舞台版 コードギアス 反逆のルルーシュ 騒乱前夜祭
2012年4月10日 舞台演劇『舞台版(LIGHT ACT)コードギアス 反逆のルルーシュ 騒乱前夜祭(イブ)』を観てきた。
ホールへの道のりと遠さがネックだ。
来場記念はポストカード。ロビーの原画ギャラリーはイマイチな展示。
上演時間やホール案内など、イマイチ不親切な対応だ。
こんなに空席だらけの客席ははじめて。2階は1階席へ、プレミアム当日券はS席値段という落ち込みよう。前方席もガラガラで、どこへ座ってもオッケーな感じ。
CMの「ギアスのムダ遣い」ならぬ、チケット代の無駄遣いになったか^^;。
このポシャぶりは、やっぱりプロデューサーらの責任だろう。
絶対遵守の力“ギアス”を持つルルーシュ・ランベルージを軸に、アッシュフォード学園生徒会×黒の騎士団×ブリタニア遊撃隊の三つ巴の戦と共闘を描く。
アニメ第一シリーズのSTAGE9「猫祭り」と9.5話「総集編」との間に設定したオリジナル・エピソードで、「STAGE9.45」というサブタイトル。原作へのオマージュと旨味を含みつつ、演劇ならではの表現を目指したようだ。
冒頭から『コードギアス』の世界観を映像でざっくりと紹介。はじめて作品に触れる人や、私のようにだいぶ記憶が薄れてしまった人にも有難い。
キャラに扮した鬘や衣装が多数登場し、学園内を舞台にした人間模様なので、『金色のコルダ』の雰囲気に近い。
クラブハウスの一階と、ルルーシュやナナリーやC.C.がいる二階を、交互にある時は並行して進行するシチュエーション・ドラマでもある。
歌ありダンスあり芝居あり。一幕はキャラ紹介の意もあり淡々と進むが、二幕にはロボットも出現しアクション率も高い。舞台『蒼穹のファフナー』にもさすがにロボットは出なかったから目新しい試みだ。
笑いとシリアスな中、キャラクターの心情や関係性なども綿密に描かれて、エンタメ性のある舞台にはなっていた。
エンタメな舞台ではあるけれど、満足できた面白かったと思えるほどではなく、全てにおいてイマイチな出来であった。
芝居の上手い下手より、台詞をちゃんと言える役者が少なく、よく聞き取れない。
歌はちゃんと声が出せる人に唄って欲しいものだ。
ミレイの号令でみんな踊りだしたり、ナナリーが空想の中でみんなと踊ったりと、唐突なダンスはどうしても嫌悪感が付き纏う。
2階正面の柵が邪魔になって、2階にいる人物の表情がよく見えない。観客の目線を考えない、舞台装置のミスだろう。
ルルーシュ@丹野延一とスザク@塩沢英真は身長が殆ど同じなのがいい。丹野くんの熱演、塩澤くんの表現力は好ましい。
C.C.@安藤遥と、ナナリー@南有貴は可愛かった。
よく声が出て演技的に安定していたのは林野健志だが、随分と雰囲気が違ってて驚いた。
アクション指導の今井靖彦といえば、ミュージカル『忍たま乱太郎』の山田先生だが、軍服姿も似合う。扇長卓の顔も久しぶり。
カレンの七海エリなど女子も果敢に闘うので、躍動感あるアクション場面は見どころだ。
終演後はトークショーだと思っていたが、トークイベントだった。
オリジナルなコント(?)でイマイチ。ルルーシュかスザクのどちらかが出てくれればよかったのに。
夏のミュージカル版のチラシもあったが、そちらのほうが見た目もキャストも質が高そう。
今回の舞台版は、私にとってはアニメ版の復習であり、ミュージカル版の予習ともなったようだ。
劇中でスザクが「パンダ」を描いてたが、どうせならルルーシュが「しろくま」も描いてくれれば、放送中のアニメ『しろくまカフェ』の宣伝にもなったのにw。福山潤(パンダ)&櫻井孝宏(しろくま)だしね。
ホールへの道のりと遠さがネックだ。
来場記念はポストカード。ロビーの原画ギャラリーはイマイチな展示。
上演時間やホール案内など、イマイチ不親切な対応だ。
こんなに空席だらけの客席ははじめて。2階は1階席へ、プレミアム当日券はS席値段という落ち込みよう。前方席もガラガラで、どこへ座ってもオッケーな感じ。
CMの「ギアスのムダ遣い」ならぬ、チケット代の無駄遣いになったか^^;。
このポシャぶりは、やっぱりプロデューサーらの責任だろう。
絶対遵守の力“ギアス”を持つルルーシュ・ランベルージを軸に、アッシュフォード学園生徒会×黒の騎士団×ブリタニア遊撃隊の三つ巴の戦と共闘を描く。
アニメ第一シリーズのSTAGE9「猫祭り」と9.5話「総集編」との間に設定したオリジナル・エピソードで、「STAGE9.45」というサブタイトル。原作へのオマージュと旨味を含みつつ、演劇ならではの表現を目指したようだ。
冒頭から『コードギアス』の世界観を映像でざっくりと紹介。はじめて作品に触れる人や、私のようにだいぶ記憶が薄れてしまった人にも有難い。
キャラに扮した鬘や衣装が多数登場し、学園内を舞台にした人間模様なので、『金色のコルダ』の雰囲気に近い。
クラブハウスの一階と、ルルーシュやナナリーやC.C.がいる二階を、交互にある時は並行して進行するシチュエーション・ドラマでもある。
歌ありダンスあり芝居あり。一幕はキャラ紹介の意もあり淡々と進むが、二幕にはロボットも出現しアクション率も高い。舞台『蒼穹のファフナー』にもさすがにロボットは出なかったから目新しい試みだ。
笑いとシリアスな中、キャラクターの心情や関係性なども綿密に描かれて、エンタメ性のある舞台にはなっていた。
エンタメな舞台ではあるけれど、満足できた面白かったと思えるほどではなく、全てにおいてイマイチな出来であった。
芝居の上手い下手より、台詞をちゃんと言える役者が少なく、よく聞き取れない。
歌はちゃんと声が出せる人に唄って欲しいものだ。
ミレイの号令でみんな踊りだしたり、ナナリーが空想の中でみんなと踊ったりと、唐突なダンスはどうしても嫌悪感が付き纏う。
2階正面の柵が邪魔になって、2階にいる人物の表情がよく見えない。観客の目線を考えない、舞台装置のミスだろう。
ルルーシュ@丹野延一とスザク@塩沢英真は身長が殆ど同じなのがいい。丹野くんの熱演、塩澤くんの表現力は好ましい。
C.C.@安藤遥と、ナナリー@南有貴は可愛かった。
よく声が出て演技的に安定していたのは林野健志だが、随分と雰囲気が違ってて驚いた。
アクション指導の今井靖彦といえば、ミュージカル『忍たま乱太郎』の山田先生だが、軍服姿も似合う。扇長卓の顔も久しぶり。
カレンの七海エリなど女子も果敢に闘うので、躍動感あるアクション場面は見どころだ。
終演後はトークショーだと思っていたが、トークイベントだった。
オリジナルなコント(?)でイマイチ。ルルーシュかスザクのどちらかが出てくれればよかったのに。
夏のミュージカル版のチラシもあったが、そちらのほうが見た目もキャストも質が高そう。
今回の舞台版は、私にとってはアニメ版の復習であり、ミュージカル版の予習ともなったようだ。
劇中でスザクが「パンダ」を描いてたが、どうせならルルーシュが「しろくま」も描いてくれれば、放送中のアニメ『しろくまカフェ』の宣伝にもなったのにw。福山潤(パンダ)&櫻井孝宏(しろくま)だしね。
D-BOYS STAGE 淋しいマグネット Whites
2012年4月9日 舞台演劇D-BOYS STAGE 10th『淋しいマグネット』のWhites初日を観劇。
記念すべきD-BOYS 10回目の公演は、スコットランドの作家による翻訳もの。
2年ぶりに演出する茅野イサムをはじめとして、役者やスタッフからは並々ならぬ意気込みと挑戦が伺える。
4人の男たちが共に集った、9歳、19歳、29歳を描き出す物語。
役者4人だけの芝居かと思いきや、男女混合アンサンブル8人も一緒に紡ぎだす舞台。
大胆な舞台セットに先ず驚かされる。ステージサイトに設けられた客席も目につく。
シオン&リューベン、ゴンゾ&トオルのセットで8人の役者を組み替えた4通りある舞台。
男の子の話で自分との共通点も見つからず、どのキャラにも容易く感情移入するのは難しい。年齢と共に、彼らの考えも関係性も変わってくる。
その中で見届けたいと思ったのはゴンゾだろうか。彼には一番近しいものを感じた。
Whitesの4人は全てD-BOYSメンバー。3人が青学で、3人が特撮経験者だw。
最初出てきた時は、29歳だとは思わなかったw。話し方も若いw。
ゴンゾの碓井将大は野性味が加わって新鮮。一段と芝居が上手くなっている。
シオンの柳下大は達者だが、掠れた声が耳障り。『検察側の証人』の役とカブる。
トオルの橋本汰斗は器用だが、どうも荒木くんの顔とカブる。
リューベンの瀬戸康史の声が柳の声とカブるw。役的に瀬戸くんの本質とピッタリだと思う。
目新しさも手伝って、9歳時の彼らはカワイイ。ポイントの一つはゴンゾとトオルの関係か。
劇中に二つの物語が挟まれ、彼らの兼ね役も見どころ。黒髪の娘役の女優さんが印象的。“スー”ちゃんは想像するしかないw。
原作の舞台の街は、ここでは千葉県のとある寂れた街をモデルにしてある。
この10年間知らずにいたが、子供の頃行った“行川アイランド”が2001年に無くなっていたことに軽くショックを受けた。フラミンゴを初めて見たのもココだった。
笑いどころが殆どなくエンタメ性は少ない。おまけに予想よりも長い。それだけに役者の演技に比重がかかる。
とりあえず4色を見る予定だが、それぞれのカラーを愉しめればイイのかな。
頂いた座席がこれまたバラエティに富んでいて、色々な方向から観劇できることを良しとしよう。
 ̄
終演後、ゲストを招いたトークショー。すっかり忘れていた。
柳下大と瀬戸康史に、後ろで観劇していた牧田哲也。
セトくんをMCに据えたのはマチガイだったね^^;。牧田くんが真面目に色々感想を述べるのを、広げもせず盛り上げもせずに淡々とした進行。トモも神妙に聞いてるんだか聞いてないのかの表情。
キャラでやりたい役は、結局は自分にないゴンゾだと牧田くん。それのリアクションもなく、質問はひとつだけ。あっという間の10分間だった。
記念すべきD-BOYS 10回目の公演は、スコットランドの作家による翻訳もの。
2年ぶりに演出する茅野イサムをはじめとして、役者やスタッフからは並々ならぬ意気込みと挑戦が伺える。
4人の男たちが共に集った、9歳、19歳、29歳を描き出す物語。
役者4人だけの芝居かと思いきや、男女混合アンサンブル8人も一緒に紡ぎだす舞台。
大胆な舞台セットに先ず驚かされる。ステージサイトに設けられた客席も目につく。
シオン&リューベン、ゴンゾ&トオルのセットで8人の役者を組み替えた4通りある舞台。
男の子の話で自分との共通点も見つからず、どのキャラにも容易く感情移入するのは難しい。年齢と共に、彼らの考えも関係性も変わってくる。
その中で見届けたいと思ったのはゴンゾだろうか。彼には一番近しいものを感じた。
Whitesの4人は全てD-BOYSメンバー。3人が青学で、3人が特撮経験者だw。
最初出てきた時は、29歳だとは思わなかったw。話し方も若いw。
ゴンゾの碓井将大は野性味が加わって新鮮。一段と芝居が上手くなっている。
シオンの柳下大は達者だが、掠れた声が耳障り。『検察側の証人』の役とカブる。
トオルの橋本汰斗は器用だが、どうも荒木くんの顔とカブる。
リューベンの瀬戸康史の声が柳の声とカブるw。役的に瀬戸くんの本質とピッタリだと思う。
目新しさも手伝って、9歳時の彼らはカワイイ。ポイントの一つはゴンゾとトオルの関係か。
劇中に二つの物語が挟まれ、彼らの兼ね役も見どころ。黒髪の娘役の女優さんが印象的。“スー”ちゃんは想像するしかないw。
原作の舞台の街は、ここでは千葉県のとある寂れた街をモデルにしてある。
この10年間知らずにいたが、子供の頃行った“行川アイランド”が2001年に無くなっていたことに軽くショックを受けた。フラミンゴを初めて見たのもココだった。
笑いどころが殆どなくエンタメ性は少ない。おまけに予想よりも長い。それだけに役者の演技に比重がかかる。
とりあえず4色を見る予定だが、それぞれのカラーを愉しめればイイのかな。
頂いた座席がこれまたバラエティに富んでいて、色々な方向から観劇できることを良しとしよう。
 ̄
終演後、ゲストを招いたトークショー。すっかり忘れていた。
柳下大と瀬戸康史に、後ろで観劇していた牧田哲也。
セトくんをMCに据えたのはマチガイだったね^^;。牧田くんが真面目に色々感想を述べるのを、広げもせず盛り上げもせずに淡々とした進行。トモも神妙に聞いてるんだか聞いてないのかの表情。
キャラでやりたい役は、結局は自分にないゴンゾだと牧田くん。それのリアクションもなく、質問はひとつだけ。あっという間の10分間だった。
舞台 SAMURAI 7 千秋楽
2012年4月8日 舞台演劇舞台『SAMURAI7』千秋楽を観てきた。
初演、再演とも、とにかく千秋楽は観ておきたい舞台。
今回もはじめからおわりまで、千秋楽スペシャルバージョン!
前説から休憩後、カテコまでびっしりとモチベーション高いショーが提供され、客席からは一段と掛け声も熱く異様な盛り上がり。私もいつもより3倍増しの声でキャラ名をコールしたw。パンフは既に完売で予約制。
いつもよりちょっと長い、約3時間の大盛況な舞台であった。
そこかしこでネタやアドリブが満載。
サムライ集める場で、シチロージが仮面してさりげに入っていたりw。
ダブルキャストの能政瞳・愛が、コマチとオカラを二人一緒に演じ分けたりw。ちなみに昼は瞳さん、千秋楽は愛さんだった模様。
今回は「テニプリの人!」で、テニミュ経験の3人がまばらに返事してたりw。
マンゾウの娘のDVDに、ニヤつくカツシロウだったりw。シリアスなのに、アドリブと芝居の切り替えがスゴっw。
「フォー!」が大盤振る舞い、もはやこの舞台になくてはならないネタとなったw。
つかこうへいテイストの岡村俊一の演出はさすがに面白い。岡村さんファンも多いこと。
熱血と疾走感溢れ、トメとスローの挿入と切り替えの上手さ。拍子木の如く見得をきらせるライトアップ。
テッサイ役の藤榮史哉による殺陣もスピード感と重量感がある。
日本人好みのテイストと洗練された手法で、観客を惹き込み集中させ、何度観ても飽きさせない舞台だった。
ただ残念だったのは、映像がいまいち分かり難く、芝居との繋がりが見えないこと。演劇面を重視したためだろうか。SFな世界観をもう少しリアルに表現してほしいなと思った。
千秋楽カテコは恒例、影ナレによる役者紹介。ヒョーゴ・コールの多さに大満足の丸山敦史。『テニプリ』菊丸な高橋広樹。肉が取れた感の磯貝龍虎。居合いの市瀬秀和。いつもより3倍回った中河内雅貴。自分ではやってないと「フォー!」をやっとする住谷正樹。『ペルソナ4』から1週間の稽古期間で立った馬場徹。この人がいなければ舞台『SAMURAI7』は生まれなかった加藤雅也。
前列のメイン9人から挨拶。でも自分たち以上に汗をかいて走り回ってくれたサブキャストやアンサンブルの面々のおかげだと、中河内くんや雅也さんが述べて、会場からも大きな拍手が送られた。
皆さんから口々に「再再再演」の話が飛び出して、これはひょっとして来年あたりまたあるのかと思う。中川晃教はヤル気満々だったし、馬場くんもやりたい感じ。一週間の稽古でやった馬場くんに、雅也さんは大いに驚いたとか。雅也さんも50歳まであと一年、まだまだヤれそうな顔をしていたw。
パンフに「コマチだより 舞台版」として、アニメ版『SAMURAI7』の脚本家・冨岡淳広からメッセージ。思えば、カンベエという中年のサムライをメインに据えた話はとても新鮮味があった。今でいえば『TIGER&BUNNY』みたいなテイストだ。今回の舞台を観てパンフを見て、急にGONZOのアニメが懐かしく思われた。
冨岡氏の最新作アニメは『ZETMAN』。GONZOといえば、本日から『寂しいマグネット』がスタート。
初演、再演とも、とにかく千秋楽は観ておきたい舞台。
今回もはじめからおわりまで、千秋楽スペシャルバージョン!
