場としても、共鳴するものがあった。この舞台での一番の主役は、平さんではないだろうか。
サン・フォン伯爵夫人の木場勝己は、見た目は中年オカマで太い声だが、コケティッシュで自由奔放な悪女ぶりに味がある。説得力ある毒舌とよどみないセリフにどんどん引き込まれ、凄まじい熱気にあてられた。
シミアーヌ男爵夫人の大石継太は、前半は従順な柔らかさが好かったが、後半は似た職業柄か『ムサシ』の坊さんとソックリな印象w。
シャルロットの岡田正は、フランスというよりアメリカにいそうな家政婦ぶり。
アンヌの生田斗真は、純真可憐な色合いで、見た目がとっても可愛かった。2幕3幕と徐々に可愛子ぶりっこが薄れ、セリフに不安感が覗くが、若さと情熱で乗り切った感じ。
ルネの東山紀之は、ほっそりと色っぽくてヴィジュアル的に申し分なく美しい。クールな表情や柔らかな笑顔も魅力があり、刺繍を縫う手つきも丁寧で所作も綺麗。ただセリフが加速し興奮度が増すと、どうしても棒読みな苦味が出る。
サド侯爵が“悪の怪物”、侯爵夫人が“貞淑の怪物”なら、モントルイユ夫人はさしずめ“保身の怪物”で、アンヌは“仕合せの怪物”だろうか。人はみんな自分の心に“怪物”を飼ってるのかもしれない。
ただ、革命後に世間の常識が一変し秩序が崩壊してからは、そんな怪物さえ特異なものではなくなってしまった。人の心はそうそう変わらないものだが、世の状況によって手の平を返したように変わるものもいる。変わってしまった心を受け入れられない心は、はたして罪なのだろうか。
ルネが夫・アルフォンスを語る時の様子は、『千年女優』と似た、自己陶酔と純粋無垢の空気が感じられる。
「だってあたし、あの人を想い続けているあたしがすきなんだもの」
時と共に夢の住人でなくなった者は、現世とおさらばするしかないのかもしれない。
三島由紀夫さんと今敏さん。お二人とも、普通の人より数周も早く走り続け、偉大なものを残してくれたが、40代半ばで逝き急いでしまった。
ルドビコ★plus 花咲ける青少年 第2部
2011年2月22日 舞台演劇ルドビコ★plus+ vol.2異空間ステージ『花咲ける青少年~The Budding Beauty in The Oriental Blue Wind~』を観てきた。
樹なつみの原作でアニメ化もされた漫画の舞台化。
昨年9月に上演された舞台の第2弾。全4部作ということを今年になって知ったw。
今回は再演+続編で1.5バージョン。前半は第1部とは違った切り口でアレンジされたダイジェスト版だが、一部キャストも変更されて新鮮な感もあり、初見の人でも分り易い作りになっている。
花鹿の夫候補となるルマティ、ユージィン、カールが出揃うが、物語はラギネイ王国の行方に焦点。花鹿、ルマティ、立人たちも王国の争いに巻き込まれていく。
キャラクターにぴったりのキャストを新たに起用し、ネオロマめいた華やかでオリエンタルな衣装がステキ。
今回は映像を多用し、照明にもキラキラ感をアップ。時間場所のテロップは速過ぎて捉え難いが^^;、バルコニーセットやサイド花道を使うことで、スピーディにまとめた演出になっている。
ストーリー上お遊び部分は少ないとはいえ、キャストの笑いのネタも仕込まれ、アクション活劇あり歌ありと盛りだくさん。恋と友情を軸に青春を生き生きと描いた、エンタメ舞台だったといえよう。
登場人物が多いのは分るが、総勢27名のキャスト陣は多い。設定や場面的に兼ね役も充分やれるし、人数的にも纏まるかと思う。ひとり頭の出番は当然少なくなるので、キャストファンにとっては物足りなさ感がある。
花鹿@AKIRAは背がまた伸びた感があり、中性的で活発な声と動作が生き生きと頼もしい。
続投メンバーは総じて安定。立人@久保田悠来、ユージィン@広瀬友祐、ノエイ@寿里は背があるので特に華がある。特に立人はピタっとした衣装でうんと細身に見えた。
寅之介@栃原楽人、曹@高山猛久は、存在感を出しながらお笑い担当。特に曹はブッキーな笑いが変態っぽいw。
クインザ@林修司、セズン@矢吹卓也は布で表情がいまいち見えない。子安さんの印象が強いのか、後半のクインザの言い方に違和感があった。
脚本・演出を担当した桜木さやかのナジェイラは、さすがに見せ所を心得ている。
新参入組は出番的に惜しい。エディ@北代高士、ハリー@水谷あつしはイメージ通りだが、なんせ出番が少ないこと^^;。同じ理由で続投のイップユン@中村龍介も再演分のみ。とにかく勿体無い使われ方だ^^;。
ルマティ@篠谷聖は、滑舌や演技的に不安が残るが、若々しさの中に苦悩や凛々しさを織り込んで、王子様らしい王子を好演。大河元気くんよりも見た目はルマティに合ってるかもしれない。
ソマンド@鈴木拡樹が、情感と狂気を演じ分け、アニメ以上の存在感で思ったよりも良かった。
カール@古原靖久は、華麗で知的なスマートさが足りなくて、御曹司にはちょっと見えないのが難か^^;。
ルマティは花鹿といるより、立人といたほうが生き生きと楽しそうに見える(テニミュの因縁なのかw)。後半の立人は、ルマティを冷静に諭すなど熱が入ったセリフが好かったが、その後で花鹿に何度も裾を捲られてイジられたりと、様々な表情や態度を見せて面白い。男らしさと可愛さが同居した、久保田くんの魅力バクハツといったところw。
2幕の後は、すぐにカーテンコールショー。今回のローズバージョンでは、セズンを筆頭にみんな其々にショートの歌とダンス、またはプチ芝居を披露。イップユンのアクロバットダンスに歓声。ノエイとクインザの殺陣はさすがカッケー。ソマンドとルマティの兄弟ソングもイイ。ハリーの薔薇一輪が西郷輝彦バリで渋セクシーv。
カテコショー最後の「Love buds forever」曲中、日替わり挨拶はセゾン。恒例の花びら降らせは、ステージと客席前方のみ。キャストが後ろまで来て花びらを降るのはなくなったみたい^^;。曲が終わっても、ポケットにしのばせていた花びらを何度も降らせてる立人がお茶目。ハケるまで立人とユージィンがやり合ってたw。
終了後は出口で平日限定のポストカード。
ロビーの物販の呼び込みの声が、開演前も休憩中も異常なほど凄くてウンザリ^^;。今回もパンフのみ買い。明日以降のチケット売りの声も凄かった。思ったほどグッズもチケットも売れてないようだ^_^;。
第3部は7月上演予定。最後までお付き合いしようと思う。
 ̄ ̄ ̄
NZクライストチャーチの地震報道。近くに住んでいる友人からのメールでは、幸い影響も少なく余震があるのみで家族は大丈夫とのこと。地震の後は何故か雨…の言葉に不気味なものを感じた。
樹なつみの原作でアニメ化もされた漫画の舞台化。
昨年9月に上演された舞台の第2弾。全4部作ということを今年になって知ったw。
今回は再演+続編で1.5バージョン。前半は第1部とは違った切り口でアレンジされたダイジェスト版だが、一部キャストも変更されて新鮮な感もあり、初見の人でも分り易い作りになっている。
花鹿の夫候補となるルマティ、ユージィン、カールが出揃うが、物語はラギネイ王国の行方に焦点。花鹿、ルマティ、立人たちも王国の争いに巻き込まれていく。
キャラクターにぴったりのキャストを新たに起用し、ネオロマめいた華やかでオリエンタルな衣装がステキ。
今回は映像を多用し、照明にもキラキラ感をアップ。時間場所のテロップは速過ぎて捉え難いが^^;、バルコニーセットやサイド花道を使うことで、スピーディにまとめた演出になっている。
ストーリー上お遊び部分は少ないとはいえ、キャストの笑いのネタも仕込まれ、アクション活劇あり歌ありと盛りだくさん。恋と友情を軸に青春を生き生きと描いた、エンタメ舞台だったといえよう。
登場人物が多いのは分るが、総勢27名のキャスト陣は多い。設定や場面的に兼ね役も充分やれるし、人数的にも纏まるかと思う。ひとり頭の出番は当然少なくなるので、キャストファンにとっては物足りなさ感がある。
花鹿@AKIRAは背がまた伸びた感があり、中性的で活発な声と動作が生き生きと頼もしい。
続投メンバーは総じて安定。立人@久保田悠来、ユージィン@広瀬友祐、ノエイ@寿里は背があるので特に華がある。特に立人はピタっとした衣装でうんと細身に見えた。
寅之介@栃原楽人、曹@高山猛久は、存在感を出しながらお笑い担当。特に曹はブッキーな笑いが変態っぽいw。
クインザ@林修司、セズン@矢吹卓也は布で表情がいまいち見えない。子安さんの印象が強いのか、後半のクインザの言い方に違和感があった。
脚本・演出を担当した桜木さやかのナジェイラは、さすがに見せ所を心得ている。
新参入組は出番的に惜しい。エディ@北代高士、ハリー@水谷あつしはイメージ通りだが、なんせ出番が少ないこと^^;。同じ理由で続投のイップユン@中村龍介も再演分のみ。とにかく勿体無い使われ方だ^^;。
ルマティ@篠谷聖は、滑舌や演技的に不安が残るが、若々しさの中に苦悩や凛々しさを織り込んで、王子様らしい王子を好演。大河元気くんよりも見た目はルマティに合ってるかもしれない。
ソマンド@鈴木拡樹が、情感と狂気を演じ分け、アニメ以上の存在感で思ったよりも良かった。
カール@古原靖久は、華麗で知的なスマートさが足りなくて、御曹司にはちょっと見えないのが難か^^;。
ルマティは花鹿といるより、立人といたほうが生き生きと楽しそうに見える(テニミュの因縁なのかw)。後半の立人は、ルマティを冷静に諭すなど熱が入ったセリフが好かったが、その後で花鹿に何度も裾を捲られてイジられたりと、様々な表情や態度を見せて面白い。男らしさと可愛さが同居した、久保田くんの魅力バクハツといったところw。
2幕の後は、すぐにカーテンコールショー。今回のローズバージョンでは、セズンを筆頭にみんな其々にショートの歌とダンス、またはプチ芝居を披露。イップユンのアクロバットダンスに歓声。ノエイとクインザの殺陣はさすがカッケー。ソマンドとルマティの兄弟ソングもイイ。ハリーの薔薇一輪が西郷輝彦バリで渋セクシーv。
カテコショー最後の「Love buds forever」曲中、日替わり挨拶はセゾン。恒例の花びら降らせは、ステージと客席前方のみ。キャストが後ろまで来て花びらを降るのはなくなったみたい^^;。曲が終わっても、ポケットにしのばせていた花びらを何度も降らせてる立人がお茶目。ハケるまで立人とユージィンがやり合ってたw。
終了後は出口で平日限定のポストカード。
ロビーの物販の呼び込みの声が、開演前も休憩中も異常なほど凄くてウンザリ^^;。今回もパンフのみ買い。明日以降のチケット売りの声も凄かった。思ったほどグッズもチケットも売れてないようだ^_^;。
第3部は7月上演予定。最後までお付き合いしようと思う。
 ̄ ̄ ̄
NZクライストチャーチの地震報道。近くに住んでいる友人からのメールでは、幸い影響も少なく余震があるのみで家族は大丈夫とのこと。地震の後は何故か雨…の言葉に不気味なものを感じた。
TAKE IT EASY!×末満健一2011 舞台版『千年女優』を観てきた。
2009年の初演は未見だが、めでたく再演となり、その東京公演の最終日にやっと間に合った。
公式からチケット予約したが、前方の観易い席をあてがってくれて感謝。
昨年8月に逝去された今敏監督のアニメ映画『千年女優』の舞台化。初演時、今監督もブログで絶賛され、今でも読むことができる。
パンフは今監督との対談も入った“今敏”特集を呈した読み応え。アニメファンも必見かも。その中の【千代子讃江】を客席で読んでたら、開演前からもう涙目になってしまった(;_;)。まだ始まってもないのにw。この現象は昨年末の舞台『蒼穹のファフナー』とソックリ。同じ劇場というのも因縁か。アニメを観て、舞台版を観て、アニメにさらにハマる。そんな繰り返しも運命、そんな生活もまた楽し。
かつてのスター女優・藤原千代子が、二人のインタビュアーに自分の人生を語る。これまでの主演映画を立体的に振り返りながら、再会の約束と彼の人の“鍵”を携え、運命の愛しい人をひたむきに追いかけていく千代子。あたかも千年の時空を超えるように、走り続ける彼女を待っているものは…。
アニメのストーリーにとても忠実で、様々なアレンジが加えられ、アニメの雰囲気を膨らませている。むしろアニメでは曖昧模糊とした分り難かった部分や堅苦しさが、煙から抜き取られたようにクリアになって、リラックスした満足感を味わえた。アニメを見知っている人ほど、アニメのカットと重ねながら、予想外の笑いが起きそうだ。
5人の女優が200人もの登場人物を演じるが、メインはおおよそ決まっていても、5人の役柄を入れ子のようにどんどん変えていく“入れ子キャスティング”がウリ。ステージには5人の千代子、5人の“鍵の君”がいるという具合で、5人の所作と声が共鳴し合い響き渡り、それがまた作品の世界観やテーマにマッチするから面白い。「作品によって全く別の顔に変えていく。それが女優」と開き直られては、こちらも納得して観るしかないw。
