舞台『MOON SAGA 義経秘伝』を観てきた。

昨年の『眠狂四郎無頼控』と同じ位チケットが高いが、そこは何とか^^;。
原作・脚本・演出・主演はGACKT。今回は企画協力と衣装コンセプトデザインでCLAMPが参加しているので注目を集めた。

舞台は平安時代、平家を追討しようとする源氏サイド。「人間」と「物の怪」が交わり出現した、特殊な“チカラ”をもつ「者ノ不」たちの宿命と戦いを描く。
主人公・義経も「者ノ不」だが、チカラの覚醒が不明なまま、兄・頼朝の命で、血よりも濃い絆をもつ義仲との戦いを余儀なくされる。
アニメによくありそうなファンタジー・バトルで、CLAMPがいかにも描きそうな話だ。
プロローグや説明のナレーションは若本規夫で、若本節が暗転中の会場を席巻w。

“日本の舞台史を覆す”が煽りだが、高品質のVISUALIVEという印象だ。
映像&芝居+アクションの舞台。『ペルソナ4』や『銀英伝第二章』が浮かぶ。
かなり金がかかっている映像が、とにかくクォリティーが高くて美しく完璧だ。
映像に合わせた役者のアクションも見事。炎や地割れなど“チカラ”の殆どは映像で表現される。
早乙女太一は「物の怪」の一人、影の役だが、映像と重ねたバトルアクションが見どころの一つ。なめらかにしなやかに動く太一の身体と、刀の切れ筋や血しぶきの鮮烈な映像が重なって、美しい戦闘乱舞が描かれた。

ただ今回の物語の主役は、前川泰之が演じる義仲と、大和悠河が演じる巴御前だろう。前川さんは野性味の声と凛々しい外見。大和さんは爽やかな色気で美しく、颯爽とした立ち姿で殺陣も見どころだ。律儀で雄々しい「鬼の義仲」と、夫を心身ともに支える健気な巴。夫婦仲のいいやり取りは微笑ましく、後の壮絶な別れが切なく迫る。
義経の相棒である弁慶は、古本新之輔の高めの声が気になったが、お笑い担当のムードメーカーぶり。三郎は治癒力のイヤシ系で『ふしぎ遊戯』のミツカケみたいだ。どんぐり(どんぶり?)兄弟もそれなりのテンション。
みんな其々にキャラ立ちして“チカラ”も発揮しているのに、肝心の義経のキャラがいまひとつ。GACKT本人の存在感だけが突出しているようだ。

GACKTの義経は少年の面影を残して若々しく純粋だ。背の高い義仲や三郎に囲まれると丸っこく見えるが、外見は『陰陽師』の植木豪タイプに近いかな。でも静はおらず、ダンスもしないw。
盲目的に信じる頼朝と大好きな義仲との板挟みで、悩み葛藤する義経だが、何をどうしたいのか具体的に伝わってこない。流されるままの世間知らずでお馬鹿な末っ子としか映らないw。
GACKTのクールな格好良さが発揮されるのは後半の30分から。武器は両剣の小平太、変貌ぶりは長次の“ろ組”仕様で、『ミュんたま』ぽいアクションに見えるw。もう少し早めに出現してくれれはいいのに。一応決着がつき、さあこれからという時に終了。そして“続”の文字。やっぱ続編があったんかい!?(笑)
エピローグの酒宴のシーンは、どこか『最遊記』もろもろの場面に似ている気がしたw。

仮に続編があれば、頼朝の大橋吾郎、政子の鈴花奈々も続投かな。二人の金ピカ衣装がゴージャスで、お付の者たちの覆面な衣装と同様、CLAMPらしいテイストが現われていた。
女性コロスの新体操ばりの体の柔らかさが目をひく。男性コロスの中には、大和さんのデッカイ胸や腰に触れる美味しい役回りもいたw。

最後はGACKTが唄う大らかなテーマ曲がステージを彩り、神威楽斗のメッセージを映す。
“神威”といえば、CLAMPの『X』と『ツバサ』にいたキャラだなと思い出した。
休憩なしの2時間15分はイイが、チケットの高さはリピートし難いものがある。
ミュージカル『スリル・ミー』初日を観てきた。

刑務所での囚人の仮釈放審議委員会で、「私」は34年前の未成年の時に「彼」と共に犯した少年誘拐殺人事件の詳細について語り始める。
1924年に実際に起きた事件をモチーフに、ステファン・ドルギノフが原作・脚本・音楽を担当。俳優2人と1台のピアノだけで贈る。
昨年9月に日本初演、オリジナルキャスト2組に加え、新キャスト1組と韓国キャスト1組を加えた計4組のキャストで今夏上演される。

開場後にタイプライター不具合のアナウンスが流れ、異例の15分遅れでの開演。
私にとっては初スリル・ミー。
初見は新キャストの良知真次×小西遼生コンビだ。

「私」も「彼」もゲイの設定で、ある程度期待と覚悟はしていたが。
これは、究極のボーイズ・ラブだ!
今までコミックやアニメやドラマCDなど2次元で観ていたBLが、舞台として3次元、いや3D化されて、目に耳に飛び込んで引き込まれる。
実際、客席中央前方は潰されて張り出し舞台になり、二人が前寄りに並ぶと、ホントにこちらまで迫り来るように飛び出してくる。緊張感と喜びを初めて味わうのに、今日は真ん中席で良かった。
二人とも上下に左右にふんだんによく動く。ステージサイトシートもそれなりに近くで観えるだろう。

良知真次は声や姿勢を巧みに変えて50代と10代を表現。眼鏡をかけるとアブちゃんに見えるw。「私」視点で展開するので、つい共鳴したくなる。だが「私」の真骨頂は後半、良知さんの様々な表情と芝居を堪能できる。
小西遼生のこれほどクールな芝居を観るのは、『HUNTER×HUNTER』のクロロ以来だろうかw。腹を立て靴でガツンガツンしたり、家族に絶望したり、新鮮な顔も覗かせる。「彼」は台詞よりも歌のほうが聴き取り易く伝わった。
ソロもいいが、二人が会話のように歌と歌を絡ませてぶつけ合うところはゾクゾクさせる。電話機をもって会話する場面も、二人が向き合う距離感に愛と裏切りが交錯するようでゾクリとくる。
唄い終わった後にも、ピアノ演奏が続くのも不気味さと不安を残す。黒っぽい舞台が、時に染まる赤が鮮烈だ。

「私」&「彼」。攻めが受けに、受けが攻めになる。Sは実はMだったり、MはSにもなりうる。
二度のキスシーンを含め、抱きしめたり抱擁されたり、押し倒したり倒されたり、色んな意味で濃厚で強烈で刺激的。ネクタイを緩めボタンを外して横になった後、すぐまた上着を着るまでの間に彼らに何が起こったのか、想像させるだけなのがまた煽る。
2次元の耽美でエロいシーンがそのまま舞台で再現されているようで、ドキドキした熱っぽさがたまらなかった。しかも演じ手は大好きな二人組。これ以上の眼福はない。ずっとずっと観ていたい。
初日はストーリーを追うのに神経を使ったが、意外と予想通りでもあった。あの展開と心情こそ、腐女子が好むBLだからw。
今度観る時は、絡みのひとつひとつ、歌の1曲ワンフレーズをもっとじっくり味わってみたい。

カテコ1は、ピアノの方も迎えて、高揚感が続いている二人。
カテコ2は、良知さんから手を出して遼生さんも握手しようとしたら、スルリと抜けるお茶目な良知さんと悔しそうな顔の遼生さん。可愛いv。
カテコ3で、肩を組み合って登場した二人。今度こそ握手かと思いきや、ガッツリ抱き合う良知さんと遼生さん。微笑ましい拍手。

日本人キャスト2組も見比べたいためにチケット確保。そちらの席のほうが良かったりw。
来週は田代さん&新納さん(ラッキーにもトーク回)。続いて松下さん&柿澤さん(ラッキーにも遼生さんゲスト回)。いろんなスリルにワクワクしそう。
ミュージカル『忍たま乱太郎』第3弾再演の2回目を観てきた。

初日と違って今日は後方席。全体を見渡すことであれこれと気づけてまずまず良かった。
初日から一週間以上も経ち、さぞ色々なことがあったのだろう。くの一の前説で、小平太@アッキーのことばかり前説で話題にしてたことが分ったが、いったいどんな裏話をしていたのか気になるw。
歌ありダンスあり、アクションあり芝居ありで誰もが楽しめる舞台。ニコニコ動画のカメラもがっつり入っていた。

初日と比べて、歌が随分と進歩していた。土井先生の声もよく出ていたし、利吉もきっちり歌う。一年生の歌唱力やリズム感はもちろん、五年生の歌も明瞭に出ていた。全体を見ながら手拍子は形だけにしたので、六年生のバラード系の曲をじっくり聴けた。前半の「かわいい後輩たち」に何故か現実に起きてるイジメ問題が浮かんで胸がジンとなり、お互いにリスペクトできる六年生を羨ましく思った。初日はエア演奏に気を取られた長次の「無口でやさしく…」も歌詞をじっくり味わい、前山くんの歌もなかなか上手いと思った。小平太が珍しく真摯に唄い出す「いつかはお前たちも…」も心を晴れ晴れとさせる想いを感じた。

感動と共に、笑いもいっぱい運んでくれるのがお約束。
「ニコニコ動画」を強調して、「利子ちゃーん!って弾幕張ってね」と言ってのける利吉@末野さんナイスw。その利吉もドクタケにY字をヤられたり体操技を披露したりと、再演はコミカルでプロな利吉が目立った。
牢屋の扉が壊される前に壊れたりw、立ち回りで武器がこぼれ落ちたりと、ハプニングは色々起きれど、全部笑えてしまうのがミュんたま。

