開催中の『高橋留美子展』へ行ってきたっちゃ。チケットは安く手に入れたっちゃw。

漫画家・高橋留美子さんのメガヒット作品『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』『犬夜叉』を中心としたカラーイラスト原画など約150点を公開。
展示会のための描きおろしもあり(ラム→響子→パンダ→犬夜叉と増えていくw)連載の完結編の原稿もありとファンには見応えたっぷりの構成。原稿に熱心に見入るファンも多く、列がなかなか進まずあちこちで混雑。
原作コミックコレクションには海外用のもあり。作家所蔵品として、刀ややかんなども展示。
『めぞん』一刻館の1/150模型や、一部再現されたセットも展示。ティッシュとかゴミ箱とか10時20分を指してる時計とか、細かいところまで和ませる作りの管理人室だ。

特別企画で、有名作家34人がラムちゃんを描く「My Lum」コーナーもあり。先ず留美子氏のラムちゃん描きおろしが飾ってあり、ラムちゃんへの思い入れが綴られている。あだち充氏のラムちゃんは有名だが、青山剛昌氏はコナンがテンちゃんに!!(笑)渡瀬悠宇氏のラムちゃんは色っぽく、くらもちふさこ氏のラムちゃんがエキサイティング。

実は私は、高橋留美子氏の作品は、漫画よりもアニメのほうがメインなので、原作に特別に思い入れはなかったが、それでも懐かしい雰囲気と会場の熱気が気持ち良かった。

そして今回のお目当て、新作オリジナルアニメの上映。
『らんま1/2』と『犬夜叉』を日替わりで上映していて、今日は『らんま1/2』上映日。約25分もあるので、椅子に腰掛けてゆっくり観たほうがラク。
新作タイトルは「悪夢!春眠香」。豪華スタッフ&キャストが集結し、オリジナル声優なのが嬉しい。皆さん、変わらずの声と演技だが、ややテンションがおとなしめ。
久能帯刀は熱闘編と同じ辻谷耕史。良牙@山寺宏一の若々しい声を聴くのは久しぶりかも。ムース@関俊彦の出番は後半それなりにあるが、もちっと弾けた声だったように記憶。ムースはカッパかw。佐久間レイは覚えてたが、鶴ひろみは思い出せずにいたり(バタコさんとドキンちゃんw)。

2100円の図録は見ただけ。グッズは全体的に高めで、ポスカは完売のものが多い。piyo猪口お目当てに響子イラストお酒と、テンちゃんの手拭いを買う。るーみっくわーるどクッキーは記念に。4作品が一緒になったグッズが欲しかったっちゃ。
無料券で、三越本店で開催中の『永遠のベルサイユのばら展(La Rose de Versailles)』へ行ってきた。
若い人から壮年やご高齢、男性までと客層が広く、結構な混雑。

1972年から1973年にかけて週刊マーガレットに連載され、少女漫画史を変える大ヒットとなった池田理代子氏の『ベルサイユのばら』。
何度も語ってきたが、連載スタート時から私の青春の一部となり、私の半生にも大きな影響を与えてくれた作品である。

『ベルばら』35年の歴史の中でも初めてとなる大規模な展覧会。本展では、キャラクター紹介の後、原画約270点をストーリーを追って紹介、イラストやカットを約40点展示する。

ストーリーは10章ぐらいに分かれており、該当する原画を漫画と同じように、上→下→左上と読み進められるように展示。懐かしく眺め観る人もいれば、じっくりと読む初見の人もいたりと、誰でも内容や展開が分るようになっている。
連載当初の池田さんの筆はまだまだ若々しく熱い。墨汁の塗りにムラがあったり、キャラ絵も幼稚っぽい。お得意のホワイトの煌きを多用され、徐々に点描やトーンを使いこなしたりと、タッチや腕に抜群の飛躍を見せる。あまり建物や背景に拘らない代わりに、心理描写や心象風景のバックに力を入れる。だから観るほうも、キャラクターの心にムリなく寄り添えて自己投影できるのだ。
イラストなどの彩色原画では、赤やピンク、黄や紫、青や緑が圧倒的に多く、まさに”ばら”の如し華やかさ。意外と、黒やグレーなど原色を使わないことが伺われる。

原画の他、作品に関係した装飾品も展示。当時流行したシノワズリ風の扇と靴。ロープ・ア・ラ・フランセーズ(女性)とア・ビ・ア・ラ・フランセーズ(男性)という豪華な衣装と鬘。作品の中でアントワネットが弾いていた、シングルアクションハープも展示。
特典展示は、原画デザインのまま再現したという、オスカルが生涯にただ一度だけ装ったドレス。トルコ後宮オダリスク風で、上品な中に気高さと美しさを秘める。”白”は、花嫁衣裳の如き、オスカルの色。身長178cm、バスト87cm、ウエスト63cmのマネキンと同じく、オスカルもさぞ背の高くスマートな凛々しい女性だったのだろう。

「永遠のベルサイユのばら〜オスカル〜」として、漫画のダイジェスト映像も上映(約10分)。これで、アントワネット編やロザリー編も見たいところ。
付録やコミックカバーの原画も展示。私の持ってるマーガレット・コミックスと同じだ。ベルばらグッズも展示されているが、当時のハンカチや筆箱など懐かしいものばかり。キャラ・フィギュアもケース入りで展示中。

宝塚関係の写真が1枚あったが、そっち方面も展示するとなると膨大な数になりそう。アニメや映画、ドラマCD関係の資料はいっさいなかった。純粋に、漫画オンリーの展示というのがかえって有難い。
図録という本を手に取ったが、去年12月頃に発売されたムック本で既に持っているもの。ベルばら関係の書籍も多数、記念グッズも多く、高級な限定グッズも販売。図録の代わりに、ファイルと一筆箋とポスカを購入。ベルばらキッズ関連は若者に人気w。

作品の中で、国庫財政が傾く時にあたってマリー・アントワネットが呟いたひと言が忘れられない「なら、税金を増やせばいいじゃありませんか」。今も昔もどこもかしこも、庶民から税金をとれば済むと思っている(~_~;)。

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メイトに行って、乙女ロードグッズフェアに参加。クッキー復刻版&紅茶2008を買って、『GRACE DOOR』ミニドラマCDをゲット。締めて1207円。CD代として安いのか高いのかw。そういや去年の夏コミで貰った紅茶2007がまだ冷蔵庫に入ってた^^;。

『少年陰陽師』文庫本も2冊購入し、全サに応募するのみ。『学園アリス』全サは8月の花ゆめだっけ。『ミラージュ』全サでCobaltも買わなきゃ。CDオマケの為のWF通販は600円の手数料が痛い。
軽食をとってから、次の展示会場へ。


『フランスが夢見た日本 ― 陶器に写した北斎、広重』表慶館
日仏交流150周年記念。オルセー美術館コレクション特別展。

19世紀フランスで生まれた「ジャポニスム」。当時ブームになった日本版画から抜き出したモチーフを、組み合わせてデザインされ人気を博したテーブルウェア(皿やカップ&ソーサー)を纏めて紹介。
テーブルウェアの図柄の元となった日本版画も比較対照できるように展示し、文化交流の影響やモチーフの妙を楽しむ。

【セルヴィス・ルソー】(ルソー・セット)
版画家フェリックス・ブラックモンにより、銅版転写による絵付けのため左右反転。器の表面に、シンメトリーを排して、不規則にモチーフを散らし、白地に鮮やかな彩色をほどこす。1867年、1878年、1889年にパリ万博に出品。
草花、昆虫、鳥、魚などのモチーフが多いが、正直、どうしてこういう組み合わせ??という絵柄ばかり。”鯉に朝顔””伊勢海老に茄子””芥子に蜂””大鳥に蒲公英”などなど。
ブラックモンによる下絵用のエッチングも展示。
セルヴィス・ルソーのテーブルセッティング(昼食会のデザートシーン)あり。フルーツや、ケーキとチョコレートなど、綺麗に深皿やオードヴル皿に飾られている。

【セルヴィス・ランベール】(ランベール・セット)
装飾画家ランベール自身が、手描きによる絵付けと彩色をほどこす。日本の自然や人物、動植物のモチーフが、一片の情景や場面として描かれている。精密な描写と明解な色調。1873〜1875年製作後、1884〜1894年に再び製作。
先の【ルソー】と比べて、皿全体に施した絵柄は、叙情性やユーモア、物語性も喚起させ、日本人好みといえる。広重の風景画の後ろの部分のみを用いたりと、巧みなトリミングを見せる。
絢爛豪華な”鶏図”もいいが、”鴨の親子図””鶏図”(ピンク親子)などの鳥もユニークで、”沼津足柄山不二雪晴図””浜松図”など風景も深味がある。

葛飾北斎、歌川広重だけでなく、二代葛飾戴斗、河鍋暁斎、幸野楳嶺などの版本や版画も展示。
以前も「ジャポニスム」関連の展示を観たが、今回はテーブルウェアに的を絞ってくれたので観易かった。
物販グッズ関連では、断然、セルヴィス・ランベールもの多し。
無料券があったので、東京国立博物館内の展示を二つ観てきた。
どちらもスゴイ混雑^^;。


『対決 巨匠たちの日本美術』平成館
中世から近代までの巨匠24人を2人ずつ組み合わせ、「対決」させる形で作品を紹介。国宝や重要文化財を含む計100余件の名品が一堂に会し、実際に作品を見て比較しながら、巨匠たちの人となりや人生、時代背景に思いを馳せるのも楽しみのひとつ。
専門家ではないので、どちらの作品が好きか?どちらの巨匠が好みか?という軽い気持ちで観るのが一番w。

もうひとつの対決!として、豪華声優陣による音声ガイドが必聴。松尾佳子のナビゲーターと共に、各巨匠の作品を声優たちが解説、”語り対決”も楽しめる。
現代美術家の山口晃氏が、巨匠24人の肖像画を描いているが、作品と肖像と声という3つのイメージを重ねるのも面白そう。
以下、作品を観た私の勝手なイメージと好みを列記、肖像と声についても雑感。

1.運慶vs快慶
★地蔵菩薩坐像:運慶(櫻井孝宏)…力強さと動きと安心感がある
★地蔵菩薩立像:快慶(森久保祥太郎)…繊細で美しく柔らか
→男性的でスピード感がある運慶が好み

