LEMON LIVE Woo !! man
2012年8月6日 舞台演劇LEMON LIVE vol.9『Woo!! man』を観てきた。
レモンライブの舞台はいまひとつ感があるが、今回は面白そうかもと取ったもの。
ひとり男女二役、登場人物14人が繰り広げるドタバタコメディ。キャストも個性的な実力派が集まった。
舞台はとある「おかまバー」の控え室と「温泉旅館」の和室。
サラリーマン・チームは企画した韓国アーティストライブを前に、おかまに変身しようとすったもんだの騒ぎ。一方、彼らの母親たちはそのライブを観る前に旅館に集合、すったもんだの騒ぎになる。巻き込まれた若女将たちは…。
控え室と和室をひとつの舞台に作り上げるシチュエーション・コメディ。
サラリーマンたちの本当の目的が掴み辛く、借金やトラブルなど色んなことが隠されていたので、最初はとっても取っ付きにくかった。
加えて、キャストの女役と男役の早着替え。いくらスピードを要求されてるとはいえ、あんなオカマな女たちはナイわ(^^;。サラリーマン達がオカマにも変身するから、二重になってキモイこと(^^;。
特に、恒吉梨絵が演じるヒカルはただのガラの悪い女にしか見えず、岩渕敏司が演じる良子は宝塚風とはいえ普通のオタク男にしか見えなかった。女や男を役として演じるなら、声や動作などもっと役作りして欲しいよ。
一番良かったのは、植本潤の城島幸子かな。ちゃんと台詞も歌声も女として聞こえるし、暖かく包み込むような笑顔がとてもステキ。癒された~。でも植本さんの男役の拓也は、あんまり印象に残らない。
松本慎也は定評のある男女役で、派手に大活躍。ひろみとしては飛び込みアクションを披露、アヤしくなまめかしく昼ドラしていたw。まさるとしてもパソコンを操り韓国語を操ったりと、颯爽としたイケメンぶり。
岡田達也、山路和弘は、元々長身の男前だけに、女性役だとゴツくていまひとつ。
きだつよしは小柄だけど、キャンキャンと黄色い印象w。
キャストの怪演は別にして、斎藤栄作の作品自体に反発した。
息子をもつオカンたち(50代~60代)の描き方があまりにヒドイ(^^;。
5人のうち誰ひとりとしてスマホを扱えず、だったら普通の携帯を持てよと思うのに、息子に勧められたからと安直にスマホに機種変更する思慮のなさ。周りの客に迷惑だからと若女将に何度も注意されてるのに、何度も何度も大声を出してバカ騒ぎするモラルのなさ。しかも吹雪で道が閉ざされてる真夜中に、息子に会わなきゃと一斉に旅館を後にする無鉄砲さ。
いくら設定上仕方がないとはいえ、そんなおバカな母親像しか描けない作者に無性に腹が立った。若い観客はそれでも笑っていたが、年齢を重ねた人たちは見ていて愉快な気分ではなかっただろう。
観客の一部を敵に回したな、作家さん。今週からの『MACBETH』にもあまり期待がもてなくなった。
どうせなら全員が男性俳優だったら面白いと思うのだが、萌えがないのがつまらない。
途中何度か眠気が出てきたが、最前列だからと我慢した。
前半にステージに降らせた雪の切れ端がずっと残っていて、とても気になった。
ダブルカテコ。早着替えのキャストに拍手は送ったけどね。
岩渕さんが仕切りで、恒吉さんから二度もコメント。他のキャストからも一言ずつ欲しかった。
きだつよしさんは今年後半は大忙し。
8月下旬からの『新生 ROCK MUSICAL BLEACH REprise』の脚本と演出があるが、ここで舞台に出ていて大丈夫なのか?
9月からの『仮面ライダーウィザード』の脚本(メインライター)もあるが、魔法を見ながらイエローなスカートのきださんを思い出しそうw。
レモンライブの舞台はいまひとつ感があるが、今回は面白そうかもと取ったもの。
ひとり男女二役、登場人物14人が繰り広げるドタバタコメディ。キャストも個性的な実力派が集まった。
舞台はとある「おかまバー」の控え室と「温泉旅館」の和室。
サラリーマン・チームは企画した韓国アーティストライブを前に、おかまに変身しようとすったもんだの騒ぎ。一方、彼らの母親たちはそのライブを観る前に旅館に集合、すったもんだの騒ぎになる。巻き込まれた若女将たちは…。
控え室と和室をひとつの舞台に作り上げるシチュエーション・コメディ。
サラリーマンたちの本当の目的が掴み辛く、借金やトラブルなど色んなことが隠されていたので、最初はとっても取っ付きにくかった。
加えて、キャストの女役と男役の早着替え。いくらスピードを要求されてるとはいえ、あんなオカマな女たちはナイわ(^^;。サラリーマン達がオカマにも変身するから、二重になってキモイこと(^^;。
特に、恒吉梨絵が演じるヒカルはただのガラの悪い女にしか見えず、岩渕敏司が演じる良子は宝塚風とはいえ普通のオタク男にしか見えなかった。女や男を役として演じるなら、声や動作などもっと役作りして欲しいよ。
一番良かったのは、植本潤の城島幸子かな。ちゃんと台詞も歌声も女として聞こえるし、暖かく包み込むような笑顔がとてもステキ。癒された~。でも植本さんの男役の拓也は、あんまり印象に残らない。
松本慎也は定評のある男女役で、派手に大活躍。ひろみとしては飛び込みアクションを披露、アヤしくなまめかしく昼ドラしていたw。まさるとしてもパソコンを操り韓国語を操ったりと、颯爽としたイケメンぶり。
岡田達也、山路和弘は、元々長身の男前だけに、女性役だとゴツくていまひとつ。
きだつよしは小柄だけど、キャンキャンと黄色い印象w。
キャストの怪演は別にして、斎藤栄作の作品自体に反発した。
息子をもつオカンたち(50代~60代)の描き方があまりにヒドイ(^^;。
5人のうち誰ひとりとしてスマホを扱えず、だったら普通の携帯を持てよと思うのに、息子に勧められたからと安直にスマホに機種変更する思慮のなさ。周りの客に迷惑だからと若女将に何度も注意されてるのに、何度も何度も大声を出してバカ騒ぎするモラルのなさ。しかも吹雪で道が閉ざされてる真夜中に、息子に会わなきゃと一斉に旅館を後にする無鉄砲さ。
いくら設定上仕方がないとはいえ、そんなおバカな母親像しか描けない作者に無性に腹が立った。若い観客はそれでも笑っていたが、年齢を重ねた人たちは見ていて愉快な気分ではなかっただろう。
観客の一部を敵に回したな、作家さん。今週からの『MACBETH』にもあまり期待がもてなくなった。
どうせなら全員が男性俳優だったら面白いと思うのだが、萌えがないのがつまらない。
途中何度か眠気が出てきたが、最前列だからと我慢した。
前半にステージに降らせた雪の切れ端がずっと残っていて、とても気になった。
ダブルカテコ。早着替えのキャストに拍手は送ったけどね。
岩渕さんが仕切りで、恒吉さんから二度もコメント。他のキャストからも一言ずつ欲しかった。
きだつよしさんは今年後半は大忙し。
8月下旬からの『新生 ROCK MUSICAL BLEACH REprise』の脚本と演出があるが、ここで舞台に出ていて大丈夫なのか?
9月からの『仮面ライダーウィザード』の脚本(メインライター)もあるが、魔法を見ながらイエローなスカートのきださんを思い出しそうw。
銀河英雄伝説 撃墜王
2012年8月4日 舞台演劇宇宙キターッ!のあとは、銀河にキターッ!
『銀河英雄伝説 撃墜王』を観てきた。
銀河劇場で銀英伝。でもいまだ1週間前のスリル・ミーが抜けてないw。
今年4月に上演された「自由惑星同盟篇」に出てきた、同盟軍の「撃墜王」スパルタニアンのパイロットたちの物語。
原作は田中芳樹。今回の話はよく知らないので、新鮮な気持ちで観た。
前半のイゼルローン攻防戦までは、「同盟篇」の展開とも重なっていて気楽に見れる。
キャストの個性や芝居により、どのキャラクターも生き生きとして、コメディ感覚も溢れて笑いもたくさん起きる。
オープニングや戦闘中に流れる「カルテット」。中川晃教自ら作曲したもので、単純明快なリズムが心地よく、何度も流されると頭に残りそう。
一番心に残ったのが、仲間を失った絶望と責務感を唄ったバラード曲で、中川さん@ポプランの心情がしみじみと染み込んできた。
この舞台そのものが、中川晃教に唄ってもらうステージだからね。
でも今日の中川さんは、台詞を何度か噛んだりと潔い茶目っ気ぶり。中川さんというより、中川さん本人の歌とギャップのあるキャラクターが面白くて好みだ。
カルテットの歌は、「毒舌王」コーネフ@中村誠治郎の声はよく聞き取れるが、シェイクリ@大山真志には苦手なキィなのかな。ヒューズ@仲原裕之は家族思いの良き父親ぶりをアピールして好演。
1ヶ月前は同じ銀河劇場で『ギアミュ』のユフィをやっていた三上俊が、今度は軍人役で出るのも一興。ミカシュン@モランビルは知的な発明ぶりで結構目立って出番もある。
川隅美慎@クラフトは裸になってサービスw、筋肉がある男っぷりだ。
内藤大希が出ることを認識してなかったがw、モランビルの後輩ザムチェフスキーとして思ったよりも出番や台詞がある。
海宝直人@リンツがやけに男っぽく頼もしく見えたが、最後まで期待していた歌がなくて残念。松村泰一朗@ブルームハルトは細面だな。
仮面ライダーバースだった岩永洋昭が、シェーンコップとして参戦。逞しい肉体と女殺しの妙技を見せるw。
Studio Life派としては、三人が馴染みのメンツと様々に絡んでくれるだけでも嬉しい。特にミカシュンと誠治郎の場面は、『裏僕2』の岩崎大と根本正勝の絡みを思い出させて胸が騒いだ。
今回はKis-My-Ft2の二人が参入したことで、チケットが取りにくかったという。ジャニーズを入れなければ銀河劇場は埋まらなかったのだろうか。
コールドウェルの二階堂高嗣は、表情豊かで光る芝居をして好感。何となく中川さんの弟のような、似たオーラがあるw。
キルヒアイスの横尾渉は、先ず滑舌や台詞回しから考えたほうがいい。説明台詞が多いが、何を言ってるのか殆ど把握できなかった。キルヒアイスの知的で静かなイメージとも程遠い。後半にかけてやっとキルヒな感じが出てきたが、もう少し役作りを練り上げて欲しい。
ラインハルトのニコラス・エドワーズは甲高い声で真面目だがオーラが足りない。
ラインハルト&キルヒアイス、まがいものというか、急ごしらえな感じであった。
ナオミ@長澤奈央は、先ほど観た劇場版『フォーゼ』にも出ていたw。
自分を振った男への私怨と復讐のために、何百という命を道連れにする行為は、どう見てもイカレてる。ホントにこんな話が原作にもあったんだろうか?(^^;
楽しい前半、哀しい中盤と比べて、二幕に入るとテンポが落ちて凡庸で停滞。眠気がこみ上げて、ふっと意識がなくなりそうになった。
映像はものすごく飛躍。吸い込まれそうな宇宙と、質感のある機体や船体など、美しくも壮大だ。
ラストにかけてのストーリーもいまひとつの盛り上がり。2時間位に颯爽とまとめて欲しかった。
終演後、中川さんから自分の台詞噛みで「人間ですから」とお詫びの言葉w。ジャニーズの二人からもコメントを言わせる。天宮良さんにもコメントを振ったところ、本人は既にマイクを外していて、隣の大澄賢也さんのマイクを使うが、大澄さんの耳元にキスするような接近ぶりで、見ていてエロかったw。マイクのことで、とってもウケていた二階堂くんw。
その後はさっさと終わらせて挨拶する中川さん。このフリーダムぶりがイイ。
来週もう一回観劇予定。
11月には早くも銀英伝『輝く星 闇を裂いて』を上演。
「薔薇の騎士」連隊の話だから、シェーンコップの岩永さん続投で主演なのかな。
『銀河英雄伝説 撃墜王』を観てきた。
銀河劇場で銀英伝。でもいまだ1週間前のスリル・ミーが抜けてないw。
今年4月に上演された「自由惑星同盟篇」に出てきた、同盟軍の「撃墜王」スパルタニアンのパイロットたちの物語。
原作は田中芳樹。今回の話はよく知らないので、新鮮な気持ちで観た。
前半のイゼルローン攻防戦までは、「同盟篇」の展開とも重なっていて気楽に見れる。
キャストの個性や芝居により、どのキャラクターも生き生きとして、コメディ感覚も溢れて笑いもたくさん起きる。
オープニングや戦闘中に流れる「カルテット」。中川晃教自ら作曲したもので、単純明快なリズムが心地よく、何度も流されると頭に残りそう。
一番心に残ったのが、仲間を失った絶望と責務感を唄ったバラード曲で、中川さん@ポプランの心情がしみじみと染み込んできた。
この舞台そのものが、中川晃教に唄ってもらうステージだからね。
でも今日の中川さんは、台詞を何度か噛んだりと潔い茶目っ気ぶり。中川さんというより、中川さん本人の歌とギャップのあるキャラクターが面白くて好みだ。
カルテットの歌は、「毒舌王」コーネフ@中村誠治郎の声はよく聞き取れるが、シェイクリ@大山真志には苦手なキィなのかな。ヒューズ@仲原裕之は家族思いの良き父親ぶりをアピールして好演。
1ヶ月前は同じ銀河劇場で『ギアミュ』のユフィをやっていた三上俊が、今度は軍人役で出るのも一興。ミカシュン@モランビルは知的な発明ぶりで結構目立って出番もある。
川隅美慎@クラフトは裸になってサービスw、筋肉がある男っぷりだ。
内藤大希が出ることを認識してなかったがw、モランビルの後輩ザムチェフスキーとして思ったよりも出番や台詞がある。
海宝直人@リンツがやけに男っぽく頼もしく見えたが、最後まで期待していた歌がなくて残念。松村泰一朗@ブルームハルトは細面だな。
仮面ライダーバースだった岩永洋昭が、シェーンコップとして参戦。逞しい肉体と女殺しの妙技を見せるw。
Studio Life派としては、三人が馴染みのメンツと様々に絡んでくれるだけでも嬉しい。特にミカシュンと誠治郎の場面は、『裏僕2』の岩崎大と根本正勝の絡みを思い出させて胸が騒いだ。
今回はKis-My-Ft2の二人が参入したことで、チケットが取りにくかったという。ジャニーズを入れなければ銀河劇場は埋まらなかったのだろうか。
コールドウェルの二階堂高嗣は、表情豊かで光る芝居をして好感。何となく中川さんの弟のような、似たオーラがあるw。
キルヒアイスの横尾渉は、先ず滑舌や台詞回しから考えたほうがいい。説明台詞が多いが、何を言ってるのか殆ど把握できなかった。キルヒアイスの知的で静かなイメージとも程遠い。後半にかけてやっとキルヒな感じが出てきたが、もう少し役作りを練り上げて欲しい。
ラインハルトのニコラス・エドワーズは甲高い声で真面目だがオーラが足りない。
ラインハルト&キルヒアイス、まがいものというか、急ごしらえな感じであった。
ナオミ@長澤奈央は、先ほど観た劇場版『フォーゼ』にも出ていたw。
自分を振った男への私怨と復讐のために、何百という命を道連れにする行為は、どう見てもイカレてる。ホントにこんな話が原作にもあったんだろうか?(^^;
楽しい前半、哀しい中盤と比べて、二幕に入るとテンポが落ちて凡庸で停滞。眠気がこみ上げて、ふっと意識がなくなりそうになった。
映像はものすごく飛躍。吸い込まれそうな宇宙と、質感のある機体や船体など、美しくも壮大だ。
ラストにかけてのストーリーもいまひとつの盛り上がり。2時間位に颯爽とまとめて欲しかった。
終演後、中川さんから自分の台詞噛みで「人間ですから」とお詫びの言葉w。ジャニーズの二人からもコメントを言わせる。天宮良さんにもコメントを振ったところ、本人は既にマイクを外していて、隣の大澄賢也さんのマイクを使うが、大澄さんの耳元にキスするような接近ぶりで、見ていてエロかったw。マイクのことで、とってもウケていた二階堂くんw。
その後はさっさと終わらせて挨拶する中川さん。このフリーダムぶりがイイ。
来週もう一回観劇予定。
11月には早くも銀英伝『輝く星 闇を裂いて』を上演。
「薔薇の騎士」連隊の話だから、シェーンコップの岩永さん続投で主演なのかな。
ミュージカル Bitter days, Sweet nights
2012年8月3日 舞台演劇ミュージカル『Bitter days, Sweet nights』を観てきた。
ミュージカル界のトップスターたちがCBGKシブゲキ!!という濃密な空間で共演。
G2による新作書き下ろしミュージカルである。
妻フユコを亡くして酒浸りの日々を送るカメラマンのミノルの前に、ある日突然フユコの妹ナツコが10年ぶりに訪ねてくる。妻そっくりの容貌に戸惑いながら同居生活を送るミノルに、フユコの親友だったヤヨイや、ナツコを追いかけてきたジュンが加わってひと波乱が起きる。
オリジナルなのでキャスト陣から、勝手に洋風な世界を想像していた。実はむちゃくちゃ日本的な設定で、よくあるベタな純愛物語だった。
ストレートプレイだったら、おそらく退屈していたハズ。
キャストの確かな歌唱力とナマのピアノ演奏の美しさが、物語を彩り人物の感情を色濃く膨らませている。セットの移動や変化、小物使いのアイデアも面白い。
キャストやスタッフが一丸となって、豊かでクォリティのある舞台に作り上げていた。
橋本さとし、新妻聖子といえば、『レ・ミゼラブル』からのお気に入りのスター。レ・ミゼのトークショーでは、この二人に遼生さんが入ってて楽しかったっけ。
橋本さんはダボダボの服と大柄な体に、中年男の悲哀と情けなさを宿していて人間臭い。聖子さんはほっそりしたキュートな中にも、勝気な強さが滲み出る。赤と黄色があれほど似合う女性も珍しいが、白いドレスも綺麗だった。
三谷幸喜作品でも印象的だった堀内敬子が、歌や芝居でしっかりと物語を支える。
橋本さんは孤独を歌ったソロ、聖子さんは写真を見ながら唄うしっとりしたバラードがステキ。堀内さんが思ったよりも歌の出番があり、聖子さんとのデュエットは聴きどころ。
ジュン役で出演予定だった白洲迅は、稽古中に肺気胸の症状が見られ、当初はダブルキャストだったのを結局全公演を降板、上山竜司が急遽代役を務めることになった。チラシもポスターもパンフDVDも白洲くんのままなのが残念。
白洲くんのジュンがどんな風だったのかは知りえないが、上山さんが加入したことで、俄然物語が活発化したと思う。カタコト日本語を操るジュンだが、上山さんのもって生まれたコメディセンスが発揮され、ジュンが出る後半以降はちょっとしたことでも面白く感じられた。橋本さんのコミカル芝居もいいが、上山さんのおかげでより明るさが増したと思う。
上山さんもミュージカルには出演していたが、まだまだ経験不足なのだろうか。
ソロは快活に声を出していたが、四人で唄うとなると、まだまだ声量が足りない。橋本さんが高めの音を唄っていたので、ここは上山さんに低音部を力強く支えて欲しかった。私の耳には三人の声しか聞こえてこなくて、物足りなさ感があった。これも急遽の代役で、上山さんの歌唱の稽古量が足りなかったせいだろうか。
まだ公演前半なので、後半にかけてどんどん進化していくだろうと思う。
 ̄
RUN&GUNといえば、『MACBETH』でもマルカム役で出演予定だった永田彬が、体調不良のため急遽降板。代わって宮下雄也が出演する。同じランガンとはいえ、『青の祓魔師』のメフィストで好演したアキラの出演を楽しみにしていたので残念でならない。最近また若手イケメンの降板が増えてきたようだ。
 ̄
シブゲキついでに、渋谷パルコで開催中の『戦国鍋TV 夏の陣』へ寄ってみた。
昨年の『秋の陣』に引き続き、撮影で使用された人気コーナーのセットや小道具、衣装などを大公開。
昨年の人気コーナーもパネル展示。「ミュージック・トゥナイト」の出演アーティストのライブ映像も座って楽しめる。レイナさんの名刺が興味深かったw。
ミュージカル界のトップスターたちがCBGKシブゲキ!!という濃密な空間で共演。
G2による新作書き下ろしミュージカルである。
妻フユコを亡くして酒浸りの日々を送るカメラマンのミノルの前に、ある日突然フユコの妹ナツコが10年ぶりに訪ねてくる。妻そっくりの容貌に戸惑いながら同居生活を送るミノルに、フユコの親友だったヤヨイや、ナツコを追いかけてきたジュンが加わってひと波乱が起きる。