劇中では、留三郎&文次郎、文次郎&小平太の組み合わせがこびり付いたが、カテコではやはり組別のカップリングw。一年生も2人ずつ出てきて、2人×6カップルで登場、前もってネタを仕込んでくる組もいる。観ながら、これって『遙かなる時空の中で』の天地組と同じ状態だなと微笑ましく思った。男の子2人組って何でもかんでもイイもんだw。
「勇気100%」は舞台バックに歌詞付き。五年生は2階へ。六年生の客席降り&ハイタッチに忽ち沸く会場。後方席にも小平太や長次が来てくれて、ステージの帰り道に竹谷も来てニッコリ。

キャストもスタッフも全力ギンギンで、お客さんとの一体感も楽しく、今まで観た中では最高のミュんたまだったと思う。
ただ残念なのは、ストーリーとしてはまとまり感が薄く、最低のレベルだったこと。主役は仙蔵だと思いきや、後半は伊作や長次が目立っていたり。キーマンの山賊1号は結局自己完結し、仙蔵との絡みもない。上級生や下級生の繋がりや見せ場はあれど、登場人物の感情の推移や成長の様子が伝わってこない。
キャストやネタやギャグに頼らず、物語として見るに値するものを提供して貰いたい。

第四弾も来年あるそうだが、六年生は入れ替えになるようだ。一年生も、きり丸なんて伊作より背が高くなってるし、続投はムリそうだ。でも山田先生&土井先生&利吉だけでも続投して頂きたい。


アフターお楽しみ会。初日はなかったが、この一週間、またコレをやってたのか。
今回は初の六年生全員集合で、六年生組対抗大運動会!(^o^) 伊作&留三郎(は組)仙蔵&文次郎(い組)小平太&長次(ろ組)が定位置の並び。競技種目解説をトモミが、デモンストレーションをユキとシゲが担当。ぶっちゃけこのコーナーは、くの一が仕切るw。

第一回戦は「フワフワ・マシュマロ・キャッチ」。仙蔵→文次郎ナイスキャッチ。
第二回戦は「グルグル・パニック」。刀グルグルは小平太は弱いらしく長次担当。文次郎速い。
第三回戦は「二人で協力トライアスロン」。1位に一万点w。逆立ち歩きは伊作が速い。
優勝は組!最下位ろ組。小平太はマシュマロでリベンジ狙うも逆転ならず、床でジタバタw。「しょうがねえな」と劇中とはうって変わって強気の伊作w。ろ組のバツゲームはロシアンシュークリーム。こういう時は強運の小平太、伊作並みに運が悪い長次。アッキーにイジられ巻き込まれた感の前山くんがカワイソウ。

最後に六年生。あと3公演だが全力を出していきましょう!と仙蔵が挨拶して終了。ラスト観劇でイイものを観れて楽しかった。
第2弾再演のDVDはもうダメかな。第3弾再演のDVDをお願いしたい。
つかこうへい三回忌特別公演『新・幕末純情伝』を観てきた。

幕末の京都を舞台に、新撰組の沖田総司が実は女だったというユニークな着想のもと、幕末の若き志士たちの熱き恋模様を描いた、つかこうへいの代表作のひとつ。

昨年観たばかりなので、私にとっては、キャストやスタッフや箱を替えての再演という形に見える。
つかテイストをふんだんに盛り込むも、昨年のものよりは洗練されパワーアップしているように思えた。

若手を中心にしたダンスは今風でよく揃うw。ネタやギャグは2012年版で結構笑えた。ディズニーランドにスカイツリーまで出て、消費税増税のため生命をかけますと容易く言ってくれるw。役者名まで堂々と出し、しっかり劇やってますのテイストは悪くない。「吉田さん」「桐谷さん」なら分るが、2度も出てきた「ココア男。」は知らない人はわからんだろう(笑)。こういう気安さが、つか作品にぎりぎりマッチングするから面白い。

七代目沖田総司は初舞台の桐谷美玲。見た目は細くてスマートで憂いのある表情でいいが、芝居は情けないほど力不足。前半は小さな声と棒読みの台詞、硬い表現とろくに動けない殺陣に、不安でどうしようかと思った^^;。彼女のできない部分を周りが補って支えて進行していき、後半は少しずついい芝居になってきた。この図式ってまるで『ギアミュ』の心平くんみたいだなw。でも肝心のラストで台詞の言い間違えと言い直しがあり、観客に気づかれないようにできなかったのが残念。カテコでもやや気落ちした表情。やはり経験不足が痛い。

坂本龍馬には「つかこうへい劇団」1期生の神尾佑。さすがだ!濃厚でメリハリがあって、膨大な台詞がちゃんと自分のものになっている。聴き取りやすく、ひと言ひと言が咀嚼できる。長身で凛々しく頼もしく、ひょうきんでチャーミング。赤ブラの色気もまずまずかw。昨年の馬場徹くんも悪くはなかったが、神尾さんの龍馬は一枚も二枚も上だった。
ただ総司と並ぶと年齢差で、歳の離れた兄妹か父娘にも見えてしまうのが惜しいw。でも二人のシーンは、神尾さんの気迫が伝わるのか、桐谷さんの演技にも安定したものが見られた。

昨年と同じ岡田以蔵の和田正人は、よりシャープで豊かで、成長を重ねた味のある存在感が出ていた。神尾さんとの相性や釣り合いもいいのか、息の合ったコンビぶりは観ていて楽しい。
鎌苅健太の土方歳三は、ヘタレ度が目立っていたが、関西風な空気がぴったりでツッコミ具合が抜群。ベテランとの対峙にも負けない力強さがあり熱演が光った。
山下翔央はバク転など軽妙な動きで、強そうに見えちゃうw。『戦国鍋TV』でもお馴染みの菊田大輔は、岩倉などで妙な色気を振りまいていた。『大江戸鍋祭』では龍馬をやった平田裕一郎は、ここでは何と裕一郎の役w。
『神様の観覧車』以来の平沼紀久はしたたかさを覗かせ、ケンケンとの活発なやり取りが見どころ。広海深海ってオカマの双子だと初めて知ったが、二人の黄色い声は舞台の明るいエステに変化w。
つか2期生の吉田智則が若手を圧倒するようなつか節を披露、何故か今回は可愛く思えてしまう。『幕末純情伝』では以蔵役だった山本亨の勝海舟はやや武骨、色っぽい菊田くんに絡め取られる“受け”役としてはキモイw。

バラエティある男たちに比べ、沖田の存在感が薄い。中盤しばらく出てこない彼女のことを忘れそうだったw。昨年沖田をやった鈴木杏と神尾佑の組み合わせを見たかった。杏さんのほうが、胸も尻も触り甲斐があるだろうにw。
年齢的にはケンケンのほうが龍馬で、神尾さんが土方だとしっくりくる。沖田には八代目を用意して貰って、また色んなキャスティングで観たいところだ。

激しく刹那に燃えたラブストーリーでありながら、ある意味、革命家と政治家の話でもあった。革命をやる人と政治をやる人とは違う。
人のため国のためと言いながら、己のために利権争いを繰り広げるのが政治家。現実の政局や世の中が不安定であればあるほど、この舞台の内容がより鮮やかにリアルに迫ってくるのも皮肉である。
だからこの舞台を必要とされる人によって、来年も再演されるであろう。
パルコ・プロデュース公演『なにわバタフライ N.V』を観てきた。

2004年に誕生し、2010年のニューバージョンを経て、100ステージを迎えたロングラン公演。
浪速の喜劇女優「ミヤコ蝶々」をモチーフに、三谷幸喜の脚本・演出で練り直された、女優・戸田恵子の“一人芝居”。
ドラマ『鈴子の恋』で興味をもち、先日観た『桜の園』とセットで取ってみた。

ステージにポツンと置かれてるのは、大きな風呂敷に包まれた舞台の家財道具(?)。前説から登場した戸田恵子が、先ずセット作りから始め、場ツナギも全部担当する、究極の一人芝居である。
大阪公演前に蝶々さんのお墓参りを念入りにしたことやお客さん参加型なのだと、軽やかで達者なお喋りで、本当の開演前から観客を惹き込んでいく。

さっきまで素に見えた戸田恵子がクルリと後ろを向き、こちらに現れた顔は、もう一人の別の女の顔になる。仕事に生き、恋に生きた一人の女。関西弁がまた粋で達者で場を踊る。
照明や音響などスタッフワークが実に素晴らしい。舞台上でも彼女がスタッフを名前で呼んでいて、息ぴったりのチームワークを感じる。
ひとり芝居のやり方には、相手も演じる兼ね役だったり、相手の台詞も言って会話を成り立たせたり色々ある。戸田さんも声や表情や仕草を巧みに使い分けて、どんな方法もやってしまう。ただしどれも、しつこ過ぎないのがいい。
年代や季節や状況による、着物の着替えはあっという間。裾を忽ち長くしたり、帯の替わりにガムテープを巻いたりして、簡易型の着物がとても興味深かった。あれが日常に流通されてたら、私でも簡単に着れそうだw。

登場人物は実はちゃんとした“名前”がない。主人公でさえ名前で呼ばれないw。彼女以外に出てくるメイン5人は全部“男”で、彼女は彼らを、お父ちゃん&兄やん&ボン&師匠&ボクちゃんと呼ぶ。
男たちはみんな写真のフレームで表されるのが面白い。小から大まで、質や色で彼らは区別され、広げられたり畳まれたり伏せられたり飾られたりと、扱いも出番もたいへんだw。
男たちの顔や性格は固定されたイメージを避けており、ぼんやりと想像させるに留まる。むしろ『鈴子の恋』に出てきたキャストの顔が浮かんでしまった。ただし「小犬のような目をして母性本能をくすぐる」ボクちゃんの顔だけは、つい“黒子(@バスケ)”が浮かんできちゃうw。

