ミュージカル『The Light in the Piazza(ライト イン ザ ピアッツァ)』を観てきた。
女性作家の原作を基にしたブロードウェイ・ミュージカルの傑作として賞賛された日本版。
7月の『レ・ミゼラブル』のトプステ・トークショーでも話題になったので、どうしても1回観たかった舞台。いつの間にかチケット販売がされてて慌ててゲット。
お目当ては新妻聖子と小西遼生だが、先輩エポニーヌだった島田歌穂にも期待。花壇も賑やかで、島田さんへ著名人からのも多い。

イタリアを旅行中の母娘が運命の出会いをし、幾多の障害を乗り越えた後、親離れしていく娘と再生する母を描く。
色々な意味で刺激的で感動的だった。内容もテーマも実に奥が深い。ともすれば暗く深刻な気分にもなりそうな話だが、美しい旋律と高らかな歌声が、明るく大らかな雰囲気をもたらし、生き生きとした芝居に仕上げている。

演出・翻訳はG2さん。『ダブリンの鐘つきカビ人間』で手痛い思いをしたのだが^^;、今回は台詞と音楽を渾然一体にしたいという思いがよく伝わってきた。キャラクターを丁寧に掘り下げた演出は、役者にも厳しい課題が与えられるが、観るほうも真剣な手ごたえを感じる。
劇中で会話されるイタリア語に字幕を出さない試みも面白い。何を言ってるか分らないから、何となく分るようになり、母娘と一緒に体感させられた結果、どんどん母娘の心情に没頭していく。

娘を持つ母として、とりわけマーガレットの心情に思いを馳せる。彼女は今までもずっと、娘を見守り、抱きしめて、娘の前にある闇や壁を取り払い、娘にとって最善の方向へ導き、一生懸命に娘を支えて向き合ってきたんだろう。でもいつまでたっても、自分の意思を優先できず、自立もできず、夫にも逆らえない。その夫ときたら、金は出すが、子供のことは真剣に考えず頭から取り払い、ただ波風たてないのを望むだけ。まるで『アルジャーノンに花束を』の母ローズと父マットみたいじゃないか。金があるかないだけの違い。いつの世にも普遍的で理不尽な家族の問題。まして今回の舞台は50年前なのだ。今にも増して”母”の逆境は厳しかっただろう。
そのマーガレットが娘の結婚を前にして、ようやく夫に「ノー!」と言えたのだ。なんという快挙。立派な決断。彼女に心を重ねながら、我が娘の幸せを思い描いて、涙が流れて止まらなかった(;_;)。
島田歌穂のチャーミングで凛とした表情が素晴らしい。品のある歌声も心に染みていく。

娘クララ役の新妻聖子は新境地だろうか。可憐で優しい衣装を身につけて、純粋で無邪気でとても可愛い。歌の表現力も魅力もさすがだが、徐々に聖子の”知性”が滲み出てしまい、演技が画一的になってきたのが残念。似たような娘の旅立ちの話で『孤児のミューズたち』があったが、林勇輔はもっと豊かな演技を見せていた。
ファブリーツィオ役の小西遼生は、時に純朴で時に情熱的な天然の好青年で、黒髪もイタリア人ぽくていい。立ち姿や目力も魅力的で格好良い(*^^*)。『レ・ミゼ』ではきっかけはバケットだったが、ここでは帽子なんだね。夏頃と比べると発声がぐっと良くなり声もよく出る。更に力強くもっと前に押し出せれば、役のイメージも鮮烈に残るだろう。ようやく一幕最後にきた新妻さんとのデュエットは悪くないバランス。キスシーンも息の合ったアプローチ。シャツを脱いだ時に、左乳首と共に、左脇のほくろまで目に入ってドキドキv。少なくとも、小西くんという役者を周知させた今作は意義がある。

彼の父ナッカレリ氏の鈴木綜馬は、渋くてダンディな好紳士的印象。小西くんとの父息子関係も和やかで、マーガレットには時に”男”の表情も見せてセクシー。バリトンな歌声も響いた。
母ナッカレリ夫人の寿ひずるは良妻賢母として鮮やかな歌声を披露。長男の嫁フランカのシルビア・グラブは、イタリア語的によく分らない位置付けで^^;、歌は上手かったが印象は薄い。
女性キャストはみんな胸がデカいなぁと、胸ばかりに釘付けになりそうw。金がかかってる色彩鮮やかな衣装にも目を奪われる。

言葉の障害、文化や宗教の障害、年齢差の障害と数々の障害の前には、知的な障害なんてそれ程のことではないかもしれない。秘密にしてたわけでも隠してたわけでもない。全てを話すことも大切かもしれない。でもあの家族はみんな、娘のありのままの姿を素直に自然に受け止めて好いてくれている。それだけでいいではないか。ヘタに話したら偏見を助長させるだけだと、過去の苦い経験でもあった。今は、身体と共に、いつの間にか成長していた娘の”心”を信じようではないか。『アルジャーノン』では”花束”という”別れ”で切なかったが、『ピアッツァ』では”Light”という”希望”が導かれているのだから。

娘のことはもういい。母マーガレットはどうなったのだろう?夫としっかり向き合うのか、または夫と背中合わせで別れるのか。彼女のその先が知りたかった。
ただ、純白の娘と重ねて、母の真っ赤な衣装が前面に映えた時、彼女の愛情と決意が伝わってくるようでもあり、希望を信じてあげたい。
楽曲は耳慣れなくて心に残るものは見つからず。最後の歌もずいぶんあっけなくて物足りなさはある。

終演後のカテコは3回だったか。島田さんがいつも、新妻さんと小西くんの手を繋がせ、優しい母親ぶりをのぞかせて微笑ましかった。何年後かに再演されたら、また観にいきたいな。


来週は『のだめ』オーケストラでまたこの劇場。1月も『ジンギスカン』でこの劇場。駅から近くて便利なのでいいか。
ひらり、空中分解。vol.14公演『バンドワゴン』の千秋楽を観てきた。
ホントはもっと早くに観たかったが、日程の都合がつかず。
最前列で嬉しいが、役者の熱気と共に、ツバやアセまで飛び散ってきそうな接近戦^^;。

選挙戦を舞台に、かつての同級生7人を描く群像コメディ。
脚本:金津泰輔、演出:郷田ほづみのゴールデンコンビ。
5年前に上演した作品で、8年目にしてひらり初の再演だという。再演なら、未見の『銃を弾け、楽器を撃て』のほうをいつか観たいものだ。
再演でも、前回とは劇場も違うので舞台装置も若干簡素化、ゲストの女性キャストも一新。ひらりの役者たちも前回よりうんと演技の幅も深味も増して、抜群のチームワークを見せてくれるだろう。
前回観た内容は詳しく覚えてないので、新鮮な気分で向き合えた。役者もキャラクターも個性がすぐに際立ち、話がどんどん転がっていきテンポも良い。女性キャラがスパイスと甘味で彼らを盛り上げて要となる。

ひらりの役者の立ち位置や個性は、この作品で決まったんだろうか。八幡トモアキが誠実そうに中心に立ち、大波誠が慎重かつ冷静に支え、若山慎が熱血バカで盛り上げ、坂本充広が一番まともで寂しがりやなのにスルーされる。この縮図は『足跡』にも繋がっているようだ。
ただひとつ、最近はクール系キャラが多い松川貴弘が、『バンドワゴン』では気が弱いが優しくキュートな役で、あらためてビックリ。ポロシャツに七分丈ズボンに少年刈頭で登場したから、最初は10代にも見えちゃって、あれ?前回もこんなキャラでこんな話だったかな?としばらく疑問に思ったりw。

ゲストの山口景子(扉座)は安定した演技で可憐で良かったが、前回の聖古さんの印象のほうが強いかな。荻窪えき(X-QUEST)は清純そうでしたたかで綺麗。ただ、キャラ的にはちと弱いかな。

松川くんから突如始まる「鳴呼愛しき相撲部♪」讃歌も懐かしいがやっぱ唐突過ぎw。フンドシの若山さんは寒そうだったが、みんなのフンドシ姿は前回も窓越しだったっけ。
決して仲間を切り捨てることなく、最後まで一致団結して戦い抜く、熱き魂と崇高な志。その気持ちは分るし、5年前は彼らの心に胸打たれたかもしれない。
でも現実では5年前の甘い世相は今はなく、私も昔のままではない。金をバラまいた時点で選挙法に違反してるし、当選してもしなくても、彼が政治家になることは許されないだろう。それでも仲間を取るという選択は、人間としては立派だが、政治家としてはやはり相応しくない^^;。
そんなことを冷たく考えながら、ダルマの左目が描かれているのを寂しく観た。

5年前の前回は気づかなかったが、今回はすぐ分った。主人公の真田にあやかり、キャラクターの名前がぜんぶ「真田十勇士」にあやかっている。それも性と名前がミックスされて、なかなかの懲りようw。十勇士キャラの風貌や性質まで似てるのではなさそうだが、さすが金津さん。
「真田十勇士」というと、WOWOWで放送されたアニメ『新釈眞田十勇士』が思い出されるが、そこで眞田信繁(幸村)の声を演じてたのが郷田さんだったなと、懐かしく振り返った。

終演後、7人が舞台に出揃い、坂本さんから舞台挨拶と告知。ちょっと噛んだりもしたが、真面目に告知する坂本さん。隣でチョコチョコとボケまくる八幡さんに、客席からも苦笑。最後に、痺れをきらした松川さんがスパっと御礼を述べて終了した。皆さん、ロングラン公演、お疲れ様でした。
ひらり次回公演は、来年9月予定。たぶん新作?
劇団湘南アクターズ次回公演は、来年3月の『ひめひまわりの咲く』(仮)。今度は近場の劇場なので2回は観れるかな。松川さんが客演なのも楽しみ。とすると、『しおんの王』の3人が揃う?w
シアタークリエ公演中の『恐れを知らぬ川上音二郎一座』の2回目を観てきた。
入場口で、また使わないシャンテ券。お腹が空いて、客席でアラレをボリボリ。
今日は中央横通路に近く、通路を通る役者の顔はよく見える。
友人も一緒なので、ネタバレにならない程度に平日観た雰囲気を話す。