オリジナルなのでキャスト陣から、勝手に洋風な世界を想像していた。実はむちゃくちゃ日本的な設定で、よくあるベタな純愛物語だった。
ストレートプレイだったら、おそらく退屈していたハズ。
キャストの確かな歌唱力とナマのピアノ演奏の美しさが、物語を彩り人物の感情を色濃く膨らませている。セットの移動や変化、小物使いのアイデアも面白い。
キャストやスタッフが一丸となって、豊かでクォリティのある舞台に作り上げていた。
橋本さとし、新妻聖子といえば、『レ・ミゼラブル』からのお気に入りのスター。レ・ミゼのトークショーでは、この二人に遼生さんが入ってて楽しかったっけ。
橋本さんはダボダボの服と大柄な体に、中年男の悲哀と情けなさを宿していて人間臭い。聖子さんはほっそりしたキュートな中にも、勝気な強さが滲み出る。赤と黄色があれほど似合う女性も珍しいが、白いドレスも綺麗だった。
三谷幸喜作品でも印象的だった堀内敬子が、歌や芝居でしっかりと物語を支える。
橋本さんは孤独を歌ったソロ、聖子さんは写真を見ながら唄うしっとりしたバラードがステキ。堀内さんが思ったよりも歌の出番があり、聖子さんとのデュエットは聴きどころ。
ジュン役で出演予定だった白洲迅は、稽古中に肺気胸の症状が見られ、当初はダブルキャストだったのを結局全公演を降板、上山竜司が急遽代役を務めることになった。チラシもポスターもパンフDVDも白洲くんのままなのが残念。
白洲くんのジュンがどんな風だったのかは知りえないが、上山さんが加入したことで、俄然物語が活発化したと思う。カタコト日本語を操るジュンだが、上山さんのもって生まれたコメディセンスが発揮され、ジュンが出る後半以降はちょっとしたことでも面白く感じられた。橋本さんのコミカル芝居もいいが、上山さんのおかげでより明るさが増したと思う。
上山さんもミュージカルには出演していたが、まだまだ経験不足なのだろうか。
ソロは快活に声を出していたが、四人で唄うとなると、まだまだ声量が足りない。橋本さんが高めの音を唄っていたので、ここは上山さんに低音部を力強く支えて欲しかった。私の耳には三人の声しか聞こえてこなくて、物足りなさ感があった。これも急遽の代役で、上山さんの歌唱の稽古量が足りなかったせいだろうか。
まだ公演前半なので、後半にかけてどんどん進化していくだろうと思う。
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RUN&GUNといえば、『MACBETH』でもマルカム役で出演予定だった永田彬が、体調不良のため急遽降板。代わって宮下雄也が出演する。同じランガンとはいえ、『青の祓魔師』のメフィストで好演したアキラの出演を楽しみにしていたので残念でならない。最近また若手イケメンの降板が増えてきたようだ。
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シブゲキついでに、渋谷パルコで開催中の『戦国鍋TV 夏の陣』へ寄ってみた。
昨年の『秋の陣』に引き続き、撮影で使用された人気コーナーのセットや小道具、衣装などを大公開。
昨年の人気コーナーもパネル展示。「ミュージック・トゥナイト」の出演アーティストのライブ映像も座って楽しめる。レイナさんの名刺が興味深かったw。
舞台 裏切りは僕の名前を知っているVol.2
2012年8月2日 舞台演劇舞台『裏切りは僕の名前を知っているVol.2 ~許されざる望みの彼方へ~』を観てきた。
昨年12月に続き、小田切ほたる原作の舞台化の第2弾。
昨年までは前後編かと思っていたが、今年に入り全3公演だと判明した。
祗王家本邸へ向かった夕月は、新たなツヴァイルトの黒刀と千紫郎と出会い、義兄・天白から千年前に起きた「黄泉の落日」について聞かされる。やがて泠呀によって召喚された上級悪魔、カデンツァとエレジーが現れる…。
初演も良かったが、それを上回る出来上がりだ。
ストーリー構成が充実している。キャラクターの過去をしっかり描き出し、濃密な人物描写で物語に深みを与えている。
世界観を彩る美しい音楽とテーマソング、ライティングや照明などスタッフワークも抜群。
原作のテイスト以上のものを表現するキャストやアンサンブルの力も鮮烈だ。
私はアニメ派なので、アニメとも見比べてしまうが、舞台にはアニメを超えるものがある。
原作ファンをも満足させ、真摯で見応えのある舞台となっていた。
一番印象的だったのが、「黄泉の落日」の泠呀だ。苦悩と非情が見事に表現され、天白との対決もアニメ以上の迫力を感じた。今回の根本正勝は3つの衣装に着替え、出番的には静観中なので少ない。だが、登場する度に強烈な印象を残し、確かな演技力で存在感を示す。あらためて役者・根本さんの底力をひりひりと感じた。
黒刀の玉城裕規は、7月中旬までの『Dreams』には、こちらの稽古と重ねて出ていたようだ。前の相方や伽藍師匠との壮絶な別れと怒りや哀しみを激しく表現、可愛さやツンデレぶりも見せてハマっている。
カデンツァの岩崎大はダイナミックな狂喜乱舞で楽しそうだ。『天守物語』の妖怪姫から一転、下克上な悪魔というのも一興。
そもそもStudio Lifeの岩崎大とbambooの根本正勝が密接に共演すること自体、私にとっては夢のような組み合わせ。ルカの汐崎アイルと根本さんと玉城さんの三人が共演するのは『遙かなる時空の中で』以来かもしれない。
大河元気の夕月も、大河さんにしか出せない強さと純粋さを出して、原作以上の深みと膨らみを見せている。彼の台詞や動きは一つ一つに精魂が込められて、誠実な芝居には人の心を揺り動かすオーラがある。夕月が「死ぬことは勇気じゃないでしょ」と叫ぶ場面は、思わず涙が出そうになった。『アルター・ボーイズ』を経て、あらためて味のある役者になったなと感心した。
千紫郎の緑川睦はやや太めに見えるが、包容力がありそう。
天白の三木崇史は雰囲気は良いが、声が細くて説明台詞が聞き取りにくいのが難。
山下玲央のルゼは、ルカとの対峙もそこそこで出番が足りない。次回に持ち越しか。
Vol.1のツヴァイルトたちは映像出演。ダンサーが悪魔の役も兼ねて迫力たっぷり。前世の夕月の筒井絵里奈が可愛らしい味だ。
今回は映像が綺麗に纏まって、舞台とよく融合している。
前進座劇場ならではの花道とスッポンと盆も効果的に使用。
スッポンから将棋盤が出てきた時は失笑したが、悪魔のみならずもう少し工夫させたい。盆はバトルシーンで活躍。階段上のセットを横から後ろから見せて、立体的なアクションが展開する。
カデンツァVSツヴァイルト、エレジーVSルカのバトルを交錯させながら、夕月の幻も同時に見せるなど、緻密な演出が面白い。
できればもう1回観て味わいたかったが、千秋楽は取れず断念。リピートするのに、真夏の前進座は私には遠すぎて厳しい。
Vol.3はシアター1010と、通うにはまた遠い場所。でもこれが最後になるなら2回は観たいものだ。
 ̄
アフタートーク。チェックしておらず帰ろうとしちゃった。
登壇者は、大河元気、玉城裕規、緑川睦。MCはドゴウ役のウチクリ内倉。
玉城と緑川「今日はマジゲリ」「嬉しかった」(笑)
玉城から大河「ひたすらカワイイです」に、微妙な笑顔の元気。
大河から玉城&緑川「前回のツヴァイルトはくせ者揃いだったから、今回はあったかい」二人三脚ならコケるタイプw。
緑川から大河「ご飯作るとしたら、肉料理」。黒刀には言われたものは何でも作る。
大河から玉城&緑川「一生仕えてくれたら」「プライベートでもお友達になれたら」。内倉さんの掛け声で「みんなで海に行きましょう!」。
玉城「殺陣返しの時に、千紫郎さんのデスサイズが当たる」(笑)
緑川「デスサイズのカッコイー見せ方を大河さんから教えて貰った」
大河「役的に精神的な負担がかかる」と1公演1公演がシンドイことを告白。演出家からは、立ってるだけで強そうに見えるので「強くなりすぎない。足を開くな」と言われてるとか。
本来は大河さん自身がデスサイズを持って闘ったほうが強そうだが、この作品ではひたすら守られ役に撤しなくてはならない。そういう経験もまた、次の作品に生かされるだろう。
昨年12月に続き、小田切ほたる原作の舞台化の第2弾。
昨年までは前後編かと思っていたが、今年に入り全3公演だと判明した。
祗王家本邸へ向かった夕月は、新たなツヴァイルトの黒刀と千紫郎と出会い、義兄・天白から千年前に起きた「黄泉の落日」について聞かされる。やがて泠呀によって召喚された上級悪魔、カデンツァとエレジーが現れる…。
初演も良かったが、それを上回る出来上がりだ。
ストーリー構成が充実している。キャラクターの過去をしっかり描き出し、濃密な人物描写で物語に深みを与えている。
世界観を彩る美しい音楽とテーマソング、ライティングや照明などスタッフワークも抜群。
原作のテイスト以上のものを表現するキャストやアンサンブルの力も鮮烈だ。
私はアニメ派なので、アニメとも見比べてしまうが、舞台にはアニメを超えるものがある。
原作ファンをも満足させ、真摯で見応えのある舞台となっていた。
一番印象的だったのが、「黄泉の落日」の泠呀だ。苦悩と非情が見事に表現され、天白との対決もアニメ以上の迫力を感じた。今回の根本正勝は3つの衣装に着替え、出番的には静観中なので少ない。だが、登場する度に強烈な印象を残し、確かな演技力で存在感を示す。あらためて役者・根本さんの底力をひりひりと感じた。
黒刀の玉城裕規は、7月中旬までの『Dreams』には、こちらの稽古と重ねて出ていたようだ。前の相方や伽藍師匠との壮絶な別れと怒りや哀しみを激しく表現、可愛さやツンデレぶりも見せてハマっている。
カデンツァの岩崎大はダイナミックな狂喜乱舞で楽しそうだ。『天守物語』の妖怪姫から一転、下克上な悪魔というのも一興。
そもそもStudio Lifeの岩崎大とbambooの根本正勝が密接に共演すること自体、私にとっては夢のような組み合わせ。ルカの汐崎アイルと根本さんと玉城さんの三人が共演するのは『遙かなる時空の中で』以来かもしれない。
大河元気の夕月も、大河さんにしか出せない強さと純粋さを出して、原作以上の深みと膨らみを見せている。彼の台詞や動きは一つ一つに精魂が込められて、誠実な芝居には人の心を揺り動かすオーラがある。夕月が「死ぬことは勇気じゃないでしょ」と叫ぶ場面は、思わず涙が出そうになった。『アルター・ボーイズ』を経て、あらためて味のある役者になったなと感心した。
千紫郎の緑川睦はやや太めに見えるが、包容力がありそう。
天白の三木崇史は雰囲気は良いが、声が細くて説明台詞が聞き取りにくいのが難。
山下玲央のルゼは、ルカとの対峙もそこそこで出番が足りない。次回に持ち越しか。
Vol.1のツヴァイルトたちは映像出演。ダンサーが悪魔の役も兼ねて迫力たっぷり。前世の夕月の筒井絵里奈が可愛らしい味だ。
今回は映像が綺麗に纏まって、舞台とよく融合している。
前進座劇場ならではの花道とスッポンと盆も効果的に使用。
スッポンから将棋盤が出てきた時は失笑したが、悪魔のみならずもう少し工夫させたい。盆はバトルシーンで活躍。階段上のセットを横から後ろから見せて、立体的なアクションが展開する。
カデンツァVSツヴァイルト、エレジーVSルカのバトルを交錯させながら、夕月の幻も同時に見せるなど、緻密な演出が面白い。
できればもう1回観て味わいたかったが、千秋楽は取れず断念。リピートするのに、真夏の前進座は私には遠すぎて厳しい。
Vol.3はシアター1010と、通うにはまた遠い場所。でもこれが最後になるなら2回は観たいものだ。
 ̄
アフタートーク。チェックしておらず帰ろうとしちゃった。
登壇者は、大河元気、玉城裕規、緑川睦。MCはドゴウ役のウチクリ内倉。
玉城と緑川「今日はマジゲリ」「嬉しかった」(笑)
玉城から大河「ひたすらカワイイです」に、微妙な笑顔の元気。
大河から玉城&緑川「前回のツヴァイルトはくせ者揃いだったから、今回はあったかい」二人三脚ならコケるタイプw。
緑川から大河「ご飯作るとしたら、肉料理」。黒刀には言われたものは何でも作る。
大河から玉城&緑川「一生仕えてくれたら」「プライベートでもお友達になれたら」。内倉さんの掛け声で「みんなで海に行きましょう!」。
玉城「殺陣返しの時に、千紫郎さんのデスサイズが当たる」(笑)
緑川「デスサイズのカッコイー見せ方を大河さんから教えて貰った」
大河「役的に精神的な負担がかかる」と1公演1公演がシンドイことを告白。演出家からは、立ってるだけで強そうに見えるので「強くなりすぎない。足を開くな」と言われてるとか。
本来は大河さん自身がデスサイズを持って闘ったほうが強そうだが、この作品ではひたすら守られ役に撤しなくてはならない。そういう経験もまた、次の作品に生かされるだろう。
舞台 クリンドルクラックス
2012年7月31日 舞台演劇石井光三オフィスプロデュース『クリンドルクラックス』を観てきた。
“ドラゴン退治”伝説を元に書かれた、イギリスの作家フィリップ・リドリーの児童文学の舞台化。
D2の阿久津慎太郎ら馴染みのキャストが出るので取った。
お隣のトラムには『マグネット』のゴンゾ(碓井将大)が、こちらのパブリックにはリューベンがいて、共に10代の少年を演じてるのも奇妙な縁だ。
ヒーローに憧れる冴えない少年・ラスキンが、謎の怪物クリンドルクラックスと戦って街を守ろうとする話。
前日に観た『fitしない』と同じく、いじめられっ子が登場。世相を反映してか、イジメの話が続く。
主人公たちは11歳から12歳の小学生。ラスキンの阿久津をはじめ、いじめっ子エルビスの伊阪達也、友達スパーキーの小野健斗らみんな背も体もデカいので、ものすご~い違和感と可笑しさがある。若く見せるため頬紅メイクもしているが、芝居がどうもオーバーでわざとらしいw。
彼らのママたち(宮地雅子・安寿ミラ・ぼくもとさきこ)もやたらちっちゃく見えちゃって迫力がない。
前半は台詞が多く、動きが少ないので、平坦で退屈な展開。眠気もつい起きそう。
冒険ファンタジーものなら、笑いを入れたり、アクションや映像で目を引いたりと演出の工夫が必要。
設定や関係の説明がくどくて、ちっともワクワクドキドキさせてくれない。
人物描写にももう少し丁寧さが必要だ。コーキーの持ってたコインの話や、ラスキンママとの繋がり、コーキーを実は好きだったエルビスの思いなど、前半に布石を散りばめて描いて欲しかった。
ラスキンとコーキーのシーンはちょっと長く感じるが、コーキーの言葉にはジンときた。出ずっぱりの阿久津は素直な芝居で熱演。西本裕行が深みのある芝居で物語を支える。
ラスキンを励ますコーキーの「絶対に自分を疑うな」は胸を打つ。先の『fit』がイジメる側を擁護していたのに対し、こちらは完全にイジメられる側の味方だ。自己存在の肯定と前進。両親がおかした責任も背負い、自分の殻を打ち破ろうとする勇気と覚悟がしっかり見て取れた。
下水道で住人の幻に誘惑されそうになる場面は照明効果もあって、面白く出来ている。後半30分は一挙に加速していく。
肝心のクリンドルクラックスは映像か何かで表すのかと思いきや、キャストが束になって化ける形。緑の布に爪の着ぐるみに傘とアイデアは悪くないが、低予算ぶりには呆然。大河内浩が泣いて懇願する様子は、感動を通り越して失笑ものだった。
ラスキンと住人たちとの絆がしっかり描かれないまま「大好きだー!」。ラストは駆け足過ぎて、気持ちが付いていかない。
「とかげ大通りのうた」は、本来は客席の手拍子でもっと盛り上がるべき歌なのかな。
当初は大人が忘れてしまったメッセージ性のあるファンタジーかと思ってたが、脚本も演出も子ども向けに思えてきた。
いっそ『狼王ロボ』みたいに、親子に対応できるミュージカル仕立てにしてくれたら、もっと楽しめるし伝わるものも多いだろうと思う。そのためには歌える若手キャストを連れてこなくてはいけないが。
宮地さんは唄ったが、他の実力派キャストを使いきれておらず勿体無い気がした。
カテコはROLLYのギター演奏で出演者が登場。阿久津がお礼を言って、あっさりと終了した。
“ドラゴン退治”伝説を元に書かれた、イギリスの作家フィリップ・リドリーの児童文学の舞台化。
D2の阿久津慎太郎ら馴染みのキャストが出るので取った。
お隣のトラムには『マグネット』のゴンゾ(碓井将大)が、こちらのパブリックにはリューベンがいて、共に10代の少年を演じてるのも奇妙な縁だ。
ヒーローに憧れる冴えない少年・ラスキンが、謎の怪物クリンドルクラックスと戦って街を守ろうとする話。
前日に観た『fitしない』と同じく、いじめられっ子が登場。世相を反映してか、イジメの話が続く。
主人公たちは11歳から12歳の小学生。ラスキンの阿久津をはじめ、いじめっ子エルビスの伊阪達也、友達スパーキーの小野健斗らみんな背も体もデカいので、ものすご~い違和感と可笑しさがある。若く見せるため頬紅メイクもしているが、芝居がどうもオーバーでわざとらしいw。
彼らのママたち(宮地雅子・安寿ミラ・ぼくもとさきこ)もやたらちっちゃく見えちゃって迫力がない。
前半は台詞が多く、動きが少ないので、平坦で退屈な展開。眠気もつい起きそう。
冒険ファンタジーものなら、笑いを入れたり、アクションや映像で目を引いたりと演出の工夫が必要。
設定や関係の説明がくどくて、ちっともワクワクドキドキさせてくれない。
人物描写にももう少し丁寧さが必要だ。コーキーの持ってたコインの話や、ラスキンママとの繋がり、コーキーを実は好きだったエルビスの思いなど、前半に布石を散りばめて描いて欲しかった。
ラスキンとコーキーのシーンはちょっと長く感じるが、コーキーの言葉にはジンときた。出ずっぱりの阿久津は素直な芝居で熱演。西本裕行が深みのある芝居で物語を支える。
ラスキンを励ますコーキーの「絶対に自分を疑うな」は胸を打つ。先の『fit』がイジメる側を擁護していたのに対し、こちらは完全にイジメられる側の味方だ。自己存在の肯定と前進。両親がおかした責任も背負い、自分の殻を打ち破ろうとする勇気と覚悟がしっかり見て取れた。
下水道で住人の幻に誘惑されそうになる場面は照明効果もあって、面白く出来ている。後半30分は一挙に加速していく。
肝心のクリンドルクラックスは映像か何かで表すのかと思いきや、キャストが束になって化ける形。緑の布に爪の着ぐるみに傘とアイデアは悪くないが、低予算ぶりには呆然。大河内浩が泣いて懇願する様子は、感動を通り越して失笑ものだった。
ラスキンと住人たちとの絆がしっかり描かれないまま「大好きだー!」。ラストは駆け足過ぎて、気持ちが付いていかない。
「とかげ大通りのうた」は、本来は客席の手拍子でもっと盛り上がるべき歌なのかな。
当初は大人が忘れてしまったメッセージ性のあるファンタジーかと思ってたが、脚本も演出も子ども向けに思えてきた。
いっそ『狼王ロボ』みたいに、親子に対応できるミュージカル仕立てにしてくれたら、もっと楽しめるし伝わるものも多いだろうと思う。そのためには歌える若手キャストを連れてこなくてはいけないが。
宮地さんは唄ったが、他の実力派キャストを使いきれておらず勿体無い気がした。
カテコはROLLYのギター演奏で出演者が登場。阿久津がお礼を言って、あっさりと終了した。
劇団TEAM-ODAC 浮遊するfitしない者達
2012年7月30日 舞台演劇劇団TEAMーODAC『浮遊するfitしない者達』千秋楽を観てきた。
『逆境ナイン』の時に試しにチケットを取っていた舞台。
豪華イケメンな客演陣で、ロビー物販コーナーは大盛況。ファンからの花壇が凝っていて楽しめる。
雑居ビルの屋上に佇む大学生のツバサに、天使と悪魔が囁いてくる。世の中のすべてと合わず孤独に打ちひしがれる自分と、合わない事で済ませる者達が、無人島に集められてたどり着いた真実とは…。
