劇的朗読劇『苦情の手紙』2日目に行ってきた。
知人情報から無事にチケットを取れたが、その後の顛末は散々。劇場からチケットを引き取ったのはいいが、帰りの電車の中にチラシを置き忘れたり^^;。劇場で連れのIさんの隣に座ったのはいいが、Iさんも私も2列後ろの座席にいたり^^;。ステージが遠いと思ったが、2列前の座席で良かったw。
前後は関係者席なのか、背広姿の男性がいたり、空席があったり。おかげで観易かった。

男優2名、女優1名の計3名のキャストによる朗読劇。各公演まったく同じ台本を使い、日替わりキャストなのが見どころか。去年の第一回は違うキャストで同じように開催され、毎年この趣向が続きそう。
アパート階下の女からの苦情の手紙と、元同僚からの頻繁なメールに、翻弄され振り回される男(田所)の話。
ステージに並べられた3つの椅子と、後方に壁代わりの板と色紙のシンプルな舞台。向かって右から女、男1、男2が座り、男1が中心人物。
私が観たのは、田中良子×馬場徹×柄谷吾史(Axle)の回。
其々が様々なジャンルで活躍中の若手役者3人だが、”朗読”の難しさをあらためて考えさせられた。

女からの常軌を逸したクレームがどんどん読み上げられるが、女の声が甲高くてあまりに感情的なため、とにかく女の存在が鼻につきウンザリ、ムカムカと気分が悪くなる。
クレームを受ける男1のほうは、語尾がはっきりせず聞き取り難く、情けなさと気の弱さにイライラしてむかつきそう。
二人が演出上、あえてそのように演じているのか。それとも、聴き手の感情はおかまいなし、自分の演技のままに突っ走っているのか。
朗読は芝居とはちょっと違うのではないか。聴き手の想像力を広げ感情をコントロールできるような読み方もあろう。読み手の感情をなるべく抑制させ、もっと淡々と冷静に読んでいたら、女に対する印象も変わってくるだろう。男1にも温かい感情を呼び寄せていただろう。

二人と違って、男2はちょっと違う役どころ。バラエティに富んだ様々な男や女を演じ分けるが、ある意味、自由で美味しい役でもある。
お目当ての柄谷さんは、声音はあまり変えてないが、その表現力と演技力はさすがの存在感。普通は衣装や化粧も使って”女”を表現するところを、柄谷さんは”声”と”技”だけで3通りの女を演じ分けるのだ。そのチャーミングな楽しさは絶品といってよい。
メールに付き物の”文字化け”や”顔文字”まで、”声”だけで表現する可能性も見せて笑わせる。
朗読なので他の二人が台本から殆ど目を外さない中、柄谷さんは何度か表情を見せたりと、経験からの余裕も忘れない。

少しなら許せるが、全体的にカミが多くてリズムが少々崩れ気味。朗読の練習や稽古や読み合わせはあまりなかったようだ。
話のオチはあんなものか。爽やかな終り方というより、不気味な後味。これもアノ女のせいか^^;。
他の回はキャストの朗読の仕方によって、話やキャラクターの印象や雰囲気まで変わってきそう。
それにしてもチケット代が高かった。1時間20分で、お金がかかっていない舞台装置、3人だけの馴れてない朗読劇。1人頭千円として、3千円でもいいぐらい^^;。

終演後、カテコでひと言コメント。3人とも「緊張しました」とホッと笑顔を見せていた。
帰りに、前方席にいたらしい吉谷氏を拝む。Axleの本公演情報はまだなのか。
Studio Life公演『TAMAGOYAKI〜Time Ago Year Key〜』おっとっとチームを観てきた。
倉田淳オリジナル作品の最高傑作で、再演を続けて6回目。本公演とは違い、今回育成公演ということで若手劇団員中心の公演となる。
お初のエコー劇場は、ステージと座席が近くて観易いが、ロビーは狭く、女子トイレは3つしかなくて長い行列。今回はDVD撮影日。

キャバレー従業員の3人の男が、現状から逃げ出すため、タイムマシーンを開発した博士と共に、彼らの小学生時代へタイムスリップ。そこで小学生の自分達と出会い、忘れていた記憶が蘇る…。

またまたタイムスリップネタで、いいかげん満腹気味^^;。でもこれが作られた初演時の20年前は、斬新なハートフル作品として映ったのであろう。
しかし話よりも先ず、いい加減で大雑把な設定をなかなか受け入れられない^^;。大きなタイムマシーンがありながら、手の平サイズのタイムマシーンが4個以上あり。過去の自分と再会し触れ合いながら、ドッペルゲンガー現象は皆無。おまけに過去の人間からは、自分達は小学生に見えるという。そして時間の歪みの中には其々の出口があり、それが博士の助手には分るらしい。
次々と出てくる謎な設定に首をひねったり、何かの布石になるのかと待ち構えたり、期待し過ぎたり^^;。
結局は、小学生時代に封印していた辛く哀しい記憶を取り戻すことで、明日への未来への希望も取り戻していく話。そのために、タイムマシーンを安直に利用したというわけだ^^;。

若手劇団員が体当たりの演技を披露、パッションとパワー溢れる舞台を作り上げる。本公演と比べると、何もかも荒削りで、色々とアラやクセが目立ち、学芸会のようなノリも感じるが^^;、彼らの迫力と逞しさは充分伝わってくる。
本来なら歌が欲しいところだが、ダンスと個々人のアクションを披露。それすらまだまだ未熟だが、ほとばしる汗を目にしたら大目に見るしかない。

時男@仲原裕之(育成対象者)のガキ大将ぶり、翔@小林浩司の温和な仲介役、蟻巣@青木隆敏の要領のよさなど、其々個性がよく分る。蟻巣という名前は、今なら、正念(しょうねん)に変えてみたくなるところw。
小学生時代の3人がいまひとつ納得いかず。時男2@緒方和也(育成対象)は身長差とやんちゃさで分るが、翔2と蟻巣2の二人が現代の彼らより身長が高く、おまけに同じ雰囲気で区別がつき難い。翔2の彼が天パーだったら、まだ小林くんと共通点があったのに。
大沼亮吉は、マスター役で憎たらしい悪党ぶりを発揮。真似木役ではニヤニヤと変態ぽくてちょっと同情がわかない。当初は、苛められた仕返しに、大人になって苛めているのかと思った^^;。

百合子先生@吉田隆太は、最初オルガンに隠れて、目を閉じた無表情がロボットみたいに綺麗。優雅でおっとりした中に、あの気合の入ったジャンプに笑い。
堤先生@冨士亮太(育成対象)はテンション高くていつも会場の笑いの的。箒で生徒を叩いたり、派手にすっ転んだりと結構マジかも。ああいう調子のいい先生いそう。

若手に混じって、博士@藤原啓児も体力をふんだんに使い、安定感ある芝居で締める。大変そうだけど楽しそう。煙にまく専門用語や説明の長台詞も流暢で、見せ場のひとつ。
稲葉君@下井顕太郎の存在意義がいまいち曖昧。単にボケキャラなだけ?
キャバ譲はキモくてオカマにしか見えん^^;。パインちゃんの胸だけ異常に膨らんでいたw。

”Time Ago Year Key”にかけた「TA MA GO YA KI」が、てっきりタイムスリップする時の合言葉なのかと思ってた。普通に、母さんのつくったタマゴヤキが、封印してた記憶を呼び覚ますキーだったのだろう。それにしてはタマゴヤキを食べたのが翔だけだったし、作った母さんの思い出も存在も出てこない。
真似木のオルガンで想い出の歌を唄うシーンも空々しい。その頃には時男たちの姿が見えなくなっている状況も理解できず。
オチもいささか性急。3人が実は、カメラ趣味とか文筆が得意とかの布石があったらよかったのに。
ステージの紙飛行機を模したオブジェの出来は良かったが、作品に上手く反映できなくて残念。

「げんこつやまのたぬきさん♪」懐かしかったが「また、あした」がキーワードなんだろか。藤原博士がチラと言ってた「おちゃらか♪」もよくやってたな。
ちなみに遠足のお菓子は、おっとっとより、パックンチョを持っていきたいw。


全公演終演後は舞台挨拶。藤原さんがMCで、一列にズラリ並んだ出演者が其々役名と自己紹介。新人はここでしっかり名前を覚えて貰わないとね。
藤原さんから『TAMAGOYAKI』について説明。3回目に賞をいただき、4回目はその後の『トーマの心臓』公演に繋がったとか。
1980年代のオリジナルだが、その頃流行った”アテ書き”をやっていて、百合子先生や堤先生は倉田夫妻で、稲葉くんは稲田氏だという。
「どんなに上手く演じられてもそれだけじゃダメ」「気持ちが一緒についていかないと」という倉田氏の思いを伝え、「これからも体当たりでやりますので宜しくお願いします」と藤原さんの決意と共に、一斉に頭を下げる若手劇団員だった。

チラシ束の中に、萩尾先生のイラストのものとは違った『マージナル』のチラシ。”男ばかりの不毛な地球”の文字と、裸の逞しい肉体美と立ち乳首を見せる男三人w。これはヤバイ(゜o゜)。
舞台『道元の冒険』を観てきた。
井上ひさし×蜷川幸雄がタッグを組んだ第3弾。『天保十二年のシェイクスピア』は約4時間の長さを感じさせない面白さだったが、今回も約3時間20分(休憩含む)を感じさせない、リズミカルでユーモア溢れる舞台で楽しく観賞できた。

時は1243年。日本曹洞宗の開祖・道元の半生をつづる劇中劇を中心に、新仏教故に非難される道元の苦悩と、夢うつつの世界で拘留中の自分=”男”との葛藤を描く。

時代設定にとらわれない、荒唐無稽で自由奔放な展開。仏教用語は小難しいが、噛み砕いた大袈裟な説明によって、何となく納得させられる。井上作品らしい、たまに猥褻で乱雑な部分にもニヤリ、言葉遊びをたっぷり楽しめる。
加えて全編を彩るのが、愉快痛快な伊藤ヨタロウの音楽。歌詞はよく聞こえないが、雰囲気はしっかり面白い。ジャンルもカノンやマーチ、ブルースやオペラ、大学校歌など、どこかで聴いた節ばかりw。歌や踊りまで披露され、これはミュージカル、いや歌劇舞台といったほうがピッタリだとすぐ分る。
舞台上左右の電光掲示板に注目。場ごとのタイトルや歌タイトルを流して、とても参考になり笑いの一因ともなる。

10余名の俳優のスピーディな早替わりと演じ分けがお楽しみのひとつ。いつの間にか周りに道元の弟子がいなくなっていたり^^;、わざと一人を標的にして早替わりを強要したりw、あらゆる趣向が試される。
堅実な芝居と膨大な台詞に、体力と段取り勝負まで要求される役者はとにかく大変そう。だがアドリブも時に入れつつ、何役もこなす役者自身が楽しそうにも見える。