2.雪舟vs雪村
★慧可断臂図:雪舟等楊(飯塚昭三)…達磨の弟子になるため腕を捧げた慧可で、ちょっとホラー^^;。力強い存在感だが静寂感も。
★蝦蟇鉄拐図:雪村周継(古川登志夫)…動きがあり自由でユーモアで快活。想像力も沸く。古川さんの声もピッタリw。
→漫画チックで観ていて楽しくなる雪村が好み

3.永徳vs等伯
★檜図屏風:狩野永徳(内海賢二)…ダイナミックでエネルギー溢れる。金箔と鮮やかな色彩でゴージャス。豪快かつ緻密。天下人に好まれ時代の寵児になったわけだ。ただ、肖像は優男のイケメン風なので、内海さんの声とハマらない^^;。
★萩芒図屏風:長谷川等伯(斉藤茂一)…情緒的な自然表現や心象風景。生命力や安らぎを感じる。斉藤さんの声が温かく素敵。
→権力になびかず、あくまで個人的な思いが伝わる等伯が好み

4.長次郎vs光悦
★赤楽茶碗 銘無一物:長次郎(槇大輔)…端整で艶の味わい。利休の理想やわびの理念を実現。
★黒楽茶碗 銘時雨:本阿弥光悦(中村正)…丸みがあり大らか。茶碗製作の約束事を悉く超えてる。
→個性的で斬新的な作品のほうが面白いので光悦が好み

5.宗達vs光琳
★蔦の細道図屏風:俵屋宗達(小林清志)…大胆で明解な構成。おおらかでリズミカル。空間表現や心象風景も描く。
★白楽天図屏風:尾形光琳(窪田等)…垂直に傾いた舟と涼しげな白楽天という不可思議な絵。100年前の宗達を尊敬し模倣するも、次第に自らのオリジナルを加えライバル視していったという。
→躍動感に満ち、空間処理が上手い宗達が好み。二人の「風神雷神図屏風」も観たかった。

6.応挙vs芦雪
★猛虎図屏風:円山応挙(稲葉実)…写実的。緻密性と猛々しさ。虎の毛描きはリアル。
★虎図襖:長沢芦雪(森川智之)…想像的。飛び出してきそうな躍動感。大胆な筆遣い。視覚的な驚きを狙った描写。日本で最も大きな虎の絵。モリモリは抑えた良い声だがもっとハジけてもいい。
→師・応挙の世界をパロディ化し独自の世界を展開した芦雪。まるでアニメーターみたいな画法が面白いので芦雪が好み

7.仁清vs乾山
★色絵吉野山図茶壷:野々村仁清(平野義和)…華麗な装飾美。優雅でリズミカル。
★色絵紅葉図透彫反鉢:尾形乾山(田中信夫)…絵柄にあわせて焼き物の形を決める。すかし模様を用い、視点を計算。絵を立体化させる。兄・光琳との合作も多い。
→絵柄と器の形を一体化させるデザイナーみたいな手法が面白いので乾山が好み

8.円空vs木喰
★虚空蔵菩薩立像:円空(近石真介)…丸太から一気に像を掘り出す。太陽のような微笑と深い表現力。細身。全国に数千体知られている。近石さんの温かみある声がぴったり。
★十王坐像/葬頭河婆坐像:木喰(野島昭生)…十王は冥界の裁判官。憤怒を表しても、豊満な顔に微笑が感じられる。全国に500体ほど知られている。
→どちらも微笑が共通点だが、素朴で彫るスピードもあった円空が好み

9.若冲vs蕭白
★仙人掌軍鶏図襖:伊藤若冲(根岸朗)…異国のサボテンと鶏。濃密な彩色と執拗な細部描写。写実的。自分の内なる視覚世界や超現実世界を描きオタクっぽいw。
★群仙図屏風:曽我蕭白(玄田哲章)…8人の仙人。イマジネーション溢れる独創性。奇天烈な表情。偏執的かつグロっぽいw。肖像画と玄田さんの声がぴったり。
→二人とも現代でいうと、引きこもりのマニアw。狂気っぽい蕭白より幻想的な若冲が好み

10.大雅vs蕪村
★十便帖:池大雅(若本規夫)…自然の中で生活する便利さと楽しさを詠った中国の詩と絵画。おおらかな筆と柔らかな色彩。詩を書いてから絵を描く。コブシきかす若本節の語りに笑い
★十宜帖:与謝蕪村(清川元夢)…山荘での生活と移り変わる四季の素晴らしさを描いた中国の詩と絵画。繊細で叙情的な筆。こちらは絵を描いた後の余白に詩を書く。
→二人が相まみえたのは十便十宜帖のみ。どちらも期間ごとに本物をアルバムに張り込んであるのを展示。心象風景を映し出す画で蕪村が好み

11.歌麿vs写楽
★婦人相学十躰 浮気之相:喜多川歌麿(野沢那智)…艶かしい色香漂う。繊細で滑らかで洗練された筆遣い。浮気相手を見やる女性心理まで描く。肖像画の粋でクールな表情が那智さんの声と合うw。
★市川蝦蔵の竹村定之進:東洲斎写楽(羽佐間道夫)…風格ある身体と奇抜な表情で迫力が伝わる。個性や内面性を強調する。
→那智さんと羽佐間さんとの掛け合いは、ライバル同士というより酒仲間風w。美人画と役者絵を極めた二人だが、歌麿が息の長い人気作家だったのに比べ、写楽は彗星の如き現れたスターだった。謎の多い写楽が好み

12.鉄斎vs大観
★富士山図屏風:富岡鉄斎(池田秀一)…丁寧で堂々とした落ち着いた佇まい。静かな全貌図に比べ、山頂図はゴツゴツと荒々しい姿。池田さんの語り口は『北京へと続く瞬間』と同じ。詩を吟じるところは『彩雲国物語』を匂わす。
★雲中富士図屏風:横山大観(加藤精三)…一面の雲から頂上だけ出す富士と、シンプルで明るい趣。俯瞰した奥行きを感じる。加藤さんの渋い語りが、一徹頑固で誇り高い人柄と重なる。
→最後の文人画家と、戦後まで日本画家の大家だった対照的な二人。よく旅をして富士山にも登った自分流の鉄斎が好み

「時に惹き合い 時に反発しながら 芸術が花開いた…」松尾佳子さんの気品あるソフトな語りが心地良い。BGMの音楽にも注目したい。
気づくと3時間も会場で過ごしていた^^;。腰と足がちと痛い。音声ガイドも其々2回以上は聴いていたしw。行きつ戻りつ、作品を何度も観ていたっけ。
声優さんの対決もあって、いっそう作家への創造性もかきたてられ、作品への興味も増した。
「対決」という斬新な切り口によって、日本芸術の新たな魅力と可能性を知り得て、満ち足りたひと時だった。
『吉村作治の早大エジプト発掘40年展』のトークショー&サイン会へ行ってきた。
開場30分前に到着すると、既に長い列。平日にすればよかったなとちょっと後悔。入場チケット買ってトークショー整理券を貰い、図録を買ってサイン会整理券を貰い、会場の席取りもしてと、15分間で結構ハード^^;。


会場にはテーブルもあるが、補助席も設けられビッシリ。拍手の中を吉村作治先生がおいでになって壇上の座席へ。MCは先生と周知の仲の男性。
吉村先生は薄ブルーのジャケットと薄グレーのズボンで、にこやかに笑いながら弁舌を披露。もっとお硬く生真面目な方かと思いきや、ユーモアと皮肉を効かせ、オヤジギャグも満載で、何でも屈託なくお喋りして下さった。

今現在は、1987年に見つけた第2の「太陽の船」を電磁波レーダーを利用した発掘の見通し。12〜13億円もかかるのでなかなかうまくいかず、日本の期限は今年3月まで。民間の会社ニトリさんが率先して融資して下さるようだ。
青いミイラマスク発見時にも、日本からはNHK、よみうり、共同の3社しか来なくて、日本では記事にならないことが多いと。日本のマスコミは”発見”の重大さが分らない、興味を示さないとのこと。
第1の「太陽の船」絡みで、エジプト人の”人生観”について。太陽と王様は生まれ変わるので、昼の船と夜の船があるという。ナイルの”青”はあの世とこの世を結ぶ色、”黒”はあの世、”緑”は復活再生の色だという。ここでの”青”はコバルトブルー、エジプシャンブルー。

そのブルーのマスクをつけた「セヌウのミイラマスク」について。未盗掘&未開封ミイラを発見する確率はホントに少ないとか。盗掘も4段階の時期に分れていたり、発掘したものを取れる分配権の話まで。テイク&ギブ(日本人にだけ)だったり、潔さや知識欲など、日本人の性質についても熱く語る。エジプト人に日本人を知って貰う機会だともいう。
1回の発掘に数千万円かかり、自分の資材の他は殆どが企業からの寄付。先生のこうした本や活動が発掘の資金になると、すかさず宣伝もなさったりw。

展覧会の見どころを訊かれても、先生のエジプトの夢やその為の進学奮闘記の話へと紆余曲折w。話が盛り上がる中で「弱点を自慢して生きる」と豪快に笑い、トドメは「僕の話はエンドレス」と言ってのけ、こちらまで笑って和む。
10歳の時に読んだ『ツタンカーメン王の秘宝』がきっかけの夢だったが、エジプト発掘から数十年、1997年ついにツタンカーメン王の指輪を発見、夢が叶ったという。「世界にないものを見つけるのがホント楽しい」とおっしゃる先生の瞳はキラキラ輝いていた。
サイバー大学についても言及。
拍手の中、帰りは私が座る横の狭い通路を通っていかれる先生。


壇上にテーブルが設けられ、すぐに先生がいらしてサイン会スタート。
サインの他に、カメラや携帯を持ってる人は、先生と一緒の撮影も可能。さぞ時間がかかるかと思われたが、先生の傍でサインのため本を広げる人、撮影してくれる人が手際よくて、スムーズにさっさと進行。

すぐに私の番。広げられた本に、黒ペンで豪快にサインをなさる先生。早っ。先生とご一緒に写真撮影。ステキな記念。握手をする際に「先生に憧れてエジプトにも行きました(20年前だけどw)」と話したら、「おおっ!」と満面の笑顔で喜んで下さった。握手の手がこれまた力強いっ。憧れの先生との満ち足りたひと時だった(*^。^*)。


本展は、早稲田大学古代エジプト調査隊がエジプト現地調査を始めて40年間を迎えた記念展。40年間に発掘した出土品の数々を展示し、吉村教授や早稲田隊の功績と驚き喜びを追いながら、次代の日本のエジプト学にも思いを馳せる。