戸田さんによる濡れ場前のひとり悶えシーンが、同じ状況下で二度行われ、予想はつくけれど面白かった。戸田さんにもう少し色気があったらなぁw。10代の少女の時にももう少し恥じらいがあったらなぁw。勇ましく威勢がよく格好良いけど、しなやかさや愛おしさがもう少し感じられれば、感情移入できたかもしれない。
描かれる男たちの様相もごくごくあっさり。彼女に色々と教え成長させて羽ばたかせる、いわば彼女を作り出すエキスにすぎない。
「バタフライ」とは彼女の名に由来するものだけでなく、蜜を与える花から花を飛び回る、本来の“蝶”に起因していたのかと知った。

「取ったもんは、必ず、取られる」。同じことを繰り返す、因果応報な人生を送った、ある喜劇女優の切なくも逞しい生き様。
戸田さんの力量ならではの、愉快に軽妙に運ばれた物語だった。ただ、観た後はあっさりと感動が飛んでいくような、蝶のような舞台だったかもしれない。

だいぶ前に戸田さんと中尾さんお二人だけのイベントを観たが、先週は中尾さんで、本日は戸田さん。
戸田さんにはいつか、ご自身の半生をオタクちっくに芝居して頂けたらと思うw。
FREE(S)『DREAM』の第一章『Dream-dandelion-』初日を観てきた。

第一章から第三章までシリーズを週替わりで公演する『DREAM』。キャストも章ごとに少々替えてくる。
『ふしぎ遊戯』観劇の後だったし、3公演セット割引価格に釣られて取ってみた。

北海道から出てきた若者たちが集うバーが基本的な舞台。第一章は新人ダンサーの過去の過ちに絡んだある事件をきっかけに、ダンサーとして新たな道に向かう青年と彼を取り巻く仲間たちの姿を描く。

冒頭に登場するのが北海道から来た面々(七人か)。全員の顔を確認できなかったが、シリーズの主人公は広瀬友裕演じるサトシ。独特のオーラを放つサトシが言った「信じ、待ち、許す…それが、友達だ」が作品のテーマの一つとなっているらしい。
最初は七人とは関係ない若者たちのダンスシーン。誰がキーマンで誰が主役なのかわからない困惑感ですぐに入れない。見知っていないキャストも多く、似たような人物が沢山登場するので、名前も覚えきれない。
オリジナル作品ならではの根幹部分が見え難く、やや単調で平坦なドラマ。キャラの把握から始まるが、実力者が少ないためか、素人演劇を観ているような感覚にもなる。

主人公サトシは存在感はあるが、まだよく分らない男。カズキという友人を死なせて自暴自棄になり、俺のことはほっといてくれと言いながら、女とヤることはやってる(笑)。サトシの“夢”って何だったのかな?
第一章の主役がユウジだとしたら、感情の変化の場がもう少し欲しい。姉御肌のキョウコとユウジの関係もそうだったの!?的に唐突。ユウジのダンスシーンがなかったのが残念でもある。
ユウジとカズキがお互いに夢を確かめ合う友情は、ベタだけと爽やか。友達って数時間で作れちゃうんだねw。でもケンジとリョウはほったらかしで、彼らの今後の動向が気になる。

狭いステージではとても進行できず、客席も頻繁に使われるが、狭い通路をすり抜けるように歩く役者が気の毒。
作品で一番デンジャラスなリョウ@玉城裕規が隣を通る時に、ほんわかビオレなシャボンのにおいがしたw。ユウジ@篠谷聖がすぐ隣で台詞を言ってる時は、接近具合についドキドキv。
寿里のオカマが何故か説得力があってキレイw。キョウコ@宮地真緒との他愛ない会話に、もうひとつの『ふしぎ遊戯』を見たw。
バーは固定されてるので、場を変換の際に取り忘れられた衝立を、寿里があらま!って感じで回収するのが面白かった。
星羅の歌う「ダンディライオン」が第一章のテーマソングか。最後に流すキャスト紹介の映像がドラマっぽい。

第二章はまた別のキャストが参入。第三章まで続くが、サクセス・ストーリーと名うってるので、突然の悲劇とはならないだろう。
T-PROJECT vol.2『ハリウッド再臨』初日を観てきた。

田中正彦さんプロデュース公演の第2弾。
2月の昴パーティーでご本人様から直接この舞台のことを伺って楽しみにしていた。
第1弾の高木渉さんとの舞台は見損なったが、今回のお相手はDCでお馴染みの川島得愛さん。
役者や関係者もおいでになる中、見知ったDCの方もおいでに。中尾さん&関さんから花壇も届いていた。
そして、川島さん繋がりで東地さんの姿も! ドキドキしながら開場前に握手して頂いたv。

劇場は元映画館だったというシアター711(ザ・スズナリの隣)。2009年頃に劇場になったそうで、ゆったりなイスやお手洗いにも昭和のムードがする。初日とあって簡易椅子も使われるほどの盛況だ。
今回の作品は1980年代後半のハリウッドが舞台。往年の映画やスターを扱う内容として、この劇場はまさにピッタリ。開演前に懐かしの映画メロディーが流れる中、誰もが目に付いたのが、映画監督のオフィスの天井から吊り下げられた自殺用のロープ。物語はここから始まり、ここで終わるw。

移りゆく時代の流れについていけず9年も映画を撮っていない老監督ボビーと、3本の契約を結んで乗り込んで来た新人脚本家デニス、2人を見守る世話好きの助手のメアリー。3人の想いと会話が交錯し、新しい扉が開く。

3人芝居なので、とにかくものすごい台詞量!
表情を変えた台詞をとどめなく発し、途中一幕以外は殆ど出ずっぱりの田中正彦さんに心から敬服。あんなに質量があったのでは、たまに台詞にごちゃまぜがあっても気にならず、また上手いアドリブで笑わせること。前方席の私とたまに目と目が合った感で、ドキリとさせる男の色気も放つ。情熱的でやんちゃな男を魅力的に熱演されていた。
眼鏡で登場した川島得愛さんは、一瞬福山潤に見えるほどw若々しい。ハンサムでスマート、達者なお喋りと知的な雰囲気はピッタリ。田中さんとの息ぴったりの掛け合いには、緊張感を楽しむ肝っ玉が垣間見える。今風のシニカルでしたたかな若者を好演していた。
宮寺智子のちょっと強気で穏やかな表情と口調が舞台の癒しだ。年齢的経験的にもボビーを親身に思う味方だが、新進気鋭のデニスもちゃんと評価する。快活で前向きな女性の代表として頼もしい存在感だ。

3人とも外ドラや外画で其々活躍し共演もしているからか、醸しだされる雰囲気も外国風なイメージだ。
衣装も場ごとに変わり、日時の推移も確認できるが、パーティー用の黒いスーツなど実によくお似合いだ。
悪くいえば、未練がましく頑固な老人とお調子者で計算付くな若者とお節介でしつこいオバサン。でも3人其々に共鳴できる部分があり、みんなが愛おしく思えてくる。3人とも善良で誠実な人なのだ。きっと登場人物に作者リー・カルチェイムの人柄が出ているのだろう。人物を愛せる作品にイヤな印象はわかない。

エッジとかヒップとか、いまいちピンとこないが、言葉の緻密さよりも内容の大まかさで伝わってくる。ユーモアや毒やギャグを含んだ台詞は、掛け合いを通して笑えて楽しめる。
たくさんの映画作品や俳優の名が出てくるところは、前に観た『風とともに来たる』に似ているか。あれも監督か誰かのオフィスの中が舞台だった。

「老いていくことは人から忘れ去られること」だと誰かが言った。それでも、どんな手を使ってでも、自分の作品を世に出したいという貪欲と切望は、前日観たガリレイの気持ちとも重なる。それこそ「生きる」ってことだ。でもそれが他人の手に渡るということは、まるで手塩にかけて育てあげた娘を知らない男の元へ嫁がせるようなもの。
私がメアリーだとしたら、きっと同じことをしただろう。だからドンデン返しには映らなかった。オチの決め台詞はベタで予想通りだが男だけのもの。
老いた男と女の生き様を楽しみ、息子や娘世代を眩しく思える舞台であった。

T-PROJECT vol.3は、同じカルチェイムの『ディファイルド』再演。高木渉さんや落合弘治さんとの共演に期待。
演劇集団円公演『ガリレイの生涯』を観てきた。

16世紀のイタリア。コペルニクスの地動説を支持し、望遠鏡を使って天体観察や数々の発見をしたガリレオ・ガリレイが、学会やローマ教会の圧力や断罪にあい屈服しながらも、科学者としての誇りと忍耐を貫いていく話。
ベルトルト・ブレヒトが1945年の原爆投下の報で改筆した作品を、円の新鋭・森新太郎が演出した。

無数の本やチラシが雑然と置かれた殺風景な部屋には机と椅子が置かれ、床には地球儀が転がっている。部屋には幾つもの扉があり、たくさんの人々が出入りする。主人公は普通のオジサンにしか見えないが、口から飛び出すのは“木星の4つの衛星”や“太陽の黒点”や“金星の食”とおそろしく宇宙的なことばかりだ。
小さな部屋がガリレイを通して、忽ち壮大な宇宙と繋がる。このギャップが面白い。
知的好奇心を大いに刺激され、科学と現代社会をも考えさせる舞台であった。