阿部寛@道元は、舞台に出ずっぱり。座禅を組み続けたり、時に舞台上で”男”として早着替えしたり、これはこれで大変そう。終始カリスマ的静けさで苦悩の表情が続くが、御仏の全裸につい目がいったりw、女に言い寄られ焦ったりと、可愛い男ぶりも披露。
道元の少年・青年・壮年を、栗山千明、北村有起哉、高橋洋が演じるが、身長からいって、北村さんと洋さんは逆のような気も。でも叩かれるのは北村さんがピッタリかw。とにかく阿部さんがデカいので、栗山さんとのデュエットも親子のようで華と映る。
高橋洋は、白塗り@兼平の煙にまいたような言い回しがノリノリで、小指立てにも大笑い。
大石継太は、役柄によって印象が変わるが実朝が一番面白い。
何といっても木場勝己が8役もこなして演じ分け、様々な歌をリードして唄い上げるので圧倒される。どの役も安定感に満ち足りてお茶目っぷりを発揮。
書道シーンの勢いに呆然となったが、後で床をゴシゴシと拭く黒子やスタッフの姿に笑い。普通は隠すハズの楽屋ウラまであえて見せる開けっ広げな演出も愉快。

ただ座禅を組むだけで、悟りが開かれる。人とは、滅されしものなり。 既存の仏教を真っ向から否定して新仏教を立ち上げた道元は、幕府や朝廷、比叡山の僧兵から睨まれ、軌道修正を強要される。まさに道元、彷徨う年。
舞台から浮かび上がるのは道元の人となり。誕生日とも関係があるのか、彼の半生はまさに、自由・博愛・独創性・偏執的・革新的・先進的に満ちてるように思う。
そういう輩はいつの時代になっても、社会の厄介者、高層階級にはなかなか受け入れられない。奇妙な共鳴を覚えつつ、あっけにとられるラストに、人の世の不条理を感じるのだった。
己と自己との対決場面はちょっぴりアニメちっくで、切ないのに笑いが込み上げる。

基本は10人だが、11人いるっ!?^^;と思いきや、ステージに13人並んだ。
カテコは3回。7日に始まったばかりなので、後半はまた演出などが変わっていそう。

よく考えたら、8月に『ガラスの仮面』9月に『人形の家』10月に『から騒ぎ』と、4ヶ月連続で蜷川氏の演出舞台を観続けることになりそう。観るほうも大変だが、70代の演出家のパワーも凄すぎる。
11月の井上×蜷川の第4弾『表裏源内蛙合戦』。また私の好きな平賀源内というネタで観たくなる。
来年3月の蜷川氏の『ムサシ』は、もの凄いチケット争奪戦が予想されそうだ^^;。
劇団あかぺら倶楽部 第31回公演『THE FOREIGNER(ザ・フォーリナー)』を観てきた。
ステージには、客席前列を崩して、ロッジのリビングを模した大掛かりなセットが建てられ驚く。サイドのD列座席が何と最前列。

会話恐怖症である男が、英語を話せない「外国人」としてロッジに宿泊。女主人や宿泊客と”言葉の障壁”を乗り越え打ち解けるようになるが、恐ろしい陰謀に巻き込まれてしまう。
今回あかぺらが初挑戦するのが、アメリカの作家ラリー・シューのコメディ作品。
レイ・クーニーのジタバタ・コメディに慣れてる私には、毛色の変わったコメディはやや取っ付き難く、なかなか世界観にも入り込めない。

英語を解さないという設定のチャールズは、ホントは英語が分るので、聞いてはいけない秘密のやり取りや独り言まで耳に入って知ってしまう。
頭が弱いと思われている少年エラードは、そんなチャールズに興味を持ち、身近なものから丁寧に独自に英語を教えていく、実は利発で明朗で忍耐強い持ち主。
二人の表向きの顔と、裏にある真実を、同時に見せられる観客はそのギャップに笑うというわけだ。

「チャーリー」「チャーリー」と呼ばれる愚鈍そうに見える主人公が、徐々に”英語”を覚えて実践に活用(笑)やがて知恵と機転で皆を引っ張っていく凛々しさを見せていく過程は、『アルジャーノンに花束を』のチャーリーを思い出させて面白い。
チャーリーが、”自国”の言葉までを皆に教えていくサマも愉快。でたらめな創作語という、所謂”チャーリー語”が舞台に飛び交い、笑わずにはいられない。これ、日本語でも面白いが、本場の原語で聞いたらもっと爆笑ものに違いない。

チャールズ役大西健晴が、身振り手振りに派手なダンスまで交え、最高潮のテンションで舞台を盛り上げる。台詞数も多く、チャーリー語も難解な中w、存在感が際立つ。
チャーリーを高木渉がやっていたら、うんと胡散臭くなるであろうがw、今回はチャーリーのサポートを務めるフロギー役。軍隊の制服がなかなかお似合い。
山口登の女主人ベティには感心し圧倒された。高めの自然な女声に悠々とした身のこなし、味のある表情もチャーミングで、どこにでもいそうな年老いた婦人にしか見えない。男性だよねと違和感ありそうなのに、違和感が全くないのがスゴイ。
綾倉朋子のエラードも、天真爛漫な普通の男の子っぽさが出ていて好演。

全体的に色々と難しくて、観ていて少々疲れる。”言葉”の持つ力と難しさもテーマの一つなだけに、発せられる台詞どれもが一瞬たりとも聞き逃せない。たまに意味不明な台詞や会話もあり、尚更分らなくなる。
20年以上前の作品ではあるが、当時の米国事情や時代背景が頭にないとなかなか理解できないものもある。KKK団とかキング・オブ・バディとかお初のことばかり。
休憩挟み約2時間20分の上演は、あかぺらにしては珍しい。ちと長くも感じられる。後半にいくにつれ、笑いも加速、緊張とサスペンスを織り交ぜて展開。
当初予想してたのとは違う方向へ収束するが、オチはあれでいいのだろうか。あの二人がくっ付くとして、お腹の子は彼が父親として育てていくのか?

ちょっぴり納得できない話だったが、達者な役者陣のおかげでそれなりに楽しめた。
それにしても、今、そういう外国人がいたとしても、ネットや携帯が普及している情報社会、殆ど支障なくやり取りはできそう。逆に、手作業の要る親密で根気よいコミュニケーションは望めないだろうと思う。

次回の本公演は来年6月、アラン・エイクボーンの新作。分り易いコメディを望みたい。

 ̄ ̄ ̄
昨夜のヒーローショー絡みで、朝のスーパーヒーロータイム。
『ゴーオンジャー』直後の接続カットで、キバットバットIII世と共に、タツロット@石田彰が早くも「ドラマチック」に登場。今日から出るのか!?と慌ててビデオ確認。
『仮面ライダーキバ』本編のタツロット登場はまだだった。なのに最後のほうのCMで、石田彰@タツロットが早くも登場。変身前はクール声で、「変身」後はバエ声か? またソレ買うんでしょ?と息子に早くも見透かされたw。
夜から、劇団ヘロヘロQカムパニーPRESENTS SUPER SPECIAL LIVE SHOW『女ドラゴン☆さやか!スーパーヒーロー大集合!! 〜崩壊!!大陸拳極東支部〜』を観てきた。タイトル長っ^^;。

会場はヒーローショーでお馴染みのスカイシアター。小雨決行だが、あいにく天気予報は夜から雨模様。雨天中止だとチケット払い戻しともなる”バクチ”チケット。
しかし皆の願いが通じたのか、雨にも合わずにイベント決行。
整理番号順に入場の自由席。前から2番目やや左寄り座席にしたが、階段昇降される度に地響き。ステージは超観易〜い。
前説はポコペン。キャラ名コールやお約束の「がんばれ」を会場に要求w。

ヘロQが作り出した「女ドラゴン☆さやか」関智一が生み出した「コスモX」石森プロとのコラボから生まれた「クロスダイバー」の3大ヒーローが復活。地球征服を企むバッキュラ星人から地球を守るため、壮絶な闘いを繰り広げる。
あいにく「さやか」は知らないが^^;、DVDで『銀河ロイド コスモX』は観たし、舞台で『闘え!クロスダイバー』は観たので、まさに夢のヒーロー競演。

関智一@十文字宙が変身するのがコスモX。小西克幸@百目鬼出雲が変身するのがクロスダイバー。アクションをいっぱい披露する智一くんと小西くんだが、ヒーローはスーツアクターが担当し格好良いアクション。それを逆手に、二人とも疲れると変身しては体力維持w。智一くんと小西くんのヒーロー声は決まる。
格闘DNAを覚醒させて戦う長沢美樹@響さやかは加齢気味だがw、変身はしないらしい。
小西くんを拝むのはこれで3週連続じゃんw。

小西くん@出雲がポーズを作って「俺は最初からクライマックスだぜ!」と「いいよね。答えは聞いてない」キタ! 会場大ウケで大喝采(^o^)。
さらに、おぐらとしひろがスーツも着ないでアクション!バク転に連続回転を華麗に見せて会場を沸かせる。見た目も可愛いゾ。スーツも着ずに、リュウタ・ポーズも披露。かわゆ〜い(^o^)。
小西くんの乳首が見えるスーツにはドッキリ。智一くんのバイクには苦笑。

ゲストの飯塚雅弓が、清純な麗しいドレスで登場。ピンクの衣装はちとパンティが見えそうな気もw。歌を3曲も唄って盛り上げるが、声は可愛いけど歌唱力はイマイチ^^;。5月の岸野組のお相手は関さんだったが、今回も別の関さんから言い寄られ(苦笑)。
朴路美は声のみで出演だが色っぽ〜い。今夜は小栗旬&山寺宏一と一緒に初日舞台挨拶だから仕方ないか。

ヒーローもの漫画・Webコミック『HXL(ヒーロークロスライン)』から生まれたジエンドとアルクベインまで友情出演。声もカッコイーぞ。高木渉とは明日の舞台で本物を拝めるっけ。杉田智和はキバットバットIII世よりコッチのほうが渋くてイイぞ。
『コスモX』が今夏よりこの『HXL』で漫画化される記念らしい。

キングよりも強敵でねちっこいキャラによって急展開。バッキュラ星人のアクションやダンスも熱くて見どころ。
ライトや効果音も上手く、爆発音と火花で臨場感も引き出し、本格的なヒーローアクションショーばり。
仲間と友情の絆を確かめ、旅立ちと再会を信じる話。笑いとアクションと熱気の中、ヒーローショーを満喫して面白かった。
『鋼鉄三国志 歌劇舞台〜深紅の魂よみがえりしとき〜』2日目の昼を観てきた。
またまた日曜のドシャ降り。『鋼鉄三国志』関連のイベントは、去年春と夏に続いて三回目。
物販で買ったのはパンフ。キャラ紹介と声優占いに石田さんのいつもの写真。アフレコ風景写真にも髪さっぱりの石田さんが3枚いて(^.^)、三ツ矢さんも2枚あり。


第一部【鋼鉄三国志 歌劇舞台〜深紅の魂よみがえりしとき〜】
蜀が呉に攻め入り危うい中、凌統たちの前に再び六駿が集結。闇の力に支配されそうになる姜維を救い出す。

アニメ最終話から続くオリジナルストーリー。蜀の新キャラ3人が登場。
宮野真守が陸遜役で声の出演&舞台にも出演し、まさにマモくんのための舞台。
他はアニメの声優陣が声を担当し、キャラそっくりに扮した俳優が口パクで出演。ヒーローショーみたいでやや物足りなさはあるが、違和感はなく、アニメの雰囲気が復活した充実感。
芝居やアクションがあるが、中国武術テイストの殺陣は結構難しそう。劇中歌で宮野真守がEDを含めた5曲を歌い上げて花を添える。
舞台としてあまり期待してなかったが^^;、俳優の熱演に加え、音響や照明や特殊効果が冴え渡り、どれも見応えのある素晴らしい出来上がり、1時間のエンタメ作品としてたっぷり楽しめた。