前説から休憩後、カテコまでびっしりとモチベーション高いショーが提供され、客席からは一段と掛け声も熱く異様な盛り上がり。私もいつもより3倍増しの声でキャラ名をコールしたw。パンフは既に完売で予約制。
いつもよりちょっと長い、約3時間の大盛況な舞台であった。
そこかしこでネタやアドリブが満載。
サムライ集める場で、シチロージが仮面してさりげに入っていたりw。
ダブルキャストの能政瞳・愛が、コマチとオカラを二人一緒に演じ分けたりw。ちなみに昼は瞳さん、千秋楽は愛さんだった模様。
今回は「テニプリの人!」で、テニミュ経験の3人がまばらに返事してたりw。
マンゾウの娘のDVDに、ニヤつくカツシロウだったりw。シリアスなのに、アドリブと芝居の切り替えがスゴっw。
「フォー!」が大盤振る舞い、もはやこの舞台になくてはならないネタとなったw。
つかこうへいテイストの岡村俊一の演出はさすがに面白い。岡村さんファンも多いこと。
熱血と疾走感溢れ、トメとスローの挿入と切り替えの上手さ。拍子木の如く見得をきらせるライトアップ。
テッサイ役の藤榮史哉による殺陣もスピード感と重量感がある。
日本人好みのテイストと洗練された手法で、観客を惹き込み集中させ、何度観ても飽きさせない舞台だった。
ただ残念だったのは、映像がいまいち分かり難く、芝居との繋がりが見えないこと。演劇面を重視したためだろうか。SFな世界観をもう少しリアルに表現してほしいなと思った。
千秋楽カテコは恒例、影ナレによる役者紹介。ヒョーゴ・コールの多さに大満足の丸山敦史。『テニプリ』菊丸な高橋広樹。肉が取れた感の磯貝龍虎。居合いの市瀬秀和。いつもより3倍回った中河内雅貴。自分ではやってないと「フォー!」をやっとする住谷正樹。『ペルソナ4』から1週間の稽古期間で立った馬場徹。この人がいなければ舞台『SAMURAI7』は生まれなかった加藤雅也。
前列のメイン9人から挨拶。でも自分たち以上に汗をかいて走り回ってくれたサブキャストやアンサンブルの面々のおかげだと、中河内くんや雅也さんが述べて、会場からも大きな拍手が送られた。
皆さんから口々に「再再再演」の話が飛び出して、これはひょっとして来年あたりまたあるのかと思う。中川晃教はヤル気満々だったし、馬場くんもやりたい感じ。一週間の稽古でやった馬場くんに、雅也さんは大いに驚いたとか。雅也さんも50歳まであと一年、まだまだヤれそうな顔をしていたw。
パンフに「コマチだより 舞台版」として、アニメ版『SAMURAI7』の脚本家・冨岡淳広からメッセージ。思えば、カンベエという中年のサムライをメインに据えた話はとても新鮮味があった。今でいえば『TIGER&BUNNY』みたいなテイストだ。今回の舞台を観てパンフを見て、急にGONZOのアニメが懐かしく思われた。
冨岡氏の最新作アニメは『ZETMAN』。GONZOといえば、本日から『寂しいマグネット』がスタート。
朗読能シアター 船弁慶 第2部
2012年4月7日 舞台演劇『朗読能シアター 船弁慶 -宝生流能楽公演「体感する能」より』第2部に行ってきた。
能楽師監修の下、能演目を現代語朗読として上演する新しい試み。
出演者は、平田広明、甲斐田裕子、渡辺大輔という実力派の顔ぶれ。音楽(楽琵琶)は中田太三。
朗読『船弁慶』
霊妙な琵琶の調べの中、平田さんは黒地に袴、渡辺さんは青地に袴、甲斐田さんは桃地の着物と和装で上手から登場。
壇ノ浦の戦いで平家を滅亡に追い込んだものの、兄・頼朝から追われる身となった義経と家臣の弁慶が、名残を惜しんで静と別れるも、荒れ狂う海上で平家一門の亡霊に襲われる物語。
平田さん(武蔵坊弁慶)の落ち着いた語りで始まり、渡辺さん(源義経)や甲斐田さん(静御前)が静かに絡んで進行する。
バックの映像は、松の大木から能公演の場面まで美しく映し出し、静の切ない心情や不気味な亡霊のおぞましさなどを色濃く彩る。
物語の前場のシテ(主役)は静御前だが、後場は平知盛だという。その知盛はどのように現れるのかが見せ場のひとつ。さすが声優さん!と頷かせる手法だ。
亡霊からは恨まれ、兄からは妬まれる、源義経。己の運命を受け入れ、義と誇りをもって一喝する義経を表現した渡辺さんが凛々しい。
難しく重苦しいイメージの能であるが、美しい言葉と柔らかな声で紡がれた世界は、想像力を刺激され分かり易く感じられた。約70分。休憩。
朗読『羽衣』
一人語りは、甲斐田さんか平田さんだろうと予想してたが、渡辺さんだった。
漁師の白龍(はくりょう)が松の枝に掛かった天女の羽衣を見つける物語。
男と女、声音を微妙に変えて表現する渡辺さん。緊張感が漂う中、実直さが現れた朗読だった。約15分。
夜公演はトークショーなし。全部で1時間半に満たなくやや物足りない演目だった。
入場時に見開きパンフを頂けるが、申し込んでいた平田さんサイン入りパンフを購入。
 ̄
翌朝はアニメ『宇宙兄弟』第2話放送。
日々人(KENN)や義経(渡辺大輔)と共演している平田さん。
舞台『ミラクル☆トレイン2』にもぜひ遊びにいらして頂きたいw。
能楽師監修の下、能演目を現代語朗読として上演する新しい試み。
出演者は、平田広明、甲斐田裕子、渡辺大輔という実力派の顔ぶれ。音楽(楽琵琶)は中田太三。
朗読『船弁慶』
霊妙な琵琶の調べの中、平田さんは黒地に袴、渡辺さんは青地に袴、甲斐田さんは桃地の着物と和装で上手から登場。
壇ノ浦の戦いで平家を滅亡に追い込んだものの、兄・頼朝から追われる身となった義経と家臣の弁慶が、名残を惜しんで静と別れるも、荒れ狂う海上で平家一門の亡霊に襲われる物語。
平田さん(武蔵坊弁慶)の落ち着いた語りで始まり、渡辺さん(源義経)や甲斐田さん(静御前)が静かに絡んで進行する。
バックの映像は、松の大木から能公演の場面まで美しく映し出し、静の切ない心情や不気味な亡霊のおぞましさなどを色濃く彩る。
物語の前場のシテ(主役)は静御前だが、後場は平知盛だという。その知盛はどのように現れるのかが見せ場のひとつ。さすが声優さん!と頷かせる手法だ。
亡霊からは恨まれ、兄からは妬まれる、源義経。己の運命を受け入れ、義と誇りをもって一喝する義経を表現した渡辺さんが凛々しい。
難しく重苦しいイメージの能であるが、美しい言葉と柔らかな声で紡がれた世界は、想像力を刺激され分かり易く感じられた。約70分。休憩。
朗読『羽衣』
一人語りは、甲斐田さんか平田さんだろうと予想してたが、渡辺さんだった。
漁師の白龍(はくりょう)が松の枝に掛かった天女の羽衣を見つける物語。
男と女、声音を微妙に変えて表現する渡辺さん。緊張感が漂う中、実直さが現れた朗読だった。約15分。
夜公演はトークショーなし。全部で1時間半に満たなくやや物足りない演目だった。
入場時に見開きパンフを頂けるが、申し込んでいた平田さんサイン入りパンフを購入。
 ̄
翌朝はアニメ『宇宙兄弟』第2話放送。
日々人(KENN)や義経(渡辺大輔)と共演している平田さん。
舞台『ミラクル☆トレイン2』にもぜひ遊びにいらして頂きたいw。
彩の国シェイクスピア シンベリン
2012年4月6日 舞台演劇彩の国シェイクスピアシリーズ第25弾『シンベリン』を観てきた。
錚々たる豪華出演陣を揃えた、お馴染み蜷川幸雄演出のシェイクスピア作品。
今回は4作目のロマンス劇ということで、昨年某所で観た『ペリクリーズ』が思い出される。
身分違いの男女の恋人が、様々な障害や困難にあい、戦いに身を投じる中でやっと結ばれるという、ハッピーエンドの話ではある。
オープニングのステージは楽屋で、ガウンを着込んだ役者たちが談笑中。ひと際背の高い阿部さんが目につく。やがて開演のベル。みんな神妙な顔つきで立ち並び、いっせいにガウンを脱ぎ捨て衣装に早変わり。またまた遊び心満載の演出だ。
どんなにマジメな芝居かと思いきや、こんなにコメディ色が濃厚な舞台だとは思わなかった。
「シンベリン」とは、ローマに支配されてたブリテンの王の名。愚かな王だったが、雨降って地固まるが如く、戦いの後に和平が生まれる。
愛と憎しみと裏切りと許しの話でもあるが、多くの人物の関係が様々に絡まって風呂敷を広げすぎた感がある。あげく何でもアリのご都合主義な展開で終わり、作る側には実に厄介なしろものだろう。
だが蜷川氏やスタッフのパワフルな仕事と、役者の絶妙な台詞回しやケレン味たっぷりの演技やアドリブが、作品世界を生き生きと彩り、舞台としての面白さを膨らませていた。
大竹しのぶがとてもチャーミング! 芝居を受けるリアクションが丁寧でナチュラル、小さな身体でチョコチョコ動く姿もカワイイ。男装の声も見事だし、首無し死体の気持ち悪さも払拭させる。誰からも愛される美味しい役どころだった。
何といっても悪役たちの魅力! 窪塚洋介のクセ者ぶりが愛嬌たっぷりで惹き付けられる。勝村政信は出てくるだけで笑いを誘い、計算された芝居で厭味なく盛り上げる。勝村さんのジュピターはシリアスなのに笑ったw。二人とも役割をいかんなく発揮し、場を楽しんでやっているのが伝わる。
吉田鋼太郎、嵯川哲郎ら重鎮のオーバーなほどの熱い演技も可笑し味がある。
特筆すべきはやっぱり大石継太で、忠実で愉快な仲介役だった。
浦井健治、川口覚の兄弟は若者らしくストレートな爽快感を呼び、綺麗な肌を見せつけ、甘い歌声も披露。
主役の阿部寛だけが武骨なまでに真面目モードを貫く。「女は!」と怒り叫ぶ様子はかえって滑稽で、柔軟な登場人物の中、かえって頑固な面が際立って見えた。
舞台装置は変幻自在。壁と扉だらけの無機質なブリテン、『アントニーとクレオパトラ』でも見たオオカミ像や『源氏物語』の絵に囲まれたイタリア、大きな赤い月が照らす戦場とイマジネーションたっぷり。洞穴は上手く作ったが、ジュピター降臨や奇跡の場面は苦肉の策だったに違いない。どよめく戦場シーンのスローな演出は効果的だ。
何でもアリの話なので、蜷川さんも今までの演出の集大成な気分で、何でもアリと色々試して楽しんでやっていたように思われた。
ワールド・シェイクスピア・フェスティバルにも招待されているが、あちらの観客をも充分楽しませる、エンターテイメント作品だと思った。
錚々たる豪華出演陣を揃えた、お馴染み蜷川幸雄演出のシェイクスピア作品。
今回は4作目のロマンス劇ということで、昨年某所で観た『ペリクリーズ』が思い出される。
身分違いの男女の恋人が、様々な障害や困難にあい、戦いに身を投じる中でやっと結ばれるという、ハッピーエンドの話ではある。
オープニングのステージは楽屋で、ガウンを着込んだ役者たちが談笑中。ひと際背の高い阿部さんが目につく。やがて開演のベル。みんな神妙な顔つきで立ち並び、いっせいにガウンを脱ぎ捨て衣装に早変わり。またまた遊び心満載の演出だ。
どんなにマジメな芝居かと思いきや、こんなにコメディ色が濃厚な舞台だとは思わなかった。
「シンベリン」とは、ローマに支配されてたブリテンの王の名。愚かな王だったが、雨降って地固まるが如く、戦いの後に和平が生まれる。
愛と憎しみと裏切りと許しの話でもあるが、多くの人物の関係が様々に絡まって風呂敷を広げすぎた感がある。あげく何でもアリのご都合主義な展開で終わり、作る側には実に厄介なしろものだろう。
だが蜷川氏やスタッフのパワフルな仕事と、役者の絶妙な台詞回しやケレン味たっぷりの演技やアドリブが、作品世界を生き生きと彩り、舞台としての面白さを膨らませていた。
大竹しのぶがとてもチャーミング! 芝居を受けるリアクションが丁寧でナチュラル、小さな身体でチョコチョコ動く姿もカワイイ。男装の声も見事だし、首無し死体の気持ち悪さも払拭させる。誰からも愛される美味しい役どころだった。
何といっても悪役たちの魅力! 窪塚洋介のクセ者ぶりが愛嬌たっぷりで惹き付けられる。勝村政信は出てくるだけで笑いを誘い、計算された芝居で厭味なく盛り上げる。勝村さんのジュピターはシリアスなのに笑ったw。二人とも役割をいかんなく発揮し、場を楽しんでやっているのが伝わる。
吉田鋼太郎、嵯川哲郎ら重鎮のオーバーなほどの熱い演技も可笑し味がある。
特筆すべきはやっぱり大石継太で、忠実で愉快な仲介役だった。
浦井健治、川口覚の兄弟は若者らしくストレートな爽快感を呼び、綺麗な肌を見せつけ、甘い歌声も披露。
主役の阿部寛だけが武骨なまでに真面目モードを貫く。「女は!」と怒り叫ぶ様子はかえって滑稽で、柔軟な登場人物の中、かえって頑固な面が際立って見えた。
舞台装置は変幻自在。壁と扉だらけの無機質なブリテン、『アントニーとクレオパトラ』でも見たオオカミ像や『源氏物語』の絵に囲まれたイタリア、大きな赤い月が照らす戦場とイマジネーションたっぷり。洞穴は上手く作ったが、ジュピター降臨や奇跡の場面は苦肉の策だったに違いない。どよめく戦場シーンのスローな演出は効果的だ。
何でもアリの話なので、蜷川さんも今までの演出の集大成な気分で、何でもアリと色々試して楽しんでやっていたように思われた。
ワールド・シェイクスピア・フェスティバルにも招待されているが、あちらの観客をも充分楽しませる、エンターテイメント作品だと思った。
舞台 合唱ブラボー!