シビアな現実と荒唐無稽なファンタジーが融合されたフシギな世界。
主人公や登場人物たちの羅刹と叫びが生々しく描かれていて、作品に込められた意図が何となくわかるような気がした。
まだまだ未熟で荒削りで雑な舞台だったが、作り手の真摯な思いは伝わってきた。
今までの常識を覆すような、新しいテイストと設定、逆転されたキャスティングが面白い。
天使が理想郷で楽になろうと「死」を誘い、悪魔が世の中でまだ苦しませるために「生」を提供する。目つきの悪い伊崎央登が、白いコスチュームに身を包んで、暴言暴力をやりつくす“天使”役なのが可笑しい。マイルドで誠実そうな伊藤大樹が、黒い衣装でコミカルな“悪魔”役。井戸田潤の“死神”は彼らに翻弄されたりイジられる情けない役。藤田記子が従順な妻役なのにもビックリだ。
ツバサ役の竹内寿は、若者の苦しみや怒りを細やかに表現。渡辺大輔がなかなか出てこないと思ったら、実はツバサの“影”という難しい役どころ。つまり『ギアミュ』のルルーシュのような、二人一役だった。
小谷嘉一と米原幸佑はイジメっこの役。でも今どきの大学生ってあんな幼稚なイジメ方をするんだろうか?w カメラ小僧の松岡卓弥はなかなか正体を見せず、ややウザイ存在でもあった。
兄の弟で名を広めた五十嵐麻朝は長身で目立っていたが、役的には目立たず。
今までイジめられ虐げられてきた者たちが、一転、怒りを露わにして相手を罵ったり暴力で反撃する場面に、なぜか快感がわいてくる。観劇する者それぞれの心の“闇”を微妙に刺激する展開でもあった。
思惑通りにいかず落ち込んでスネている天使を奮い立たせようと、客席から死神たちがステージに上がるが、逆に天使からキックを受けて叩きのめされる。その絶妙なバカらしさが痛快。
空手道場の先生がツバサをガッツリ受け止めてくれそうな存在だったが、先生の恋愛ものが前面に出て、ツバサとの絆が曖昧になったのが残念。
やがて家族や友人たちの真の心が判明するが、強引なまとめ方で薄っぺらい。イジめるほうにも事情があるんだから、イジめられるほうも理解しなきゃ、という理屈はとうてい納得できない。
ツバサのもうひとりの“自分”との対峙もいまひとつだ。影の部分も受け入れた上で、新しい自分と向き合って欲しかった。瀕死の状態でベッドに横たわる時は、服のままだと切迫感がわいてこない。
客の目線や考えとなかなかfitしない不完全さも、この舞台の持ち味なのかもしれない。
『逆境ナイン』の時に試しにチケットを取っていた舞台。
豪華イケメンな客演陣で、ロビー物販コーナーは大盛況。ファンからの花壇が凝っていて楽しめる。
雑居ビルの屋上に佇む大学生のツバサに、天使と悪魔が囁いてくる。世の中のすべてと合わず孤独に打ちひしがれる自分と、合わない事で済ませる者達が、無人島に集められてたどり着いた真実とは…。
シビアな現実と荒唐無稽なファンタジーが融合されたフシギな世界。
主人公や登場人物たちの羅刹と叫びが生々しく描かれていて、作品に込められた意図が何となくわかるような気がした。
まだまだ未熟で荒削りで雑な舞台だったが、作り手の真摯な思いは伝わってきた。
今までの常識を覆すような、新しいテイストと設定、逆転されたキャスティングが面白い。
天使が理想郷で楽になろうと「死」を誘い、悪魔が世の中でまだ苦しませるために「生」を提供する。目つきの悪い伊崎央登が、白いコスチュームに身を包んで、暴言暴力をやりつくす“天使”役なのが可笑しい。マイルドで誠実そうな伊藤大樹が、黒い衣装でコミカルな“悪魔”役。井戸田潤の“死神”は彼らに翻弄されたりイジられる情けない役。藤田記子が従順な妻役なのにもビックリだ。
ツバサ役の竹内寿は、若者の苦しみや怒りを細やかに表現。渡辺大輔がなかなか出てこないと思ったら、実はツバサの“影”という難しい役どころ。つまり『ギアミュ』のルルーシュのような、二人一役だった。
小谷嘉一と米原幸佑はイジメっこの役。でも今どきの大学生ってあんな幼稚なイジメ方をするんだろうか?w カメラ小僧の松岡卓弥はなかなか正体を見せず、ややウザイ存在でもあった。
兄の弟で名を広めた五十嵐麻朝は長身で目立っていたが、役的には目立たず。
今までイジめられ虐げられてきた者たちが、一転、怒りを露わにして相手を罵ったり暴力で反撃する場面に、なぜか快感がわいてくる。観劇する者それぞれの心の“闇”を微妙に刺激する展開でもあった。
思惑通りにいかず落ち込んでスネている天使を奮い立たせようと、客席から死神たちがステージに上がるが、逆に天使からキックを受けて叩きのめされる。その絶妙なバカらしさが痛快。
空手道場の先生がツバサをガッツリ受け止めてくれそうな存在だったが、先生の恋愛ものが前面に出て、ツバサとの絆が曖昧になったのが残念。
やがて家族や友人たちの真の心が判明するが、強引なまとめ方で薄っぺらい。イジめるほうにも事情があるんだから、イジめられるほうも理解しなきゃ、という理屈はとうてい納得できない。
ツバサのもうひとりの“自分”との対峙もいまひとつだ。影の部分も受け入れた上で、新しい自分と向き合って欲しかった。瀕死の状態でベッドに横たわる時は、服のままだと切迫感がわいてこない。
客の目線や考えとなかなかfitしない不完全さも、この舞台の持ち味なのかもしれない。
FREE(S) DREAM 第三章
2012年7月29日 舞台演劇FREE(S)『DREAM』の第三章『Dream-Baby’s breath-』千秋楽を観てきた。
第一章から第三章までシリーズを週替わりで公演する『DREAM』。
キャストも章ごとに少々替わるが、第三章は本日まで。
シリーズ通したこの作品もついに千秋楽を迎える。
北海道から出てきた若者たちが集うバー「HOME TOWN」。オーナーのキョウコは個人的事情もあり店をたたむことになる。サトシが仕掛け人となってサプライズパーティーが開催され、懐かしの顔ぶれが集う。
仲間たちが馴染んでいた居場所が閉店となるのは「バンビーノ」とそっくり。
夢を抱いて集まってきた者たちは、今、其々の道を歩みだし、まるで彼らの“卒業式”のような話でもあった。
店に隠しカメラを仕掛け、自主映画作りを目論むサトシ。
キョウコが「あんた、ヒマそうだね」とズバリ突いてたが、この作品の男たちはいったい何で生計を立てているのか、ホントにいつもブラブラしている感じ。特に今回の司会者も兼ねたアキラは、花な衣装とは逆で、終始あやふやな存在だった。
第一章から第三章まで、実は二年の月日が流れているようだ。
第三章目でようやく、サブキャストの顔と名前を認識できた。パンフはとうとう買わなかった。
ヨシオとマサルはチラシの写真と別人ぶりな役w。第一章で敵対していたカズキとケンジは、二年経過してようやく仲直り。リョウはその後どうなったのか。
ユウジが海外から帰着。向こうで知り合ったジンを伴ってだが、登場時があまりにサプライズ(笑)。DB悟空な加藤良輔は分かったが、アラレちゃんな篠谷聖はすぐに分からなかったw。
今回の寿里のカラーはオレンジ。痛快な芝居で笑わせ、「アメイジング・グレイス」を披露して活躍。管弦楽器演奏の三女子も練習したようだ。
ラストはダンシング! 足に難を抱えるケンジまで踊っていたのに、アキラは踊らないのか。ユウジのブレイクダンスは本格的に見えたw。
痛い第一章、切ない第二章と比べて、第三章はポップでハッピー。
なんやかんやとあった後、サトシがアヤについにプロポーズ。陽気で茶目っ気たっぷりの広瀬友祐は、指輪を見せるだけでも格好良く映る。
ユウジとキョウコのほんわかラブも実り、突然めでたく挙式。白いドレスに身を包んだ宮地真緒が新鮮でチャーミングだ。
EDテーマ「Baby’s breath」は、3曲の中で一番心に染み透る歌。
ぬるくてやんわりした物語だったが、シリーズ通して“ファミリー”の暖かさや強さを描いていて、ゆったりと楽しめた舞台だった。
章ごとに2時間なかったのも、とっつき易いものがあった。
カテコは3回。加藤良輔、河原田拓也が挨拶し、アキラとヨシオでアンパンマンコントで盛り上げ(?)、最後に広瀬さんと宮地さんが挨拶。「誰かの夢であることだけでも価値がある」と広瀬さんが結構イイことを言う。
キョウコとユウジが抱き合ったりと最後まで仲良さそう。みんな手を振ってにこやかにハケた後、座長の広瀬さんがゆっくりお辞儀をして終演した。
第一章から第三章までシリーズを週替わりで公演する『DREAM』。
キャストも章ごとに少々替わるが、第三章は本日まで。
シリーズ通したこの作品もついに千秋楽を迎える。
北海道から出てきた若者たちが集うバー「HOME TOWN」。オーナーのキョウコは個人的事情もあり店をたたむことになる。サトシが仕掛け人となってサプライズパーティーが開催され、懐かしの顔ぶれが集う。
仲間たちが馴染んでいた居場所が閉店となるのは「バンビーノ」とそっくり。
夢を抱いて集まってきた者たちは、今、其々の道を歩みだし、まるで彼らの“卒業式”のような話でもあった。
店に隠しカメラを仕掛け、自主映画作りを目論むサトシ。
キョウコが「あんた、ヒマそうだね」とズバリ突いてたが、この作品の男たちはいったい何で生計を立てているのか、ホントにいつもブラブラしている感じ。特に今回の司会者も兼ねたアキラは、花な衣装とは逆で、終始あやふやな存在だった。
第一章から第三章まで、実は二年の月日が流れているようだ。
第三章目でようやく、サブキャストの顔と名前を認識できた。パンフはとうとう買わなかった。
ヨシオとマサルはチラシの写真と別人ぶりな役w。第一章で敵対していたカズキとケンジは、二年経過してようやく仲直り。リョウはその後どうなったのか。
ユウジが海外から帰着。向こうで知り合ったジンを伴ってだが、登場時があまりにサプライズ(笑)。DB悟空な加藤良輔は分かったが、アラレちゃんな篠谷聖はすぐに分からなかったw。
今回の寿里のカラーはオレンジ。痛快な芝居で笑わせ、「アメイジング・グレイス」を披露して活躍。管弦楽器演奏の三女子も練習したようだ。
ラストはダンシング! 足に難を抱えるケンジまで踊っていたのに、アキラは踊らないのか。ユウジのブレイクダンスは本格的に見えたw。
痛い第一章、切ない第二章と比べて、第三章はポップでハッピー。
なんやかんやとあった後、サトシがアヤについにプロポーズ。陽気で茶目っ気たっぷりの広瀬友祐は、指輪を見せるだけでも格好良く映る。
ユウジとキョウコのほんわかラブも実り、突然めでたく挙式。白いドレスに身を包んだ宮地真緒が新鮮でチャーミングだ。
EDテーマ「Baby’s breath」は、3曲の中で一番心に染み透る歌。
ぬるくてやんわりした物語だったが、シリーズ通して“ファミリー”の暖かさや強さを描いていて、ゆったりと楽しめた舞台だった。
章ごとに2時間なかったのも、とっつき易いものがあった。
カテコは3回。加藤良輔、河原田拓也が挨拶し、アキラとヨシオでアンパンマンコントで盛り上げ(?)、最後に広瀬さんと宮地さんが挨拶。「誰かの夢であることだけでも価値がある」と広瀬さんが結構イイことを言う。
キョウコとユウジが抱き合ったりと最後まで仲良さそう。みんな手を振ってにこやかにハケた後、座長の広瀬さんがゆっくりお辞儀をして終演した。
ミュージカル スリル・ミー 良小ペア千秋楽
2012年7月28日 舞台演劇ミュージカル『スリル・ミー』の6回目を観てきた。
良知真次×小西遼生ペアの千秋楽。
ついこの前、彼らの初日を観たのに、もう6公演目。終わるのは早いなと実感。
今のところ再演の予定はないので、これがホントに二人にとってラストのスリル・ミー。隅々まで堪能したいと思った。
26日とはまた違う雰囲気。
「私」がぐいぐい押していたのが、今日の「彼」はなかなか手強い。
情熱的にぶつかっていく良知さん「私」に対し、冷たく言い放つ遼生さん「彼」の眉や口元が小さく歪んでいて凄みがあった。
前半のキスシーンは、いつもより5秒位は長かったw。いつもより深く見えたw。この二人のキスはホントに綺麗でウットリする。
誘拐シーンの遼生さんの歌い方がいつもとちょっと違ってて、残虐性をちらつかせるようにも聞こえた。
倉庫の炎のデュエットは淡白ではあるが、このペアは後半にかけてテンション高く加速していくから面白い。
取り調べ室の“足湯”のシーン。マリオさんがトークでそう言うもんだから、もうお風呂にしか見えないw。誘拐場面以外はほぼ出ずっぱりで熱演の良知さんの顔から汗が滲んで、前髪が汗で濡れてペッタリしてて、ホントに水に浸かっているように見えてしまうw。
そこから先の良知さんは、愛らしさと残酷性、冷淡と狂気、人間の闇と影のすべての表情を次々に見せてゾクゾクさせる。
遼生さんは判決前の未練たらたらの絶叫が、哀憐たっぷりで生々しくてジンジンさせる。こういう半狂乱の情けない芝居が、意外と遼生さんにぴったりくる。
観る度にエキサイティングで、美しくスリリングな芝居。これがこのペアの最大の魅力だろう。
ただ1点だけ、ずっと気になってたことがあった。彼がシャワー室で…と記憶をまさぐるところで、良知さんの「私」はどうして笑いを浮かべるのだろう。「彼」のこととはいえ、悲しい出来事なのだから、暗く沈んだ表情で話しても良さそうなものだ(韓国ペアのチェさんはそうだった)。更に一歩進めた、「私」の闇を追いかけたのだろうか。良知さんの「私」からは時おり“サロメ”の空気を感じた。
ラストの「これで僕たち共犯者」という歌詞がいまひとつ掴めない。自由になった身と引き換えに、過ぎ去った時間も含めて「彼」と本当にひとつになれたということか。韓国ペアの字幕は何と書いてあったかな。
今日は2階の1列目の中ほど席。前を遮るものはなく、思ったよりもステージと近くて観やすい。全体を見下ろすような形で、自分が審議官にもなったような感覚だw。ピアニストの位置や、ラストの「彼」の目線とも同じ感じで、1階席とは違ったモチベーションで観劇できた。
最後に「スリル・ミー」と言う良知さんの顔には、汗だか涙だかわからないものが光っていた。照明に照らされ、やや上向きな良知さんの「私」から、“堕天使”という言葉が浮かんできた。
スタオベや拍手でいっぱいになった、こんなにたくさんのカテコも初めて。3回目にして二人一緒に「ありがとうございました」と満面の笑み。千秋楽でやっと初めて言葉に出したが、この特異性もこの舞台の持ち味だろう。
互いに肩を抱き合ったり、遼生さんが良知さんにまたキスしようとしたり、二人で腕をブンブン振ったりと、最後までお茶目で魅力的なペアだった。ピアニストの落合崇史さんにもキス。満足そうに手を繋いでハケる二人に拍手が鳴り止まなかった。
6ステージ駆け抜けた良知さん、共に疾走した遼生さん。キレイでフシギなペアにたっぷり魅了された。この新しいペアがきっかけで、スリル・ミーの世界の洗礼を受けた人も少なくないだろう。私も含めて。
楽曲のメロディーがまだ頭の中で渦巻いている。思い出す度に甘美な興奮が蘇ってくる。軽い中毒症状になってしまったようだ。2月の『アルター・ボーイズ』と同様、今回もまんまとハマってしまったw。
今度は箱をかえて(もっと通い易い劇場)、またこのペアの再演を望みたい。
『スリル・ミー』の後は、其々ライブやステージがあり、10月は其々『ジェーン・エア』と『ウィズ』が控える。どちらも有楽町の駅で降りる劇場で、フシギな縁が嬉しい。
 ̄
公演終了後は、前から用意してた『仮面ライダーフォーゼ』スタンプラリーへ。
たっぷり2時間以上かかったが、全10駅達成してカードを貰った。
良知真次×小西遼生ペアの千秋楽。
ついこの前、彼らの初日を観たのに、もう6公演目。終わるのは早いなと実感。
今のところ再演の予定はないので、これがホントに二人にとってラストのスリル・ミー。隅々まで堪能したいと思った。
26日とはまた違う雰囲気。
「私」がぐいぐい押していたのが、今日の「彼」はなかなか手強い。
情熱的にぶつかっていく良知さん「私」に対し、冷たく言い放つ遼生さん「彼」の眉や口元が小さく歪んでいて凄みがあった。
前半のキスシーンは、いつもより5秒位は長かったw。いつもより深く見えたw。この二人のキスはホントに綺麗でウットリする。
誘拐シーンの遼生さんの歌い方がいつもとちょっと違ってて、残虐性をちらつかせるようにも聞こえた。
倉庫の炎のデュエットは淡白ではあるが、このペアは後半にかけてテンション高く加速していくから面白い。
取り調べ室の“足湯”のシーン。マリオさんがトークでそう言うもんだから、もうお風呂にしか見えないw。誘拐場面以外はほぼ出ずっぱりで熱演の良知さんの顔から汗が滲んで、前髪が汗で濡れてペッタリしてて、ホントに水に浸かっているように見えてしまうw。
そこから先の良知さんは、愛らしさと残酷性、冷淡と狂気、人間の闇と影のすべての表情を次々に見せてゾクゾクさせる。
遼生さんは判決前の未練たらたらの絶叫が、哀憐たっぷりで生々しくてジンジンさせる。こういう半狂乱の情けない芝居が、意外と遼生さんにぴったりくる。
観る度にエキサイティングで、美しくスリリングな芝居。これがこのペアの最大の魅力だろう。
ただ1点だけ、ずっと気になってたことがあった。彼がシャワー室で…と記憶をまさぐるところで、良知さんの「私」はどうして笑いを浮かべるのだろう。「彼」のこととはいえ、悲しい出来事なのだから、暗く沈んだ表情で話しても良さそうなものだ(韓国ペアのチェさんはそうだった)。更に一歩進めた、「私」の闇を追いかけたのだろうか。良知さんの「私」からは時おり“サロメ”の空気を感じた。
ラストの「これで僕たち共犯者」という歌詞がいまひとつ掴めない。自由になった身と引き換えに、過ぎ去った時間も含めて「彼」と本当にひとつになれたということか。韓国ペアの字幕は何と書いてあったかな。
今日は2階の1列目の中ほど席。前を遮るものはなく、思ったよりもステージと近くて観やすい。全体を見下ろすような形で、自分が審議官にもなったような感覚だw。ピアニストの位置や、ラストの「彼」の目線とも同じ感じで、1階席とは違ったモチベーションで観劇できた。
最後に「スリル・ミー」と言う良知さんの顔には、汗だか涙だかわからないものが光っていた。照明に照らされ、やや上向きな良知さんの「私」から、“堕天使”という言葉が浮かんできた。
スタオベや拍手でいっぱいになった、こんなにたくさんのカテコも初めて。3回目にして二人一緒に「ありがとうございました」と満面の笑み。千秋楽でやっと初めて言葉に出したが、この特異性もこの舞台の持ち味だろう。
互いに肩を抱き合ったり、遼生さんが良知さんにまたキスしようとしたり、二人で腕をブンブン振ったりと、最後までお茶目で魅力的なペアだった。ピアニストの落合崇史さんにもキス。満足そうに手を繋いでハケる二人に拍手が鳴り止まなかった。
6ステージ駆け抜けた良知さん、共に疾走した遼生さん。キレイでフシギなペアにたっぷり魅了された。この新しいペアがきっかけで、スリル・ミーの世界の洗礼を受けた人も少なくないだろう。私も含めて。
楽曲のメロディーがまだ頭の中で渦巻いている。思い出す度に甘美な興奮が蘇ってくる。軽い中毒症状になってしまったようだ。2月の『アルター・ボーイズ』と同様、今回もまんまとハマってしまったw。
今度は箱をかえて(もっと通い易い劇場)、またこのペアの再演を望みたい。
『スリル・ミー』の後は、其々ライブやステージがあり、10月は其々『ジェーン・エア』と『ウィズ』が控える。どちらも有楽町の駅で降りる劇場で、フシギな縁が嬉しい。
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公演終了後は、前から用意してた『仮面ライダーフォーゼ』スタンプラリーへ。