三谷幸喜の脚本・演出。冒頭の堺正章の口上ネタに、三谷氏のダメ出しについてあったが本当なんだろうかw。口上の内容は前回と殆ど同じで^^;、ユースケ・サンタマリアのネタで会場がどっと笑い、掴みはしっかり。
役者の疲れもピークなのだろうが、堺正章さんの声が掠れてたのが気になった^^;。早口台詞がつかえそうになる役者もいてハラハラ。
演出もちょっと変化。二幕目の堺正章の左右の衣替えで、あらら、今回は一つの衣装に早替わり。堺雅人のヘコミポーズが中央でなく右側にちょい移動。台詞を言いながら勢いでズンズンと舞台袖まで引っ込んだりw。
あらためて思うが、役者はほぼ出ずっぱり状態。右へ左へ忙しく立ち動いたり、後ろで無言の小芝居をしていたりと、皆さん一瞬のスキも無く隅々まで面白い。

筋は分ってるが、細かいとこは抜け落ちていたので、色々確認できて良かった。二度目でも飽きずに集中でき、何度でも笑えるので、やはり台本や演出の見事さというしかない。
友人は、小さなネタにも大ウケで笑いすぎっw。釣られて私も笑う。一人でも充分楽しめるが、連れがいるともっと楽しめそう。

とにかく堺雅人演じる伊達実が最高!(*^。^*) 笑顔の奥の厳しさと切なさ。シャープにすっぱり斬ったり、冒涜だーっ!と悲鳴をあげたり、落ち込んだりヘコんだりとまぁ忙しい。暴走する座長を常に制し、ビシリと言い放つ潔さ。想いを伝えるのを自制しながら、不器用に告白したり。まぁ魅力的な可愛いヤツだ。堺くんはソフトで綺麗な声がよく通り、台詞もムダがなく完璧なのが素晴らしい。戸田恵子演じる助川さんと共に、常に舞台の牽引力として生き生きと盛り上げていた。堺くんのアノ衣装にも友人は大ウケw。

常盤貴子の動きも少し余裕ができて優雅になったかな。ユースケ・サンタマリアはやっぱりまだまだ頼りなげだが、物語と同じく、みんなに支えられながら少しずつ前進しているような気がする。
カテコでは、お辞儀から頭を上げるのがユースケさんひとり早すぎて、慌ててまた下げたりするので苦笑。もう少し頼もしい座長であって欲しいが、それも面白さのひとつだろうw。

終演後、友人と一緒に急いで劇場を出て日比谷線で六本木へ。
THE 黒帯の旗揚げ公演『TRUCE』の初日を観てきた。
整理券を貰っての入場で、また最前列に着席。始まったばかりなのでザっと雑感。

「THE 黒帯」とは、岡村まきすけ・小林高之・橋本達也・松尾延晃・榎原伊知良・稲田徹の6人で結成された演劇ユニット。舞台を中心に、他のジャンルにも活躍の場を拡げる、”漢”達の集まりである。
お目当てはもちろん稲田徹さん。他に、11月の『Honey Bee…』に主役で出演されていた小林さんが分るが、他メンバーは殆ど知らない。

戦場カメラマンがファインダー越しに捉えた、兵士たちの生き様とその真実。
作・演出は、榎原伊知良。今まで観た舞台と比べ、ちょっと異色で骨太な世界観。男5人の舞台だと「ひらり。」があるが、そことは少し違う、肉体的かつ反骨的な雰囲気を感じる。
暗転が多いのが気になるが、ジェットコースターとうたうだけあって展開が早く、ドラマ的に常に緊張感を醸し出す。

初日なためか、役者みんな台詞をちょっぴり噛んだりしてたが、場を重ねることで解消しそう。
役者に合せてキャラクター作りをしたのか、其々みんなハマっていて、其々に個性と見せ場があり、全てキャラ立ちしていたのがスゴイ。
特に、少佐。登場した時はその曖昧なキャラに脱力していたが、どんどん彼の思いがわかって、愛らしく思えてくるからフシギ。演じ手の橋本さんは色々と大変だっただろう。

稲田さんは、今まで観た稲田さんのお芝居の中で一番出番が多く、今までで一番男前で格好良いv。役的に『ジパング』の角松が浮かんで嬉しいが、ご本人も少し意識されてたようだ。ちょっぴり痩せられたようだが凛々しい身体、独特の良いお声もたっぷり、場に覇気を与える役どころで、とにかく必見必聴。

笑いもあり活気もあるが、根底にあるのは、常に”死”と隣り合わせのちっぽけな兵士たちの崇高な魂。そしてどうしても『ジパング』のアレが浮かんでしまうのだ^^;。
時間差の展開も分り易く、逆手にとったラストもよく出来ており、涙を誘って切ない。

初日なので役者の挨拶でもあるかと思ったが、何もなくて静かに終了。


ロビー一角のヒモに飾られてた十数枚の白紙が、終演後に見ると舞台稽古の時の写真に変わっていた。まるでカメラマンが戦場の彼らを写したように。

入口には、CLAMPから稲田さんへ花壇。ロビーでは役者の皆さんが関係者の方々と歓談。
稲田さんには特に知り合いが多く、次から次へとお声がかかりモテモテ状態w。檜山修之さんと中井和哉さんもいらしてて、稲田さんと屈託ないお喋り。仲良さそうで微笑ましい。
稲田さんとやっとお言葉を交わせて、握手と写真もお願いした。顔は覚えられたようで、いつも満面の笑みと優しい言葉で包んでくれて嬉しい。ありがとうございました。

次回THE 黒帯公演は、2008年夏頃公演予定。それまでにイベントとか色々ありそう。
劇団昴公演『アルジャーノンに花束を』千秋楽を観てきた。
平日昼と比べてロビーもトイレも凄い混雑。昴の役者さんも沢山おいでで、宮本充さんとチラとお言葉を交わし握手をしていただいた。
今回はやや右サイド最前列で、別の角度から観れるのも嬉しい。

役者の皆さん、先日よりもいっそう迫力と情熱あふれる演技で、鮮やかに着実に舞台を作り出し、観客を夢中にさせてくれる。
チャーリー役平田広明も、メリハリの効いた渾身の演技でステージを駆け巡る。特にアリスとのラブシーンでは、身体を抱く手にも表情にも今回は熱っぽさが感じられ、本物のキスも激しく強い情熱がほとばしっていた。う〜、今回の接吻には胸が疼いたw。

後半は周りからのすすり泣きの声が聞こえ、隣の人も鼻水の音。それに触発されたわけではないが、チャーリーが母と妹を訪ねて会話するシーンから胸が詰まって涙がちょっぴり出た。そうなったら止めを知らず、後から後から小さな涙が出てきて堪える(;_;)。
もう何度も何度も観た戯曲なのに、感動というのは飽きも慣れも関係ないらしい。

人間の、自分の”存在”に問いかけた普遍的なテーマであるが、年を経ていく中で、この話がどんどんリアリティを増していくのが、恐ろしくもあり、痛くもあり、切なくもあり、安らぎでもある。
また何年後かに、この戯曲に出会ったら、また別の思いが生まれるのであろうか。
平田さんのチャーリーに心から乾杯をし、アルジャーノンにも花束を贈りたい。

終演後のカテコは三回。皆さん、やり遂げたという満足そうな表情。ゴードン一家3人は手を繋ぎながら会釈。
最後に平田さんが一人で登場。「演劇の聖地、下北沢の舞台に立てたこと」「この作品を劇団昴の財産として大切にしていきたい」短いが深い感謝の言葉を述べて、笑顔で手を振りながら去った。

平田さんの今度の舞台出演は1月の詠み芝居。
平田さんの公式サイトは遊び心いっぱいで、いつも見に行くのが楽しみ。今回もトップが早速更新。テープレコーダーの声も、箱の声も変わってるw。ブログも頻繁に更新してくれるしマメな方だ。

本多劇場へは、来年5月に行くことになるだろうか。やはり遠いので2回が精一杯だな^^;。
劇団昴公演『アルジャーノンに花束を』を観てきた。
拠点の三百人劇場が失われ、今回は下北沢の劇場での公演となる。こちらも遠い。

知恵遅れから手術を受け最高の知能指数を得た男が、迷路を彷徨い切ない末路を迎える話。
昴で幾たびも再演を積み重ねた戯曲。平田広明主演は、2001年、2005年と観てきて、今回が3度目となる。
2度目となる三輪えり花の演出からは”熱”が伝わる。前回と同じ構成の舞台装置だが、金属的な冷たさは払拭され、ぬくもり感のある作りへと変化。展開も役者の台詞も幾分ゆったりした余裕が感じられ、前回観た時より細かな部分まで理解でき、頭に浸透していく。
筋も運びも台詞も頭に残っているが、色褪せないテーマの深さのおかげで、飽きさせずに真剣に舞台に向かうことができる。

チャーリー・ゴードン役の平田広明に、特別な新しさはないが、ヘンな気負いや慣れもなく、自然な形で役と溶け込んでいるのが素晴らしい。術前から天才へ、天才から幼児へと変化する表情も様相も見事で、一瞬の笑みや哀しみや怒りの顔に魅せられ釘付けになる。今回もチャーリーの心情にまた一歩近づけたようだ。

前回よりも、ストラウス博士とニーマー教授の心情が分るようにもなった。石波義人の温かさが救いであり、田中正彦の切り捨てる物言いも納得できる。
今回は中西陽介のバートに心を揺さぶられた。彼は誰よりも良識的で優しくて男らしい。チャーリーとは対極ゆえに、互いに憧れの対象だったのではないかと思われた。ある意味、キーマンなのかもしれない。
服部幸子は、清純でたおやかなアリスを好演。芯の強さがより表現されていた。
松谷彼哉は、まんま乱菊さん(@BLEACH)。ナイスボディで明るく逞しくマイペース。真ん前で演じられた時は、とてもイイ匂いが香ってきた。