帽子・眼鏡・手袋・スティック・マフラーの小物を入れ替え、観るほうにも分るような仕掛けになっている。5人の中では、立花役の清水かおりのハスキーな声と所作が好み。井田役の山根千佳の軽妙な表情と動きが愉快。
オリジナルの音楽に台詞やシーンをぴたりと合わせる、精密で情緒的な身体の動きと表現力に感心する。運動量や集中力も並大抵のものではないだろう。カップやカギを取る細かいマイムや、馬やバイクに乗るダイナミックなアクションなど、丹念な表現も充実している。
絞った布に囲まれた何もない円形舞台に、数個の椅子を使うだけで、様々な空間と場面を作り出
す抽象的ステージ。スタッフワークがまた素晴らしい。鮮やかで幻想的な照明と、小島塁のさりげない音響マジック効果の賜物だろう。
さらに、目の前の登場人物からこれは「列車」「空襲」と言われてしまえば、笑いと共にそう見えるからフシギなものだ。
今敏監督作品のモチーフといえば「走る女」。舞台上で生身の千代子が懸命に走る姿に、思わずホロっと涙がこぼれた(;_;)。二次元ではなく、立体的なのが嬉しい。千代子が走る様子は、昨日観たアクサルのムサシが走るサマとソックリなのもオツw。最近街中で走ってばかりの自分の姿とも重なって、走る千代子がとてもいじらしく思えた。
やがて千代子は円形に走っていく。回るように流れるように。たくさんの千代子も走る走る。ぐるぐるといつまでも。輪廻転生というテーマと共に、私が今まで観てきた様々な作品を、この舞台で一気に振り返るような思いにかられた。
関東大震災と共に生まれてきた千代子。『美しきものの伝説』はその時代で終わり、満州へと繋がっていく話。戦国時代に江戸時代、新撰組に明治初期。様々な敵を相手に、派手な殺陣や立ち回り、蹴りを入れたり馬に乗ったり。色んな舞台で色んな活劇を目にして、彼らの身体と共鳴していく。キーとなる「指切り」まで出てきて、ついこの間の『最遊記外伝』が浮かんでしまうw。のびのびと動き回る千代子が羨ましいというより、千代子をやれる女優さんたちを羨ましく思った。
「TAKE IT EASY!」は関西の劇団なので、途中のしっちゃかめっちゃかぶりとお遊びには、Axleと似たような空気を感じるw。関西アクセントの喋りもミソ。リクエストによる役のシャッフルとはまた大胆。全ての役を演じ切れなくてはやれない作業だが、それが作品世界とリンクされるから面白味を増す。
疾走感と躍動感の中で、千代子という女優の人生を、音楽と共に身体ごと駆け抜けていったような舞台。女優たちの動きに魅入り、物語世界に引きずり込まれたような気分。女性目線の舞台だからか、アニメよりも千代子の想いが迫ってくるようで、泣いて笑った濃密な時間であった。
「だってあたし、舞台をみて泣き笑いしてるあたしがすきなんだもの」とつい言いたくなりそうw。女はみんな、女優であるのかもしれない。自分を好きにならなければ生きられない。自分に酔えなければ「あした」を生きていけない。
昨日の『黄金仮面』の更に上をいく、緻密に練り上げた演劇らしい演劇。演劇を超えたエンターテイメントといっていいだろう。アニメを観ていない人も、いつの間にか舞台の魔力にハマってしまう。舞台の後にアニメで確認するのも楽しそうだ。
アニメと殆ど同じ上演時間なのもオツ。終了後、劇団のリーダーなのか山根千佳さんの進行で、東京楽日の役者挨拶。皆さん汗をいっぱいかいて、感極まって涙を流している方も。
終演後、5分休憩をはさんでダンス・パフォーマンス。白い衣装から黒いスーツに着替えた5人が、千年女優の世界を創造する。
終演後ロビーでは、女優さん3人がパンフにサインのサービス。メッセージも書いて下さり、再演や次の舞台も観たくなった。
2009年の初演は未見だが、めでたく再演となり、その東京公演の最終日にやっと間に合った。
公式からチケット予約したが、前方の観易い席をあてがってくれて感謝。
昨年8月に逝去された今敏監督のアニメ映画『千年女優』の舞台化。初演時、今監督もブログで絶賛され、今でも読むことができる。
パンフは今監督との対談も入った“今敏”特集を呈した読み応え。アニメファンも必見かも。その中の【千代子讃江】を客席で読んでたら、開演前からもう涙目になってしまった(;_;)。まだ始まってもないのにw。この現象は昨年末の舞台『蒼穹のファフナー』とソックリ。同じ劇場というのも因縁か。アニメを観て、舞台版を観て、アニメにさらにハマる。そんな繰り返しも運命、そんな生活もまた楽し。
かつてのスター女優・藤原千代子が、二人のインタビュアーに自分の人生を語る。これまでの主演映画を立体的に振り返りながら、再会の約束と彼の人の“鍵”を携え、運命の愛しい人をひたむきに追いかけていく千代子。あたかも千年の時空を超えるように、走り続ける彼女を待っているものは…。
アニメのストーリーにとても忠実で、様々なアレンジが加えられ、アニメの雰囲気を膨らませている。むしろアニメでは曖昧模糊とした分り難かった部分や堅苦しさが、煙から抜き取られたようにクリアになって、リラックスした満足感を味わえた。アニメを見知っている人ほど、アニメのカットと重ねながら、予想外の笑いが起きそうだ。
5人の女優が200人もの登場人物を演じるが、メインはおおよそ決まっていても、5人の役柄を入れ子のようにどんどん変えていく“入れ子キャスティング”がウリ。ステージには5人の千代子、5人の“鍵の君”がいるという具合で、5人の所作と声が共鳴し合い響き渡り、それがまた作品の世界観やテーマにマッチするから面白い。「作品によって全く別の顔に変えていく。それが女優」と開き直られては、こちらも納得して観るしかないw。
帽子・眼鏡・手袋・スティック・マフラーの小物を入れ替え、観るほうにも分るような仕掛けになっている。5人の中では、立花役の清水かおりのハスキーな声と所作が好み。井田役の山根千佳の軽妙な表情と動きが愉快。
オリジナルの音楽に台詞やシーンをぴたりと合わせる、精密で情緒的な身体の動きと表現力に感心する。運動量や集中力も並大抵のものではないだろう。カップやカギを取る細かいマイムや、馬やバイクに乗るダイナミックなアクションなど、丹念な表現も充実している。
絞った布に囲まれた何もない円形舞台に、数個の椅子を使うだけで、様々な空間と場面を作り出
す抽象的ステージ。スタッフワークがまた素晴らしい。鮮やかで幻想的な照明と、小島塁のさりげない音響マジック効果の賜物だろう。
さらに、目の前の登場人物からこれは「列車」「空襲」と言われてしまえば、笑いと共にそう見えるからフシギなものだ。
今敏監督作品のモチーフといえば「走る女」。舞台上で生身の千代子が懸命に走る姿に、思わずホロっと涙がこぼれた(;_;)。二次元ではなく、立体的なのが嬉しい。千代子が走る様子は、昨日観たアクサルのムサシが走るサマとソックリなのもオツw。最近街中で走ってばかりの自分の姿とも重なって、走る千代子がとてもいじらしく思えた。
やがて千代子は円形に走っていく。回るように流れるように。たくさんの千代子も走る走る。ぐるぐるといつまでも。輪廻転生というテーマと共に、私が今まで観てきた様々な作品を、この舞台で一気に振り返るような思いにかられた。
関東大震災と共に生まれてきた千代子。『美しきものの伝説』はその時代で終わり、満州へと繋がっていく話。戦国時代に江戸時代、新撰組に明治初期。様々な敵を相手に、派手な殺陣や立ち回り、蹴りを入れたり馬に乗ったり。色んな舞台で色んな活劇を目にして、彼らの身体と共鳴していく。キーとなる「指切り」まで出てきて、ついこの間の『最遊記外伝』が浮かんでしまうw。のびのびと動き回る千代子が羨ましいというより、千代子をやれる女優さんたちを羨ましく思った。
「TAKE IT EASY!」は関西の劇団なので、途中のしっちゃかめっちゃかぶりとお遊びには、Axleと似たような空気を感じるw。関西アクセントの喋りもミソ。リクエストによる役のシャッフルとはまた大胆。全ての役を演じ切れなくてはやれない作業だが、それが作品世界とリンクされるから面白味を増す。
疾走感と躍動感の中で、千代子という女優の人生を、音楽と共に身体ごと駆け抜けていったような舞台。女優たちの動きに魅入り、物語世界に引きずり込まれたような気分。女性目線の舞台だからか、アニメよりも千代子の想いが迫ってくるようで、泣いて笑った濃密な時間であった。
「だってあたし、舞台をみて泣き笑いしてるあたしがすきなんだもの」とつい言いたくなりそうw。女はみんな、女優であるのかもしれない。自分を好きにならなければ生きられない。自分に酔えなければ「あした」を生きていけない。
昨日の『黄金仮面』の更に上をいく、緻密に練り上げた演劇らしい演劇。演劇を超えたエンターテイメントといっていいだろう。アニメを観ていない人も、いつの間にか舞台の魔力にハマってしまう。舞台の後にアニメで確認するのも楽しそうだ。
アニメと殆ど同じ上演時間なのもオツ。終了後、劇団のリーダーなのか山根千佳さんの進行で、東京楽日の役者挨拶。皆さん汗をいっぱいかいて、感極まって涙を流している方も。
終演後、5分休憩をはさんでダンス・パフォーマンス。白い衣装から黒いスーツに着替えた5人が、千年女優の世界を創造する。
終演後ロビーでは、女優さん3人がパンフにサインのサービス。メッセージも書いて下さり、再演や次の舞台も観たくなった。
*pnish*プロデュース 黄金仮面 東京千秋楽
2011年2月20日 舞台演劇*pnish*プロデュース『黄金仮面』東京千秋楽を観てきた。
この時期なぜか観たい舞台が重なり、千秋楽まで重なって困る。
金曜は有楽町→渋谷、土曜は新宿→池袋、日曜は渋谷→新宿と、圏内で移動ばかり^^;。
こちらももう千秋楽。木曜の一回目は上手前方で、推理する明智さんの視線を感じたり、縛られる明智さんの熱が伝わったりと、それなりに美味しい気分を味わった。
今回は6列目の中ブロックとステージが観易い。ちなみにこの劇場、5列目から段差がある。
小西遼生の明智小五郎は、観れば観るほどハマっていてカッコイー(*^。^*)。立ち姿が凛々しくて、冷淡と柔和が混在したクラシックな表情がまた良い。甘辛い声もよくマッチ。あの帽子をクルクルさせてスっと被る仕草が、洒落ててスマートでステキ。あれは練習でもしたのかな。
劇中、日本人の命に拘らない敵に対し、腹を立てた明智が「ちっくしょう!」と怒鳴るところが、何だか新鮮で奇妙で、明智には似合わない言い回しだが、明智遼生としては面白いと思っちゃうw。殴られて気を失う明智とか、縛られたまま憎まれ口をたたく明智とか、弱い明智をいっぱい観れたのも遼生さんなら許せそうw。女をお姫様抱っこするとこはさすがに大変そうに見えたが、もう少し軽々とした感じになるといいかな。
鷲尾昇の波越警部は、出てくる度に声が大きく目立ち、場を和ませ明るくさせるが、終わってみると存在感がいまひとつ薄い。もう少し実質的な活躍が欲しかったところ。
佐藤永典は、膨大な量の語りや説明セリフをひとりで喋り、舞台で一番出番が多かった。今回は危うげなところもあったが、噛んだのは一ヶ所のみ。小林少年として明智の前に出る場面もいい雰囲気を出していた。演出で惜しいのは、令嬢になった時にショールの一枚でも引っ掛けてくれれば、もっとらしさが出たのではと思う。
井上優は冷淡かつ情感ある声が雰囲気にマッチ。「目下、恋愛中なのだよ」のセリフに笑う。あの衣装は重そうで暑そうで夏場は着たくないが、スーアクの気分は味わえそうだ。でも素顔は最後までさらして欲しくなかったな。
寺崎裕香が演じた女は、愛に溺れて周りが見えなくなった人間なので共感はできないが、愛らしいく健気に映るので良かったと思う。
塚本淳也は太い体と大きな声で明瞭な存在。赤澤燈は茶髪なので目立つが、甘い声にもっとメリハリが欲しい。平井浩基は顔がまだ幼いが、柔軟についていく。菅野勇城は手馴れた芝居で、平井くんと差をつける。
松野太紀は芸達者で、ワッシーとの絡みが愉快。皆さんと一緒に立ち並ぶと、背の低さが目立ってしまう^^;。
椅子や机を組み合わせ、小物や衣装で場面や雰囲気を作り出す、シンプルな中に難しさもある舞台。昔風の新聞や額縁、プロペラの扱いが面白かった。銃やナイフが登場する度に、ヒヤヒヤさせられるのは勘弁。
銃音にもビクつくが、爆発の音響がもの凄く、地鳴りめいたものまで感じた。闇や炎のライト、左右を交互に当てるなど、照明効果もなかなか面白い。
終演後は千秋楽の役者挨拶。たった10人で仕上げた舞台で、少なさにあらためて驚かされる。
先ほどのアクションからか、寺崎さんのドレスの先がほつれていた。金沢公演まで直してね。
最後に遼生さんの要望で、共演者皆さんといつも言っていた合言葉「演劇ってホントにいいですね」を、会場のみんなで言う。ホントに、演劇らしい演劇だった。
20日は小西遼生さんの29歳のお誕生日。おめでとうございま~す!