舞台奥をスクリーンにし、シーンごとの要約を映してくれるのが親切だ。
ガリレイと同じ年に誕生したのがシェイクスピア。いかにもな難解で比喩的な台詞や専門的な言葉も出てきて、テンポも早い。だがたまに笑える要素もあり、ストンと響いてきて、とっつき易くなっている。
キャストの現代風な衣装も、動きやすさも兼ねていい試みだ。目の前でガリレイが着替え、大司教の衣装替えも見られ、気安さの中にちゃんと礼儀を踏まえている。スモッグやシュプレヒコールなど現代風なアレンジも目につく。
一幕当初はガリレイの人となりになかなか感情移入できず、たまにウトウトしそうになった。最前席だったから余計に緊張。二幕からは俄然テンポアップ、ぐいぐいと引き込んでいき、脚本の力強さが感じられた。
ただ3時間の大ボリューム。若い役者はともかく、年配のベテラン陣の中には台詞にやや不明瞭な部分があり、後半は疲れが見えてきた。でも役者と反比例するように、ドラマ自体は面白くなっていく。

ガリレイの吉見一豊は中盤をのぞきほぼ出ずっぱりで、外見上どんどん変化を見せる。台詞の量が半端なく、高いテンションを保つのも大変だろう。飄々とした人間臭い中に信念のある生き様を表現し、偉大な科学者をエネルギッシュに演じきった。
ガリレイの娘ヴィルジニアの乙倉遥、ガリレイの弟子アンドレアの戎哲史が、爽やかな中に苦悩を繊細に表現していて好演。
18人が兼ね役でメインを引き立て支える。高林由紀子、石田登星、高橋理恵子ら馴染みの役者もおり、カツラを被った伊藤昌一はすぐに気づかなかったw。
顔ぶれからして、一昨年に森さんが演出された『死んでみたら死ぬのもなかなか四谷怪談-恨-』が思い出された。

「知る」ことは生きることでもあると思っていたが、知ってることを偽ることは犯罪にも値するとガリレイは言った。地動説も天体の発見も神の教えに叛くと、ローマ教会はガリレイに幽閉生活を強いたが、研究することは許していたのだからやるせない。つまり「研究」はいいが、世に「発表」してはいけないのだ。学術に関わらず、知ってることを見聞きしたことを発表したい表現したいと願うのは、人間の“性”なんだろうと思う。でもそれは人によっては喜びにもなり、ある種の人にとっては脅威にもなるのだろう。
「科学」についても同様だ。アトムの歌詞にあったあの頃の「科学」には誇りと未来があった。科学はやはり人の役に立たなければならないとガリレイも言った。だが現代において科学は、喜びにもなるが脅威にもなるのだ。
震災後にこの舞台の上演を決定したそうだが、ガリレイのラストのメッセージは“原発”を思い出させて、ゾクリと込み上げるものがあった。

ガリレイが最後にしたためた「科学」は国境を越える。重そうなトランクを抱えて客席降りをする青年の姿に、もっと重い責務が感じられた。
ラストの少年の名が、ピノッキオを作り出した職人の名と同じなのも意味深い。
リンゴならぬ石ころを劇中でガリレイは何度も床に落としていたが、ガリレイが死去した年にニュートンが誕生したのも興味深いだろう。
ミュージカル『コードギアス 反逆のルルーシュ -魔人に捧げるプレリュード- 』千秋楽を観てきた。

銀河劇場が3階席まで埋まっているのを久しぶりに観たw。
前回は最前だったが、今回はI列真ん中辺りで、見逃した点や見切れた所もしっかり把握できた。

見れば見るほど、ルルーシュ&高木心平、総受けな舞台w。
先週と比べて心平くんの歌にも声が出てきて進化を感じられた。だが主役にしては、あまりに出番もソロも少ない。二幕の扇(咲山類)の歌も本来ならルルが唄うべきだろうし、スザク(中塚皓平)とロロ(颯太)のダンスに加わったトライアングルも見たいところだ。だが基準がDIAMON☆DDOGSなので、心平くんではどうしても力不足。心平くんの足りないところをみんなが補って導いた舞台だったが、ルルの感情の起伏や気持ちの推移が伝わり難い結果になった。

一幕でルルを支えるスザク&ロロの踊りが息ぴったりで、ホントは仲がいいんだろと思えてくるw。中塚さんは髪型ひとつで若々しく見える時があり、ダンスのみならず歌声もよく出ていた。颯太もよく唄う。
ジュディ・オングな皇帝(東山義久)やゼロ(長澤風海)がルルを席巻する。長澤くんはバレエなダンスだけでなく、口を開いた低めの声がゼロっぽくて実にイイ。東山さんは年齢上ちょっとお疲れ気味か、ジャンプがやや低めでステップが重く見えた。
ディートハルト(森新吾)の語りの声もやや掠れがち。
シュナイゼル(小林遼介)は話し方や歌声にも迫力と品があって、思ったよりもハマっていい出来だ。
ユーフェミア(三上俊)は満身創痍。ひとつひとつの動きや指先にも魂が感じられる。ユフィがルルを導く様子はお姉さんと弟の雰囲気かなw。
D☆Dと一緒に踊るジェレミア(堀川剛史)はある意味貴重だろう。

一幕は話が進まないのでちょっとウトウト。二幕からはユフィを中心に集中できた。やはりドラマ性がもっと必要だ。
舞台のライティングを全体的に眺められたのは良かった。前回は気づかなかったが、二幕終盤に大きく片手だけ出てくるのはひょっとしてKMFか!?w
舞台の雰囲気は、一昨年観た『蒼穹のファフナー』と似ている。あちらは数話だけを掘り下げて進行したが、ヒロインの悲劇や人間関係、ロボットのモチーフなど、切なさと力強さが共通している。こちらは歌や踊りが多い分、よりエンタメ性を追求した作品にはなっている。

白い衣装に着替えたキャストが、劇中の歌を2曲アンコール。この辺りはアルターボーイズのノリだw。
コーネリア(TAKA)のテーマソング唄い出しから、全員が出てきて歌唱。先週と比べて客席の手拍子も熱い。ルルとロロが肩をくっつけて唄ってたが、寂しそうなスザクにユフィがすかさず飛び込んで、会場を沸かした。
カテコは東山さんMCから、ロロ、スザク、ルルの挨拶。みんなに支えられてきた心平くんは挑戦する喜びとお礼を述べた。
カテコ3回目でスタオベ。丁度ユフィの直線上の席なのもナイス。閉幕までみんなしゃがんで手を振ってくれるのが見えた。

来週からは『スリル・ミー』で5回もこの劇場通い。遠いし交通費かかるしでツライな。
Office ENDLESS Prodhuce vol.11『四谷怪談』を観てきた。

原作は鶴屋南北だが、構成・演出の西田大輔が大胆に改訳。
ある連続監禁殺人事件(7人も!?)の真相と、お岩をめぐる男女絡みの赤穂浪士事件とをクロスオーバーさせた、新感覚のホラー・ファンタジーとでもいえようか。

ゲスト以外は殆ど兼ね役。着物1枚を着脱するだけで、現代劇にも時代劇にも対応でき、スピーディー感はある。
殺人事件の真相を追う刑事役の佐久間祐人が、語りと被害者を兼ねる狂言回しな役。お岩の田中良子が、作品全体に設問を投げかけるキーマンか。もうひとりのキーマンの少女が、設問に答える形で重要な役割を担う。

現代と江戸がクロスする複雑な展開で、次々に場面が変化するので、付いていくのがやっとだが、特に難しいということはない。
問題は、常に観るほうの胸に迫ってくる、おどろおどろしい雰囲気と泥沼のような関係性にありそうだ。
現代劇では絶えず暴行シーンが繰り返され、やがて家族間による残虐な殺戮に繋がり、目や耳にギンギンガンガンと響いてくる。思わず目を背けたくなる場面もあり、平然としては観ていられない。
だが人間の感覚は麻痺していくのか、怖いもの見たさもあるのか、観ていくうちに作品世界にどんどん引き込まれていくからフシギだ。頭はボンヤリしていても、目や耳が研ぎ澄まされていくのを感じた。

休憩中にやっと気づいたが、舞台上には解体された人間パーツのオブジェがたくさん並べられていたので、ゾクリときた。
ライターの火とルービックキューブがモチーフか。
殺陣もあったが、刀よりも通電の機械のほうが恐ろしい。あの光と音と悲鳴はリアルな分、気分が悪くなった。
四方を囲まれた特設舞台で、方向や見方によっては人や物が隠れるが、思ったよりも観やすいから困るw。自由席だったので出入りし易い通路側にしたら、扉からひっきりなしに人が通ってステージへ。プチ緊張と生々しさが走ったw。

お目当ての根本正勝は、作品の根幹には直接関わらない役で、ある意味ほっとしたw。人情味と人望あふれる凛々しい大石内蔵助で、妻子への優しさも見せる、出来た男っぷりだ。殺陣も少しはあり、根本さんらしい穏やかな風を舞台に運んでくれた。
ゲストの高崎翔太の若々しい殺陣やアクションも見どころ。快活さと切ない恋心を上手く表現していた。
村田洋二郎の伊右衛門は哀れでまだ同情できる。でも今回も西田大輔が底知れない恐ろしさで人々を陥れ、ものすごく憎たらしく思えたw。
そして、やらないと自分がやられるからやったと、自己保身を訴えた無邪気な少女Aに、自分を想う狂気を見た。鮮やかな片岡花絵さんがスゴイ。

こういう作品は休憩なしで一気に観せたほうが心に残るものもあると思うが、じわりじわりと進行していき、エピローグもだらだら。
くどくて長くてたっぷり3時間!辛かったw。

今後の予定。根本さんは『裏僕2』と『僕飛び』。翔太くんは『タイバニ』。
舞台『ある日、ぼくらは夢の中で出会う』を観てきた。

1984年の初演以降、数多くの劇団によって上演され続けた、劇団ショーマ・高橋いさを氏の代表作の1つ。
2007年のネルケ版は観たので、約5年ぶりに演出・キャストを一新したリメイク版も観たいと思った。