吉村先生がこの40年を振り返るビデオ映像もあり(約11分)。故・川村喜一先生を偲びながら、エジプトの発掘の模様や発見を紹介しながら「夢は叶う」と力強く笑う吉村先生。エジプトでの聞き手は中川晃教。

第1章<マルカタ南>
魚の丘井関彩色階段の発見。ミニチュア復元されてるが、ここからの出土品を展示。
第2章<ルクソール西岸岩窟墓>
クルナ村、新王国時代の貴族の墓よりミイラや埋葬品を発見。展示。ルクソール西岸にワセダ・ハウス完成。
第3章<王家の谷・西谷>
私は東の谷にしか行かなかったが、西の谷にはアメンヘテプIII世王墓がある。王妃のシャプティ頭部もあり。
第4章<ギザ第2の太陽の船>
もちろん第1の太陽の船しか見ていない。今は、組み立て復元や保存調査に関する調査中。
第5章<アブ・シール南>
どこにでも顔を出すwラムセスII世や、トトメスIV世の銘入りの出土品が多い。
★クフ王銘入り陶製スフィンクス像…クフ王銘入りでは初めての発見
★ライオン女神像(右側面の子供の姿の像がクフ王)…クフ王の像としては二番目の発見

第6章<ダハシュール北>
本展の目玉。2005年1月に発見された、中王国時代の「セヌウの墓」(未盗掘)からのもの。ビデオ映像もあり。
★ピラミディオン…新王国時代のトゥームチャペルと呼ばれる神殿の小ピラミッドの頂部に載せられたもの
★ツタンカーメン王の指輪&アンケセナーメン王妃の指輪…夫婦の指輪が同じ墓から出土した極めて貴重なもの
★セヌウのミイラマスク…青が綺麗。赤と緑のビーズ、頭部のハゲワシなど印象深い。
★セヌウの木棺…黄色で塗られ、銘文が書かれている。側面右側にウジャトの眼が描かれているが、ミイラの頭部分は左側にあったという。

10月からは同場所で『古代エジプトの美展』も開催。
物販では、オリジナルグッズなど豊富。

夏風邪

2008年7月25日 生活時事
先週金曜日から冷房をやっと付け始めたが、見事に風邪をひいてしまった^^;。
暑い中の夏風邪はツライ^^;。

テニミュは1公演のみ。中ホールでテニミュを観るのって、青学の卒業公演以来??
ネオアン・大陸祭典は土曜夜公演のみ。昼は全部子供行事と重なってるし。
どちらも取れただけで良しとしよう。

ローソンで、からあげクン買って『ポニョ』のトートバッグを貰う。ちっちゃくてあまり入らなそう。

メイトにも行ってこなきゃ。
三越劇場で観劇した後、無料券があったので、同じ三越の新館で開催中の『赤毛のアン展〜モンゴメリが愛したプリンス・エドワード島〜』を観てきた。

小説「赤毛のアン」の出版100周年を記念した展覧会。
思ったよりも幅広く充実した展示で、日本初公開の品も展示され、ファンならずとも満足できる内容である。

”アンを誕生させ、そして伝えた2人の女性〜として、作者のL・M・モンゴメリ(Lusy Maud Montgomery、1874-1942)の生涯を、様々な資料や写真で紹介。
猫とファッションと写真が好きだったモンゴメリ。雑誌の切り抜きや猫の写真や自分で撮影した写真などを収めたスクラップブックも公開(コピー版)。お気に入りのものを自分の作品に登場させることも多く、日本初公開のアンが愛したマゴグ(モンゴメリ家伝来の調度品)も展示されている。
「赤毛のアン」モンゴメリ直筆原稿は普段は非公開だが、アン誕生100周年を記念し日本初公開。アンがカスバート家に引き取られる前後の原稿がシーンごとに展示され、小さな紙に大らかでクセのあるモンゴメリの英字を見ることができる。

1952年(昭和27年)に「赤毛のアン」を日本に紹介した翻訳家の村岡花子(1893-1968)の生涯も様々な資料や写真で紹介。
宣教師婦人たちとの交流の中で、彼女に託された1冊の本が「ANNE of GREENGABLES」。戦時の空襲の中でも命をかけて翻訳し続け、戦後ようやく出版にこぎつけた。「赤毛のアン」というタイトルは、実は愛娘みどりさんが名付けたそうだ。他にも翻訳された「王子と乞食」「パレアナの成長」(アニメ『愛少女ポリアンナ物語』関連か)の初版本も展示。戦前はラジオ番組「コドモの時間」の1コーナーに”ラジオおばさん”として出演され、その肉声も会場で流れている。

「アン」というフシギな糸で繋がれているモンゴメリと村岡さん。お二人とも、子供を一人ずつ亡くされたという悲劇を乗り越え、なおかつ、末子を授かったのは39〜40歳と割と遅めだったのが共通点だろうか。
物書きとして活躍され、勲章まで受けられたお二人だが、私的人生においては、かけがえのない子供たちと生き、世界中の未来の”こども”たちの為に永遠の宝物を残してくださった。

「赤毛のアン」シリーズは、ミュージカルや映画やドラマなどにもなり、衣装やパネルで紹介。
1979年に放送された日本アニメーション制作のアニメ『赤毛のアン』を詳しく紹介してくれるのが嬉しくて懐かしい。美術設定、美術ボード、レイアウト、セル画も展示。有名な近藤喜文・画の「ブライトリバー駅にて」(水彩画)まで。
そういやアニメ『赤毛のアン』の歴史は『機動戦士ガンダム』と重なるんだっけ。当時、富野喜幸氏が絵コンテで『アン』に参加してたのは7話までで、以降はガンダムにいったのだった。

アンが生活したグリン・ゲイブルズのアンの部屋、ダイニングルームも貴重な調度品と共に再現。
アンの人生の年表まであり、ファンは思いを投影させるだろう。
「モンゴメリが愛したプリンス・エドワード島」のミニシアターも上映(約7分)。
キルトも展示され、プリンス・エドワード島やカナダへの旅路を夢見させる。

「赤毛のアン展」はこの後、全国を回るそうだ。
物販も賑やか。展示会限定で数量も限定のメイプルキャンディーは手頃なので買う。一筆箋やクリアファイルも色々。アニメ『赤毛のアン』グッズも沢山あるがちと高め。6/22まで。


帰りも、ダイヤの大幅乱れで、池袋から最寄り駅まで倍近くも時間がかかり辟易^^;。
出発進行! 副都心線、ついにスタート!(^o^)
待った待った、待ち焦がれた。
開業日が決まってからは、限定グッズとか出るだろうから乗りに行こうと、娘と決めていた。

娘は初電で、私はそれより2〜3本遅れた電車に乗ったが、ラッキーにも池袋で急行電車と接続。これが”初急行”だったのもラッキー(^.^)。これが早いの何の。あっという間に新宿三丁目駅へ。地下鉄で急行というのも初体験だしオモロイね。
そしてどこにでもいる撮りテツ。前日から目立ってたが、池袋でも三丁目でも熱心な撮りテツがいっぱい。小学生から大人やお年を召した方まで幅広く、女性も結構いる。もちろん私も乗り換えながら、電車行く先や駅案内板などを撮影。でも私は決して撮りテツではないゾw。

新宿三丁目で出た改札口がラッキー。すぐ前に、記念一日乗車券の最後尾の札が見えて、迷わず列に並ぶ。後ろには忽ち行列が出来て、ズラズラっと列が延びる延びる^^;。乗車券はこの特設ブースのみでの販売なので列も集中しそう。
前日の決め事どおり、娘は何とかグッズの列に並んでいる模様。PHSで頻繁に連絡を取ったり、軽い食事をとったりしながら列で待つこと1時間。椅子も持ってきて良かった。

あまりに列が延びたせいか、予定の時間より繰り上げて乗車券を販売。この50分差は大きくて貴重。それでも自分の番にくるまでの列も長く、やっと買えたのは8時頃。結局2時間待った計算になる^^;。でも後ろに並んでる列もまだまだ長い長い。
大人&小児セット(台紙付き)と大人用を買えるだけ買った。大人500円と手頃だし、270円区間を往復するよりもお得といえそう。

乗車券購入後グッズ列のほうへ行くと、ここの列も凄いことに。丁度、娘の番が来る一歩手前で、私のお金に期待してる娘と一緒にグッズを見ることに。カゴを渡され、それにグッズを入れる仕組みで、これなら割り込みはないだろう。
前日まではグッズにそれ程執着してなかった娘。ボックスの中に並べられた沢山のグッズを見た途端、私が払うのに甘えて、あれもこれもと欲張ってカゴの中へ^^;。会計では、予定を軽くオーバーの凄い金額に私がガーン(^_^;)。
プラレール、目覚まし時計、警報ブザー、ホチキスはいいが、USBメモリなんて要らんよ^^;。以前新聞に載ってた、明大商学部の学生が共同開発したエコバックやハンドタオルも記念に。キーホルダーやストラップもついつい。収穫にホクホク、散財に複雑。

改札口近くには、本日限り手書き乗車券も販売中で、これはどうする?と尋ねたら、これも並ぶ!と娘。トホホ。娘と二人だし、前後に並んだ女性や若い男性ともお喋りしながらで、それ程大変ではなかった。
その間、娘の同級生の友達も来てくれてご挨拶もできたり(その節は娘がお世話になりました)。東北地方で地震が起きたことも、その同級生が見せてくれた携帯ニュースで初めて知り愕然。
手書き乗車券(2種類)をゲットした後、私と別れた娘は友達と一緒に行動。

私は知り合った女性と一緒に、ニュースでやってた「高島屋」の振る舞い酒のところへ。どら焼きはたったの50名だが^^;、酒は2000名。10時半に力士たち4人が酒樽を叩いて祝い、2つの樽の酒が並んだ客に振る舞われた。これがちょっぴり辛口で滑らかで品があり、さすがに美味い(^.^)。飲み終わった”高”枡は持ち帰り可。
でもお酒に弱い私は忽ち頬が赤くなり、意識はフラフラで気分良くしながら通路を歩く。

女性と別れた後、手持ちのSuicaやPASMOでできる新宿ラリーキャンペーンに参加。A〜D&副都心線など計5つのブロック内の8ヶ所のうち5ヶ所の専用端末にタッチすると抽選権を獲得できる仕組み。伊勢丹と高島屋が地下通路で真っ直ぐ結ばれたのでラク。三越は丸の内線を利用できるが、面倒なのが小田急や京王。そこからまた高島屋に戻るのも大変。この二つを繋ぐ地下通路なんてあるんだろか^^;。ゴールの高島屋で黒のオリジナルバッグを頂く。
でも効率が悪いので、もう少し考えながら再チャレンジしてみよう。おかげで、副都心線新宿三丁目周辺の状況は理解できた。さっすがスタンプラリー!