挨拶の最後に、ワッシーかどなたからかの指摘があって、みんなでお祝いの歌でも唄ったり、ケーキでも出てきたりするかな~?と期待してたが、全く話題にも上らず、拍手のみで終了して少々ガッカリ^^;。一応舞台の主役だし千秋楽だし、誰か少~し気を利かせて盛り上げてくれても良かったのではないだろか。
アンケには遼生さんへお誕生日祝いのメッセージを書いておいた。もし今後江戸川乱歩シリーズの公演がある時は、ハマリ役の明智探偵を続投して欲しいと思う。
この時期なぜか観たい舞台が重なり、千秋楽まで重なって困る。
金曜は有楽町→渋谷、土曜は新宿→池袋、日曜は渋谷→新宿と、圏内で移動ばかり^^;。
こちらももう千秋楽。木曜の一回目は上手前方で、推理する明智さんの視線を感じたり、縛られる明智さんの熱が伝わったりと、それなりに美味しい気分を味わった。
今回は6列目の中ブロックとステージが観易い。ちなみにこの劇場、5列目から段差がある。
小西遼生の明智小五郎は、観れば観るほどハマっていてカッコイー(*^。^*)。立ち姿が凛々しくて、冷淡と柔和が混在したクラシックな表情がまた良い。甘辛い声もよくマッチ。あの帽子をクルクルさせてスっと被る仕草が、洒落ててスマートでステキ。あれは練習でもしたのかな。
劇中、日本人の命に拘らない敵に対し、腹を立てた明智が「ちっくしょう!」と怒鳴るところが、何だか新鮮で奇妙で、明智には似合わない言い回しだが、明智遼生としては面白いと思っちゃうw。殴られて気を失う明智とか、縛られたまま憎まれ口をたたく明智とか、弱い明智をいっぱい観れたのも遼生さんなら許せそうw。女をお姫様抱っこするとこはさすがに大変そうに見えたが、もう少し軽々とした感じになるといいかな。
鷲尾昇の波越警部は、出てくる度に声が大きく目立ち、場を和ませ明るくさせるが、終わってみると存在感がいまひとつ薄い。もう少し実質的な活躍が欲しかったところ。
佐藤永典は、膨大な量の語りや説明セリフをひとりで喋り、舞台で一番出番が多かった。今回は危うげなところもあったが、噛んだのは一ヶ所のみ。小林少年として明智の前に出る場面もいい雰囲気を出していた。演出で惜しいのは、令嬢になった時にショールの一枚でも引っ掛けてくれれば、もっとらしさが出たのではと思う。
井上優は冷淡かつ情感ある声が雰囲気にマッチ。「目下、恋愛中なのだよ」のセリフに笑う。あの衣装は重そうで暑そうで夏場は着たくないが、スーアクの気分は味わえそうだ。でも素顔は最後までさらして欲しくなかったな。
寺崎裕香が演じた女は、愛に溺れて周りが見えなくなった人間なので共感はできないが、愛らしいく健気に映るので良かったと思う。
塚本淳也は太い体と大きな声で明瞭な存在。赤澤燈は茶髪なので目立つが、甘い声にもっとメリハリが欲しい。平井浩基は顔がまだ幼いが、柔軟についていく。菅野勇城は手馴れた芝居で、平井くんと差をつける。
松野太紀は芸達者で、ワッシーとの絡みが愉快。皆さんと一緒に立ち並ぶと、背の低さが目立ってしまう^^;。
椅子や机を組み合わせ、小物や衣装で場面や雰囲気を作り出す、シンプルな中に難しさもある舞台。昔風の新聞や額縁、プロペラの扱いが面白かった。銃やナイフが登場する度に、ヒヤヒヤさせられるのは勘弁。
銃音にもビクつくが、爆発の音響がもの凄く、地鳴りめいたものまで感じた。闇や炎のライト、左右を交互に当てるなど、照明効果もなかなか面白い。
終演後は千秋楽の役者挨拶。たった10人で仕上げた舞台で、少なさにあらためて驚かされる。
先ほどのアクションからか、寺崎さんのドレスの先がほつれていた。金沢公演まで直してね。
最後に遼生さんの要望で、共演者皆さんといつも言っていた合言葉「演劇ってホントにいいですね」を、会場のみんなで言う。ホントに、演劇らしい演劇だった。
20日は小西遼生さんの29歳のお誕生日。おめでとうございま~す!
挨拶の最後に、ワッシーかどなたからかの指摘があって、みんなでお祝いの歌でも唄ったり、ケーキでも出てきたりするかな~?と期待してたが、全く話題にも上らず、拍手のみで終了して少々ガッカリ^^;。一応舞台の主役だし千秋楽だし、誰か少~し気を利かせて盛り上げてくれても良かったのではないだろか。
アンケには遼生さんへお誕生日祝いのメッセージを書いておいた。もし今後江戸川乱歩シリーズの公演がある時は、ハマリ役の明智探偵を続投して欲しいと思う。
Axle公演 贋作、宮本武蔵 東京千秋楽
2011年2月20日 舞台演劇Axle(アクサル)第12回公演『贋作、宮本武蔵』東京千秋楽を観てきた。
ついこの間、始まったと思ったら、もう千秋楽。本家の大阪もあるからね。
今日は取っていただいた7列目。ちなみにこの劇場、8列目から段差があり、ステージ中央が坂となっているのは有り難いが、坂の下で演技されるとちょっと見難い。
昨夜の『最遊記外伝』の余韻を引き摺って、芝居のあちこちを見る度に『最遊記』を重ねてしまうw。さすが舞台『最遊記』でインスパイアされた作り。衣装もヘアメイクも最遊記っぽいし、殺陣もアクションも最遊記ソックリ。錫杖や数珠も出てくるし、六道となるとあの話も思い出しちゃう。何たって主人公ムサシが、悟空そっくりの天真爛漫さで強いくせに、漢字も読めないバカ猿なんだもん!(^o^) 尤も、ムサシが懸命に走る様子は舞台『PEACE MAKER』を彷彿とさせるw。
でも今回の舞台は、いつもの熱心なアクサル仲間さんにはイマイチ不評だったようだ^^;。メインは客演の若手に移り、レギュラーメンバーが脇を固めて出番的にも少なかったからか。ラストの結末に腑に落ちないものを感じたからか。
アクサルメンバーは今でも熱く活動的に動くが、若手と同じ舞台に立つと、どうしてもメインを盛り立てて支える抑え役に見えてしまう。アクサルも人数が減り、そろそろ新しい血を入れる時期になってきたのだろうか。
アクサルメンバーはもちろんだが、今回の若手はしっかり身体を鍛えていて惚れ惚れしそうだ。
林明寛や桑野晃輔は、中堅と比べても背が高く、腕や脚の筋肉がスゴイ。だからあんなに動けて走れて立ち回れる。経林がムサシをオンブする場面や、ムサシが経林をオンブしたまま走る場面があるが、どれも筋力がないとできないだろう。
鳥越裕貴はあどけない可愛い顔をしているのに、黒スーツに身を包んだ体には筋肉がついていて、そのギャップに驚かされた。だからあんな長くて重そうな十文字槍を軽々と振るえるのだ。
パンフにも載ってたが、多種多様な武器の扱いが面白かった。柄谷吾史はまさに二刀流、大筆から長剣が飛び出し、流れるような動きで華麗に冷酷に鋭く斬る。テニミュのリョーマ父のバレエのアクションにも似てたかな。
田中照人の刀はダイナミックでバタ臭い。古川貴生の龍笛の両端に刀を仕込んで不気味。山本健史の十文字槍、武原広幸の鎖鎌も大きな動きで、体が大きくないとムリ。
一番難しそうなのが、加藤巨樹のバスタードソード。『SAMURAI7』でも使われてたが、後ろ手から長い剣を取り出すのも収めるのも一苦労、柔軟な身体とタイミングが必要だ。細身の体にまたでっかい剣が似合うもんだv。
林くんの木刀は太刀筋がしっかり分り、エセ刀と違って打たれたら痛そう。郷本直也のフェンシングは格好から決めなければならん。
二度目の観劇だと、色々なキーワードが浮かんでくる。源義経と武蔵坊弁慶、父と息子、母と弟子、血のつながる者と血のつながらない者、後継者と継承者、殺人剣と活人剣。「十三歳」がポイントかな。十代の者たちの残酷で切ない青春譜でもあった。
観れば観るほど、奥深いものが見えてくる、よく練られた舞台だと気づくだろう。
終演後は千秋楽恒例、田中さんの進行で役者皆さんの挨拶。立ち並んだ皆さんは汗びっしょり。
最後に、後ろ手通路から降りてステージに上がったのが、我らが吉谷光太郎さん。何と小次郎風の衣装で、後ろ手のソードを取ろうとするも引き抜けずw。加藤さんみたいに、そう上手くはいかん。御礼を述べ、次回のイベントについて告知、ロビー物販の宣伝もして終了した。
今回からは紙アンケートはなし。PCか携帯で送る方式がちょっと味気ない。
ロビーには、武原さん、斉藤崇さん、飯泉学さんが衣装のままおいでに。吉谷さんもいらしたのでご挨拶し握手、金曜夜の時の顔を覚えていてくれたのかな。
次はアクサルも参加する3月のPLAY PARK。VIP席なのでラクに観劇できそう。
昨夜の上映会イベントでご一緒したIさんとも話したが、アクサルによる『最遊記外伝』の舞台を作って欲しい。版権の問題もあろうが、そこは吉谷さん達に何とかしていただいてw。
キャストは『最遊記』と同じく、金蝉は三蔵だった柄谷さん、捲簾は悟浄だった郷本さんで、天蓬はダレがいいだろう? 背が足りないけどクールな加藤さんか、眼鏡が似合いそうな山本さんか。悟空はもう、林くんでいいじゃん!(^o^)
ついこの間、始まったと思ったら、もう千秋楽。本家の大阪もあるからね。
今日は取っていただいた7列目。ちなみにこの劇場、8列目から段差があり、ステージ中央が坂となっているのは有り難いが、坂の下で演技されるとちょっと見難い。
昨夜の『最遊記外伝』の余韻を引き摺って、芝居のあちこちを見る度に『最遊記』を重ねてしまうw。さすが舞台『最遊記』でインスパイアされた作り。衣装もヘアメイクも最遊記っぽいし、殺陣もアクションも最遊記ソックリ。錫杖や数珠も出てくるし、六道となるとあの話も思い出しちゃう。何たって主人公ムサシが、悟空そっくりの天真爛漫さで強いくせに、漢字も読めないバカ猿なんだもん!(^o^) 尤も、ムサシが懸命に走る様子は舞台『PEACE MAKER』を彷彿とさせるw。
でも今回の舞台は、いつもの熱心なアクサル仲間さんにはイマイチ不評だったようだ^^;。メインは客演の若手に移り、レギュラーメンバーが脇を固めて出番的にも少なかったからか。ラストの結末に腑に落ちないものを感じたからか。
アクサルメンバーは今でも熱く活動的に動くが、若手と同じ舞台に立つと、どうしてもメインを盛り立てて支える抑え役に見えてしまう。アクサルも人数が減り、そろそろ新しい血を入れる時期になってきたのだろうか。
アクサルメンバーはもちろんだが、今回の若手はしっかり身体を鍛えていて惚れ惚れしそうだ。
林明寛や桑野晃輔は、中堅と比べても背が高く、腕や脚の筋肉がスゴイ。だからあんなに動けて走れて立ち回れる。経林がムサシをオンブする場面や、ムサシが経林をオンブしたまま走る場面があるが、どれも筋力がないとできないだろう。
鳥越裕貴はあどけない可愛い顔をしているのに、黒スーツに身を包んだ体には筋肉がついていて、そのギャップに驚かされた。だからあんな長くて重そうな十文字槍を軽々と振るえるのだ。
パンフにも載ってたが、多種多様な武器の扱いが面白かった。柄谷吾史はまさに二刀流、大筆から長剣が飛び出し、流れるような動きで華麗に冷酷に鋭く斬る。テニミュのリョーマ父のバレエのアクションにも似てたかな。
田中照人の刀はダイナミックでバタ臭い。古川貴生の龍笛の両端に刀を仕込んで不気味。山本健史の十文字槍、武原広幸の鎖鎌も大きな動きで、体が大きくないとムリ。
一番難しそうなのが、加藤巨樹のバスタードソード。『SAMURAI7』でも使われてたが、後ろ手から長い剣を取り出すのも収めるのも一苦労、柔軟な身体とタイミングが必要だ。細身の体にまたでっかい剣が似合うもんだv。
林くんの木刀は太刀筋がしっかり分り、エセ刀と違って打たれたら痛そう。郷本直也のフェンシングは格好から決めなければならん。
二度目の観劇だと、色々なキーワードが浮かんでくる。源義経と武蔵坊弁慶、父と息子、母と弟子、血のつながる者と血のつながらない者、後継者と継承者、殺人剣と活人剣。「十三歳」がポイントかな。十代の者たちの残酷で切ない青春譜でもあった。
観れば観るほど、奥深いものが見えてくる、よく練られた舞台だと気づくだろう。
終演後は千秋楽恒例、田中さんの進行で役者皆さんの挨拶。立ち並んだ皆さんは汗びっしょり。
最後に、後ろ手通路から降りてステージに上がったのが、我らが吉谷光太郎さん。何と小次郎風の衣装で、後ろ手のソードを取ろうとするも引き抜けずw。加藤さんみたいに、そう上手くはいかん。御礼を述べ、次回のイベントについて告知、ロビー物販の宣伝もして終了した。
今回からは紙アンケートはなし。PCか携帯で送る方式がちょっと味気ない。
ロビーには、武原さん、斉藤崇さん、飯泉学さんが衣装のままおいでに。吉谷さんもいらしたのでご挨拶し握手、金曜夜の時の顔を覚えていてくれたのかな。
次はアクサルも参加する3月のPLAY PARK。VIP席なのでラクに観劇できそう。
昨夜の上映会イベントでご一緒したIさんとも話したが、アクサルによる『最遊記外伝』の舞台を作って欲しい。版権の問題もあろうが、そこは吉谷さん達に何とかしていただいてw。
キャストは『最遊記』と同じく、金蝉は三蔵だった柄谷さん、捲簾は悟浄だった郷本さんで、天蓬はダレがいいだろう? 背が足りないけどクールな加藤さんか、眼鏡が似合いそうな山本さんか。悟空はもう、林くんでいいじゃん!(^o^)
文学座公演 美しきものの伝説
2011年2月19日 舞台演劇文学座公演『美しきものの伝説』を観てきた。
去年年末に蜷川氏の演出で観たばかりの戯曲だが、元は宮本研氏が文学座に書き下ろした、いわば本家本元の作品である。
『美しきものの伝説』を観るのは3回目になるが、話も登場人物も把握しているので、さすがにしっかり集中できて分り易かった。セリフや場の緻密さをようやく知り、細部に至るまで張り巡らされた絡み。思った以上に笑いを誘う場面、計算され尽くした言葉。