2012年4月5日 舞台演劇舞台『合唱ブラボー!』を観てきた。
CBGKシブゲキ!!とネルケプランニングのタッグ。
最前席をあてがわれ観易いのか観易くないのか。
とある私立男子高校が舞台。ダサいけど歌はピカイチの合唱部3人と、イケメンだけど歌は拒否反応のグループ4人が、とある事情でタッグを組み、みんなの前で合唱を披露する青春コメディ。
東野ひろあきのオリジナル脚本。演出が井関佳子なので、テニミュ予備軍みたいな若手イケメンがズラリ出演。
出演者10人のうち、見知っているのはほんの数人。今回、初舞台の人が5名いて、芝居には硬さも見られたが、目新しい有望株も多く、これからのステップアップが期待される。
橋本真一、辛木田翔、瀬木川哲ら合唱部員のコーラスが、綺麗にハモっていてなかなか良い。「荒城の月」など選曲も合唱らしさが溢れててかえって新鮮味。ギターを抱えた転校生、尼丁隆吉の軽妙な関西弁と熱い芝居も好感がもてる。
ナルシーで自信家揃いのイケメン集団は『花より男子』のイメージで、わざとらしさが鼻に付く。派手な私服ではなく、制服を紳士的に着こなして欲しかったな。
イケメンらの強引な手腕と尊大な面子を、柔らかくもズバリと指摘する合唱部メンバーの姿が快感に映る。地味だけど和やかな合唱部を応援したくなるw。
謎の男として彼らを見守る小野田龍之介は、意外で予想通りの役どころで後半に活躍。期待通りに美声で唄ってくれるが、そこだけが一瞬、帝劇の空気が流れ込んだ感じで拍手が起こったw。
内藤大希はメイクと衣装で意外な二役。でもはちきれたテンションを撒き散らして唄うロック風な歌は、この舞台には不似合いで私は引いてしまった^^;。目の前でまざまざと顔を眺めたが、前歯が出てるんだね。さすがガンバ!w
日替わりゲストは白州迅。マイルドで品のある雰囲気は役名にピッタリ。得意のブレイクダンスを披露して物語を盛り上げる。一応、公式の場の設定なのだし、次回のゲストの時は、ボトムとズックをもう少し考慮して欲しいw。
力を合わせ勇気と根性で、今までの自分を乗り越えようとする姿が熱い。人数も衣装もパワーアップし、肝心の“合唱”カラーが薄れるのではないかと思ったが、最後までダンスが出てこなくて良かった。若い連中なら踊りたいだろうが、ここで踊ったら合唱じゃなくなる。あくまで純粋にハーモニーを楽しむのが、この舞台の目指すところだろう。
ラストとカテコはアップテンポで手拍子も増えたが、本来なら静かにじっくりと聴きたいところだ。
こういう話なら、ドラマやアニメにしてもヒットしそうだ。そういやアニメ『うた☆プリ』みたいな話でもあったw。
CBGKシブゲキ!!とネルケプランニングのタッグ。
最前席をあてがわれ観易いのか観易くないのか。
とある私立男子高校が舞台。ダサいけど歌はピカイチの合唱部3人と、イケメンだけど歌は拒否反応のグループ4人が、とある事情でタッグを組み、みんなの前で合唱を披露する青春コメディ。
東野ひろあきのオリジナル脚本。演出が井関佳子なので、テニミュ予備軍みたいな若手イケメンがズラリ出演。
出演者10人のうち、見知っているのはほんの数人。今回、初舞台の人が5名いて、芝居には硬さも見られたが、目新しい有望株も多く、これからのステップアップが期待される。
橋本真一、辛木田翔、瀬木川哲ら合唱部員のコーラスが、綺麗にハモっていてなかなか良い。「荒城の月」など選曲も合唱らしさが溢れててかえって新鮮味。ギターを抱えた転校生、尼丁隆吉の軽妙な関西弁と熱い芝居も好感がもてる。
ナルシーで自信家揃いのイケメン集団は『花より男子』のイメージで、わざとらしさが鼻に付く。派手な私服ではなく、制服を紳士的に着こなして欲しかったな。
イケメンらの強引な手腕と尊大な面子を、柔らかくもズバリと指摘する合唱部メンバーの姿が快感に映る。地味だけど和やかな合唱部を応援したくなるw。
謎の男として彼らを見守る小野田龍之介は、意外で予想通りの役どころで後半に活躍。期待通りに美声で唄ってくれるが、そこだけが一瞬、帝劇の空気が流れ込んだ感じで拍手が起こったw。
内藤大希はメイクと衣装で意外な二役。でもはちきれたテンションを撒き散らして唄うロック風な歌は、この舞台には不似合いで私は引いてしまった^^;。目の前でまざまざと顔を眺めたが、前歯が出てるんだね。さすがガンバ!w
日替わりゲストは白州迅。マイルドで品のある雰囲気は役名にピッタリ。得意のブレイクダンスを披露して物語を盛り上げる。一応、公式の場の設定なのだし、次回のゲストの時は、ボトムとズックをもう少し考慮して欲しいw。
力を合わせ勇気と根性で、今までの自分を乗り越えようとする姿が熱い。人数も衣装もパワーアップし、肝心の“合唱”カラーが薄れるのではないかと思ったが、最後までダンスが出てこなくて良かった。若い連中なら踊りたいだろうが、ここで踊ったら合唱じゃなくなる。あくまで純粋にハーモニーを楽しむのが、この舞台の目指すところだろう。
ラストとカテコはアップテンポで手拍子も増えたが、本来なら静かにじっくりと聴きたいところだ。
こういう話なら、ドラマやアニメにしてもヒットしそうだ。そういやアニメ『うた☆プリ』みたいな話でもあったw。
舞台 SAMURAI 7
2012年4月4日 舞台演劇 コメント (1)舞台『SAMURAI7』を観てきた。
いつどことも知れぬ未来の惑星。村の百姓たちに雇われた7人の「サムライ」が、強行に征服し滅ぼそうとする野伏せり軍団や圧倒的な黒幕を相手に壮絶な戦いを繰り広げる話。
黒澤明の『七人の侍』をモチーフに、NHKアニメから始まり、2008年の初演、キャストを一部替えた再演を経て、ついに三度目の上演である。
脚本は渡辺和徳、演出は岡村俊一。パンフにもあったが、その間、東日本大震災を経験した日本人にとって、この作品が持つ意義やテーマ性はいっそう明瞭に重く響いてくるかと思う。
作品の主人公は、理想のサムライになるべく精進するも現実とのギャップに悩み、カンベエ達との出会いと別れで、人間として大きく成長を遂げる青年カツシロウである。
だがやはり真の主人公は、度量の大きさと剣の腕前をもつリーダー格のカンベエ、そして百姓の出ながら自らを機械化したパワフルなキクチヨだったのだと確信した。
劇中、カツシロウが何と無様で格好悪くてイライラさせられること。反して、危機一髪時にはシンガリを務め困難にも冷静に対処するカンベエが何と渋くて格好良いこと。百姓とサムライの心を繋げ、誰よりも情深く逞しく優しいキクチヨが何と人間臭くて素敵なこと。たぶん、年を重ねるに連れて、このおっさま&おっちゃまがいっそう魅力的に映り惹かれてしまうに違いない。
カンベエの加藤雅也はもうすぐ49歳。前回公演で「再演するなら早めにして欲しいw」と述べたが、50を前に3度目が実現し、カンベエファンには嬉しいかぎり。第一声を聴いて、てらそままさきさんの声にますます似てきたなと実感した。凛々しい体から繰り出される殺陣には、人を斬る“重み”が感じられて迫力いっぱい。
キクチヨと住谷正樹はもう殆どシンクロ状態。体力勝負の動きや殺陣は安定感があり、芝居にもいっそう深みと濃くが出ている。
何よりも素晴らしいのが彼らの声の力だ。劇中には印象に残る台詞が沢山散りばめられているが、カンベエとキクチヨの台詞はひとつひとつ聞くだけで涙が出そうなほど胸にくる。口先だけではない本物の魂が篭っているのだ。これは初演から積み重ねてこられたキャスト陣の力だろう。
後半はシリアスに突き進むが、前半はお遊びがたんまり。
前説と中説は明石鉄平と丸山敦史(+藤榮史哉)。毎度のように、キャラ名コールやバンザイ!を要求。ウキョウの中川晃教ネタも美味しい。ところが劇中、明石くんが丸山くんに「ウキョウ様」と言い間違いw。
ギャグで印象なのは「ペルソナ!」「フォー!」(笑)。レイザーラモンのポーズは教えないと結構テキトー。
4年ぶりキュウゾウの中河内雅貴は、初演の時と比べると、台詞に真が篭っていて芝居的に成長が感じられた。
カツシロウの馬場徹はやっぱりデカいが、芝居の中では気にならない。
見どころのひとつは、馬場くんの力強い歌にのせて、中河内くんが殺陣で舞い踊るところ。やっぱこの二人のコンビネーション抜群。シチロージとヘイハチも踊るが、ヘイハチ以外の3人はテニミュだなと思う。
シチロージの磯貝龍虎は長身だが骨太のイメージ、槍使いがだんだんとハマってきた。
初演からゴロベエ続投の高橋広樹も迫真の芝居だった。ヘイハチの市瀬秀和は軽妙な芝居が上手い。広樹も市瀬も『REBORN!』繋がりだが、再再生な意味合いも今回の舞台から感じられた。
キララの疋田英美あってこその舞台。疋田さんは前回より身長が伸びたっぽい。叫びが多いので、喉を労わって頑張って欲しい。コマチちゃんも可愛かったが、ダブルキャストのどちらのほうだったのか。
ウキョウの中川晃教は、台詞使いも動きもいっそう芝居がかってて、楽しそうにハマっていた。2曲ある歌も凛々しく高らかに響く。客席からも声援や拍手がいっぱい飛んだw。
なんだか雅也さんのカンベエは今回が最後になりそうで、ついまた写真も購入。
千秋楽が見納めとなってしまうのだろうか。
 ̄
終演後、スペシャルトークショー。
中河内雅貴、住谷正樹、丸山敦史のメンバー。“7”Tシャツ着てる。司会は明石鉄平。
もう半分きて折り返し地点。あっという間だと皆さん。私も中日で来たわけだ。
稽古中のエピソードで面白かったこと。みんなより数日遅れて稽古に入った馬場くんだが、初日から彼を上から目線で色々指示を与える中河内くんw。時には「まだまだだね」と言って、すごいスピードでシゴいてたらしいw。
カツシロウイジメのシーンで、野伏せのひとりJACの方が「ビンチョウタン!」とか毎回違うことを言いながらカツシロウを蹴ってるとかw。
自分が女性ならどのキャラを好きになるか? 丸山くんは「ヒョーゴ。優しさもお金もあるからw」。住谷さんは「キュウゾウ。二刀流でニヒルで謎が多いから」。中河内さんは「カンベエ。広くて男の中の男だから」、キララの気持ちが分かるから「逆にキララやりたい!」ってなことに(笑)。じゃあ、女性役をやれるとしたら? 丸山くんは「コマチやりたい!」。住谷さんもコマチかなと思いきや「ユキノ(シチロージの奥さん)女は待つものだと」。
最後にひと言ずつ。住谷さんがマジメに「年長組は体力勝負なので、怪我がないように集中して頑張りたい」と語った。
いつどことも知れぬ未来の惑星。村の百姓たちに雇われた7人の「サムライ」が、強行に征服し滅ぼそうとする野伏せり軍団や圧倒的な黒幕を相手に壮絶な戦いを繰り広げる話。
黒澤明の『七人の侍』をモチーフに、NHKアニメから始まり、2008年の初演、キャストを一部替えた再演を経て、ついに三度目の上演である。
脚本は渡辺和徳、演出は岡村俊一。パンフにもあったが、その間、東日本大震災を経験した日本人にとって、この作品が持つ意義やテーマ性はいっそう明瞭に重く響いてくるかと思う。
作品の主人公は、理想のサムライになるべく精進するも現実とのギャップに悩み、カンベエ達との出会いと別れで、人間として大きく成長を遂げる青年カツシロウである。
だがやはり真の主人公は、度量の大きさと剣の腕前をもつリーダー格のカンベエ、そして百姓の出ながら自らを機械化したパワフルなキクチヨだったのだと確信した。
劇中、カツシロウが何と無様で格好悪くてイライラさせられること。反して、危機一髪時にはシンガリを務め困難にも冷静に対処するカンベエが何と渋くて格好良いこと。百姓とサムライの心を繋げ、誰よりも情深く逞しく優しいキクチヨが何と人間臭くて素敵なこと。たぶん、年を重ねるに連れて、このおっさま&おっちゃまがいっそう魅力的に映り惹かれてしまうに違いない。
カンベエの加藤雅也はもうすぐ49歳。前回公演で「再演するなら早めにして欲しいw」と述べたが、50を前に3度目が実現し、カンベエファンには嬉しいかぎり。第一声を聴いて、てらそままさきさんの声にますます似てきたなと実感した。凛々しい体から繰り出される殺陣には、人を斬る“重み”が感じられて迫力いっぱい。
キクチヨと住谷正樹はもう殆どシンクロ状態。体力勝負の動きや殺陣は安定感があり、芝居にもいっそう深みと濃くが出ている。
何よりも素晴らしいのが彼らの声の力だ。劇中には印象に残る台詞が沢山散りばめられているが、カンベエとキクチヨの台詞はひとつひとつ聞くだけで涙が出そうなほど胸にくる。口先だけではない本物の魂が篭っているのだ。これは初演から積み重ねてこられたキャスト陣の力だろう。
後半はシリアスに突き進むが、前半はお遊びがたんまり。
前説と中説は明石鉄平と丸山敦史(+藤榮史哉)。毎度のように、キャラ名コールやバンザイ!を要求。ウキョウの中川晃教ネタも美味しい。ところが劇中、明石くんが丸山くんに「ウキョウ様」と言い間違いw。
ギャグで印象なのは「ペルソナ!」「フォー!」(笑)。レイザーラモンのポーズは教えないと結構テキトー。
4年ぶりキュウゾウの中河内雅貴は、初演の時と比べると、台詞に真が篭っていて芝居的に成長が感じられた。
カツシロウの馬場徹はやっぱりデカいが、芝居の中では気にならない。
見どころのひとつは、馬場くんの力強い歌にのせて、中河内くんが殺陣で舞い踊るところ。やっぱこの二人のコンビネーション抜群。シチロージとヘイハチも踊るが、ヘイハチ以外の3人はテニミュだなと思う。
シチロージの磯貝龍虎は長身だが骨太のイメージ、槍使いがだんだんとハマってきた。
初演からゴロベエ続投の高橋広樹も迫真の芝居だった。ヘイハチの市瀬秀和は軽妙な芝居が上手い。広樹も市瀬も『REBORN!』繋がりだが、再再生な意味合いも今回の舞台から感じられた。
キララの疋田英美あってこその舞台。疋田さんは前回より身長が伸びたっぽい。叫びが多いので、喉を労わって頑張って欲しい。コマチちゃんも可愛かったが、ダブルキャストのどちらのほうだったのか。
ウキョウの中川晃教は、台詞使いも動きもいっそう芝居がかってて、楽しそうにハマっていた。2曲ある歌も凛々しく高らかに響く。客席からも声援や拍手がいっぱい飛んだw。
なんだか雅也さんのカンベエは今回が最後になりそうで、ついまた写真も購入。
千秋楽が見納めとなってしまうのだろうか。
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終演後、スペシャルトークショー。
中河内雅貴、住谷正樹、丸山敦史のメンバー。“7”Tシャツ着てる。司会は明石鉄平。
もう半分きて折り返し地点。あっという間だと皆さん。私も中日で来たわけだ。
稽古中のエピソードで面白かったこと。みんなより数日遅れて稽古に入った馬場くんだが、初日から彼を上から目線で色々指示を与える中河内くんw。時には「まだまだだね」と言って、すごいスピードでシゴいてたらしいw。
カツシロウイジメのシーンで、野伏せのひとりJACの方が「ビンチョウタン!」とか毎回違うことを言いながらカツシロウを蹴ってるとかw。
自分が女性ならどのキャラを好きになるか? 丸山くんは「ヒョーゴ。優しさもお金もあるからw」。住谷さんは「キュウゾウ。二刀流でニヒルで謎が多いから」。中河内さんは「カンベエ。広くて男の中の男だから」、キララの気持ちが分かるから「逆にキララやりたい!」ってなことに(笑)。じゃあ、女性役をやれるとしたら? 丸山くんは「コマチやりたい!」。住谷さんもコマチかなと思いきや「ユキノ(シチロージの奥さん)女は待つものだと」。
最後にひと言ずつ。住谷さんがマジメに「年長組は体力勝負なので、怪我がないように集中して頑張りたい」と語った。
DANCE ACT ニジンスキー
2012年4月2日 舞台演劇DANCE ACT『ニジンスキー』を観てきた。
1月のD-roomの大樹っちゃん&岡さんを観て、席を選べるチケットを取った次第。
ダンスアクトなので、前方の端よりもやや後方の中ブロックを選択。隅々まで実に観易くて当りだった。
激動の時代に生きた孤高の舞踏手ニジンスキーと、彼に関わる人物たちの群像を、ニジンスキーがたどったイマジネーションの迷路の中に描く。
ニジンスキーのことを少しでも知っておいてから舞台を観ればよかったと、開演してから思ったが、先入観なしで世界観に浸るのも悪くはない。
ダンス&演劇のコラボだと思い、抽象的で不明瞭な舞台を想像していたが、初めての人にも分かり易い構成とストーリーで、すっと舞台に入っていける。
舞台の語り手は主に三人。ヴァーツラフ・ニジンスキーの妹ブロニスラヴァは「私には二人の兄がいました」と淡々と語り出し、同じ踊り手と振付家として狂言回し的に語っていき、時にダンスも見せる。
ヴァーツの愛人でパトロンでもあったゲイのディアギレフは、商業的価値と独占的愛欲にさいなまれる激しい思いを歌に語りに乗せる。没落貴族でハンガリー人であったヴァーツの妻ロモラは、ヴァーツを奪ったしたたかさと、精神を病んだヴァーツを最後まで見守る献身愛を切なく歌い綴る。
三人ともヴァーツを深く愛するがゆえに、嫉妬と裏切りを覗かせるが、ヴァーツも彼らに時に憎しみを持ちながらも愛を失っていなかったのが面白い。妻との関係が疑わしい主治医フレンケルにさえ、愛を注いでいた感のあるヴァーツ。彼の愛情と自立、孤独と憎しみが、ダンスでより色濃く表現されていた舞台だったと思う。
東山義久はダンサーとしては長身でなく筋肉質で骨太な感があるが、それがかえって史実のニジンスキーと重なりそうだ。繊細な指や腕の動き、跳躍力としなやかな踊りで、東山さんならではのニジンスキー像に惹き込まれていく。だがダンスより注目したのは、メイクや衣装を変えて様々な表情や動きで役になりきる東山さんの圧倒的な表現力だ。どれも全く違う東山さんに見えて新鮮だった。ソロのダンスもいいが、女性とのクラシカルなダンスだとのびのびした風で、顔つきがマシューに見えて仕方なかったw。基本、タラシなのかなw。
安寿ミラ、岡幸二郎、遠野あすかの語り口が綺麗で聴き取りやすい。三人の素晴らしい歌唱力に聞き惚れ、しなやかなダンスに見惚れた。ただ、楽曲の雰囲気がバレエ音楽と重なるものがなくて頭に残らない。
和田泰右はヴァーツラフの兄スタニスラフでいわばキーマン。ロビー・バーに飾られていたニジンスキーの若い頃の写真の顔と似てる気がする。子供の頃から精神を病み29歳で亡くなったが、弟ヴァーツの心を翻弄させ死へと誘う。泰右くんは出番も台詞も少ない中、柔らかいダンスを披露し、不気味で美しい存在感だった。
佐野大樹(*pnish*)は歌もなく踊りもないが、ロモラとセットで出てくるので、思ったより出番があった。不安定なカツ舌は少しは解消されたが、肝心の岡さんの役名「ディアギレフ」を噛んでいたw。色気も男臭さも無い大樹くんだが、その無味無臭なイメージがニジンスキーの中性的魅力とバランスが合い起用されたのではないかと思う。
舞城のどか、東文昭、長澤風海、加賀谷真聡のダンスは、存在感を示しながら世界観を濃厚に彩る。特に舞城さんの正統派なバレエは妖しく綺麗だった。
『ペトルーシュカ』『牧神の午後』『春の祭典』…。舞台で紹介されたものだけでも、本物を観たくさせる。
自分の表現を理解せず受け入れず、自分を愛してくれない人間社会に絶望したのか、後半生の彼は“神”を求め“神”を愛し“神”になろうとしたのか。このへんが少々駆け足な展開だが、意外なオチと解釈がまたミステリアスである。
国際的大スターとなったのも刹那の閃光。彼の舞踏の映像は残っておらず写真のみだとか。日本人に例えると、謎と絵を残した“写楽”と重なっていく。
この舞台を通して、ヴァーツラフ・ニジンスキーに惹かれてしまいそうだw。日程と劇場がクリアできたらリピートしたかった。
 ̄
観劇中に、『スリル・ミー』の当選メールが届いていた。
何となくマシューにアブラハムが「3ヶ月後にそこへ行くからね」と宣言してるように思えたりw。7月は銀河劇場へいったい何回通うことになるのか^^;。
1月のD-roomの大樹っちゃん&岡さんを観て、席を選べるチケットを取った次第。
ダンスアクトなので、前方の端よりもやや後方の中ブロックを選択。隅々まで実に観易くて当りだった。
激動の時代に生きた孤高の舞踏手ニジンスキーと、彼に関わる人物たちの群像を、ニジンスキーがたどったイマジネーションの迷路の中に描く。
ニジンスキーのことを少しでも知っておいてから舞台を観ればよかったと、開演してから思ったが、先入観なしで世界観に浸るのも悪くはない。
ダンス&演劇のコラボだと思い、抽象的で不明瞭な舞台を想像していたが、初めての人にも分かり易い構成とストーリーで、すっと舞台に入っていける。
舞台の語り手は主に三人。ヴァーツラフ・ニジンスキーの妹ブロニスラヴァは「私には二人の兄がいました」と淡々と語り出し、同じ踊り手と振付家として狂言回し的に語っていき、時にダンスも見せる。
ヴァーツの愛人でパトロンでもあったゲイのディアギレフは、商業的価値と独占的愛欲にさいなまれる激しい思いを歌に語りに乗せる。没落貴族でハンガリー人であったヴァーツの妻ロモラは、ヴァーツを奪ったしたたかさと、精神を病んだヴァーツを最後まで見守る献身愛を切なく歌い綴る。
三人ともヴァーツを深く愛するがゆえに、嫉妬と裏切りを覗かせるが、ヴァーツも彼らに時に憎しみを持ちながらも愛を失っていなかったのが面白い。妻との関係が疑わしい主治医フレンケルにさえ、愛を注いでいた感のあるヴァーツ。彼の愛情と自立、孤独と憎しみが、ダンスでより色濃く表現されていた舞台だったと思う。
東山義久はダンサーとしては長身でなく筋肉質で骨太な感があるが、それがかえって史実のニジンスキーと重なりそうだ。繊細な指や腕の動き、跳躍力としなやかな踊りで、東山さんならではのニジンスキー像に惹き込まれていく。だがダンスより注目したのは、メイクや衣装を変えて様々な表情や動きで役になりきる東山さんの圧倒的な表現力だ。どれも全く違う東山さんに見えて新鮮だった。ソロのダンスもいいが、女性とのクラシカルなダンスだとのびのびした風で、顔つきがマシューに見えて仕方なかったw。基本、タラシなのかなw。
安寿ミラ、岡幸二郎、遠野あすかの語り口が綺麗で聴き取りやすい。三人の素晴らしい歌唱力に聞き惚れ、しなやかなダンスに見惚れた。ただ、楽曲の雰囲気がバレエ音楽と重なるものがなくて頭に残らない。
和田泰右はヴァーツラフの兄スタニスラフでいわばキーマン。ロビー・バーに飾られていたニジンスキーの若い頃の写真の顔と似てる気がする。子供の頃から精神を病み29歳で亡くなったが、弟ヴァーツの心を翻弄させ死へと誘う。泰右くんは出番も台詞も少ない中、柔らかいダンスを披露し、不気味で美しい存在感だった。
佐野大樹(*pnish*)は歌もなく踊りもないが、ロモラとセットで出てくるので、思ったより出番があった。不安定なカツ舌は少しは解消されたが、肝心の岡さんの役名「ディアギレフ」を噛んでいたw。色気も男臭さも無い大樹くんだが、その無味無臭なイメージがニジンスキーの中性的魅力とバランスが合い起用されたのではないかと思う。
舞城のどか、東文昭、長澤風海、加賀谷真聡のダンスは、存在感を示しながら世界観を濃厚に彩る。特に舞城さんの正統派なバレエは妖しく綺麗だった。
『ペトルーシュカ』『牧神の午後』『春の祭典』…。舞台で紹介されたものだけでも、本物を観たくさせる。
自分の表現を理解せず受け入れず、自分を愛してくれない人間社会に絶望したのか、後半生の彼は“神”を求め“神”を愛し“神”になろうとしたのか。このへんが少々駆け足な展開だが、意外なオチと解釈がまたミステリアスである。
国際的大スターとなったのも刹那の閃光。彼の舞踏の映像は残っておらず写真のみだとか。日本人に例えると、謎と絵を残した“写楽”と重なっていく。
この舞台を通して、ヴァーツラフ・ニジンスキーに惹かれてしまいそうだw。日程と劇場がクリアできたらリピートしたかった。
 ̄
観劇中に、『スリル・ミー』の当選メールが届いていた。
何となくマシューにアブラハムが「3ヶ月後にそこへ行くからね」と宣言してるように思えたりw。7月は銀河劇場へいったい何回通うことになるのか^^;。
ヒーロー2…ありがとう &トークショー
2012年3月30日 舞台演劇第二回 N・Nproduce 『ヒーロー2…ありがとう』を観てきた。
脚本・演出・プロデュースは永瀬尚希さん。二年前にJAEをやめられて、今は某店の店長をされ、プロデュース公演を実現させている。
第一回公演は観ていない。今回は劇中で声の出演もされ、スペシャルトークショーのゲストのてらそままさきさんお目当てだ。
てらそまさんは開演直前においでになって前方左端の席へ。私の座る席とも近くてドキドキw。
タイトル通り、冒頭からヒーローが二人登場、敵を威勢よくやっつける。赤のアニマルエースの声の三木眞一郎が「ロックオン!」と必殺技を繰り出すw。青のタイガーファイターの声のてらそままさきが「かかってこい!」と叫ぶ。正義の味方なので当然ヒーローボイスだが、それがまた新鮮でカッコイー。
ご自分のヒーローボイスを舞台で聞く心境はどんなものなのか…と、マスクをしているてらそまさんの横顔を眺めながら思ったw。
出演者はスーツアクター経験者が多いようで、立ち回りやアクションは迫力と臨場感があってとにかくスゴイ!
