舞台 ピアフ

2011年10月27日 舞台演劇
舞台『ピアフ』を観てきた。

パリが最も愛したシャンソン歌手、エディット・ピアフの激動の半生を描く。
パム・ジェムスが2008年に書き下ろした新バージョンの日本初演。
栗山民也の演出で、歌手活動も目覚しい大竹しのぶがピアフ役に挑む。

前に観た舞台『ガブリエル・シャネル』と同じく、著名な女性の人生を歌を通して贈り出すのが流行らしい。
劇中にもシャネルの話が出てくるが、戦中戦後の激動期を生き抜いたフランス女性は、かくもタフでエネルギッシュ、華やかな表舞台の影で常に愛を求め続ける姿は共通したものといえそう。

貧民街で生まれ、路上で歌っていたエディット・ガシオン。ピアフ=“小さな雀”という愛称がつくように、身長150センチもなかった小さな身体からは、驚くほどでかく力強い歌声が出たという。
大竹しのぶさんも小柄な身体に10センチ近いヒールを履いて、場面ごとに歌い紡いでいく。宝塚のような綺麗に整った声ではなく、地声に近いストレートでソウルフルな歌声で、いかにもエディットらしい。ピアフの心情を綴るように、時にドスを効かせて時に穏やかに繊細にと、多彩に情感豊かに芝居的に歌い上げていく。
言葉汚く猥雑で下品で男性遍歴も多いピアフを、のびのびと逞しく演じる大竹さん。早着替えも楽しめる。だが真っ黒なドレスに身を包んで歌う時は、別の厳粛な顔が現れて“祈り”が聴こえてきそうだ。ラストの曲で目を真っ赤にさせて歌っていたのも印象深い。

テンポが速く目まぐるしく進む1幕目より、人物との絡みにも時間をかけた2幕目のほうが印象に残る。大竹さん以外のキャストが、様々な兼ね役をしたり、揃って世相を歌い上げる様子も見どころ。
両幕通して登場し、ピアフと同じ貧民時代から最期まで真の友情を貫いたトワーヌ役梅沢昌代が、陽気でコミカルな味を注ぐ。ピアフのまるごとを愛してくれた包容力がよく出ていた。
彩輝なおは、美しきマレーネ・ディートリッヒよりも、2幕目の秘書のほうが味があっていい。
辻萬長、山地和弘、高橋和也が、渋くセクシーな身のこなし。
山口馬木也のマルセル・セルダンは身体に注目、KENTAROのシャルル・アズナブールは頭に注目か。
田代万里生は1幕目の人物がてっきりイブ・モンタンかと思ったが、育てられる役どころだったわけね。若きモンタンのミュージカル風な歌声に、初めて会場から拍手が起こったw。
晩年のピアフを支える、ギリシア人のハンサム青年テオ・サラボの碓井将大が美味しい役どころ。大竹さんと軽くデュエットしたり、リンゴを山ほど貰ったりw。車椅子の妻に向かって、「エディット」と柔らかく呼びかけるところが心に残る。テオが出てくるまでが長く、それまで6役を兼ねる碓井くんを観るのも楽しい。D-BOYSで培った舞台経験が生かされていた。

カテコは、アコーディオン奏者らも交えて、あたたかいムードでラインナップ。
全キャストと並んだ大竹さんが、小さい体にいっぱいの喜びを表していた。
湘南テアトロ☆デラルテ公演『ソープオペラ』を観てきた。

4月に予定していて、震災の影響で延期になっていた、待望の新作『ソープオペラ』。
飯島早苗・鈴木裕美の作品で、主宰の郷田ほづみによる演出だ。

1995年の夏。ニューヨークで暮らす3組の日本人夫婦と、彼らを訪ねてきた2組の日本人夫婦とが巻き起こす、笑いと涙とハプニングを描く。
『法王庁の避妊法』に次ぐ、人間味溢れる大人のハートフルコメディだ。

登場人物は10人。うち3人以外はダブルキャストで、2チーム交替の上演。
雰囲気が全然違うので、両チームとも観たほうがいいだろう。
同じ台詞でも、役者によって伝わって来るものと来ないものとがあったり。2回観て聞いて、やっと噛み締められる場面があったり。
印象に残る言葉も見つけられそう。
ちょっとずつ好きなものを探して、好きな量を増やしていけばいい。
少しずつ自分を好きになる。私は今の自分が好きだよ(こんなニュアンスだったかな)。

小さいステージなので、今までは定位置の舞台が多かったが、今回は周り舞台のように動く。
壁紙やソファなど、セットを駆使した場面展開が見事だった。
衣装も個性が出ていて楽しめた。同じ役の3人も、チームによって衣装を変えてくる。