今回は最前列で抜群の好座席。ピアノ側だったので平田さんのナマ演奏も味わえた。左側はどうも平田さんの定位置らしく、目の前で平田さんの演技をとことん堪能できた(*^。^*)。

世の中は、お前が考えているようなものじゃない。チャーリーの母が言った言葉が心にグサリと突き刺さる。
子供のチャーリーと、今のチャーリー。互いの”存在”の葛藤と戦い。その”存在”の消滅を予測し、その前にチャーリーは家族に会ったり、論文を書いたりと、”存在”を残すために奔走する。人間の存在を何度もあらためて考えさせる戯曲だからこそ、観続けられるのだろう。
老いていくことは人々から忘れ去られること、と言ったのは某監督さんだったか。だから人は、自分の”存在”の証や痕跡を残していく。今回は『電王』の侑斗の宿命と重ね合わせ、どっぷりと深く考えさせられ切なくなった。

楽日にもう一度観る予定。今度こそ、最後のアルジャーノンになるのだろうか。


今週初めに、劇団昴さんから突然お電話をいただいた。楽日の座席が機材のために観難くなってしまうことが分ったので、別の座席を用意させていただいたという案内だった。観難くなるというお知らせばかりか、あらためて観易い座席を用意して下さるなんて、何と有難く嬉しいお申し出だろう。昴さんは、ひとりひとりの客を大切にして下さっているのだなと感じる。先日DCさんの座席で手痛い目に合ったので、今回の件で、さすが昴さん!と思うのだった。
新作ミュージカル『テイクフライト』を観てきた。
花壇がそれはもう賑やかで著名人からも沢山。先日舞台を観た小栗旬や戸田恵子からのもある。池田成志へは、ガイナックス&グレン団一同からも届いていた(白&赤)。
座席は1階中程だが、客席が舞台から遠くオペラグラスは必要。幕に書かれた「TAKE FLIGHT」の文字がイケる。

大空への飛翔と果て無き挑戦に駆けた飛行士(パイロット)たちの人生を、時空を超えて描く。
ジョン・ワイドマンのミュージカル作品を、宮本亜門が訳して演出。
グライダーを発明したオットー・リリエンタールがナレーションと狂言回し的役割。そこへ、時代も場所も違うライト兄弟、リンドバーグ、アメリア・エアハートら其々の始点が交差するので、最初は混乱して話になかなか入り込めず。彼らの栄光の陰で命を散らす飛行士たちのことは殆ど語りだけなので、登場人物と年代をある程度把握しといたほうが理解し易そう。

照明効果が見事。映像や映像絵画も実に素晴らしく、天空や天候や時間や空間を見事に表現し、観るほうの想像力をたっぷり刺激してくれる。
生オケの音楽も豊かで美しいが、役者たちの歌のほうが迫力不足で負けている。全体的に役者の台詞や歌詞が聴き取り難く^^;、人名や地名も耳からこぼれてしまう。この辺りはまだまだレベルアップの必要がある。

アメリア役天海祐希の舞台は初めて観るが、スラリとした肢体と活動的な表情でハマリ役。音程も幅広く歌もソツなくこなす。センスあるドレスを品良く着こなして美しい。
リンドバーグ役城田優のナマ歌は『テニミュ』以来。髪や目の色から本物の米国人に見えるw。年長者と演じ渡り、逞しく歌いきるところは、役者として成長したなと感じる。だが歌と比べて、台詞を発する際に幼さが残っていて惜しい。

『犬顔家の一族の陰謀』以来の池田成志と橋本じゅんは、有人飛行の実験を忍耐強く続けるライト兄弟役。息も動作も歌もぴったりで、本物の兄弟にも見える。この二人が話の要で、コミカルな部分を一手に引き受け、面白さと膨らみを持たせる。彼らがいなかったらどんなにつまらない作品になっていたことか。
実直で理論的な兄ウィルバーを熱演する池田さんは、野心的な風貌をしながらスマートで、こんなに格好良い方なのかと初めて分ったv。陽気で飄々とした弟オーヴィルの橋本さんは何もかもキュート。二人のデュエットは歌えば歌うほど、リズムもテンションも歌唱力も高まる。「The Funniest Thing♪」は観客も巻き込んで楽しい。

オットー役のラサール石井は、歌もこなしながら、話にテンポを与える。
アメリアと公私共にパートナーとなるジョージ役の宮川浩は、さすがミュージカル出身で、張りと艶のある歌声は秀逸。彼の歌があまりに素晴らしく、アメリアとのデュエットも多いので、ともすればアメリアのというより、アメリア&ジョージ夫妻の生き様を描いたような印象にも映る。

アメリアやリンドバーグは舞台上では割とすぐに名声を手に入れるのに比べて、ライト兄弟のほうは何度も何度も飛行実験に明け暮れ失敗と挫折を繰り返す。彼らのめげない情熱とひたむきな姿のほうに好感がもてる。
人物にイメージカラーがあるようで、アメリアが”赤”、リンドバーグは”青”、ライト兄弟は”黒”と”白”だろうか。
1幕ラストで全員が歌う「Before The Dawn♪」にちょっと胸が熱くなった。2幕ラストのライト兄弟らの短いカットと歌も鮮烈で、長くなるよりかえって潔く爽やか。

ステージ上での”飛行機”ものは、戦時中を題材にした作品しか観てなかったが、戦争があまり絡んでこない話もいいものだ。吊りの舞台装置も凝っていて、ラストの大胆な飛行装置は観ていて快感だった。ただ、飛行に欠かせない”風”の存在が感じられなかったのが残念。扇風機でも何でもいいから、アメリアのスカーフや短髪を揺らして欲しかった。

 ̄ ̄ ̄
★Top Stage Vol.53
『恐れを知らぬ川上音二郎一座』で好演している堺雅人のインタビュー。あくまでも慎重に謙虚に語りながら、人と人の和も大切にする堺さんの人柄が伝わってくる。
『カリフォルニア物語』出演者4人のインタビュー。Studio Lifeからは曽世海司と岩崎大。「女性役を男のままで演じる」についての話も興味深い。

同タイミングでStudio Lifeから先行予約のDM。また4チームのキャスト。及川健が出るのは嬉しいが観劇日で迷う。
劇団道学先生『デンキ島〜白い家編〜』を観てきた。
花壇が無く札だけだったが、公演は残り2日だけだったか。
ほぼ満席で立ち見もいて、狭い劇場がぎゅうぎゅう詰めで尚更窮屈となる^^;。

デンキ島を舞台に、悪事をはたらくヤクザに対して敢然と立ち向かう男たちの話。作・演出は蓬莱竜太。
観る前から、タイトルの「白い家」にどういう意味が込められているかと思ったが、日本版「カサブランカ」ということらしい。もしやこれからも他の「編」エピソードが作られるのだろうか。
道学先生の舞台はそれ程観てはいないが、道学先生にしては異色作だと思う。

骨太でハードで哀愁ある男のドラマである。ヤクザが幅をきかせたり、物騒なシーンがあるだけで、客席まで息を飲むような緊張感が走る。シリアスだけでなくコミカルな場面もあり笑う人もいたが、私は笑える気分になれず。作品全体に漂う昭和レトロな雰囲気、じめっとした暗くやるせない空気が、どうにも濁ってて合わない。
登場人物も殆どが悪人に見えて、とても憎らしく腹立たしい。性根逞しいと思った主人公も、格好良く思えなくなる。どの人物にも好感がもてないのが辛い。役者が役にあまりに似合い過ぎるのも、こういう場合困りものだ。

例えていうなら、映画『クローズZERO』の延長版のよう。学ラン、あわねぇ〜w。でも、漫画にならいそう〜。拳での勝負にはほっとしたが、あれだけハードだったのに甘過ぎる方向へ。”希望”はあったが、”救い”がなかった。

お目当ての土屋裕一(*pnish*)は、割と珍しいイカレた息子の役。だが一番腹立たしく思えるキャラで、複雑なモヤモヤ感が残る。身体や筋肉を使ったコミカルな動きも面白かったが、tutiが力演すればするほどキャラにムカツク^^;。父親と本音がぶつかり合うシーンが印象的だが、もう少し親子の関係を観たかった。
ムサい男たちの中で、かんのひとみの顔を見たとき、ちょっとほっとした。芯の強い女の役だが、もう少し出番が欲しかった。

キャラクターも役者もみんな個性的だが、最後は中途半端で何か一本物足りない。
おまけに後味がザラザラとしたままで、淡い温かさはあれど爽快感がない。
「デンキ島」の広さや住人の数は推測できないが、海と砂浜と太陽があるなら、もう少し明るく楽しい話も観たいところである。


3月のROCK MUSICAL『BLEACH』の新しいパンフが入ってた。時期的に『THE ALL』『卍解SHOW』どちらも1回ずつしか観れないが楽しみ。
tutiも今年は毎月のように、ひっきりなしに舞台出演。多忙なのは売れてる証拠。冬の寒さを蹴散らし突っ走れ。
シアタークリエ オープニング・シリーズ第一弾『恐れを知らぬ川上音二郎一座』を観てきた。
11/7開幕されたシアタークリエの柿落とし公演で、三谷幸喜書き下ろし新作。
前売完売なので当日券を求める列もあり。シアターコクーンとは客層が違う賑やかさ。
お初のシアタークリエの会場は地下2階。上演中以外は客席で飲食可能(ロビーの椅子が少ない)。トイレ個室は荷物の場所に工夫があるが、一方通行が難か。