普通の舞台にありがちな「キン!」とか「ガシ!」とかの擬音が殆ど無いので、かえってアクションの動きが際立ち、存分に堪能できる。
春休み中だからか子役も何人か出演。主役の少年も果敢にアクションを決めていて、未来のヒーロー・アクターを期待させた。
女優陣も清潔感ある美女や妖艶でセクシーな美女を揃えて充実。美しいボディラインに見惚れる客も多いだろう。
お話はヒーローの夢をいつまでも追いかける男と、時空を超えた母への思いを描いた、アクションファミリーファンタジー。自分を今まで支えてくれたヒーローやみんなへ、「ありがとう」の意味の深さを伝えているようだ。
正直、よく分からないというかまどろっこしいというか。アクションでは目が覚めるように集中できるが、芝居部分はちょっぴり退屈で眠くなってきたり。暗転がかなり多いのも要因だろう。
ネタ的にはやっぱり『ドラえもん』とか『仮面ライダー電王』とかで、デンライナーみたいな音も聞こえた。赤いTシャツや首のチーフなど、雰囲気的には劇団ヘロQでやってた『アニメ店長』のイメージに近いw。
敵首領とジジイとのガチ対決は、服装の印象もあって、イイ年をした大人がマジでチャンバラをしているようにも見えたw。でも時代は変われど、そういう誰かを“思いやる”心が、ヒーロー魂に繋がっていくのだと思う。
 ̄
15分休憩後にスペシャルトークショー。
永瀬さんの司会で、てらそまさんが客席から「とお!」と登場。二人で座ってトークが展開。
「すごい芝居でしたね」とてらそまさん。録音した時はもっとコンパクトなものだと思ったという。永瀬さんは2年位前からてらそまさんに声かけ、てらそまさんレベルのものをと考えていて、てらそまさんも永瀬さんの夢に協力したいと思ったことが実現。でも今回のオファーは、永瀬さんのお店で酒に酔っ払って「いいよ」と受けてしまったとかw。収録も「楽しかった」という。
てらそまさんはトラ好きなのでタイガー。阪神ファンとして熱く語り出すw。
収録には岡元次郎さんも参加。てらそまさん&じろうさんでキンタロスを作り出したが、永瀬さん&三木さんで作り出したジークはキャラ的に「オトクだよね」と合意w。
映画『俺、誕生!』の4電王揃い踏みシーンでは、永瀬さんが入ったアックスフォームにてらそまさんが声を当ててくれた話が出て、初めて知ったとてらそまさん。高岩さんはロッドフォームに入っていたという。
二人にとってヒーローは? てらそまさん「ランディ・バース」(神)永瀬さん「真田さん」(納得)懐かしの仮面ライダー話より、スナック話に熱くなるw。
てらそまさんが「ありがとう」と伝えたい人は? 知り合えた方ひとりひとりが大切な人で、年を重ねるにつれて実感すると話されてジンときた。
ナマアテレコ・サービス。タイガーファイターが登場し、シンクロ具合も拝見w。
「正義の瞳で悪事を見据え、力の白虎タイガーファイター!」「恐れぬのならば、かかってこい!」タイガーファイターもアクション。終了後、タイガーとてらそまさんが握手してハグ。
「恐れぬのならば」が言い難くて収録の合間に自主稽古してたら、てらそまさんの声の大きさに次郎さんがビビったという話もw。
てらそまさんは「トリあえずいるかもしれない」とメッセージを残して終了。
永瀬さん曰く「いつ見ても真っ黒で健康的な方」「てらそま先輩!」と称えた。
脚本・演出・プロデュースは永瀬尚希さん。二年前にJAEをやめられて、今は某店の店長をされ、プロデュース公演を実現させている。
第一回公演は観ていない。今回は劇中で声の出演もされ、スペシャルトークショーのゲストのてらそままさきさんお目当てだ。
てらそまさんは開演直前においでになって前方左端の席へ。私の座る席とも近くてドキドキw。
タイトル通り、冒頭からヒーローが二人登場、敵を威勢よくやっつける。赤のアニマルエースの声の三木眞一郎が「ロックオン!」と必殺技を繰り出すw。青のタイガーファイターの声のてらそままさきが「かかってこい!」と叫ぶ。正義の味方なので当然ヒーローボイスだが、それがまた新鮮でカッコイー。
ご自分のヒーローボイスを舞台で聞く心境はどんなものなのか…と、マスクをしているてらそまさんの横顔を眺めながら思ったw。
出演者はスーツアクター経験者が多いようで、立ち回りやアクションは迫力と臨場感があってとにかくスゴイ!
普通の舞台にありがちな「キン!」とか「ガシ!」とかの擬音が殆ど無いので、かえってアクションの動きが際立ち、存分に堪能できる。
春休み中だからか子役も何人か出演。主役の少年も果敢にアクションを決めていて、未来のヒーロー・アクターを期待させた。
女優陣も清潔感ある美女や妖艶でセクシーな美女を揃えて充実。美しいボディラインに見惚れる客も多いだろう。
お話はヒーローの夢をいつまでも追いかける男と、時空を超えた母への思いを描いた、アクションファミリーファンタジー。自分を今まで支えてくれたヒーローやみんなへ、「ありがとう」の意味の深さを伝えているようだ。
正直、よく分からないというかまどろっこしいというか。アクションでは目が覚めるように集中できるが、芝居部分はちょっぴり退屈で眠くなってきたり。暗転がかなり多いのも要因だろう。
ネタ的にはやっぱり『ドラえもん』とか『仮面ライダー電王』とかで、デンライナーみたいな音も聞こえた。赤いTシャツや首のチーフなど、雰囲気的には劇団ヘロQでやってた『アニメ店長』のイメージに近いw。
敵首領とジジイとのガチ対決は、服装の印象もあって、イイ年をした大人がマジでチャンバラをしているようにも見えたw。でも時代は変われど、そういう誰かを“思いやる”心が、ヒーロー魂に繋がっていくのだと思う。
 ̄
15分休憩後にスペシャルトークショー。
永瀬さんの司会で、てらそまさんが客席から「とお!」と登場。二人で座ってトークが展開。
「すごい芝居でしたね」とてらそまさん。録音した時はもっとコンパクトなものだと思ったという。永瀬さんは2年位前からてらそまさんに声かけ、てらそまさんレベルのものをと考えていて、てらそまさんも永瀬さんの夢に協力したいと思ったことが実現。でも今回のオファーは、永瀬さんのお店で酒に酔っ払って「いいよ」と受けてしまったとかw。収録も「楽しかった」という。
てらそまさんはトラ好きなのでタイガー。阪神ファンとして熱く語り出すw。
収録には岡元次郎さんも参加。てらそまさん&じろうさんでキンタロスを作り出したが、永瀬さん&三木さんで作り出したジークはキャラ的に「オトクだよね」と合意w。
映画『俺、誕生!』の4電王揃い踏みシーンでは、永瀬さんが入ったアックスフォームにてらそまさんが声を当ててくれた話が出て、初めて知ったとてらそまさん。高岩さんはロッドフォームに入っていたという。
二人にとってヒーローは? てらそまさん「ランディ・バース」(神)永瀬さん「真田さん」(納得)懐かしの仮面ライダー話より、スナック話に熱くなるw。
てらそまさんが「ありがとう」と伝えたい人は? 知り合えた方ひとりひとりが大切な人で、年を重ねるにつれて実感すると話されてジンときた。
ナマアテレコ・サービス。タイガーファイターが登場し、シンクロ具合も拝見w。
「正義の瞳で悪事を見据え、力の白虎タイガーファイター!」「恐れぬのならば、かかってこい!」タイガーファイターもアクション。終了後、タイガーとてらそまさんが握手してハグ。
「恐れぬのならば」が言い難くて収録の合間に自主稽古してたら、てらそまさんの声の大きさに次郎さんがビビったという話もw。
てらそまさんは「トリあえずいるかもしれない」とメッセージを残して終了。
永瀬さん曰く「いつ見ても真っ黒で健康的な方」「てらそま先輩!」と称えた。
舞台 男子ing!!
2012年3月29日 舞台演劇Smile Earth Project vol.1 舞台『男子ing!!』を観てきた。
昨年10月に横浜で上演され人気を博した舞台を、キャストを半分ほど替えての再演。
都合良い日時が取れたのは奇跡。
とある高校の修学旅行最終日の夜。とある潜入計画をめぐって、男子高校生たちと男教師たちとのめくるめく攻防戦を描く。
「男子高校生(+男教師)の日常」みたいな雰囲気w。
てっきりタイトルから“ダンス”の話かと思ってたがそうでもなく、劇中ではダンスシーンは出てこないw。
作・演出は白柳力(こちらスーパーうさぎ帝国)。全く存じ上げないが、スクリーン映像で宣伝をこまめにしたりと、今後の動向には注目の集団のようだ。
今までありそでなかった、一風変わった脚本の妙というべきか。ぬるくてベタなネタを巧みに盛り込み、力強さと可笑しみを盛り込んで、どんどん引き込んでいくスピーディーでフシギな展開である。
出演者10人全てがテニミュ(1st&2nd)経験者。其々お目当てのファンで満席、当日券を求める熾烈な抽選もあったようだ。
若い役者たちがメイクも薄く普通の顔のままで、ドタバタコメディに挑戦するのが見どころ。今まで観たこともなかったテンション高い動きやお茶目な表情を見せるので、新鮮な驚きと笑いに包まれる。
彼らの体当たりの演技やギャグやコントに吹き出しながら、いつしか思春期の甘酸っぱさに浸れるような舞台だった。
今回のお目当ては、郷本直也、桑野晃輔、小野賢章、林明寛という、Axle公演にも関わった実力派たち。
5人ずつ先生と生徒に分かれ、先生と生徒1人ずつでペアなのがポイント。後で分かってくるが、名前がキーワードにもなってくる。
ホントの年齢は関係ない配役で、割と年下の晃輔くんが先生役なのがウケる。しかも学年担任の郷本さんから、しょっちゅうイジられ可愛がられる受けっぷりw。テニミュネタに会場も大ウケだ。
生徒側リーダーが先輩格の賢章くんというのも意外。彼に盲目的に付いていく明寛くんが熱い。つい先日『雷ヶ丘』で切ない芝居を見せた明寛&賢章が、ここでは賢章&明寛で体を密着させはしゃぐのでキュンキュンきたv。
伊勢大貴&林明寛&早乙女じょうじの信号機トリオの掛け合いがテンポがあって愉快。岸本卓也が色気のあるオッサン風。実際はイジられ役の小林豊はアイドル。西島顕人は華麗なマッド風。小西成弥は賢さとアヤしさか。
身体能力もあるので、飛んだり跳ねたり着地したりとアクション率も多い。
すぐ完売となったチケットやぎゅう詰めの客席と、やはりキャパの狭さが目につく舞台であった。
カテコの彼らの爽やかさとあでやかさに見惚れる。
持ち込み可なので、ペンライトを2本振った。薄暗い会場の綺麗な光にキャストも満足気なようだった。
挨拶は豊くんで「アイドル」強調w。
終演後は出演メンバー全員とのお見送りハイタッチ会。どこでやるのかと思ったら、座ってるすぐ横にズラリと並ばれたので、近過ぎてドッキリ。自分の番が来るまで彼らがハイタッチする表情を目で追った。
サイン入りのパンフやメイキングDVDは、桑野くんと伊勢くんのだけ完売。二人ともすごい人気だな。私はお目当ての若いほうのサイン入りパンフだけ買ったw。
ニコ動で千秋楽公演の生放送決定。
昨年10月に横浜で上演され人気を博した舞台を、キャストを半分ほど替えての再演。
都合良い日時が取れたのは奇跡。
とある高校の修学旅行最終日の夜。とある潜入計画をめぐって、男子高校生たちと男教師たちとのめくるめく攻防戦を描く。
「男子高校生(+男教師)の日常」みたいな雰囲気w。
てっきりタイトルから“ダンス”の話かと思ってたがそうでもなく、劇中ではダンスシーンは出てこないw。
作・演出は白柳力(こちらスーパーうさぎ帝国)。全く存じ上げないが、スクリーン映像で宣伝をこまめにしたりと、今後の動向には注目の集団のようだ。
今までありそでなかった、一風変わった脚本の妙というべきか。ぬるくてベタなネタを巧みに盛り込み、力強さと可笑しみを盛り込んで、どんどん引き込んでいくスピーディーでフシギな展開である。
出演者10人全てがテニミュ(1st&2nd)経験者。其々お目当てのファンで満席、当日券を求める熾烈な抽選もあったようだ。
若い役者たちがメイクも薄く普通の顔のままで、ドタバタコメディに挑戦するのが見どころ。今まで観たこともなかったテンション高い動きやお茶目な表情を見せるので、新鮮な驚きと笑いに包まれる。
彼らの体当たりの演技やギャグやコントに吹き出しながら、いつしか思春期の甘酸っぱさに浸れるような舞台だった。
今回のお目当ては、郷本直也、桑野晃輔、小野賢章、林明寛という、Axle公演にも関わった実力派たち。
5人ずつ先生と生徒に分かれ、先生と生徒1人ずつでペアなのがポイント。後で分かってくるが、名前がキーワードにもなってくる。
ホントの年齢は関係ない配役で、割と年下の晃輔くんが先生役なのがウケる。しかも学年担任の郷本さんから、しょっちゅうイジられ可愛がられる受けっぷりw。テニミュネタに会場も大ウケだ。
生徒側リーダーが先輩格の賢章くんというのも意外。彼に盲目的に付いていく明寛くんが熱い。つい先日『雷ヶ丘』で切ない芝居を見せた明寛&賢章が、ここでは賢章&明寛で体を密着させはしゃぐのでキュンキュンきたv。
伊勢大貴&林明寛&早乙女じょうじの信号機トリオの掛け合いがテンポがあって愉快。岸本卓也が色気のあるオッサン風。実際はイジられ役の小林豊はアイドル。西島顕人は華麗なマッド風。小西成弥は賢さとアヤしさか。
身体能力もあるので、飛んだり跳ねたり着地したりとアクション率も多い。
すぐ完売となったチケットやぎゅう詰めの客席と、やはりキャパの狭さが目につく舞台であった。
カテコの彼らの爽やかさとあでやかさに見惚れる。
持ち込み可なので、ペンライトを2本振った。薄暗い会場の綺麗な光にキャストも満足気なようだった。
挨拶は豊くんで「アイドル」強調w。
終演後は出演メンバー全員とのお見送りハイタッチ会。どこでやるのかと思ったら、座ってるすぐ横にズラリと並ばれたので、近過ぎてドッキリ。自分の番が来るまで彼らがハイタッチする表情を目で追った。
サイン入りのパンフやメイキングDVDは、桑野くんと伊勢くんのだけ完売。二人ともすごい人気だな。私はお目当ての若いほうのサイン入りパンフだけ買ったw。
ニコ動で千秋楽公演の生放送決定。
コンドルズ 狼たちの午後 2012
2012年3月26日 舞台演劇コンドルズ『狼たちの午後 Hungry Like a Wolf 012』を観てきた。
世田谷パブリックシアター こどもの劇場2012 コンドルズ イスラエルツアー凱旋記念・春。
テレビや舞台でお馴染みのダンスカンパニー・コンドルズ。
世田谷パブリックシアターこどもの劇場に2年ぶり2度目の再登場だ。
今回も日替わりゲストの加藤和樹がお目当て。先月の『レシピエント』初日のチラシを見て急遽チケットを取ったが、後方下手席とあって予想以上に観易く、私には2年前のリベンジともなったw。
チラシは春色でほんわかしてるが、内容は2年前とほぼ同じでシュールでアクティブ。
『赤ずきんちゃん』『3匹のこぶた』の童話をモチーフに、学ラン姿の男たちがダンスパフォーマンスやコントをさく裂させ、生演奏や歌や音楽が鳴り響き、大人たちが真剣に遊ぶ舞台。
オープニング映像で、芸術監督・野村萬斎の学ラン姿まで拝めたw。
映像の絵や紹介が前と違っていたのかな。
“せたがや”“しもきた”“さんげんじゃや”と地名までしつこくネタw。オーディションやブロードウェイコントやオチは、相変わらずしつこくて私にはいまひとつ^^;。
赤、緑、青と原色使いの布の壁。青がちょっと観にくかったが、ブタの泳ぎは見えた。今回はブタが布からはみ出したり、マシュマロが落ちたりと、ネタ的には完璧でなかった。
総勢15名だが、個性あふれるメンバーばかりなので、思い出しながら見分けることができる。
彼らのレベルが上がったのか、観る席も当ったのか、私の眼力や心情も肥えたのかw、2年前よりもはるかにダイナミックで優雅なダンスパフォーマンスに見えた。
和樹の学ランは2年前と同じく自前かな。長身の和樹はやはり舞台に華を添える。『レシピエント』の名残で、髭は無くなったが、纏めた髪と眼光鋭い眼差しがいっそう輝き、誰よりも“オオカミ”に見えたw。
ソファに腰掛けて『赤ずきんちゃん』を前編と後編で朗読。少女やおばあさんなど、一応声も使い分けて淡々とした口調がたまらない。しかも噛まずに完璧。時に投げられたパンツが絵本を邪魔して訝しげにするも、クールな表情はキープ。その後、みんなと学ラン姿で「もれっ!」も踊り、しっかり和樹の声で「もれ」が聞こえた。前の時よりも和樹が出る時間が短かったかな。
その分、近藤良平さんと和樹がペアになって踊るシーンが追加。短かったが、流れるように動き、大らかに跳躍する二人のしなやかな肢体に見惚れた。