たっぷり2時間以上かかったが、全10駅達成してカードを貰った。
ミュージカル テニスの王子様 青学VS立海 2回目
2012年7月27日 舞台演劇『ミュージカル テニスの王子様 青学VS立海』の2回目に行ってきた。
先週もそうだったが、スリル・ミー→テニミュの順番で観ているなぁ。
どちらも、今、日本の女性を最も夢中にさせてるミュージカルには違いない。
全く違う二つのミュージカルを比べるのも邪道だが、いろんなことに気づいてきた。
スリル・ミーは19歳、テニミュは15歳~12歳と未成年の男の子たちの話で、どちらも勝ち負けにこだわる内容ではある。
スリル・ミーの二人の間に“愛”があるなら、テニミュの彼らの間には“信頼”という絆があるに違いない。スリル・ミーの二人がゲームをするかのように生死を投じて生きているなら、テニミュの彼らはゲームをしながら生死をかけて生きているのだろうか。二つの作品の間に、繋がるようなそうでもないような、興味深さを感じた。
二幕最後、立海の真田と幸村の歌は、スリル・ミーの二人の歌に近いものがある。歌はそのものズバリ「君を信じてる」。遠く離れていてもお互いを信じ思いやる、若者らしい優しさと強さの歌だ。小笠原健と神永圭佑の伸びやかなハーモニーは、スリル・ミーの歌にもひけをとらない。この場面だけはスリル・ミーの世界観と重なる。ただし“信頼”というものが介在すると、こうも違う様相になるのだから面白い。
スリル・ミーを観た後でテニミュを観ると、心から癒しと励ましを貰って、良心的な舞台だと実感する。
シングルス戦中、限界を求めて「スリルを楽しむ」ということを不二が言っていてドキリとした。テニミュの中で、最も“スリル・ミー”な男は「天才・不二」だったかもしれない。
その不二が、がむしゃらに勝ちに拘った試合中の手塚の姿に触発され、少しずつ考えが変わってくる。赤也との対決の暗闇の中、研ぎ澄まされた感覚であらためて己の心を見つめ直したのだろうか。はじめて自ら勝ちにいこうとした不二は、天才以上の何か、“超人”のようにも思えた。今作は不二にとってのターニングポイントだったのは間違いない。
三津谷亮が不二を細やかに、あくまで美しく柔らかく演じきる。赤也のボールで脳天直撃される瞬間は、照明の効果もあり、ミュージカル『コードギアス』のユフィが撃たれる刹那と重なって綺麗だ。ミカシュンとミツリョウ、似ているものがあるのかもしれない。
そんな彼らを後半で一気に席巻するのが、リョーマの小越勇輝だ。前半の赤也戦も良かったが、真田戦でのスタミナとパワー、キレのある動きと豊かな芝居は半端なく凄い! 歌声がどんどん大きく力強く響いてくるのも驚きだ。彼の小さな体のどこにそんな力があるのだろう。恐ろしいほどの精神力と持続力、気迫の篭った歌とアクションに誰もが圧倒されそうだ。リョーマの「SAMURAI」とレシープが決まった時は、自ずと客席から大きな拍手が起こった。
テニミュは若い役者をどんどん成長させ、舞台を進化させるが、今回誰よりも成長を見せたのはやはり座長の小越くんだったのだろう。次のリョーマ役の人はさぞハードルが高くなるだろうな。
立海は要の真田・幸村・柳がしっかりしていて安心だ。「風林火山」を語る柳の声が聴きやすい知的な声で、水石亜飛夢の今後が楽しみだ。赤也@原嶋元久もだいぶ大きな声が出るようになった。
ムードメーカーぶりで笑いを誘う六角は、今回やけに試合解説で目立ってる感じ。佐伯@内海大輔、木更津亮@廣瀬大介はやはり声がイイ。
仁王の今回のTシャツマジックは桃城。立海シャツのポーズがピッタリ合う。
カテコの「That’s My Future! Let’s Go!」で客席降り。今回はアリーナ席だったが、ハイタッチしないルールになったのか、どこも顔を見合わせる程度。統一されてると、こういうあっさり感もいい。
終演したのは22時10分と押し気味。トイレタイムを長く取ったのか。遠方の人たちはダッシュで会場を去って行った。
次は9月の凱旋公演。全国をまわった彼らの更なる進化を楽しみにしたい。
先週もそうだったが、スリル・ミー→テニミュの順番で観ているなぁ。
どちらも、今、日本の女性を最も夢中にさせてるミュージカルには違いない。
全く違う二つのミュージカルを比べるのも邪道だが、いろんなことに気づいてきた。
スリル・ミーは19歳、テニミュは15歳~12歳と未成年の男の子たちの話で、どちらも勝ち負けにこだわる内容ではある。
スリル・ミーの二人の間に“愛”があるなら、テニミュの彼らの間には“信頼”という絆があるに違いない。スリル・ミーの二人がゲームをするかのように生死を投じて生きているなら、テニミュの彼らはゲームをしながら生死をかけて生きているのだろうか。二つの作品の間に、繋がるようなそうでもないような、興味深さを感じた。
二幕最後、立海の真田と幸村の歌は、スリル・ミーの二人の歌に近いものがある。歌はそのものズバリ「君を信じてる」。遠く離れていてもお互いを信じ思いやる、若者らしい優しさと強さの歌だ。小笠原健と神永圭佑の伸びやかなハーモニーは、スリル・ミーの歌にもひけをとらない。この場面だけはスリル・ミーの世界観と重なる。ただし“信頼”というものが介在すると、こうも違う様相になるのだから面白い。
スリル・ミーを観た後でテニミュを観ると、心から癒しと励ましを貰って、良心的な舞台だと実感する。
シングルス戦中、限界を求めて「スリルを楽しむ」ということを不二が言っていてドキリとした。テニミュの中で、最も“スリル・ミー”な男は「天才・不二」だったかもしれない。
その不二が、がむしゃらに勝ちに拘った試合中の手塚の姿に触発され、少しずつ考えが変わってくる。赤也との対決の暗闇の中、研ぎ澄まされた感覚であらためて己の心を見つめ直したのだろうか。はじめて自ら勝ちにいこうとした不二は、天才以上の何か、“超人”のようにも思えた。今作は不二にとってのターニングポイントだったのは間違いない。
三津谷亮が不二を細やかに、あくまで美しく柔らかく演じきる。赤也のボールで脳天直撃される瞬間は、照明の効果もあり、ミュージカル『コードギアス』のユフィが撃たれる刹那と重なって綺麗だ。ミカシュンとミツリョウ、似ているものがあるのかもしれない。
そんな彼らを後半で一気に席巻するのが、リョーマの小越勇輝だ。前半の赤也戦も良かったが、真田戦でのスタミナとパワー、キレのある動きと豊かな芝居は半端なく凄い! 歌声がどんどん大きく力強く響いてくるのも驚きだ。彼の小さな体のどこにそんな力があるのだろう。恐ろしいほどの精神力と持続力、気迫の篭った歌とアクションに誰もが圧倒されそうだ。リョーマの「SAMURAI」とレシープが決まった時は、自ずと客席から大きな拍手が起こった。
テニミュは若い役者をどんどん成長させ、舞台を進化させるが、今回誰よりも成長を見せたのはやはり座長の小越くんだったのだろう。次のリョーマ役の人はさぞハードルが高くなるだろうな。
立海は要の真田・幸村・柳がしっかりしていて安心だ。「風林火山」を語る柳の声が聴きやすい知的な声で、水石亜飛夢の今後が楽しみだ。赤也@原嶋元久もだいぶ大きな声が出るようになった。
ムードメーカーぶりで笑いを誘う六角は、今回やけに試合解説で目立ってる感じ。佐伯@内海大輔、木更津亮@廣瀬大介はやはり声がイイ。
仁王の今回のTシャツマジックは桃城。立海シャツのポーズがピッタリ合う。
カテコの「That’s My Future! Let’s Go!」で客席降り。今回はアリーナ席だったが、ハイタッチしないルールになったのか、どこも顔を見合わせる程度。統一されてると、こういうあっさり感もいい。
終演したのは22時10分と押し気味。トイレタイムを長く取ったのか。遠方の人たちはダッシュで会場を去って行った。
次は9月の凱旋公演。全国をまわった彼らの更なる進化を楽しみにしたい。
ミュージカル スリル・ミー 良小ペア&アフタートーク
2012年7月26日 舞台演劇ミュージカル『スリル・ミー』の5回目を観てきた。
良知真次×小西遼生ペアの2回目の観劇。
4組の中で最古参のペアの次に最新のペアを観るというのも一興か。
偶然にも、田代×新納ペアを観た時と似た席だ。
ピアニストは落合崇史。最初の1音節の音色からして、一昨日のオ・ソンミンのと違っていた。落合さんのは何となくスマートだ。先の2組の時の朴勝哲さんともおそらく違うだろう。ピアノの聴き比べも楽しみの一つだったのだ。
初日から10日間余り、全体的に少しずつ変化が見られた。初日の緊迫感が少し薄れ、いい意味での余裕が生まれたのか。それとも、本日の公演までに間が空いたため、緊張感が途切れたのか。
良知さんの「私」がやや強めになっていて、小西さんの「彼」が最初から押されているような気がした。良知さんの「私」は、ずっと天使のような無邪気さと笑みをたたえていて、ラストにかけた小悪魔的な怖さが色濃い。小西さんの「彼」は冷たさの中に人間らしい面が覗く。確かにどちらも深みが出てきた。
韓国ペアの歌で好きになった、燃え上がる倉庫で唄う「やさしい炎」。韓国ペアには“エロス”があったが、こちらはまだもの足りない。良知×小西の“淡白さ”は日本人の耳に合うのかもしれないが、二人が歌を重ねる場面はまだまだ経験が必要だろう。
良知さんの歌は安定感があって、芝居をするように唄うので表現力たっぷり。遼生さんは今のところソロが光る。誘拐する場面の歌は、遼生さんの甘美な声が伸びやかで楽しめる。4組の「彼」がもし同時にこの歌で誘ったら、間違いなく遼生さんの「彼」に手を引かれるだろうw。子供ウケな雰囲気が遼生さんにはある。2番目に引かれるのは若い柿澤さんかな。
良知さんと遼生さんの魅力は、見た目の美しさと、芝居の表現力の豊かさだろうか。良知さんのすがるような顔にはキュンとくるし、遼生さんの冷たく放つ彫刻のような端正な顔にはドキリとする。ラストにかける逆転した表情にも、それぞれ惹かれるものがある。
4組の中では、動きの美しさも見どころだ。遼生さんが床に身をさらし仰向けになる姿はホントに綺麗。追いやられて前のめりになる良知さんの動きも完璧だ。ひとつひとつが細やかに計算されたように、ムダがなく安心感がある。良知さんのダンス経験、遼生さんの特撮アクション経験が働いているのだろうか。
二人一緒の歌にももっと美しさや膨らみが出てくると、作品世界も深まるに違いない。
土曜日はいよいよペアの千秋楽。
来年同じペアの再演があるかはわからないので、心して見届けたい。
 ̄
アフタートーク。田代×新納ペアと違って司会者あり(Mr.メガネ)。司会者から早速「らち」「こにち」と紹介w。
良知さんも遼生さんもパリっと着替え直して登場。カテコでも喋らないで終わるので、舞台上で二人が喋ること自体珍しい。
初参加で5回目公演終了しての気持ち。「あと1回。もっともっとやりたい」と遼生。「気づけば今日になってる」と良知。とにかく台本でも「私」の分量が多くて、台本にマーカーでこんなに塗ったのは初めてだったという(でも熱で消えたw)。
初共演の裏話など。「影でチュッチュチュッチュしてた」「信じるから!」の二人のやり取りは置いといて(笑)。特殊な稽古で3組で栗山さんの取り合いをしていた(影分身とかして欲しかったと遼生さんw)。二人で自主稽古したり話し合って決めたりもしていたという。通し稽古で、良知さんが2シーン飛ばしてしまい、真に受けた小西さんまで焦ったという話もw。
お互いが言う台詞や仕草で好きなシーン。「護送車でウルウルになってからニヤって笑う良知くんの怖さ」と遼生。「階段で私の腕をグイってやるところ。そのまま後ろへ回そうとするが、回せないから!」と良知。
良小チームの特徴。「ホラーミュージカル スリル・ミー…みたいな」「終わってから聞いて貰えませんか?」とまだ確定してない様子。
韓国キャストについて。スゴかった!と二人。「歌の素晴らしさや深み。芝居の細やかさや奥深さ。感動と悔しさが同時にくる思い」と遼生さんが絶賛。「お腹空いた。計算して下さい。お疲れ様」の3つの韓国語まで披露w。韓国ペアの初日は良知さんは前で観てたが、場当たりを観た遼生さんは後方席にはいなかったのか。
スリル・ミーの魅力。「中毒性のある作品。先に何が起きるかを考えさせないで展開していく。演じがいがある。非日常のスリルを味わって欲しい」と遼生。「毎回違う気持ちで演じる。観る人のテンションによって感じ方も違う。栗山さんはシロクロはっきりさせないでグレーでの演技を求められた」と良知。「54歳分生きた感じ」と良知さんが言うと、「もうすぐ定年ですね」と遼生さん。
基本、遼生→良知の順で答えるハズが、難しそうな質問だと互いに答えを譲ろうとする二人。マイクに口ぶつけたりと、遼生さんのお茶目な部分も見られて、良知さんもご機嫌だった。
息の合った掛け合いを見せて、残り1公演の意気込みと挨拶をしてから終了。たっぷりと楽しめたひと時だった。
良知真次×小西遼生ペアの2回目の観劇。
4組の中で最古参のペアの次に最新のペアを観るというのも一興か。
偶然にも、田代×新納ペアを観た時と似た席だ。
ピアニストは落合崇史。最初の1音節の音色からして、一昨日のオ・ソンミンのと違っていた。落合さんのは何となくスマートだ。先の2組の時の朴勝哲さんともおそらく違うだろう。ピアノの聴き比べも楽しみの一つだったのだ。
初日から10日間余り、全体的に少しずつ変化が見られた。初日の緊迫感が少し薄れ、いい意味での余裕が生まれたのか。それとも、本日の公演までに間が空いたため、緊張感が途切れたのか。
良知さんの「私」がやや強めになっていて、小西さんの「彼」が最初から押されているような気がした。良知さんの「私」は、ずっと天使のような無邪気さと笑みをたたえていて、ラストにかけた小悪魔的な怖さが色濃い。小西さんの「彼」は冷たさの中に人間らしい面が覗く。確かにどちらも深みが出てきた。
韓国ペアの歌で好きになった、燃え上がる倉庫で唄う「やさしい炎」。韓国ペアには“エロス”があったが、こちらはまだもの足りない。良知×小西の“淡白さ”は日本人の耳に合うのかもしれないが、二人が歌を重ねる場面はまだまだ経験が必要だろう。
良知さんの歌は安定感があって、芝居をするように唄うので表現力たっぷり。遼生さんは今のところソロが光る。誘拐する場面の歌は、遼生さんの甘美な声が伸びやかで楽しめる。4組の「彼」がもし同時にこの歌で誘ったら、間違いなく遼生さんの「彼」に手を引かれるだろうw。子供ウケな雰囲気が遼生さんにはある。2番目に引かれるのは若い柿澤さんかな。
良知さんと遼生さんの魅力は、見た目の美しさと、芝居の表現力の豊かさだろうか。良知さんのすがるような顔にはキュンとくるし、遼生さんの冷たく放つ彫刻のような端正な顔にはドキリとする。ラストにかける逆転した表情にも、それぞれ惹かれるものがある。
4組の中では、動きの美しさも見どころだ。遼生さんが床に身をさらし仰向けになる姿はホントに綺麗。追いやられて前のめりになる良知さんの動きも完璧だ。ひとつひとつが細やかに計算されたように、ムダがなく安心感がある。良知さんのダンス経験、遼生さんの特撮アクション経験が働いているのだろうか。
二人一緒の歌にももっと美しさや膨らみが出てくると、作品世界も深まるに違いない。
土曜日はいよいよペアの千秋楽。
来年同じペアの再演があるかはわからないので、心して見届けたい。
 ̄
アフタートーク。田代×新納ペアと違って司会者あり(Mr.メガネ)。司会者から早速「らち」「こにち」と紹介w。
良知さんも遼生さんもパリっと着替え直して登場。カテコでも喋らないで終わるので、舞台上で二人が喋ること自体珍しい。
初参加で5回目公演終了しての気持ち。「あと1回。もっともっとやりたい」と遼生。「気づけば今日になってる」と良知。とにかく台本でも「私」の分量が多くて、台本にマーカーでこんなに塗ったのは初めてだったという(でも熱で消えたw)。
初共演の裏話など。「影でチュッチュチュッチュしてた」「信じるから!」の二人のやり取りは置いといて(笑)。特殊な稽古で3組で栗山さんの取り合いをしていた(影分身とかして欲しかったと遼生さんw)。二人で自主稽古したり話し合って決めたりもしていたという。通し稽古で、良知さんが2シーン飛ばしてしまい、真に受けた小西さんまで焦ったという話もw。
お互いが言う台詞や仕草で好きなシーン。「護送車でウルウルになってからニヤって笑う良知くんの怖さ」と遼生。「階段で私の腕をグイってやるところ。そのまま後ろへ回そうとするが、回せないから!」と良知。
良小チームの特徴。「ホラーミュージカル スリル・ミー…みたいな」「終わってから聞いて貰えませんか?」とまだ確定してない様子。
韓国キャストについて。スゴかった!と二人。「歌の素晴らしさや深み。芝居の細やかさや奥深さ。感動と悔しさが同時にくる思い」と遼生さんが絶賛。「お腹空いた。計算して下さい。お疲れ様」の3つの韓国語まで披露w。韓国ペアの初日は良知さんは前で観てたが、場当たりを観た遼生さんは後方席にはいなかったのか。
スリル・ミーの魅力。「中毒性のある作品。先に何が起きるかを考えさせないで展開していく。演じがいがある。非日常のスリルを味わって欲しい」と遼生。「毎回違う気持ちで演じる。観る人のテンションによって感じ方も違う。栗山さんはシロクロはっきりさせないでグレーでの演技を求められた」と良知。「54歳分生きた感じ」と良知さんが言うと、「もうすぐ定年ですね」と遼生さん。
基本、遼生→良知の順で答えるハズが、難しそうな質問だと互いに答えを譲ろうとする二人。マイクに口ぶつけたりと、遼生さんのお茶目な部分も見られて、良知さんもご機嫌だった。
息の合った掛け合いを見せて、残り1公演の意気込みと挨拶をしてから終了。たっぷりと楽しめたひと時だった。
舞台 イケメン金融工学
2012年7月25日 舞台演劇舞台『イケメン金融工学』初日を観てきた。
infiniteの制作らしい。
*pnish*の鷲尾昇が主演だし、「金融工学」の世界を舞台化という珍しさも手伝った。
映画や小説をモチーフとしているのか。
「命懸けの金儲け」という煽りだが、数学の天才的頭脳をもった若者が、金融の知識をもつ女に誘われて、ネット上で何億という金を動かし手に入れるが、いつしか破滅の道をたどるという話のようだった。
金融専門用語を身近な例をあげてあれこれ披露され、素人には目を引くが、実は金融に携わる仕事人にとってはどれも常識的なことばかり。だいたい、経験も少ない若い女の知識なんて限りがある。
ネットで実際にお金を動かす若者に、それほど数学的な才能があるのかどうか、明確には伝わらない。『サマー・ウォーズ』の主人公のほうが余程才能がありそう。
札束も出てこない“金”の話かと思いきや、ホストの事情や家庭問題が前面に押し出され、人間関係の裏切りや憎しみが渦巻く。“金”よりもレイプやセックスのほうが印象に残ってしまった。どんなものも“金”で買える、恐怖も表現したかったのだろうか。
過去や妄想が現在と交錯していき、立ち止まってはあとに繋がっていかない。メインの芝居の周りで、ずっと歩き回る男女の動きも不明だ。作者の意図が伝わってこなく、とても分かりにくかった。
白い布の花々で覆われた舞台で、周囲に椅子が何個かあり、中央にソファが置かれている。このソファの空間の芝居が多く、ソファに座られたままだと役者が全く見えなくなった。
鷲尾昇は医者という設定だが、語り部でもあり、俯瞰的な見方で真実に迫ろうとする。
作品の主役は鯨井康介だろうか。白一色のブカブカの衣装で、時折肌を見せたり色っぽくも見える。普段と狂気と子供の時を表情で使い分ける熱演が新鮮に映った。
林剛史は舞台だとあまりイイ役がめぐってこないのか。黒マントで颯爽と登場、足を悪くした非情な役どころに見えたが、実は父親役。でもいったい誰の父親だったんだろう?