起点終点の新駅・渋谷駅へ。ここにも撮りテツがいっぱいで混雑。駅構内が広すぎて、東横線や銀座線や半蔵門線へ行くまで大変そう^^;。半蔵門はもう渋谷から利用することはないかな。そのうち渋谷駅改札を出て、周辺を探索してみなくては。
東横線と接続するまで4年。それまでは渋谷で確実に座れるのでラクだ。

帰りは渋谷駅から各駅停車。早起きしたり酒も飲んだり疲れも出たりしたため、座った途端グッスリ。最寄り駅の2つ手前でようやく目覚めた。
家に帰ると、グッズの買い込みで息子にブツクサ言われたが、結局プラレールは息子へ、ホチキスとメモリは相方へ。一日乗車券も相方の分も買っといてよかった。


家族で誰よりも早起きした娘だが、昨日までは学校の北海道研修旅行に行ってて夜に帰ってきた。
お土産に、じゃがボックルをと要求。あちこち探したが見つからず、娘はみんなに頼んだとか。その甲斐あって、娘の友達が発見し買ってくれた。一人1ボックスと限定だったそう。その友達が、今日お会いした人で、早速御礼を言った。ありがとうです。
無料券があったので、ついでに森美術館へ。
『英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展』を観てきた。

現代美術界で最も重要な賞の1つである「ターナー賞」。その「ターナー賞」の歴代受賞者すべての作品を一堂に集め、英国現代美術の流れと世界の最先端の息吹きを感じる本展。
絵画、彫刻、写真など既存のメディアに縛られないユニークな作品ばかり。文化や宗教や戦争など社会的側面を持ち合わせた作品も少なくない。アーティストの観念や思考も投影した抽象的で刺激的な作品も多く、”タイトルのある説明書き”を読まないとよく分らないものもある。

印象的だったのを幾つか。
切断されたホルマリン漬けの牛と子牛、殺害された黒人少年の肖像を涙にしたためた女性の絵、ロンドンの若者の苛立ちや苦悩を描いた大きなパネル、逆再生した取っ組み合いの母娘の動画、家の壁パネルが倒れても微動だにしない男の映像、手の平を上にし膝を丸める人の像、ジキルとハイドの二つの映像。

1984年からの23年間のうち、1990年だけ実施されず。
英国人及び英国在住者が選考対象だが(外国人も可)50歳以上は対象外というのが、あまり納得いかず。大器晩成型の人もいるだろうし、どこか閉鎖的で裕福的な気がする賞である。


今春から展望台が解放されたせいなのか、美術館側の対応が前よりも悪くなっていてガッカリ。
エレベーターで52階に着いても、展望台か美術館かの方向表示が全く無い。どちらもエスカレーターだし、前方で誘導されるのは展望台。方向立て札くらい置いたらどうだ!

美術館ギャラリーは広くて綺麗だが、今回は特殊な現代アートのためか、説明書きとアート本体がかなり離れていて困る。壁の説明書きだけが先にポツンとあって、肝心のアートはどこ?と遠方を探す^^;。アートの前に番号札も全く無いので、説明書きの何番のものなのか?と悩む^^;。大小の写真が壁いっぱいに展示されてるが、説明書きは別方向の壁にあったり^^;。
番号に該当する写真が1枚だけ見つからず、もしやこのアートのことではないかと見当をつけ、念のため傍にいた係りの人に、このコトですよねと確認してみたら、向こうから返ってきた言葉は「イヤホンガイドはないのですか?」だとさ(~_~)。こっちは「はい」か「いいえ」の返事を聞きたいのに。誰もがイヤホンガイドを持っていると思い込んでるのか!? 客の簡単な質問にも答えられず、何のためにそこに座ってるんだ?(~o~)役立たず。

いや、係りの人達は、客の監視のためだけにそこにいる。興味深いアートがあったので近寄って見ていたら、即座に係の人がやってきて「近くにいかないでください」とか何とか。おいおい。どこに「近寄るな!」の立て札があるんだよ!?(~o~) こっちはもちろん障ってもいないし、ただ近くに寄って見ただけじゃん。近寄って欲しくないなら、アートの周りを柵で囲むなり防護をしろよ! または、近寄って見るなの立て札を立ててから、そういう注意をしろよ!

アートを綺麗に展示することを優先するあまり、観るほうの人のことを全く考えていない。係りの対応も接客も愛想がなく役に立っていない。今まで色々な美術館に行ったが、ここはサイテー。
もちろん美術館のアンケにも書いといた。当分この美術館には行きたくないが、もしまた行った時には改善されてることを望む。


52階の『透明なスピード;BMW アート・カー展』もチラっと覗いてみた。
真っ暗な広いスペースに、たくさんの透明パイプが飾られ、その合間をぬってアート・カーが展示。ごてごての派手なペイントで、こういうフレームや存在感が好きな人には楽しめそう。

ミュージアムショップは、新人店員は頼りないが、他の店員さんは丁寧な接待で気持ち良かった。
次は、『ガレとジャポニスム』(サントリー美術館)を見てきた。開館一周年記念展。

フランス・アール・ヌーヴォーを代表する芸術家エミール・ガレ。こちらも名前だけで実は大まかにしか知らない。ナンシーで生まれたガレは21歳で芸術家を志す。
本展では、ガレにみられるジャポニスムの変遷を、国内外のガレ作品他、役140件の作品で紹介する。

照明をおとした暗い室内に、ガレが手がけたガラス、陶器、家具などがびっしりと展示。しかし人が多く混雑して、展示をじっくり見るためには長い列に並ぶ必要もあり。時間は取れないので、遠目からパッパッと眺めるだけに留める。

I. 19世紀後半、ヨーロッパに渡った日本の美術品によりジャポニスム・ブームが起こる。葛飾北斎の「北斎漫画」の一部や、歌川広重の絵を展示しながら、ガレがいかに強く影響を受けモチーフとしたかを伝える。
★鉢「蓮に蛙」…いかにも北斎漫画らしいユーモアさ
★花器「夜想曲」…2つの楽器が描かれ情緒的
★花器「雪中松に鷹」…先に描かれた下絵を忠実に表現。白さが眩しい

II. 西洋的表現とも融合され、”触れて愛でる感覚”ということで、碗や杯などが多い。4歳下の高島北海との交流でも影響を受けたようだ。
★脚付杯「虫」…台座の底にシェイクスピアの詩の一節が書かれてある
★栓付瓶「蝙蝠・芥子」…黒茶色に羽を広げた蝙蝠は洋的で不気味
★壺「ペリカンと翼龍」…龍と龍がぶつかる様子は、善と悪との闘いを表現
★花器「翡翠」…”翡翠”とは「かわせみ」のこと

III. 日本の美意識への理解が深まり、自然を尊び、”もののあわれ”という日本のこころにも深く共鳴したようだ。花器を作る前に描いたデッサンも一緒に展示され、いかに忠実に丁寧に作品に表現したのかが分る。
★台付花器「アイリス」…アイリスのつぼみや花びらを表現。アイリスというとシェイクスピアを思い出す。
★花器「菊」…日本の花を題材で美しい
★ランプ「ひとよ茸」…三本の”ひとよ茸”。名の通り、一夜のうちに柄だけ残して閉じる哀れみを表現
★花器「過ぎ去りし苦しみの葉」…枯れ葉落ちる晩秋を表現
★花器「蜉蝣」…幻想的

IV. 日本の国の形が「蜻蛉」に例えられるとか。西洋では不吉なものとして捉えられるが、ガレは蜻蛉の中に、時にしなやかで勇壮で、時にグロテスクな面を見る。お気に入りの「蜻蛉」作品。
★花器「蜻蛉と忘れな草」…ロココ様式とルイ16世様式で
★花器「蜻蛉」…横向きのブルーの蜻蛉と赤い昆虫の取り合わせ
★脚付杯「蜻蛉」…最晩年作品。下を向き羽を広げた蜻蛉。脚にはGalleのGと蜻蛉を象った文字

日本に憧れてたであろうガレは、とうとう来日しなかったようだ。日本人以上に、日本の美の真髄や内面性を深く理解し極めようとした姿が、芸術品からも味わえた。
国内外の美術館や個人蔵がメインだが、サントリー美術館でもガレの作品を数多く所蔵。確かに、一周年記念に相応しい展覧会であろう。
グッズは高くて、意外と品数が少ない。ミニファイルのみ買う。

六本木アート・トライアングルの2つは足を運んだし、もう一つの森美術館はだいぶ前に行ったから、これで一応新拠点制覇!? でも私的には上野のほうが気楽で安くて行き易い。
美術館へ行く際の必需品は、シャーペンではなく鉛筆だと心しよう。
無料券があったので、六本木の美術館2つをハシゴ。

『モディリアーニ展』(国立新美術館)を見てきた。
20世紀初頭、パリで活躍したアメデオ・モディリアーニのことは名前だけで、実はよく知らない。私のような者にも、分り易く見易く、初期の作品から独自の様式の肖像画まで幅広い作品を約150点紹介し、モディリアーニの芸術の変遷と彼の生涯を紹介する。

I章:15歳で単身パリに出て芸術学校へ。素朴で自由な感覚のオセアニアやアフリカの芸術に関心を示す。プリミティヴィスム(原始美術)の発見。医師ポール・アレクサンドルと出会う。
アレクサンドルが保存していたスケブの素描を公開。青色や緑色を好む。当時から、裸婦を描くのも好む。

II章:彫刻家ブランクーシに影響を受ける。カリアティッド(女性像)を多く描く。素描や彫刻もあり。この頃のモデルは不特定の人物が多い。

III章:身体を壊したり、画商ギョームの助言もあり絵画に専念。ベアトリス・ヘイスティングスと同棲。実際の人物の肖像画が多い。
★ライモンド…レイモン・ラディゲがモデル?12歳頃か。東京会場のみ出品