最後の出番は、デイブの昔の姿で。船長な帽子を被って唐突に登場、キザな顔つきでにっこりとバック宙を披露。頑張ったw。
出番は全部で5回。カテコの2回目に、良平さんの手招きで和樹がきて、みんなでラインナップ。前みたいな胴上げはなく紹介もなしだが、たくさんの拍手の中をいつまでもお辞儀していた和樹たちだった。
最後は全部の幕を取り払って、奥行きや裏を明るい照明が照らす。開放感はあった。
コンドルズ関係の今年の予定も映像で大胆発表。和樹の次の舞台は4月の『コヒプリ』だね。
世田谷パブリックシアター関係では、5月の朗読『宮沢賢治が伝えること』を観劇予定。お目当ては堤さんたちだ。
世田谷パブリックシアター こどもの劇場2012 コンドルズ イスラエルツアー凱旋記念・春。
テレビや舞台でお馴染みのダンスカンパニー・コンドルズ。
世田谷パブリックシアターこどもの劇場に2年ぶり2度目の再登場だ。
今回も日替わりゲストの加藤和樹がお目当て。先月の『レシピエント』初日のチラシを見て急遽チケットを取ったが、後方下手席とあって予想以上に観易く、私には2年前のリベンジともなったw。
チラシは春色でほんわかしてるが、内容は2年前とほぼ同じでシュールでアクティブ。
『赤ずきんちゃん』『3匹のこぶた』の童話をモチーフに、学ラン姿の男たちがダンスパフォーマンスやコントをさく裂させ、生演奏や歌や音楽が鳴り響き、大人たちが真剣に遊ぶ舞台。
オープニング映像で、芸術監督・野村萬斎の学ラン姿まで拝めたw。
映像の絵や紹介が前と違っていたのかな。
“せたがや”“しもきた”“さんげんじゃや”と地名までしつこくネタw。オーディションやブロードウェイコントやオチは、相変わらずしつこくて私にはいまひとつ^^;。
赤、緑、青と原色使いの布の壁。青がちょっと観にくかったが、ブタの泳ぎは見えた。今回はブタが布からはみ出したり、マシュマロが落ちたりと、ネタ的には完璧でなかった。
総勢15名だが、個性あふれるメンバーばかりなので、思い出しながら見分けることができる。
彼らのレベルが上がったのか、観る席も当ったのか、私の眼力や心情も肥えたのかw、2年前よりもはるかにダイナミックで優雅なダンスパフォーマンスに見えた。
和樹の学ランは2年前と同じく自前かな。長身の和樹はやはり舞台に華を添える。『レシピエント』の名残で、髭は無くなったが、纏めた髪と眼光鋭い眼差しがいっそう輝き、誰よりも“オオカミ”に見えたw。
ソファに腰掛けて『赤ずきんちゃん』を前編と後編で朗読。少女やおばあさんなど、一応声も使い分けて淡々とした口調がたまらない。しかも噛まずに完璧。時に投げられたパンツが絵本を邪魔して訝しげにするも、クールな表情はキープ。その後、みんなと学ラン姿で「もれっ!」も踊り、しっかり和樹の声で「もれ」が聞こえた。前の時よりも和樹が出る時間が短かったかな。
その分、近藤良平さんと和樹がペアになって踊るシーンが追加。短かったが、流れるように動き、大らかに跳躍する二人のしなやかな肢体に見惚れた。
最後の出番は、デイブの昔の姿で。船長な帽子を被って唐突に登場、キザな顔つきでにっこりとバック宙を披露。頑張ったw。
出番は全部で5回。カテコの2回目に、良平さんの手招きで和樹がきて、みんなでラインナップ。前みたいな胴上げはなく紹介もなしだが、たくさんの拍手の中をいつまでもお辞儀していた和樹たちだった。
最後は全部の幕を取り払って、奥行きや裏を明るい照明が照らす。開放感はあった。
コンドルズ関係の今年の予定も映像で大胆発表。和樹の次の舞台は4月の『コヒプリ』だね。
世田谷パブリックシアター関係では、5月の朗読『宮沢賢治が伝えること』を観劇予定。お目当ては堤さんたちだ。
劇団THE NEXT旗揚げ公演 燃ゆる暗闇にて
2012年3月23日 舞台演劇劇団THE NEXT 旗揚げ公演『燃ゆる暗闇にて』を観てきた。
尾木プロTHE NEXTの若手役者により結成された劇団の第一回公演。
演出された平光琢也(演劇集団円)氏がお目当て。2年前に観た円・演劇研究所専攻科の卒業公演でも同舞台を観ており、比較もできそうだ。
ある特殊な寄宿学校が舞台。革命的で攻撃的なひとりの転校生の考えと振る舞いによって、平穏で落ち着いた学校生活と生徒達に大きな波紋と変貌が巻き起こり、事態は思いもしない展開へ向かう。
息詰まるような台詞のやり取りと感情の起伏が、見どころ聞きどころの群集劇。
全体的に若さと活気と熱があって、すっきりとまとまりのある舞台だった。
初舞台の役者も多く、初日とあって台詞に若干不安定さもあったが、よく頑張っていたと思う。
特に主役の高坂篤志(イグナシオ)と菅野勇城(カルロス)は、特有の動きと難解で長い台詞をよくこなしていた。感情表現も的確だ。
酒井香奈子(ホアナ)と藤田知美(エリサ)が、可憐ながら芯の強い芝居をして好感がもてる。垣間見せる表情にドキリとする色気もある。
芸達者な金田アキは、包容力と癒しを呼ぶ確かな演技力。円の公演の時よりも存在感がある先生役だ。
前半は渡部康大の明るさが目立つ。赤澤涼太、下崎紘史と渋い味も期待できる。
円の時と違って、個性が見える役者が揃ったので、登場人物も把握しやすく世界観にも入りやすい。
加えて客席とも近い密接な空間。距離感が小さくなり臨場感も生まれる。
2回目の作品とあって、どの人物にも共鳴できそうなリアル感を味わった。
円の時は奥に作られたテラスが、今回は階段を昇った上にある設定。最後に使われる長い台は赤く彩られ、全体的に明るい色の美術セットになっている。
狭い空間を駆使して、平光さんの演出も冴える。観客と登場人物が共有できる後半の暗闇シーンは、たっぷり尺をとって不気味な中に安らぎもある。満点の星も切なく光って、込み上げる後味を残した。
ウエストエンドスタジオはやっぱり狭い。休憩含めて2時間30分、びっしりと詰まった客席は通り難くてやや窮屈だ。
舞台が始まってからまもなく、上方向でガタンガタンと微妙な音が聞こえ、最初はBGMなのかと思ったが、夜だけ聞こえる作業所の音だったらしい。
こういう長くて静かなお芝居には、この会場は向かないと思った。
それにしてもスタジオライフのホームで、ライフ以外の舞台を見るのははじめてだ。
カルロスの菅野勇城は、昨年の『黄金仮面』にも出演。何となく覚えてるw。
ホアナの酒井香奈子は、言わずとしれた映画『キサラギ』の如月ミキ本人。アニメ『ミラクル☆トレイン』のあかりの声もやってるが、明日はミラトレ主役の六本木さんのイベントだ。
尾木プロTHE NEXTの若手役者により結成された劇団の第一回公演。
演出された平光琢也(演劇集団円)氏がお目当て。2年前に観た円・演劇研究所専攻科の卒業公演でも同舞台を観ており、比較もできそうだ。
ある特殊な寄宿学校が舞台。革命的で攻撃的なひとりの転校生の考えと振る舞いによって、平穏で落ち着いた学校生活と生徒達に大きな波紋と変貌が巻き起こり、事態は思いもしない展開へ向かう。
息詰まるような台詞のやり取りと感情の起伏が、見どころ聞きどころの群集劇。
全体的に若さと活気と熱があって、すっきりとまとまりのある舞台だった。
初舞台の役者も多く、初日とあって台詞に若干不安定さもあったが、よく頑張っていたと思う。
特に主役の高坂篤志(イグナシオ)と菅野勇城(カルロス)は、特有の動きと難解で長い台詞をよくこなしていた。感情表現も的確だ。
酒井香奈子(ホアナ)と藤田知美(エリサ)が、可憐ながら芯の強い芝居をして好感がもてる。垣間見せる表情にドキリとする色気もある。
芸達者な金田アキは、包容力と癒しを呼ぶ確かな演技力。円の公演の時よりも存在感がある先生役だ。
前半は渡部康大の明るさが目立つ。赤澤涼太、下崎紘史と渋い味も期待できる。
円の時と違って、個性が見える役者が揃ったので、登場人物も把握しやすく世界観にも入りやすい。
加えて客席とも近い密接な空間。距離感が小さくなり臨場感も生まれる。
2回目の作品とあって、どの人物にも共鳴できそうなリアル感を味わった。
円の時は奥に作られたテラスが、今回は階段を昇った上にある設定。最後に使われる長い台は赤く彩られ、全体的に明るい色の美術セットになっている。
狭い空間を駆使して、平光さんの演出も冴える。観客と登場人物が共有できる後半の暗闇シーンは、たっぷり尺をとって不気味な中に安らぎもある。満点の星も切なく光って、込み上げる後味を残した。
ウエストエンドスタジオはやっぱり狭い。休憩含めて2時間30分、びっしりと詰まった客席は通り難くてやや窮屈だ。
舞台が始まってからまもなく、上方向でガタンガタンと微妙な音が聞こえ、最初はBGMなのかと思ったが、夜だけ聞こえる作業所の音だったらしい。
こういう長くて静かなお芝居には、この会場は向かないと思った。
それにしてもスタジオライフのホームで、ライフ以外の舞台を見るのははじめてだ。
カルロスの菅野勇城は、昨年の『黄金仮面』にも出演。何となく覚えてるw。
ホアナの酒井香奈子は、言わずとしれた映画『キサラギ』の如月ミキ本人。アニメ『ミラクル☆トレイン』のあかりの声もやってるが、明日はミラトレ主役の六本木さんのイベントだ。
邦楽ドラマ 竹本綾之助物語 楽日
2012年3月22日 舞台演劇邦楽ドラマ『竹本綾之助物語 -明治が求めた天才少女の栄光と苦悩-』楽日を観てきた。
今日もお天気。紀尾井ホールまでの道のりも慣れた。
昨日と同じ列のちょい左側。どこでも観易いステージがいい。
初代竹本綾之助の山本陽子さんはホントに素晴らしい。綾之助の10代から20代をメインに演じるが、声がとても若々しく、話し方も可憐でよく工夫されている。母親にすねるところも可愛らしく映る。健太とのラブラブぶりもほんわかと甘い。年齢を超越した役作りに、さすが演技派な方だと思う。
義母お勝の大津嶺子さんも本当に上手い。ユーモア溢れる達者な大阪弁は笑いを起こし、娘を厳しくも温かく見守る人情深い演技にしびれた。
樋口一葉の光本幸子さんは、たおやかで静かな佇まいが癒しを呼ぶ。語りの言葉が綺麗で聞き取り易かった。
石井健太の大場泰正さんは、端正な顔立ちと爽やかな立ち姿に誠実さが滲む。
藤田福次郎の寺杣昌紀(てらそままさき)は、言うに及ばず、物語のキモとして場を明るく活発に転がし、凛々しい存在感を示していた。
私の隣席の男性が、パンフを見ながらお連れの方に、大津さんが上手い、てらそまさんのことも上手いと称されていて、耳にしながら嬉しく思った。
明治と平成では遠い隔たりはあるし、芸事も全く違うけれど、竹本綾之助は今でいえば、バンド演奏を従えて歌うアーティストのような存在だと思う。
10代のアイドル歌手に対して、ご贔屓さん、もといファンの声援やブーイングは当然激しく起こる。男性客の「どうしたどうした!」コールも、オタクの「もっともっと!」コールとニュアンス的に変わりないだろうw。
四代目竹本綾之助さんの浄瑠璃には客席から掛け声があがり、鶴沢寛也さんらによる三味線のソロ部分の演奏の素晴らしさに拍手が起きる。その様子を見ながら、三味線がギターのようにも見えてきたw。
綾之助が結婚後に復帰した際のエピソードをもう少し詳しく聞きたかった。ライバルであり相方だった豊竹呂昇、どういう人物だったのだろう。
売れる芸、お金になる芸をより求めるようになった世間に対して、初代竹本綾之助は反発する。自分の芸は、聞く人に思いを伝えることが信条なのだという。
樋口一葉も、売れる小説を書くのではなく、自分の書きたいものを書くという信念を通した。
でも芸事はお客からの拍手や歓声を受けるだけで一瞬のもの、書いた文章は永遠に残されると、一葉を羨ましくも思う初代綾之助。
一方、名声もお金も恋も手に入れて人生を全うした初代綾之助に、嫉妬のようなものも感じたという一葉。
二人とも、同じ時代を女の身で先陣をきって男のように、対照的に生き抜いた。それは辛く茨の道ではあったけれど、“女”であったことに後悔はしない。自分らしく凛々しい生き方だったと、安らかな笑みで幕が閉じられた。
楽日といっても座長の挨拶などはなし。
山本陽子さんのお隣に立たれた寺杣さんの雄姿が目にいつまでも残った。
次にてらそまさんを拝めるのは、舞台『ヒーロー2』のトークショーと打ち上げイベントでかな。
今日もお天気。紀尾井ホールまでの道のりも慣れた。
昨日と同じ列のちょい左側。どこでも観易いステージがいい。
初代竹本綾之助の山本陽子さんはホントに素晴らしい。綾之助の10代から20代をメインに演じるが、声がとても若々しく、話し方も可憐でよく工夫されている。母親にすねるところも可愛らしく映る。健太とのラブラブぶりもほんわかと甘い。年齢を超越した役作りに、さすが演技派な方だと思う。
義母お勝の大津嶺子さんも本当に上手い。ユーモア溢れる達者な大阪弁は笑いを起こし、娘を厳しくも温かく見守る人情深い演技にしびれた。
樋口一葉の光本幸子さんは、たおやかで静かな佇まいが癒しを呼ぶ。語りの言葉が綺麗で聞き取り易かった。
石井健太の大場泰正さんは、端正な顔立ちと爽やかな立ち姿に誠実さが滲む。
藤田福次郎の寺杣昌紀(てらそままさき)は、言うに及ばず、物語のキモとして場を明るく活発に転がし、凛々しい存在感を示していた。
私の隣席の男性が、パンフを見ながらお連れの方に、大津さんが上手い、てらそまさんのことも上手いと称されていて、耳にしながら嬉しく思った。
明治と平成では遠い隔たりはあるし、芸事も全く違うけれど、竹本綾之助は今でいえば、バンド演奏を従えて歌うアーティストのような存在だと思う。
10代のアイドル歌手に対して、ご贔屓さん、もといファンの声援やブーイングは当然激しく起こる。男性客の「どうしたどうした!」コールも、オタクの「もっともっと!」コールとニュアンス的に変わりないだろうw。
四代目竹本綾之助さんの浄瑠璃には客席から掛け声があがり、鶴沢寛也さんらによる三味線のソロ部分の演奏の素晴らしさに拍手が起きる。その様子を見ながら、三味線がギターのようにも見えてきたw。
綾之助が結婚後に復帰した際のエピソードをもう少し詳しく聞きたかった。ライバルであり相方だった豊竹呂昇、どういう人物だったのだろう。
売れる芸、お金になる芸をより求めるようになった世間に対して、初代竹本綾之助は反発する。自分の芸は、聞く人に思いを伝えることが信条なのだという。
樋口一葉も、売れる小説を書くのではなく、自分の書きたいものを書くという信念を通した。
でも芸事はお客からの拍手や歓声を受けるだけで一瞬のもの、書いた文章は永遠に残されると、一葉を羨ましくも思う初代綾之助。
一方、名声もお金も恋も手に入れて人生を全うした初代綾之助に、嫉妬のようなものも感じたという一葉。
二人とも、同じ時代を女の身で先陣をきって男のように、対照的に生き抜いた。それは辛く茨の道ではあったけれど、“女”であったことに後悔はしない。自分らしく凛々しい生き方だったと、安らかな笑みで幕が閉じられた。
楽日といっても座長の挨拶などはなし。
山本陽子さんのお隣に立たれた寺杣さんの雄姿が目にいつまでも残った。
次にてらそまさんを拝めるのは、舞台『ヒーロー2』のトークショーと打ち上げイベントでかな。
邦楽ドラマ 竹本綾之助物語
2012年3月21日 舞台演劇邦楽ドラマ『竹本綾之助物語 -明治が求めた天才少女の栄光と苦悩-』を観てきた。
お初の紀尾井小ホール。雨じゃなくてよかった。
客層が今までの舞台のと全然違うので(着物も多し)少々気後れ。無料茶もあるのがグー。
初代竹本綾之助 没後70年特別公演。
今は四代目となる竹本綾之助が浄瑠璃として舞台に参加され、三味線の音色が美しくも力強い。
すみません。劇中に登場する樋口一葉はわかるが、初代も四代目も竹本綾之助も浄瑠璃も全くわからず。まだ浪花節のほうが私に合っているかも。
そんな無知な者にも分かりやすく知っていただこうとする舞台のようだ。
大阪で十二歳で初舞台を踏み、義母と共に十代後半で人気絶頂となったお薗(初代竹本綾之助)が、恋と苦難を乗り越え、引退と復帰を繰り返し極める人生を描く。
芸に生き恋に生きる…。放送中のドラマ『鈴子の恋』のミヤコ蝶々さんの人生とちょっと重なった。
山本陽子さん、70歳とは思えぬほど凛とした立ち姿で、柔らかくも美しい表情。義母のお勝(大津嶺子)とのユーモアある掛け合い、同時代に生きた樋口一葉(光本幸子)ともどことなく似た風貌も見どころか。
綾之助のファンの一人である藤田福次郎が、お目当ての寺杣昌紀(てらそままさき)。福次郎の友人の石井健太(大場泰正)に結局は綾ちゃんを取られてしまう、ちょっぴり不憫な役どころ。
てらそまさん、最初は学ランを着ていてビックリ! しかも学帽まで!