観れば観るほど、心にズシンとくるような、味わい深い作品であった。一度、この戯曲を実際に読んでみたい思いにかられた。
蜷川氏の鮮烈な演出とは違い、こちらは真っ当な正攻法で力強くぶつけてくる。
客席前列をつぶして舞台とし、奥行きのある世界を密接に提供。最前列席だったのもラッキー。場の転換では、暗闇のバックを背に、場ごとのキーマンがこちらを向いて語りを入れる。三方の舞台空間と比べ、こちらのほうに言葉を発するから、声や音が聴き取り易いだけでなく、言葉の持つ説得性が増して理解し易くなる。私にはやはりこういう普通のステージのほうが好ましい。
出演者は若い役者ばかりだが、場数を踏んだ確かな実力者であることは明白。彼らの熱を帯びた言葉の数々は魅惑的で、うっすら光る汗に青春の逞しさを思わせ、人物をより生々しく膨らませる。
演劇と政治、俳優と観客、政治家と民衆の関係が、普遍的で対立的なものだということをつくづく感じさせた。
観れば観るほど、新しい味に気づき、様々な形で満腹感と空腹感を味わえる作品。いつかまた別のところで同じ作品を観る機会に恵まれたらと願う。観る人のその時の状況、時代やブームによって、感じ入ることも違ってくるだろう。
「死ぬほど生きた人たち」は、民衆の憧れと望みが創造させたヒーローたち。漫画やアニメや特撮では目にするが、リアルな中では存在できないものだと思う。
去年年末に蜷川氏の演出で観たばかりの戯曲だが、元は宮本研氏が文学座に書き下ろした、いわば本家本元の作品である。
『美しきものの伝説』を観るのは3回目になるが、話も登場人物も把握しているので、さすがにしっかり集中できて分り易かった。セリフや場の緻密さをようやく知り、細部に至るまで張り巡らされた絡み。思った以上に笑いを誘う場面、計算され尽くした言葉。
観れば観るほど、心にズシンとくるような、味わい深い作品であった。一度、この戯曲を実際に読んでみたい思いにかられた。
蜷川氏の鮮烈な演出とは違い、こちらは真っ当な正攻法で力強くぶつけてくる。
客席前列をつぶして舞台とし、奥行きのある世界を密接に提供。最前列席だったのもラッキー。場の転換では、暗闇のバックを背に、場ごとのキーマンがこちらを向いて語りを入れる。三方の舞台空間と比べ、こちらのほうに言葉を発するから、声や音が聴き取り易いだけでなく、言葉の持つ説得性が増して理解し易くなる。私にはやはりこういう普通のステージのほうが好ましい。
出演者は若い役者ばかりだが、場数を踏んだ確かな実力者であることは明白。彼らの熱を帯びた言葉の数々は魅惑的で、うっすら光る汗に青春の逞しさを思わせ、人物をより生々しく膨らませる。
演劇と政治、俳優と観客、政治家と民衆の関係が、普遍的で対立的なものだということをつくづく感じさせた。
観れば観るほど、新しい味に気づき、様々な形で満腹感と空腹感を味わえる作品。いつかまた別のところで同じ作品を観る機会に恵まれたらと願う。観る人のその時の状況、時代やブームによって、感じ入ることも違ってくるだろう。
「死ぬほど生きた人たち」は、民衆の憧れと望みが創造させたヒーローたち。漫画やアニメや特撮では目にするが、リアルな中では存在できないものだと思う。
Axle公演 贋作、宮本武蔵 初日
2011年2月18日 舞台演劇Axle(アクサル)第12回公演『贋作、宮本武蔵』初日を観てきた。
アクサル初の伝承ホール。途中にあるアニメイトには当然立ち寄るw。
一人の絵師が、六道衆に語っていく、剣客「宮本武蔵」の知られざる真相の物語。
脚本・演出の吉谷光太郎が、六年前の第四回公演『最遊記』でインスパイアされ、伝聞されている史実を基に、アクサル流で作り出した英雄譚。
宮本武蔵の壮絶な生き様を通して、今回もひたむきな「生」をテーマに描き出す。
アクサル・メンバー6人に、『八犬伝』などでも共演した客演陣が多数参加。特に若手ゲストをメインに据えて、今回は今までとは様相が変わった、より新鮮で躍動感溢れるエネルギッシュな舞台を構築している。
登場人物が多く、一人で何役も兼ねるが、複数のキャラが奇妙に絡み合うのがポイント。関係性をおさえ、複雑な物語絵巻に集中する必要がある。生き生きしたセリフの中に重要なキィや言葉が入っているのにも気を配りたい。
“贋作”なだけに、ぶっ飛んだ設定や話が興味深い。武蔵が実は二人いたとか、小次郎と清十郎が将棋をさしたとか…。何が虚実か分らないから、もしやという想像力を刺激させる。
臨場感ある最前列だったが、立ち回り中に刀が飛んできたり、ラストの紙吹雪がこちらにまで舞ってきたりと、ハプニングもまた楽しい。
贋作師の柄谷吾史は、筋肉質の大柄な体格で場を締めて圧倒的な存在感。間近で観ると、やはり逞しく格好良いことv。殺陣や立ち回りも流れるようで力強い。挑むような達観するような目力や表情も魅力的だ。劇中の回想で子どもになるが、思いっきり可愛い声を見せて笑わせた。後半にかけて隠し玉があるので、深みのある柄さんを満喫できそうだ。
六道の中では、天道の古川貴生がキーマンとなって操り楽しげな役どころ。山本健史、武原広幸も様々な役で激しく動く。田中照人は厳しさの中に笑いあり。
佐々木小次郎の加藤巨樹はシリアスとコミカルにメリハリがあり魅力的。十三歳としては可愛らしく、剣士としては妖しくクール。奔放な吉岡清十郎の郷本直也との将棋対決は、ホントにやっていたのだとかw。
若手の活躍が目覚しい。宮本武蔵の林明寛は、自由快活な悪餓鬼っぷりをのびのびと熱演。経林の桑野晃輔とのコンビも息ぴったり。二人とも軽快な動きと着実な芝居で、中堅との調和をはかる。宝蔵院の鳥越裕貴との掛け合いも見どころだ。
山田諒、飯泉学、斉藤崇などの顔ぶれにも安心する。
“宮本武蔵”という名前に翻弄され踊らされ、運命を狂わされた人たち。所詮、宮本武蔵は一人だけのものだった。
無情刹那の俗世を思い、漢の執念と生き様を感じさせる、切なくも凄まじい作品だった。
終演後、古川さん、山本さん、加藤さんが衣装のままロビーで物販宣伝。其々にご挨拶。加藤さんからあれこれお話を伺った。
吉谷さんも販売中の脚本を宣伝。ご挨拶してサインと握手をいただいた。5月の東京のイベントにもぜひ参加したいな。
次の観劇はもう東京千秋楽。
来週は大阪公演だが、東京公演が4回きりは短すぎる。
アクサル初の伝承ホール。途中にあるアニメイトには当然立ち寄るw。
一人の絵師が、六道衆に語っていく、剣客「宮本武蔵」の知られざる真相の物語。
脚本・演出の吉谷光太郎が、六年前の第四回公演『最遊記』でインスパイアされ、伝聞されている史実を基に、アクサル流で作り出した英雄譚。
宮本武蔵の壮絶な生き様を通して、今回もひたむきな「生」をテーマに描き出す。
アクサル・メンバー6人に、『八犬伝』などでも共演した客演陣が多数参加。特に若手ゲストをメインに据えて、今回は今までとは様相が変わった、より新鮮で躍動感溢れるエネルギッシュな舞台を構築している。
登場人物が多く、一人で何役も兼ねるが、複数のキャラが奇妙に絡み合うのがポイント。関係性をおさえ、複雑な物語絵巻に集中する必要がある。生き生きしたセリフの中に重要なキィや言葉が入っているのにも気を配りたい。
“贋作”なだけに、ぶっ飛んだ設定や話が興味深い。武蔵が実は二人いたとか、小次郎と清十郎が将棋をさしたとか…。何が虚実か分らないから、もしやという想像力を刺激させる。
臨場感ある最前列だったが、立ち回り中に刀が飛んできたり、ラストの紙吹雪がこちらにまで舞ってきたりと、ハプニングもまた楽しい。
贋作師の柄谷吾史は、筋肉質の大柄な体格で場を締めて圧倒的な存在感。間近で観ると、やはり逞しく格好良いことv。殺陣や立ち回りも流れるようで力強い。挑むような達観するような目力や表情も魅力的だ。劇中の回想で子どもになるが、思いっきり可愛い声を見せて笑わせた。後半にかけて隠し玉があるので、深みのある柄さんを満喫できそうだ。
六道の中では、天道の古川貴生がキーマンとなって操り楽しげな役どころ。山本健史、武原広幸も様々な役で激しく動く。田中照人は厳しさの中に笑いあり。
佐々木小次郎の加藤巨樹はシリアスとコミカルにメリハリがあり魅力的。十三歳としては可愛らしく、剣士としては妖しくクール。奔放な吉岡清十郎の郷本直也との将棋対決は、ホントにやっていたのだとかw。
若手の活躍が目覚しい。宮本武蔵の林明寛は、自由快活な悪餓鬼っぷりをのびのびと熱演。経林の桑野晃輔とのコンビも息ぴったり。二人とも軽快な動きと着実な芝居で、中堅との調和をはかる。宝蔵院の鳥越裕貴との掛け合いも見どころだ。
山田諒、飯泉学、斉藤崇などの顔ぶれにも安心する。
“宮本武蔵”という名前に翻弄され踊らされ、運命を狂わされた人たち。所詮、宮本武蔵は一人だけのものだった。
無情刹那の俗世を思い、漢の執念と生き様を感じさせる、切なくも凄まじい作品だった。
終演後、古川さん、山本さん、加藤さんが衣装のままロビーで物販宣伝。其々にご挨拶。加藤さんからあれこれお話を伺った。
吉谷さんも販売中の脚本を宣伝。ご挨拶してサインと握手をいただいた。5月の東京のイベントにもぜひ参加したいな。
次の観劇はもう東京千秋楽。
来週は大阪公演だが、東京公演が4回きりは短すぎる。
NEMURI×GACKT PROJECT『眠狂四郎無頼控』を観てきた。
柴田錬三郎の代表作「眠狂四郎」シリーズの舞台化。テレビや映画ではお馴染みの作品を、舞台初挑戦のGACKTが、新たなる眠狂四郎像を演じる。
昨年から上演されたものの凱旋公演。チケットがバカ高いのでスルーしていたが、ようやく割引されたし、先日のスパナチュのイベントで拝んで興味が出てきたのだ。節分の日のレポもアップされ、オレンジのGACKTさんも懐かしい。
江戸末期。悪徳商人と代官との癒着と闇取引が暗躍する中、眠狂四郎を父の敵だと思い込まされた兄妹とかつての黒ミサの犠牲者とを絡ませて、剣豪・眠狂四郎の必殺剣が舞うという話。
休憩含めて約3時間。ストーリー展開としてはゆるやかで歯がゆくて長く感じられる。暗転も多いので、たまに眠気も出てきた。だが難点とは別に、新しく美しく融合された舞台としては見どころも多かった。
最新技術を駆使した映像が美しいこと。映画のような手法で、情景や背景やアップを多用しつつ、幻想的なイメージで世界観を鮮やかに映し出す。刀と刀が激しく交わる火花や、鞘に収める刹那まで、映像で表現するのが劇画チックで可笑しい。“円月殺法”の表現がまたアニメチックで色々刺激させること。
SUGIZOの切なく情感豊かな音楽や、SEの凄さ、光と闇を映し出す鮮烈な照明など、スタッフワークも素晴らしい。
美術セットがよく出来ている。衣装や小物にもお金がかかっていて豪華。狂四郎のりんどうが象徴的だが、萩の花も目にやさしい。
GACKTの眠狂四郎は、ニヒルでダンディで美しい。張り詰めているような思いを伝え、達観しているようなオーラを感じさせる。舞台の為にトレーニングをしたそうだが、襟元から見える胸板は厚く腹筋が割れて逞しいこと。右足だけ黒のサポーターを付けていたが、足首かどこかを痛めたのだろうか。殺陣はダイナミックというより華麗、立ち回りで見せる太股がまた色っぽい。
狂四郎は物静かだが、たまに口を開く言葉が重くて印象的。GACKTで一番イイと思ったのは、情念漂う低くくぐもった声だ。強敵に対して、「お見せしよう」と放った声にゾクゾクッときた。着流しスタイルというと堤真一を思い出すが、堤さんにもよく似た声が魅力的だ。
確かに、今の眠狂四郎はGACKTさんにしかできないハマリ役だと思う。
凱旋公演の共演者は去年の東京公演とは違うようだ。
田中健、綿引勝彦、堤大二郎といったベテラン陣が舞台を支える。宿敵・三雲役の嶋田久作が人間味ある面を見せて魅力的だ。
若武者・石動一馬として山本匠馬が熱演、セリフも多く殺陣もあるが着実にこなし、成長を見せる。金八役の古堂たやの軽妙さが愉快。
立川談亭で古本新乃輔が、今風ネタで笑いを誘い、場ツナギで奮闘していたが、演劇としてはいまいち面白くなかった。
女性陣が所作も綺麗で可憐であったが、「ちち」の発音がいまひとつだったかw。
オープニングとエンディング・ナレーションが大塚明夫。渋くて世界観にマッチ。
ポスターを持ってたGACKTファンの熱気がえらく凄くて、とにかく圧倒された空間だった。
レボレボやソフィアからの花壇にニヤリとしてしまった。
柴田錬三郎の代表作「眠狂四郎」シリーズの舞台化。テレビや映画ではお馴染みの作品を、舞台初挑戦のGACKTが、新たなる眠狂四郎像を演じる。
昨年から上演されたものの凱旋公演。チケットがバカ高いのでスルーしていたが、ようやく割引されたし、先日のスパナチュのイベントで拝んで興味が出てきたのだ。節分の日のレポもアップされ、オレンジのGACKTさんも懐かしい。
江戸末期。悪徳商人と代官との癒着と闇取引が暗躍する中、眠狂四郎を父の敵だと思い込まされた兄妹とかつての黒ミサの犠牲者とを絡ませて、剣豪・眠狂四郎の必殺剣が舞うという話。
休憩含めて約3時間。ストーリー展開としてはゆるやかで歯がゆくて長く感じられる。暗転も多いので、たまに眠気も出てきた。だが難点とは別に、新しく美しく融合された舞台としては見どころも多かった。
最新技術を駆使した映像が美しいこと。映画のような手法で、情景や背景やアップを多用しつつ、幻想的なイメージで世界観を鮮やかに映し出す。刀と刀が激しく交わる火花や、鞘に収める刹那まで、映像で表現するのが劇画チックで可笑しい。“円月殺法”の表現がまたアニメチックで色々刺激させること。