新キャラ・馬岱役で声の出演&舞台出演もした郷本直也は3月のブリミュ以来。クールな佇まいで華麗な槍さばきを見せてくれた。
魏延役で舞台出演した高木俊は野性味あるアクション。声は誰だろう?と思ったら小野大輔だった。アニメに小野くんは出てないのに、何故トークに出演するんだろう?と思ってたんだよねw。
姜維伯約といえば、普通の『三国志』では割と好きな人物だったのだが、まさかこんなキャラになっちゃうとは^^;。声は佐藤ゆうこ。

凌統役の栗原功平がイケメンで男っぽくて、斎賀みつきの甘い声じゃ合わないw。むしろ高橋直純@イノリみたいな男の子声のほうが合いそう。陸遜に向ける凌統の「兄貴」が可愛い。
甘寧や諸葛瑾はアニメそのままで、諏訪部順一や遊佐浩二のエロ声に会場も妙な興奮。
呂蒙子明は石田彰の甘く可愛い声だけで満足v。杉浦由悟がエプロン姿で”太史慈巻き”まで作ってくるんだもん。

この太史慈まで復活し、客席通路から登場した時は会場もどよめき。太史慈役の田中しげ美がまためっちゃ男前でアニメ以上w。呂蒙がすかさず涙目で駆け寄って太史慈とイチャイチャw。
「へなちょこ!」「もうへなちょこではありませんよ」なんて懐かしい掛け合いも繰り広げられ、息ぴったりの共闘を見せる。陸遜にスポットが当ってる間も、後ろの太史慈と呂蒙は隣同士で嬉しそうに目会話していて、ホントに仲良さそうにしていたのが良かった(^o^)。
六駿が揃った時、赤青黄緑…の照明が当たりキャラがポーズをとって、戦隊ものみたいに格好良かった。

宮野真守は陸遜のコスプレがよく似合う。黒髪も映えるじゃないか。ただ歌では、音域の幅はあるが声に張りがなく、音程もやや不安定なのが難。長身なせいか背中が曲がり前のめりなので、陸遜はそんな歌い方はしないだろうと思ったり^^;。
マモ&しゅんりー&なおやんの3人がステージに揃い、テニミュ不動峰戦が思い出された。

そもそも『鋼鉄三国志』は去年のアニメ化の際、ミュージカル化まであらかじめ想定していたのではないかと思う。本当は声優キャストによる舞台出演が望ましいが、それはムリな話。でもマモくんなら陸遜役で顔出し出演&歌も可能だろうと見込んだ上でのキャスティングだったのではないか。ネルケならやりそうなコトだ。
ところで物販のサインライトはなぜ陸遜の赤じゃなかったんだろう?なぜ凌統の青だったのか?^^; 休憩後、第二部へ。
D-BOYS STAGE vol.2『ラストゲーム』東京千秋楽を観てきた。
会場外のぼりは、Aキャスト分。撮影する人が移動させたのか、立ち位置がズレていたり^^;。
満員御礼。2階立ち見も多し。今日は2階前方席のど真ん中で、もちろんMさんがお隣。

3度目となったが、全く飽きさせない舞台。若手役者らの情熱がぶつかり合うシーンにはドキドキワクワクさせられ、物語から様々なことを考えさせられた。
よく練られた素晴らしい脚本。生き生きとした舞台へと作り上げた秀逸な演出。トレーニングに様々な稽古を積み重ね、丁寧な役作りを経て、よく応えた若い役者たち。

千秋楽とあって、役者たちの気合は極限にまで高まっていた様子。ミスも無く、殆ど完璧な舞台へと作り上げていた。
彼らの渾身の演技と魂の篭った台詞は、初日と同じように、私の心を激しく揺さぶった。
動物園のハナ子を介しての同郷者のやり取り、新聞社への頼み込み、応援部の最後のエール、戦場の再会を約束して奮い立つ仲間たち。どのシーンも涙がこみあげてしまう(;_;)。
「本当はこのまま死にたくないんです!」「悔いを残さずに旅立ちたい!」「生きてた証を残したい」「野球をやれて良かった。早稲田の野球部で、お前たちと一緒で良かった」
上っ面に見えそうな言葉も、彼らの真摯な思いが篭っているから、ストレートに自然に我々の胸に飛び込み、深く強く脳裏に刻まれる。
この舞台を観れて良かった。この時代、D-BOYSのメンバーを知っていて良かった。彼らの存在の”証”を、目に耳に心にしかと焼き付けられて良かったと思う。

メンバーの中のお気に入りには、舞台上でもすぐ注目してしまうから満足としよう。だが今回、今までそれ程関心を持たなかった男の子が、或いはあまり知らなかった男の子が、この舞台を観て新たにその演技の上手さや魅力を再発見できたのも嬉しいこと。
メンバー其々がこの舞台を通して、飛躍的に力をつけ成長したことが伺われる。メンバー同志の浅くかつ密なる交流も、D-BOYSの今後の戦力となっていくだろう。

それにしても男の黒髪と短髪はイイ!(^o^) 今回は城田くんの現代っ子役以外はみんな一応黒髪だったし、その硬派な雰囲気はとても私好みだった。
野球のユニフォームも、今とは違う、下がダボダボの一見ダサイヤツに統一。それがまた郷愁を誘い、不器用だが純粋な男意気を感じさせる。学ラン姿も其々の個性が見えて似合ってた。学帽に野球帽も、被れば忽ち男前になるからフシギ。
欲を言えば、慶応チームの学生服も見たかった。初日のBチームをもっとしっかり観とけばよかった。

”やきゅミュ”のような爽やかな歌と男らしいダンス、会場の手拍子と共に、思いっきり盛り上がるラストも実に楽しい。
アンコール後はキャスト挨拶。楽のお当番は柳かな〜と予想してたが、足立理くんでさっさとお仕舞い。じゃ、柳や城田くんは大阪公演になるのかな。

最後のカテコでは、ステージに城田優がひとりいて、D-BOYS卒業宣言。東京はこれが最後だという。D-ボも大所帯になり手狭になったので、一人暮らしをするような感じだと言うシロタン。
若手メンバーからひとりひとり、城田くんに花を一輪手渡して、握手したりハグしたり。Bキャストの碓井くんや五十嵐くんも私服で来て、城田くんにお別れ。和田さんは騎士のように跪き、結婚してください!ネタw。荒木くんは涙顔だし、ズッキーもちょっぴり涙目。予想通り中村くんは泣きながら城田くんの腕に飛び込む。ホントに泣き虫っコだなw。城田くんとほぼ同期の遠藤くんは、2日前までマジで知らなかったとか。城田くんとの過去を振り返った後、お世話になりましたと城田くんにお礼を述べる。
今回の卒業宣言は初めて聞いたが、そろそろ城田くんか柳が卒業かな〜?と思ってはいたので、あまり驚かなかった私。これから新たな独り立ちとなることを祝福したい。
そしてもう一度、大事なお知らせがあらやんから。D-BOYSの第3回の舞台が決定。来年だろうが、ぜひ観に行きたい。

そんなこんなで触発されたのか、ついに私もD-BOYSのFCに入っちゃった!(^.^) 息子ぐらいの年下ばかりだが、これも何かの縁と好奇心。次の観劇に向けて、メンバーのことを少しでも知っておこう。
Port B 演劇的インスタレーション『荒地』へ行ってきた。
先日、朗読という形で私も参加させていただいた企画。

廃墟となった図書館が舞台空間。その場所に、前作『サンシャイン62』で流れた複数の声と、日本の戦後詩を牽引した『荒地詩集』の声が、響き渡る。
予約不要、来場時間自由、入退場自由、時間制限なしの気ままさが嬉しい。

入口が分らず、前回と同じところから入館させて貰った^^;。
1階から2階や3階まで、広大な空間の至るところから、人の”声たち”が聞こえてくる。1室の中に、だいたい3つの声が交錯し、男の声と女の声が離れたり、混ざり合ったりする。時にその声たちはひどく大きくなったり、ぼそぼそと小さくもなったり。10人位の集団でひとつに合わせた声が聞こえると、迫力をもって耳と心を刺激する。念入りに音響調整がされているようだ。
もうひとつ、無機質で感情的なピアノ演奏がかなりの効果をもって、声たちと溶け込んでいる。

廃墟となった図書館の存在が、また私に、切なさと儚さをもって襲い掛かる。
去年の6月のままのカレンダー。壁に貼られたままのポスター。机に置かれっぱなしの札や目印。慌しく移転したのだろうか、キャビネットの中に投げられたままの何枚かのCD-ROM。誰かのカーディガン。放りっぱなしの椅子。シールやラベルや白い紙。
声を流す小さなスピーカーたちは、本があった図書室内だけでなく、事務室や仮眠室や踊り場やロッカーなど、至るところに仕込まれてある。
我々には、見知らぬ図書館内部を探索し、その足跡を見届けるという責務もあるのだろう。

かつては職員や来訪者で賑わっていたのだろうか。食堂とキッチンは今やガランと空虚な空間と化し、壁のカレンダーは終了となった去年の3月のままだった。キッチンの大鍋やおたまやザルはそのまま残されている。そこのシンクから、また詩の”声”が流れてくる。
隣の図書室に行くと、聞き覚えのある”声”が耳に入ってきた。この覚えのある”詩”と”声”。もしや私が朗読をしたものだろうか。だが、しばらくその場にいても、私の声だという確信がどうしてももてない。聴けば聴くほど、分らなくなってくる。自分自身が分らないというもどかしさ。己という存在自体、この空間では漠然としたものなのか。

2階の一角は明るい照明の下、受付スタッフがお茶やお菓子を用意して待機中。先日の朗読の折、お喋りをさせて頂いたOさんがいらしたので、ご挨拶して色々と伺う。
スピーカーは1階と2階と3階合せて、約40から50個も仕込まれているという。開演中はずっと流しっぱなしなので、スピーカー音源の微調整が少々大変そうだ。
今公演のチラシも配布。私が読んだ詩の他にも、沢山の”詩”が書かれている。朗読の中に、自分の名前を見つけた。結局51人が朗読に参加されたようだ。演出家さんのお名前もあった。

”死”と”詩”と”史”がときに交錯し、また断絶を生む、廃墟の空間。そこに埋没する”私”と、蘇る”姿”。今回も様々な感情で揺さぶってくれた。
お茶とお菓子をご馳走になり、ほっとひと息。もしまた縁があれば、再会できるだろう。

演劇批評誌『第二次シアターアーツ』に、先日参加した『サンシャイン62』の上演記録が載っているので買った。こういう雑誌があることさえ知らなかったが、すべてが専門的で難解で読み進めるのはなかなか大変^^;。でも参加したツアー・パフォーマンスについては詳しく書いてあり、興味深く読み応えのある内容。
D-BOYS STAGE vol.2『ラストゲーム』中日を観てきた。
会場外のぼりは、本日のAキャスト分。ロビーの花壇は幾つか取り払われていたが、佐藤健からD-BOYSメンバー全員へのはまだあり。
初日と比べ後方席だが、ストレートど真ん中。隣のMさんからもDボメンバーについて色々伺う。