とある4人の刑事と、とある4人の誘拐犯。テレビや映画で観る自分の常識が、実は現実とは違うと3人の仲間に教えられた青年が、交錯する2つの世界で堕ちていく。

現実と虚構が交錯するメタフィクションの世界は、突き詰めてみても意味がわからない。
お話や感動うんぬんより、ここは4人のキャストの息の合った芝居や演じ分けを楽しむのが一興だろう。
登場する刑事たちが、役者の名前そのまま使ってるのも面白い。

相馬圭祐は、前回永山たかしがやった役で、受け身で一番難解な役どころだ。永山さんの時には大いに同情したが、相馬くんは困惑感が薄くデカくて強そうに見えるので、あまり感情移入しなかったw。
大口謙悟は大らかな構えの中、怒声の迫力と天然なチャームさがポイント。
赤澤燈が柔軟で真面目な芝居で、思ったよりもいい出来だ。
辻修は独特の濃さが面白いが、女声や子ども声がいまひとつ。

舞台が一段高めに設置されていたので、前方真ん中席だと見上げる形になり、テーブルの上にあるものが見え難かった。
前作もそうだったが、毎回、ケーキやラーメンを食べる3人はやっぱり太くなりそうだw。
前作はツナギの色がカラフルだったが、今回は一色で統一、代わりにワッペンなど小物で個性を表現。
前作は暗転の間が長かったが、今回は割とシンプルで飽きはこない。1時間15分という短さもスッキリする。
ラストはこんなオチだったかな。ちょっとアレンジされているようだが悪くはない。相馬くんに全てがかかっているw。

終演後は抽選会。賞品はポスカや撮影権利で、相馬くんがスジレンジャーなポーズを披露。会場全体で盛り上がらせる。
当たるハズはないので早々と劇場を出たw。
舞台『蒼い妖精とピノッキオ』を観てきた。
劇団ひまわり創立60周年記念公演「きらめくいのち三部作」第三弾。
第一弾は『アンネ』第二弾は『カラフル』だったようだ。

「魂をもった人形を人間に変える」使命をもつ妖精たち。しかし人間世界に絶望した「蒼い妖精」は使命を放棄しようと、人形師ジェッペットが孫娘マリアのために作った人形「ピノッキオ」に、“元”人形の人間たちの現在の姿を見せようとする。
100年以上前の名作をモチーフに、横山一真が書き下ろし、山下晃彦が演出。
和田啓のオリジナル楽曲が彩り、ナマ演奏が場面を潤す。

ベテランから実力ある若手や子役まで、ひまわりのバランス良いキャストが出揃い、客演やコロスの豊かなテイストが支えて、美しく深みのある世界観とエネルギッシュな舞台に仕上がっていた。

中嶋朋子の蒼い妖精は、苦悩を背負った頑固で憂いを帯びた存在。人間になりたいかと甘言をもってピノッキオを、いわば自分の“失敗作”の人間たちの所へ強引に送り込み、結局は元人形の人間たちを非業の死へ誘うのだから、観てるだけでは妖精というより“死神”に近いw。人間の生死に関わりながら、彼女が何をしたいのかがいまひとつ掴めず、蒼い妖精にあまり感情移入できない。
蒼い妖精に引っ張られ状況に巻き込まれるピノッキオの馬場徹は、当初は受け身の役で、柔軟な感性と繊細な動きを必要として、なかなか難しいと思う。後半にかけてピノッキオの力強い意思が表現される。人形には珍しく、踊るピノッキオも見どころのひとつ(笑)。
面白いキャスティングだなと思ったのが加藤清史郎の知恵の妖精。冒頭に登場した時は、彼が“人形”ではないかと思うほど、チョコンとしてて愛くるしい。でも、このお話で一番ものしりで偉い役w。いまいちカツ舌に不安があるが、難解な台詞をこなし、蒼い妖精とは対照的な明るいオーラを放っている。
今回の一番のお目当ては桑野晃輔。彼の舞台は殆ど観ているが、ひまわりとしては『アンネ』以来かな。ミスター・フォックスは元人形だが、93歳のおじいさんと20代の青年をしっかり演じ分けて、見てるだけで楽しい。“夢”を追想する場面を情感豊かに表現していた。
演劇集団円の立川三貴が人間臭くジェッペットを演じる。ピノッキオの旅が何年にも渡って続くのでマリアも三人一役になり、「ダレ?」状態になるのが面白い。
知恵の妖精を肩車する夜霧の妖精の鈴村近雄の飄々とした姿が印象に残った。

妖精たちはグレーの長いコートで統一。清史郎くんのシルクハットが可愛い。フォックスは白い手袋だ。
一番の見どころは、蒼い妖精ともう踊れなくなったフォックスの代わりに、ピノッキオが立候補し、蒼い妖精とピノッキオが踊り、やがてフォックスが幻の中で二人に加わってトリオで踊るシーン。歌も流れていたら盛り上がっただろうし、もっと観ていたかった。
物語全体のトーンがあまり笑いどころもなく暗かったのが残念。ミュージカルとはいかなくても歌やダンスをもっと盛り込んで、明るい色彩で包まれていたら、“いのち”のきらめきをアグレッシブに感じられたと思う。


アフタートーク。タンバリン音を響かせ、右から、和田啓(音楽)横山一真(脚本)桑野晃輔、加藤清史郎、馬場徹、山下晃彦(演出)が登場。山下さんがMC。2日目を迎えて感想。

馬場くん。ピノッキオはチョコマカ動くので体が休まらなくて正直ヘトヘト。“木の人形”だから感情も感覚的にわかるだろうと、表現が難しかった。言葉との格闘だが、時間がかかりながらもやっていきたい。
清史郎くん。しっかりした妖精で、絶妙的というか微妙な役どころw。役の性格と難しい意味の言葉や台詞をこなし、醍醐味とか強く伝えられればいい。
桑野くん。難しい役だが遣り甲斐はある。声や姿勢を研究したが、全てが難しい。こんな93歳はいないだろうと思って演じたw。
横山さん。公演中も3人が少しずつ進化していて面白い。脚本は桑野をイジめてやろうと(笑)普段やらない役をアテガキで書いた。清史郎くんの役はスター・ウォーズのヨーダみたいなイメージw。
和田さん。演奏はナマでやる醍醐味。瞬間的に合わせてやる音もあり、清史郎くんの“間”が毎回変わるので潰さないようにやっている。ピノッキオには軽めの音など音響も工夫した。

20分位あり、最後はみんなが立ち上がってお礼。
今後の活躍が大いに楽しみな若手が一同に介す、貴重なひと時だった。
ミュージカル『王様と私』を観てきた。

チケットありがとうございます。
1950年代のユル・ブリンナー&デボラ・カーの映画は昔テレビで観たことがあり、記憶を辿りながらの観劇。

1860年代のバンコック。夫を亡くしたイギリス婦人アンナ(紫吹淳)は、王子や王女の家庭教師として王宮に迎えられる。封建的で頑迷なシャムの王様(松平健)と近代の風を取り入れるアンナは最初は対立していたが、次第に引かれ合うようになる。

「The King and I」と書かれた緞帳が美しい。幕が上がる5分前から美しい音楽が流れ、会場を世界観に誘うようだ。
アンナに家を提供する約束を反古しながら、王より頭を低くしろと家臣扱いする王様。約束を守って下さい、私は家臣ではないと、断固言い張るアンナ。二人の強烈なやり取りは見ものだ。そのくせ、母国の危機問題や晩餐会の歓待などアンナの助言を自らの考えとして採用する上機嫌な王様。なんたるツンデレの典型!w
二人の対立と理解と共感を細やかに描き、総理大臣や第一夫人など周囲の考えや言葉が包み込み、子どもたちの素直な心が散りばめられて、結び合う人と人との交流が優しく描かれていた。

ツルツル頭の松平健は、逞しい胸と引き締まった身体も見事で、こんなに赤が似合う人もいまい。厳格でとっつき難そうにも見えるが、実はお茶目で子どもには優しい。健さんの人柄を感じさせる人間味豊かな王様だ。
紫吹淳はチラシよりもうんと綺麗で華やか。教師として母として女として、ドレスと髪型を変えて、芯の通った知的で穏やかな婦人を好演。大きいコルセットのフワリとしたドレスもよくこなして動き、若々しく艶があった。
二人の早着替えもさすがで、様々な衣装で目を楽しませてくれる。王様の渋みのある凛々しい歌声と、アンナの爽やかで美しい歌声も聴き所。
二人の踊る「シャル・ウィ・ダンス」は手拍子も賑やか。王様のダイナミックな足使い、アンナの軽やかなステップも見どころ。セットも開放的でロマンチックに変化する。踊り終わった後の華麗なお辞儀もステキ。劇中では2度踊り、カテコでも踊ってくれて、大いに盛り上がった。

哀しいヒロイン・タプチム役にはいだしょうこ(ダブルキャスト)。『はなまる』ゲストのフワフワ感と違い、凛とした高らかな歌声で切なさを表現していた。
タプチムの隠れた恋人ルンタ役は藤岡正明。素朴な顔立ちと誠実な表情で好印象だが、タプチムの引き立て役なので出番も歌も物足りない。
チャン夫人の花山佳子の歌声が大らかで素晴らしくて圧巻だ。

チュラロンコン王子(春原早希)とアンナの息子ルイス(石井日菜)はダブルキャストで、少女がやっても違和感ない。母を気遣い理解し後押しする賢いルイスと、先生の教えを吸収し新たな出発へ生かす凛々しい王子。この二人の息子がよく出来ていて、旧体制から新時代への幕開けを予感させる。
王子や王女の8人はクワトロキャストで、今回は空チーム。みんなの声が賑やかで、よく動きよくお辞儀して逞しい。