SUGIZOの切なく情感豊かな音楽や、SEの凄さ、光と闇を映し出す鮮烈な照明など、スタッフワークも素晴らしい。
美術セットがよく出来ている。衣装や小物にもお金がかかっていて豪華。狂四郎のりんどうが象徴的だが、萩の花も目にやさしい。
GACKTの眠狂四郎は、ニヒルでダンディで美しい。張り詰めているような思いを伝え、達観しているようなオーラを感じさせる。舞台の為にトレーニングをしたそうだが、襟元から見える胸板は厚く腹筋が割れて逞しいこと。右足だけ黒のサポーターを付けていたが、足首かどこかを痛めたのだろうか。殺陣はダイナミックというより華麗、立ち回りで見せる太股がまた色っぽい。
狂四郎は物静かだが、たまに口を開く言葉が重くて印象的。GACKTで一番イイと思ったのは、情念漂う低くくぐもった声だ。強敵に対して、「お見せしよう」と放った声にゾクゾクッときた。着流しスタイルというと堤真一を思い出すが、堤さんにもよく似た声が魅力的だ。
確かに、今の眠狂四郎はGACKTさんにしかできないハマリ役だと思う。
凱旋公演の共演者は去年の東京公演とは違うようだ。
田中健、綿引勝彦、堤大二郎といったベテラン陣が舞台を支える。宿敵・三雲役の嶋田久作が人間味ある面を見せて魅力的だ。
若武者・石動一馬として山本匠馬が熱演、セリフも多く殺陣もあるが着実にこなし、成長を見せる。金八役の古堂たやの軽妙さが愉快。
立川談亭で古本新乃輔が、今風ネタで笑いを誘い、場ツナギで奮闘していたが、演劇としてはいまいち面白くなかった。
女性陣が所作も綺麗で可憐であったが、「ちち」の発音がいまひとつだったかw。
オープニングとエンディング・ナレーションが大塚明夫。渋くて世界観にマッチ。
ポスターを持ってたGACKTファンの熱気がえらく凄くて、とにかく圧倒された空間だった。
レボレボやソフィアからの花壇にニヤリとしてしまった。
*pnish*プロデュース 黄金仮面
2011年2月17日 舞台演劇*pnish*プロデュース『黄金仮面』を観てきた。
推理ものの舞台は珍しくないが、江戸川乱歩による長編推理小説を基にした舞台を観るのははじめて。
乱歩作品は幾つか読んだが、この『黄金仮面』ははじめて接する作品だ。初出から80年が経過したが、大衆娯楽大活劇として江戸川乱歩の代表作となっている。
昭和初期。美術品を盗む黄金仮面が世間を脅かす中、侯爵家の令嬢が殺され、事件の真相に乗り出す波越警部の前に、名探偵・明智探偵が現れるが…。
連載小説を舞台化するにあたって、脚本の石井幸一氏はかなり苦労苦心をされたと察する。
初登場より少し早い小林少年の語り部によって、物語の全体構造を分り易く近しいものに仕掛けた。
演出の西沢英治は、字幕説明や映像を駆使し、役者の演技力を信頼してシンプルなステージを実現、観客の想像力を刺激しながら、綿密な構築と場面展開を試みた。
とにかく、久しぶりに演劇らしい演劇にめぐり合った気分だ。ともすれば学生演劇とも受け止めかねない様相だが、そこはそれ、プロのスタッフとキャストがエネルギッシュな空間を作り出し、昭和の匂いを運んでくれたようだ。
キャストには驚かされることばかり。今どきでない言い回しや重厚な言葉を、皆がしっかり喋れることで、膨らみのある世界観を形作る。
小林芳雄役の佐藤永典は、だいたい上手側に陣取り、語り部としてほぼ出ずっぱり。膨大な量のセリフをよく喋るが、これが思ったより聴き取り易いから感心する。滑舌も声量もまずまず、難しい言い回しも噛まずに、少年の清廉さを残して完璧な出来だった。永典くん、私が思ってた以上に実力があったんだなw。
初っ端から半ズボンの男性4人組がスゴイ。少年役に女中、執事に警官と次々に役をこなし、最後は飛行機かいw。展開や替わり身の速さについていく集中力や機転もあるが、エプロンやジャケットひとつで替われる力もあり、笑いと共に少々圧倒されそうだ。リーダー格の塚本淳也が、おっさん顔と太い声で奮闘したのも可笑しい。
寺崎裕香は可憐で力強い。井上優はさすがに声が良くムードいっぱい。優さん、ちょっぴりセリフが出てこなかったがw。この二人だとやっぱり『家庭教師ヒットマンREBORN!』対決かなw。
「じっちゃんの名にかけて」のセリフは出てこないが、松野太紀が二十面相ばりに3役!其々似て異なる様相で、三位一体の場面も用意され、達者な演技で楽しませてくれる。
*pnish*から唯一参加の鷲尾昇は、渋くて実力派の警部かと思いきや、銭形警部のような熱血直情派で人情味ある男だった。鷲尾さん的にはぴったりだが、銃を構えたカッコイー場面も欲しかったところ。明智探偵に抱きついたところが好き。
我らが明智小五郎役は小西遼生。帽子もスーツも良く似合ってビジュアル的に申し分なく格好良い(*^。^*)。でも変装シーンは体型や声ですぐわかっちゃうのがミソw。明智的に今回の事件では、頭脳戦や推理戦など知的部分があまり見られず、忍び込みやアクションのほうが印象的だった。遼生さんに黄金仮面というと、『牙狼<GARO>』を重ねちゃうしねw。とっくみ合いとか殴り合いとか銃で脅すとか、結構泥臭いこともする小五郎さんなのだったw。
原作を知らなかったので、黄金仮面の正体にも驚かされるばかり。壮大なパクリじゃん!(笑)
暗転が多いので、中弛みがあり長く感じられるが、終わってみると2時間が濃密に思えた。
ともあれ、次の観劇は千秋楽。
明智探偵と黄金仮面の最後の対決を楽しみにしたい。
推理ものの舞台は珍しくないが、江戸川乱歩による長編推理小説を基にした舞台を観るのははじめて。
乱歩作品は幾つか読んだが、この『黄金仮面』ははじめて接する作品だ。初出から80年が経過したが、大衆娯楽大活劇として江戸川乱歩の代表作となっている。
昭和初期。美術品を盗む黄金仮面が世間を脅かす中、侯爵家の令嬢が殺され、事件の真相に乗り出す波越警部の前に、名探偵・明智探偵が現れるが…。
連載小説を舞台化するにあたって、脚本の石井幸一氏はかなり苦労苦心をされたと察する。
初登場より少し早い小林少年の語り部によって、物語の全体構造を分り易く近しいものに仕掛けた。
演出の西沢英治は、字幕説明や映像を駆使し、役者の演技力を信頼してシンプルなステージを実現、観客の想像力を刺激しながら、綿密な構築と場面展開を試みた。
とにかく、久しぶりに演劇らしい演劇にめぐり合った気分だ。ともすれば学生演劇とも受け止めかねない様相だが、そこはそれ、プロのスタッフとキャストがエネルギッシュな空間を作り出し、昭和の匂いを運んでくれたようだ。
キャストには驚かされることばかり。今どきでない言い回しや重厚な言葉を、皆がしっかり喋れることで、膨らみのある世界観を形作る。
小林芳雄役の佐藤永典は、だいたい上手側に陣取り、語り部としてほぼ出ずっぱり。膨大な量のセリフをよく喋るが、これが思ったより聴き取り易いから感心する。滑舌も声量もまずまず、難しい言い回しも噛まずに、少年の清廉さを残して完璧な出来だった。永典くん、私が思ってた以上に実力があったんだなw。
初っ端から半ズボンの男性4人組がスゴイ。少年役に女中、執事に警官と次々に役をこなし、最後は飛行機かいw。展開や替わり身の速さについていく集中力や機転もあるが、エプロンやジャケットひとつで替われる力もあり、笑いと共に少々圧倒されそうだ。リーダー格の塚本淳也が、おっさん顔と太い声で奮闘したのも可笑しい。
寺崎裕香は可憐で力強い。井上優はさすがに声が良くムードいっぱい。優さん、ちょっぴりセリフが出てこなかったがw。この二人だとやっぱり『家庭教師ヒットマンREBORN!』対決かなw。
「じっちゃんの名にかけて」のセリフは出てこないが、松野太紀が二十面相ばりに3役!其々似て異なる様相で、三位一体の場面も用意され、達者な演技で楽しませてくれる。
*pnish*から唯一参加の鷲尾昇は、渋くて実力派の警部かと思いきや、銭形警部のような熱血直情派で人情味ある男だった。鷲尾さん的にはぴったりだが、銃を構えたカッコイー場面も欲しかったところ。明智探偵に抱きついたところが好き。
我らが明智小五郎役は小西遼生。帽子もスーツも良く似合ってビジュアル的に申し分なく格好良い(*^。^*)。でも変装シーンは体型や声ですぐわかっちゃうのがミソw。明智的に今回の事件では、頭脳戦や推理戦など知的部分があまり見られず、忍び込みやアクションのほうが印象的だった。遼生さんに黄金仮面というと、『牙狼<GARO>』を重ねちゃうしねw。とっくみ合いとか殴り合いとか銃で脅すとか、結構泥臭いこともする小五郎さんなのだったw。
原作を知らなかったので、黄金仮面の正体にも驚かされるばかり。壮大なパクリじゃん!(笑)
暗転が多いので、中弛みがあり長く感じられるが、終わってみると2時間が濃密に思えた。
ともあれ、次の観劇は千秋楽。
明智探偵と黄金仮面の最後の対決を楽しみにしたい。
Studio Life公演 11人いる! Mチーム
2011年2月16日 舞台演劇Studio Life公演『11人いる!』Mizar(ミザール)チームを観てきた。
今回は会場ほぼ真ん中の席。
全体像が眺められて、作品の纏まり感をいっそう味わった。
円形ステージのスライド式扉を左右へ動かしてスムーズな場面展開を実現させるが、動く度にシャッシャッと音がするのがいただけない。
星系歴史のオープニングナレーションは、重要なことを語ってる割には、滑舌がいまひとつで明瞭に聞こえないのが難。日替わり担当かなと思ったが、一人が受け持っているようで、もっと語りが得意な人にお願いしたかった。
Alcorに比べて、Mチームは大雑把で個性的、バランス的にはいまひとつな感がある。
タダ@松本慎也とフロル@三上俊は、背的体格的にも、やはり役を逆にしたパターンで見たかった。だがマツシンに高い声は出せないだろうし、ミカシュンの女役は定評があるから、これは仕方ないかもしれない。
ミカシュン@フロルは、頬紅が濃くてちょっと作り過ぎな感だが、演技は達者なので可愛い面も見られる。ただシャワーシーンのフロルの裸は、腰からお尻のラインに立派な筋肉が付いていてビックリ。鍛えられた男優の体として素晴らしかったが、フロルの体としては違うだろうとw。
曽世海司のバセスカは物分りの良さそうなタイプw。関戸博一のフォースはシャープさが足りない。牧島進一の赤鼻が頼もしそうだった。
Axleの舞台の時は、柄谷さん人気もあって、アマゾンの格好良さや人間味がクローズアップされていたが、こちらのアマゾンはいまひとつ目立たない^^;。Aチームの鈴木智久やMチームの堀川剛史は頑張ってはいるけれど。
アマゾンの身体の傷痕がくっきり見えないのも不満かな。宇宙空間でアマゾンがタダを助け出すシーンや、みんなにワクチンを打つ場面が省かれていたのにも、物足りなさ感がある。注射から逃げる可愛いアマゾンも見たかったw。
残すところは、Aチーム、Mチーム其々の千秋楽。
それまで1週間以上あるので、もう少し舞台が進化していくだろうか。
『ドラキュラ』公演申し込み書の受付箱まであったので、早速投函してきた。制作側になった吉田隆太さん、ありがとう。
 ̄
終演後、イベント。Mチームの時の口述試験とは違うらしい。
司会は、宇宙大学の女性教師みさえ@青木隆敏と、体育教師@仲原ぶどう。試験官@倉本徹を入れた11人の生徒が登場。宗教学の講義として、特別講師ヴィドメニール@林勇輔がゆっくりとドラマチックに登場w。ちなみにヌーの星の宗教のテーマは「すべて運命(さだめ)」。
自分のさだめが見えた方は?と、質問を受け付けるが、だんだん相談内容に変わっていくw。
神野くんの「華がない」に、ヌーは「しょうがない。そんな風体だから」とバッサリ。
堀川くんの「一度も女役がこない」に、ヌーは「さだめの他にチャンスが」ないから、もっとエネルギーを込めてと忠告w。やり過ぎちゃうとこんな風になっちゃうから、と青木みさえw。
ミカシュンは「可愛すぎて女性に間違われる」は、ヌーが「そこがダメ!」と牽制。
マツシンは本日の舞台に関連して「洋ナシに絡めて用無しって言ったににウケてくれなかった」「胸毛に電導ヅタが生えていた」とすべて船戸さんについて言及。ヌーは「そろそろあきらめ」と冷ややかw。
船戸さんの「稽古中も(某演出家に)デカイと言われる」に、ヌーは「顔もデカイ。目もギョロメ」と押し出しw。
チャイムが鳴って授業終了。ヌーの合否判定は「合格!」。船戸ガンガが腕を振り上げ喜ぶ。トーク最終日になるが、最後にヌーが「みんな、こんなんで満足してないでしょ?」とキッパリ(拍手)。
生徒たちを「ステキな宇宙人」観客を「保護者」と呼び、「修学旅行楽しみだね」とヘンな電波を撒き散らしたマイペースな青木みさえ。仲原さんは組んだ相手がワルかったねw。
今回は会場ほぼ真ん中の席。
全体像が眺められて、作品の纏まり感をいっそう味わった。
円形ステージのスライド式扉を左右へ動かしてスムーズな場面展開を実現させるが、動く度にシャッシャッと音がするのがいただけない。
星系歴史のオープニングナレーションは、重要なことを語ってる割には、滑舌がいまひとつで明瞭に聞こえないのが難。日替わり担当かなと思ったが、一人が受け持っているようで、もっと語りが得意な人にお願いしたかった。
Alcorに比べて、Mチームは大雑把で個性的、バランス的にはいまひとつな感がある。
タダ@松本慎也とフロル@三上俊は、背的体格的にも、やはり役を逆にしたパターンで見たかった。だがマツシンに高い声は出せないだろうし、ミカシュンの女役は定評があるから、これは仕方ないかもしれない。