昼を観たMさんによると、主役の荒木宏文くんはエロイそう。シャツの透け具合とかもw。爽やかで可愛く見えるのだけど、ある種、荒木@相本は”総ウケ”状態なのでw、エロイ雰囲気はあるのかも。
中村昌也@伴東まで、相本先輩にラブコールしてたっけ(二度もw)。伴東の未来予想図は、ネタは分ってるのにまだ笑える。伴東というキャラだからこそイヤミが無い。
鈴木裕樹@笠井は、地が出そうになるのを堪えて真剣で男らしい。開脚の柔らかさに目が釘付け。
教練でバック転を披露してたのは、やっぱり金本@柳下大くんだと確認。
今回、岡島@三上真史や、安部@中川真吾の『カリフォルニア』コンビが坊主頭の英断だったが、二人ともよく似合う。男って、坊主頭にすると別人になっちゃうのね。演技の濃さもあって、中川くんがどうしても中川くんに見えないw。
ズッキーの身長を基本にして観ちゃうので、180cm無い人だと小さく見えるのが困りモン^^;。

お目当ての慶応・野球部チーム。
阪下主将@遠藤雄弥は、声を低く重厚に工夫し、地に足ついた堅実な演技。硬派な役どころがホントに似合うv。
別府@中村優一は、黒髪も似合うと思うが、見慣れてないし、カツラだとすぐ分るので^^;、何とも微妙〜。頭を下げてたり、荒木くんにポンと叩かれた時は、カツラが脱げるのでは?と心配^^;。笑ってる顔より、真剣な顔が好みだな。
今回は二人に注目してたので、出番の少なさはあまり感じられず。

それにしても、去年のスーパー・ヒーローたちがみんな、今年は”野球”をやっているのがフシギな奇遇w。
昼はテニミュ関係の人も観にきてたそうだが、出演者もテニミュ2代目キャストが多い。柳浩太郎の肩を遠藤くんが支えた時は、思わずドリライのダブル・リョーマを思い出した。
ラストの歌と手拍子では、皆がキャラを意識して普通に歌ってる中、中川くんだけが『カリフォルニア物語』の時みたいにはしゃいでて、ようやく中川くんに見えたw。

アンコール後はキャスト挨拶。昼のお当番は中村くんで、アノ柳からツッコミが入るほどグダグダだったらしいw。
夜は遠藤くんでラッキー。「この時代に生きた証…」という荒木くんの言葉を追従しながら、さりげに『シャカリキ!』という言葉を入れたので会場も爆笑。左側では中村くんとズッキーがすかさず肩組んでニコニコ。和田くんが割って入ってたけど。「日替わりなので、鬱憤がたまってるんです」と遠藤くんは言い訳。ところが城田くんまでが『ルーキーズ』なんて口走ってペコリ。会場も大ウケ。みんなさりげに宣伝してるのねんw。こういうトークも楽しみのひとつ。

さて、Aキャストはあと1回観劇。Bキャストでもう1回、碓井くんを観たかったな。
ステージDVDは、Mさんにお願いしちゃった。キャスト生写真はえんやでv。
平成二十年六月 松竹特別公演『嘉島まつり』と『狐狸狐狸ばなし』楽日を観てきた。
3回目の座席は、右寄りとはいえ最前列。役者の動きや細かいところもじっくり観なくちゃ。
第一部は前列でも空席があったが、第二部で空席が埋まるとこが何とも^^;。

第一部 舞踊『嘉島まつり』。

嘉島典俊による踊りと早替わりと立廻りが続き、これは体力がかなり要るなとつくづく思う。下駄でトントン拍子をとるのも力強く、チリや埃がステージに舞ってるのが分る。
傘や扇のアクロバット的舞いは、失敗は絶対に許されない。相当稽古の積み重ねをされたのだろうが、本番でのプレッシャーなどもはねのける強さがあるのだろう。

初日や中日にはなかったが、第九幕と第十幕の間に、一幕追加されていた。将棋の駒…の音楽に合わせ、嘉島さん@若衆が羽織を軽やかに羽織る場面。いつから追加されてたのかな?
楽日とあって、嘉島さんのジャンプがいつもより2倍は高くてw、テンションも上がっていた。下駄でジャンプも結構大変そう。

嘉島さんの役で一番好きだったのは、清水湊の旅の男。女から渡された持ち物で旅支度をちゃっちゃか済ませ、着物の後裾をさっとめくって帯に挟むと渡世人スタイル。途端に露になる太股や足。笠にマントで、颯爽と旅男スタイルへ。可愛さと色気と格好良さが一度に楽しめる場面である。

ラストは、嘉島さんに若衆@甲斐京子や男衆@曾我廼家寛太郎が加わり、大ぜいの祭りの女や男衆と共に賑やかに大団円。垂れ幕の「感謝」は毎回。
流れてくる歌の数々がいつまでも耳に残り、思い出す度に楽しい和風踊りを思い出す。


第二部 江戸みやげ『狐狸狐狸ばなし』。

主役の山本陽子や松村雄基がステージに初登場すると、客席から拍手が起きる。拍手や流れる音楽が大きくて、山本さんの声がたまに聞こえない時もあり。松村さんの幽霊の動きや歌には、笑いが起きて盛り上がる。
間繋ぎで出る曾我廼家寛太郎のとぼけた軽い演技は、私にはあまり可笑しくは感じないが、何故か客席は笑い。

寺杣昌紀@生臭坊主が初登場する時も、拍手が起きないかといつも思うが、どうしても一人で拍手する勇気が出ない^^;。
でも寺杣さんが登場した時、後ろの奥様たちが「あら、なかなかイイ男じゃないの」(^.^)と言ってるのが聞こえた。寺杣さんを初めて見て知ったという人が多いようだし、拍手がまだないのも仕方ないか。
前半はステージ右の目の前に座り込んで、あまりの近さに目がクラクラしそうになって困ったw。間近で、舞台用のお化粧をされてる寺杣さんを拝見。綺麗な素足も拝めた。

寺杣さん@重善は、酒と色と欲で生きるクソ坊主で、ワルなセクシーさがたまらない。自惚れ丸出しのナルシストだが、吃驚仰天するとギャーギャー騒いだり、呆けるとしゃくりあげたりと、人間臭い行動がとにかくキュート。毎回ツボを外さず、客席から何度も笑いを取るのは素晴らしい。
「死なねえじゃねぇか」と窮地に淡々と交わす会話も面白く、山本陽子との息もぴったり。

最後の重善は、トンズラしようとして失敗、腰が抜ける程逃げ惑うところで終ってしまうのがちょい残念。最後の幕でもチラっと姿を見せて欲しかった。
通常なら終演後に全員がステージに勢揃いするとこだが、この公演は無いのも残念。たぶん寺杣さんらは自分の出番を終えると、さっさと着替えてしまうんだろうな。

楽日とあって、幕が下りても拍手は鳴り止まず。
最後の最後に、山本陽子さんだけがステージの真ん中に立ち、観客に御礼と挨拶を述べた。8月からは地方公演で全国を廻るそうだが、最後まで皆さんお怪我のないように、無事に公演が成功しますように。
8月からは寺杣さんの声優としてのお仕事も少なくなるのかな。また別の舞台で役者・寺杣昌紀さんを拝めますように。お疲れ様でした。
D-BOYS STAGE vol.2『ラストゲーム』初日を観てきた。
若手俳優集団「D-BOYS」が総出演でお届けする舞台の第二弾。
劇場の周りは若い女性の熱気でいっぱい。
劇場外の特設売り場でも公演グッズ販売。パンフはイベント並みの高さ^^;。携帯ストラップは、お馴染み鈴木裕樹書下ろしのメンバーイラスト。
出演メンバーののぼりは、本日のBキャスト分。花壇も賑やかで、キバから瀬戸くんと電王から中村くんのが並んでいたのが愉快。
観易い前方席で、お初のTさんともお喋り。Mさん、ありがとうです。

太平洋戦争末期。早稲田大学野球部をメインに、”野球”にいのちを賭けた青年たちの夢と友情の人間ドラマ。
「最後の早慶戦」をモチーフに紡いだ羽原大介氏のオリジナル脚本。第一弾に続き茅野イサム氏の演出が、D-BOYSの新たな魅力を引き出し、エンタメたっぷりの正統派舞台に昇華させた。
予想以上に、素晴らしい出来だった。じめじめした重苦しいテーマを、D-BOYSらしくカラリと爽やかに色づけ。緊迫感とユーモア、笑いと涙のバランスが絶妙で、スピーディかつ若々しい熱気が伝わる。約3時間の上演が短く感じられるほど興奮させられた。

戦争が始まると、「野球」が敵国のスポーツとして規制され弾圧を受け、野球部員は必死の抵抗をもって野球部存続を貫く。やがて徴兵猶予解除が決定、学徒出陣で解散は免れなくなる。出兵を前に、最後に何がしたいのか?を問われる仲間たち。戦場に出たら、”死”が待ち受けているかもしれない。逃れられない死の宣告を前に、若者たちは人生に悔いのない選択をする。
戦時の動きを絡めながら、仲間たちの団結と沸き上がる疑問、出兵前の感情の揺れと決意が丁寧に自然に描かれ、共鳴と共感をもって受けいれられる。部員一人一人の名前と顔、個性や事情も分ってくる。野球部だけでなく、弾圧する学徒練成部員側や応援団も描き、話に奥深さが出た。
ストーリー前後と中盤に現代の若者を登場させ、戦中へと巧みに導入、比較対照を際立たせた。我々への”問いかけ”を果たして見事である。

何より、登場人物と演じるD-BOYSが同じ年代なのが嬉しい。稽古前から走り込みや筋トレを続け身体を作っていった俳優たち。体当たりの演技と肉体的アクションの活気溢れるステージが実現し、当時の熱気まで伝わった。
公演にあたり、坊主頭とはいかないまでも、其々が短髪やスポーツ狩りで臨んだのも嬉しい。ユニフォーム姿で一瞬誰だか分らない時もあり、この人がこんな意外な役をという驚きもあった。

主役のひとり、荒木宏文は学ラン姿に萌え〜かv。真面目で几帳面な中に、爽やかな情熱が眩しく可愛い。早稲田・野球部主将役の鈴木裕樹は、短髪と一変し、骨太で逞しい存在感を見せる。
『ゲキレンジャー』繋がりのこの二人はさすがに息ぴったり。満身創痍の確かな演技で、野球部メンバーをしっかり引っ張って締める。
ズッキー主将と、和田正人&中川真吾ら練成部メンバー三人との息も合い、同郷エピを盛り上げる。和田くんの厳しく明瞭な声も良く、意外な役どころで踏ん張る中川くんにも拍手を送りたい。
応援部の足立理の登場の度に笑いが起きるが、声を張り上げる熱い演技は見どころ。喉にも相当負担がかかりそうだが、熊井くんの分まで頑張って欲しい。
慶応・野球部メンバーの出番がいまいち少ないような。五十嵐隼士と瀬戸康史はAキャストと見比べてから。
舞台・初出演の碓井将大が初々しい中に肝っ玉。城田優のナレーションは深味がある。食べている柳浩太郎も笑いどころ。