意外と似合ってるのかそうでもないのかよく分からないが、もうすぐ50代のてらそまさんが学ラン着てるだけで何だか萌えちゃうw。こんな姿、この先もうお目にかかれないもんね。
てらそまさんの学ランに、昨年の舞台『夢・ハムレット』で学ランで出てきた平田広明さんが浮かんだw。平田さんは眼鏡もしてたっけ。何にせよ、イイ年こいたおじ様たちが学ラン着る姿って、可愛イ格好イイね(^。^)。そういや来週は『狼たちの午後』で和樹の学ランもまた拝めるかもw。
その後は、格子柄の派手目な上着を着た、いかにも酒屋のボンボン風な格好。
そして、蝶ネクタイに茶系な三つ折りスーツを着て、いかにも紳士風にめかしこんだ格好。
どちらも、てらそまさんらしさが出ていてお似合いだった。
舞台写真とか欲しいね。こういう時に物販があればな〜♪ 三枚一組で千円なら即購入しちゃうだろうにw。なんせ無料で頂いたパンフには、キャストの写真も載っていなかったから。
学ランで綾之助を口説くときの「綾ちゃんを酔わせてみたい」にドキっとした。私も酔わせて欲しい〜w。
綾之助にしつこく言い寄り、逆に吹っ飛ばされて床に倒れてしまった時も面白かった。結構、体を張ったアクションw。
最後は、すまなかったとお金の袋を渡して土下座まで。今回は心底は誠実な役なんだが、こういうシチュエーションはどこかでw。
後半、樋口一葉が舞台上から消えてから、語り部の声は寺杣さん。とうとう「お薗」と呼べず、ずっと「綾ちゃん」だった。
てらそまさん語りだと熱くなるな〜w。福次郎が出てくると場面がパーっと明るくなるから好き。
お芝居部分は面白く観れたが、浄瑠璃部分になると途端に眠くなってくる。日本語なのに全然わからないなんて^^;。
明日もう一度観劇予定。
お初の紀尾井小ホール。雨じゃなくてよかった。
客層が今までの舞台のと全然違うので(着物も多し)少々気後れ。無料茶もあるのがグー。
初代竹本綾之助 没後70年特別公演。
今は四代目となる竹本綾之助が浄瑠璃として舞台に参加され、三味線の音色が美しくも力強い。
すみません。劇中に登場する樋口一葉はわかるが、初代も四代目も竹本綾之助も浄瑠璃も全くわからず。まだ浪花節のほうが私に合っているかも。
そんな無知な者にも分かりやすく知っていただこうとする舞台のようだ。
大阪で十二歳で初舞台を踏み、義母と共に十代後半で人気絶頂となったお薗(初代竹本綾之助)が、恋と苦難を乗り越え、引退と復帰を繰り返し極める人生を描く。
芸に生き恋に生きる…。放送中のドラマ『鈴子の恋』のミヤコ蝶々さんの人生とちょっと重なった。
山本陽子さん、70歳とは思えぬほど凛とした立ち姿で、柔らかくも美しい表情。義母のお勝(大津嶺子)とのユーモアある掛け合い、同時代に生きた樋口一葉(光本幸子)ともどことなく似た風貌も見どころか。
綾之助のファンの一人である藤田福次郎が、お目当ての寺杣昌紀(てらそままさき)。福次郎の友人の石井健太(大場泰正)に結局は綾ちゃんを取られてしまう、ちょっぴり不憫な役どころ。
てらそまさん、最初は学ランを着ていてビックリ! しかも学帽まで!
意外と似合ってるのかそうでもないのかよく分からないが、もうすぐ50代のてらそまさんが学ラン着てるだけで何だか萌えちゃうw。こんな姿、この先もうお目にかかれないもんね。
てらそまさんの学ランに、昨年の舞台『夢・ハムレット』で学ランで出てきた平田広明さんが浮かんだw。平田さんは眼鏡もしてたっけ。何にせよ、イイ年こいたおじ様たちが学ラン着る姿って、可愛イ格好イイね(^。^)。そういや来週は『狼たちの午後』で和樹の学ランもまた拝めるかもw。
その後は、格子柄の派手目な上着を着た、いかにも酒屋のボンボン風な格好。
そして、蝶ネクタイに茶系な三つ折りスーツを着て、いかにも紳士風にめかしこんだ格好。
どちらも、てらそまさんらしさが出ていてお似合いだった。
舞台写真とか欲しいね。こういう時に物販があればな〜♪ 三枚一組で千円なら即購入しちゃうだろうにw。なんせ無料で頂いたパンフには、キャストの写真も載っていなかったから。
学ランで綾之助を口説くときの「綾ちゃんを酔わせてみたい」にドキっとした。私も酔わせて欲しい〜w。
綾之助にしつこく言い寄り、逆に吹っ飛ばされて床に倒れてしまった時も面白かった。結構、体を張ったアクションw。
最後は、すまなかったとお金の袋を渡して土下座まで。今回は心底は誠実な役なんだが、こういうシチュエーションはどこかでw。
後半、樋口一葉が舞台上から消えてから、語り部の声は寺杣さん。とうとう「お薗」と呼べず、ずっと「綾ちゃん」だった。
てらそまさん語りだと熱くなるな〜w。福次郎が出てくると場面がパーっと明るくなるから好き。
お芝居部分は面白く観れたが、浄瑠璃部分になると途端に眠くなってくる。日本語なのに全然わからないなんて^^;。
明日もう一度観劇予定。
ミュージカル ジキル&ハイド
2012年3月19日 舞台演劇ミュージカル『ジキル&ハイド』を観てきた。
イベントの石丸幹二さんの声が良かったよ~と知人に教えられて、急遽安めのチケットを取ってみた。
おかげで前方中ブロックでとても観易い。
善と悪、誰もがふたつの顔を持っている…。
二重人格の代名詞ともなったR・L・スティーブンソンの原作を、フランク・ワイルドホーンの音楽でミュージカル化した作品が、キャストを一新して新たに蘇った。
鹿賀さんジキル&ハイドは未見なので、私にとっては初ジキハイ。
二重人格キャラは色んな舞台で観てきたが、最近だと『OZ』の1019がぼんやり浮かぶ。
医師として理想を追求するジキルは、審問官から総スカンを食らい、自分自身を実験台として人格分裂薬を飲み、凶暴な人格のハイド氏が生まれ出る。ジキルの婚約者エマの心配をよそに、どんどんハイド氏に侵食されるようになった彼は、妖艶な娼婦ルーシーを何度も襲い、狂気の連続殺人を犯していく。
『GOLD~カミーユとロダン』でロダン役が素敵だった石丸幹二が、更なるハマリ役でとても素晴らしい。ハリのある突き抜けるような歌声と表現性に心の奥から痺れた。こういうのをミュージカルで聴きたかったというような、まさに理想の歌声だ。
エマを心から愛し誠実で情熱的なジキルの時は、背筋をピンと伸ばした紳士的な立ち振る舞いと凛々しい歌声。これがハイドに変わると、当然ながら演技も歌も変わるがが、見事なギャップ感がたまらない。不気味で底知れない恐ろしさが滲む様相と低くくぐもったドスを効かせた歌声。演じ分けが最高だった。
ハイドになってからの石丸さんの顔が、めきめきと若々しく見えてくるのも面白い。鬘も使い分けてるだろうが、左目を隠したモサモサした髪とギンギンと光る目が印象的。下劣で狂気な言動と自信たっぷりの攻め口調。ジキルと違ってデンジャラスで野性味たっぷりの雰囲気は、ズドーンと惹かれる魅力があった。
ジキル・ハイドを役的にも歌としても支え攻めるのが、ルーシーの濱田めぐみとエマの笹本玲奈。お二人とも他のミュージカルでは観てきたが、新たな境地と絶品の歌唱力で、思った以上の出来だった。
濱田さんの妖艶なセクシーさと、孤独と絶望から垣間見える可愛らしさ。パワフルでエネルギッシュでやるせなさ感もある歌声。
笹本さんの純粋な優しさと包容力と、芯が強くて頭のいい可愛らしさ。澄みきったピュアな美しくものびやかで品のある歌声。
何もかも対照的な二人なのに、舞台上で其々がジキルを思って唄う演出が冴えて、胸にぐっとくる切なさがある。
女二人の思いを込めた全力パワーを、しなやかに受け止める石丸さんの力量も凄い。絶妙なバランスの三人だった。
それにしても、ロダンとカミーユもエロかったが、ハイドとルーシーの体の絡みはエロい! 濱田さんの恍惚とした表情と石丸さんの手の動きも相まって、視覚的にビンビンと感じさせてくれたw。
ジキルの親友アターソン役の吉野圭吾は、歌よりもダンスのほうが颯爽と軽やかで目立つ。互いを「ヘンリー」「ジョン」と呼び合う親友の雰囲気もよく、もっと二人の絡みを見たかった。
エマ父の中嶋しゅうは深い味わいのある演技。プールの花王おさむも執事らしい忠実さが滲む。
Studio Lifeの石飛幸治は、サベージ伯爵ら3役を演じ、どこにいてもどんな格好でもすぐ分かるw。女を足蹴にしたり女から足蹴にされたり、結構女絡みだったね。でもスタジオライフ一番のイチゴ娘だから(笑)いちご狩りに行きたかったと、年初のイベントでも本人が言ってたっけ。残念。
アンサンブルが貧困に喘ぐ民衆や闇の殺人に怯える世間を歌い上げていたが、主役三人の圧倒的な歌唱力の前には、少々インパクトが弱かったかも。
舞台セットでは、ジキルの研究室の大きな換気扇みたいな機器が面白そう。赤、緑、青の蛍光色の薬も分かり易い。
ハイド氏の連続殺人は、『スパイダーマン』のノーマン・オズボーン&グリーン・ゴブリンみたいで、ある意味ざまーみろな感覚w。
部屋で嬉しそうに唄うルーシーのソロに、唄ってる場合じゃないよ!とイライラを感じながら聴いていたりw。
銃がひとつしか出てこないのはほっとしたが、あんなに何発も撃たなくても~。良い人にも残酷な面があるのだという暗示だろうか。
カテコでは晴れやかな笑みで手を振る石丸さんたち。指揮の塩田明弘氏らオケの面々も招いて、みんなでお辞儀をされていた。目の前に立たれた濱田さんの胸の谷間に目がいっちゃうw。
イベントの石丸幹二さんの声が良かったよ~と知人に教えられて、急遽安めのチケットを取ってみた。
おかげで前方中ブロックでとても観易い。
善と悪、誰もがふたつの顔を持っている…。
二重人格の代名詞ともなったR・L・スティーブンソンの原作を、フランク・ワイルドホーンの音楽でミュージカル化した作品が、キャストを一新して新たに蘇った。
鹿賀さんジキル&ハイドは未見なので、私にとっては初ジキハイ。
二重人格キャラは色んな舞台で観てきたが、最近だと『OZ』の1019がぼんやり浮かぶ。
医師として理想を追求するジキルは、審問官から総スカンを食らい、自分自身を実験台として人格分裂薬を飲み、凶暴な人格のハイド氏が生まれ出る。ジキルの婚約者エマの心配をよそに、どんどんハイド氏に侵食されるようになった彼は、妖艶な娼婦ルーシーを何度も襲い、狂気の連続殺人を犯していく。
『GOLD~カミーユとロダン』でロダン役が素敵だった石丸幹二が、更なるハマリ役でとても素晴らしい。ハリのある突き抜けるような歌声と表現性に心の奥から痺れた。こういうのをミュージカルで聴きたかったというような、まさに理想の歌声だ。
エマを心から愛し誠実で情熱的なジキルの時は、背筋をピンと伸ばした紳士的な立ち振る舞いと凛々しい歌声。これがハイドに変わると、当然ながら演技も歌も変わるがが、見事なギャップ感がたまらない。不気味で底知れない恐ろしさが滲む様相と低くくぐもったドスを効かせた歌声。演じ分けが最高だった。
ハイドになってからの石丸さんの顔が、めきめきと若々しく見えてくるのも面白い。鬘も使い分けてるだろうが、左目を隠したモサモサした髪とギンギンと光る目が印象的。下劣で狂気な言動と自信たっぷりの攻め口調。ジキルと違ってデンジャラスで野性味たっぷりの雰囲気は、ズドーンと惹かれる魅力があった。
ジキル・ハイドを役的にも歌としても支え攻めるのが、ルーシーの濱田めぐみとエマの笹本玲奈。お二人とも他のミュージカルでは観てきたが、新たな境地と絶品の歌唱力で、思った以上の出来だった。
濱田さんの妖艶なセクシーさと、孤独と絶望から垣間見える可愛らしさ。パワフルでエネルギッシュでやるせなさ感もある歌声。
笹本さんの純粋な優しさと包容力と、芯が強くて頭のいい可愛らしさ。澄みきったピュアな美しくものびやかで品のある歌声。
何もかも対照的な二人なのに、舞台上で其々がジキルを思って唄う演出が冴えて、胸にぐっとくる切なさがある。
女二人の思いを込めた全力パワーを、しなやかに受け止める石丸さんの力量も凄い。絶妙なバランスの三人だった。
それにしても、ロダンとカミーユもエロかったが、ハイドとルーシーの体の絡みはエロい! 濱田さんの恍惚とした表情と石丸さんの手の動きも相まって、視覚的にビンビンと感じさせてくれたw。
ジキルの親友アターソン役の吉野圭吾は、歌よりもダンスのほうが颯爽と軽やかで目立つ。互いを「ヘンリー」「ジョン」と呼び合う親友の雰囲気もよく、もっと二人の絡みを見たかった。
エマ父の中嶋しゅうは深い味わいのある演技。プールの花王おさむも執事らしい忠実さが滲む。
Studio Lifeの石飛幸治は、サベージ伯爵ら3役を演じ、どこにいてもどんな格好でもすぐ分かるw。女を足蹴にしたり女から足蹴にされたり、結構女絡みだったね。でもスタジオライフ一番のイチゴ娘だから(笑)いちご狩りに行きたかったと、年初のイベントでも本人が言ってたっけ。残念。
アンサンブルが貧困に喘ぐ民衆や闇の殺人に怯える世間を歌い上げていたが、主役三人の圧倒的な歌唱力の前には、少々インパクトが弱かったかも。
舞台セットでは、ジキルの研究室の大きな換気扇みたいな機器が面白そう。赤、緑、青の蛍光色の薬も分かり易い。
ハイド氏の連続殺人は、『スパイダーマン』のノーマン・オズボーン&グリーン・ゴブリンみたいで、ある意味ざまーみろな感覚w。
部屋で嬉しそうに唄うルーシーのソロに、唄ってる場合じゃないよ!とイライラを感じながら聴いていたりw。
銃がひとつしか出てこないのはほっとしたが、あんなに何発も撃たなくても~。良い人にも残酷な面があるのだという暗示だろうか。
カテコでは晴れやかな笑みで手を振る石丸さんたち。指揮の塩田明弘氏らオケの面々も招いて、みんなでお辞儀をされていた。目の前に立たれた濱田さんの胸の谷間に目がいっちゃうw。
ASSH 雷ヶ丘に雪が降る
2012年3月18日 舞台演劇ACTOR’S TRASH ASSH 旗揚げ十周年記念興行第一弾 第十六回本公演『雷ヶ丘に雪が降る』楽日を観てきた。
まつだ壱岱が作り出す、ネオフィクションエンターテイメントの四作目。
ASSHの舞台を観るのは3度目だが、今回はキャストや世界観、劇場の近さに惹かれた。
「ヤマト」という架空の国、「戦国」と言われた時代、火の国にあった「雷ヶ丘(いかずちがおか)」の物語。
雷神、風神の異名をもつ若者たちが、手を握ると相手の心が読めるという盲目の少女と出会ったことで、火の国を完全支配しようとする悪名高い大名や配下の四天王たちと壮絶な戦いを繰り広げる。
ASSH.の作品は独特なオリジナリティが見どころだが、今回は今までの集大成ともいえる、深みと捻りのあるストーリーと魅力的なキャラクターが生まれ出て、興奮と感動がわきあがる舞台に仕上がっていた。
実在する雷ヶ丘と雷神伝説を元に展開する、ファンタジーの中の臨場感。
役者の熱演と個性が光り、多くのキャラクターがいてもムダがなく誰にも見どころがある。雷神、風神、海神、火神、地神と呼ばれた若者たちは、この舞台だけでは勿体ないような、生き生きした個性と関係性だ。いつかスピンオフでもやって頂きたいぐらい。
敵の大名・龍造寺道雪や四天王や忍たちも不気味なほど強くて、彼らの真の正体が重要なキモとなる、二重三重に仕組まれたミステリー性のあるストーリー。
凝った衣装や華やかな女性たちも見どころ。疾走感のあるテーマ曲が熱い。
速いテンポと激しい殺陣やアクションの連続、適度な笑いとギャグも盛り込まれ、後半は一気に真面目に駆け抜けて飽きさせない。仲間たちの絆に胸を熱くさせ、平和を祈る者たちに共鳴させられた。
心に残るシーンがいっぱいあり、計算された演出の冴えも感じる。
仲間たちの剣を次々と使って、敵を斬っていく雷切の雄姿。上に立つ仲間たちの動きが彼とシンクロしていき、雷切の叫びもグッとくる。
雷の凄まじい光や轟く音も迫力がある。雷神様が降りてくるように、落ちてくる雷の激しさとその後にやってくる白き雪の優しさが美しい。
1回目はストーリーを追うのに夢中になるが、2回目以降は作品への思い入れが深まって涙を流す人もいそうだ。私ももう1回観たかった。
座長の林明寛は演技もアクションも華があって凛々しい。Axle『宮本武蔵』で桑野晃輔とのコンビが良かったが、今回の小野賢章とのコンビも息ぴったり。林くんが豪放無頼なら、賢章くんは端正な顔に色気があり、共に格好良かった。
絲木建太、染谷俊之、阿部直生のバランスもいい。この舞台のおかげで彼らの名前と顔を覚えられた。