明治の破天荒な演劇一座が、ボストンの舞台で起死回生の公演をうちだす、三谷幸喜・最新傑作コメディー。演出も三谷氏。
1899年といえば、あの『居残り佐平次』の時代から32年後の話。冒頭、堺正章の講談から始まり、つい『佐平次』が浮かんでしまう。こんな風にステージでやってくれたら観易かったのに。その話に合せて、横で紙芝居的寸劇も繰り広げられるので分り易い。
極めつけは、音二郎の「ヨイショ」風ポーズ。おいおい、音二郎もそういうキャラなのか!?w でも佐平次@関さんのほうがポーズは綺麗だったゾ。

こちらは博多っ子・川上音二郎と、妻の貞奴を中心に、劇団員やその他も加えて、たった一晩で日本版「ヴェニスの商人」を作っちゃおうとするバックステージ物である。
オープニング・稽古・本番・エンディングと構成は単純ながら、密に練り上げた脚本。笑いと緩急のあるスピーディな展開で飽きさせず、奇抜な試みも面白い。
ステージ回り舞台はあまり使わず、通路を活用。そればかりかバルコニー席まで採用、観客参加型で楽しませる。600ぐらいの座席数も丁度良い。この客席も作品も、観易い、分り易い、楽しめ易いを何よりモットーにしているのだなと感じる。

三谷氏がキャスティングありきの手法で書かれたとあって、脇を固める役者たちが生き生きと素晴らしく、キャラクターも個性がはっきりしていて濃い。誰ひとり欠けてはならぬし、どの人もすぐに思い出されるほど印象的。
戸田恵子は姉御肌だが、多彩な面を惜しげもなく披露。堺雅人は学才で真面目だが、ノリとツッコミが絶妙で芸術的。二人とも出番が多く、メイン二人をしっかり支え盛り上げて、役者と役がどんどん被っていくのが可笑しい。
堺正章は老齢なのに、出たり入ったりと一番体力を消耗したに違いないw。柔軟さといえば浅野和之、アクションといえば阿南健治と、年配男性が逞しいこと。
若手の堀内敬子や瀬戸カトリーヌがはちきれんばかりに、したたかな女を熱演。
『OZ』以来に拝見の新納慎也は、三ヶ国語を駆使してw、意外と美味しい役どころ。彼はやっぱ笠原さんに似てるな〜。

色鮮やかな周りに比べて、主役のユースケ・サンタマリア@音二郎と常盤貴子@貞の二人は初々しいというか、アクが薄くてのどかだ。音二郎なぞは座長という器ではなく、ふわふわとした風体で一本芯も通っていない頼りなさ。貞も踊りの才を披露する間もなく、ただ辛抱と忍耐の静かな嫁という感じ。もう少しドーンとした力強さと凛とした度量の大きさを感じたかったが、三谷氏はあえて舞台のイメージとは薄い人を起用したのだという。この二人はまだ何色にも染まっていない”白”だろうか。彼らが薄い味つけだからこそ周りの役者が映えるのだし、それこそ話の中にあった「あの人達がいるから音二郎がいる」ということになるのだ。

”白”という新しさだから、これからどんな色にも染められる。それはこの作品の人物たちの未来にもいえるし、シアタークリエが今後歩んでいく道筋ともいえよう。この劇場の今後は、役者と制作者と観客によって、いかようにも変えられ染められるのだから。新しい”商業演劇”の日の出を感じさせるエンタメ作品であった。

『アンパンマン』繋がりというか、中尾隆聖の後に戸田恵子の公演を観たが、小栗旬の後にユースケ・サンタマリアの公演というのは『キサラギ』繋がりとなるだろうかw。
今回お目当ての戸田恵子と堺雅人は『ガンダム』と『雪風』のアニメ繋がりというべきかw。戸田恵子@助川と堺雅人@伊達は、似た者同士でとにかく愉快痛快。この二人が何かをしたり何かを喋る度に笑いが込み上げてしまう。どうしてこの二人がくっつかないのか、無性に一緒にさせたい衝動に駆られるw。いや、戸田さんと堺くんがくっついてもオッケー、私が許すw。
ドラマティック・カンパニー十五周年記念公演『居残り佐平次〜次郎長恋の鞘当て〜』千秋楽を観てきた。
遠方からの方、初見の方と久しぶりにお会いした沢山の知人にご挨拶。この熱気がたまらん。

楽は最前列なので、あえて後ろは振り向かず、関さんの落語の声だけに耳を傾ける。今日はいつもより多く回転しているし〜(初日からやって欲しかった^^;)。掛け声の練習も今日は”連続わざ”だが、”必殺技”じゃないの〜?w 練習の声が緞帳の向こうからも聞こえてきたり。関さんに「キンちゃんはどうだい?」って台詞があるが、てらそまさんも本日いらしてた模様w。

楽とあって、役者皆さんのテンションは最高潮。よどみなく流れる台詞の応酬の数々にも感服だ。
特に中尾隆聖と関俊彦の掛け合いシーンは、いつもより長くいつもより弾け捲りで超楽しい(^o^)。台詞アドリブ区別なしに、ごくごく自然にやってるからスゴイんだな。超スピードでハケル関さん、必死で追いかけて連れてくる中尾さんが「忘れちゃった」ときて、関さんの「ハァハァ」にも大笑い。打てば響いて返ってくるやり取り。どんなシーンの中にも、お二人の信頼感や深い絆を感じ入るのである。
台詞後の間にも新たな手法が見られる。特に関さんの”俺、参上”ポーズは客席を一斉に沸かせるので、後の台詞が聴き取り辛かったが、今日は沸かせるだけ沸かせる間を取って余裕が感じられた。

最前列だからこそ分るシーンや表情もいっぱい拝見。
とにかく役者の皆さんのお顔がもの凄く近くて、汗も化粧も何もかもはっきり。特に関さんは客席をぐるりと見渡しながら台詞を発するのが多く、目線がつい合いそうな気分でドキドキv。頭のてっぺんから足の指の先までじっくりたっぷり堪能させていただいた(*^。^*)。
”品川るるぶ”の文字もしっかり読めたしw、1両小判もサイコロもしっかり見えた。

私も江戸っ子の神田生まれなんで、佐平次みたいな生き方にはとっても憧れる。飄々とした調子の良さで小銭を稼ぐ世渡り上手で、困ってる人をほっておけない性分で、誰にも愛され重宝される男で、何でも出来るまさにスーパースター! その骨太で逞しい生き方に人が惹かれる理由は、彼には徹底したポリシーがあるから。曰く「人生を楽しむ!」これに尽きる。だから彼がいると、自分の明日まで楽しく思えてくる。人に”希望”を与える存在が佐平次なのだ。
お芝居が始まる前は散々あちこちで、自分には佐平次は合っていないように思う(中尾さんのほうが合ってる)と語っていらした関さんだが、どうしてどうして。関さんの人柄もさることながら、45年間の人生の極みまで感じさせて、”居残り佐平次”は関さんにぴったりのハマリ役であった。役者・関俊彦の醍醐味がここに集約されていたと確信する。

そんな佐平次が赤木屋に行った経緯はさておき、それまでの彼の生き様が謎である。出来れば彼の素性なり軌跡なりを、ほんの少しでも台詞で匂わせて欲しかった。佐平次という人物や話の内容にも深味と濃くが増すのではないだろうか。
薩摩藩浪士4人のその後の話も中途になっていて気になる。彼らははたして京都へと旅立ったのか、それとも彼らも居残りとなったのかw。

4人とも魅力的人物だし、できれば彼らをメインにした外伝的芝居でも観たいものだ。脚本化するには色々と障壁と問題がありそうだが、私が勝手に創作した話はこうなる。
何だかんだと品川を去った4人は、ようやく目的地の京へと到着する。そこで彼らは、”いのどん”にそっくりな坂本竜馬と偶然に出会い、次郎長にそっくりな近藤勇、大政にそっくりな土方歳三、小政にそっくりな沖田総司と対峙する。竜馬の大らかさに惹かれていく尚平、焦燥感を募らせる立石、危険な道に入り込む半兵衛、京の遊女に溺れる高崎。新選組との確執も深まり、彼ら浪士の人生はどこへ転がっていくのか。
要は、関さんの坂本竜馬、関さんのボサボサ頭の格好と土佐弁が観たい聴きたいのだよw。中尾さんの近藤さんもハマルだろうな。

昨日に続き、今日は花道を去る関さんにも掛け声をかけられ、調子に乗って、ラストの中尾さんにも声をかけた。気持ちイイ〜。これで思い残すことはないw。
中盤のヤマ場口上にも少しは慣れたが、頭の中でまだ納得できないものがある。中尾さん、そして関さんの挨拶には素直に拍手。そして今日は念願だった堀本等も照れながら言葉を開き、客席から笑いと拍手を受けていた。
終演後は、演出家も招いて三本締め。中尾さんが最後に語った「お客様のおかげで勉強させていただいた」という謙虚な言葉に深く頷く。
カーテンコールは2回かな。案の定、楽屋にいったん引っ込んでた模様w。最後の最後は、関さんを中心に会場のみんなで「よいしょっ!」ポーズ。これ、クセになりそう(^o^)。再び緞帳が下がり終るまで、頭を下げている関さんの姿を見つめ続け、最後に波岡晶子さんがこちらを見て笑って下さっているのを拝見。たくさんの拍手で見送った。皆さん、お疲れ様でした。

テンポ良く見どころいっぱいで、役者の演技やキャラクターの個性も抜群に面白くて、飽きることなく何度も何度も楽しめるお芝居であった。
だが座席位置によって、こうも不公平感や不快感を観客に残したのだから、芝居は大成功だったとは言えないだろう。16年目に向けて、DCの課題は色々と残されているように思う。
ドラマティック・カンパニー十五周年記念公演『居残り佐平次〜次郎長恋の鞘当て〜』をまた観てきた。
楽も関さんの落語が観れないと嘆く私に、知人が観れる座席のチケットを譲ってくれた。ありがとうです。ホント、今回のお芝居には良い座席だ。自分で取ったチケットより、人から頂いたチケットのほうが観易いなんてね^^;。