歌やダンス、行進にも”漢”気スピリッツを感じて、テニミュならぬ、これぞ《やきゅミュ》だと命名したい。だがテニミュ以上にハードな芝居と体力が要求され、大阪も含めた長丁場を最後まで無事に乗り切ってほしいと願う。
次は、お目当てのAキャスト。Mさんとご一緒できるのも楽しみ。
平日の通勤時間になっても、ダイヤが乱れ捲る副都心&有楽町線。
いつになったら正常ダイヤに戻るんじゃ^^;。急行なんて走らせるから遅延するんじゃないのか!? 要らんよ急行は。
もうアテにはならんと、池袋から丸の内線へすぐ乗り換え。何故かこっちは空いてて、目的地へスムーズに到着。


平成二十年六月 松竹特別公演『嘉島まつり』と『狐狸狐狸ばなし』中日を観てきた。
初日より客が少ない。マウスプロ扱いの座席は4列目真ん中で観易い。

第一部 舞踊『嘉島まつり』。
こういう華やかな舞踊ショーは、江戸っ子気質でお祭り好きな私には受け入れ易いのだなと、つくづく思う。2度目でも飽きるどころか、役者の表情や目線も今度はしっかり見えて、歌も踊りもたっぷり楽しめるからフシギ。

近場で見ると、嘉島典俊がとっても可愛い顔をされてるのだなと分る。あれぐらい可愛いなら、白塗りで童女や女役をされてもヘンな気持ち悪さはない。もちろん足の脛毛などもさっぱり処理され、綺麗なおみ足も白く塗られる。
嘉島さんのされる女性役は、故・石ノ森章太郎氏がよく描いていた女性画に似てるのだ。昔風だが、品と色気と芯の強さが程よく混ざってるような女性像。郷愁めいた想いで、いっそう見入ってしまう。
台詞は喋らず、所作と動きだけで場面を見せる技もさすが! 男性が女性役を演じるのは今では珍しくないが、ここまで豊かに色気と品をもって女性像を演じられる人はそういない。いや、洋モノや現代モノならまだ容易いだろうが、和モノで男性が女性役というのはあまり観ない。それだけ、独特の所作や動作が必要で難しいのだ。男性役者にもぜひ見習って芸を広げて欲しいものだ。

元SKD男役トップスターの甲斐京子の男役も変わらず格好良い。目線をさっと一ヶ所に飛ばして、観客と自然にアイコンタクトを取れるのも、舞台慣れしているからだろう。もちろん目が合った観客は誰もが微笑んで見惚れてしまうハズw。

嘉島さんが、女役から男役へと変貌する際、少しの間は甲斐さんたちが盛り上げて時間稼ぎ。あぁ、顔や足の白塗りを今、取り去っているのだなと、楽屋裏をつい観たくなっちゃうw。
ショーの間、嘉島さんがひと言だけ声をあげる。殺陣の最後でビシっと決める時に大きく発する「とおぉー!」がイイ声だ。
”馬とりんどう”シーンは一番笑いが起きる。作り馬とのステップや馬のクシャミは愉快。

男が女役、女が男役と、そして早替り。考えてみれば、和モノや時代劇のイイとこ取りや面白さを全部網羅してぎゅっと凝縮したショー。
これを観たら、ヘタな時代もの舞台が当分つまらなく思えてきそうだ^^;。


第二部 江戸みやげ『狐狸狐狸ばなし』。

2回目で筋が頭に入ってるからか、短く感じられたな。
初日より役者のアドリブが進んでるのか、前回よりもオーバーなリアクションとかが見受けられ、より軽めタッチな舞台になっていたよう。
観客もノリがよく、登場シーンで拍手、フェイドアウトで拍手、そしてあちこちで笑い声。たまにヒソヒソ話とかも聞こえ、しきりにパンフで何かを確認する人もいたり。
山本陽子や松村雄基の登場では拍手がわくので、寺杣昌紀@重善が登場の時にも拍手を送りたいと思った。だが誰もしないので、私もなかなか勇気が出せず^^;。

座席が良かったのか、牛娘が重善の腕を嘗め回すシーンで、寺杣さんの視線がチラっと私のほうに向き、笑顔で大きく頷いた模様。あれ?ここでそんな仕草をしたっけ?と初日を思い出そうとするが分らず。もし本当に私に気づいて小さなアクションを起してくれたのだったら嬉しいけどv。

寺杣さん@重善の「オレはどうしてこんなにモテるんだろうな」は嫌味がないので、会場の笑いを一気に誘う。後半、吃驚仰天するオーバーな演技も毎回ごとに違うバラエティさで、笑いのツボをくすぐる。重善は結構アクションも多いようだ。テンション高め過ぎて、転がった際に自分の足とか手をぶつけて怪我などしないようにと祈りたい。
「金比羅〜♪」は、下手舞台袖に引っ込んでからも聞こえてくるので、重善たちが迂回してるんだなと分る。ソバを食うといえばNHKの『芋たこなんきん』だが、お碗にちょっぴり入ってるようで、ホントにソバを1〜2本食べていたw。舞台上でホントに飲食するのは、寺杣さんお得意なのかもしれん。

3度目は楽日に観劇予定。今度は前方のかなり右。下手側の演技が観難くなりそうだ^^;。
Dボの舞台の楽日とも重なるので、ハシゴとなりそう^^;。
*pnish*本公演vol.10『サムライモード』を観てきた。
パニがこの劇場で公演するのは初めての気もするが、案の定満席ではなく^^;。
座席は前から2列目真ん中で、とーっても観易い。

前回までのボックスシリーズとは毛色が違う、*pnish*本公演の新シリーズは”モードシリーズ”か。
ロックミュージカル『BLEACH』の殺陣と、プロデュース公演『リバヒス』のアクションがミックスされたような*pnish*作品を、パニとは馴染みのある井関佳子が演出。
とある戦国の世。滅ぼされた家の武将たちと、滅ぼした家の当主の弟や家臣らが、様々な思惑の中で繰り広げる攻防戦と、変わらぬサムライ魂を描く。

最初は滅ぼされた伊那家に心情が置かれるが、やがて滅ぼした羽生家の話へと移り、観るほうはどっちつかずの複雑な気分になりそう^^;。
登場人物はそれなりに多く、主人公の他に主役もいたりして焦点がなかなか定まらず^^;。相関図は分るが、力関係やライバル関係のバランスがいまひとつ。
真ん中に高低の2種類の階段を備えたシンプルな舞台装置を広々と使い、展開はスピーディで賑やか。忠義と下克上の殺伐とした世界観に、笑いやギャグが程よく混ざり、パニらしさは失われていない。

見どころはやはり、殺陣とアクションだろう。稽古を相当積まれた様子が伺われる。たまに剣が交わるタイミングや効果音がずれて合わないこともあり^^;。
動きより、台詞や言葉の発し方にもう少し工夫や練習が欲しい。時代劇だからこそ、明確な表現力が必要だ。
殺陣にしろ台詞にしろ、今回特に、出来る人とそうでない人との差が目立ち、肝心の話の面白さも削いでるように感じる。

佐野瑞樹は、年齢や経験を感じさせる存在感で華がある。動きもキビキビしてるし、台詞や演技も上手い。
石倉良笙は、飄々とした存在感でピッタリ。
椎名鯛造は、若々しさの中に堅実さがあり、小柄な身体で爽やかな殺陣を見せ、永山たかしを彷彿とさせる。
キャラメルボックスの細見大輔は、周りとは違う重厚な雰囲気。声も演技も際立つ。
細見さんと一番絡む為か、長谷川哲朗の存在感が薄い。もっと威厳や冷酷さを備えどっしり構えて欲しかったが、無表情で棒読み台詞はお話的にもいただけない。むしろ哲朗くんの役を細見さんが演じてたら、全体的雰囲気も変わっていたかもしれない。
末吉司弥は体当たりの演技が愉快だが、トラジという役自体がゴミを飛ばすしw煩いし弱いしで、正直ウザイ^^;。

パニ4人は、其々意外な役どころで、新しいステップを昇った模様。
出番が多い土屋裕一は自在で奔放な感じだが、もう少し武骨さや不器用さも見せて欲しい。殺陣は割と荒っぽく、アクションのほうが面白い。
鷲尾昇が、今までにないクールで寡黙でカリスマな達人の役どころ。ソフトで静かな声もいいし、華麗な殺陣や刺すような視線もステキで格好良い(*^。^*)。
森山栄治の役は40代の設定らしいが、もう少し落ち着きが欲しかったか。声はさすがにいい。刀を鞘におさめる仕草も笑い所w。
佐野大樹は、なかなか美味しい役どころで奮闘するが、とうとう剣や殺陣は見せず。声がガラガラだったり、台詞が聞き取り難いのが難。

話や展開よりも、彼らの絡み具合が見どころか。
大樹くん&ワッシーの仲間同士より、大樹くん&椎名くん、ワッシー&tuti、瑞樹さん&栄治らの上下コンビが面白そう。椎名くんvs.tutiの対決に目を瞠り、栄治vs.tutiの対決にブリミュが過ぎったり。ワッシーが一度に二人と対決したり、瑞樹&大樹兄弟がほんの少しクロスしたり。
最後にいつの間にか、ステージにはパニ4人のみ残っていたり。
剣を使ったダンスは、役の個性や力強さを感じさせてカッコイーv。

二転三転させながら、人物を揺さぶってくれたが、ラストの行く先はあまり納得できない^^;。あまりに簡単に丸く収め過ぎで、それまでの緊迫感が吹き飛びそう。
サムライ魂を全うしたシスイの生き方に一番共感するかな。”サイガ”と聞く度に、斎賀みつきが浮かんでしまうw。”紀野”はどうしても「ひの」に聞こえてしまう。銃声があまりなくてホントに良かった。


終演後、全員がステージに並んだままプチ挨拶。今回のお当番はワッシー。
今日はお天気が良くてとか、佐野瑞樹さんと今回もあまり絡めなくて残念だと言うワッシー。「仕方ないよ。運命なんだよ、きっと」と苦笑する瑞樹さん。
瑞樹さんは、森山くんとは絡み辛いと強調。「何をおっしゃいます」と栄治w。橘役は誰がよかったか?は、今話すとモチベーションが下がるので、楽のお楽しみ?w パニ4人のトークでもコイツが絡み辛くしていると、さらに付け足す瑞樹さん。
ついには、DVD収録日なのにトークをワッシーにした大樹のせいだと言う瑞樹さんw。隣で苦笑の大樹くん。
15日までなのでまた観て下さい、と大樹くんがPRして終了。にこやかに手を振って退場する出演者たち。最後までワッシーがお辞儀をしていて好感。

花壇が賑やかで、和樹からもパニ宛てに届いてた。椎名鯛造くんには最遊記歌劇団から向日葵いっぱい。そういや悟空のイメージは黄色いヒマワリだったか。今度この劇場に来るのは9月の最遊記か。
朗読ものはCDやステージで何度か聴いたが、今日は、私自身が”詩”の朗読に参加してきた。
3月に参加した池袋ツアー・パフォーマンス主宰者Port Bさまからの突然のお申し出。次のプロジェクトであるサウンド・インスタレーションでは、某空間に様々な詩の朗読を流すという。そこで今回の詩の朗読は、前回の企画繋がりで『サンシャイン62』の参加者に朗読して欲しいということだった。
集まりの日程も丁度空いており、場所も遠くない。参加者には特典もあるようだが、何より”朗読”というものに興味が沸いたので参加を決めた。