女性陣はみんな綺麗でスタイルも良かったが、ホステスなど判別がつかない。
鳥居みゆきは濃厚でクセのある芝居を見せてたが、いったいどんな役だったのか?
脇キャストの拙い演技も目立ち、役そのものも不明だ。若い男性がどんどんイケメンに見えなくなるのもフシギ(^^;。
ドンデン返しを狙ったのだろうが、最後は煙に巻かれたような感じ。終始眠気が襲ってきて、見終わった後は疲れがたっぷり、作品を考えるのも思い出すのも勘弁したい。
魅力あるキャストもいて、表向きは仰々しい看板を見せながら、脚本や演出の拙さで中身や感覚が伴ってこない、つまらない舞台だった。
infiniteの制作らしい。
*pnish*の鷲尾昇が主演だし、「金融工学」の世界を舞台化という珍しさも手伝った。
映画や小説をモチーフとしているのか。
「命懸けの金儲け」という煽りだが、数学の天才的頭脳をもった若者が、金融の知識をもつ女に誘われて、ネット上で何億という金を動かし手に入れるが、いつしか破滅の道をたどるという話のようだった。
金融専門用語を身近な例をあげてあれこれ披露され、素人には目を引くが、実は金融に携わる仕事人にとってはどれも常識的なことばかり。だいたい、経験も少ない若い女の知識なんて限りがある。
ネットで実際にお金を動かす若者に、それほど数学的な才能があるのかどうか、明確には伝わらない。『サマー・ウォーズ』の主人公のほうが余程才能がありそう。
札束も出てこない“金”の話かと思いきや、ホストの事情や家庭問題が前面に押し出され、人間関係の裏切りや憎しみが渦巻く。“金”よりもレイプやセックスのほうが印象に残ってしまった。どんなものも“金”で買える、恐怖も表現したかったのだろうか。
過去や妄想が現在と交錯していき、立ち止まってはあとに繋がっていかない。メインの芝居の周りで、ずっと歩き回る男女の動きも不明だ。作者の意図が伝わってこなく、とても分かりにくかった。
白い布の花々で覆われた舞台で、周囲に椅子が何個かあり、中央にソファが置かれている。このソファの空間の芝居が多く、ソファに座られたままだと役者が全く見えなくなった。
鷲尾昇は医者という設定だが、語り部でもあり、俯瞰的な見方で真実に迫ろうとする。
作品の主役は鯨井康介だろうか。白一色のブカブカの衣装で、時折肌を見せたり色っぽくも見える。普段と狂気と子供の時を表情で使い分ける熱演が新鮮に映った。
林剛史は舞台だとあまりイイ役がめぐってこないのか。黒マントで颯爽と登場、足を悪くした非情な役どころに見えたが、実は父親役。でもいったい誰の父親だったんだろう?
女性陣はみんな綺麗でスタイルも良かったが、ホステスなど判別がつかない。
鳥居みゆきは濃厚でクセのある芝居を見せてたが、いったいどんな役だったのか?
脇キャストの拙い演技も目立ち、役そのものも不明だ。若い男性がどんどんイケメンに見えなくなるのもフシギ(^^;。
ドンデン返しを狙ったのだろうが、最後は煙に巻かれたような感じ。終始眠気が襲ってきて、見終わった後は疲れがたっぷり、作品を考えるのも思い出すのも勘弁したい。
魅力あるキャストもいて、表向きは仰々しい看板を見せながら、脚本や演出の拙さで中身や感覚が伴ってこない、つまらない舞台だった。
ミュージカル スリル・ミー 韓国ペア
2012年7月25日 舞台演劇 コメント (4)ミュージカル『スリル・ミー』の4回目を観てきた。
今回は韓国ペアのチェ・ジェウン×キム・ムヨル。
韓国の方の劇を観ること自体初めて!
両脇の字幕は思ったより観易いが、たまにセリフとタイミングがずれることもある。
チェの「私」は今まで観た中で、私のイメージした「私」に一番近くて好みだ。良知さんの「私」と同様、キムの「彼」への愛情が感じられるが、もっともっと深味がある。誠実で品があって、常に静かな佇まいを見せてるところは、マリオの「私」と真逆である。絡め取るとのは違って、吸い込まれそうな魅力があった。
キムの「彼」は日本人キャストにはいないタイプだ。プライドが高くドライで、色気と野生味もあって掴みどころがない。強いて挙げれば、アニメ版諏訪部さんの跡部(テニミュではない)に近い。後半、「私」のペースと術中にどんどんハメられていく「彼」の様子は、リョーマにやられる跡部の姿と似た感覚があって快感さえあった。チェの「私」が好みだったせいもあり、ずっと「私」サイドで観ていた。
今回の日本人キャストの作品と比べて、曲がアレンジされ、日本語の台詞が少々変わっている。韓国版がオリジナルなのだから、日本語版が変更されたということか。ブロードウェイ版が更にオリジナルではあるが。テニミュでいうと、2ndシーズンを先に観て、1stシーズンとの違いに気づくという感じ。
最初から「老けたね」という私のセリフに、客席から笑い。常に「彼」がライターをカチカチさせ“炎”に興奮したり、二人が歌う歌詞に“星”が目立ったり、原始の世界観を大切に唄っているような気もした。
印象的だったのが、弟をやるといった「彼」が全財産が手に入ると豪語したり、弟殺しをやめさせるため「私」が最後の切り札で使ったのが「母親に会えなくなるぞ」だったこと。劇中でピンクの女の子は出てきたがw、母親という女が出たことが新鮮だった。それを聞いて弟殺しをやめる「彼」は、母親は愛しているんだなと複雑な家庭を垣間見る気分だった。
「私」が道理に沿った言動で“大人”の表情になっていくに比べて、「彼」がどんどん“ガキ”に見えていくのが面白い。最初と後半との芝居のメリハリが明確だ。韓国ペアはチェのほうが年上みたいだが、上手い仕掛けだなと思った。
前半の炎のシーンで、二人が歌い交わすところに“エロス”を感じた。歌の中でセックスをしているかのようで、ラストで唄いきる刹那キムが「うっ」と止めるのもセクシーだ。この二人にとって、スリル=セックスなのだと思った。
だから二人の歌声はとても綺麗で艶っぽくなめらかだ。歌声そのものが、肌を愛撫しているような感覚なのかもしれない。
ラストの「スリル・ミー」が限りなく優しいささやきにも聞こえる。これは媚薬のように聞き惚れるだろう。
字幕の言葉にやけに“性”を感じさせるものが目についた。日本語版ではそういうのはカットされたんだろうか。
台詞や歌でよりも、目で見る言葉のほうが、より脳裏に残ることもあるのだと思った。
劇中の字幕で、「レイ」のしたことが「バレル」「バレル」と書かれているのを見て、“レイ・ザ・バレル”(ガンダムSEED DESTINY)のことが浮かび、ひとりで顔がほころんでしまったw。
カテコでは、韓国から来たらしいファンたちから歓声がわきおこり、一瞬、日本のステージにない雰囲気に。
あらためて、韓国ペアも観て良かったと満足。
残念だったのは、すぐ後ろの列で年配の男女が上演中に何度もガサガサと紙袋の音をさせてたこと。10秒位だったらまだしも、1分近くを何度も何度もやってて、その間舞台に集中できず腹立たしくなった。前方席の方は私のほうを見るし。こういうことがあったと、終演後に係りの人に話した。
 ̄
韓国キャスト来日公演記念 スペシャル歓迎レセプション。
開演前にTシャツを着たニイロさんや良知さんらが前方席、遼生さんや柿澤さんらが後方席に座って、私たちと一緒に韓国ペアを観劇していた。彼らがいっせいにステージに集合。
チェ・ジェウン、キム・ムヨル、そして韓国から来日のピアニスト(オー・ソンミン)が立ち並び、ニイロさん達から歓迎の花束が。チェさんとキムさんが其々挨拶とお礼を述べた。ロビーにあった二人へのメッセージシートも贈られて、喜びの表情でお礼をいう二人。
「これが2012年度の全キャストです」とニイロさんが司会を務めて終了。日本人キャストからの歓迎挨拶はなく、思ったよりもあっさりめだった。
良知さんと遼生さんは左手に並んでいたが、Tシャツ姿の二人とも髪がサラサラで可愛らしかった。
 ̄
スリル・ミーの原作・音楽・脚本そして出演も務めたステファン・ドルギノフ氏も先日来日。
開演前のロビーで、ステファンさんのサイン列が出来てたので、並んでパンフにサインと握手を頂いた。思ったよりもお若い方で、文字を間違えて照れ笑い。音符がトレードマークなのかな。
終演後にTシャツを貰うのに時間がかかったおかげで、良知さんの出待ち列とも遭遇。パンフにサインと握手を頂けた。“私”と書いてくれるのがイイ。アルターボーイズの出待ちの時の方とも遭遇w。
良知さんを見送った後、ほどなくして遼生さんも出てこられ、パンフにサインと握手を頂けた。
私の隣でサインを貰った女性は、実は韓国からの追っかけファン。初来日で夜公演も見るというので、「ようこそ、日本へ」と小西良知ペアも宣伝した。プチ日韓交流w。そこへ韓国ペアが出ていらして、いっせいに歓声で群がる韓国からのファン。スゴイ!マネージャーらしき人が今日はダメって言ってたけど、韓国ペアの人気振りを間近に感じた。
マリオさんはエスカレーターへ、ニイロさんはバスへ、其々に散って行かれたが、夜公演のステファンさんのミニコンサートの時にまた集まるのだろうか。あれこれ予想しながら、出待ちファンと別れた。
明日はいよいよ良知×小西ペア。アフタートークもあり。
今回は韓国ペアのチェ・ジェウン×キム・ムヨル。
韓国の方の劇を観ること自体初めて!
両脇の字幕は思ったより観易いが、たまにセリフとタイミングがずれることもある。
チェの「私」は今まで観た中で、私のイメージした「私」に一番近くて好みだ。良知さんの「私」と同様、キムの「彼」への愛情が感じられるが、もっともっと深味がある。誠実で品があって、常に静かな佇まいを見せてるところは、マリオの「私」と真逆である。絡め取るとのは違って、吸い込まれそうな魅力があった。
キムの「彼」は日本人キャストにはいないタイプだ。プライドが高くドライで、色気と野生味もあって掴みどころがない。強いて挙げれば、アニメ版諏訪部さんの跡部(テニミュではない)に近い。後半、「私」のペースと術中にどんどんハメられていく「彼」の様子は、リョーマにやられる跡部の姿と似た感覚があって快感さえあった。チェの「私」が好みだったせいもあり、ずっと「私」サイドで観ていた。
今回の日本人キャストの作品と比べて、曲がアレンジされ、日本語の台詞が少々変わっている。韓国版がオリジナルなのだから、日本語版が変更されたということか。ブロードウェイ版が更にオリジナルではあるが。テニミュでいうと、2ndシーズンを先に観て、1stシーズンとの違いに気づくという感じ。
最初から「老けたね」という私のセリフに、客席から笑い。常に「彼」がライターをカチカチさせ“炎”に興奮したり、二人が歌う歌詞に“星”が目立ったり、原始の世界観を大切に唄っているような気もした。
印象的だったのが、弟をやるといった「彼」が全財産が手に入ると豪語したり、弟殺しをやめさせるため「私」が最後の切り札で使ったのが「母親に会えなくなるぞ」だったこと。劇中でピンクの女の子は出てきたがw、母親という女が出たことが新鮮だった。それを聞いて弟殺しをやめる「彼」は、母親は愛しているんだなと複雑な家庭を垣間見る気分だった。
「私」が道理に沿った言動で“大人”の表情になっていくに比べて、「彼」がどんどん“ガキ”に見えていくのが面白い。最初と後半との芝居のメリハリが明確だ。韓国ペアはチェのほうが年上みたいだが、上手い仕掛けだなと思った。
前半の炎のシーンで、二人が歌い交わすところに“エロス”を感じた。歌の中でセックスをしているかのようで、ラストで唄いきる刹那キムが「うっ」と止めるのもセクシーだ。この二人にとって、スリル=セックスなのだと思った。
だから二人の歌声はとても綺麗で艶っぽくなめらかだ。歌声そのものが、肌を愛撫しているような感覚なのかもしれない。
ラストの「スリル・ミー」が限りなく優しいささやきにも聞こえる。これは媚薬のように聞き惚れるだろう。
字幕の言葉にやけに“性”を感じさせるものが目についた。日本語版ではそういうのはカットされたんだろうか。
台詞や歌でよりも、目で見る言葉のほうが、より脳裏に残ることもあるのだと思った。
劇中の字幕で、「レイ」のしたことが「バレル」「バレル」と書かれているのを見て、“レイ・ザ・バレル”(ガンダムSEED DESTINY)のことが浮かび、ひとりで顔がほころんでしまったw。
カテコでは、韓国から来たらしいファンたちから歓声がわきおこり、一瞬、日本のステージにない雰囲気に。
あらためて、韓国ペアも観て良かったと満足。
残念だったのは、すぐ後ろの列で年配の男女が上演中に何度もガサガサと紙袋の音をさせてたこと。10秒位だったらまだしも、1分近くを何度も何度もやってて、その間舞台に集中できず腹立たしくなった。前方席の方は私のほうを見るし。こういうことがあったと、終演後に係りの人に話した。
 ̄
韓国キャスト来日公演記念 スペシャル歓迎レセプション。
開演前にTシャツを着たニイロさんや良知さんらが前方席、遼生さんや柿澤さんらが後方席に座って、私たちと一緒に韓国ペアを観劇していた。彼らがいっせいにステージに集合。
チェ・ジェウン、キム・ムヨル、そして韓国から来日のピアニスト(オー・ソンミン)が立ち並び、ニイロさん達から歓迎の花束が。チェさんとキムさんが其々挨拶とお礼を述べた。ロビーにあった二人へのメッセージシートも贈られて、喜びの表情でお礼をいう二人。
「これが2012年度の全キャストです」とニイロさんが司会を務めて終了。日本人キャストからの歓迎挨拶はなく、思ったよりもあっさりめだった。
良知さんと遼生さんは左手に並んでいたが、Tシャツ姿の二人とも髪がサラサラで可愛らしかった。
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スリル・ミーの原作・音楽・脚本そして出演も務めたステファン・ドルギノフ氏も先日来日。
開演前のロビーで、ステファンさんのサイン列が出来てたので、並んでパンフにサインと握手を頂いた。思ったよりもお若い方で、文字を間違えて照れ笑い。音符がトレードマークなのかな。
終演後にTシャツを貰うのに時間がかかったおかげで、良知さんの出待ち列とも遭遇。パンフにサインと握手を頂けた。“私”と書いてくれるのがイイ。アルターボーイズの出待ちの時の方とも遭遇w。
良知さんを見送った後、ほどなくして遼生さんも出てこられ、パンフにサインと握手を頂けた。
私の隣でサインを貰った女性は、実は韓国からの追っかけファン。初来日で夜公演も見るというので、「ようこそ、日本へ」と小西良知ペアも宣伝した。プチ日韓交流w。そこへ韓国ペアが出ていらして、いっせいに歓声で群がる韓国からのファン。スゴイ!マネージャーらしき人が今日はダメって言ってたけど、韓国ペアの人気振りを間近に感じた。
マリオさんはエスカレーターへ、ニイロさんはバスへ、其々に散って行かれたが、夜公演のステファンさんのミニコンサートの時にまた集まるのだろうか。あれこれ予想しながら、出待ちファンと別れた。
明日はいよいよ良知×小西ペア。アフタートークもあり。
舞台 千に砕け散る空の星
2012年7月24日 舞台演劇 コメント (2)舞台『千に砕け散る空の星』を観てきた。
宇宙の何らかの作用で、3週間後には地球が粉々になり、世界の終わりが訪れる。
終末が近づくなかで、イギリスのある家族が郊外の実家に集まってくるが…。
3人の英国劇作家がひとつの戯曲を共作したという新作。これだけでイヤ~な予感はしてたが、これを翻訳し日本人によって作り上げたことで欠点が浮き上がり、あらゆる面でチグハグ感とまとまり感がなかった。
荒唐無稽な設定は置いといて、日本人にはなかなか馴染めない感覚が常に付き纏う。実力あるキャストも準備されていながら、観る側とはかけ離れた脚本や演出のため、粒の粗さが目立つ薄味の作品になってしまった。
世界の終末より、登場する家族の設定や関係に先ず驚嘆の連続。予め人物相関図を見てても、見た目とのギャップに面食らった。
年老いた母(演:倉野章子)には5人の息子がいるが、長男ウイリアム(中嶋しゅう)のほうが母よりも老けて見え、最初は夫婦なのかと思ったw。三男ジェイムズ(中村彰男)とウイリアムは親子の会話みたいだw。ジェイムズの妻(西尾まり)の不妊症は後から判明する。次男ジェイク(大滝寛)には孫ロイ(碓井将大)がいるが、ロイは五男フィリップ(牧田哲也)よりも年上。つまり大叔父のほうが若いのだw。フィリップは以前、ロイの母ニコラ(安藤サクラ)から赤ん坊を預かり、その間彼女は四男エドワード(古河耕史)と不義密通を重ねるが、伯父と姪と思ってた二人は、実は母の母、つまりフィリップのお祖母さんとその恋人だったという^^;。もう、わけがわからん!
お祖母さんならもう少し老けメイクをさせて衣装で表現してくれないと、観るほうに混乱を招いてしまう。過去と現在が交錯しているのだと中盤で分かったが、照明や音響の変化も少ないし分かり辛い。キャストの演技にも工夫が必要だ。
ドロドロした家族関係だと思ったが、フシギと5人の男兄弟は互いにいがみ合ったり憎しみ合ったりはしていない。ただ、避けてバラバラに生活しているだけ。彼ら家族を、もう一度繋ぎとめ集まらせるために、ウイリアムの病気や世界の終末が利用されたに過ぎないような気がした。
家族がどうしてバラバラになったのか、互いにどう思っているのか、内に抱えた後悔や疑念など、会話の中でちまちまと語られていくが、これがくどくてつまらない。彼らが語るのは過去のことばかり。
世界の終末を前に、何がしたいのか、どう生きたいのか、願いも望みも前向きな行動もなく、切迫感や絶望も感じられない。あまりに突然に破滅を発表されると、人間ってこうも開きなおるものなんだろうか。
殺人など目立った犯罪は起こしてないが、彼らは人以外の生物に対して非情なことをするのが気に障った。
ところどころに胸にくるシーンもある。故郷に向かう列車の中、ジェイクとロイの不器用だが心が篭ってる会話は良かった。フィリップが自分の出生のことを母に尋ねる場面も、母のストレートな言葉が痛快で面白かった。親子でセックスの話をざっくばらんに出来るってイイなと思う。
D-BOYS的にはロイ×フィリップの関係にも注目。碓井くんは悪戯っ子のような役得で、時に狂気を含んだ目を見せて新鮮。牧田くんはパンツ一丁の場面もあるが、太ってる設定なのに上半身裸は痩せているw。二人が駆け回ったり何かを投げるシーンはあまり愉しんでやってない。
次々と暴露される、兄弟の“ゲイ”体質。最近の舞台はゲイが多いねw。
隕石めいたものがぶら下がった舞台装置はタイトルのノリだろうか。二幕から張ってある縄には何の意味があったのだろう。
スコーンやクッキーなど食べるシーンが目についたが、終末の日に家族で食べるものはアレなのか。
そしてステージの床には、小物の屑や食べカスが残されて汚れていた。日本人なら、“立つ鳥跡を濁さず”といきたいもんだ。
この話のキーマンはフィリップだと分かる。彼の今後も知りたかったが、彼自身の幸せは“終末の日”なのだろう。
家族間を追った話だけで2時間半は、私にはとても長くて疲れた。
Dボ2人の色んな面をガン見できたことは良かった。この舞台を糧にした彼らの成長に期待しよう。
パンフは碓井くんナビゲーターの稽古場風景などを映したDVD付き。ファンなら必見かもしれない。
宇宙の何らかの作用で、3週間後には地球が粉々になり、世界の終わりが訪れる。
終末が近づくなかで、イギリスのある家族が郊外の実家に集まってくるが…。
3人の英国劇作家がひとつの戯曲を共作したという新作。これだけでイヤ~な予感はしてたが、これを翻訳し日本人によって作り上げたことで欠点が浮き上がり、あらゆる面でチグハグ感とまとまり感がなかった。
荒唐無稽な設定は置いといて、日本人にはなかなか馴染めない感覚が常に付き纏う。実力あるキャストも準備されていながら、観る側とはかけ離れた脚本や演出のため、粒の粗さが目立つ薄味の作品になってしまった。
世界の終末より、登場する家族の設定や関係に先ず驚嘆の連続。予め人物相関図を見てても、見た目とのギャップに面食らった。
年老いた母(演:倉野章子)には5人の息子がいるが、長男ウイリアム(中嶋しゅう)のほうが母よりも老けて見え、最初は夫婦なのかと思ったw。三男ジェイムズ(中村彰男)とウイリアムは親子の会話みたいだw。ジェイムズの妻(西尾まり)の不妊症は後から判明する。次男ジェイク(大滝寛)には孫ロイ(碓井将大)がいるが、ロイは五男フィリップ(牧田哲也)よりも年上。つまり大叔父のほうが若いのだw。フィリップは以前、ロイの母ニコラ(安藤サクラ)から赤ん坊を預かり、その間彼女は四男エドワード(古河耕史)と不義密通を重ねるが、伯父と姪と思ってた二人は、実は母の母、つまりフィリップのお祖母さんとその恋人だったという^^;。もう、わけがわからん!