西山丈也、鵜飼主水が渋くて力強い。アクションの下園亜弓が意外と可愛らしい。
我善導は相変わらずクセ者キャラ。『弱虫ペダル』で好演した鳥越裕貴は今回も光る存在感。
殺陣も演技もバッチリの若い俳優は、今後の活動も活発で楽しみが増す。
林くん&賢章くんは『男子ing』と『ふしぎ遊戯』。小野くん&鳥越くんは『逆境ナイン』。みんな絡んでくる。
まつだ壱岱が作り出す、ネオフィクションエンターテイメントの四作目。
ASSHの舞台を観るのは3度目だが、今回はキャストや世界観、劇場の近さに惹かれた。
「ヤマト」という架空の国、「戦国」と言われた時代、火の国にあった「雷ヶ丘(いかずちがおか)」の物語。
雷神、風神の異名をもつ若者たちが、手を握ると相手の心が読めるという盲目の少女と出会ったことで、火の国を完全支配しようとする悪名高い大名や配下の四天王たちと壮絶な戦いを繰り広げる。
ASSH.の作品は独特なオリジナリティが見どころだが、今回は今までの集大成ともいえる、深みと捻りのあるストーリーと魅力的なキャラクターが生まれ出て、興奮と感動がわきあがる舞台に仕上がっていた。
実在する雷ヶ丘と雷神伝説を元に展開する、ファンタジーの中の臨場感。
役者の熱演と個性が光り、多くのキャラクターがいてもムダがなく誰にも見どころがある。雷神、風神、海神、火神、地神と呼ばれた若者たちは、この舞台だけでは勿体ないような、生き生きした個性と関係性だ。いつかスピンオフでもやって頂きたいぐらい。
敵の大名・龍造寺道雪や四天王や忍たちも不気味なほど強くて、彼らの真の正体が重要なキモとなる、二重三重に仕組まれたミステリー性のあるストーリー。
凝った衣装や華やかな女性たちも見どころ。疾走感のあるテーマ曲が熱い。
速いテンポと激しい殺陣やアクションの連続、適度な笑いとギャグも盛り込まれ、後半は一気に真面目に駆け抜けて飽きさせない。仲間たちの絆に胸を熱くさせ、平和を祈る者たちに共鳴させられた。
心に残るシーンがいっぱいあり、計算された演出の冴えも感じる。
仲間たちの剣を次々と使って、敵を斬っていく雷切の雄姿。上に立つ仲間たちの動きが彼とシンクロしていき、雷切の叫びもグッとくる。
雷の凄まじい光や轟く音も迫力がある。雷神様が降りてくるように、落ちてくる雷の激しさとその後にやってくる白き雪の優しさが美しい。
1回目はストーリーを追うのに夢中になるが、2回目以降は作品への思い入れが深まって涙を流す人もいそうだ。私ももう1回観たかった。
座長の林明寛は演技もアクションも華があって凛々しい。Axle『宮本武蔵』で桑野晃輔とのコンビが良かったが、今回の小野賢章とのコンビも息ぴったり。林くんが豪放無頼なら、賢章くんは端正な顔に色気があり、共に格好良かった。
絲木建太、染谷俊之、阿部直生のバランスもいい。この舞台のおかげで彼らの名前と顔を覚えられた。
西山丈也、鵜飼主水が渋くて力強い。アクションの下園亜弓が意外と可愛らしい。
我善導は相変わらずクセ者キャラ。『弱虫ペダル』で好演した鳥越裕貴は今回も光る存在感。
殺陣も演技もバッチリの若い俳優は、今後の活動も活発で楽しみが増す。
林くん&賢章くんは『男子ing』と『ふしぎ遊戯』。小野くん&鳥越くんは『逆境ナイン』。みんな絡んでくる。
VISUALIVE ペルソナ4
2012年3月16日 舞台演劇舞台版『ペルソナ4』を観てきた。
新感覚の「VISUALIVE Persona4」。ビジュアライブとは、脚本・演出の浅沼晋太郎氏と、映像演出の奥秀太郎による「視覚効果に特化したパフォーマンス」と「俳優の生の演技」とをスタイリッシュに融合させた、全く新しいライブエンターテイメントだという。
要は映像+音声+舞台によるライブステージ。アニメの如き美しく鮮やかな背景や世界観が彩り、それに合わせて俳優も緻密に計算された動きや演技が要求される。これまでもそういう舞台は幾つもあったが、ここまで映像や音声が占めた舞台ははじめてだろう。
だからステージには多くの美術やセットや小物はあまり必要ない。映像のほうにお金をかける。合成技術が進歩する中、今後こういう舞台が増えて来るだろう。こればかりでは味気ないが、扱う作品によっては適性な表現力ともなり得る。今回はその先端をいった舞台だろう。
叔父の家に居候することになった主人公が、雨の夜の“マヨナカテレビ”と町で発生している連続殺人事件とに関連があると睨み、仲間と共に“シャドウ”が徘徊する異空間で戦う話。
仲間たち其々は、異空間で自らの抑圧された感情の化身と一度は向き合うが、影の自分を受け入れることで、具現化した“ペルソナ能力”を手に入れ使うことができるようになる。
ゲームはやらないが、アニメはずっと観ていて、今回の舞台では、放送中のアニメの前半部を描いている。
主人公の名前は予め募集し毎回変わるという、ゲームらしいテイスト。今回のは○○○○。主人公は仲間からは苗字で、クマは「先生」と呼ぶが、居候先の刑事・堂島は名前で呼ぶから毎回変わって少々大変。
クマは着ぐるみで登場、転がったほうが速いかもな動きでベリキュート。アニメと同じ山口勝平が声で出演し俳優たちと絡む。仲間のひとり、りせはシルエットのみで、アニメと同じ釘宮理恵がやはり声だけで出演。勝平さんと理恵さんは冒頭と休憩後に場内アナウンスも担当。
音楽や効果音も重要だが、声優の“声”が俳優たちと共に物語を動かし盛り上げていくところが面白い。先日観た舞台『神☆ヴォイス』が浮かんだ。中盤で劇場の四方から“声”がこだまのように響き渡り、今までにない臨場感を味わった。声の三次元みたいだ。
絶対出てくるだろうと期待した、俳優のアップと「カッ」文字が映って満足w。
途中で浅沼氏も出演(日替わり)、トボけたコントを見せて可笑しい。
キャストがどのていど再現されているかが最大の見どころ。
前半は少々イメージが違うと思うキャラがいたが、後半につれて慣れてきて違和感はなくなった。
馬場徹は話し方や佇まいがアニメとそっくりだし、剣を取れば忽ち『新・幕末純情伝』と重なって格好良い。女装とか女声とか歌がなかったのが惜しいw。
D2の二人、前山剛久はテンションと覇気が少々足りなく、近江陽一郎はゴツさとイカつさが少々足りないかな。でも頑張って熱演してて好ましい。前山くんが短剣持つと長次が浮かぶな(『忍たま』第三弾再演おめ!)。
女の子たちの再現率がものすごい。吉木りさはおっとりしてて可愛い。佃井智美の蹴りやアクションがキレがあって格好良くて見惚れた。彼女が一番アクションしてて、スカート下につい目がいっちゃうw。
早乙女じょうじ、太田基裕がムードたっぷり。二人ともペルソナを使いたいだろうなw。
谷口賢志が渋いおっさんにステキに変身。伊藤マサミも抜群の立ち位置。二人ともbpm絡みで浅沼さんからイジられることw。
残念だったのは、りせ、直斗、菜々子が出てこなかったこと。
ストーリー的には中途だし、続編作る気満々だろうからw、次回はぜひ物語に欠かせないこの三人を、舞台上で俳優が演じて欲しい。
 ̄
アフタートークショー。
登壇者は、近江陽一郎(巽完二役)早乙女じょうじ(長瀬大輔役)太田基裕(一条康役)谷口賢志(堂島遼太郎役)浅沼晋太郎(MC)のイケメンたち。浅沼氏、役をひきずり「オーライライライ」とテンション高っ。
役を演じてみての感想。近江くんは「見た目コワイけど中身は真っ直ぐで」と完二を語り、腕の刺青シールを見せるw。サッカーはできないけど稽古した早乙女くんは、スライディングしてコーラを稽古場に溢したエピソードを浅沼氏から暴露されるw。実はそんなに出ていないと言う太田くんは、里中とのコントシーンの話(浅沼氏曰く、キュンキュンするシーンw)。ぼくだけオッサンな谷口さんは、堂島に似てると言われるのは嬉しいが僕は34歳と強調w。
谷口さん曰く、メンバー9人のうち5人が天然!(笑)頭下げる近江くん、お礼しながら出ていこうとするw。緑色の女性(みどりのたぬき)もそうで、稽古場はホントに楽しかったという。
その近江くんの天然ぶりを谷口さん語る。ある日、D2のプロマイド売行きベスト3を尋ねたところ、「○と○と、僕です!」とそれはものすごく綺麗な瞳で素直に答えたんだとか(笑)。近江くんの笑顔にはダレも叶わないw。もちろん近江くんの人気は確かにスゴイと私も実感。そんな可愛い陽一郎に「今度飲みに行こう!」と誘う谷口さん。浅沼氏も弟のような陽一郎がお気に入りのようだ。
今度、陽一郎を観るのは、4月の『寂しいマグネット』のアフタートークのゲストでかなw。
新感覚の「VISUALIVE Persona4」。ビジュアライブとは、脚本・演出の浅沼晋太郎氏と、映像演出の奥秀太郎による「視覚効果に特化したパフォーマンス」と「俳優の生の演技」とをスタイリッシュに融合させた、全く新しいライブエンターテイメントだという。
要は映像+音声+舞台によるライブステージ。アニメの如き美しく鮮やかな背景や世界観が彩り、それに合わせて俳優も緻密に計算された動きや演技が要求される。これまでもそういう舞台は幾つもあったが、ここまで映像や音声が占めた舞台ははじめてだろう。
だからステージには多くの美術やセットや小物はあまり必要ない。映像のほうにお金をかける。合成技術が進歩する中、今後こういう舞台が増えて来るだろう。こればかりでは味気ないが、扱う作品によっては適性な表現力ともなり得る。今回はその先端をいった舞台だろう。
叔父の家に居候することになった主人公が、雨の夜の“マヨナカテレビ”と町で発生している連続殺人事件とに関連があると睨み、仲間と共に“シャドウ”が徘徊する異空間で戦う話。
仲間たち其々は、異空間で自らの抑圧された感情の化身と一度は向き合うが、影の自分を受け入れることで、具現化した“ペルソナ能力”を手に入れ使うことができるようになる。
ゲームはやらないが、アニメはずっと観ていて、今回の舞台では、放送中のアニメの前半部を描いている。
主人公の名前は予め募集し毎回変わるという、ゲームらしいテイスト。今回のは○○○○。主人公は仲間からは苗字で、クマは「先生」と呼ぶが、居候先の刑事・堂島は名前で呼ぶから毎回変わって少々大変。
クマは着ぐるみで登場、転がったほうが速いかもな動きでベリキュート。アニメと同じ山口勝平が声で出演し俳優たちと絡む。仲間のひとり、りせはシルエットのみで、アニメと同じ釘宮理恵がやはり声だけで出演。勝平さんと理恵さんは冒頭と休憩後に場内アナウンスも担当。
音楽や効果音も重要だが、声優の“声”が俳優たちと共に物語を動かし盛り上げていくところが面白い。先日観た舞台『神☆ヴォイス』が浮かんだ。中盤で劇場の四方から“声”がこだまのように響き渡り、今までにない臨場感を味わった。声の三次元みたいだ。
絶対出てくるだろうと期待した、俳優のアップと「カッ」文字が映って満足w。
途中で浅沼氏も出演(日替わり)、トボけたコントを見せて可笑しい。
キャストがどのていど再現されているかが最大の見どころ。
前半は少々イメージが違うと思うキャラがいたが、後半につれて慣れてきて違和感はなくなった。
馬場徹は話し方や佇まいがアニメとそっくりだし、剣を取れば忽ち『新・幕末純情伝』と重なって格好良い。女装とか女声とか歌がなかったのが惜しいw。
D2の二人、前山剛久はテンションと覇気が少々足りなく、近江陽一郎はゴツさとイカつさが少々足りないかな。でも頑張って熱演してて好ましい。前山くんが短剣持つと長次が浮かぶな(『忍たま』第三弾再演おめ!)。
女の子たちの再現率がものすごい。吉木りさはおっとりしてて可愛い。佃井智美の蹴りやアクションがキレがあって格好良くて見惚れた。彼女が一番アクションしてて、スカート下につい目がいっちゃうw。
早乙女じょうじ、太田基裕がムードたっぷり。二人ともペルソナを使いたいだろうなw。
谷口賢志が渋いおっさんにステキに変身。伊藤マサミも抜群の立ち位置。二人ともbpm絡みで浅沼さんからイジられることw。
残念だったのは、りせ、直斗、菜々子が出てこなかったこと。
ストーリー的には中途だし、続編作る気満々だろうからw、次回はぜひ物語に欠かせないこの三人を、舞台上で俳優が演じて欲しい。
 ̄
アフタートークショー。
登壇者は、近江陽一郎(巽完二役)早乙女じょうじ(長瀬大輔役)太田基裕(一条康役)谷口賢志(堂島遼太郎役)浅沼晋太郎(MC)のイケメンたち。浅沼氏、役をひきずり「オーライライライ」とテンション高っ。
役を演じてみての感想。近江くんは「見た目コワイけど中身は真っ直ぐで」と完二を語り、腕の刺青シールを見せるw。サッカーはできないけど稽古した早乙女くんは、スライディングしてコーラを稽古場に溢したエピソードを浅沼氏から暴露されるw。実はそんなに出ていないと言う太田くんは、里中とのコントシーンの話(浅沼氏曰く、キュンキュンするシーンw)。ぼくだけオッサンな谷口さんは、堂島に似てると言われるのは嬉しいが僕は34歳と強調w。
谷口さん曰く、メンバー9人のうち5人が天然!(笑)頭下げる近江くん、お礼しながら出ていこうとするw。緑色の女性(みどりのたぬき)もそうで、稽古場はホントに楽しかったという。
その近江くんの天然ぶりを谷口さん語る。ある日、D2のプロマイド売行きベスト3を尋ねたところ、「○と○と、僕です!」とそれはものすごく綺麗な瞳で素直に答えたんだとか(笑)。近江くんの笑顔にはダレも叶わないw。もちろん近江くんの人気は確かにスゴイと私も実感。そんな可愛い陽一郎に「今度飲みに行こう!」と誘う谷口さん。浅沼氏も弟のような陽一郎がお気に入りのようだ。
今度、陽一郎を観るのは、4月の『寂しいマグネット』のアフタートークのゲストでかなw。
シス・カンパニー公演 ガラスの動物園
2012年3月15日 舞台演劇シス・カンパニー公演『ガラスの動物園』を観てきた。
1930年代のセントルイスの路地裏で、つましく暮らす3人家族の愛憎と葛藤を描く。
劇作家テネシー・ウィリアムズの自伝的代表作。
彼の分身のような青年・トムが、30年前を追憶する形で語るところから始まる。
現実と理想、現在と幻想の間で、母アマンダは、息子トムとは激しく対立し、姉娘ローラには危機感を抱く。トムは毎晩のように酒浸りだし、ローラは内気で繊細で何もしないし、アマンダのやることは極端とはいえ、母親として当たり前のこと。すべてはアマンダの愛情が深いためだ。
家族は常に閉塞感に包まれている。夫はとっくに閉塞感から逃げ出したが、母は閉塞感にうんざりしており、息子は閉塞感から抜け出したいと思う。娘だけが、この閉塞感に満足していることが、家族全体に哀しみをもたらす。
この閉塞感を破って、現実への水先案内人となってくれたのが、二幕から登場するトムの同僚ジム。家族は大歓迎するが、“現実”はそう簡単に家族を受け入れない。
ローラは小さな障害はあれど、内気で繊細で健気で美しい心の持ち主だ。
トムは地道に頑張って働いており、姉思いの優しい誠実な子だ。
誰だって、この姉弟に同情したり思い入れをもつけれど、口やかましくて独りよがりで過去ばかり振り返るお喋りなオバサンには反発するに違いないw。
でも私は、アマンダには大いに同情した。彼女のネックは息子ではなく娘のほう。ガラスのように繊細な少女といえば聞こえはいいが、学びもせず働きもせず家事もせず、ガラス細工の手入れをするだけが生きがいの若い娘なんて、今でいえば根暗のニート、いや寄生虫であろう。内気な性格でこのまま働きもせず結婚も出来ない生涯なんて、母親にとっては悲劇この上ない。ローラのためというより、母自身のためにも、早く厄介払いしたいところだ。アマンダのいい所は、そんな彼女の性格や言動を厳しく批判せず、あくまで穏やかに優しく諭すことだ。娘には決して暴力を振るわないところに最後の理性を感じる。
たぶん私だけではないだろうが、どんどん我が家のことと重ねて見えてきた。アマンダは私の一部でもあり、ローラやトムは我が子たちとも似てる。トムが「クソババア!」と言った時、苦笑と憤りを感じたものw。
誰もが現実の自分たちと重ねて見える、生々しいリアルなドラマ。
だが舞台表現はおそろしく幻想的で、地味に美しい。
壁や扉と同じ色のスーツを着たダンサーたちが、いつも家の中を音もたてずに徘徊し、家具や小物を静かにゆっくりと動かしていく。ダンサー8人が女性なのにも注目。彼女たちはアマンダの脳と手足であり、家に充満する“閉塞”の妖精でもあるのだろうか。