場所は、元・中学校を様々な団体が再利用している校舎の一室。元・理科室で詳しくお話を伺いお茶をご馳走になった後、元・音楽室という静かな一室へ。
録音機材も置いてあり、演出家さんも控えた隣の椅子に座ると、マイク調整も行われる。
詩の一遍の紙を3枚いただき、この詩の意図や内容、どのような感じで朗読して貰いたいかを演出家から伺いながら、朗読の練習を重ねる。

妙な緊張感を味わった。”詩”というものの朗読がいかに難しく奥深いものだというのを味わった。
今回、私が読む詩は特殊で、1950年代に発表された某詩集からのひとつ。もちろん私は未読だ。年代からして予想できるが、戦争による”死”の言葉を連ねてあり、重々しく深刻で欝になりそうな内容である。そういった背景や作者の意図などを、演出家はこと細かく私に説明して下さる。
その上で、どんな読み方にして欲しいかを求める。感情を入れずに淡々と読む。単語に”意味”を込めず、即物的に読む。語尾に力を入れず、さりとて聞く人が各々で感じられるように読む。ペースを崩さず、速くならないように読む。
私の朗読の欠点も指摘された。ついつい単語に感情移入してしまう。噛まない様に意識するとペースが速くなる。自分でもそうなるなと認識する。
一行読む時に、一緒に二行目も目に入ってくるが、次の内容を目に入れないように、一行一行くぎって読んで欲しいとも言われた。
そして日本では、そもそも”詩”の朗読自体があまり多くないことや、役者でも”詩”の朗読の訓練をあまり受けていないことも教えて下さった。

演出家のおっしゃることは、いちいちごもっとも。全てに納得がいき理解できる。求められるように、私も読みたいと思う。だが実際はそう容易くはいかない。同じフレーズを読み直しさせられ、その度にもどかしくなる^^;。私はやっぱり素人なのだ。
プロの方なら、きっとテイク2かテイク3で、演出家のリクエスト通りの結果をもたらすだろう。
だが今回はそもそも、上手な朗読をして欲しいという意図ではなく、素人の参加者が朗読すること自体に意味があるのだ。

どうにかこうにか、30分くらいで私の朗読は終了。
緊張した疲れた、というわけではない。演出家が意図された通りの朗読ができなかったので、自分の力不足を再認識、存分にできないもどかしさが少し残った。
でも、”詩”の朗読の難しさと共に、色々なことを教わり勉強できたようで実りも多かったと思う。
今回の企画の一番手の参加者が私。それも一人での録音なので、演出家の方も熱心に色々とアドバイスや説明をして下さったのだと思う。偉い演出家の方から、素人の私だけへの直接ご指導。実は贅沢な時間だったのかもしれない。

終了後は、元・理科室に戻り、お菓子をご馳走になりながらしばし団らん。
他の参加者も、これから夜にかけて続々とおいでになるようだ。人数が多いと2〜3人ごとに朗読と録音となり、私は一人でやれたので良かったかもしれない。
今回、初めて”つくり手”として参加したが、演劇部時代の高揚感が小さく復活しそうだ。またこんな企画があれば、できるだけ参加してみたい。
朗読が使われるという、肝心の演劇的インスタレーションへも足を運ばなければ。

それにしてもプロの声優さんはこういう詩も的確に朗読されるのだろうし、あらためて感服。私が今回読んだ詩を、声優さんはどのように朗読されるのか聴いてみたい。
マウスプロモーション第5回公演『銀と赤のきおく』千秋楽を観てきた。
さすが楽日。当日券は完売、満員御礼でロビーは混雑。
今回は2列目真ん中でかなり観易いが、最前列が何故かポツポツ空席なのが勿体無い^^;。
マウスプロファイルと一緒のチラシ束も、数がないのか無し。

3回目にして、ようやく全てが飲み込め分ったように思う。単純に観ればいいのだろうが、どうしても展開の理解や時系列に拘っちゃうからだろうか。

猿田少年が1回くすねた”心”はダリの中に入ったが、その結果ダリが廃棄処分となり、猿田少年はダリの”心”をもう1回くすねて、ずっと持っていたわけだ。入退院後に再び会う老工員が同じ台詞を繰り返すので、少々混乱してしまいそう。10数年後、大人になった猿田がその”心”をチヒロに入れる。二つの原作を上手く交差させてはいるが、ナレーションも何もないので分り難い。
猿田少年の記憶「チューチュータコカイナ」は、ロビタへと受け継がれていくが、猿田が手で埃やチリを払うクセまで、チヒロを通じてロビタにも継がれていく。

レオナ&チヒロと共に、ロビタを描くので、考えれば考えるほど前後の時系列で戸惑いそう。せめてロビタのほうは、第2部からメインで描いてくれればよかった。
でも作り手としては、1部のラストで、レオナとロビタを同時にステージに立たせたかったのだろう。「50年後どうなっているのだろう」と現在と未来の姿を表現したかったに違いない。

今回の作品は、全ての台詞や動作に深い意味合いが含まれており、後々の布石となるようなものも多く、何度も観るほどに、作品の”魂”に包まれていくような感触を抱く。
これも脚本と演出を手がけた池田政之氏の才気に寄るところだろう。そして堅実に細やかな演技で表現できるマウスプロの役者たちの力量があればこそ。
それでも、脚本上でもう少し分り易くさせる工夫が欲しかった。薄い暗転での死人が動くサマも見せて欲しくはなかった。

2列目という前方ならではのネタも分ったし、金曜のトークショーの内容も踏まえて観ると、他にも色々と興味深い思惑や発見があった。
ダリからウルフに寄っていく場面では、前もって中央に敷かれた絨毯フックや手を動かす2人の黒子の存在などネタも明らか。今まで観た列からでは自然に見えていたから、いいアイデアだったと思う。
大塚明夫@石場が椅子を要求する場面で、何と脚本&演出家の池田氏が医師の格好で登場(明夫さんとは同級生とか)。開演前はダンスシーンで登場する予定を急遽変更し吃驚させるが、明夫さんはアドリブで対処w。会場も沢山の笑い。
小上裕通@ダーリンが着ていたスーツは明夫さんのものだが、旦那のスーツごとダーリンと熱い抱擁をしていた沢海陽子。
小上くんが兼ね役した手下が「ロビタ」の名付け親だが、そのロビタに殺されるダーリンという図w。
基地長の手下役で基地を去った小形満が、今度は猿田役として基地に舞い戻る図。
佐藤雄大は助手2パターン&人形役だとようやく気づく。
レオナのグラスが銃で吹っ飛ぶ場面は、舞台奥から音を出していたのが分る。コレはいつもキッカリ合った。
納谷六朗@ドクが結局は一番の悪だったような^^;。野望と狂気のドクターとして大きな存在感。

楽日ならではなのか、ライターの火がちょい大きく燃えてたり。女ボスの手下たちの酒盛りがかなり弾けてたり。レオナの「チヒロー!」の叫び声もいつも以上に思い入れが入っていたかな。
4枚の白布の1枚が、1部では上手く垂れ下がらず。
女ボス@レオナが珍の頬をぶつところの音入れで、今回もイマイチ合わず、思わず吹き出してしまった(^_^;)。舞台袖から入れるから合い難いのだろうか。

ロビタ&猿田で終るラスト。音楽の盛り上げもなく、拍手も無かった公演もあったそうだ。今回は真っ先に拍手をさせていただいた。
ED後の一枚絵のようなキャラクター情景は、Studio Lifeで毎回使われる手法だが、Lifeさんみたいに余韻を増す為にも、ここにも音楽が欲しいところ。

役者サインボール投げでは、真ん中にいらした中庸助さんが苦手そうに苦笑されてて、こちらもホックリ。3公演で1個も取れなかったが、こんなスカは今までのマウス公演で初めて(-.-)。
最後の挨拶は、ロビタ@森田順平さん。
楽恒例、2ヶ所の通路を役者が二手に分れて通り過ぎ、ロビーで観客をお見送り。役者との触れ合い時間みたいなもの。前列だったので、順番がくるまで時間がかかる。

トークショー司会で馴染んだ小上裕通さんと挨拶&握手。ご自分の服装が誰のものか、屈託なく話してくれる。友人がサインボールをゲットし、価値が上がるように頑張りますと話していた。
楠見尚己さんにお嬢さんのことを話したら豪快な笑い。大塚明夫さんはいつも愛想良くて可愛いらしい。森田順平さんにロビタ役や篤姫について。大川透さんにはパンフについてお話。皆さんと握手もして頂いた。
田中敦子さんはほっそりとお綺麗で上品な方。ブログのことなどお話して握手。沢城みゆきさんにチヒロ役を絶賛して握手。常に低姿勢で御礼を言われて賢くて知的な方。中村俊洋さんにもレオナ役についてお話して握手。今後の注目株だろう。
沢海陽子さんや納谷六朗さんとお会いできなくて残念。早々と退出されたんだろうか。
ヒーロー・ヒロインの方々は、花束やプレゼントも沢山抱えていらした。森田さんのところに可愛いお嬢さんがいらして微笑ましかった。

皆さん、9公演お疲れ様でした。マウスプロならではの深味のある良質な舞台だったと思う。手塚治虫作品という著作権絡みで、今回の舞台がDVD化されるか不安である。
次回公演はまた6月だろうか。桜シリーズ完結話と共に、待ち望みたい。
マウスプロモーション第5回公演『銀と赤のきおく』中日を観てきた。
トークショーがあるにも関わらず、平日昼は空いている。
今回も初日とあまり変わらぬ座席。真ん中前方で観易いけど、ちょっと味気ない。

今回のタイトルで注目すべきは、「記憶」じゃなく「きおく」なこと。漢字で検索する方が多そう。平仮名の中に、人間以外の者が持つ深いニュアンスが含まれていそう。

普通、2回観ると、作品の中味がより理解できるものだが、今回は逆に分らなくなってきた^^;。
1部のラストは、ロビタとレオナの二人の主人公で幕が閉じ、2部を最後まで観ることにより、時空を超えた二人の関係がようやく分ってくる。
ところが結末も知った上で、あらためて1部を観直すと、時系列が複雑にクロスされているので混乱しそうになる^^;。

猿田少年は”心”を2回くすねて、1個はダリへ入れたが、もう1個はずっと保存していて、大人になってからチヒロに入れたようだ。『ダリとの再会』と『火の鳥復活編』の間で、先ず10数年の時間経過を伝えてほしい。
1部中盤からは、ロビタと、レオナ&チヒロを交互に描いたせいで、前後の時系列がごっちゃになる。レオナ&チヒロがいたからこそ、ロビタがいるのだ。先ず恋人たちをじっくり描いた後で、ロビタに焦点を充てて欲しかった。
猿田博士がロビタに入っている”心”を見て、すぐにチヒロに繋げるのも何かヘンだ。猿田博士は二人の関係性は知らないハズだから。原作通りだとしても、もう少し説明が欲しい。

音楽はだいぶ脳裏に入ってきた。ロボットのテーマのような切ない音楽は胸を揺さぶる。もうひとつ、ラストに向けての壮大な音楽も欲しかった。
1部&2部とも、展開的に少しダレるシーンがあり、ちょっぴり眠気が起きそう^^;。
暗転が多いのは諦めた。だがアンケでも書いたが、演出上の意図があるにせよ、薄闇の中で人物が動くシーンはあまりいただけない。ついさっき死んだのに移動するなんて、興醒めでもあり、余韻も起こらない^^;。