お祖母さんならもう少し老けメイクをさせて衣装で表現してくれないと、観るほうに混乱を招いてしまう。過去と現在が交錯しているのだと中盤で分かったが、照明や音響の変化も少ないし分かり辛い。キャストの演技にも工夫が必要だ。
ドロドロした家族関係だと思ったが、フシギと5人の男兄弟は互いにいがみ合ったり憎しみ合ったりはしていない。ただ、避けてバラバラに生活しているだけ。彼ら家族を、もう一度繋ぎとめ集まらせるために、ウイリアムの病気や世界の終末が利用されたに過ぎないような気がした。
家族がどうしてバラバラになったのか、互いにどう思っているのか、内に抱えた後悔や疑念など、会話の中でちまちまと語られていくが、これがくどくてつまらない。彼らが語るのは過去のことばかり。
世界の終末を前に、何がしたいのか、どう生きたいのか、願いも望みも前向きな行動もなく、切迫感や絶望も感じられない。あまりに突然に破滅を発表されると、人間ってこうも開きなおるものなんだろうか。
殺人など目立った犯罪は起こしてないが、彼らは人以外の生物に対して非情なことをするのが気に障った。
ところどころに胸にくるシーンもある。故郷に向かう列車の中、ジェイクとロイの不器用だが心が篭ってる会話は良かった。フィリップが自分の出生のことを母に尋ねる場面も、母のストレートな言葉が痛快で面白かった。親子でセックスの話をざっくばらんに出来るってイイなと思う。
D-BOYS的にはロイ×フィリップの関係にも注目。碓井くんは悪戯っ子のような役得で、時に狂気を含んだ目を見せて新鮮。牧田くんはパンツ一丁の場面もあるが、太ってる設定なのに上半身裸は痩せているw。二人が駆け回ったり何かを投げるシーンはあまり愉しんでやってない。
次々と暴露される、兄弟の“ゲイ”体質。最近の舞台はゲイが多いねw。
隕石めいたものがぶら下がった舞台装置はタイトルのノリだろうか。二幕から張ってある縄には何の意味があったのだろう。
スコーンやクッキーなど食べるシーンが目についたが、終末の日に家族で食べるものはアレなのか。
そしてステージの床には、小物の屑や食べカスが残されて汚れていた。日本人なら、“立つ鳥跡を濁さず”といきたいもんだ。
この話のキーマンはフィリップだと分かる。彼の今後も知りたかったが、彼自身の幸せは“終末の日”なのだろう。
家族間を追った話だけで2時間半は、私にはとても長くて疲れた。
Dボ2人の色んな面をガン見できたことは良かった。この舞台を糧にした彼らの成長に期待しよう。
パンフは碓井くんナビゲーターの稽古場風景などを映したDVD付き。ファンなら必見かもしれない。
ミュージカル スリル・ミー 田新ペア&アフタートーク
2012年7月23日 舞台演劇ミュージカル『スリル・ミー』の3回目を観てきた。
今回の組み合わせは、田代万里生×新納慎也。
お二人とも何度か拝見したことがあるが、特にニイロさんはライフ繋がりで馴染みが長い。
良知×小西ペアとは、色んな意味で真逆な雰囲気だったので驚いた。
マリオさんの「私」は、初っ端から歌も台詞もヒートアップしていてスリリング。気が強くて神経質で癇癪もちで挑戦的で、ズカズカどんどん「彼」に攻めいっていく。正直、あまり可愛くないウザイタイプw。
ニイロさんの「彼」は、あまり冷たさを感じない自由と誇りがあり、がむしゃらな「私」に対し包容力すら感じられる。家庭内の寂しさを抱える人間味あふれた知性人で、母性本能さえ擽られる。
二人は最初から“対等”の立場で、「私」よりも「彼」に心情が傾いていく。「私」には絶えず胡散臭さを感じ、後半にかけて絡め取られる「彼」は純粋で正直なあまり、不器用で愚かな人にも思えてきた。
良知さんの「私」は「彼」への愛が感じられたが、マリオさんの「私」は「彼」ではなく、「彼」と一緒にいるスリルの“時間”を愛しているのかもしれない。他者との関わりの中でしか、自分の存在を愛せない「私」。
だから二人の会話はまるでスポーツだ。どちらが勝ったか倒されたかを常に確認したいため、緊張感と切迫感が伴う。ニイロさんの「彼」は自分を優位に立たせることで自己存在を認識しようとし、その「彼」に、本当は自分こそが“弁護士”で“超人”なんだと認めさせたい「私」。そのためには、死をも辞さない覚悟をもつ「私」。そこには彼への歪んだ“愛”しか存在しない。昨日のテニミュを引き摺って、彼らが互いに必死でボールを打ち返す様子がイメージされたw。
「私」ペースで引き摺られていく「彼」も、実は最後で最大の逆転の機会を覚悟する。「私」の魔の手に見守られながら、階段を後ろ向きに昇っていくニイロさんの「彼」の表情から小さな笑みが見てとれた。自らの“自由”を勝ち取るためには、“死”をも持さない覚悟。シャワー室の事件も、もしや彼の計算付くなのではなかろうかと思いたくなる。「彼」の自由こそが、「私」への抵抗であり「私」の絶望を呼ぶのだ。
ここまであれこれ深読みさせてくれるのだから、やはり素晴らしいキャストと舞台だろう。
ラストのオチはもっと恐ろしい。刑務所に長くぶちこんでおくよりは仮釈放したほうが金がかからない、と審議官は言う。この世の中、罪よりも金が優先されるのだ。
「私」=レイは、34年前に残された小銭と昔の写真を渡される。そこで脳裏に現われる、高校生の時の「彼」の凛々しい表と姿。レイにとっては、罪よりも金よりも、「彼」との時が大切だった。その時の“時間”だけが“愛”だったのだ。
どうでもいいが、初日で“レイ”という名前を聞いた時、綾波レイが浮かんできたw。
マリオさんもニイロさんも芝居がとても細やかで濃い。
タイプライターを打つ時も、松下さんは形式だけで指を動かしていたが(右小指を全く使わずでPは打てたのか?)、マリオさんは打つ動きも間も細かくスクロールさえやっている。
バッグから品物を取り出す時も、ニイロさんは一つ一つを丹念に見ており、コンパクトの鏡を見たところで、後ろから近づく「私」を制するタイミングがとても上手い。子供に声をかける歌や仕草もひとつひとつ丁寧で、その場に子供がいるかのように、ゆっくり手を繋いで導いていく。
さすが年季の入ったペア。おそらく二人で何度も話し合いや稽古を重ねてきたのだろう。確かにマリオ&ニイロのペアは何度か観たくなる魅力をもっていた。
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アフタートークイベント。審議官の声でスタートw。
着替えてきた新納さん(帽子被って)と万里生(長いワイシャツ)さん。「さっきとは関係ない人たちです(笑)」と断りをいれた上で、司会を兼ねたニイロさんのトークが冴え渡るw。
アンケの質問に答えていく。「それが欲しいんだろ?」とニイロさんw。
☆劇中の好きなシーンや仕草は? ネタはいっぱいあるので劇中は世界に浸って欲しいと断りを入れたが、マリオさんが「足湯のシーンで(笑)キスの時に耳の周りがヌルっとしてる」。それは3月の時からやってるがやっと気づいたのかと言うニイロさんが「でも、あなたスゴイ汗です」。
☆スリル・ミーでの掟は? 「ニイロさんに絶対服従」とマリオさん。ニイロさんも「田代の私は、ニイロが作り上げたキャラだと思った」。とすると、ニイロさんはドMなんだろうか?w
☆ペアの特徴と魅力は? ニイロさんきっぱりと「エロスです」。「何もしていないベーシック」がウリのよう。よそのチームのを観た後は常にディスカッションを重ね、色々と取り入れ進化させているようだ。
☆何歳までスリル・ミーに出演しているのか? 19歳の話だが、日本の19歳がやっても見てられないだろう、30代からが乗ってくるとニイロさん。汗をあんまりかかなくなったニイロさんは自ら「更年期」もしくは「体内年齢が若くなった」と“歳”に言及するが、オファーが来てるうちは拒否したくないと意欲。マリオは「54歳まで」と言うと、「その頃俺は年金」とニイロさん。お客様も生きている人はいらして下さいとのたまった(笑)。
田代×新納ペアはあと3公演。「Aチームのテーマは、よりディープなスリル・ミーの森に迷い込もう」とニイロさん。マリオさんは「自分たちだけでも毎公演、違う私と彼がある」と、東京は27通りのスリル・ミーがあるのブログの話を思い出させた。
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日本の3組は、Aチーム&Bチーム&Cチームと呼ばれてるとか。アルターボーイズ的にいうと、レッド&オレンジ&グリーンとなりそうw。
オジサンチームと呼ばれてるAチーム。マリオは下から3番目なのに、9歳差のニイロが平均値を上げてるという。でもCチームの良知のほうがマリオより1歳上なのに、良知のほうが若く見える、良知は若さを保つクスリを打たされている(笑)とニイロさん。洸平は中2くらいだとw。
開演前に隣席の女性たちが、今公演で誰が一番人気か?の話をしていて、良知さんの名があがったが、ロミジュリの時に何の役をやっていたかで話が進まなくて、聞きながら心の中でジタバタしていたw。
良知さんと遼生さんの舞台写真もついに販売。ツボなショットv。
実は明後日の韓国ペアも追加購入。全部見比べてTシャツ貰うぞw。二日おきの観劇で、既にスリルミーの森へ迷走中。
今回の組み合わせは、田代万里生×新納慎也。
お二人とも何度か拝見したことがあるが、特にニイロさんはライフ繋がりで馴染みが長い。
良知×小西ペアとは、色んな意味で真逆な雰囲気だったので驚いた。
マリオさんの「私」は、初っ端から歌も台詞もヒートアップしていてスリリング。気が強くて神経質で癇癪もちで挑戦的で、ズカズカどんどん「彼」に攻めいっていく。正直、あまり可愛くないウザイタイプw。
ニイロさんの「彼」は、あまり冷たさを感じない自由と誇りがあり、がむしゃらな「私」に対し包容力すら感じられる。家庭内の寂しさを抱える人間味あふれた知性人で、母性本能さえ擽られる。
二人は最初から“対等”の立場で、「私」よりも「彼」に心情が傾いていく。「私」には絶えず胡散臭さを感じ、後半にかけて絡め取られる「彼」は純粋で正直なあまり、不器用で愚かな人にも思えてきた。
良知さんの「私」は「彼」への愛が感じられたが、マリオさんの「私」は「彼」ではなく、「彼」と一緒にいるスリルの“時間”を愛しているのかもしれない。他者との関わりの中でしか、自分の存在を愛せない「私」。
だから二人の会話はまるでスポーツだ。どちらが勝ったか倒されたかを常に確認したいため、緊張感と切迫感が伴う。ニイロさんの「彼」は自分を優位に立たせることで自己存在を認識しようとし、その「彼」に、本当は自分こそが“弁護士”で“超人”なんだと認めさせたい「私」。そのためには、死をも辞さない覚悟をもつ「私」。そこには彼への歪んだ“愛”しか存在しない。昨日のテニミュを引き摺って、彼らが互いに必死でボールを打ち返す様子がイメージされたw。
「私」ペースで引き摺られていく「彼」も、実は最後で最大の逆転の機会を覚悟する。「私」の魔の手に見守られながら、階段を後ろ向きに昇っていくニイロさんの「彼」の表情から小さな笑みが見てとれた。自らの“自由”を勝ち取るためには、“死”をも持さない覚悟。シャワー室の事件も、もしや彼の計算付くなのではなかろうかと思いたくなる。「彼」の自由こそが、「私」への抵抗であり「私」の絶望を呼ぶのだ。
ここまであれこれ深読みさせてくれるのだから、やはり素晴らしいキャストと舞台だろう。
ラストのオチはもっと恐ろしい。刑務所に長くぶちこんでおくよりは仮釈放したほうが金がかからない、と審議官は言う。この世の中、罪よりも金が優先されるのだ。
「私」=レイは、34年前に残された小銭と昔の写真を渡される。そこで脳裏に現われる、高校生の時の「彼」の凛々しい表と姿。レイにとっては、罪よりも金よりも、「彼」との時が大切だった。その時の“時間”だけが“愛”だったのだ。
どうでもいいが、初日で“レイ”という名前を聞いた時、綾波レイが浮かんできたw。
マリオさんもニイロさんも芝居がとても細やかで濃い。
タイプライターを打つ時も、松下さんは形式だけで指を動かしていたが(右小指を全く使わずでPは打てたのか?)、マリオさんは打つ動きも間も細かくスクロールさえやっている。
バッグから品物を取り出す時も、ニイロさんは一つ一つを丹念に見ており、コンパクトの鏡を見たところで、後ろから近づく「私」を制するタイミングがとても上手い。子供に声をかける歌や仕草もひとつひとつ丁寧で、その場に子供がいるかのように、ゆっくり手を繋いで導いていく。
さすが年季の入ったペア。おそらく二人で何度も話し合いや稽古を重ねてきたのだろう。確かにマリオ&ニイロのペアは何度か観たくなる魅力をもっていた。
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アフタートークイベント。審議官の声でスタートw。
着替えてきた新納さん(帽子被って)と万里生(長いワイシャツ)さん。「さっきとは関係ない人たちです(笑)」と断りをいれた上で、司会を兼ねたニイロさんのトークが冴え渡るw。
アンケの質問に答えていく。「それが欲しいんだろ?」とニイロさんw。
☆劇中の好きなシーンや仕草は? ネタはいっぱいあるので劇中は世界に浸って欲しいと断りを入れたが、マリオさんが「足湯のシーンで(笑)キスの時に耳の周りがヌルっとしてる」。それは3月の時からやってるがやっと気づいたのかと言うニイロさんが「でも、あなたスゴイ汗です」。
☆スリル・ミーでの掟は? 「ニイロさんに絶対服従」とマリオさん。ニイロさんも「田代の私は、ニイロが作り上げたキャラだと思った」。とすると、ニイロさんはドMなんだろうか?w
☆ペアの特徴と魅力は? ニイロさんきっぱりと「エロスです」。「何もしていないベーシック」がウリのよう。よそのチームのを観た後は常にディスカッションを重ね、色々と取り入れ進化させているようだ。
☆何歳までスリル・ミーに出演しているのか? 19歳の話だが、日本の19歳がやっても見てられないだろう、30代からが乗ってくるとニイロさん。汗をあんまりかかなくなったニイロさんは自ら「更年期」もしくは「体内年齢が若くなった」と“歳”に言及するが、オファーが来てるうちは拒否したくないと意欲。マリオは「54歳まで」と言うと、「その頃俺は年金」とニイロさん。お客様も生きている人はいらして下さいとのたまった(笑)。
田代×新納ペアはあと3公演。「Aチームのテーマは、よりディープなスリル・ミーの森に迷い込もう」とニイロさん。マリオさんは「自分たちだけでも毎公演、違う私と彼がある」と、東京は27通りのスリル・ミーがあるのブログの話を思い出させた。
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日本の3組は、Aチーム&Bチーム&Cチームと呼ばれてるとか。アルターボーイズ的にいうと、レッド&オレンジ&グリーンとなりそうw。
オジサンチームと呼ばれてるAチーム。マリオは下から3番目なのに、9歳差のニイロが平均値を上げてるという。でもCチームの良知のほうがマリオより1歳上なのに、良知のほうが若く見える、良知は若さを保つクスリを打たされている(笑)とニイロさん。洸平は中2くらいだとw。
開演前に隣席の女性たちが、今公演で誰が一番人気か?の話をしていて、良知さんの名があがったが、ロミジュリの時に何の役をやっていたかで話が進まなくて、聞きながら心の中でジタバタしていたw。
良知さんと遼生さんの舞台写真もついに販売。ツボなショットv。
実は明後日の韓国ペアも追加購入。全部見比べてTシャツ貰うぞw。二日おきの観劇で、既にスリルミーの森へ迷走中。
ミュージカル テニスの王子様 青学VS立海
2012年7月22日 舞台演劇『ミュージカル テニスの王子様 青学VS立海』に行ってきた。
早めに到着したので、開演前にパンフやらを買いポスカも頂けた。
東京公演も早1週間経過。1階やや端席で全体は見易い。
関東大会決勝戦。青学の対戦相手は、全国三連覇を目指す王者・立海大付属中。どちらも部長不在の中、戦いの火蓋が切って落とされる。
1stシーズンでは2回に分けて上演した対立海戦を、2ndでは一気に上演。
テニミュでは異例、休憩を2回挟んだ3時間超えの公演である。
貼り紙表記の「1幕68分」って、乾か柳が計算した分数なのかとw。
青学の現メンバーは、これがラスト公演。
立海の新キャスト陣は其々イメージ通り、実力を備えて真摯に迎え撃つ。六角の抜群のサポートもある。
大ボリュームながら、押さえを効かせた充実した内容に集中できて、見どころいっぱいの満足感だった。
1stは流すように観ていたから、今回で関係性や歌詞など色々と補完ができた。
1stの曲のアレンジや歌詞の変更もあり、新曲もありで、まだ曲目には慣れない。やはり2回以上は観たいところ。1stの曲やシーンのカットもちょこちょこ気づいたが、時間的配分で仕方ないか。
青学メンバーの歌やダンス、芝居の成長度が際立っていた。この前観た『ドリームハイ』も全員のダンスは良かったが、『テニミュ』の青学はそれを上回るほど綺麗に仕上がっていて惹きつけられた。やはり2年間という重みと深みがあるなと眩しく思った。
立海大メンバーは特に“声”が重要なキィだ。全員が揃ったベンチワークや試合中でもたくさんの声が飛び交うが、声を聞いただけでも誰が喋ってるのか分かるのが必要になる。1stからの声のイメージもあるだろう。
真田@小笠原健は昨年『DEAR BOYS』で観てたが、長身で厳格な雰囲気がピッタリで、よく響く低音の声が心地よい。幸村@神永圭佑もとろける声がいい。柳@水石亜飛夢は外見は丸っこいが、知的ないい声だ。
仁王@久保田秀敏と柳生@味方良介のイリュージョンも声と背がポイントになるかも。仁王の話し方はやんちゃぽくて好み。ジャッカル@塩田康平の話し方はセクシーワイルドで実にいい。ブン太@安川純平の高めの声も慣れれば何とか。
惜しいのは、切原赤也@原嶋元久だろう。見た目はいいが、声が可愛すぎて赤也の無鉄砲さにあまり合わない気がする。もう少し腹の底から凄みを出して欲しい。
関係ないが、ミュージカル『スリル・ミー』の「彼」がもし14歳の日本人だったら、きっと赤也みたいな少年だろうと思うw。それぐらい赤也は作品のキーマンな存在。その赤也のピンチに、励ましの声をかけるジャッカルは何てイイ奴だv。
幸村&真田&柳×赤也のシーンは良かった。チームの士気のため、ビンタする真田の厳しさも目を引く。そして柳にはビンタしない真田もいいw。
立海内では面白い関係を楽しめるものの、対青学戦になると勝敗に関係なく、年季の違いで青学メンバーにはまだ叶わない。乾@輝馬の捨て身のド根性、不二@三津谷亮の執念と気迫の篭った芝居はさすがにスゴかった。立海キャストは、青学の表情や動きからして押されていたのが分かる。
極めつけは真田VSリョーマ戦。「たわけ」「笑止」と言う真田はまさに昭和の男の匂いだがw、英語を話すアメリカンなリョーマは実は日本古来のサムライだった。帽子を脱いだ小越勇輝からはいつにも増して闘志と気迫が感じられ、今回は特に男前でクールで格好良かった。