照明が陽と陰をつかさどり、とても美しく不気味で効果的。
膨大な台詞と長台詞のオンパレードで、キャストも少しずつ言い直しがあった。
ほぼ出ずっぱりの瑛太が、青々とした熱を放って面白い。深津絵里はたおやかな美しさ。鈴木浩介の陽気な演技が絶妙に溶け込む。何といっても立石涼子の明るさがはちきれて、大らかで静かな空気を運んでくれる。
佳作であったが、自分の現実を突きつけられた思いがして、リピートし辛い作品だなと実感した。
1930年代のセントルイスの路地裏で、つましく暮らす3人家族の愛憎と葛藤を描く。
劇作家テネシー・ウィリアムズの自伝的代表作。
彼の分身のような青年・トムが、30年前を追憶する形で語るところから始まる。
現実と理想、現在と幻想の間で、母アマンダは、息子トムとは激しく対立し、姉娘ローラには危機感を抱く。トムは毎晩のように酒浸りだし、ローラは内気で繊細で何もしないし、アマンダのやることは極端とはいえ、母親として当たり前のこと。すべてはアマンダの愛情が深いためだ。
家族は常に閉塞感に包まれている。夫はとっくに閉塞感から逃げ出したが、母は閉塞感にうんざりしており、息子は閉塞感から抜け出したいと思う。娘だけが、この閉塞感に満足していることが、家族全体に哀しみをもたらす。
この閉塞感を破って、現実への水先案内人となってくれたのが、二幕から登場するトムの同僚ジム。家族は大歓迎するが、“現実”はそう簡単に家族を受け入れない。
ローラは小さな障害はあれど、内気で繊細で健気で美しい心の持ち主だ。
トムは地道に頑張って働いており、姉思いの優しい誠実な子だ。
誰だって、この姉弟に同情したり思い入れをもつけれど、口やかましくて独りよがりで過去ばかり振り返るお喋りなオバサンには反発するに違いないw。
でも私は、アマンダには大いに同情した。彼女のネックは息子ではなく娘のほう。ガラスのように繊細な少女といえば聞こえはいいが、学びもせず働きもせず家事もせず、ガラス細工の手入れをするだけが生きがいの若い娘なんて、今でいえば根暗のニート、いや寄生虫であろう。内気な性格でこのまま働きもせず結婚も出来ない生涯なんて、母親にとっては悲劇この上ない。ローラのためというより、母自身のためにも、早く厄介払いしたいところだ。アマンダのいい所は、そんな彼女の性格や言動を厳しく批判せず、あくまで穏やかに優しく諭すことだ。娘には決して暴力を振るわないところに最後の理性を感じる。
たぶん私だけではないだろうが、どんどん我が家のことと重ねて見えてきた。アマンダは私の一部でもあり、ローラやトムは我が子たちとも似てる。トムが「クソババア!」と言った時、苦笑と憤りを感じたものw。
誰もが現実の自分たちと重ねて見える、生々しいリアルなドラマ。
だが舞台表現はおそろしく幻想的で、地味に美しい。
壁や扉と同じ色のスーツを着たダンサーたちが、いつも家の中を音もたてずに徘徊し、家具や小物を静かにゆっくりと動かしていく。ダンサー8人が女性なのにも注目。彼女たちはアマンダの脳と手足であり、家に充満する“閉塞”の妖精でもあるのだろうか。
照明が陽と陰をつかさどり、とても美しく不気味で効果的。
膨大な台詞と長台詞のオンパレードで、キャストも少しずつ言い直しがあった。
ほぼ出ずっぱりの瑛太が、青々とした熱を放って面白い。深津絵里はたおやかな美しさ。鈴木浩介の陽気な演技が絶妙に溶け込む。何といっても立石涼子の明るさがはちきれて、大らかで静かな空気を運んでくれる。
佳作であったが、自分の現実を突きつけられた思いがして、リピートし辛い作品だなと実感した。
NAKED BOYZ 舞台版 神☆ヴォイス 千秋楽
2012年3月14日 舞台演劇NAKED BOYZ ACT III『舞台版「神☆ヴォイス」~Go!GO! Dreamers!!~』千秋楽のAチームを観てきた。
映画版『神☆ヴォイス』のスピンオフ作品。
イケメン俳優集団「ネイキッドボーイズ」は少々苦手だが、今回は題材とキャスティングに惹かれた。
一度は声優になる夢を諦めかけた男の子が、仲間や先生に見守られ励まされて、再び夢への一歩を踏み出す物語。
映画版で久保寺声優学校の生徒だったキャストが幾人も登場。卒業後の彼らや後輩を指導する様子が描かれ、絶妙にリンクされている。もちろん金儲けのライバル校アカデミーの輩も登場、熾烈な睨み合いが展開するw。
“声優の話を若い俳優がやる”ことに観る前は少なからず抵抗感と疑問があったが、声優の基礎練習などちゃんとしたカリキュラムを真面目にこなしていく姿は、オタクネタに笑いながらも見入った。
発声からアクション、アフレコにダンスと幅広く挑戦する男の子たち。声優も俳優も表現者に変わりない。“俳優の夢”に向かって、ひたむきにまい進していくボーイズの姿とも重なるものがあり胸が熱くなった。
映画版に出演した先輩俳優たちが達者にポイント押え。映画版に出てきたアニメ2作品も登場して懐かしい。映画の主役だった、久保寺声優学校の白池悠宙先生役の梶裕貴も声で出演。俳優の中で聴くプロ声優の声は、説得力をもって上手いと感じた。
悠宙とどこか似た雰囲気の田所翼に清水一希。金髪じゃないし、レッドだしw。
前説には舟見和利と出演、「ファイナルウェ~ブ」を効かせて「ハデ」じゃなく「ドン」と行くぜ!と力を込めた。土曜日の純矢の「ギンギン」と対照的w。そういや一希&フナミンは『金色のコルダ』でも共演してたんだよね。
一希は安定感ある演技で、真面目さとコミカルさが調和した程よい魅力。ダンスが苦手だそうで、少ない稽古時間の中、みんなに支えられて頑張ったようだ。
松岡祐季のダンスの上手さはピカイチ。長身の山沖勇輝が低音で期待株。久保慶太がイヤミな役ながら流暢な喋り。
映画にも出た、リン@森輝弥、ロドリゲス@飛磨はさすがに達者な演技。ボーイズではないが、DJ Yoshi@田中太郎、リーゼント@前田邦宏が先輩的な実力も披露。
何といっても、全く違う3役を声や見た目や演技で演じ分けた元スタジオライフの舟見和利がスゴイ! デイジーとかジュリエットとか色んな役が思い出されたw。
カテコで役者紹介とひと言ずつ挨拶。AチームとBチーム(翼は篠田聖)では全然雰囲気が違うと言っていたフナミンは、若い俳優たちの熱量に感化されたと満足気。
Bチームもできれば観たかったな。キャパをもう少し広くして再演を望みたい。
終演後は恒例なのか全員と握手会。急かされずゆっくりと進むので、一人一人とじっくり言葉を交わせた。ホワイトデーということで、真ん中の一希がにこやかにキャンディーを手渡し。そういやレッドやブルーと握手したことはあったが、グリーンとの握手は初めてだったかもw。
貴重な時間をありがとう。この中からまた、明日のスター俳優が生まれるかもしれない。楽しみに見守っていきたい。
映画版『神☆ヴォイス』のスピンオフ作品。
イケメン俳優集団「ネイキッドボーイズ」は少々苦手だが、今回は題材とキャスティングに惹かれた。
一度は声優になる夢を諦めかけた男の子が、仲間や先生に見守られ励まされて、再び夢への一歩を踏み出す物語。
映画版で久保寺声優学校の生徒だったキャストが幾人も登場。卒業後の彼らや後輩を指導する様子が描かれ、絶妙にリンクされている。もちろん金儲けのライバル校アカデミーの輩も登場、熾烈な睨み合いが展開するw。
“声優の話を若い俳優がやる”ことに観る前は少なからず抵抗感と疑問があったが、声優の基礎練習などちゃんとしたカリキュラムを真面目にこなしていく姿は、オタクネタに笑いながらも見入った。
発声からアクション、アフレコにダンスと幅広く挑戦する男の子たち。声優も俳優も表現者に変わりない。“俳優の夢”に向かって、ひたむきにまい進していくボーイズの姿とも重なるものがあり胸が熱くなった。
映画版に出演した先輩俳優たちが達者にポイント押え。映画版に出てきたアニメ2作品も登場して懐かしい。映画の主役だった、久保寺声優学校の白池悠宙先生役の梶裕貴も声で出演。俳優の中で聴くプロ声優の声は、説得力をもって上手いと感じた。
悠宙とどこか似た雰囲気の田所翼に清水一希。金髪じゃないし、レッドだしw。
前説には舟見和利と出演、「ファイナルウェ~ブ」を効かせて「ハデ」じゃなく「ドン」と行くぜ!と力を込めた。土曜日の純矢の「ギンギン」と対照的w。そういや一希&フナミンは『金色のコルダ』でも共演してたんだよね。
一希は安定感ある演技で、真面目さとコミカルさが調和した程よい魅力。ダンスが苦手だそうで、少ない稽古時間の中、みんなに支えられて頑張ったようだ。
松岡祐季のダンスの上手さはピカイチ。長身の山沖勇輝が低音で期待株。久保慶太がイヤミな役ながら流暢な喋り。
映画にも出た、リン@森輝弥、ロドリゲス@飛磨はさすがに達者な演技。ボーイズではないが、DJ Yoshi@田中太郎、リーゼント@前田邦宏が先輩的な実力も披露。
何といっても、全く違う3役を声や見た目や演技で演じ分けた元スタジオライフの舟見和利がスゴイ! デイジーとかジュリエットとか色んな役が思い出されたw。
カテコで役者紹介とひと言ずつ挨拶。AチームとBチーム(翼は篠田聖)では全然雰囲気が違うと言っていたフナミンは、若い俳優たちの熱量に感化されたと満足気。
Bチームもできれば観たかったな。キャパをもう少し広くして再演を望みたい。
終演後は恒例なのか全員と握手会。急かされずゆっくりと進むので、一人一人とじっくり言葉を交わせた。ホワイトデーということで、真ん中の一希がにこやかにキャンディーを手渡し。そういやレッドやブルーと握手したことはあったが、グリーンとの握手は初めてだったかもw。
貴重な時間をありがとう。この中からまた、明日のスター俳優が生まれるかもしれない。楽しみに見守っていきたい。
地球ゴージャス 海盗セブン
2012年3月13日 舞台演劇ダイワハウスSpecial 地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.12『海盗セブン』を観てきた。
地球ゴージャスさんの公演は3回目ぐらい。昨年は“海賊”ブームに明け暮れたのでタイトルに惹かれてチケット取りw。実際は“海賊”と何の関係もない“海盗”の話。
かつて7つの海を盗み出した7人の大怪盗“海盗セブン”。伝説となった彼らを、フィクサー・ジョーと呼ばれる謎の男が、とある依頼のために招く。しかし事態は思いもよらない方向へ展開、真相が暴かれていく。
地球ゴージャス流・冒険活劇。
お金も人力も結集させた、笑って元気になれる、派手で壮大なミュージカル・エンターテイメントだった。
開演前から流れてくる、ルパン風なテーマ曲が心弾ませる。
オープニングのダンス&アクトの迫力と美麗にまずもっていかれる。
セットがまた豪華で、立体的な映像、盆の使い方も効果的。光が当って浮き上がる「海盗セブン」のロゴ、上から吊られた7人のシルエット、何もかもがこれから巻き起こる期待と興奮に包まれそうだ。
一幕は海盗セブンの紹介。二幕は海盗セブンの関係と活躍。
役名そのものがネタになってるし、キャストの役名や背景は秘密にしといたほうがいいだろう。でもま、「ワイルドタイガー」とか「グレーゾーン」とか思い出しちゃったw。もちろんそんなキャラクターではないw。彼らには必殺技もあるが、必殺技にならないし真逆だしw。7人其々にイメージカラーがあるようだが、戦隊ものにはなってないw。
キャラクターの個性とキャストの熱演と意外な魅力が最大の見どころだろう。
作・演出も担当した岸谷五朗。岸谷さんのダンスのキレにビックリ。
今回は地味目だけど派手な格好の寺脇康文。ぬるそうでぬるくない殺陣に注目。歌だけでなくよく踊ること。
大地真央はさすがに宝塚な妖しい魅力。森公美子がキュートに見えて仕方なかったw。
施鐘泰(JONTE)はフツーにイケメン。歌よりもアコーディオンの音色に惹き付けられた。
三浦春馬はやっぱり華がある。コミカルで可愛い格好良い男の子を好演、また新たな境地が広がった。
二幕後半は殆どショーライブ。こういうのは『アルターボーイズ』みたいに、スタンディングして手拍子しながら歓声もあげて大盛り上がりで観たかったかもw。やっぱり若い子たちに注目でしょ。
ハルマ&アミュメン4人のキレキレのセクシー&クールなダンスには釘付けv。誰もが見惚れる。青柳塁斗はオープニングからすぐ分かったが、他3人もようやく本領発揮。ハルマは昨年の『ハンサム』でダンサーになりたいと言ってたが(タケルもダンサー希望だっけ)本物なんだなと実感した。
全員揃っての歌謡ショー。ハルマの立ち位置と丁度直線上で、指差しがズギューンと届く感じw。前方席で手拍子があったが、これから少しずつ手拍子や手振りが会場に浸透していくかな。
結局は“盗む”というより“与える”といった感じのお話。オチは面白かったが、ストーリー的にはインパクトや感動はあまりなかった。地球ゴージャスさんの舞台はいつもこんなものだったか。
豪華キャストの競演を存分に味わい、笑って元気になれたのだから良しだろう。
販売中のパンフは舞台写真のページが間に合わず後日発送。今は買う気になれんわ^^;。3/20より完全版を販売。
そういや『ハンサム』のもう1冊のパンフが先日家に到着したっけ。
地球ゴージャスさんの公演は3回目ぐらい。昨年は“海賊”ブームに明け暮れたのでタイトルに惹かれてチケット取りw。実際は“海賊”と何の関係もない“海盗”の話。
かつて7つの海を盗み出した7人の大怪盗“海盗セブン”。伝説となった彼らを、フィクサー・ジョーと呼ばれる謎の男が、とある依頼のために招く。しかし事態は思いもよらない方向へ展開、真相が暴かれていく。
地球ゴージャス流・冒険活劇。
お金も人力も結集させた、笑って元気になれる、派手で壮大なミュージカル・エンターテイメントだった。
開演前から流れてくる、ルパン風なテーマ曲が心弾ませる。
オープニングのダンス&アクトの迫力と美麗にまずもっていかれる。
セットがまた豪華で、立体的な映像、盆の使い方も効果的。光が当って浮き上がる「海盗セブン」のロゴ、上から吊られた7人のシルエット、何もかもがこれから巻き起こる期待と興奮に包まれそうだ。
一幕は海盗セブンの紹介。二幕は海盗セブンの関係と活躍。
役名そのものがネタになってるし、キャストの役名や背景は秘密にしといたほうがいいだろう。でもま、「ワイルドタイガー」とか「グレーゾーン」とか思い出しちゃったw。もちろんそんなキャラクターではないw。彼らには必殺技もあるが、必殺技にならないし真逆だしw。7人其々にイメージカラーがあるようだが、戦隊ものにはなってないw。
キャラクターの個性とキャストの熱演と意外な魅力が最大の見どころだろう。
作・演出も担当した岸谷五朗。岸谷さんのダンスのキレにビックリ。
今回は地味目だけど派手な格好の寺脇康文。ぬるそうでぬるくない殺陣に注目。歌だけでなくよく踊ること。
大地真央はさすがに宝塚な妖しい魅力。森公美子がキュートに見えて仕方なかったw。
施鐘泰(JONTE)はフツーにイケメン。歌よりもアコーディオンの音色に惹き付けられた。
三浦春馬はやっぱり華がある。コミカルで可愛い格好良い男の子を好演、また新たな境地が広がった。
二幕後半は殆どショーライブ。こういうのは『アルターボーイズ』みたいに、スタンディングして手拍子しながら歓声もあげて大盛り上がりで観たかったかもw。やっぱり若い子たちに注目でしょ。
ハルマ&アミュメン4人のキレキレのセクシー&クールなダンスには釘付けv。誰もが見惚れる。青柳塁斗はオープニングからすぐ分かったが、他3人もようやく本領発揮。ハルマは昨年の『ハンサム』でダンサーになりたいと言ってたが(タケルもダンサー希望だっけ)本物なんだなと実感した。
全員揃っての歌謡ショー。ハルマの立ち位置と丁度直線上で、指差しがズギューンと届く感じw。前方席で手拍子があったが、これから少しずつ手拍子や手振りが会場に浸透していくかな。
結局は“盗む”というより“与える”といった感じのお話。オチは面白かったが、ストーリー的にはインパクトや感動はあまりなかった。地球ゴージャスさんの舞台はいつもこんなものだったか。
豪華キャストの競演を存分に味わい、笑って元気になれたのだから良しだろう。
販売中のパンフは舞台写真のページが間に合わず後日発送。今は買う気になれんわ^^;。3/20より完全版を販売。
そういや『ハンサム』のもう1冊のパンフが先日家に到着したっけ。