初日に書ききれなかったこと。
一昨年の『桜の花にだまされて』でお馴染み、「選挙」の大塚明夫&森田順平コンビがちょい復活w。楠見尚己の「バンザーイ!」といい、前作ファンには楽しいシーン。
その楠見さんのお嬢様、楠見藍子も初出演され、珍しい親娘共演。藍子さん@行夫の父親役は大川透。大川さん@行夫父が嘆き叫ぶシーンは熱演が冴えて見どころ。
マウスプロはどうやら若手男性の中でも、レオナ@中村俊洋、助手@佐藤雄大を本格的に売り出す模様?w

今回もエンディング後の拍手のタイミングが曖昧気味。恒例のサインボール投げも上を通過してたり。ま、いいか。友人は大川さんのボールをゲットし、これはきっと近藤さんが下さったんだよ、と二人で偲んだ。
残りは楽日。


終演後、トークショー。
司会は、水曜マチネでも担当した、ダーリン&トワダ&手下の小上裕通。司会はあまり慣れてないようだが明るくて一所懸命。ちなみに着ているスーツは明夫さんのもの、靴は中村くんのものと借りるのが得意な方w。

出演者は、森田順平(ロビタ役)大川透(行夫父、院長役)沢城みゆき(チヒロ役)中村俊洋(レオナ役)。大川さんは麦わら帽にグラサンに付け髭に白衣と役柄網羅で登場だが、暑くて全部脱いで普通の眼鏡に。紅一点の沢城さんは白いドレス。

5公演終って折り返しの感想。一昨年と同じサンダル使用の中村くんは、舞台でこんなに台詞を喋ったのは初めてだとか。

台本読んだ時の感想と他にやりたい役など。
「地球はどっちでしょう?」にウルっときたという森田さん。十何年若かったらウルフとかやりたかったと。
その”十何年”にツッコミも入れた大川さんは、今回3つの役とも人間だと強調。ロボット役もやりたかったが、やっぱり出来ないなとw。
沢城さんは、最初は男の子役かと思ったらしい。ロボットも人の感情もやれたので美味しかったと。
レオナというやりたい役がやれてという中村くんは、原作では最初スキンヘッドなのを許して貰ったとか。

個々への質問。
森田さんの辛そうな体勢は、実は腰や膝にラクだとか。狂言のコマイがヒント。実際にロビタがいたら子供の世話をして貰う。
大川さんの手塚治虫編集本はSF短編がメインだが、その最初に入れたのが『ダリとの再会』で、今回の脚本で運命的だったとか。実際にダリがいても硬そうだからイヤだと。
沢城さんはマウス本公演は初めてだが、取り組み方が違い、稽古中も仲良くなれ楽しかったとか。「レオナ・チヒロ」の名称呼びが難しい。模型チヒロもいつも舞台袖で娘風に扱われてるそう。
中村くんの譲れないトコは髪型とファッション。今回もサイボーグ風に&近未来風にと馴染みの店にリクエスト。レオナから女ボスになるとこは、鋭い目線で足組んでだが、声はレオナより低くしていると。前回の役柄といい、次回作もこういう路線か?w

観客からの質問にも色々とお答え。
小さなハプニングで、初日で舞台袖にハケル際にレオナに引っ張られすぎてチヒロが転んでいた話にも言及。あれは見ていて、沢城さんが可哀想だったw。レオナ女ボスが明夫さん@珍を叩くシーンで、舞台袖でパチンと叩く音が合わないコトにも触れる。あれは舞台監督がされてたとかで、今日は上手くいったよう。

最後に残り4公演への意気込み。自分の決めた目標をクリアできるよう頑張りたいが、劇場ともう少し仲良くなりたいと沢城さん。舞台に立つ事が喜びでやみつきで楽しくて仕方ないと言う中村くん。
舞台裏話も聴けて、素のお顔も拝めて、濃厚で楽しい15分間だった。お疲れ様でした。

水曜マチネにあった、納谷六朗、大塚明夫、田中敦子のトークショーはいかがだったのか。
3年前みたいに、明夫さんがマイペースなトークをされてたのでは?w あの時のストッパーは、氷上さんや寺杣さんだったか。今回、中村くんが意外に普通のマトモな答え方をされていたので、逆に物足りなさ感もw。3年前の若手、小野くんは可笑しなトークで変人ぶりを披露してたしね。
平成二十年六月 松竹特別公演『嘉島まつり』と『狐狸狐狸ばなし』初日を観てきた。
いつも行く劇場とは明らかに客層が違う^^;。こういう豪華二本立ての観劇は明治座以来か。
チケぴあ特別割引で取れたのは前通路の座席。ステージへは遠く感じるが、役者たちの目線が結構こちらまで飛んでくるのが嬉しい。

第一部 舞踊『嘉島まつり』。約40分。
タコ焼き屋と綿菓子屋が客席通路を通ってからステージで前説。
演歌や歌謡曲と共におくる、華やかな舞踊ショー。メインは、去年のNHK大河ドラマ『風林火山』に出演した嘉島典俊と、元SKD男役トップスターの甲斐京子。
嘉島さんによる女方、立役、早替わり、立廻りを披露。特に早替わりでは、童女から女へ、武士から町人へ、そして旅姿へとものの数秒で替わり、観ているほうもつい拍手。台詞はなくとも、所作や動きだけで的確に表現されて見惚れてしまう。
甲斐さんの男役も粋でいなせで格好良い。歌って踊りながら、目線がこちらまで飛んでくると、思わずドキドキしちゃいそうw。

25分休憩。


第二部 江戸みやげ『狐狸狐狸ばなし』。1時間位かと思ってたら約2時間あった。
何度も上演されていて初演は大阪が舞台だったとか。同じようなキャストで2年前にも上演されてたが、京都だったので行けず。

江戸末期。間男と密通している悪女と、その女を妻にもつ男が、周りを巻き込んで繰り広げる、サスペンスと笑いの時代劇。
筋だけ見てると、いかにも男女のドロドロした情痴世界に見えるが、意外やアダルトテイストのコメディタッチ。狐と狸の化かし合いのように、観客も軽めに騙していきながら、ドンデン返しがまた痛快で明るい。

お目当ての寺杣昌紀は、女好きのエセ坊主・重善役。油ぎった女房の間男だったり、金持ち娘から言い寄られたり。男冥利に尽きるほど女タラシでモッテモテw。口も達者でどーしようもない自惚れ男。
坊主頭じゃないけど短髪で爽やか、逞しく締まった身体が男らしくセクシーな寺杣さん(*^。^*)。真面目な顔の裏に妖しさを秘めたり、クールなのにどこかヌケてたり。男っぽさと子供っぽさを同居させ、格好良いのに可愛らしいっ。
前半は、そんな寺杣さん@重善が殆ど主役状態で目が釘付け(^.^)。

悪女の女房おきわが山本陽子。おきわは情熱的で純粋で可愛くも見える。
その夫で元女方の伊之助に松村雄基。久々に拝んだお顔には皺も増えていたが、細身長身と関西弁を駆使し、優雅な所作と動きで役に溶け込み、会場に笑いを添える。
中山仁も老け顔になったが、善良さの中にトボけた味わいで、後半めきめき存在感を増す。
一部でタコ焼き屋もされていた曽我廼家寛太郎がキーマンかな。一部で主役の嘉島さんの意外な役どころにもビックリ。てか、あれじゃ寺杣さんがツブされてしまう〜w。

寺杣さんのデュエットも聴けたり、お経も少し聞こえたりw。吃驚仰天するオーバー気味でコミカルなところも笑いを誘う。食べてる演技も上手いなぁ。山本陽子さんとの息もぴったり。
堅苦しさは殆どなく、アドリブだか芝居だか分らない自由な感じも楽しめ、役者の力量も如何なく発揮されそうだ。公演が重なるにつれ、アドリブも加速し新たな発見もありそう。

また、中日と楽日に観劇予定。今度は前方席で徐々に右へ移動。

 ̄ ̄ ̄
明日はマウスプロを観劇。
水曜マチネに石田さんがいらしてたそうだが、木曜ソワレには関俊彦さんがいらしてたとか(現地実況ありがとうですw)。
Special Playing Company 鈴舟の旗揚げ公演『想い出のグリーングラス』初日を観てきた。

昨年9月に10年間の歴史に幕を閉じた鈴置洋孝プロデュースから生まれたカンパニー。「鈴置さんが造った舟に乗って芝居作りという航海に出る」と言う意味のユニット名だという。鈴置プロデュースクラブの頭文字”SPC”を半ばこじつけのようにして新たに付けたとか。
第1作目の演出はもちろん堤泰之氏。脚本は『ムーンリバー』の桑原裕子氏。キャストはお馴染みの内海賢二、麻生美代子、和田太美夫、原案も担当した田中完。達者な役者陣に加え、新しく若い力も加わり、晴れて出航を迎えた。
この目出度き初日を、最前列という座席で拝めるのは光栄なことだ。

芝生や池のある公園が舞台。新聞には載らない人たちの遠い想い出と記憶が絡み合い、彼らの絆と旅立ちを描くハートフル・ファンタジー。
故・鈴置さん時代の流れを汲むテイストながら、役者たちの意気込みや情熱がひと際感じられ圧倒されつつ、笑いあり涙あり、ジンと込み上げる温かさに触れた話で感動した。

アップダウンと精巧さで工夫された舞台装置が先ず面白い。これだとフラットでも芝居が観易く分り易く親切丁寧。
暗転後の時間経過が意外と少ないもどかしさは残るが、起承転結の明確な展開で集中できる。
役者さん殆どが声がデカイ! 役者さんの溌剌機敏な演技と抜群のタイミングや間には感服。どのキャラクターも個性的な境遇だが、役者同様、嫌味なく共鳴できそう。
条件的にはよくあるネタだが、人物たちが微妙に絡む中で膨らむ様子が心地いい。
単純で分り易い台詞に、桑原さんのセンスが光る笑いや毒もあり。そして出航に相応しいオマージュが待っている。

特に内海賢二さんが、70代という年齢にも関わらず、誰よりもパワフルで覇気がある。声の大きさや存在感もスゴイが、疲れも見せないアクションには目を瞠る。頑固で強面の顔が、徐々に柔和な笑顔に変化していくのも味わい深い。ラオウ@内海さんからアノ台詞まで聞けるとはw。
麻生美代子さんは、いつもの飄々とされた超人風なお年寄り。こちらも80代には見えぬほど足腰もしっかりされて、抜群の存在感でフシギな魅力を振りまく。

和田太美夫の善良ぽく見える演技、田中完の人情味ある演技も見どころ。大谷典之、横山真二、中野順一朗ら若手は、其々なりのイケメンぽさで勝負かw。
主婦として共感もさせた三谷悦代の気風のいい台詞回しが好み。「ハゲてしまえ!」なんて一度は言ってみたいものだw。吉祥美玲恵は母性本能いっぱい。
梁島美保と小林由美子は初見だが、”大小”の見事なコメディにたっぷり笑った(^o^)。見た目と本質のアンバランスさもグー。

麻生さん演じる芝さんが、昔を思い出す中でしきりに「あの人」と口に出すのだが、「あの人」にどうしても故・鈴置洋孝さんを重ねてしまうのは自然。
芝さんがあの時言った言葉は、そのまま麻生さんの本音だったのだろうか。でも「まだまだ」と押し留まらせたみんなの優しさは確かに本物だったのだろう。
その後の暗転が長くて良かった。込み上げてきた熱い涙を振り払うのに時間がかかったから(;_;)。