ミカシュン@フロルは、頬紅が濃くてちょっと作り過ぎな感だが、演技は達者なので可愛い面も見られる。ただシャワーシーンのフロルの裸は、腰からお尻のラインに立派な筋肉が付いていてビックリ。鍛えられた男優の体として素晴らしかったが、フロルの体としては違うだろうとw。
曽世海司のバセスカは物分りの良さそうなタイプw。関戸博一のフォースはシャープさが足りない。牧島進一の赤鼻が頼もしそうだった。
Axleの舞台の時は、柄谷さん人気もあって、アマゾンの格好良さや人間味がクローズアップされていたが、こちらのアマゾンはいまひとつ目立たない^^;。Aチームの鈴木智久やMチームの堀川剛史は頑張ってはいるけれど。
アマゾンの身体の傷痕がくっきり見えないのも不満かな。宇宙空間でアマゾンがタダを助け出すシーンや、みんなにワクチンを打つ場面が省かれていたのにも、物足りなさ感がある。注射から逃げる可愛いアマゾンも見たかったw。
残すところは、Aチーム、Mチーム其々の千秋楽。
それまで1週間以上あるので、もう少し舞台が進化していくだろうか。
『ドラキュラ』公演申し込み書の受付箱まであったので、早速投函してきた。制作側になった吉田隆太さん、ありがとう。
 ̄
終演後、イベント。Mチームの時の口述試験とは違うらしい。
司会は、宇宙大学の女性教師みさえ@青木隆敏と、体育教師@仲原ぶどう。試験官@倉本徹を入れた11人の生徒が登場。宗教学の講義として、特別講師ヴィドメニール@林勇輔がゆっくりとドラマチックに登場w。ちなみにヌーの星の宗教のテーマは「すべて運命(さだめ)」。
自分のさだめが見えた方は?と、質問を受け付けるが、だんだん相談内容に変わっていくw。
神野くんの「華がない」に、ヌーは「しょうがない。そんな風体だから」とバッサリ。
堀川くんの「一度も女役がこない」に、ヌーは「さだめの他にチャンスが」ないから、もっとエネルギーを込めてと忠告w。やり過ぎちゃうとこんな風になっちゃうから、と青木みさえw。
ミカシュンは「可愛すぎて女性に間違われる」は、ヌーが「そこがダメ!」と牽制。
マツシンは本日の舞台に関連して「洋ナシに絡めて用無しって言ったににウケてくれなかった」「胸毛に電導ヅタが生えていた」とすべて船戸さんについて言及。ヌーは「そろそろあきらめ」と冷ややかw。
船戸さんの「稽古中も(某演出家に)デカイと言われる」に、ヌーは「顔もデカイ。目もギョロメ」と押し出しw。
チャイムが鳴って授業終了。ヌーの合否判定は「合格!」。船戸ガンガが腕を振り上げ喜ぶ。トーク最終日になるが、最後にヌーが「みんな、こんなんで満足してないでしょ?」とキッパリ(拍手)。
生徒たちを「ステキな宇宙人」観客を「保護者」と呼び、「修学旅行楽しみだね」とヘンな電波を撒き散らしたマイペースな青木みさえ。仲原さんは組んだ相手がワルかったねw。
舞台 深説・八犬伝 村雨恋奇譚
2011年2月15日 舞台演劇 コメント (2)シアタークリエ冬の陣 舞台『深説・八犬伝~村雨恋奇譚~』を観てきた。
日本の傑作古典ファンタジー『南総里見八犬伝』を基に、斬“深”な解釈で生まれ変わったアクション時代劇。
妖刀“村雨丸”の因縁をめぐって、運命に導かれるように出会った八犬士たちが、伝説と子守唄をまとった強大な敵と壮絶な闘いを繰り広げる話。
仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌。ここでは八つの珠というより、八人に共通した牡丹の痣とフシギな夢が、彼らを集めているようだ。
サブタイトル通り、娘・浜路をめぐって幼馴染みの信乃とその親友・荘助が中心となる“恋”物語がメインだが、八犬士を見守る金碗大輔と伏姫と玉房の過去の因縁も複雑に絡み合う。多人数の男性陣よりも、3人の女性陣に比重がおかれた舞台だろう。
作・演出は舞台『戦国BASARA』でヒットを飛ばした西田大輔。昨年の『ガーネットオペラ』の記憶も新しい。
西田氏といえば、AND ENDLESSが得意とする激しい殺陣や立ち回りの多さ。『テニミュ』や『遙か』など舞台経験豊かでタフな若手役者陣が、ダイナミックで格好良いアクションを次々に披露。物語性よりも、鋭気活発なステージが見どころとなった。
中村中のじんわりと沁みる子守唄や柔らかな音楽が、世界観を鮮やかに高めている。
男性陣はタッパがあり動くとデカく見えるが、相当な稽古を積んだと思われる殺陣が格好良い。
信乃@高橋一生は正統派の誠実な印象、堅実な殺陣だ。荘助@中村誠治郎は明暗な演技が光り、殺陣だけでなくキックがよく決まる。毛野@古川雄大は得意の妖艶なダンスも披露。大角@根本正勝は冷静沈着ぶりが似合い、難しそうな居合い抜きを披露。親兵衛@加藤良輔は明るく軽妙、難解な役をナチュラルに表現。現八@窪寺昭は深みのある演技で、アクションもキレがある。
面白かったのが、この二人。小文吾@汐崎アイルは唯一の笑いどころの役で、逞しい賑々しさが新鮮。道節@齋藤ヤスカは珍しくもオッサンの役で、太く低い声と落ち着きさがよく合い、新たな境地を切り拓いたと思う。
彼らを束ねて支えるのが金碗大輔@羽場裕一で、よく通る声と渋さがハマり、男の切なさをも漂わせる。
キャラクターの関係が、役者の個性ともリンクされて面白い。信乃と荘助の親密さはもちろん、荘輔をフォローする大角にAshの匂いが感じられたりw。毛野と現八が同じ相手を敵にして確執と共闘を繰り返したり。道節が身を挺して親兵衛を見守り庇ったり。小文吾がしょっちゅうみんなにムシされたりイジられたりw。
玉房影衆も含めて、息ぴったりのチームワークぶりが伝わってくる。
ただ“深”訳というだけあり、去年観たAxleの『八犬伝』と比べると、話の筋が中途半端で全体像が掴み難い。関係性や因縁もとってつけた感で、何故そうなるのかという背景や裏の話が伝わらず分り難いのだ。
八犬伝初見者には不親切で大雑把な作りであろう。最後も呆気なさ感があって、あの数々の死闘はいったい何だったのだろうという疑問と虚しさが残った。
ただ、伏姫や浜路など女性が女を演じることは、特有の怖さや想いが表現されていて、雰囲気的に深みが増したかと思う。
玉房を演じた保坂知寿は、可憐な声の奥に妖艶さがあって、扇の殺陣といい立ち姿といい、圧倒的な存在感を見せた。
お目当てキャストをたっぷり拝見できたのは嬉しいが、物語的に納得いかない部分があって、リピートする意欲はわかない。
サイトトップやポスターに使われている美麗な集合写真は、とうとうチラシには採用されなかったようだ。期間限定チケット購入者のみの特典のミニクリアファイルの絵柄だけで使われるのも勿体無い。チケットは売れ残っているのか^^;。
日本の傑作古典ファンタジー『南総里見八犬伝』を基に、斬“深”な解釈で生まれ変わったアクション時代劇。
妖刀“村雨丸”の因縁をめぐって、運命に導かれるように出会った八犬士たちが、伝説と子守唄をまとった強大な敵と壮絶な闘いを繰り広げる話。
仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌。ここでは八つの珠というより、八人に共通した牡丹の痣とフシギな夢が、彼らを集めているようだ。
サブタイトル通り、娘・浜路をめぐって幼馴染みの信乃とその親友・荘助が中心となる“恋”物語がメインだが、八犬士を見守る金碗大輔と伏姫と玉房の過去の因縁も複雑に絡み合う。多人数の男性陣よりも、3人の女性陣に比重がおかれた舞台だろう。
作・演出は舞台『戦国BASARA』でヒットを飛ばした西田大輔。昨年の『ガーネットオペラ』の記憶も新しい。
西田氏といえば、AND ENDLESSが得意とする激しい殺陣や立ち回りの多さ。『テニミュ』や『遙か』など舞台経験豊かでタフな若手役者陣が、ダイナミックで格好良いアクションを次々に披露。物語性よりも、鋭気活発なステージが見どころとなった。
中村中のじんわりと沁みる子守唄や柔らかな音楽が、世界観を鮮やかに高めている。
男性陣はタッパがあり動くとデカく見えるが、相当な稽古を積んだと思われる殺陣が格好良い。
信乃@高橋一生は正統派の誠実な印象、堅実な殺陣だ。荘助@中村誠治郎は明暗な演技が光り、殺陣だけでなくキックがよく決まる。毛野@古川雄大は得意の妖艶なダンスも披露。大角@根本正勝は冷静沈着ぶりが似合い、難しそうな居合い抜きを披露。親兵衛@加藤良輔は明るく軽妙、難解な役をナチュラルに表現。現八@窪寺昭は深みのある演技で、アクションもキレがある。
面白かったのが、この二人。小文吾@汐崎アイルは唯一の笑いどころの役で、逞しい賑々しさが新鮮。道節@齋藤ヤスカは珍しくもオッサンの役で、太く低い声と落ち着きさがよく合い、新たな境地を切り拓いたと思う。
彼らを束ねて支えるのが金碗大輔@羽場裕一で、よく通る声と渋さがハマり、男の切なさをも漂わせる。
キャラクターの関係が、役者の個性ともリンクされて面白い。信乃と荘助の親密さはもちろん、荘輔をフォローする大角にAshの匂いが感じられたりw。毛野と現八が同じ相手を敵にして確執と共闘を繰り返したり。道節が身を挺して親兵衛を見守り庇ったり。小文吾がしょっちゅうみんなにムシされたりイジられたりw。
玉房影衆も含めて、息ぴったりのチームワークぶりが伝わってくる。
ただ“深”訳というだけあり、去年観たAxleの『八犬伝』と比べると、話の筋が中途半端で全体像が掴み難い。関係性や因縁もとってつけた感で、何故そうなるのかという背景や裏の話が伝わらず分り難いのだ。
八犬伝初見者には不親切で大雑把な作りであろう。最後も呆気なさ感があって、あの数々の死闘はいったい何だったのだろうという疑問と虚しさが残った。
ただ、伏姫や浜路など女性が女を演じることは、特有の怖さや想いが表現されていて、雰囲気的に深みが増したかと思う。
玉房を演じた保坂知寿は、可憐な声の奥に妖艶さがあって、扇の殺陣といい立ち姿といい、圧倒的な存在感を見せた。
お目当てキャストをたっぷり拝見できたのは嬉しいが、物語的に納得いかない部分があって、リピートする意欲はわかない。
サイトトップやポスターに使われている美麗な集合写真は、とうとうチラシには採用されなかったようだ。期間限定チケット購入者のみの特典のミニクリアファイルの絵柄だけで使われるのも勿体無い。チケットは売れ残っているのか^^;。
ザ・シェイプ・オブ・シングス
2011年2月14日 舞台演劇『ザ・シェイプ・オブ・シングス~モノノカタチ~』を観てきた。
ちょい安く譲って貰ったヤツだが、この箱と出演者で、なんでこんなにチケット代が高いのか^_^;。
パンフも読むべきとこがなさそうで、内容的に高過ぎて買わず。
予想通り、向井理人気にあやかった舞台といえそうだ。
さえない大学生の男が、美大生の女と出会い付き合いながら、女の影響でみるみる外見が垢抜け洗練されていき、彼の周囲の環境も変化していくが、女はある目的で付き合っていたという話。
ニール・ラビュートの話題作の翻訳劇。
男女のキスシーンやベッドシーン、フェラや抱擁がいっぱい出てくる。なんでこんな演目を、こどもの城の劇場でやるのかな~?と疑問沸々。
ステージと客席が近いのはいいが、円形劇場の盲点である役者の表情が見えず背中だけの場面が多々出てきそう。今回はどうにか表情が捉え易い位置の席で、退出する下手側だったので歯痒い思いはなかった。
主人公アダム役の向井理は、これが初舞台の初主演。表情や動きはやっぱり硬く見えたが、場数を重ねるにつれて余裕も生まれてきそうだ。
向井さんが徐々にイイ男に変身していく様子が、ファンならずとも見どころだろうか。眼鏡で太った体勢の演技は少々わざとらしく見えたw。背が高く引き締まった体は舞台向きといえようか。見た目がスタジオライフの岩崎大にソックリでw、大くんもこういう役柄なら的確にこなしてくれそうだ。
アダムの相手イブリン役で、激しいシーンを体当たりでこなした美波は、綺麗ではあったが品性に欠け、女優としてもいまひとつ。登場からして、下げた鞄でコートの裾が捲りあがっており、イブリンからは芸術性や美的センスが感じられず。
イブリンの台詞そのものがキーなのに、発音や発声が悪いのか声が小さくセリフも途切れ途切れで、何を喋っているのか殆ど伝わってこないのが辛い(~_~;)。声に関しては演技以前の問題だ。発表会シーンでマイクを使った時はちゃんと聞こえたので、やはり舞台向きの声量ではないのだろう。演じ手に難ありの影響が大きく、自由奔放で冷静沈着で、己の信念と情熱のためには他者を犠牲にすることも厭わないという女は、なおさら腹が立つだけで気分を悪くさせた。美波さんはミスキャストとしか言いようがない。
アダムの思い人だったジェニー役の川村ゆきえも、声が小さくて聞こえ辛かったが、出番はそれほどでもなかったし、清潔感と可愛さがあるので良かった。
友人フィリップ役の米村亮太朗だけが唯一、舞台人らしい明瞭な演技で場を救い上げていた。
暗転が多く長かったり、声が聞こえ難くて詰らなくさせるので、前半は眠くなりウトウトした時もあった。扉から音が出るので、背後でお客が何度か出入りするのも気になり集中し辛かった。
後半、背後の扉が開いたのでまたかと思ったら、米村さん! 他の扉からも川村さんや向井さんが入ってきて、発表会を聞く一人として、客席に散って腰掛けるという演出だった。
ラストで、アダムが操作したビデオの画面が黒いままで何も映らなかったが、あれは何だったのだろう?