IV章:プリミティヴ人物像+古典的肖像画となる。トーテム風の肖像画の確立(細長く引き伸ばした首や身体、なで肩、アーモンド型の目、無表情な顔)。その中に個性や表情を表現する。ジャンヌ・エピュテルヌと結婚、娘をもうける。
★長椅子に横たわる裸婦…ボリューム感ある裸婦。昔は”陰毛”騒ぎもあったとか。
★婦人像 C.D.夫人…C.D.とは誰?赤い服で艶かしい。
★トック帽をかぶったX婦人…Xとは誰?気風が良い女将さん風。
★女の肖像(マリー・ローランサン)…鋭く毅然とした眼差しでいかにも職業婦人。
★マニュエル・ウンベールの肖像…イベリア人画家(男)。厳格で神経質そう。
★シャイム・スーティン…若き無名画家(男)。鬱々としてるがどこか挑戦的眼差し。
★ピエール=エドゥアール・パラノフスキ…ポーランド人画家(男)。おかっぱでどこか中性的(両性具有)。
★黒いドレスの女…流行先取りしたおかっぱ髪型。細い眉。
★少女の肖像(ユゲット)…有名作品。前髪が何本か出て手を組み、純真そうで可愛い。
★赤毛の若い娘(ジャンヌ・エピュテルヌ)…目元すっきり理知的。
★ジャンヌ・エピュテルヌ…とんがり帽子のように髪をアップした横顔。
★大きな帽子をかぶったジャンヌ…有名作品。大人っぽいが実は20歳ぐらい?
☆風景…珍しい。手前にいるのは帽子をかぶったジャンヌか
☆自画像…珍しい。MODiGLiANiのサイン。

モディリアーニの写真も数点展示。20代はエレガントな美男子で、今でいう”イケメン”。礼儀正しく陽気でインテリジェンスな彼には、いつも人が集まり仲間や協力者やパトロンも出た。当然、女性たちにもモテモテ、恋人や奥さんなど数々の女性と出会い、刺激を受けてたくさんの肖像画を残す。30代の彼は、映画スターのようにセクシーで渋みもあり男前だ。だが美人薄命、病気療養で暖かいニースに引越し娘をもうけるも、36歳で亡くなった。
彼の絵の描き方は早くて直しもないので、残した肖像画も多い。彼はたくさんの人を愛し、たくさんの人に愛されたこそ、素朴で自然な絵の中に、モデルの内面性や自らの想いをたくさん込めたのだと思う。

図録ではなく、子ども手帳を買う。夫婦で裏表のクリアファイルも記念に。

次のサントリー美術館まで歩いて5分で、思ったより近い。天気も良く、花壇や道路沿いのいっぱいの花が綺麗で満たされる。
最終日。6時起床。またビュッフェスタイルの朝食へ。
前日荷作りを済ませたが、ここで迷ったのが”赤木屋”w。土産をなるべく買わず、キャリーケースと手荷物だけで収めようと思ってたが、ティッシュ箱は入らず潰れてしまいそう^^;。こうなればと、ホテルの売店で大きな土産袋を買い、土産品も買うことに決める。

2号車のバスへ。DCメンバーは交替制で、昨日までの1号車メンバーが2号車へ。中尾隆聖さんと関俊彦さんだけは昨夜のイベントでジャンケンでどちらかを決める。当初は「負けたほうが1号車」だったが「勝ったほうが1号車」に変更。実はこの条件は曰く付きだったようで^^;。結局勝った関さんが1号車へ。関さんが犠牲者?w

車窓から札幌市内観光。北海道庁旧本庁舎、意外と小さい時計台、大通り公園など。2号車のバスガイドさんは北海道出身のバリバリで、分り易い説明とユーモラスな会話でホントに楽しいひと時を下さる。
バスは手稲を越えて(義母が入院しているところ^^;)小樽へ。

小樽では自由散策&自由昼食。地図が配られ、予め目印などをバスガイドさんが教えてくれて助かる。
Mさんと、Pさん&Hさん&Kさんが加わり5人で行動。2年前に小樽へ行ったとはいえ、何故か私が引率?^^; 北一硝子、ルタオルショコラでチョコ試食、六花亭でイチゴシュー&コーヒー、オルゴール堂や土産物屋にも入る。Mさんは限定の”じゃがぼっくる”求めて探すが、抱き合わせセットでしか販売しておらず購入。
11時頃にすし屋横丁へ入り2階へ。1階で関さんたちがお茶をしていたようで丁度店を出るところ。2階の窓から眺めると、堀本さんや波岡さんや小田木さんら5〜6人を関さんが引率しているよう。にぎりの”まんぷくセット”はお腹に丁度よく美味しかった。
集合場所まで歩き、途中でお初のラベンダーアイスを買う。千歳にはないので貴重。
集合場所では、また関さんの撮影会。黒のふわふわフードのブルゾンコートと白い肩掛けショルダーで、白い恋人の袋を持つ関さん。お疲れとは知りつつ写真をお願いする。すみません。1号車に乗られたら、もうお会いできない気がして。

バスは次の目的地へ。その間、用紙が返却され、DCカルトQ!の答え合わせ。進行は久保田さん、フォローは波岡さん、説明役は中尾さんw。1号車ではヒントがいっぱい出たようだが、2号車のほうが得点高く、ステージに立った5人も全員2号車だもんねw。

正解を発表しながら、中尾さんやメンバーの方が色々な裏話を披露してくれる。特に中尾さんが楽しそうに饒舌。
月曜朝のアンパンマンの収録での戸田恵子さんの話には大笑い。ちなみにサザエさんは40年、ドラえもんは30年。『ルーマーズ』のドンドンの音は河野さん。『ねずみ小僧』の音楽はジブシーキング(by中尾さん)。『陽だまりの樹』での平田さんのハプニングに、「死ぬなぁ!」とマジ切れした関さん!? 『仇討』で「ごめん」のつもりで蚊の声で「ん〜」と鳴いた中尾さん。中尾さんが唯一楽しむのは「関を笑かすこと」(笑)。「マジメにやって下さい!」と本気で言う関さん^^;。『陽だまりの樹』で死んだ後に鬘が取れた江口さんから小さな声で「かつら〜」と言われ「何だとっ!」と中尾さんw。『ラブラブ…』の時のハプニングに、ビックリした関さんが「え!?…ええっ!?」中尾さんは平然と言う「マスターだよ」。「関は正直だから」とズバリフォローの中尾さん(^^)。『ハッピーライド’06』で忘れた河野さんに、関さんは「河野、ヒゲがな〜いw」。
そして『佐平次』の遊郭の名前、実は私はすっかり忘れちゃってて^^;、隣のMさんの答えを見て書いたら見事に×。くっそ〜これさえ回答できてればw。ちなみに頂いた”赤木屋”ティッシュは酒哲さんがプリントアウト、関根さんが張ったそう。

締切りに間に合わなかった関さんのクイズ3問も答えと共に発表。
関さんが初めて喋った台詞は『天才バカボン』の「これでいいのだ」だったかw。1994年に中尾さんと名古屋に行った理由はゼロ戦が見たくて。『ウイング・オブ・ゴッド』にはゼロ戦操縦のマイムもあったっけ。てか、三菱重工に行きたくなっちゃったw。
川島得愛さんからのクイズも3問発表。川島さんが不参加で残念。『VSOP』で小杉十郎太さんが忘れたことや、『ハッピーライド’96』で中尾さんを飛ばしたことを暴露w

千歳道産市場で30分間買い物。相方に乾燥ホタテとイクラの土産。床にアンパンキャラが描いてあり、バイキンマンを踏まないように〜とメンバーを牽制したら、あえて踏みつけた江口さんは肝っ玉w。
中尾さんも関さんもバスから降りず。1号車を見ると、頼まれた色紙にサインしてる関さんの姿。お疲れなのに〜。

新千歳空港に到着。バスガイドさんに御礼、手を振ってお別れ。
2階から1階へ荷物を移動。団体客集合場所は1階にあるのね!(今まで知らんかった)そこでとりあえず解散。中尾さんが「すぐ会うかもしれませんけど」と挨拶し、関さんが目を丸くさせて「家に帰るまでが遠足ですから」w。みんなで御礼の拍手〜。関西組は一足早く機上へ。
キャリーバッグを預け、また2階に行き土産店へ。子供達にお守り風土産。若手メンバーとはあちこちで遭遇。

JAL便はまた後方。私と同列の6〜7席先に関さんが座っている。離陸すると眠くなりウトウト。ふっと気づき起きるが、隣のMさんも周りもグッスリ。コーヒーが頂き残りのポテチと飲食したり、新聞読んだり。あっという間に羽田に無事到着。機内で波岡さんや小田木さんらメンバーとお別れのご挨拶。

到着口まで空港ロードを歩く。前を歩く関さんはキャリーを預けず引いていて、そのまま出口まで行く模様。確かにお疲れで一刻も早く帰りたいのかなと思う。関さんを抜かそうとした瞬間、「じゃ俺らはアレだからここで」と言う中尾さんと「あ、はい」と返す関さんの声が、私の頭上を飛び交う。お別れの言葉にしてはやけにアッサリ? 関さんは出口直行で帰られた模様。
ターンテーブルから荷物を引き取り出口へ。酒哲さんもいて挨拶。最後まで中尾さんと顔を合わせ、お互いににっこりと御礼の挨拶。ありがとうございました。
中尾さんは笑みをずっと絶やさず、ホントに心温まる優しい方。関さんはファンも多くとりわけお疲れだったと思うけど、正直に顔に出ちゃうところは、ウチの相方にソックリw。

Mさんと旅のあれこれを振り返りながら、モノレールとJRを共にして別れた。
地下鉄改札に行ってガーン(~o~)。行きは使えてたのに、いつの間にかパスネットが使えなくなってる! 3月末までだと思い込んでいたが、14日までだったとか。たった3日東京にいなかっただけなのに、その間こんなにも世の中様変わりしてしまうのか!?
ラッシュに合わなくて良かった。家に無事帰着。やれやれ〜。
「いなかった間に、家の中も色々変わったんだよ」と息子。のれんが増えて、プチ納戸が整理されてるっ。「いない間、寂しかった」と娘。でも早速チケットを取らされる。
空っぽにしといたゴミ袋がパンパン。洗い物もさせられる。夢のような北海道旅行だった。