鈴置プロデュース時代と比べて、役者やスタッフの皆さんの心の何かが変わったようにも思う。
今、ひとつになった帆をあげて、大海原へと漕ぎ出でていく”鈴舟”の皆さん。さぁ出航だ!と声をあげる役者たち。想い出を胸に抱き、新しい日を目指して、舟は走り続ける。
ここは、ボン・ボヤージ!と声をかけて、行く先を温かく見守っていきたい。

鈴舟の次回公演は、来年2/25〜3/1の『オンリー・ユー』。このまま永遠のスタンダードナンバー・シリーズとなるのだろうかw。

その前に麻生さんと田中さんは、秋のDC公演に客演。タイトルは『BIRTHDAY〜2008〜』(仮タイトル)。TARAKOさんや、中尾さん&関さんからも、鈴舟に花壇が届いていた。
夜から、マウスプロモーション第5回公演『銀と赤のきおく』初日を観てきた。
チケット引換えだが、先ず受付の”先行予約”と”一般受付”のどちらに行けばいいかで皆さん迷う。”ハガキ引換えはこちら”という張り紙でもしとけばいいのに。
頂いたチケ全部とも、一昨年と違って前方席真ん中ブロックなので一安心。ここの劇場は4列目までフラットなのが難。

手塚治虫生誕80周年記念。脚色・演出は池田政之。
マウスプロ役者さんが、ベテランから新人まで総勢40人がご出演。2年ぶりの舞台は、恒例の”桜”シリーズではないのが残念だが、約2時間20分のスケールの大きなドラマチックな舞台となった。
手塚作品原案を2つ絡ませたストーリー。未読の『ダリとの再会』は、舞台前半部分で網羅。中盤から後半は『火の鳥復活編』となり、遙か昔に読んだきりだった私の”記憶”を少しずつ呼び覚ましてくれるような、懐かしい興奮を味わう。

記憶という人間にしかない心をもったロボットを軸に、ロボットに恋したサイボーグ人間や、絡み合う人間たちの生命に対する貪欲さを描いた話。
タイトルの”銀”とは無機質な機械のことであり、”赤”とは血の通う人間のことであり。実は、心を持った機械(ロボット)こそが、人間以上に純粋で切ない心をもっているのではないか、という問いかけと警鐘でもあるようだ。

最初は、『ダリ』と『復活編』のエピが混ざり合い、パッチワークのような散漫さを感じ、なかなか物語の世界に没入しにくい難しさがある。
暗転も多く、スピーディさが少々失われがち。薄い暗転の中での役者の動きも見えてしまう。
効果音もほんの少し合ってないような感じ^^;。使われてる音楽も今回は印象が薄く、ラストをもっと盛り上げて欲しかった。
シンプルな舞台装置だが、中央の大きな円盤が地球や心を模したりもして、面白い使われ方。

大所帯の上に兼ね役が多く、最初は群集劇の雰囲気だが、誰が何の役をやっているかの発見の楽しみはある。
メインはロビタとレオナ&チヒロだと分ってくるが、ダリや猿田などのキーマンもいて、焦点をなかなか絞れず、人物への感情移入がし辛い。
初日だからか、全体的に台詞のカミが目立ち、もう少し演技と演出の進展が求められそう。

森田順平が登場した当初は驚いたが、淡々とした無色の表情と動きがだんだん自然に見えるほど達者な演技。
初の大役、中村俊洋は若さ溢れる熱演とルックスで話を引っ張るが、目を瞠るようなオーラはもう少し先か。
沢城みゆきが今回の掘り出し物。堅実でひたむきな演技は愛らしい。少年声も生かして、兼ね役もさせて欲しかったかも。
納谷六朗はさすがの存在感。中庸助、楠見尚己、小形満のベテラン勢も見どころ。大川透はホントに舞台に立つのが嬉しそうな様子。
谷育子がアドリブを駆使して笑いをとる。これは毎回ネタが変わりそう。沢海陽子と田中敦子はどちらも”女ボス”だがw、沢海さんが妖艶で敦子さんが知的。
田中敦子&大塚明夫ではちょっぴり素子&バトーなシーン。明夫さん、奥様がいながら敦子さんにセクハラっぽいマネもw。

前半の大谷育江の声は、可愛くて純粋で抱きしめたくなる程。わらび座では新妻聖子だったが、火の鳥の声はNHKアニメと同じく田中敦子さん。どちらも声に慈愛と凛々しさがある。
若手では、増田隆之、宮澤真一、三浦綾乃の演技が印象的。ロボットの行進や、ダンスなど、しっかりトレーニングと稽古を積み重ねた成果が出ている。

割とあっけないエンディングで拍手のタイミングがちと難しい。初日の挨拶もなし。恒例のサインボール投げでようやく客席も賑やか。前方過ぎてボールは来ず^^;。
とりあえず中日、楽日とあと2回観る予定。
平日昼にはトークショーも控えており、役者からの秘話や舞台裏話がまた聴けそう。
物販で、パンフと寄せ書きサイン入りエコバッグを3種ゲット。明夫さんのサイン入り写真集もあり。


パンフで大川透さんの書かれているコメントに、しみじみと切なくなる(;_;)。もうすぐ近藤玲子さんの一周忌。

パンフで、手塚治虫作品についての思い出を皆さんが語っているが、私も思うことがあり。
月曜夜の『スマスマ』に水谷豊がゲストしてたが、デビュー作として『バンパイヤ』の映像がチラと流れていて懐かしかった。
手塚作品のTV作品では、『鉄腕アトム』や『リボンの騎士』はリアルタイムで見た覚えがない。『ジャングル大帝』や『ワンダー3』は観てはいたが、その前に漫画と一緒に脳裏にこびり付いているのが、実写とアニメの合成で今でいう特撮の『バンパイヤ』である。

モノクロ仕立てがまたダークな感じで、いつもビクビクしながらの怖いもの見たさ気分。
主題歌「バンパイヤの歌♪」は今でも歌えるがw、「悪の手先、ヘイ!ロック♪」のバラードも好きだったv。トッペイが狼に変身していく様子にもゾクゾク。当時16歳だった水谷豊は、漫画と比べて老け気味の顔だったが初々しく可愛かった。
何といってもトッペイとロックの関係に注目。今でいうとLとライトな関係ぽいw。クールな攻めロックに、悩み反逆する受けトッペイ。数ある手塚作品においても、男VS男の作品に惹かれるのは、やはり子供の頃からBL気質だったから?w
手塚治虫氏がTV『バンパイヤ』に出演されてたのも有名。あれで、手塚氏ご本人の顔と虫プロの存在を知ったのだろう。
蜷川幸雄氏演出舞台『わが魂は輝く水なり-源平北越流誌-』(Bunkamura)千秋楽を観てきた。
楽の前にも1回観たかったが仕方ない。殆どが女性客だが、前方に空席があるのは残念。座席は1階5列目上手寄りで、オペラグラスは必要なかった。

平安末期の源平合戦の時代。老齢の平家武将が、亡霊となった息子や夢の中の女と関わりを持ちながら、壮絶な戦いの日々を送る話。
清水邦夫の名作を蜷川幸雄が演出した4作目。豪華な出演者により実現した新作。

狂った戦闘集団と化した木曽義仲軍を描きながら、焦点に義仲と深い関わりを持った平家の斎藤実盛を据え、実盛の息子・五郎(亡霊)と六郎の行く末を見つめるところに厚みと深みが増す。
キーワードは幾つも出てきて、突き詰めると難題だ。自然と、人と、夢。戦乱の中の狂気。人は変わっていく。老いと若さ。生と死。
美しく詩的だがやや難解な台詞が発せられ、常に全体を覆う土色の緊迫感が、何となく取っ付き難い印象を受ける。だが根底から、男女や親子の愛情や憎しみの話が浮き上がり、人物たちの明確な思いが伝わってくる。

武将の父・実盛役は野村萬斎で、40歳が60歳を演じる。白髪に深い皺に曲がった腰、低く太く篭った声も違和感なく、威厳を感じさせるほど上手く化けた。
不慮の死で亡霊となり父に付きまとう息子・五郎役に尾上菊之助。ひらひらした柔らかな衣装は、自然の化身か妖精のよう。品があり美声だが、ちょい鼻声っぽく聞こえる。
五郎が亡霊となり箍が外れたのか、この親子のやり取りが思った以上に面白い。歯に衣着せぬ率直な物言いと、ユーモア溢れる明るい会話。飄々とした萬斎さんと可愛く気取った菊之助さんの息もぴったり。対等で親密な親子か、男の同志のよう。暗く混沌とした世界観のハズなのに、一服の清涼剤のように、観客を笑わせてくれる(^o^)。
しかも五郎の姿は実盛しか見えず、五郎と接する実盛の姿は、他人からは変人にしか映らない。実盛は「疲れてる」と言われるが、まさに「憑かれてる」のだw。そこにまた愉快な場面が生まれる。

死人と接してる実盛は、ある意味幸せ者かもしれない。
戦いに生きる者たちは壮絶だ。男に裏切られ男の愛を求め続け狂う女・巴。父を裏切り女に翻弄されるも真実を突き詰める実盛の息子・六郎。全てを裏切るサマを見せず野心を求める男・兼平。誰もが人を殺し、自然を破壊し、狂うような人生を送る。秋山菜津子、坂東亀三郎、大石継太が、其々の味を際立たせる。
暗闇もあれば明光もあり。
実盛の朋友・藤原権頭役に津嘉山正種。程よく出番があり、実盛との信頼感ある親しいやり取りを見せ、渋くも情感ある存在感が光る。それほど勝利に拘っていない風な(?)平維盛役の長谷川博己のおどけた演技も楽しい。

蜷川さんお得意の通路を使った演出も健在。特に菊之助@五郎が風のように優雅に通過していた。
ステージに透けた可動式スライドを置き、奥のセットを変幻自在に変える演出もスピーディ感を増す。お金をかけた大胆な情景も目を惹き付ける。相変わらず”馬”人間で笑う。

清水氏がこの戯曲を書いたのは40代だったとか。今の私の年齢を振り返ると、老いに篭められた思いには共感させられる。昔、10代の義仲や五郎らが輝いていた時の煌き。実盛はその姿を眩しく思うと共に嫉妬さえ覚えていた。父親と息子の関係は、そのまま母と娘との関係にも繋がりそうだ。
実盛が黒髪に染めた行為にも納得。まだまだという意気盛んな思いと、嬉しさと気恥ずかしさが入り混じった感情。白塗りの顔も若者の持つ仮面のよう。実盛と五郎のやり取りは、切ないというより微笑ましく感じる。水の音を最後に感じ取れた実盛は、確かに若者のような”煌き”に戻っていたのではなかろうか。

終演後、全員が揃ってお辞儀。楽日とあってカーテンコールは4〜5回あったか。3回目かに蜷川氏も下手から出てきて、萬斎さんと菊之助さんの間に並んでご一緒にお辞儀。菊之助さんと津嘉山さんが隣同士で手を繋いだりして、これぞナマ・カスピアン&アスラン(^.^)。途中で客席上からピンクの花吹雪が舞い、出演者と前方客を優しく包んでいた。ピンクと銀の四角い紙を少しお持ち帰り。前方客から始まり、結局会場はスタンディング・オベーション。溢れんばかりの拍手が鳴り止まなかった。

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