おかげさまで、冒頭の関俊彦の落語をバッチリ観れた。何しろ関さんがどんな頭をして喋ってるのかも分らなかったから、短髪鬘が新鮮に見えた。表情豊かに流暢に喋り捲る関さん。掛け声の練習も、今回は気分も新たに声を出せた。そして後半は、佐平次がどういう経緯で”赤木屋”に遊びにやってきたのかも判明。前回はコレが分らなかったから、舞台本編にすぐついていけず。
そして何と、今回から回転台が追加されてたっ! 
回る、回る〜。関さん、回転台のテレビのように楽しく回ってくれる。これで今回アノ席にいた人は、少なくとも関さんの前面を2回は^^;拝めたハズ。いや〜、ラッキーだったね。逆にそれまでアノ席で1回こっきりの観劇だった人は不運としかいいようがない(^_^;)。
まぁ、私だけじゃなかったということだ。アノ付近の座席に不満を抱いてた人は。アソコに座った人にしかこの鬱憤は分らないもの。DC側も少しはアンケを読んで、少しは舞台に反映させて進歩しているようだ。やっぱアンケに書くべきだね。

アノ席からではよく見えなかったシーンも、今回はバッチリ観ることができた。
遊女たちの踊りもこんな感じだったのね。花柳路太のさすがのプロの舞いもじっくり堪能。ただ、音楽の選曲をもう少し考えたほうがいいように思う。
「50枚」のところの佐平次の姿も、ダンゴのシーンも、ようやく目にすることができた。
中盤での口上も、中尾隆聖の最初の「お耳汚し」という言葉で、ちょっぴり不快感がおさまる。座席の位置によって、観るほうの感情もこうも変わっていくのだねw。
横長の舞台セットが3つの部屋に区切られているが、前回の席からだと、遊女部屋の空間がはっきり認識できなかった。今回ようやくその部屋の間隔が判明。

表舞台は大まかに次郎長一家と薩摩藩浪士とに分かれるが、面白いのは浪士側のほうかな。
次郎長側は、大政の酒井哲也が男前で生真面目でカッコイー。久保田隆の小政はお調子モンのムードメーカー。
浪士側は、関根宏次と大城徹のBLぶりに笑い。大城くん、やっぱり貴重な受け顔だわw。堀本等は、一見渋いのに、中味も喋り方もどんどんグーリー化(笑)。実はキーマンだった川島得愛は、緩急の演技が抜群。大柄だし、殺陣も舞台に映える。かわしーの歌は男臭くてイイ声で、3人の踊りと共に思わず手拍子。そういや、かわしーは『仇討』で関さんを窮地に陥れた役だったが、今回かわしーが起した2度の窮地を関さんの役が見事に切り返したわけで、実に爽快だった。

関さんがかろやかに歌ってたアノ歌は、前回の私には村下孝蔵の「陽だまり♪」の歌に聞こえてしまった^^;(ホントは違う歌)。5年前の『陽だまりの樹』繋がりなのではと思い込んでw。
そしてチョコチョコと小走りする関さんを、まるで”ネズミ”のようだと友人は言ってたが^^;、これも『ねずみ小僧』が浮かんでしまう。つまり、関さんのどれもこれも、DC15周年記念に相応しく、過去に上演された時代劇作品のオマージュなのでは、と勝手に解釈するのであるw。

そして気分一新。かけ声をかけ易い位置も幸いして、最後のシーンでタイミング良く、声をかけることができた\(^o^)/。これで思い残すことはないw。

ところで、物販のDVDが300枚限定で金曜夜のうちに完売御礼になっていたとか。これも販売方法を変える時期だね。チケットを予約した人には、発送時に一人1枚引換券を付けておき、入場時に引換券と代金を払って購入させるとかね。落選の人にも一応送る。それ以外の一般用でも200枚程用意しとき、更に通販も考えれば、数量の予測もつきそうなもの。慌てて買いに走る必要もない。
このへんも辛抱強くアンケとかで要望を出さなければ、DC側も動きはしないだろう。

開場前に関さんの御両親の姿をお見かけする。お父様の立ち姿が関さんの姿と似てる〜v。
終演後の出口にスタッフが一人いて改善されていた。やれやれ。
今日の観劇が無かったら、明日の楽は重い気分で行くことになってたが、ようやく少し元気が出た。明日も友人知人と一緒だし、最後まで見届けようと思う。
来年のDC公演は、TARAKO氏の作・演出作品。どういう縁で繋がったのだろう。とにかく、いつもの小ホールなのでほっとする。
夜から、蜷川幸雄氏演出舞台『カリギュラ』(Bunkamura)を観てきた。
2回観る予定はなかったが、行って良かった。前回よりは前のほうの左サイドでとても見易い。前回見逃していたカットや役者の表情もより鮮明だ。

何度観ても奥が深い。彼らの論理的な会話劇は、全て”真実”をついているから、聴けば聴くほど理解し納得させられる。この感覚は丁度アニメ『銀河英雄伝説』の台詞を聞いた時とよく似ている。ひとつひとつの言葉が、水が砂に染みこむように、ゆっくりと私の身体と脳裏にまわってくる。まるで”毒”のように…。

小栗旬のカリギュラは、どんなに残虐非道で常軌を逸していても、嫌いにはなれない。カリギュラの仕出かした罪は憎むが、カリギュラにはどんどん惹かれていく。カリギュラの暴走は理解できないが、カリギュラの考えは理解できそうなのだ。
「彼と似たものが私の中にもあるんです」とシピオンが言ったように、私の中にもカリウスと似たものがあるのだろうと自覚する。かといって、シピオンのように受け入れようとは思わない。

そんなことを思いながら、二人の別れのシーンでシピオンが「愛していました」と去った時、ふっと熱いものが込み上げそうになった。役者の渾身の演技が感情を高ぶらせたのか、シピオンとカリウスの心情が理解できたからなのか。
鏡を割るシーンや雄々しく叫んで散っていくシーンも、前回より私の心を激しく揺さぶってくれた。キャラの心情を前より理解できたということか。

若手役者の台詞のテンポが、水曜よりもほんの少しゆっくりになっていて、前より聴き取り易く咀嚼し易くなっていた。動きも少しメリハリが出てきたように思う。初日は観てないが、たぶん着実に上達してきて、これからも更に進化を続けるのではないかと期待させられる。長丁場の舞台はこういう面白さが味わえるから好きだ。出来るなら今月下旬にもう1回だけ観たいとこだが、取れないだろうし残念。

カリギュラが小栗旬だから、彼に惹かれるのだろう。今回は特に小栗くんの”目力”に釘付けになりゾクゾクときた。シピオンに優しい言葉をかけ共に詠いながら、突如残忍な目を光らせるシーン。お芝居口上中でセゾニアが突然早口になる時、ポーズをとっていたカリギュラの左目だけが愛嬌たっぷりに開き横目で見るシーン。”暗黒”と”明朗”、その二つを自由気ままに振舞っていたカリギュラのまさに魅力開眼といったところ。

それにしてもカリギュラに最初の一太刀を浴びせたのが、あの”カワイコちゃん”だったとは。貴族の中で誰よりも可愛がっていたのも、仲間を裏切り告げ口した彼を言いくるめて咎めずに帰したのもカリギュラだったのに。まるで裏切り者ユダに「行って、お前はすべきことをすればいい」と帰したキリストのようだ。そう、キリストと対極にいるハズのカリギュラは、実はキリストと似たようなことをしたのだ。これぞ、カリギュラが神の領域に達したことを示していたのではないか。
それなのに、ユダは真っ先にカリギュラを刺していく。みんなから串刺しにされ、絶叫しながら突っ伏したカリギュラだったが、まるで十字架にかけられたキリストの姿とも重なって、虚しさと哀しみがこみあげるのであった。
ドラマティック・カンパニー十五周年記念公演『居残り佐平次〜次郎長恋の鞘当て〜』を観てきた。
地元からバスでたっぷり1時間強。久しぶりのこの劇場はやっぱり遠い^^;。
花壇はあれこれと賑やか。予想通り関さんには『電王』からも。
パンフとサイン入りポスター、メイキングDVD(DC会員値引き)を購入。3月の北海道旅行が完売御礼になってたのには驚いた。
観る前に、初日を観た知人から難点を色々と伺ったので、心構えは出来ていた。知らずに観たら、ぶち切れるトコ^^;。

品川の遊郭を舞台に繰り広げられるにぎやかな人間模様。
劇作家・水谷龍二氏が書かれた、≪居残り佐平次≫という古典落語を柱に構成された娯楽時代劇。

冒頭、関俊彦の落語から始まるので期待していたが、これがもうサッパリ(-_-;)。何を喋ってるのか、内容が全く頭に入ってこない。これは関さんのせいでは断じて無い。落語をさせる場所を誤った演出家の責任である。
とにかく関さんの顔が全く見えない(~_~)。目に映るのは関さんの後ろ姿のみ。DCのロゴが入った羽織に、関さんの丸いプクっとしたお尻、正座をする関さんの組まれた足袋裏。そんだけ〜。そんだけの為に約10分間。仕方ないので、関さんの”尻”を堪能するほかないw。
関さんの顔も表情も身振り手振りも見えない中、関さんの声は耳に入るが、話す内容は宙を舞って消えていく。私は落語テープを聴きにきたのではない。ナマの落語なら、話し手の顔を客に満遍なく見せるのがスジではないか。どうして誰もが見える舞台上でやらせないのだろう。どうも”花道”の使い方を間違ってるとしか思えない。
冒頭の場所が改善されない限り、関さんの落語はなかったものと脳裏で諦めるしかなさそうだ。

そして中盤、盛り上がったところで、突然の役者挨拶にも面食らう。それが済んだ後は、何事も無かったように、前回シーンのオサライから再開。
まるでテレビ番組がよくやる「山場でCM」のようで、不快感を起こさせる(~_~;)。これにいったいどんな効果を期待しているのだろう?役者たちは楽しんでやってるのだろうか。客の立場としては、話の流れを楽しんでる時に、いきなりのぶった切りで裏切られた気分だ。役者の挨拶だって頭に残らず殆ど上の空状態。その後は元の位置に戻って再開したとしても、話にはなかなか集中できない。