設定が古きよき20世紀。野茂の活躍にわき、79円の円高に嘆く在米日本人たち。
まだまだ余裕があり裕福な空気が流れている日本人の様子には、過酷な今と比べると、とても現実感が沸かなかった^^;。
15年前に観ていたら、もう少し共鳴や共感もできただろうと思う。
6年後には暗黒の9.11テロが起きるが、ニューヨーク駐在の水原夫婦は大丈夫だろうか、と余計な心配までしてしまった。

休憩入れて2時間半弱。
平日夜公演は帰宅が午前様になりそうなので、終演後は急いで駅に向かった。
郷田さんに少しでもご挨拶できて良かった。
平塚限定の“どこでもドア”が欲しいw。
舞台『戦国BASARA3』の2回目を観てきた。

今回は前方席中ブロック。ステージと目線が同じで細かな部分も目に付き易い。

官兵衛の鉄球が動く度に出る埃がスゴかったw。ブンブン振り回すのはいいが、今にも客席まで鉄球が飛んできそうで、最前席とかは不安じゃないかなと思う。
金吾の客席降りは今日は後方席まで延長。毎回アドリブが違うようで芸が多彩。
佐助の言葉で心を動かされた幸村が、俄然戦闘意欲をかきたてる高ぶりがよく分らないが、元気な幸村は好きなのでよしとしよう。
誠治郎くんの熱演も相まって、純粋で穢れのない石田三成の心情に切なさがこみあげる。この舞台でますます三成が好きになってしまった。
戸谷くんの元親も威勢がよくて情が深くて好みだ。『ふしぎ遊戯』の翼宿にも雰囲気が似てる。

この舞台を観てキャラクターを好きにさせるのだから、キャストにとっても本望なのではないかと思う。
アンサンブルの細かい動きや小芝居がこなれていて、観ていて楽しい。三成と戦った槍使いなど、かなり手強い敵方の凄いアクションにも注目だ。

マルチエンディングはB。
やっぱりAとは違うのね。いささか凝ってる。
でも個人的好みはAのほうかな。両方を観れて良かった。

カテコ仕切りは家康。元親が挨拶し、左目はよく見えないけどと意気込みを語る。
ダブルカテコ仕切りは政宗。元就がファンコールに応えながら挨拶。「天ちゃん」コールもあった天海は、吉継も入れて写真宣伝。

もう1回位は観たかったが、なんせ立ち見もいる満員御礼な舞台。これで締めとしよう。
願わくば『戦国BASARA2』も舞台化して頂き、ナマの秀吉や半兵衛を観たいものだ。

『戦国BASARA3』のテーマは「絆」。25日に千秋楽を迎えた、根本さん出演の舞台もズバリ『絆2011』。Ashの根本さんも誠治郎くんも、時同じくして“絆”の舞台に出演というのが面白い。
TSミュージカル『眠れぬ雪獅子』を観てきた。

架空のチベットを舞台に、謝珠栄の演出・振付によるオリジナル・ミュージカル。
旅芸人座長の男と、父を暴君に殺された詩人の男の交流と友情を、千年前に仏教を弾圧した暴君を暗殺した僧侶と弟のエピソードとリンクさせて描く、輪廻と生の物語。

モチーフは「黒い帽子の踊り」。僧侶ラルンが踊り手の一人に扮して忍び暴君を暗殺したとする“踊り”が、語り継がれて今や笑いのネタとなっていく。
9世紀の話と20世紀の話を別々に展開するのではなく、現在の話に過去をインサートさせることで、“輪廻”を印象付けたかったのだろうか。合間にターラ菩薩の教えや踊りが入り、少々分り難くて感情が高まらない演出になったと思う。
映像と照明と音楽が幻想的空間を生み出し、タルチョ布をあしらった美術が壮大で美しい。
原色使いのチベット風衣装やヘアメイクがとても綺麗で、細かい小物にもこだわりがある。

主演の東山義久のための舞台だったといえよう。のびやかな歌声と、ダイナミックかつ繊細なダンスの数々。衣装や仮面で様々なキャラもこなす器用さで、東山さんの実力と魅力がふんだんに引き出されていた。ファンなら何度も観たくなるハズだ。
東山さん演じるテンジンが率いる旅芸人一座が、明るくパワフルで、躍動感あるダンスはほとばしる“生”へのエネルギーを感じさせる。小林遼介、中塚皓平ら個々人のエピソードももっと観たかったほどだ。