DCメンバーの皆さま、旅行会社の皆さま、バス運転手&ガイドの皆さま、色々とありがとうございました。夢のような3日間で、とても実り多く楽しかったです。皆さまのご親切やお気遣いや思いやりに、心から感謝をしています。
ツアーでご一緒してくれた皆さん、お声をかけて下さった皆さん、おかげさまで楽しかったです。ありがとうございました。
とっても素晴らしい旅だったけど、中尾さんや関さんやメンバーの皆さんがもう面倒になって、こういう企画がこれで終っちゃったら寂しいな^^;。
『ドラマティックカンパニーと行く札幌3日間』へ参加してきた。
中尾隆聖さんや関俊彦さんらが所属するドラマティックカンパニー(DC)メンバーとご一緒の2泊3日の旅。2年前に開催された沖縄旅行は不参加だったので、お話を伺いながら楽しみにしていた。
実はこの旅行のことを知ったのが、去年の夏、丁度札幌に向かう北斗星の中。慌てて列車の中から旅行会社へ参加申し込み。これからその札幌に行くのに〜と思いながらw。


平日朝のラッシュを避けて早めに家を出たので、集合の1時間も早くに着いちゃった。DCメンバーも早くから集合場所に揃い、看板を持って皆の到着を待つ。波岡晶子さんや小田木美恵さんらお馴染みの顔を拝みホッとする。そのうち友人知人らも到着。
中尾さんと関さんは夕方の便利用らしく、堀本等さんが笑顔でボケって下さるw。キャリーバッグを預けて搭乗口へ。

久しぶりのJAL。座席は後方でMさんと一緒。後ろにはDCの若手男性二人。その中の1人が飛行機お初らしく、「飛んだぁ」とか初々しいリアクションをされてるのが聞こえてきて愉快w。真下にディズニーランドも拝んだり、昼食も取ったりと、あっという間に千歳空港へ到着。
空港ロビーで関便からの参加者の到着を待ってから、1号車と2号車のバスに分かれて、札幌のホテルへと出発。添乗員さんも其々に同行し、DCメンバーも2手に分れて同乗。

2号車は、1号車に比べ座席も空き空きでゆったり。
車中のDC司会は酒井哲也さんで、男前ボイスと見事な話っぷり。メンバー紹介と日程の案内などあり。
徐に参加者に用紙が配られ、唐突に”DCカルトQ!”。DCの公演やメンバーに関する質問の答えを三択から選ぶが、本人やその公演しか知らないことが多く難問珍問だらけ^^;。たまにヒントをくれるが、それもよく分らん。答えで確信が持てたのは、関さんの好きな武将と佐平次のカツラとVSOPだけさw。Mさんと一緒に半ばヤケくそ気味で丸つけ。名前もハンドルネームを書いたり^^;。まさかこの後で、思いもしないハプニングが待っているとも予想せずに(苦笑)。
用紙が回収され、答え合わせはいつなんだろう?と思いつつ、やがてホテルに到着。

部屋は16Fで、希望通りMさんと同室。もう一人同室のTさんとはよく顔を合わせていたが、お名前がやっと分る。3人とも子持ち。
部屋到着後は自由行動。お天気はあいにくの小雨で折り畳み傘必要。Mさんがラーメンが食べたいと言うので、二人でホテルから歩いて”ラーメン横丁”へ。思ったよりも遠くない。時間も早くどこも空いててお店は選び放題。味噌ラーメンは美味しかったが、ヘンな人が来店したりで、早々に退散。
大通り公園まで歩き、雪祭り後に集められ盛られた泥交じりの雪山をあちこちに眺める。たっぷりの雪が珍しいMさんはそれだけで大はしゃぎw。
札幌TV塔の売店に行くと、品切れだという噂の”白い恋人”を発見。そこでたんまり土産を買ったMさん。
近くのアニメイトに連れて行くと、そこでコミックをたんまり買うMさん。イマジンカルタまで買うが、これが翌日夜に活用できたので買って正解か。

帰りはホテルまでたっぷり歩いて腹ごしらえ。裏のコンビニで夜食用にイクラ鮭弁当を購入。一日4食かい(^^ゞ。
部屋で食べてから、温泉へ。札幌市内のホテルで温泉があるのは珍しく、たっぷり湯に浸かりながら、人がいないのをいいことに電王主題歌まで口ずさむw。
部屋に戻って、チュー缶で気分酔い。早々と寝てしまった。明朝は早いぞ。
朝一番に飛び込んできたニュース。

≪海自イージス艦、漁船と衝突!≫
イージス護衛艦は最新鋭の「あたご」。6月に横須賀で見た、アノ「あたご」かっ!?(~_~;) なんてこった。
イージス艦と漁船の衝突なんて、まるでダンプカーが三輪車に突っ込んだようなモノ。
漁船の乗員父子はいまだ行方不明で、一刻も早い無事な救出が望まれる。

原因究明も急がれる。
明らかにこれはヒューマン・エラー。20年前の潜水艦と釣り船の衝突事故が思い出されるが、事態は更に深刻かもしれない。
レーダーに頼りきって、洋上監視に怠りはなかったか。最後はやっぱり人の”目視”が重要なのだとつくづく思う。
同時に、今後の防衛システムにも疑問。
仮に漁船が爆弾を積みんだテロ艦だったら、いったいどうなっていたんだろう? ”イージス”とは名ばかり、防御には弱いイージス艦と海上自衛隊を露呈したってことか。
事故発生から、防衛相や首相まで報告が伝わるのに時間がかかったことも気になる。海保の救助システムも更なる迅速性が要求されよう。

それにしても、海は”魔物”。特に日の出前の数時間は”魔”が多し。
続いて、都美術館へ。

★『ルーヴル美術館展〜フランス宮廷の美』
年末に特別鑑賞券「ベルばら」チケット引換券を購入してたので、会場入口で観覧券と引き換え。池田理代子氏の絵は嬉しいが、ピンクの前売り券のほうが目立っていいかも。

18世紀フランス宮廷で花開いた、ロココや新古典主義などの芸術様式を背景に、宮廷人の装身具や調度品などのフランスの美術工芸品など、ルーヴル美術館から選りすぐった名品約140点を展示。
ポンパドゥール夫人、マリー・アントワネットなど歴史上の人物にも焦点をあて、革命前のフランス王室の贅沢ぶりを、日本初公開品と共に見せる。以下、見どころなど。

≪第I部 ルイ15世の時代≫(1715〜1774治世)
装飾への情熱をもったロカイユ様式(アラベスク文様に由来)全盛。だが1740年頃からロカイユを拒む動きが出て、ロカイユと古典の折衷をとりながら、古典主義へと進んでいく。

18. 「枝付き燭台の蝋受けのあるポプリ入れ 一対」燭代などの品には”一対”ものが多い。これはポンパドゥール夫人が購入。有名な薄緑地のセーヴル焼きで、片面に中国情景、片面に東洋花束。
21. 「塩入れ」オルレアン家相続。左右の蓋が開いてない状態で展示され、中の金が見えない。
32. 「ダイヤモンドを象嵌した飾り武器模様の嗅ぎ煙草入れ」とにかく”嗅ぎ煙草入れ”が多い。その中で、ダイヤ付くしも凄いが、軍事に関わる装飾というのが意味深。
45. 「宮殿を表した嗅ぎ煙草いれ」ヴェルサイユ宮殿(底面)など6つの宮殿が左右上下に描かれて写真風。
44. 「ポンパドゥール公爵夫人の肖像」左手をクラヴサン(チェンバロ)の上に置いて芸術家風。美しいというより知的で可愛い顔立ち。
50. 「デュ・バリー夫人のミニアチュール肖像画入りペンダント」バルばらでお馴染みデュ・バリー。当時45歳だが若々しく描かれてる。色気のある顔だが品が足りなさそうw。
72. 「アモールと鶏と回転式文字盤のある置時計」とにかく”置時計”など時計が多い。その中で、アモールが左人差し指で回転式文字盤の時刻を示すのがユニーク。

≪第II部 ルイ16世の時代≫(1774〜1789治世)
1770年代半ばは新古典主義もゆるやかに展開。社会情勢の不穏と共に、1780年代後半から厳格する方向で簡潔さが追求される。

97. 「狩猟服を着た王妃マリー・アントワネット」このアントワネットの絵は初めて見た。鼻が大きく額も広く、33歳にしてはぷっくら小太り風で、モデルに忠実に描いたらしく不評だったw。
111. 「チュイルリー宮の王妃の間のシリンダー・デスク(巻き込み式蓋付き書き物机)」度々パリに遊びに出かける王妃のパリでの滞在先が”チュイルリー宮”で、そこでの品が多いこと。しっかりした作りの机だが、装飾は繊細で乙女ちっく。
112.113. 「サン=クルー宮の王妃の間の肘掛け椅子」と「椅子」布張りは現代だが、ブルーが綺麗。
119. 「香水の泉」ヴェルサイユ宮殿の王妃の小アパルトマンの大私室に陳列。清王朝時代の空色の磁器にブロンズ装飾。王妃と漆器との出会いは、母マリア・テレジアの遺産50点ほどを相続したことがきっかけ。
127. 「ルイ16世と王妃の肖像入り嗅ぎ煙草入れ」家族が描かれていて貴重。蓋には16世&王妃、底面には2人の子どもたち(マリー・テレーズ&ルイ・ジョゼフ)小さな側面には16世の弟たち(プロヴァンス伯爵&アルトワ伯爵)大きな側面には16世の妹たち。
137. 「マリー=アントワネットの旅行用携行品入れ」今展の目玉のひとつ。マホガニー製の鞄で、木材の内箱や蓋内側に指物加工。内容物全ての定位置が決まり、約90点が納まり、内側にも引き出しがいっぱい(鍵付きもあり)。チュイルリー宮で所有し、彼女はお気に入りのこの品入れを国外逃亡後も使い続けようと手配してたが、自分がヴァレンヌで捕まってしまった。この品は無事に国境を越えた模様。
「MとAのモノグラム」マリー=アントワネットのイニシャルを配した品々を展示。ティーカップ、ガラス、スプーンフォーク、銀製コップ、ポット、ショコラポットと泡立て器などたくさん。長い柄のついた”温め器”は寝床を暖める為に用いたそうで、今で言うなら”湯たんぽ”?
138. 「ヴェスヴィオ山の噴火」79年にポンペイなどの町を壊滅させた山の遺跡が18世紀半ばに発掘。これが新古典主義を誘因し、自然脅威や崇高美の流れになる。ルソーの”自然に帰れ”もここからか?