イブリンとの思い出は全て消去されたということか? それとも単なる機械のトラブルか?操作ミスか? もはやアダムではない向井さんが、腹を立てているというより、焦ってパニくっているような顔をしていたのが印象的^^;。
終演後の4人揃った挨拶の時も、うなだれるような顔をしていた向井さん。満足いく結果ではなかったということか。川村さんだけが明るく見えた。
なんにせよ、話は中途半端なままで終わってしまい、ざらついた重い後味だけが残った。
バレンタインデーにはあまり相応しくない舞台だったなぁ。特に男性にとってはw。
いっそキャストや演出や箱など全部替えての再演を観たいと思う。
ちょい安く譲って貰ったヤツだが、この箱と出演者で、なんでこんなにチケット代が高いのか^_^;。
パンフも読むべきとこがなさそうで、内容的に高過ぎて買わず。
予想通り、向井理人気にあやかった舞台といえそうだ。
さえない大学生の男が、美大生の女と出会い付き合いながら、女の影響でみるみる外見が垢抜け洗練されていき、彼の周囲の環境も変化していくが、女はある目的で付き合っていたという話。
ニール・ラビュートの話題作の翻訳劇。
男女のキスシーンやベッドシーン、フェラや抱擁がいっぱい出てくる。なんでこんな演目を、こどもの城の劇場でやるのかな~?と疑問沸々。
ステージと客席が近いのはいいが、円形劇場の盲点である役者の表情が見えず背中だけの場面が多々出てきそう。今回はどうにか表情が捉え易い位置の席で、退出する下手側だったので歯痒い思いはなかった。
主人公アダム役の向井理は、これが初舞台の初主演。表情や動きはやっぱり硬く見えたが、場数を重ねるにつれて余裕も生まれてきそうだ。
向井さんが徐々にイイ男に変身していく様子が、ファンならずとも見どころだろうか。眼鏡で太った体勢の演技は少々わざとらしく見えたw。背が高く引き締まった体は舞台向きといえようか。見た目がスタジオライフの岩崎大にソックリでw、大くんもこういう役柄なら的確にこなしてくれそうだ。
アダムの相手イブリン役で、激しいシーンを体当たりでこなした美波は、綺麗ではあったが品性に欠け、女優としてもいまひとつ。登場からして、下げた鞄でコートの裾が捲りあがっており、イブリンからは芸術性や美的センスが感じられず。
イブリンの台詞そのものがキーなのに、発音や発声が悪いのか声が小さくセリフも途切れ途切れで、何を喋っているのか殆ど伝わってこないのが辛い(~_~;)。声に関しては演技以前の問題だ。発表会シーンでマイクを使った時はちゃんと聞こえたので、やはり舞台向きの声量ではないのだろう。演じ手に難ありの影響が大きく、自由奔放で冷静沈着で、己の信念と情熱のためには他者を犠牲にすることも厭わないという女は、なおさら腹が立つだけで気分を悪くさせた。美波さんはミスキャストとしか言いようがない。
アダムの思い人だったジェニー役の川村ゆきえも、声が小さくて聞こえ辛かったが、出番はそれほどでもなかったし、清潔感と可愛さがあるので良かった。
友人フィリップ役の米村亮太朗だけが唯一、舞台人らしい明瞭な演技で場を救い上げていた。
暗転が多く長かったり、声が聞こえ難くて詰らなくさせるので、前半は眠くなりウトウトした時もあった。扉から音が出るので、背後でお客が何度か出入りするのも気になり集中し辛かった。
後半、背後の扉が開いたのでまたかと思ったら、米村さん! 他の扉からも川村さんや向井さんが入ってきて、発表会を聞く一人として、客席に散って腰掛けるという演出だった。
ラストで、アダムが操作したビデオの画面が黒いままで何も映らなかったが、あれは何だったのだろう?
イブリンとの思い出は全て消去されたということか? それとも単なる機械のトラブルか?操作ミスか? もはやアダムではない向井さんが、腹を立てているというより、焦ってパニくっているような顔をしていたのが印象的^^;。
終演後の4人揃った挨拶の時も、うなだれるような顔をしていた向井さん。満足いく結果ではなかったということか。川村さんだけが明るく見えた。
なんにせよ、話は中途半端なままで終わってしまい、ざらついた重い後味だけが残った。
バレンタインデーにはあまり相応しくない舞台だったなぁ。特に男性にとってはw。
いっそキャストや演出や箱など全部替えての再演を観たいと思う。
ミュージカル テニスの王子様 青学VS不動峰 凱旋公演 前楽
2011年2月11日 舞台演劇ミュージカル『テニスの王子様』青学VS不動峰の凱旋公演の最終日を観てきた。
みぞれまじりの日は、青年館への道が遠いこと(-.-)。
青年館の2階席は久しぶりだが、ポツポツと空席がある。
当日券のほうがむしろイイ席だったかもしれない^^;。
開演前アナウンスは橘。「さあ最終日だ! みんなオレたちと共に行こうぜ!」とくれば、客席も気分が高揚する。「セイ!オー!」の勇ましい声も不動峰なんだろうか。
みんな安定していて、合格点以上のものを見せてくれた。最終日だからこその盛り上がりもあるのだろう。
4回目なので展開的には飽きてきたが、キャストのアドリブやコネタが楽しませてくれた。
青学と、これが最後になる不動峰。個人的な力やキャラクター的には青学が上回るが、全体的な纏まりや結束力は不動峰のほうに軍配があがりそうだ。
不動峰のテーマ曲「真剣勝負とはこういうこと」では、以前の私のように、涙ぐんでいるお客さんもいた。空手のような男っぽいダンスも格好良い。不動峰の絆が詰った曲で、キャストの本物の思いも込められているからこそ、感動させるものがあるのだろう。この曲もこの最終日のみしか流れないかと思うと寂しい。
公演を重ねるにつれ、キャストの人気もうなぎのぼりに上昇し、写真が飛ぶように売れていた。
青学メンバーはこのまま続投だが、不動峰メンバーにはこれから新しい仕事が待っているのだろう。ファンもそのまま付いていくのかもしれない。
着ボイスは越前リョーマ。とうとう4回とも写真は当たらなかった(-.-)。
アンコールの「ハイタッチ」で、2階までやって来たのは愛想のいい桜井。不二の姿も見えたが、11日は三津谷亮くんの誕生日だっけ。おめでとう。
お見送りアナウンスは大石と菊丸。大石の髪型がw。
お見送りの誘導が無責任で適当なのが困る^^;。お見送りで、森がにこやかに大きな声で「ありがとうございました」。フッと気分がほぐれた。近江陽一郎くんとは明日の春どこでも会えるね。
テニミュ次回公演は「青学vs聖ルドルフ・山吹」。
D2からは新たに陣内将と大久保祥太郎が聖ルドルフで参戦。山吹には小野賢章がくる。
とりあえず凱旋公演を含めて計3回は観る予定。
みぞれまじりの日は、青年館への道が遠いこと(-.-)。
青年館の2階席は久しぶりだが、ポツポツと空席がある。
当日券のほうがむしろイイ席だったかもしれない^^;。
開演前アナウンスは橘。「さあ最終日だ! みんなオレたちと共に行こうぜ!」とくれば、客席も気分が高揚する。「セイ!オー!」の勇ましい声も不動峰なんだろうか。
みんな安定していて、合格点以上のものを見せてくれた。最終日だからこその盛り上がりもあるのだろう。
4回目なので展開的には飽きてきたが、キャストのアドリブやコネタが楽しませてくれた。
青学と、これが最後になる不動峰。個人的な力やキャラクター的には青学が上回るが、全体的な纏まりや結束力は不動峰のほうに軍配があがりそうだ。
不動峰のテーマ曲「真剣勝負とはこういうこと」では、以前の私のように、涙ぐんでいるお客さんもいた。空手のような男っぽいダンスも格好良い。不動峰の絆が詰った曲で、キャストの本物の思いも込められているからこそ、感動させるものがあるのだろう。この曲もこの最終日のみしか流れないかと思うと寂しい。
公演を重ねるにつれ、キャストの人気もうなぎのぼりに上昇し、写真が飛ぶように売れていた。
青学メンバーはこのまま続投だが、不動峰メンバーにはこれから新しい仕事が待っているのだろう。ファンもそのまま付いていくのかもしれない。
着ボイスは越前リョーマ。とうとう4回とも写真は当たらなかった(-.-)。
アンコールの「ハイタッチ」で、2階までやって来たのは愛想のいい桜井。不二の姿も見えたが、11日は三津谷亮くんの誕生日だっけ。おめでとう。
お見送りアナウンスは大石と菊丸。大石の髪型がw。
お見送りの誘導が無責任で適当なのが困る^^;。お見送りで、森がにこやかに大きな声で「ありがとうございました」。フッと気分がほぐれた。近江陽一郎くんとは明日の春どこでも会えるね。
テニミュ次回公演は「青学vs聖ルドルフ・山吹」。
D2からは新たに陣内将と大久保祥太郎が聖ルドルフで参戦。山吹には小野賢章がくる。
とりあえず凱旋公演を含めて計3回は観る予定。
Studio Life公演 11人いる! Aチーム
2011年2月10日 舞台演劇Studio Life公演『11人いる!』Alcor(アルコル)チームを観てきた。
萩尾望都先生の35年前のSF漫画の舞台化で、スタジオライフにとって5作目の萩尾作品。
『トーマの心臓』と同じように、私の『11人いる!』への思い入れも長い。
一昨年アクサルでも同名舞台が上演されたが、念願叶ってのスタジオライフの上演で、期待しないわけにいかない。
宇宙大学の入学試験最終テスト。外部との接触を断たれた宇宙船・白号で、受験生が10人のはずが11人いるハプニングから、次々に起こる不可解な出来事を通して、彼らの合格への道が試されていく話。
倉田淳氏の脚本は原作に沿って忠実で、更に物語を膨らませて分り易い。
円形のステージの扉を開閉させることで、スピーディな場面展開を実現し、要点やツボを押さえたきめ細やかな演出で、原作ファンをも満足させる。
代々木アニメーション学院の協力で、映像製作や特殊造形にも挑み、エンタメ性豊かな舞台作りとなっている。
登場人物はほぼ原作と似た風貌で驚かされる。特にヌーやグレンの化けっぷりが見事だ。
衣装も原作のイメージでよく作られている。タダの鮮やかなブルー、フロルの愛らしいレッドが綺麗。銀のヘルメットも当時のままw。
話し方から表現方法まで、役者皆さんが深い共感をもって原作を理解しているのだとわかる。
原作のテイストのままに、原作以上のものを表現し心を揺さぶるのが舞台の醍醐味だ。
各星系から集まった様々な者たちが、自分の星のことやバックボーンを語っていく場面が印象的だ。一夫多妻制のフロルの星、一生に一度の冬と夏が来るヌーの星、其々が具体的なイメージをもって表現されるので、感慨深いものが湧き上がる。
白号の医師と乗務員のやり取り、母と子の会話にも、原作にはない臨場感や切なさを感じた。
タダの山本芳樹とフロルの及川健のコンビは、さすがに息がぴったり。多くの作品で共演を積み重ねているので、成熟した強みや余裕が感じられる。
ことに及ちゃんのフロルは、背的体型的にもイメージ通りで、やんちゃで愛らしいことv。アクサルでは元気くんのフロルで見損なったが、及ちゃんのフロルはオールヌードもバッチリ披露。
タダとフロルの2つのラブシーンは必見。「ぼくと結婚しなよ」「やっぱ熱があるみたい」の微笑ましいやり取りには、キュンキュンした熱さを通り越して涙ぐんでしまったもの(*^^*)。昔の純粋無垢な思いを振り返れて嬉しくなった。
青木隆敏@バセスカ、仲原裕之@フォースはまずまず好演。冨士亮太@チャコが天真爛漫な明るさで目をひく。
林勇輔@ヌー、山崎康一@グレンは、外見と共に演技も濃くて上手い。