どれもこれも役者や作品を第一に考えるあまり、観客サイドが全く念頭に無い演出方法に問題がある。十五周年もお客様のおかげだと考えるのなら、観る客に不快感を与えないかどうか少しは考えていただきたい。最初から最後まで、すかっとした楽しいひと時を提供して欲しいものだ。

それ以外は、思わず笑いや拍手や手拍子がこぼれるほどに痛快だった。
話の内容や展開というより、キャラクターの個性と、役者の力量のおかげだろう。DCの役者は皆さん、カツ舌も良く台詞回しも上手く、時代劇にも慣れてるし、キャラをしっかり把握され、演技もずば抜けているから安心して観ていける。
ことに主人公・佐平次を演じた関俊彦は、飄々とした雰囲気の中にも”花”があり、舞台を鮮やかに彩る。次郎長役の中尾隆聖は軽妙な中にも重厚さがあり、舞台をピリっと引き締める。そして二人の掛け合いといったら、息もリズムもぴったりで絶妙な味を醸して、何時間でも拝んでいたいものだった。

関さんは、和洋問わず歌い(都都逸もあり)、踊ったり、脱いだり、駆け巡ったりと、神出鬼没のごとく魅力を振りまく。愛嬌ある百面相もたっぷり。名乗りも必見w。そしてお風呂のシーンで、ちょいと関さんの白褌とおみ足も拝めた。

あとは、花道で去る時に、いかにカケ声をかけるかだ。ホントなら拍手の前に「よっ、にっぽんいち!」とかけたかった。それぐらいラストは格好良く決まってたね。

今回はキャパが広くて、平日昼のためか、こっち側の後方座席はガラ空き^^;。当日券の座席のほうが見易そうだがw、それでは前売券を買った意味がない。

終演後、アンケを渡そうと尋ねると、出口のスタッフに渡して下さいと言われる。階段を降りて出口に行けば、スタッフは誰ひとりいないじゃん(~_~)。ウソツキ〜。楽屋口付近で役者の知人が集まってるだけ。仕方なくロビーまでまた戻って渡したが、こんなにロビーにスタッフがいるのに、誰も出口に配置しないなんて呆れた。長年観劇してきたが、出口にスタッフが誰もおらず、アンケ箱さえ置いていない芝居に出くわしたのは初めてだ。
こんなところにも観客軽視が現れているとしたら残念である。最初から最後まで散々な芝居であった。楽日もどうせ関さんの落語は観れない座席だし、行くのにも躊躇しそう^^;。
蜷川幸雄氏演出舞台『カリギュラ』(Bunkamura)を観てきた。
当日券組もびっしりで(立ち見?)、殆どが女性客、パンフもトイレも混雑していた。
座席は1階後方。オペラグラスで表情は分る。

愛する人の死後、暴虐の限りをつくす皇帝の生き様を描きながら、人の生き方や世の不条理を追求する話。
蜷川シェイクスピアにすっかり慣れてしまったので、笑いやユーモアが殆ど無い、内包的で混沌とした凄まじい世界観はとても辛かった。今回は蜷川さんお得意の通路を使った演出もなく、ひたすら舞台上の皇帝カリギュラを見つめ理解しなくてはいけない。

カリギュラの紅キュアの爪を見ながら、彼は”悪魔のような天使”なのだと思う。狂ったように命令し、人を殺し、国庫のために財産没収、食料庫を閉鎖し、公営売春宿を活発化させる。悪魔というべき残虐非道ぶりで、人々に絶望と恐怖を与える。しかし程度の差こそあれ、今の世でも戦争や汚職や犯罪で庶民を地獄に追いやるのはトップなのだ。カリギュラはその行為を、神々や不条理への反抗心でやっている。「永遠不滅はない」カリギュラは実は子供のように純粋で無垢で一途で、真実を好み嘘が嫌い、遊びと演技が好きな、天使のような心を持っているのだ。
対して貴族たちは、善良で従順で気弱に見えるが実は大嘘つきの卑怯者だ。強いられて哀しみに大笑いし、おべっかと過大評価、逃げたり裏切りもする。彼らこそ”天使に見える悪魔”かもしれない。

舞台の宮殿は一面鏡張り。役者は逃げ道もない。その鏡は、横を向く人物や後ろを向く人物の表情や動きまで露にする。人の心の表と裏、良心と悪心まで映し出す。ネオン管が赤青黄と明るくなると、何と客席の人物まで鏡に映ってしまう。そこでカリギュラが「民衆ども」と言い放つが、我々までもがこの舞台の登場人物に思えてくるから恐ろしい。
鏡張り装置を隠すのに手間がかかるのか、暗転は少ないが、暗転の間が長かった。

カリギュラ(カリウス)の小栗旬はチラシと同様に、殆ど素っ裸で肉体美を披露。ナマ尻までも存分に味わえるからたまらんw。尻を出したまま暴言をはかれても可愛いだけだし。”オールメール・シリーズ”じゃないだろうが、女装までこなしダンスのサービス。これには会場も呆気にとられて笑い。聞き取れない台詞もあったが、威風堂々とした迫力や繊細な表現などは圧巻。ことに狂気のような眼、首を振る仕草など、ゾクリと魅了させる。
シピオンの勝地涼は前半は台詞もよく聴き取れず存在感も薄い。中盤から真面目で誠実な演技の中に、純真で人間的な魅力を放つ。
ケレアの長谷川博己は理知的で冷静な言葉がとても聴き取り易く、安定感ある演技でほっとさせる。
エリコンの横田栄司は野生的で豪快で男臭い演技で、場を生き生きと引き締める。
若村麻由美のセゾニアは美しいだけでなく、紡ぐ台詞も綺麗で分り易い。
貴族の一人、磯部勉は、その渋く男前な声だけで目立ちウットリさせる。残念だったのは月川悠貴で、あれだけの出番と台詞に物足りなさを感じたのは私だけではないだろう。

4人の男に焦点をあてると、カリギュラ「総受け」。誰もがカリギュラを愛しながら、ケレアは排除しようとし、シピオンは受け入れようとし、エリコンは一途に守ろうとする。誰もが己の中にもカリギュラと同じ”天使”の心を持ちながら、其々の生き方を見せる。
だが二幕目のカリギュラとシピオンの会話はカリギュラ×シピオンで、まるでBLシーンのような激しさと美しさだ。静かな中に噴き出すような台詞の応酬、頬と頬が触れ合い、ゆっくり強く抱擁していく二人。勝地くんの陶酔する横顔に見惚れ、小栗くんの力の篭った腕に火照る。二人のこのシーンを観れただけでも満悦。
そういや頬と額、唇と頬、唇と唇が触れたり、抱き合い寄り添うなど、肌の接触シーンがやたら多かった。誰もが人の肌のぬくもりを求め、優しさと癒しを求める”孤独”な魂だったのだろう。

難しい話だったが、人物ひとりひとりの魅力と新たな発見を求めて、もう一回観る予定だ。
4人の男というと『最遊記』が浮かぶが、カリギュラ・キャラを当てはめると面白い。シピオン→悟空、ケレア→八戒、エリコン→悟浄とすぐ重なるが、そうなるとカリギュラ→三蔵となるんだろうか^^;。暴君とクソ坊主w。

観劇予定のチラシを色々持ち帰り。『TAKE FLIGHT』『遙か』(新バージョン)『BLUE SHEETS』などなど。

 ̄ ̄ ̄
日曜TBS『情熱大陸』は「役者・小栗旬」に密着。
舞台裏でも出るかなと期待したが、『お気に召すまま』はあったが『カリギュラ』はポスター撮影のみ。しかも時間延長で、次回は後編を放送するという。
それにしても今をときめく大人気の小栗くん。びっしりと書き込まれた過密スケジュールで可哀想になるくらい。意外と古風で真面目で何事にも全力投入な小栗くんは、ひとつの役に没頭できず葛藤と眠れぬ日々が続く。
声優としても活躍中で、アニメ『湾岸ミッドナイト』会見とアフレコの模様も映ったが、会見で小栗くんの隣にいた三木眞一郎の顔がズームアップ(^o^)。何やら頷いていた三木さん。三木さんがテレビ画面に大写しになるとは、これも『ガンダムOO』の効果だろうかw。


そのガンダムのラジオ番組『ソレステOO』で、ゲスト出演された三木さんが東地宏樹の話題をしていたので、聴いてみた。
タクシーに二人で乗り込んだ際、東地さんが運転手さんに「前の車、追って下さい」とイイ声で話し、まるで刑事モノみたいだったと(笑)。東地さん声のマネもして、「東地くんの声にロックオン!」と言う三木さんもイイ声だ。
劇団あかぺら倶楽部 第30回公演『パパ・アイ・ラヴ・ユー』の初日を観てきた。
10年前の再演で、メインキャストは前回と同じ役だとか。あかぺらさんお得意のレイ・クーニー作品。ロビーには演出家の水鳥鐵氏のお姿も見られた。

クリスマス直前の病院を舞台に、不倫相手だった女性と息子の突然の登場で、病院の連中を巻き込んで悪戦苦闘する医師の話。
お馴染みのあかぺら流”ジタバタ・コメディ”の原点作品。秘密を隠すために、嘘とでまかせを積み重ね、人物たちがジタバタと大忙しの大慌てで大奮闘。シチュエーション遊びや言葉遊びでも大笑いさせながら、ほっと暖かくさせるハートフルな顛末。

今回あかぺらには珍しく休憩挟んだ2時間強の芝居。2幕目は1幕目のすぐ続きからスタートという展開も快い。
初見なので、意外なキャスティングと関係性が新鮮で、随所にサプライズがあれこれ用意されているのも笑いに拍車をかけた。
通常だと主人公が高木さんで相手方が大西さんだが、今回は押田さんと高木さんで、大西さんは脇で支える。主人公モーティマー役がなぜ押田さんなのかは、後になって納得。