ショップグッズ販売が盛りだくさん。分厚いカタログはやめて、ミニカタログ「ベルばらKidsが案内するフランス宮廷の”美”」とベルばらオリジナルポスカ、ミニクリアファイルやレターメモを買う。ベルサイユのばらグッズも多彩だが高くてやめる。


同じ美術館内で、開催中の『学校美術展覧会』へ。
去年に続き、息子の作品が展示されてるので観た。去年は≪技術・家庭≫だったが、今年は≪美術≫作品。息子の画を観るのは、どんな画を見るのよりも嬉しい。

『ナスカ展』と『ルーヴル美術展』のハシゴはやっぱり疲れたが、内容も興味深くて実りも多かった。
上野で開催中の『ナスカ展』と『ルーヴル美術館展』へ行ってきた。

★アンコール!特別展『世界遺産ナスカ展〜地上絵ふたたび』
2006年3月から開催されたナスカ展が、ついにクライマックス。ご要望にこたえて19日間限定の、特別バージョンアップ版を開催。24日まで。
前回展を私は観てないので、今回はグッドチャンス。去年観た『インカ・マヤ・アステカ展』を思い浮かべながら鑑賞。

現在のペルー南海岸地帯で紀元前100年頃から紀元700年頃にかけて栄えた「ナスカ文化」。ナスカ文化を担った人々によってつくられた「ナスカの地上絵」に焦点をあてる。

第1会場では、アンデス地域やアンデス文化、プロローグから始まり、9つのテーマに沿って、ナスカ人の生活風景や自然を、展示や上映や解説で伝える。前回展各会場で出された疑問にも答えるコーナーあり。
「地上絵の謎」上映3分。宇宙人か?天文学か?儀式か?で諸説あり。地下水など水のコントロールに関わる宗教と関係があり、祈りの結晶だというのが定説。地上絵は、ロープと杭と算数でつくられたとか。以下、印象的なものなど。

4. ものづくりの文化と技術
土器だけでなく、工芸、織物、金細工に従事してた様子が伺える。土器の顔料は鉱物から作られたが、青色ができる珍しい鉱物もあり。
5. ナスカ人の姿〜人類学者の挑戦
目玉のひとつ、「ナスカ後期のこどものミイラと副葬品」を展示。ミイラは6歳の男の子で、黒目が識別できる。これほど明確なのも乾燥した土地に埋葬された為。ミイラ包み(ファルド)開梱の上映3分。DNAなどで、日本の縄文人と近い特徴があるという。なお、作品保護のため、前回の「パラカス時代のものとされたミイラ」は展示されておらず。
パラカス〜ナスカ文化では、頭蓋骨の人工良形もあり。パラカス文化では、頭蓋骨外科手術まで行われており、手術で生き延びた跡まで判明。
7. 神々の世界
魔術やシャーマニズムを中心とした自然崇拝。天空ではコンドルや鷹、水中ではシャチ、地上ではネコ科のピューマなどを崇拝。
「パラカスの墓地から出土した大型マント」が3枚展示。死者の変身と死後の世界を表しているという。
パラカスのマント、ナスカのこどもミイラも、フリオ・テーヨが発掘発見した。
8. 戦争と首級(トロフィー)
ナスカの人は戦好き。武器では弓矢は存在しなかった。敵の首をはねるとこは日本の戦国時代とも似てるが、その首をミイラ化していた。エジプトのミイラと違うところは、ミイラを再生と復活の象徴として祈願すること。

最大の目玉は、「バーチャルで飛ぶ!ナスカの地上絵」バージョンアップ。
最先端デジタル技術により、新しい飛行ルートで、セスナ機に乗った気分で、現地での体験そのままに再現したナスカ遊覧飛行。約10分。
先ず、見晴台(高さ13M)に登って見下ろした地上絵は「木」そして「手」。高度200メートルで飛び、地上絵で人気の高い「サル」と「キツネ」そして全長135Mもある「コンドル」。「クモ」の長い1本の足は生殖器。62ヶ所もあるうちの一つ「ラインセンター」を真っ直ぐ行くと、全長90Mの「ハチドリ」。そこで着地し描かれた線をよく見ると、黒っぽい石を取り除き明るい面を露出させたものだと分る。再び離陸、パンパを横切り真っ直ぐ伸びるハイウェイ上空を飛ぶ。目の前の青い空を眺めると背筋まで伸びてくる。僅かに飛行機酔いを感じる。やがてセスナは右折し、宇宙人のような「フクロウ男」が目に入る。
”ナスカの本当の姿が見えたとき、(地上絵の)永遠のメッセージを読み取ることが出来るかもしれません”の言葉で締める。ナレーションは谷口節。

エピローグでは、車の轍などで破壊されつつある地上絵の現状を警告。

第2会場では、ナスカの近くのパルパで発掘された埋葬品を展示。パルパにも地上絵があった。
アンデスプロジェクトの研究結果の一部紹介。インカ帝国の500年前に黄金国家の都があったという、島田泉教授による「黄金の都シカン」の上映6分。ロロ神殿の東の墓、西の墓、スロープ脇の墓を発掘した結果、驚愕の発見がっ。この続きは、2009年夏「黄金の都 シカン発掘展II」開催でw(予告)。

ナスカセレクトショップでは、限定商品、エコバッグ付きカタログなど色種類も豊富。カタログは文字も多く重いので、ナスカ地上絵マップを買う。クリアファイル、一筆箋、バンダナ、それに息子用にナスカ直送の絵文字”石”。
国立科学博物館のラウンジで昼食。ゆったりして無料でお気に入り。その後、都美術館へ移動。
招待状が手に入ったので、『大ロボット博〜からくりからアニメ、最新ロボットまで〜』へ行ってきた。
息子と相方も一緒だが、相方はさっさと観てから仕事へ。子連れファミリーが多いが、それ程の混雑でもない。

今や「ロボット大国」日本の、伝統的ロボットから二足歩行や産業用ロボット、漫画やアニメの未来のロボットまでを幅広く展示、ロボット技術を科学史的視点から展観する。
第1会場と第2会場にわかれ、第1にしか物販はないが、第2から第1へは戻れない。フラッシュ無しの撮影は可。

第1会場スタートからいきなりアニメのおもちゃが勢揃い。「鉄人28号」「鉄腕アトム」から「マジンガーZ」「ゲッターロボ」など懐かしのロボットばかり。「ガンダム」はサンシャインで開催された『ガンダム展』のガンプラ展示と同じだが、ΖからすぐSEEDとなり間を省いてる^^;。リアルロボットの「ボトムズ」のATは影も形も無い^^;。
ロボットスタジウムには、観たことのあるロボットや珍しいロボットが色々と展示。ちょい大きな「ガンダム」「マジンンガーZ」と一緒に「ドラえもん」なども。
でも、これらがロボットと言われてもどうも納得いかない。スペースをとって展示されてるだけで、全く動かないから。動かないロボットは、ただの置き物なだけ(^_^;)。

実際に体感できる展示では、ピアノ演奏ロボットが時間ごとにクラシックを奏でるが、これもピアノと同じスペースで置かれ、本物のピアノと大差ない。
マイクロロボット・ステージショーを時間ごとに開催。20分以上前からステージの周りにみんなが集まり、期待いっぱいで立って待つ。ところが小さなロボットのショーなのに、実施スペースが目線よりうんと低いテーブルの上。これではとても観えやしない。両サイドにスクリーンはあるが、やはりナマで観たいもの。マイクロロボット相撲はあっという間に決着がつきアングリ^^;。障害物走破も途中でリタイヤ^^;。サイコロ転がしも手間がかかる。大したショーでもないものがたったの15分で終了して拍子抜け(-_-;)。せめて観客も実際に見えるように、高い場所でステージを組むなり工夫が欲しかった。
音に反応するロボット展示もあったが、どういう実用性があるのかと尋ねたら、今は何も無いというお答え。先ほどのマイクロロボットにしても、実際の活用についてはまだまだ疑問のようだ。
一際大きく見上げる”からくり”車山「浦島」も、動かなければただのデカイ荷車。「茶運人形」「団扇あおぎ人形」も展示されてたが、動かなければただの人形w。
どれもこれも、見せるロボットなのは分るが、観る人間には優しくない空間のようだ(-_-;)。

唯一、癒し系ロボットの「パロ」が、なでたり声をかけたりすると、体を動かし瞼を閉じたり鳴き声をあげたりして可愛かった。
産業用ロボット4台があり、機械的とはいえどちゃんと動いていて、役に立っているのが分る。

物販では、一般流通グッズからオリジナルまで。おもちゃ系ロボットも販売されているが、ン百万から千円台までと様々。どれもボタン電池やモーターが必要で、取替えがきかないものもある。私はオリジナルのクルクル棒、息子は小遣いでHEX BUGを買う。

第2会場は、Hondaの2足歩行ロボット「ASIMO」(アシモ)のステージ・ショーを中心としたコーナー。ここはちゃんと段差がある舞台で、一応座れてじっくり楽しめる。
我が家にロボットがいたらという未来生活をシミュレートした話を、スクリーンと並行して実際にASIMOが再現。キュートな声で喋り、素直に人の話を聞く。サッカーの練習でボールを蹴ったり、真似してダンスをしたり、家のお手伝いでお茶を運んだりしてしっかりお役立ち。ダッシュの駆け足もめちゃ速くてビックリ。家族と一緒に記念撮影するASIMOくんは立派な家族の一員だと認識。ほのぼのとさせる面白いステージだった。

その陰で、技術や研究開発者の努力や苦労も感じ取れる。ASIMO誕生以前に開発された「P2」(182cm 210kg)「P3」(160cm 130kg)も展示。徐々に軽量小型化されて「ASIMO」は130cm 54kg。英語も喋れる優れもの。
我々を夢中にさせたASIMOのグッズもちょっと欲しかったが、やはり本物のロボットが欲しいw。
招待状が手に入ったので、三越のギャラリーで開催中の『懐かしの昭和30年代 ALWAYS 続・三丁目の夕日展』へ行ってきた。会場内は撮影禁止。25日まで。

映画公開記念として、実際に撮影で使用されたものや、本イベント用ジオラマなどを展示、VFX映像技術やセットの作り方も見せて、三丁目の世界にどっぷりと浸れる。同時に、当時の世相を現すものを展示し、昭和の街並みにタイムスリップさせる。西岸良平先生原作のコーナーもあり。
映画の音楽も会場に流れ、思ってた以上の規模の展示品をじっくりと眺めながら、映画のシーンを思い出したり、昭和の年代を振り返ったりと、密に濃い時間を体験した。