頼もしくて優しくて格好良かったのが、船戸慎士のガンガ。原作でも好感がもてたが、舞台で更に大好きになったv。
今回のAlcorチームは、メインが引っ張った流れで、正統派の青春SFドラマに仕上がっていた。
とにかく原作の大ファンが高じて、舞台は2チーム×2回ずつ観る予定。これでも減らしたほう。劇場が近くてホントに良かった。
来週はMizar(ミザール)チームを観劇。どんなテイストになっているのか期待。
開場前のロビー物販に、マツシンやミカシュンがいたので、ドキドキしちゃった。モギリは曽世さん。
 ̄
終演後、宇宙大学試験イベント。
天の声は、白号の数少ない生き残りのお医者さん(曽世海司)。宇宙大学の口述試験で、合否を判定する。
ヘルメット被って登場の受験生たち。「12人いるぞ!」でメットを脱ぐと試験官までいたw。みんな自己紹介。
代々木アニメ協力の舞台映像について、倉本徹からは「映像部門はこれからも重要視されてくる。機材も増えて可能性も広がる。ますます映像に励みたい」とのこと。
質問1は「SFのイメージ」(昨日は宇宙人のイメージだったとか)
冨士くんは「ピチピチの銀色の衣装。必ず前開き(笑)」仲原くんは「スター・ウォーズ。P3CO(?)」篠田くんは「1968年の猿の惑星。こんなふうな特殊造形(?)」青木くんは「宇宙と交信(?)同属意識w」及川さんは「未知との遭遇。宇宙人にシンパシー(?)」
質問2は「好きなセリフ」
鈴木くん@アマゾン「運命の他にチャンスがある」松村くんはガンガの「一種のサイボーグだよ、俺は」仲原くんは最後の「学ぶ」篠田くんはフロルの「やっぱ熱があるみたい」青木くんは松村くんの「これちゅちですかw」船戸さんはガンガの「ごうかく?」林さんは納得できないので自分でいった「運命の他に…」及川さんはケンカのきっかけの「やってくれるぜフォース」山本さんは「両親…意味のなさ記憶の白さ」山崎さんは「今を生きてる(録音?)」倉本さんはあまりセリフがないが「グッドラック」
今回の作品の魅力について、山本さんが熱弁。「古くない今にマッチしたスゴイ作品」「しっかりしたものが詰っていて魅力がある」と、今を生きる人達の希望にもなる作品だという。
最後に及川さんと山本さんが当日精算チケットなど宣伝。今日10日は及ちゃんの誕生日。みんなでおめでとう! ケーキとかは出てこなかった。
30分もあって楽しいひと時だった。
13日の宇宙大学試験日用に、萩尾作品「すべて当てるまで帰れま3」キャラクター人気投票を実施中。やっぱオスカーやアシジンだよなv。
萩尾望都先生の35年前のSF漫画の舞台化で、スタジオライフにとって5作目の萩尾作品。
『トーマの心臓』と同じように、私の『11人いる!』への思い入れも長い。
一昨年アクサルでも同名舞台が上演されたが、念願叶ってのスタジオライフの上演で、期待しないわけにいかない。
宇宙大学の入学試験最終テスト。外部との接触を断たれた宇宙船・白号で、受験生が10人のはずが11人いるハプニングから、次々に起こる不可解な出来事を通して、彼らの合格への道が試されていく話。
倉田淳氏の脚本は原作に沿って忠実で、更に物語を膨らませて分り易い。
円形のステージの扉を開閉させることで、スピーディな場面展開を実現し、要点やツボを押さえたきめ細やかな演出で、原作ファンをも満足させる。
代々木アニメーション学院の協力で、映像製作や特殊造形にも挑み、エンタメ性豊かな舞台作りとなっている。
登場人物はほぼ原作と似た風貌で驚かされる。特にヌーやグレンの化けっぷりが見事だ。
衣装も原作のイメージでよく作られている。タダの鮮やかなブルー、フロルの愛らしいレッドが綺麗。銀のヘルメットも当時のままw。
話し方から表現方法まで、役者皆さんが深い共感をもって原作を理解しているのだとわかる。
原作のテイストのままに、原作以上のものを表現し心を揺さぶるのが舞台の醍醐味だ。
各星系から集まった様々な者たちが、自分の星のことやバックボーンを語っていく場面が印象的だ。一夫多妻制のフロルの星、一生に一度の冬と夏が来るヌーの星、其々が具体的なイメージをもって表現されるので、感慨深いものが湧き上がる。
白号の医師と乗務員のやり取り、母と子の会話にも、原作にはない臨場感や切なさを感じた。
タダの山本芳樹とフロルの及川健のコンビは、さすがに息がぴったり。多くの作品で共演を積み重ねているので、成熟した強みや余裕が感じられる。
ことに及ちゃんのフロルは、背的体型的にもイメージ通りで、やんちゃで愛らしいことv。アクサルでは元気くんのフロルで見損なったが、及ちゃんのフロルはオールヌードもバッチリ披露。
タダとフロルの2つのラブシーンは必見。「ぼくと結婚しなよ」「やっぱ熱があるみたい」の微笑ましいやり取りには、キュンキュンした熱さを通り越して涙ぐんでしまったもの(*^^*)。昔の純粋無垢な思いを振り返れて嬉しくなった。
青木隆敏@バセスカ、仲原裕之@フォースはまずまず好演。冨士亮太@チャコが天真爛漫な明るさで目をひく。
林勇輔@ヌー、山崎康一@グレンは、外見と共に演技も濃くて上手い。
頼もしくて優しくて格好良かったのが、船戸慎士のガンガ。原作でも好感がもてたが、舞台で更に大好きになったv。
今回のAlcorチームは、メインが引っ張った流れで、正統派の青春SFドラマに仕上がっていた。
とにかく原作の大ファンが高じて、舞台は2チーム×2回ずつ観る予定。これでも減らしたほう。劇場が近くてホントに良かった。
来週はMizar(ミザール)チームを観劇。どんなテイストになっているのか期待。
開場前のロビー物販に、マツシンやミカシュンがいたので、ドキドキしちゃった。モギリは曽世さん。
 ̄
終演後、宇宙大学試験イベント。
天の声は、白号の数少ない生き残りのお医者さん(曽世海司)。宇宙大学の口述試験で、合否を判定する。
ヘルメット被って登場の受験生たち。「12人いるぞ!」でメットを脱ぐと試験官までいたw。みんな自己紹介。
代々木アニメ協力の舞台映像について、倉本徹からは「映像部門はこれからも重要視されてくる。機材も増えて可能性も広がる。ますます映像に励みたい」とのこと。
質問1は「SFのイメージ」(昨日は宇宙人のイメージだったとか)
冨士くんは「ピチピチの銀色の衣装。必ず前開き(笑)」仲原くんは「スター・ウォーズ。P3CO(?)」篠田くんは「1968年の猿の惑星。こんなふうな特殊造形(?)」青木くんは「宇宙と交信(?)同属意識w」及川さんは「未知との遭遇。宇宙人にシンパシー(?)」
質問2は「好きなセリフ」
鈴木くん@アマゾン「運命の他にチャンスがある」松村くんはガンガの「一種のサイボーグだよ、俺は」仲原くんは最後の「学ぶ」篠田くんはフロルの「やっぱ熱があるみたい」青木くんは松村くんの「これちゅちですかw」船戸さんはガンガの「ごうかく?」林さんは納得できないので自分でいった「運命の他に…」及川さんはケンカのきっかけの「やってくれるぜフォース」山本さんは「両親…意味のなさ記憶の白さ」山崎さんは「今を生きてる(録音?)」倉本さんはあまりセリフがないが「グッドラック」
今回の作品の魅力について、山本さんが熱弁。「古くない今にマッチしたスゴイ作品」「しっかりしたものが詰っていて魅力がある」と、今を生きる人達の希望にもなる作品だという。
最後に及川さんと山本さんが当日精算チケットなど宣伝。今日10日は及ちゃんの誕生日。みんなでおめでとう! ケーキとかは出てこなかった。
30分もあって楽しいひと時だった。
13日の宇宙大学試験日用に、萩尾作品「すべて当てるまで帰れま3」キャラクター人気投票を実施中。やっぱオスカーやアシジンだよなv。
おっ、ぺれった不死鳥公演 おっぺけぺれった2011
2011年2月9日 舞台演劇おっ、ぺれった不死鳥公演『おっぺけぺれった2011』を観てきた。
21世紀FOXやK-Showと違って、全席指定なのが嬉しい。
“I”列というのは、「アイ」じゃなく「イチ」のことだった。
田中真弓と竹田えりと永井寛孝が主催する演劇ユニット【おっ、ぺれった】。
2008年に20周年を迎えたそうだが、久しぶりの不死鳥公演だという。
この『おっぺけぺれった』は、丁度20年前の作品。3人が30代の頃のお話なので、その設定のままにおくる再演。
前説は、永井さんと真弓さん。垂れ幕もエコなのが愉快。
姑にかき回される夫婦と、資金援助をめぐりゴタゴタする夫婦。二組の夫婦の周辺を、オリジナル曲で贈る、賑やかでノホホンとした歌入りハートフル・コメディ。
歌好きが集まれど、踊りは踊れないので、ミュージカルまではいかないという注釈付き。
「いざ、居酒屋へ!」や「おっぺけぺれった」など名曲や迷曲など全10曲以上を、ピアノなどの生演奏が次々に彩っていく。皆さんがのびやかに楽しく唄い綴り、ゆるやかに踊って、気分が和むこと。
みんな其々着替えたり、コスしたりと、衣装や小物でも愉しめる。
田中真弓さんは、明るくチャーミング。竹田えりさんは、品があって胸がデカい。鈴木真仁さんは、妖しくて脚が綺麗。
永井寛孝さんは、渋くて柔らかくて真面目。園部啓一さんは、軽妙で爽やかで可笑しい。いまむらのりおさんが、しぶとくでっかく快調に怪演w。
「どうしても出たい」と懇願出演された三ツ矢雄二さんは、キラキラゴージャスな衣装で美声を聴かせるが、「エッチな気分」ではアヤシイ格好を披露して大笑い。この方があの『テニミュ』の数々の作詞をされたのかと思うとまたオカシイ。
ボイスパーカッション担当のこーすけくんが、ハットや棒のジャグリングを華麗に披露して拍手喝采だった。この子は若いし期待株だ。
21世紀FOXやK-Showと違って、全席指定なのが嬉しい。
“I”列というのは、「アイ」じゃなく「イチ」のことだった。
田中真弓と竹田えりと永井寛孝が主催する演劇ユニット【おっ、ぺれった】。
2008年に20周年を迎えたそうだが、久しぶりの不死鳥公演だという。
この『おっぺけぺれった』は、丁度20年前の作品。3人が30代の頃のお話なので、その設定のままにおくる再演。
前説は、永井さんと真弓さん。垂れ幕もエコなのが愉快。
姑にかき回される夫婦と、資金援助をめぐりゴタゴタする夫婦。二組の夫婦の周辺を、オリジナル曲で贈る、賑やかでノホホンとした歌入りハートフル・コメディ。
歌好きが集まれど、踊りは踊れないので、ミュージカルまではいかないという注釈付き。
「いざ、居酒屋へ!」や「おっぺけぺれった」など名曲や迷曲など全10曲以上を、ピアノなどの生演奏が次々に彩っていく。皆さんがのびやかに楽しく唄い綴り、ゆるやかに踊って、気分が和むこと。
みんな其々着替えたり、コスしたりと、衣装や小物でも愉しめる。
田中真弓さんは、明るくチャーミング。竹田えりさんは、品があって胸がデカい。鈴木真仁さんは、妖しくて脚が綺麗。
永井寛孝さんは、渋くて柔らかくて真面目。園部啓一さんは、軽妙で爽やかで可笑しい。いまむらのりおさんが、しぶとくでっかく快調に怪演w。
「どうしても出たい」と懇願出演された三ツ矢雄二さんは、キラキラゴージャスな衣装で美声を聴かせるが、「エッチな気分」ではアヤシイ格好を披露して大笑い。この方があの『テニミュ』の数々の作詞をされたのかと思うとまたオカシイ。
ボイスパーカッション担当のこーすけくんが、ハットや棒のジャグリングを華麗に披露して拍手喝采だった。この子は若いし期待株だ。