ところで、仁王のTシャツマジックは日替わりなのか?今回は海堂でピンクが可愛かったw。
カテコは「ジャンハイ」はなく、「That’s My Future! Let’s Go!」。卒業式みたいだ。客席降りではアリーナ席でハイタッチもあったが、1階端のほうまでは誰もこなかった。立海が手を挙げるハイタッチな格好も見たかったな。
リョーマのトークや終演後のお見送りもなし。あっさり感はあるが、長時間だし仕方ないだろう。
次の観劇は金曜夜。何時に帰れることだろう。
早めに到着したので、開演前にパンフやらを買いポスカも頂けた。
東京公演も早1週間経過。1階やや端席で全体は見易い。
関東大会決勝戦。青学の対戦相手は、全国三連覇を目指す王者・立海大付属中。どちらも部長不在の中、戦いの火蓋が切って落とされる。
1stシーズンでは2回に分けて上演した対立海戦を、2ndでは一気に上演。
テニミュでは異例、休憩を2回挟んだ3時間超えの公演である。
貼り紙表記の「1幕68分」って、乾か柳が計算した分数なのかとw。
青学の現メンバーは、これがラスト公演。
立海の新キャスト陣は其々イメージ通り、実力を備えて真摯に迎え撃つ。六角の抜群のサポートもある。
大ボリュームながら、押さえを効かせた充実した内容に集中できて、見どころいっぱいの満足感だった。
1stは流すように観ていたから、今回で関係性や歌詞など色々と補完ができた。
1stの曲のアレンジや歌詞の変更もあり、新曲もありで、まだ曲目には慣れない。やはり2回以上は観たいところ。1stの曲やシーンのカットもちょこちょこ気づいたが、時間的配分で仕方ないか。
青学メンバーの歌やダンス、芝居の成長度が際立っていた。この前観た『ドリームハイ』も全員のダンスは良かったが、『テニミュ』の青学はそれを上回るほど綺麗に仕上がっていて惹きつけられた。やはり2年間という重みと深みがあるなと眩しく思った。
立海大メンバーは特に“声”が重要なキィだ。全員が揃ったベンチワークや試合中でもたくさんの声が飛び交うが、声を聞いただけでも誰が喋ってるのか分かるのが必要になる。1stからの声のイメージもあるだろう。
真田@小笠原健は昨年『DEAR BOYS』で観てたが、長身で厳格な雰囲気がピッタリで、よく響く低音の声が心地よい。幸村@神永圭佑もとろける声がいい。柳@水石亜飛夢は外見は丸っこいが、知的ないい声だ。
仁王@久保田秀敏と柳生@味方良介のイリュージョンも声と背がポイントになるかも。仁王の話し方はやんちゃぽくて好み。ジャッカル@塩田康平の話し方はセクシーワイルドで実にいい。ブン太@安川純平の高めの声も慣れれば何とか。
惜しいのは、切原赤也@原嶋元久だろう。見た目はいいが、声が可愛すぎて赤也の無鉄砲さにあまり合わない気がする。もう少し腹の底から凄みを出して欲しい。
関係ないが、ミュージカル『スリル・ミー』の「彼」がもし14歳の日本人だったら、きっと赤也みたいな少年だろうと思うw。それぐらい赤也は作品のキーマンな存在。その赤也のピンチに、励ましの声をかけるジャッカルは何てイイ奴だv。
幸村&真田&柳×赤也のシーンは良かった。チームの士気のため、ビンタする真田の厳しさも目を引く。そして柳にはビンタしない真田もいいw。
立海内では面白い関係を楽しめるものの、対青学戦になると勝敗に関係なく、年季の違いで青学メンバーにはまだ叶わない。乾@輝馬の捨て身のド根性、不二@三津谷亮の執念と気迫の篭った芝居はさすがにスゴかった。立海キャストは、青学の表情や動きからして押されていたのが分かる。
極めつけは真田VSリョーマ戦。「たわけ」「笑止」と言う真田はまさに昭和の男の匂いだがw、英語を話すアメリカンなリョーマは実は日本古来のサムライだった。帽子を脱いだ小越勇輝からはいつにも増して闘志と気迫が感じられ、今回は特に男前でクールで格好良かった。
ところで、仁王のTシャツマジックは日替わりなのか?今回は海堂でピンクが可愛かったw。
カテコは「ジャンハイ」はなく、「That’s My Future! Let’s Go!」。卒業式みたいだ。客席降りではアリーナ席でハイタッチもあったが、1階端のほうまでは誰もこなかった。立海が手を挙げるハイタッチな格好も見たかったな。
リョーマのトークや終演後のお見送りもなし。あっさり感はあるが、長時間だし仕方ないだろう。
次の観劇は金曜夜。何時に帰れることだろう。
FREE(S) DREAM 第二章
2012年7月21日 舞台演劇FREE(S)『DREAM』の第二章『Dream-Sunflower-』を観てきた。
第一章から第三章までシリーズを週替わりで公演する『DREAM』。
キャストも章ごとに少々替わり、第二章も残すところ4回。
本日はニコ動のカメラもあり。
北海道から出てきた若者たちが集うバー「HOME TOWN」。オーナーのキョウコの妹で高校生のナオが彼氏アオイと共に上京。不治の病に侵されているナオの芝居をするという“夢”を叶えるため、サトシの呼びかけの元、みんなが協力していく話。
第一章の“ダンス”と比べて、第二章は“芝居”がメイン。
全体的にハデさや目立つキャストが少なく、やや平坦な印象だ。
涙ものの話なので、時おりすすり泣きも聞こえてきたが、今回はそれ以上の“カセ”も少なく、他に障害がないままズンズン話が進んでしまう。
最初こそ自分の思ったことをバンバン言い合い、アクと個性が強いところを見せてたキャストも、一緒に芝居をやるうちに互いに良さや意思を認め合うのか、自分の言葉の誤りに気づくところがミソか。
和や協調性を打ち出すのはいいが、みんなが懸命に稽古にうちこむ光景は見られず、表向きを整えただけの強引さが目についた。
相変わらず、男性キャラの生活感が薄い。サトシの夢はどうやら映画作りらしいが、そのためにどう努力しているのか分からず、何で生計を立てているのかも不明。ダンサーとして名が売れ始めたカズはいいとして、アキラは普段は何をやっているのかいつもヒマそうで鼻に付く。
第一章で気になっていたケンジは初心にかえったようだが、傷害事件を起こしたリョウはどうやら刑務所にいるらしい。二人ともカズとはもう関わらないようだし、サトシの温かい眼差しがあるので安心か。
恋人同士の役ではないが、広瀬友祐と宮地真緒が一緒にいると落ち着きと安定感がある。
寿里は相変わらずオカマ役で客席の注目と笑いを誘って楽しそう。イメージカラーはレッド。
熊澤枝里子は女優としての華やかさはある。今回のキーマン、亀井理那は表情も豊かで爽やかに熱演。美少年の鈴木勤は素直な芝居が好感。
杉ありさ&YOHの「SILK」は歌とギターがメインだが、もう少し歌唱力がほしいところ。
星羅のメインテーマはナオがイメージのようで、明るく大らかな想いを広げていた。
残す観劇は第三章。
ストーリー的にはあまりのらないが、若いキャストが頑張ってる様子は未熟な中にも目をひくものがある。
第一章から第三章までシリーズを週替わりで公演する『DREAM』。
キャストも章ごとに少々替わり、第二章も残すところ4回。
本日はニコ動のカメラもあり。
北海道から出てきた若者たちが集うバー「HOME TOWN」。オーナーのキョウコの妹で高校生のナオが彼氏アオイと共に上京。不治の病に侵されているナオの芝居をするという“夢”を叶えるため、サトシの呼びかけの元、みんなが協力していく話。
第一章の“ダンス”と比べて、第二章は“芝居”がメイン。
全体的にハデさや目立つキャストが少なく、やや平坦な印象だ。
涙ものの話なので、時おりすすり泣きも聞こえてきたが、今回はそれ以上の“カセ”も少なく、他に障害がないままズンズン話が進んでしまう。
最初こそ自分の思ったことをバンバン言い合い、アクと個性が強いところを見せてたキャストも、一緒に芝居をやるうちに互いに良さや意思を認め合うのか、自分の言葉の誤りに気づくところがミソか。
和や協調性を打ち出すのはいいが、みんなが懸命に稽古にうちこむ光景は見られず、表向きを整えただけの強引さが目についた。
相変わらず、男性キャラの生活感が薄い。サトシの夢はどうやら映画作りらしいが、そのためにどう努力しているのか分からず、何で生計を立てているのかも不明。ダンサーとして名が売れ始めたカズはいいとして、アキラは普段は何をやっているのかいつもヒマそうで鼻に付く。
第一章で気になっていたケンジは初心にかえったようだが、傷害事件を起こしたリョウはどうやら刑務所にいるらしい。二人ともカズとはもう関わらないようだし、サトシの温かい眼差しがあるので安心か。
恋人同士の役ではないが、広瀬友祐と宮地真緒が一緒にいると落ち着きと安定感がある。
寿里は相変わらずオカマ役で客席の注目と笑いを誘って楽しそう。イメージカラーはレッド。
熊澤枝里子は女優としての華やかさはある。今回のキーマン、亀井理那は表情も豊かで爽やかに熱演。美少年の鈴木勤は素直な芝居が好感。
杉ありさ&YOHの「SILK」は歌とギターがメインだが、もう少し歌唱力がほしいところ。
星羅のメインテーマはナオがイメージのようで、明るく大らかな想いを広げていた。
残す観劇は第三章。
ストーリー的にはあまりのらないが、若いキャストが頑張ってる様子は未熟な中にも目をひくものがある。
ミュージカル スリル・ミー 松柿ペア
2012年7月20日 舞台演劇ミュージカル『スリル・ミー』の2回目を観てきた。
今回の組み合わせは、松下洸平×柿澤勇人。
本日はダブル松下だなw。でもこちらの洸平さんとは初見かもしれない。
今回は初のサイドシート。一段低めで、ステージをやや見上げる形。S席はE列が最前列だ。
左サイドで、「私」はこちら側の扉から登場する。「彼」サイドなので、劇中でも柿澤さんの存在を特に感じる。柿澤さんの目線がひりひりと飛び込んできて、ちょっとしたドキドキ感だ。
ステージ後方の作りはよく見えた。こちら側での芝居は確かに臨場感がある。「彼」にそげなくされて前のめりに倒れ込む「私」のシーンは、芝居に見えないほどリアルな迫力があった。
倉庫が炎上するシーンでは、突如ゴゴゴと地響きが起こり、座席が地震のように揺れる感覚でビックリした。
でも見え難いシーンも思った以上にある。初日に1回観ていたから想像で補完できたが、初回だと辛いものがありそう。50代の「私」の表情は横向きのみ。前方寄りの芝居や肝心のキスシーンなども見え難かった。
ラストでせり上がった2階部分も全く見えない。1階で照らされた「私」は見えるが、2階にいるであろう「彼」は拝めなかった。これでは余韻もわかない。好きなキャストで観るなら残念なことだろう。
柿澤さんは『海辺のカフカ』のミステリアスで透明感あるカラスとは全く違っていた。遼生さんの「彼」にはない、野性味や得体のしれない毒を含んでいる。観るほどに人間味のある彼で、寂れた家庭を想像させる。観ながら、この作品の「彼」ってB型なのかなと思った次第w。
松下さんは、一見、明治時代の書生な雰囲気で、保志さんの声をイメージさせる可愛らしさ。50代は照明を落としてるがちょっと無理がありそう。切羽詰まった状況でも、どこか愉しんでる若さと余裕を感じられた。
二人がスゴイのは、後半にかけてぐっとピッチをあげるところ。芝居も歌もぐんぐん迫力と強さを増していく。この二人にこんな一面があったのかと、くるくる変わる表情に見とれてしまう。さすがに経験豊かな、深みのある舞台だった。
 ̄
終演後、1日限りのスペシャルユニットDAY。
小西遼生ゲストで、松下洸平×小西遼生で「あの夜のこと」シーンを再現。ピアノは朴勝哲。打ち合わせもないままのガチンコ芝居だとか。すぐスタート。
「彼」がなかなか現われないのでソワソワする洸平@私。やっと現われた遼生@彼がわざと足をドンドンと音を立てて芝居を促す。最初は真面目モードかと思いきや、「ちくわパーティー」と遼生さん。唄いながら、眼鏡をかけて手帳まで取り出して事情聴取(仕込んでいたが、これは良知さんの小物か)。洸平さんもたまらなくなって吹き出し、結局おふざけモードで終了w。客席も大笑い。遼生さんから洸平さんに抱きつくが、歳の離れた兄と弟にしか見えんw。
左サイド扉から来た司会者Mr.メガネと柿澤さん。一応みんなの感想。
遼生さんのおでこに書かれた「彼」の文字(「肉」や「愛」だったらウケルw)。
洸平さんの感想は「変態…ぽい」(爆)。柿澤さんはキッパリと「ぜんっぜん、嫉妬しない!」(笑)。クルージングで酔ったのか、ちょっとヘンなテンション。
遼生さんは「稽古の前に二人の芝居を観てて基本としてたので、松下さんに憧れていました」ホントか?今日は最初から二人の舞台を観ていたそうで「経験があるだけにさすがに深いなと思った」と絶賛の言葉。
でも最後に洸平さんにキスしようとしたが、のけぞられた遼生さんw。柿澤さんとはガッチリ握手。案外、柿澤さん×遼生さんのほうが合いそうだ。明日の良知さん×柿澤さんはどんなシーンになるのか興味シンシン。
今回の組み合わせは、松下洸平×柿澤勇人。
本日はダブル松下だなw。でもこちらの洸平さんとは初見かもしれない。
今回は初のサイドシート。一段低めで、ステージをやや見上げる形。S席はE列が最前列だ。
左サイドで、「私」はこちら側の扉から登場する。「彼」サイドなので、劇中でも柿澤さんの存在を特に感じる。柿澤さんの目線がひりひりと飛び込んできて、ちょっとしたドキドキ感だ。
ステージ後方の作りはよく見えた。こちら側での芝居は確かに臨場感がある。「彼」にそげなくされて前のめりに倒れ込む「私」のシーンは、芝居に見えないほどリアルな迫力があった。
倉庫が炎上するシーンでは、突如ゴゴゴと地響きが起こり、座席が地震のように揺れる感覚でビックリした。
でも見え難いシーンも思った以上にある。初日に1回観ていたから想像で補完できたが、初回だと辛いものがありそう。50代の「私」の表情は横向きのみ。前方寄りの芝居や肝心のキスシーンなども見え難かった。
ラストでせり上がった2階部分も全く見えない。1階で照らされた「私」は見えるが、2階にいるであろう「彼」は拝めなかった。これでは余韻もわかない。好きなキャストで観るなら残念なことだろう。
柿澤さんは『海辺のカフカ』のミステリアスで透明感あるカラスとは全く違っていた。遼生さんの「彼」にはない、野性味や得体のしれない毒を含んでいる。観るほどに人間味のある彼で、寂れた家庭を想像させる。観ながら、この作品の「彼」ってB型なのかなと思った次第w。
松下さんは、一見、明治時代の書生な雰囲気で、保志さんの声をイメージさせる可愛らしさ。50代は照明を落としてるがちょっと無理がありそう。切羽詰まった状況でも、どこか愉しんでる若さと余裕を感じられた。
二人がスゴイのは、後半にかけてぐっとピッチをあげるところ。芝居も歌もぐんぐん迫力と強さを増していく。この二人にこんな一面があったのかと、くるくる変わる表情に見とれてしまう。さすがに経験豊かな、深みのある舞台だった。
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終演後、1日限りのスペシャルユニットDAY。
小西遼生ゲストで、松下洸平×小西遼生で「あの夜のこと」シーンを再現。ピアノは朴勝哲。打ち合わせもないままのガチンコ芝居だとか。すぐスタート。
「彼」がなかなか現われないのでソワソワする洸平@私。やっと現われた遼生@彼がわざと足をドンドンと音を立てて芝居を促す。最初は真面目モードかと思いきや、「ちくわパーティー」と遼生さん。唄いながら、眼鏡をかけて手帳まで取り出して事情聴取(仕込んでいたが、これは良知さんの小物か)。洸平さんもたまらなくなって吹き出し、結局おふざけモードで終了w。客席も大笑い。遼生さんから洸平さんに抱きつくが、歳の離れた兄と弟にしか見えんw。
左サイド扉から来た司会者Mr.メガネと柿澤さん。一応みんなの感想。
遼生さんのおでこに書かれた「彼」の文字(「肉」や「愛」だったらウケルw)。
洸平さんの感想は「変態…ぽい」(爆)。柿澤さんはキッパリと「ぜんっぜん、嫉妬しない!」(笑)。クルージングで酔ったのか、ちょっとヘンなテンション。
遼生さんは「稽古の前に二人の芝居を観てて基本としてたので、松下さんに憧れていました」ホントか?今日は最初から二人の舞台を観ていたそうで「経験があるだけにさすがに深いなと思った」と絶賛の言葉。
でも最後に洸平さんにキスしようとしたが、のけぞられた遼生さんw。柿澤さんとはガッチリ握手。案外、柿澤さん×遼生さんのほうが合いそうだ。明日の良知さん×柿澤さんはどんなシーンになるのか興味シンシン。
ミュージカル ドリーム・ハイ 千秋楽
2012年7月20日 舞台演劇ミュージカル『ドリームハイ』千秋楽を観てきた。
ネルケが送る、日本人キャストによる韓国ドラマの初ミュージカル化。
『コヒプリ』と同じく、ドラマは未見だ。
未来のスターを夢見る若者たちが入学するキリン芸能高校が舞台。歌にダンスに芝居に切磋琢磨しながら、成長していく青春群像劇。
本来なら先週までに見ておくべきだったか。いきなりの千秋楽で登場人物も多く、当初はストーリーを追いながらキャストを把握するのに駆られた。
登場時から中盤や後半へ、キャストの外見がどんどん変わっていくのがポイント。主人公のサムドンなんて、田舎っぺのダサさから一気にイケメンに変身w。着ぐるみで登場したピルスクは、一幕と二幕では全然違った女の子になっちゃうw。
脇を固めるキャスト陣は実力派だが、とうとう彼らの名前を把握できなかった。韓国人の名前って覚えられないのだ。
男女三組のカップルが徐々に出来上がっていくが、キャラクターの事情や背景がよく分からず、いまひとつ馴染めずのめりこめない世界観ではある。
落ちこぼれクラスの扱いや、ペアで課題をさせたり、学校からグループ“K”がデビューしたり、大雑把にいうと『うた☆プリ』の設定にも似てる。でもあちらの授業や課題はもっと真剣味があったのに、こちらは見栄えだけで浅いのが残念だ。
女性キャストはメイン3人ともよく歌える。NANAKAはキュートで、率直なヘミのキャラクターは嫌いではない。『ボクは十二単に恋をする』の川上ジュリアは元気キャラなのに、今回は暗いキャラで驚いた。サントス・アンナは前半は暑そうだw。
男性陣はソロをまともに歌えるのが松下優也だけなのがちと厳しい。当然ダンスのほうが印象強くなってしまう。歌のせいか、女の子の気持ちはよく分かるが、グクやジェイソンなど男の子の気持ちや覚悟が揺れていてもどかしい。ここでソロがほしい、ここで仲間の歌がほしい、と思うシーンも幾つかあった。
男子はダンスがメイン。優也もよく踊り、『タンブリング仲間』の水田航生と丞威もキレがある。全員のブレイクダンスもクールで良かった。洗練された照明や音響の効果も素晴らしい。
冒頭の優也と橋本汰斗のシーンは、二幕の一場面を切り取ったものらしい。汰斗はダンスで結構目立っていたが、いつの間にか居酒屋をやっていてサムドンと仲良しな役で、学校はどうなったのか?