カエルのようなお辞儀(笑)と言わしめた平身低頭がこの作品のポイント。「エトセトラ~エトセトラ~」の口ぐせもリズミカルに舞台に生きる。
劇中劇のタプチムの語りはいいが、ブッダや逃げ出した王様やらが登場し、いまいち意図が不明で眠気が出てきた。
ダンスで愛を諭しても、結局聞き分けがない王様に、アンナから激しい怒号の言葉。一度気に展開がコロコロ急変し、観るほうの気持ちが付いていかない。
歌は素晴らしいが動きやダンスはあまりないので、若手のミュージカルに慣れているとやや退屈に思える。
脚本や演出は昔のままらしく、歌詞もちょっと古臭い気がする。もう少し今風なテイストでアレンジしてくれれば、より明瞭に伝わってくるものがありそうだ。

カテコは3回! スタオベしたくなる雰囲気だ。
ゆうぽうとの後は全国ツアー。たくさんの大人や子どもたちを沸かせていただきたい。

今回もファンの皆さんと紫吹さんの出待ち。30分位してマツケンさんたちがにこやかに帰られた。花山さんが劇中と違って細身でビックリ。紫吹さんはお団子頭でスレンダーで美しかった。
ミュージカル『忍たま乱太郎 第3弾 再演』初日を観てきた。

6度目の舞台化。
サンシャイン劇場に場を移し、一部キャストを替えての再演。
満員御礼で物販列も凄いっ。本日は前列通路側席。

山賊砦に潜んでいたドクタケ忍者たちに捕まった乱太郎たち一年生を助けるため、六年生や五年生、先生たちが砦へ潜入し戦うお話。

ぬるい筋書きは同じだが、すべてにおいて格好良くパワーアップ、初演よりも面白くてたっぷりと楽しめた。
サンシャイン劇場ならではの構造を生かした演出で、ダンスや殺陣の見どころもたくさん。一年のラップ、六年のダンスもよりクールに決まる。山賊1号(翁長卓)との立ち回りはすごい迫力だ。
アクション率も高い。JAE仕込みの利吉(末野卓磨)の華麗なアクションには釘付け。六年生のバク転も目立つ。
初演と比べてキャストの芝居にも余裕が見られて格段にアップ。伊作(椎名鯛造)の討たれる時の顔が迫真。うしろの小芝居も楽しくて、どれも笑いが込み上げる。小平太(林明寛)のエアギターも見どころ。
歌も少しは成長しており、一年の美しい歌声はそのまま、五年の歌声もよく響いていた。歌の度に起きる手拍子も賑やかで、ステージと客席との一体感を伴った忍たま祭りであった。

今回一番の注目はキャスト変更になった土井半助(真佐夫)。初演は松葉杖の印象しかないからな~。
歌はまあまあだが、よく動く、可愛く踊る、機敏に立ち回る。ファンとっては嬉しさこの上ない。半子ちゃんは顔が大きくて濃いがw、普通の格好はまさに優しくて慕われる存在感。最後に六年とふざけてた姿もカワイイ。
山田先生、利吉、土井先生の同時立ち回りは、大人の味が出ていて格好良いこと。これは舞台でしか出せない妙だ。山田先生(今井靖彦)の殺陣指導にも新たな技が加えられて冴える。

それにしても、チクワひとつ、豆腐ひとつ、ナメクジひとつで、あんなに壮大な歌になるなんてw。ナメクジの歌に感動するほうもヘンだw。
くの一三人娘は前説から、説明役やコーラスで活躍。息ぴったり感でキュートだ。
同級生同士が昔を懐かしむシーンもアニメにはないところ。上級生や下級生の色々な関係性も、初演より明確に出ていたと思う。

客席降りも多い。ドクタケ忍者は頻繁に。「イケドンマーチ」も注目。
カテコの「勇気100%」では、当日2階席に行く人たちを学園長が指名し仙蔵が発表。初日は長次と兵助。六年の客席降りもあり、伊作、小平太、文次郎とハイタッチ。会場のどよめきや歓声が半端なく、みんなで振り付けして歌い、大いに盛りあがった。

パンフは帰りに購入。タオルやグッズなどみんな綺麗な色合いだ。
アニメイトのレシート提示で六年生ポスカ。
今後のチケットもほぼ完売状態。残るは土曜日観劇予定。再演もDVD化を望む。
ミュージカル『コードギアス 反逆のルルーシュ -魔人に捧げるプレリュード- 』を観てきた。

2006年、2008年に放映されたアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』の舞台化。
4月の舞台版に続き、今回はオール男性キャストでミュージカル化。
アニメ“第一期”と“R2”との間に相当する物語として、オリジナルな話が展開する。

舞台版とは違って、アニメの設定や世界観はざっくりとした説明のみ。作品を知ってる人が対象なのか、知らなくとも充分感じられる舞台なのか。
一幕は「ブラックリベリオン」後にシャルルによって記憶を塗り替えられ、ロロやスザクに見守られるルルーシュの姿。二幕は封じらた記憶を呼び覚まそうと試むルルーシュが辿り着いた、「ブラックリベリオン」の壮絶な真実。
アニメの隙間を狙った話で、よく出来ていると思う。
ルルーシュを取り巻く様々な人間関係と友情や絆、其々が抱える憎しみや嫉妬や裏切りを描き、ギアスのもつ底知れない恐ろしさと翻弄された人間の運命が、激しく哀しく表現されていた。

舞台版と違ってシリアス。主観的に感情移入させるのでなく、俯瞰的であくまでクールだ。オールメンの意味もその辺りにあるのだろう。報道の立場で核心に迫るディートハルト(森新吾)が狂言回しとして説明や語り部を務める。森さんは振付も担当する。
記憶の無いルルーシュ(高木心平)の潜在的存在として、ゼロ(長澤風海)が常にルルの記憶のイメージとして踊り続ける。いわば二人一役。白いルルと黒いゼロのコントラストが、やがて赤いゼロに変わり惨劇を象徴させる。
スザク(中塚皓平)は顎的に宮野真守に見えてしまうw、ルルとスザクの関係を崩すロロ(颯太)の暗躍が大きい。出てこないナナリーは、C.C.(紅葉美緒)が押す車椅子がイメージだ。

テーマ曲はじめ、キャラクター曲など色々唄われるが、全体的に歌唱力のレベルはいまひとつ。割と唄えていたのが、コーネリア(TAKA)と扇(咲山類)。ギルフォード(小寺利光)ユーフェミア(三上俊)ロロ(颯太)もまずまずの出来だろう。
ミュージカルというよりはDANCE ACT。歌よりもダンスにウエイトが置かれていそうだ。DIAMON☆DDOGSはもちろん、みんな力強く格好良く踊る。万平くんは歌はまだ不安が残るが、ダンスはきっちりと踊っている。玉城(小野健斗)もみんなとのダンスを頑張っている姿が見てとれる。女性役の面々は衣装の関係であまり踊れないが、カレン(和田泰右)はもっと踊りたいだろうなと勿体無い気がするw。
二幕はブリタニア皇帝の衣装を脱ぎ捨てた東山義久が、黒いブラウスで大胆に華麗に踊る。時に赤い長澤風海とクロスで踊るから、まるで2月にあった『ニジンスキー』の再現のよう。『ALTAR BOYZ』からは6人。ユフィとスザクの主従にオレンジチームが浮かぶ。
この舞台は“ニジンスキー風アルター・ボーイズ版ギアミュ”といったところだろうw。

物語のキーマン、ユーフェミアは一幕はルルの記憶の断片として現れては消え、二幕から徐々に存在を際立たせる。
三上俊は写真よりも綺麗で、観るほどに魅惑的だ。冷たく無表情だったのが、柔らかい天使のような笑顔になり、そして狂い咲く。その表情や声や動きの変化の見事なこと。ミカシュンの笑顔は、同じ劇場でやった『フルーツバスケット』の透ちゃんを思い出させてとろけそうだ。筋肉も随分落としたみたいだが、心平くんがかなり細身なので、ルルと並ぶと大きく見えてしまうw。
『逆境ナイン』から日も浅い堀川剛史のジェレミアは、ゼロとの因縁が語られないため、ただもがき苦しむ姿のみ。もう少し彼の内面に迫って欲しかった。

「僕の初恋だった」と、ユフィの運命を嘆き哀しみ己の力に憤るルル。
舞台バックいっぱいに描かれたギアスの“眼”が不気味に光る。眼を模るような金属風の枠組みは、のろわれた家族のDNAのようにも見える。
真実がわかり記憶を取り戻したところで、新たな悲劇の幕開けにすぎない。だから“プレリュード”なのか。だが、この先に待ち受けるのは更なる苛酷な世界。これ以上のものは作れまいと思うのだった。

カテコはキャラソンからメインテーマのライブへ。男性役は白いブラウスに着替えて、雄々しく歌い上げる。
マントに着替えたルルは、正装のスザクと並ぶと凛々しく見える。
おかげで最後は爽やかな風が吹いた。


終演後トークショー。
東山さんMCで、心平くん、中塚さん、颯太くん。

キンチョーしいの若手と、コントのような落としあいのD☆Dw。
質問に答える形式もあり。ルルやユフィをお姫様抱っこするスザク役の中塚さんは「リフト担当」で、持ち上げるコツは気合と腕力。
初の子持ち役(推定62歳)の東山さんは、心平に「イイ子ですよ」颯太に「いつも気遣ってくれてカワイイな」と感想。
心平くんから見た、東山さんの第一印象は「D☆Dの中で絶対この人がリーダーなんだろうと」。今は「子どもっぽいけど気遣ってくれる」。
どんなギアスが欲しいか?東山さんが「僕のことを全員好きになってくれるギアス」中塚さんが「東山さんと立場が逆になる革命ギアス」。D☆Dに比べて若者は「争いごとがないギアス」「みんなハッピーになれるギアス」と平和的w。