伊礼彼方のドルジェはエキセントリックな表情が印象的で、張りのある歌声が繊細に感情を紡ぐ。
今井清隆が芝居がかった演技と圧倒的な歌唱力を示し、保坂知寿が包容力と謎めいた言葉で若者達を導く。
お目当ての小西遼生は僧侶ラルンとして回想シーンに登場するから、前作『風を結んで』よりは出番が少ない。黒髪短髪なのでやや若く見えるが、当初のチラシにあった髪型も見たかったw。黒白のストレートな衣装がよりスレンダーに見せる。僧としての使命や苦悩や嘆きを的確に表現。その気持ちを歌にのせる時、やや声量が足りなく見える。
ラルンの弟ペマの山田ジルソン、ドルジェの同志パサンの照井裕隆の力強い歌声にも注目。

てっきり仲間や友情や人との絆がメインの話かと思ってたが、君主や権力者の圧政に苦しむ民衆がいかに生きるべきかがポイントになっていたようだ。暗殺という剣でもなく、世に伝えるペンでもなく、自分たちができることで幸せを掴もうとする決意。
でも本気で、歌と踊りと芝居で、暴君らの心を説けるとでも思ったのだろうか!? 人々の勇気の礎になるなら…皆がそれで動いてくれるなら…来世に繋げられるなら…。彼らが勝手に納得する言葉は、あきれるほど夢想的でお決まりの理由づけだ。
結局権力者は己の罪を認めず、罰せられることもなく、改心して良き指導者になったとも表現されない。あれではただの犬死にではないか!? 何も救いがなく浮かばれない。

何度かクラっと眠気がきて、2時間40分がやたら長く感じられた。
綺麗ごとばかり並び立てる台詞には飽きがくる。押し付けがましいメッセージも現実味を帯びない。単調な展開と繰り返されるフレーズがまだるっこしい。登場人物の感情も信念も目的もいまいち掴みにくい。
爽快感や熱くさせるものがないストーリーが要因で、面白味がない舞台であった。1度観ただけで充分。
TSミュージカルはどうも今の私には合わないようだ。
フィナーレは袖長のタルチョ衣装をまとった出演者たちが華やかに登場。晴れやかな笑顔が救いだった。
舞台『戦国BASARA3』を観てきた。

CAPCOMの小林裕幸が手がけ、AND ENDLESSの西田大輔の構成・演出・振付による人気シリーズの第3弾。
出演は、広瀬友祐(徳川家康役)中村誠治郎(石田三成役)久保田悠来(伊達政宗役)細貝圭(真田幸村役)戸谷公人(長曾我部元親役)小谷嘉一(毛利元就役)白川裕二郎(黒田官兵衛役)吉田友一(片倉小十郎役)村田洋二郎(猿飛佐助役) 宮下雄也(小早川秀秋役)村田雅和 (大谷吉継役)谷口賢志(天海役)山崎真実(雑賀孫市役)川村ゆきえ(鶴姫役)他。

先に劇場版アニメが公開されたこともあって、以前よりもアニメを意識したアプローチ。
T.M.RevolutionのOP曲に、石川智晶の楽曲が何度も流れて盛り上げ、パっと見は『ガンダム』な様相w。歌が脳にこびりつくこと。
キャスティングから気合が入っていたが、今回は新しいキャラも加わり、更に壮大な世界観を形作る。衣装(ヘソ出しルック目立つ)やメイクから台詞や動きや声まで、ゲームやアニメを彷彿とさせるような格好良さ。キャラファンも満足させる出来だ。
見どころは、次々と繰り出される気迫の篭った殺陣やアクション。今回はヘンテコ武器も多く、よく扱えるなと感心するほど訓練されている。JAEやAND ENDLESSら総勢20人近いアンサンブルが芝居にアクションにと盛り上げマンパワーを発揮。
彼らを支えるのが、音響や効果音や照明、鮮やかな映像で、ダイナミックで迫力のある立体的世界観を作りあげる。
アニメよりも分りやすく面白くて、何度も観たくなるほど興奮させられる舞台だった。