ダンスを超えたアクロバットなアクションも目立つ。AUTRIVEのHILOMUやTAKAHIROもステー上で目に入った。
お目当てのひとり、土屋裕一のカン先生は、若者たちを見守り支える理解者の役で、『NARUTO』のイルカ先生のイメージだw。歌わず踊らずでちょっぴり寂しいが、tutiの味わい深い芝居とアドリブが舞台を盛り立てる。先行特典の写真はtutiをチョイスしたw。
先生役のNANAは歌とダンスも披露、厳しい一面の中で自らを省みる実直さもあるが、カン先生との恋バナはないのか。というか、特待生を選んだ理事長というのはどんな人なのか見たかった。
『ドリームハイ』の“ハイ”は、「出会えて嬉しい」の意味ももっているという。
カテコの千秋楽舞台挨拶では、座長の優也が出演者全員(30人以上!)の名前をひとりひとり呼んで紹介。おかげでみんなの名と顔を確認できた。スタンディングした客席からも名前コールと拍手。
tutiからは「は~い、tutiです」(笑)とひと言ずつ挨拶。みんな、カンパニーの仲間やスタッフやお客様とリアルで出会えて嬉しいと実感しながら感謝の言葉。最後の優也は手を大きく広げて充実感をアピール、感無量の言葉を語った。
ラインナップも賑やかに、スタオベの中でカテコは4回も! 盛り上がる中で終幕した。
松下優也はアニメ『夏雪ランデブー』OPテーマ「SEE YOU」がジンとくる。
ネルケが送る、日本人キャストによる韓国ドラマの初ミュージカル化。
『コヒプリ』と同じく、ドラマは未見だ。
未来のスターを夢見る若者たちが入学するキリン芸能高校が舞台。歌にダンスに芝居に切磋琢磨しながら、成長していく青春群像劇。
本来なら先週までに見ておくべきだったか。いきなりの千秋楽で登場人物も多く、当初はストーリーを追いながらキャストを把握するのに駆られた。
登場時から中盤や後半へ、キャストの外見がどんどん変わっていくのがポイント。主人公のサムドンなんて、田舎っぺのダサさから一気にイケメンに変身w。着ぐるみで登場したピルスクは、一幕と二幕では全然違った女の子になっちゃうw。
脇を固めるキャスト陣は実力派だが、とうとう彼らの名前を把握できなかった。韓国人の名前って覚えられないのだ。
男女三組のカップルが徐々に出来上がっていくが、キャラクターの事情や背景がよく分からず、いまひとつ馴染めずのめりこめない世界観ではある。
落ちこぼれクラスの扱いや、ペアで課題をさせたり、学校からグループ“K”がデビューしたり、大雑把にいうと『うた☆プリ』の設定にも似てる。でもあちらの授業や課題はもっと真剣味があったのに、こちらは見栄えだけで浅いのが残念だ。
女性キャストはメイン3人ともよく歌える。NANAKAはキュートで、率直なヘミのキャラクターは嫌いではない。『ボクは十二単に恋をする』の川上ジュリアは元気キャラなのに、今回は暗いキャラで驚いた。サントス・アンナは前半は暑そうだw。
男性陣はソロをまともに歌えるのが松下優也だけなのがちと厳しい。当然ダンスのほうが印象強くなってしまう。歌のせいか、女の子の気持ちはよく分かるが、グクやジェイソンなど男の子の気持ちや覚悟が揺れていてもどかしい。ここでソロがほしい、ここで仲間の歌がほしい、と思うシーンも幾つかあった。
男子はダンスがメイン。優也もよく踊り、『タンブリング仲間』の水田航生と丞威もキレがある。全員のブレイクダンスもクールで良かった。洗練された照明や音響の効果も素晴らしい。
冒頭の優也と橋本汰斗のシーンは、二幕の一場面を切り取ったものらしい。汰斗はダンスで結構目立っていたが、いつの間にか居酒屋をやっていてサムドンと仲良しな役で、学校はどうなったのか?
ダンスを超えたアクロバットなアクションも目立つ。AUTRIVEのHILOMUやTAKAHIROもステー上で目に入った。
お目当てのひとり、土屋裕一のカン先生は、若者たちを見守り支える理解者の役で、『NARUTO』のイルカ先生のイメージだw。歌わず踊らずでちょっぴり寂しいが、tutiの味わい深い芝居とアドリブが舞台を盛り立てる。先行特典の写真はtutiをチョイスしたw。
先生役のNANAは歌とダンスも披露、厳しい一面の中で自らを省みる実直さもあるが、カン先生との恋バナはないのか。というか、特待生を選んだ理事長というのはどんな人なのか見たかった。
『ドリームハイ』の“ハイ”は、「出会えて嬉しい」の意味ももっているという。
カテコの千秋楽舞台挨拶では、座長の優也が出演者全員(30人以上!)の名前をひとりひとり呼んで紹介。おかげでみんなの名と顔を確認できた。スタンディングした客席からも名前コールと拍手。
tutiからは「は~い、tutiです」(笑)とひと言ずつ挨拶。みんな、カンパニーの仲間やスタッフやお客様とリアルで出会えて嬉しいと実感しながら感謝の言葉。最後の優也は手を大きく広げて充実感をアピール、感無量の言葉を語った。
ラインナップも賑やかに、スタオベの中でカテコは4回も! 盛り上がる中で終幕した。
松下優也はアニメ『夏雪ランデブー』OPテーマ「SEE YOU」がジンとくる。
アミューズ舞台 JEWELRY HOTEL
2012年7月19日 舞台演劇Amuse presents 舞台『JEWELRY HOTEL ジュエリーホテル』を観てきた。
『BLACK PEARL』『Mystic Topaz』に続く、【宝石シリーズ】最終章。
アミューズの若手が出演する舞台。ロビーは若い女性たちでごった返す。
“お客さまは宝石です”をモットーとする、三代続いた「ジュエリーホテル」も今や赤字経営の状況。起死回生を狙い雑誌記者のインタビューを受ける支配人だが、ダブルブッキングが発覚し、予期せぬトラブルが続出する。
ホテルのロビーを舞台にしたシチュエーション・コメディ。
会話に主を置く『FRONT LINE』と比べて、入れ代わり立ち代りのドタバタジタバタ感を押し出した、かなり強引な手法だ。
キャストの個性と魅力もあり、前方席のほうは笑いが絶えなかったが、後ろのほうは結構シビアだったような。
あまりにこの設定と状況と展開はムリがある。ホテル側がたった2人というのも頼りないし、ホテルを舞台にするには人数と役回り不足だ。
たまに笑ってみていたが、舞台ならではの面白味と会話の妙が感じられず、何度かウトウトしそうになった。
座長の植原卓也は支配人として忍耐強く奮闘。従業員の平間壮一は女性役までこなすが、女声はカワイイのに髭も残る顔はイマイチ。その女性に一目惚れしちゃう記者の戸谷公人は、爽やかな中に闇があってイイ。
カレーの王子様な加藤潤一が、背が高く温厚な癒しとなっていて良かった。あの王様はアラブ系なのかインド系なのか? 初舞台という冨田佳輔は、やや硬いがテンション高い芝居を持続。
風間由次郎、吉村卓也は役的にはショボイのに、目立った役に仕上げていた。
平埜生成は普通ぽく見えたが実はキーマン、声の使い分けに注目かな。
メイン所以外は、当初は役者名と顔の見分けがつかず、徐々に判明した次第w。
日替わりゲストは桜田通。久々のミッシェル登場に客席もわく。顔にソバカスを書き、テンション高いポーズを披露して舞台を席巻。黒い大きなマントは熱くてジャマなのか脱ぎ捨て、支配人を巻き込み愉快な味を提供していた。
通くんは久々に人前に出たらしく、プチ緊張もしていた様子。カテコのことをすっかり忘れてて、化粧を落とした素の顔で慌てて着替えて出てきたりと、相変わらずの天然ぶりを見せていた。
ラストのミラーボールは、客席を明るくミステリアスに照らして、とても綺麗だった。
エピローグのドンデン返しで、突然シリアス調に転じるのはお手のもの。よく考えれば、シリーズ全体のキーマンは“彼”だったのか。前2作をもう一度振り返りたい気分にさせられた。DVDは買わんけどね。
DVD撮影日なのに、色んなハプニングがあったらしく、夜公演に期待をかける面子だった。
『BLACK PEARL』『Mystic Topaz』に続く、【宝石シリーズ】最終章。
アミューズの若手が出演する舞台。ロビーは若い女性たちでごった返す。
“お客さまは宝石です”をモットーとする、三代続いた「ジュエリーホテル」も今や赤字経営の状況。起死回生を狙い雑誌記者のインタビューを受ける支配人だが、ダブルブッキングが発覚し、予期せぬトラブルが続出する。
ホテルのロビーを舞台にしたシチュエーション・コメディ。
会話に主を置く『FRONT LINE』と比べて、入れ代わり立ち代りのドタバタジタバタ感を押し出した、かなり強引な手法だ。
キャストの個性と魅力もあり、前方席のほうは笑いが絶えなかったが、後ろのほうは結構シビアだったような。
あまりにこの設定と状況と展開はムリがある。ホテル側がたった2人というのも頼りないし、ホテルを舞台にするには人数と役回り不足だ。
たまに笑ってみていたが、舞台ならではの面白味と会話の妙が感じられず、何度かウトウトしそうになった。
座長の植原卓也は支配人として忍耐強く奮闘。従業員の平間壮一は女性役までこなすが、女声はカワイイのに髭も残る顔はイマイチ。その女性に一目惚れしちゃう記者の戸谷公人は、爽やかな中に闇があってイイ。
カレーの王子様な加藤潤一が、背が高く温厚な癒しとなっていて良かった。あの王様はアラブ系なのかインド系なのか? 初舞台という冨田佳輔は、やや硬いがテンション高い芝居を持続。
風間由次郎、吉村卓也は役的にはショボイのに、目立った役に仕上げていた。
平埜生成は普通ぽく見えたが実はキーマン、声の使い分けに注目かな。
メイン所以外は、当初は役者名と顔の見分けがつかず、徐々に判明した次第w。
日替わりゲストは桜田通。久々のミッシェル登場に客席もわく。顔にソバカスを書き、テンション高いポーズを披露して舞台を席巻。黒い大きなマントは熱くてジャマなのか脱ぎ捨て、支配人を巻き込み愉快な味を提供していた。
通くんは久々に人前に出たらしく、プチ緊張もしていた様子。カテコのことをすっかり忘れてて、化粧を落とした素の顔で慌てて着替えて出てきたりと、相変わらずの天然ぶりを見せていた。
ラストのミラーボールは、客席を明るくミステリアスに照らして、とても綺麗だった。
エピローグのドンデン返しで、突然シリアス調に転じるのはお手のもの。よく考えれば、シリーズ全体のキーマンは“彼”だったのか。前2作をもう一度振り返りたい気分にさせられた。DVDは買わんけどね。
DVD撮影日なのに、色んなハプニングがあったらしく、夜公演に期待をかける面子だった。
しみじみ日本・乃木大将
2012年7月18日 舞台演劇こまつ座&ホリプロ公演『しみじみ日本・乃木大将』を観てきた。
井上ひさし生誕77フェスティバル2012のひとつ。
井上ひさし初期傑作を蜷川幸雄が演出。
明治天皇大葬の日の夕刻。大帝に殉死しようとする陸軍大将乃木希典と夫人のただならぬ様子に、人の言葉で喋る“馬格”となった愛馬たちが、主人の半生を顧みる話。
『ある馬の物語』では、馬になる役者と人になる役者で分れてたが、ここではメイン役者10人がみな馬の脚を演じる。更に5頭の馬の脚たちは“人”を演じ、いわば馬目線から人間を見た劇中劇という凝った手法だ。
当初は前脚も後脚も同じ台詞を同時に喋り息ぴったりだったのが、前脚と後脚が其々にどっちがエライ?対決になる。頭や脳に繋がってる前脚は知的な思考力担当で、性的な穴に繋がってる後脚は感情担当のようだ(後脚担当の役者は体が大きめw)。上半身は衣服を着けてるが下半身は馬足のまま、珍妙な格好で芝居をする役者は、まるで“馬人間”のようで滑稽にも見える。しかし夏真っ盛りのステージ、ぬいぐるみのような脚を身につけたままで、役者はさぞ蒸れて熱かっただろうw。
主人の乃木に一番可愛がられた馬「ことぶき」の前脚と後脚は、風間壮夫と吉田鋼太郎。二人とも其々に乃木大将も兼ねるから愉快(二人一役か)。主人はなぜ大帝に殉死しようとするのかを問う後脚に、前脚は劇によって乃木の半生を振り返らせ納得させようとする。いわばミステリーを追うホームズとワトソンな関係w(吉田さんはスパイもどきの役回りもあり)。
幕やカーテンを引いて場面作り、セットや小道具を移動させ、舞台上で着替えたりと、馬たちの奮闘ぶりが熱いw。
風間さんは凛々しいカリスマ性をもって男前でチャーミング。吉田さんの歌は声量があり、アクションも独り占めだ(笑)。根岸季衣は凛とした中に寂しさが篭もって人間味がある。
元宝塚の朝海ひかると香寿たつきは、馬の時は和装で可愛らしいのに、一転、誇張された宝塚キャラをハデハデキラキラに熱演し、ファンならずとも爆笑ものだ。
『仮面ライダーフォーゼ』から花壇もあったが、タチバナもとい江本先生も記憶に新しい山?一が、ドジでオチャメな副官やら色々と好演。
大石継太が、兄の弟だったりアブちゃんだったり大帝だったりを兼ねる功労者。
衣装の下は馬脚だろうなと思いつつ、天皇陛下と皇后がビシっと現われると妙な緊張感が宿る。大石さんと根岸さんの喋り方がまた上手い。
連隊旗は天皇そのものである、という乃木の失敗と覚悟を巧みに利用して、天皇のために命をかける忠臣、という“型”を乃木に背負わせ、世間にお上への忠義を広めていく軍の上層部。当の天皇もまた口が上手く、「先に死ぬなよ」と暖かい言葉で乃木を縛りにかかる。まんまと洗脳された乃木は妻を伴っていくが、妻の心中は息子二人を国に殺された恨みや絶望もあったのではないだろうか。
仇討ちはなかったが、切腹のやり方も公開していて、まるで主君に殉じた赤穂浪士たちと変わらない。乃木が全うした“型”は、江戸時代にもあり、大正から昭和の大戦まで脈々と受け継がれたのだから、これが日本国の恐ろしさだろう。
はたして乃木大将を主人とあおぐ馬たちも、乃木の後を追ったのだろうか。頭で考える勇み足の前脚を止めたのは、殉死はやっぱりオカシイぞと思った後脚ではなかろうか。後脚こそが、実は我々民衆の感覚そのものなのだろう。
唱歌や歌謡曲の替え歌がふんだんに唄われ、いかにも井上式音楽劇だ。電光掲示板に丹念に流れる歌詞は、まるで観客にも歌を誘っているかのようだ。劇中でもキャストが手拍子を誘ったり、率先して客席降りする吉田さんが観客にチョッカイを出したりする。
たぶん、この舞台は観客参加型なのだろう。いっぱい笑わせていっぱい手拍子させて、馬と観客の一体化を狙い、実は乃木大将を死に追いやった「日本」の馬鹿っぷりを、しみじみと笑い飛ばしたかったのかもしれない。
お上の“型”に無理やりハメられるのは嫌だが、自分から“型”を作るのは面白い。二幕冒頭で馬たちが揃って“乃木大将”の歌を唄う時は、歌詞も出てくるし、手拍子しながら私も一緒に歌い散らしていた。残念ながら手拍子は少なかった。この舞台はまだそこまで成熟していないらしい。
『鍋祭り』みたいに、いつかこの客席が手拍子と歌で大盛り上がりになったら、日本人も民衆から“型”を作り出せるかもしれない。
井上ひさし生誕77フェスティバル2012のひとつ。
井上ひさし初期傑作を蜷川幸雄が演出。
明治天皇大葬の日の夕刻。大帝に殉死しようとする陸軍大将乃木希典と夫人のただならぬ様子に、人の言葉で喋る“馬格”となった愛馬たちが、主人の半生を顧みる話。
『ある馬の物語』では、馬になる役者と人になる役者で分れてたが、ここではメイン役者10人がみな馬の脚を演じる。更に5頭の馬の脚たちは“人”を演じ、いわば馬目線から人間を見た劇中劇という凝った手法だ。
当初は前脚も後脚も同じ台詞を同時に喋り息ぴったりだったのが、前脚と後脚が其々にどっちがエライ?対決になる。頭や脳に繋がってる前脚は知的な思考力担当で、性的な穴に繋がってる後脚は感情担当のようだ(後脚担当の役者は体が大きめw)。上半身は衣服を着けてるが下半身は馬足のまま、珍妙な格好で芝居をする役者は、まるで“馬人間”のようで滑稽にも見える。しかし夏真っ盛りのステージ、ぬいぐるみのような脚を身につけたままで、役者はさぞ蒸れて熱かっただろうw。
主人の乃木に一番可愛がられた馬「ことぶき」の前脚と後脚は、風間壮夫と吉田鋼太郎。二人とも其々に乃木大将も兼ねるから愉快(二人一役か)。主人はなぜ大帝に殉死しようとするのかを問う後脚に、前脚は劇によって乃木の半生を振り返らせ納得させようとする。いわばミステリーを追うホームズとワトソンな関係w(吉田さんはスパイもどきの役回りもあり)。
幕やカーテンを引いて場面作り、セットや小道具を移動させ、舞台上で着替えたりと、馬たちの奮闘ぶりが熱いw。
風間さんは凛々しいカリスマ性をもって男前でチャーミング。吉田さんの歌は声量があり、アクションも独り占めだ(笑)。根岸季衣は凛とした中に寂しさが篭もって人間味がある。
元宝塚の朝海ひかると香寿たつきは、馬の時は和装で可愛らしいのに、一転、誇張された宝塚キャラをハデハデキラキラに熱演し、ファンならずとも爆笑ものだ。
『仮面ライダーフォーゼ』から花壇もあったが、タチバナもとい江本先生も記憶に新しい山?一が、ドジでオチャメな副官やら色々と好演。
大石継太が、兄の弟だったりアブちゃんだったり大帝だったりを兼ねる功労者。
衣装の下は馬脚だろうなと思いつつ、天皇陛下と皇后がビシっと現われると妙な緊張感が宿る。大石さんと根岸さんの喋り方がまた上手い。
連隊旗は天皇そのものである、という乃木の失敗と覚悟を巧みに利用して、天皇のために命をかける忠臣、という“型”を乃木に背負わせ、世間にお上への忠義を広めていく軍の上層部。当の天皇もまた口が上手く、「先に死ぬなよ」と暖かい言葉で乃木を縛りにかかる。まんまと洗脳された乃木は妻を伴っていくが、妻の心中は息子二人を国に殺された恨みや絶望もあったのではないだろうか。
仇討ちはなかったが、切腹のやり方も公開していて、まるで主君に殉じた赤穂浪士たちと変わらない。乃木が全うした“型”は、江戸時代にもあり、大正から昭和の大戦まで脈々と受け継がれたのだから、これが日本国の恐ろしさだろう。
はたして乃木大将を主人とあおぐ馬たちも、乃木の後を追ったのだろうか。頭で考える勇み足の前脚を止めたのは、殉死はやっぱりオカシイぞと思った後脚ではなかろうか。後脚こそが、実は我々民衆の感覚そのものなのだろう。
唱歌や歌謡曲の替え歌がふんだんに唄われ、いかにも井上式音楽劇だ。電光掲示板に丹念に流れる歌詞は、まるで観客にも歌を誘っているかのようだ。劇中でもキャストが手拍子を誘ったり、率先して客席降りする吉田さんが観客にチョッカイを出したりする。
たぶん、この舞台は観客参加型なのだろう。いっぱい笑わせていっぱい手拍子させて、馬と観客の一体化を狙い、実は乃木大将を死に追いやった「日本」の馬鹿っぷりを、しみじみと笑い飛ばしたかったのかもしれない。
お上の“型”に無理やりハメられるのは嫌だが、自分から“型”を作るのは面白い。二幕冒頭で馬たちが揃って“乃木大将”の歌を唄う時は、歌詞も出てくるし、手拍子しながら私も一緒に歌い散らしていた。残念ながら手拍子は少なかった。この舞台はまだそこまで成熟していないらしい。
『鍋祭り』みたいに、いつかこの客席が手拍子と歌で大盛り上がりになったら、日本人も民衆から“型”を作り出せるかもしれない。