先ずは、”3種の神器”に”3C”。撮影で使用された、ミゼット(そ1829)、ラビットジュニア、アイス売り自転車など小道具が展示。俳優が着た衣装はわざと汚れを出したり縮ませたり。テツには、特急こだま号とC62(六ちゃんが乗ってきた列車)のミニチュア模型が必見。当時の復刻版時刻表も展示。鈴木オート居間完全再現は面白い。上野駅ミニチュアはCG合成も見せて、アニメ的にも興味深い。撮影セットの建設と解体作業のビデオが流れ、多くの人の汗の結晶をあらためて感じ入る。オリジナルで制作された夕日町三丁目の1/43スケールのジオラマは圧巻。
昭和34年10大トピックを新聞とニュース映像で流し、平和な時代だったなぁとしみじみ。今なら、とても10に納まらんほど沢山あり過ぎる^^;。「少年サンデー」創刊の年でもあり、創刊号の表紙や他雑誌も紹介。
年配の方々は口々に懐かしそうな言葉をもらす。親と一緒の子供たちも何やら興味ぶかげ。

VFX映像技術の会場体験は、自分も一緒に写るシステムで大したことない。三丁目の夕日ストラップのガシャポンが人気。都電6000形が出たが、東京タワーも欲しいな。
物販では、劇場で販売されてたグッズや本がいっぱい。昭和の懐かしいブリキのおもちゃや駄菓子グッズもあり。特急こだまの模型は予約制で何と百万単位^^;。
手頃な”想い出の特急列車”を買う。「月光」は平田広明が、「白鳥」は井上和彦がつい浮かんでしまふw。

その後、娘と待ち合わせ、学校のコートを買いに池袋の三越へ。どちらの三越も駅地下と直結してるからイイ。
無料券があったので、特別展『文豪・夏目漱石〜そのこころとまなざし〜』へ娘と一緒に行ってきた。
東北大学創立100周年記念・朝日新聞入社100年・江戸東京博物館開館15周年記念と、様々な意味の展示である。

作家・夏目漱石の生い立ちから文学者としての歩みを、漱石の旧蔵品をはじめ、自筆の書や絵画、初版本のデザイン稿や、当時の東京の様子を伝える地図、版画、写真などの関連資料も併せた、計800点あまりの膨大な規模の展覧会。
東京空襲の危険から逃れる為、東北大学「漱石文庫」に疎開していたその品々が、この度はじめて東京に里帰り。ロンドン留学時代の品も多数あり、明治という時代とともにあった漱石の49年の生涯を振り返り、漱石の魅力と文学作品を紹介する。

会場入口には、精巧に作られた漱石の等身大マネキン。骨格などをもとに再現された漱石の声も聞けるが、声からは真面目で几帳面そうな性質が伺われる。でもとびきり良い声というものでもなく、これは後に詩吟を諦めたというエピソードでも納得できる。

学生時代の数学の答案も展示され、周りからは理数系に進学すると思われてたらしい。建築家志望だったのが、英文学の道を歩み、英語などの語学に卓越していたのが分る。ノートやレポートや辞書や原書のあちこちに細かい書き込みがたくさん見られ、相当なメモ魔であり、努力家だったことも伺える。漱石は20代前半は159cmで53kgと当時でも小柄な男だったようで、繊細な手や指を持ち、字も女性のように細やかだ。

漱石は落語がとても好きで、お気に入りの落語家もおり、その笑いとエッセンスは自分の作風にも反映されている。
筆マメでメモ魔で日記もつけるが、記す手帳やノートが小さく字も細かい。友人との貸し借りも頻繁で、小さなノートに名前や金額を細かにメモっていて、返済分を棒線で消してあるのが可笑しい(まるでママそっくりだと言う娘^^;)。

美術への造詣も深く、学生時代は漫画のような落書きをノートに綴っていて笑える。「我輩ハ猫デアル」宣伝で”ネコ漱石”の画も描く。イギリス地図、水彩画で描いた絵手紙、絵画や山水画なども展示され、絵の才能はともかく、描くことが好きな熱意が感じられる。
その興味は、自著の装幀のこだわりにも見られ、才能ある人たちにデッサン稿や原画の場も与える。
晩年は作った漢詩に自ら絵を描くことにも情熱を傾ける。

イギリス留学時代の蔵書ももの凄い数だ。英文学書や哲学、歴史の他、イプゼンの「人形の家」などの英訳本もある。展覧会や舞台へも頻繁に足を運んだようでパンフもたくさん。お気に入りは女性や子ども絡みの作品なのか。「ハムレット」もお気に入りらしく、「シェイクスピアの生涯」という本も蔵書の一部。漱石にもっと時間が与えられ、今の時代に近い人だったら、脚本を書き演出もされ自らも舞台に立っているかもしれない。

妻の鏡子は、漱石とは違って大らかな人だったが、多忙で手紙を書くのが苦手だったらしく、漱石のロンドンからの手紙にも殆ど返事を書かなかったそうだ。
それでも夫婦円満、四女二男を得て、賑やかだが生活は大変だっただろう。教師の職をやめたくても辞められない。その頃の「我輩ハ猫デアル」の原稿は、何かに急き立てられているような神経質そうな字で埋め尽くされている。
ようやく朝日新聞社に入社が決まり、教師職をやめることができた漱石はさぞ嬉しかったのだろう。新聞紙上に初めて載った小説「虞美人草」の原稿には、晴れ晴れとした快活な字が踊り、漱石の心中が現れているようだw。
忙しくても子煩悩だった漱石は、末子を亡くした時は嘆き哀しみ、離れている時は一人一人に絵葉書を送る。家族や子どもたちの写真も多く残され、漱石の父親としての深い愛情を感じる。

漱石の肖像で有名な写真は、明治天皇の大葬の礼の時に撮影されたもので、腕に喪章をつけている。
その4年後、漱石は死去した。その死顔にただちにデスマスクがとられたというのにはちょっと驚く。その石膏をもとに作られた型も展示されているが、今にも死者が蘇りそうな表情をしている。

49年という短い人生ながら、その中味は深く濃く楽しく賑やかなものだったに違いない。世が世なら、もっと様々な分野にも(漫画家とかプロデューサーとか映画監督とか)才能と実力を発揮していたかもしれない。でも神は漱石に”文豪”という偉大なものを与え、我々は昔の千円札の中で彼を感じることができるのだ。

物販もあれこれ。ポストカードやブックカバーやクリアファイルの他に、漱石の口髭まで販売w。

10月には夏目房之介の講演会もあったとか。BSマンガ夜話のレギュラーでお馴染み、漫画家であり批評家の夏目房之介さんは、夏目漱石の長男・夏目純一の長男だそうだが、昔は”漱石の孫”と散々言われてきたらしい。これぞホントの「孫言うなーっ!」w。

鉄道模型バー

2007年10月28日 生活時事
夜から、娘を連れて、銀座のバーに行ってきた。
最近話題の”鉄道模型バー”。
ファミリー劇場『鉄子の旅』放送記念(アニメは観れんけど)、鉄道カクテル「鉄子の旅」プレゼントに当選し、無料ペア切符が送られてきたから。期限が10月末だし、鉄道といえば娘が飛びつかないわけがないw。

でも”バー”というお酒を飲む場所に10代の娘を連れていくのもどうかと思われ^^;、私より娘のほうが緊張でドキドキ。
場所も目印のホテルの隣かと思いきや、裏通りの薄暗いところにあり、見つけるのに苦労^^;。2回目からは大丈夫だろう。

ガラス張りの人工庭を通り、バーテンダーの声に出迎えられると、そこはもう”鉄道模型”の世界。カウンターの周りを4個〜5個の鉄道模型がブンブン走り回り、大きなガラス棚には鉄道模型がギッシリ並べられている。値札が付いているので売り物でもあるようだ。
お子様と一緒のご家族も既においでで、ちょっぴり安堵。土日はファミリーが多いらしい。
座席に付いて、もの珍しさから娘も私もワクワク。フラッシュ無しなら撮影可なので、親娘で早速あちこちを写真撮影。奥は薄暗いので、撮り易い明るい座席にしてくれたのだと分る。

「鉄子の旅」カクテルは、アニメ化記念。フルーツが大好きな菊池さん&横見さんといえばペットボトルのお茶なので、お二人をイメージしたカクテル。上はスイカの赤、下はお茶の緑で、酒につけた緑のサクランボが入り、お茶も少し入っている。無料券2枚でグラスが2つ出てきて、早速記念撮影w。
口あたりは滑らかで美味しい(^^)。興味深々な娘にはちょっぴり舐めさせ、2杯とも私がちびちびとゆっくり飲んだ。お酒は好きだが弱いので、1杯目を飲み終わる頃には既に上機嫌で、ちと酔ってしまったなと自覚^^;。
後で、入口の値段表を見たらコレが1500円近い。それを2杯も飲んじゃったのかと小さな贅沢に苦笑w。

鉄道カクテルは他にもあり、復元した南満州鉄道「あじあカクテル」(2種類)、ドクター・イエロー、北斗星、トワイライトエクスプレスなど、名前だけでも興味深い。
酒が飲めない人にはソフトドリンクもあり、娘にはウーロン茶を頼む。
食事は、おつまみから洋風和風料理まであれこれ。定番なスパゲティを頼むも、お腹が空いてる娘がペロリと食し、また違う種類のスパゲティを頼む。

その間、カウンター上のレイアウトを走る列車や高架下の精密ストラクチャーの街を眺めたり映したり。今の”踊り子”が途中で止まり、昔の”あずさ”や昔の”踊り子”が走る。
鉄道雑誌が横棚にあるが、「鉄道ファン」が置いて無いと娘。「鉄子の旅」コミックスもどうせなら1巻から揃えて貰いたい。
奥の和室は、もうひとつのパノラマ”書”の空間らしく、落ち着いた雰囲気。
トイレにも鉄道系のポスターが貼ってあり、歯ブラシやコップまである。トイレから戻ると、バーテンダーがお手拭を下さる。
バーテンダーは雇われらしく、鉄道系にはあまり詳しくないとか。バーに慣れない私達の質問にも優しく答えて下さった。

たっぷり1時間半を過ごした後に会計。チャージ料・サービス料・TAXも入るから、この金額は仕方ない^^;。高かったね、と店を出た後で娘。でも面白かったのでまた来たいとも言う。今度はパパとどうぞ。
私は今度は、あの店の下階にある、おもちゃやプラモやポスターで埋まれた”秘密基地”の小部屋に行ってみたい。私の年代にはとても懐かしそうな場所らしい。

親娘でほんの少しの贅沢をしてお喋りが弾んだ後、息子の誕生日を思い出し^^;、娘と慌ててケーキを買いに走るのだった。

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