あと14回。次の観劇は千秋楽だ。
明日は、心平くんも出た『アキバレンジャー』のイベント。

舞台 温室

2012年6月28日 舞台演劇
舞台『温室』を観てきた。

JAPAN MEETSの第6弾であり、セット券で取ったラストの1枚。
20世紀を代表する劇作家の一人、ハロルド・ピンターの作品というが、名前は聞いててもピンとこない。
演出された深津篤史自身もピンターは初めてで観たこともなかったというし、新国立で上演するのも初めてという、はじめて尽くしだ。
なんでも今作品は1958年の28歳の時に書かれたそうで、しばらく闇に伏せていたそうだが、22年を経て自らの演出で上演したという。作家自身が若書きを気に入らなかったそうだが、捨てきれず世に出すところが可笑しい。

舞台は病院とおもわれる国営収容施設のクリスマス。患者の死と出産という異常報告に、施設の責任者ルートは部下ギブスに犯人を探せと命令する。やがて一人の青年が実験材料にされて、事態は奇妙な方向へ動き出す。

作品としてはあまり面白くなかった。“不条理劇”ともいわれてるようだが、“不”の部分も見つからない。リアルに近いのか遠いのかも分らず、濃い霧に包まれているような話で、ただ眼前の出来事を追う作業が嫁せられる。
登場人物像もぼんやりしていて、場によって色んな顔を見せ、感情移入もできやしない。役者の芝居が上手いのか、どの人物の言葉にもウソが感じられ、だらだらと不信感が拭えなかった。

でも、舞台としては非常に興味深い。こんなセットははじめて見た。
四方を客席に囲まれた変形ステージで、赤い机やソファやキャビネットが置かれ、黒い床面とのコントラストが映える。左右の鏡にはキャストや客席も映り込む。そして、中央に設置された“盆”! これがはじめからおわりまで回りっぱなしなのだw。
盆の速度は状況や場面によって変わり、緊迫感や空虚を助長させる。一人のものや一点に集中させないので、客観的な見方もできそうだ。すべて時計回りだが、最後だけ逆回転させ、はじめの位置に戻るのもポイントだ。
音楽はいっさいなく、盆が回る時のきしむような音がヒリヒリとくる。上からの格子模様や焦点をあてた照明が見事だ。
ステージ上で場を交差させた演出は、人物像が見えないだけに分り難い部分もある。
一番分らなかったのが、1時間近くも頭や手足を固定されたまま、赤い椅子に座らされたままのラムの存在だ。異様な格好のまま、ずっと繰り広げられる芝居を眼にしていたわけだが、放置プレイにどんな意味があったのか。

盆に乗ったこともあるが、数回転されるだけで目が回ってしまった。あの回転する盆の上で芝居をしていた役者は大丈夫だったのか。ましてずっと椅子に縛り付けられたまま回されていた橋本淳は、身体的に相当酷だったと思うが、吐気や眩暈を起こさないのか心配だ。
高橋一生のギブスは、冷静で穏やかな内に鋭利な反逆を隠し持つようなデンジャラスな役どころ。山中崇のラッシュのほうが、単純バカな分まだ馴染みのあるものをもっている。段田安則のルートは、底知れない恐ろしさと穏やかさがある破壊的存在感で、ヒトラーやヒムラーが重なりそうw。
三人で和やかなパーティーは、気持ち悪そうなケーキと不味そうな酒。剣をかざす所は三銃士っぽいw。
小島聖のカッツはいったい何人相手にしていたんだろう。

回る、回るよ、時代は回る~♪
盆の上で回されていた人たちは、現代の法律や条令に縛り付けられ、役人や官僚たちに生存を回され続けている、虐げられた庶民と重なってきそうだ。
植物解剖が趣味だというルートさん。植物が患者だとすれば、あの施設は植物を生息させておく“温室”とも呼べよう。
途中から劇場のエアコンがどうにかなったのか、客席全体をじめっとぬる暑い空気が包んだ。まるで先日のタイニイ・アリス。これもまさか演出上の“温室効果”だったのか!?(笑)

終演後シアター・トーク。
中井美穂を司会に、深津篤史、宮田慶子が舞台作品について語り、高橋一生、段田安則のキャストを呼び入れて作品や稽古について語った。
ピンター好きの一生さんは、今回の話をいただいて嬉しかったという。温室を読んで、視覚では捉えられないものを探る感覚を味わったとか。段田さんは温室を読んで、最初はわけがわからなかったという。自分の役についても深津氏からの説明で納得したという。
深津氏からはキャスティングについて語られ、深津氏の稽古の付け方についてもキャストから語られた。


今度の仮面ライダーは魔法使い!のフレーズに、『マジレンジャー』が浮かんだ。
マジイエローは『ゴーバスターズ』にいるが、マジレッドこと小津魁も盆で活躍しているぞ!
B×b公演『FRONT LINE mission 3 : Alien』初日を観てきた。

エンタテインメント・ダンス・ユニット Bugs Under Groove × ハイブリッド・アミューズメント・ショウ bpm = B×b(ビー・バイ・ビー)。
全てのゲストに笑顔と希望を与えるホテル「THE BELL FOREST」シリーズ第3弾。
個性あふれるホテルマンたちが毎回変わるゲストと織りなす、シチュエーション・コメディ。

今回もフロントクラーク・日野(谷口賢志)の語りベルからスタート。
「前回までのフロント・ラインは…」の映像で、先日観た新太とか伊崎兄弟がw。このスクリーン、手巻きなのがイイ。
中盤3回ほど幕間があり、日野の解説が大活躍。3回目にはドアボーイ出口(菊地創)が解説させられたり。

サブタイトルの「エイリアン」に、外人と宇宙人をかけてるところがニクイ。
ホテルのロビーは、英語や宇宙語が飛び交い、前回までよりもギャグやネタが活気付く。
英語通訳は何と新人の出口くん、実は誰も彼の名前を言えないw。宇宙語通訳には、宇宙人アイドルにメロメロの先輩フロントクラーク神戸(IYO-P)が率先して対応。宇宙人諸説に詳しいベルボーイ武本(伊藤マサミ)までが知識を披露して肩入れ。冷ややかで熱い空気の中、俳優イ(塚本拓弥)の韓国語を通訳するコンシェルジュ広瀬(猪狩敦子)もやんわり活躍したり。仕舞いには、ニンジャの末裔まで出現させて、唄え踊れのお祭り騒ぎ。異文化豊かな賑やかなコメディで、いつもよりも笑えた気がしたw。

シリーズの設定にも多少の変化と進展あり。
スパイの疑いをかけられたハウスキーパー鳥羽(浅沼晋太郎)がホテルをやめ、代わりに派遣されて来たのが、トラブルメーカーの鷲尾(岩切チャボ)。新キャラ二人の出現が話にどう関わるのかも見どころだが、鳥羽の暗躍がいっそう顕著になるのがポイント。
テーマのひとつは「嘘」。その嘘は許されるのか、その嘘に付き合っていけるのかを問いながら、あっと驚くような嘘に戦慄を覚えるのであったw。魔法使いがいるホテルほど、人間不信に陥りやすい。

ゲストの井口裕香は、これが初舞台とかで、終了後はほっとした表情。度胸の良さと独特の愛らしさが光る。
ジェイソン・ハンコックは逞しい身体と愛嬌のある顔がステキ。実はバック転もする身体能力に見惚れる。
いつものようにBUGsのダンスあり。井口さえっちのぱみゅぱみゅな歌あり。制服姿で踊る猪狩さんがキュート。
カテコも歌とダンスのアンコール。最後は全員キッチリと敬礼で決めた。

ほぼ満席で、井口ファンな男の子が多数(フロントラインを観るのは初かな)。
ロビーでは、イさんの韓国海苔販売(Tシャツ付きw)。
ロビーでも外人の英語が耳に入ってきて国際色だった。
こまつ座&世田谷パブリックシアター公演『藪原検校』を観てきた。
井上ひさし生誕77フェスティバル’12の第四弾。

親の因果で盲に生まれた男が、晴眼者に伍して生きるため悪事を尽くし、ついに盲人の最高位の検校にまで登りつめる話。
以前の蜷川氏演出の舞台を観る機会を逃し、今回の栗山民也の演出と比べることはできないが。
どろどろした悪漢物語であるのに、明るく力強く深みのあるトーンで実に面白かった。

登場するのは殆どが盲人ばかり。今年に入って盲目の女性が出てきた舞台を2回観たが、どれも晴眼者の側から見た話だった。これは盲の側から観た話であり、語り手も盲太夫だ。
観ながら、手塚治虫の漫画の雰囲気に似ているなと思った。冒頭から語り手が紡ぐ当時の世相や背景、盲人の扱いについての説明はト書きのようであり、時に演じ手をストップモーションさせたまま、親切に解説してくれるw。様々な役をこなす出演者8人は、手塚ワールドの住人みたいに愛嬌があって個性的。盲だが男っぷりも芸事も企みにも長けている杉の市には、黒いグラサンをかけたロックがカブった。後半で杉の市と関わる塙保己市の存在も、手塚作品に欠かせない対極キャラだろう。
わくわくする設定ながら、漫画でもドラマでも出せない、舞台ならではの美味さがたっぷり盛り込まれているのが楽しい。

客席やステージの周囲はとにかく暗く、盲人が辿る赤い紐や川の青い紐が蛍光塗料でやけに目につく。暗闇を利用して役者が仕込み、オレンジの布や青い布が場を駆け抜け、上空から垂れ下がった赤い紐が殺人の血をイメージさせる。観客にも暗闇の世界を体感させながら原色で印象付ける、絶妙な効果だろう。
この舞台では特に“音”が命だ。客席から時おり聞こえる、咳や紙屑の音がいっそう耳障りに思える。語り手と共に出ずっぱりの奏者のギターが、時に津軽三味線やドラムの音と重なる。音楽劇かと思わせるほど、歌や音楽がゆるやかに流れて、語り手と共に体がついリズムをとりそう。役者は犬の鳴き声など擬音も要求されるが、長い台詞や声により比重がかかる。