高木渉のボニーは、お調子者の明るい性質で、お人好しでモテモテの役どころ。女性声を出したり、突然歌い出したり、タップを踏んでみたり、果ては憧れのコスを披露したりと(スネ毛も無くて足が綺麗w)高木さんの魅力がはちきれんばかりに引き出され、とにかくビックリするやら爆笑するやら(^o^)。
巡査部長役の大西健晴は、髭と帽子をつけてて最初は誰だか分らなかった^^;。
モーティマー役の押田浩幸は台詞もたっぷりで大変だが、ビシっとする姿はスマート。
今回は衣装的にも、女性陣の胸がデカさが強調されてて、つい目がいくw。客演の高月希海のパンツの柄にも目がいって笑った。
特筆すべきは、吉田智則のレズリー。パンクでヤンキーな少年を爽やかに熱演。タイトルにもあるキーマンな役だが、天真爛漫な笑顔と熱烈な抱擁には、誰しも好意を抱いちゃうだろう。彼が一番好感度が高くなくてはいけないのだ。
高木さんと吉田くんが何度も抱き合ったり転げ回ったりと、アツアツのアクションを見せて、ついニヤけながら妄想w。

初日ハプニングで、菅原祥子@ジェーンの力余って(?)ドアの取っ手がポロリと取れちゃったw。ドアにくっつかず舞台からも落ちて、高木さんが降りて拾いにいく始末。まだ中盤なのに、そのドアを使って出て行けなくなり、進行上困ったことに。
でもそこはアドリブ抜群のあかぺらさん!(^o^) 「あれれ〜?」と言いながら、別のドアから出入りしたりとタイミングは崩さず続けて、新たな笑いをとっていた。翌日からの為にしっかり付けておくんだろうな。

一度の過ちとはいえ、結局は男の不倫の18年後のどでかいツケ。そんな冷たい男ではなく、優しくひたむきな男のほうが女にとっては幸せかもしれない。そして夫の不倫を知っていながら何も言わなかった妻もしたたか。
可愛い男たちがサンタになり、女たちにプレゼントを捧げる、真冬の熱いファンタジー。久しぶりに大笑いの面白い贈り物をもらった(^o^)。

終演後キャスト写真を販売。高木さん&大西さん&吉田くんがいるCセットを購入。吉田くんのあの髪は鬘だよねw。


チラシ束の中に、ヘロQ公演『異人たちとの夏』。表のロケ地が浅草花やしき。山田太一の原作で映画化もされた作品だが、関智一の演出で、どのような舞台となるか。一応先行チケットを取った。小西克幸も出るし、バンブーやげんしけん2繋がりで、石田さんがまた突発的に観劇に来るような気がするw。
Playing unit 4989 第7回公演『Honey Bee! Be My money!』を観てきた。
お初の場所だが、今まで行った劇場で5本の指に入る小さな空間。トイレの横が楽屋で役者と兼用!? 自由席で、最前列は緊張するが、足が伸ばせるので楽。場内はライトや熱気で暑いので、観劇中は薄手の服で充分。

理髪店を舞台に、隣の銀行の強盗を企む者と客や警察が入り乱れる、間抜けなクライム・コメディ。
劇団あかぺら倶楽部が得意とする、ジタバタ・コメディと似てるだろうか。周りの言動に主人公らが影響され、じれったさとけたたましさの中、加速度的に展開。最後のどんでん返しは見事で、苦さと甘さも感じられる話だ。
話に比べて登場人物が多く、次々と唐突に出たり入ったりで、気忙しく薄い印象。床を塗らしたり、痛そうなアクションもあったりと、やたら賑やかなステージである。

お目当ての稲田徹を待ちわびてたが、登場したのは約75分後^^;。出番的には少ないが、存在感は強烈。珍しく背広姿の硬派だが、おとなしいわけでもなく、セクハラ度を逆手にとった役得だといえそうw。
稲田さんと同じユニット「THE 黒帯」の小林高之が主人公で、多彩で味わいのある演技を披露。「THE 黒帯」の12月の旗揚げ公演を観る方には、こちらも観ることをオススメ。

役的、演出的にしょうがないと思うが、スネイクの喋り方や濃厚過ぎるテンションがウザかった^^;。意外と役に立っていたサドルだが、最後ほったらかしなのが寂しかった。
その後の彼らの行く末が気になるが、リーダーには幸せになって貰いたいと思わせる話。


終演後、稲田さんとちょっとお話して握手をしていただいた。「THE 黒帯」公演も楽しみ。やっぱ、イイ声だなぁv。
羽衣1011 第4回プロデュース公演『晴れた空、どこふく風』を観てきた。
山像かおり(Kaori)&渡辺美佐(Misa)の二人芝居ユニットの公演も4回目。
作・秋之桜子で、演出はもちろん郷田ほづみ。

楽日とあって狭い会場に凄い混雑。自由席だが、補助席や座布団席も追加され、一番前に座らなくて正解。
予約特典はサインカード&バッチ。第3回公演のメイキングDVDも買う(郷田さんも出ておいでだからv)。

山小屋で出会った見知らぬ大人の女二人が、互いの傷を舐め合いながら、互いに癒されていく、シチュエーション・ハートフル・コメディ。ノンストップ90分。
相変わらず膨大な台詞量と、軽快でパワフルな動作で、どんどん舞台に吸い込まれてスピーディに展開する。話がどう転ぶか分らない所にもワクワク感があるが、「晴れた」という過去形を目指すので面白くないわけがない。
互いの意識の微妙なズレや台詞のテンポによる笑いあり、プチ恐怖もありw、ちょっぴりの切なさやまろやかさもあり。第1回公演からずっと観てきたが、今回は特に”暖炉”のように心あたたまり、”青空”のように清々しく爽やかな気分になれた。

”変”と”硬”の美佐さんの芝居と、”直”と”柔”のかおりさんの芝居が見事にぶつかり合い、テンション高低のメリハリあるキャラクターをくっきりと形作る。
特に前半は攻めの美佐さんが小気味良くて、今までの羽衣の役の中でもとりわけハマる。子供みぃちゃんも可愛かった。関係ないけど、『キャンディ・キャンディ』では私はテリィ派w。
もちろん照明や効果音も絶妙で、郷田さんの演出も冴え渡る。

かおりさんと美佐さんが「青い空に…FLY AWAY♪」をのびやかに唄うシーンは、とりわけ目に眩しく印象的。
「羽衣的・大人の文化祭」と名うっただけあり、いつもとはちょっと違う新鮮で頼もしいテイストで、私もまたひとつ歳に見合う元気を頂いた。
第5回公演もまた15ヶ月後ぐらいかな? それまでお二人ともステキに歳を重ねていってね。もちろん私もw。


今日は業界の人が多くて、見知ったお顔の人もたくさんおいでで、ビックリ。平光琢也氏には結局お声をかけられず。牛山茂さんは私の斜め後ろに座っていらした^^;。
お目当ての郷田さんは、今日は某収録があり来れないことは知っていたが、初日にいらしていた。初日は速水奨さんご夫妻がおいでで、お二人のブログにもばっちり。郷田さん&速水さんのツーショットもあり、”旧知”というひと言にも重みを感じる。

てらそままさきさんの姿を開演前に発見、ドキドキしてついそっち方向に意識w。雑誌の写真よりうんと男前だし、凛々しい身体で目立つよね。観劇中は黒いジャケットを脱がれてエンジの長袖Tシャツ姿だったが、キンちゃんとカブリそうw。
終演後に、てらそまさんとチラっとお話をさせていただき握手もお願いした(*^。^*)。来年出演される舞台情報も伺ったが、ぜひ観に行きたいな。そして『電王』のこともw。声も笑顔もステキだった。

楽日恒例なのか、出口で花束を抱えたかおりさんと美佐さんがファンの方一人一人とご挨拶。
かおりさんには感想をお伝えして握手〜。
美佐さんの舞台を拝見するのは、鈴置洋孝追悼公演と青二Voice Fairに続き、今年はこれが三作目。先日の「お今さん」の格好良さをお伝えしたら、また元気が出てきました!と喜んで下さって熱い握手〜。美佐さんをますます好きになっちゃった。

夜から映画なので、それまで中目黒近辺で食事したり時間をつぶす。食べ物屋さんいっぱい。


羽衣1011公式ブログの”チェーン・メッセージ”も人数がまた増えて賑やか。東地宏樹さんは寝起きっぽい写真w。内田夕夜さんは美佐さんと同じ高校だったのね。てらそまさん→小山力也さん→野沢那智さんという順番も楽しい。
HCC&≪RELAX≫共同プロデュース公演『パタリロ西遊記!』を観てきた。
当日券もあり。老若男女入り乱れ観客も多いが、満席とはならないらしい^^;。

原作・出演は魔夜峰央。奥様の山田芳実さんが振付とダンスを担当し、何とお嬢さんまでダンサー&役者として参加。
作・演出は「パタリロ!」ラブなEMIさんで、馴染みの役者さんも参加するが、いつもの≪RELAX≫公演とはちと違う。ケンユウオフィスや劇団21世紀FOXなど色々な柵もあったせいか^^;、いつものEMIさんのテイストや冴えがあまり感じられない舞台となっている。

そもそも、原作やアニメにあったシュールなギャグやコントを、普通の舞台で普通の役者がやるのにムリがあるのかもしれん^^;。クスクス笑える部分はあるにしろ、謳い文句の「抱腹絶倒」「爆笑活劇」まではとてもいかない。テンポやアクションもイマイチで、役者の真面目で優れた演技力がかえって面白味を薄くしているようだった。

パタリロ@小山瞳はキュートなイメージだったが、頬を膨らませて小太りをアピール、伸びやかな歌唱力も披露し、機敏で細やかな動作で”変人”を熱演。瞳さんは以前は81プロデュース所属だったが、森功至のオフィスもりに移籍されていた。
緒八戒@松本吉朗は関西弁も達者な軟派男で、沙悟浄@久保克夫の生真面目な硬派男と上手く対を成す。二人とも背が高く逞しくて、原作のイメージにもピッタンコ。
お目当ての戸部公爾は牛魔王役。豪快な高笑いとビシリと発するワル声を使い分け、存在感も大きく格好良かった(*^。^*)。女性にモテモテでニヤケた顔も可愛い。大きな角がしっかり頭に納まっててスゴイ。
≪RELAX≫でお馴染み、おぉじのりこは羅刹女でセクシー。清水スミカは中世的雰囲気だったが、3人の中の一人でアクも出せずちょっと残念。

よく分らぬまま登場した津久井教生だが、野風羅漢の役だとは分らなかった^^;。
その津久井さんのMCで、中盤に突然ゲストコーナー。魔夜先生&奥様が登場し、瓶ビールまで運ばれ、飲みながらトーク。先生はお酒がかなり強くて、奥様との馴れ初めなどを語りオノロケ。これが原作者の出演という意味なのか^^;。今回のスペシャルゲストは西原久美子で、仕込んできたマジックまで披露(勝平さんの披露宴で披露したネタらしい)。そのコーナーでたっぷり30分位使い、ストップウォッチを下げた津久井さんまで苦笑。話には全く関係ないコーナーだし、それまでの話をぶった切るには充分だった^^;。

その後も途中で「ドラえもん♪」の音楽がかかり、釈迦尊者@たてかべ和也と孔子@肝付兼太が、ジャイアン&スネオのネタで沸かせるも他ネタが古し^^;。ジャイアンのライブコーナーまであったし、のび太じゃないけど、私はいったい何の舞台を観にきたんだろう?と疑問に思うほど疲れた(~_~)。
その間、他の役者たちは楽屋で休憩でもされていたんだろうか?後半20分位で畳み掛けるように展開したが、もはや物語に入っていける余裕もなく^^;。

ナレーションの堀内賢雄は、ひょうきんな声で要所のみ。
ネタにもされてたがw、スペシャルゲスト木曜夜は田中真弓、金曜夜はくじらさんだった。賢雄さんはおそらく楽日。


終演後、パンフ購入者に魔夜先生がサインを下さるので、私も並んで頂戴した。お話している最中もずっと、私の手を力強く握って下さった。

戸部さんにもご挨拶してサインを頂く。持参してきた”パタリロ”ぬいぐるみを戸部さんに持って頂いて写真撮影まで。ありがとうございます。
戸部さんから嬉しい情報。来年5月第3週に、≪RELAX≫さんの新作公演。もちろんEMIさんの作品でアジアが舞台だとか。楽しみで楽しみで、ぜひ観に行きますとお伝えした。
ハイブリッド・アミューズメント・ショウ bpm『ネバーランド★A GO!GO!』を観てきた。
この劇場でイヤ〜な予感はしてたが、当日券よりも後ろのフラット座席で、観難いったらありゃしない^^;。

「誰にもいっちゃ、だめだよ」15年前の夏合宿。15年ぶりの山奥のロッジ。そして”事件”が起きた数年後の現在。三つの場面が交錯しながら展開する、衝撃の”笑い”と”恐怖”が席巻するスリラー×サスペンス×コメディ。
作・演出は浅沼晋太郎(出演も兼ねる)。過去に二度上演され話題を呼んだ作品を今またbpmで再演。

”小劇場史上・最「怖」”のエンタメ作品とだけあって、面白かったがかなり怖かった。凄まじい音響効果、ゾクっとさせる照明効果、時おり起こる地響きのような効果もあり、あの『Zipper!』以上の緊張感と体感を覚える。
13人の個性的人物がニックネームなのも覚え易く、ジェットコースター的展開で飽きさせず。二転三転しながら、全く予想できない結末とドンデン返し。
最初の殺しも怖かったが、最後に再び出現する場面ではマジでビクついた^^;。殺され方も残酷だし、血のりのタイミングも上手すぎ。武器も本物チックに見えそう。でも一番怖かったアイテムは”メール”といえるか。

お目当ては三人。
Studio Lifeの船戸慎士が、ライフではあまりやらない、若い硬派な男と軟派な男の二役を好演。船戸さんの関西弁なんて初めて聞いたかもw。美味しい存在感で、男前で格好良かった。
浅沼晋太郎は、台詞は少ないが特異な役どころで、不気味な可愛さ。てっきりコイツが黒幕かと思ってた^^;。うんと若く見えるし、金髪になってて美形だし、才能豊かだし、ホント底知れない魅力。鈴木ちーちゃんみたいな髪型だったが流行ってるのか?
堀川りょうは、さすがに大人の役だったが、細くてしなやかな身体と動きで熱演。悲壮感漂う表情と必死の叫びにグッときた。終始マジメな堀川さんだったが、ベジータ・ネタが出た時は表情が崩れ、観客も大いに笑った(^o^)。

掛け合い漫才や、立て板に水の如しの会話にも、結構笑ったんだけどね。これでもかと起こる”恐怖”に巻かれて、すっかりその笑いが消えちゃった^^;。
登場人物が其々に身につけていた”緑”が何か伏線になってるのかと思ったが、そうでもなかったみたい^^;。動機にも強烈なもう一押しが欲しかったかな。
でもここまで緻密でテンション凄まじいストーリーを作り上げた浅沼さんはやっぱり天才。今日平も出演していたし、『BIRDS』のDVDも観ておいてよかった。

bpm次回公演は、浅沼晋太郎の作・演出・出演で『聖の夜』。あそこの劇場は移動し難いや。
船戸さん出演の『アドルフに告ぐ』は先行優先で希望日が取れた。

 ̄ ̄ ̄
本日夜 FM世田谷『Theater F』。
関俊彦、波岡晶子、小田木美恵、大東あきの4名がラジオ出演。
ラジオのアンテナを両手で握り締め、ものスゴイ雑音と格闘しながら、うっすらと流れてくる関さんたちの声を必死で追いかけた^^;。
番組後半から関さんたちの出番。関さんや女優さんの自己紹介、DCの成り立ち、中尾さんや関さんのことを交えつつ、DC公演『居残り佐平次』の内容や稽古状況、前進座劇場について語っていた。
ご本人を前にして3人の女性が語る、関さんについての話が可笑しかった。
30-DELUX The Seventh Live『シェイクス』の前楽を観てきた。
さすがに花壇も取り払われ残されたのは立て札のみ。
今回も着ぐるみキャラ馬蔵と馬子を撫でて客席へ。前説で、着ぐるみの中の人が誰なのか判明w。

大阪公演が控えてるが、ネタバレ関係なしにざっと雑感。
前回は後半でようやく分ったが、『シックス・センス』な話でもあったのね。最初から注意深く観ると、台詞と台詞の間や、表情や仕草の微妙なところまで、役者がきちんと表現していてさすが。
でも「夢を超える」のひと言で、主人公がすぐに気持ちを入れ替えられるのは、やっぱりちょっと納得いかず。
中盤はちょっぴりダレ気味な展開もあり、風邪薬を飲んでた私は少しウトウト^^;。

後半の見せ場は、変『ヘレンケラー』(笑)。柄谷吾史、大熱演! 林修二とも何という熱い友情w。あまりの感動シーンに、ステージだけでなく、客席からも拍手喝采が湧き上がったw。
郷本直也の気弱な演技も新鮮だし、Axleやブルーシャトル系舞台では拝めない面白いモノを色々見せて貰った。

J系は観られることが上手で、佐野瑞樹は舞台に”花”を与える。匍匐前進やドロップキックと、はちゃめちゃな芝居もテンション高くこなす。殺陣や動きも器用で、清水順二との殺陣シーンは前回よりも格段にイイ出来だった。おそらく公演中も終った後とかに、清水さんを相手に稽古を重ねてきたのではないだろうか。
佐野さんは清水さんと並ぶと兄弟ぽくも見えるが、実は1つしか違わなくて、それも今回の話に深く関わってきそうだ。あの二人の男はあくまで対等でないといけないのだから。

殺陣やアクションも素晴らしいが、音響さんは毎回実にイイ仕事をしてくれる。
『夏の夜の夢』のごとし、道化師パックが前口上と仕舞いの挨拶をするのも見どころ。
シェイクスピアの名作にふれつつ、役者たちに酔いしれながら、観客もシェイクされるのが心地良い。

終演後は拍手一杯のカーテンコール。清水順二とタイソン大屋がいつもの如く並んで恒例のゲスト挨拶。今回のお当番はまたもや郷本直也&柄谷吾史(*^。^*)。隣のMさんは大喜び。
本日の感想なぞを郷本さんが語るが、次の柄さんが突然「あの声はなんだーっ!?」。何とステージ上手で、小野妃香里がグラサンかけた伊藤裕子に…。音響効果も抜群w。
その場に割って登場したのが正義の味方(?)佐野さん&林さん。そして格好良くポーズをとりながら、あのブログのように、イケメンならぬ「ヘタレ戦隊レッド!」と佐野さん。続いて柄さんが「ブルー!」林さんが「グリーン!」郷本さんが「イエロー!」、おまけはタイソンさんが何故か「ピンク!」。清水さんは5人から「シルバー!」にされていたw。そして何ごともなかったように煙に巻いて去っていく皆さん。
物販グッズの告知もしつつ、最後まで観客を楽しませてくれた。
いやホント、こんなノリが続くなら、午後の千秋楽も当日券で観たいところだと、Mさんと共に残念に思った。

ロビーの賑わいの中、タイソンさんのサイン列の隣で清水さんのサイン列まで。今回は清水さんからのサインをパンフに頂戴して握手。上演前に購入した『BIRDS』のDVDにもサインを頂いた。
『BIRDS』みたいな戦隊もののノリのお芝居も、また観たいもの。

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