野村萬斎は坊主頭も色男で、白目を向けた顔が悪っぽくも魅力的。狂言師として身につけた声や音が、杉の市の生き様によくハマる。見どころの早物語は、ラップやマイケル・ジャクソンや氷川きよしやコロッケまで盛り込むパフォーマンスぶりでw、謡の内容は分らないのに拍手が沸くほどにウケた。萬斎さんの真骨頂、ここにありかな。
浅野和之の語りがコメディ感覚で上手く、時に芝居に入ったりギター奏者とおにぎりを食べる気楽さがいい。
小日向文世は、小悪党の父親の他、沢山の役を兼ねてもすぐに分る。塙保己市は静かで穏やかな中に、したたかで頑固な達観をのぞかせる。
秋山菜津子、熊谷真美、山内圭哉、たかお鷹など明瞭な声がいい。

盲人の自治組織や盲人の職業の高利貸し、金と名誉が優遇される検校には金か学問でなるしかないことなど、今まで知らないことが多すぎた。
塙が言った「見物」のくだりは興味深い。今ならさしずめ、オタク見物なら池袋、萌え見物なら秋葉原かw。晴眼者は見物に明け暮れるが(観劇者をも皮肉ってるw)、見物できない盲はその時間にたっぷり学問ができるというわけだ。真をついててグサリときた。
盗み、脅し、殺人を繰り返し金を蓄えた杉の市と、学問に精を出し学識と知恵で助言もしてきた塙保己市。塙は「同志」という言葉を使ったが、二人の目指していたことは、盲人による晴眼者への“革命”だったのかもしれない。過激なテロ行為と政治的な切り込みの違いだろうか。
不器用で祭り的な生き方しかできなかった杉の市。だから女は惹かれてしまう。見方によっては、二代目藪原検校はアンチ・ヒーローともなっただろう。

カテコでも萬斎さんの歩き方がお茶目w。舞台では28歳までを演じたが、坊主頭の萬斎さんは若々しく溌剌と見えた。
栗山民也氏は7月の『スリル・ミー』を絶賛演出中。こちらも頭脳明晰な若い悪党たちの話だ。


アニメのワルキャラといえば、バイキンマンにフリーザ様…。
中尾隆聖さんと、あのタイソン大屋さんが、『はい、どーも!』のスジナシをやるという。海賊王の次に、宇宙の帝王がくるとはw。この調子でいつかは関俊彦さんにもやって欲しいものだ。
中津留章仁 Lovers Vol.5『水無月の云々』を観てきた。

紀伊国屋ホールで見つけたフライヤーに興味をもって予約しといた舞台。
何度か行ったのに、久しぶりのタイニイ・アリスはやはり迷った^^;。
地下の小さな劇場は、老若男女の観客で忽ちのうちに満席になり、人気作のほどを伺える。
エアコンのある通路側の席を早いうちにキープしといて正解。休憩入れて約2時間半、観客も観劇中にストレスを味わうことになるからw。

健康食品を扱う店続きの家の居間が舞台。店主の長男の嫁を家に迎え入れ、店主の次男は従姉妹と同じ部屋に移るが、店主の長女や商店街の人たちも関わる中、隠された真実が徐々に明かされ、やがて衝撃の結末に誘うシチュエーション・サスペンス。

日常の中の非日常。普通なことと普通でないこと。常識的で頭の良い人と努力しても上手く生きられない人。
狭く小さな家の中の出来事が、実は世の中の不条理な犯罪を鋭く映し出していて、胸をえぐるような痛みと恐ろしさを感じた。観終わってからも、ジクジクと刺さるような後味が残り、様々なことを考えてしまった。

物語の構成は絶妙。一幕は小さな笑いも起こり普通に見えるが、ラストで予想外の真実が判明する。一年後の二幕は変わる人間関係に注目させ、最後は思いもかけなかった方向へ堕ちていく。
舞台を振り返ると、小さな伏線が張り巡らされていて、女性の衣装にも違和感があったのだ。セットは韓国の建築家が関わっているようで、ムダのない整然とした作りだが、神棚の存在と冷蔵庫の位置が気になった。家族が暮らしてる中、テーブルに並べられるのは麦茶や酒やツマミばかりというのも、どこか生活感がない。
実は普通の家族ではなく、個々人も普通ではないというのが徐々に分るが、みんな必死になって“普通”を装うとする様子が哀れだ。
ただ、女の肉体や魔力に男はいつも惑わされる方式は、ここでも重要なキィになる。

脳に異常や障害がある人を隔離しないのは、頭の良い政治家の怠慢でお金がかかるからということが劇中で述べられていたが、もう一歩、踏み込んだ考えも必要だ。上に立つ頭の良い人は、自分達以外の頭の良い人の存在は、仕事の支障ともなり邪魔な存在である。だから犯罪によって幾らかを常に整理するためにも、一緒にしておくのが得策だからと現状のままにしているのであろう。
それにしても劇場のエアコンは効きが悪く、舞台中盤から客席にはぬるい暑さが広がって、私も汗ばんできた。ステージで“熱い”演技を飛び散らしていた役者も
、劇中の「暑いね」の台詞を実感してただろう。
水無月らしい湿っぽい暑さは、ダラダラした空気をまとい、ヒリヒリする乾きを呼び、舞台を通して鬱々とした気分を味わった。

「中津留章仁 Lovers」は、トラッシュマスターズ主宰である中津留章仁が、若い俳優との芝居作りを目指すユニット。今回は4月に開催された出演者オーディションで選ばれた14名のキャスト陣で、役にぴったりの実力派揃いだ。
台詞や動きも滑らかで、柔らかなやり取りの最中に突如大声を張り上げるなど、芝居のメリハリ感が強かった。
彼らの今後の予定も書かれてあり、この中からまた飛躍する俳優も現れるに違いない。

終演後、役者が劇場外に出てきて歓談。
中津留氏は体格のいい男前な方。お目当ての田島優成くんとも握手できた。
今日はたくさんの方と握手できたv。
『ザ・ベストハウス123 on Stage!! 〜おかしなおかしな探偵物語!…は、コレだ!!』を観てきた。

あの人気バラエティ番組の舞台化。
レギュラー出演者に加え、ゲスト出演者も取り揃え、テレビを飛び出したバラエティショーが、舞台上に展開される。
キャストに興味をもち、番組先行で簡単に取れたが、最前席でドギマギ。撮影日。

ヒマな探偵と助手が依頼された調査で訪れたのが、謎の屋敷「ベストハウス」。屋敷内で彼らが目にしたのは、怪しい会議とある男の驚愕の真実だった。
演出は番組も担当する井上晃一。脚本は穴吹一朗。長々なサブタイトルの「探偵物語」にあまり意味はない。「コレだ!!」でお馴染み、篠原まさのりのナレーションはやっぱりイイ声だ〜。

硬派の崎本大海と軟派の清水良太郎はイイコンビ。短髪な大海は知的で爽やか。何かというとすぐ物まねで間を取る清水くんが愉快なテンション。松井絵里奈とのガチの物まね歌合戦(曲は日替わり)も見どころで、今のところ清水くんの圧勝だw(夏はやっぱりチューブだね)。
おなじみの「ベストハウス編さん会議」をはじめ、テレビネタや設定が舞台上でも展開。ゲストの飯沼誠司は審議長としてイジられるが、「キャンディ・キャンディ」のほうが私も良かったw。ベストハウス住人の和田正人や鎌苅健太は実名で登場し、399号室を争ったりとガチなバトルを繰り広げるw。

穴吹さんが魚建さんと一緒に芝居に入った時から、予感はしてたんだよね。
スクリーンはほどほどで、重要なポイントは若手が演じる再現ドラマ。
この舞台のウリの「薩長同盟」はまさに“鍋”だった!(笑)ミュージックトゥナイトにも出てほしいわw。
アイドルに、コントにアクション(?)。だーわとケンケンの関西風コントは後で語るとして、ケンケンと本上まなみの朗読劇はなかなか良い。本上さんの情感あふれる語り口にジンときた。
やがてわかってくる、男の隠された秘密「123…」。はじめて知る真実に、家族はひとつに纏まろうとする。どうなることかと思ったが、上手くまとめてきたね。大海くんと魚建さんが並ぶと納得しそうになるがw。

芝居にも参加したピストルバルブのナマ演奏がカッコイー。
ラストはスタンディングさせられる中、再び「薩長同盟」ライブ。気分は鍋! 手拍子も熱く忽ちのうちに盛り上がった。4人とも逞しい腕と鍛えられた体。剣を使った殺陣&ダンスもバッチリ。私の目の前は和田&清水。清水くんはニッコリ笑って愛想がイイ。

アフタートーク出演者は、清水&鎌苅&緑友利恵。緑さんはこれが2度目の舞台で、初日とかは緊張してたとか。
和田も出てきて、ケンケンが衣装も着て、劇中の神様の斧コント再現。だーわとケンケンは実はこのコントに一番拘り時間をかけ稽古して、何と7分もあったそうだが、本番ではバッサリ切られ2分程になったようだ。その7分バージョンを披露。DVDにも収録されるかもと煽る清水。長かったけど、ド迫力だったw。
チョコとかチュッパチャプスを客席に投げほうだい。私も清水くんからのチョコを貰った。
リピーター特典でプログラムに出演者2名のサイン会もあり。土曜日まで。

この公演の後、鎌苅&和田は『幕末純情伝』へ。並行して稽古していたそうだが、ずっと一緒で飽きがくるのではなかろうかw。来週はアキバレンジャーでまた和田だ。

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