家康はアニメより痩せてるが、拳アクションが力強い。広瀬くんのソフトな声音と表情がイイ。
三成は居合いの殺陣が凄まじく決まる。素の誠治郎は可愛いが、役にハマるとカッコイーこと。
幸村は腹のベルトがズれてた。あと少し腹筋が欲しい。中盤から細貝さんらしい熱さになり、保志ボイスを彷彿とさせる。
政宗は6本刀になった時に大いに沸かせる。久保田くんの英語の語彙が増えた。
元親への「アニキ!」コールに思わず拍手。戸谷くんが予想外にハマってる!アニメと似た威勢のいいハスキーボイスが抜群。
元就は輪刀と帽子で動き辛そう。小谷さんもアニメと似たクール声が素敵だ。
官兵衛はお笑いキャラかな。扱い難そうな鉄球を力技でよくこなす。
秀秋はお笑い担当か。逃げる食べる泣くの宮下さんがキュート。客をご指名と結構フリーダム。
吉継はずっと座ったままで大変そう。マスクで村田さんの顔が見えず残念。ダンディでミステリアスな声がイイ。
小十郎は徐々に覇気が出る。『abc』をずっと欠席してた吉田くんは元気だったw。
佐助は機敏なムードメーカー。洋二郎さんがマジメモード。
天海は分け目が違うw。谷口さんもマスクで顔が見れないが、斬り方は気持ち良さそう。
孫市は濃姫の代わりな存在か。山崎さんの肌露出が色っぽい。
鶴姫はスカートのアンダーが見えるのが可愛い。川村さんは男性ファンに人気ありそう。

一幕ラストは、上に石田軍、下に徳川軍で見事な締め。
風林火山の宴会に、レッツ・パーリィのデビルマンと、会場も一緒に盛り上がり。客席通路は左側が伊達で、右側が真田。
「孤独な私を笑え!」「絆を壊して絆を説くか!?」三成の悲痛な叫びが胸を打つ。誠治郎の迫真の演技に泣きそうになった。
今回はAラストだが、Bラストの明日も観劇予定。どう違うのか見極めよう。

カテコは家康が仕切り。吉継が立った!佐助の挨拶で、アンサンブルやスタッフに感謝してもう一度拍手。
ダブルカテコは政宗が仕切り。「金吾」コールに気を良くする雄也。官兵衛は天海と一緒の「魔よけ」写真を宣伝。みんなで手を繋いで会場一丸で「絆を」と言う官兵衛だが、なかなか立たないみんなに、「立てよ!」とアニキの一発が席巻。官兵衛よりアニキのほうが人望あるじゃんw。

休憩入れて約3時間弱。
特典お目当てで即行DVDを予約したw。
D-BOYS STAGE『検察側の証人~麻生広尾町殺人事件~』東京千秋楽を観てきた。

2階席。そこかしこに空席が見られ、満員御礼とはいかなかったようだ。
エンタメとしてはちょっと印象の薄い芝居だったか。ミステリー芝居としても2階だと迫力が弱まる。

アガサ・クリスティーなので、結局は“女”の話であった。
嘘をつくには真実を入れたほうがバレにくい。
やっぱりこの二点だろうな。

ステージ上の俳優が、これらを踏まえていかに表現できるかがポイントだろう。
今回はD-BOYSの演技に重点を置いた舞台だったので、彼らの成長と伸びしろが其々顕著に現れていた。こんな芝居もできるんだ、こういう演技がいい、といった良さや魅力も発見できた。
それは彼らの自信にも繋がり、他のDボたちの刺激にもなるだろう。

ただ今回は作品的に客演の比重が大きかったと思う。舞台の成功の半分は客演の力のおかげでもあろう。
人数的にもD-BOYSが6人に対し、他の出演者が14人もいる。もちろん出番的にはD-BOYSが多いが、鍵となる客演キャストが4人もいる。皆さん秀逸な演技力で、脇を固めムードメーカーとなり、話そのものを転がしていく重要な役回り。
D-BOYSのプロデュース公演のような様相だった。
D-BOYS STAGEと名うつからには、メインどころはD-BOYSだけでやって欲しかった。メイクでも変装でも何でもして、新たな境地にも挑戦して欲しかった。チラシの表も本来ならD-BOYSメンバーだけで埋めなければならないと思う。
D-BOYS STAGEが目指していく高みと可能性。客演の力はなるべく最小限に留め、演出家とスタッフとメンバーでコツコツと作り上げて欲しいなと願う。

トリプルカテコで、スタオベもあった。前の人が立たなかったので立つこともなかった。
瀬戸康史と五十嵐隼士がお礼の挨拶。荒木宏文は「東京公演ありがとうございました。大阪公演も宜しくお願いします」と普通。柳下大は「ラストはやってて気持ち良かったw」とニッコリ、やっと真についた感想。橋本汰斗や堀井新太までは回ってこず。
トークショー回は観劇できなかったし、全員からのひと言を聞きたかった。
大阪公演も高いモチベーションで頑張っていただきたい。

客演の若杉宏二さんがいる流山児★事務所の『ユーリンタウン』を平日やっと観劇予定。
馬渕英俚可さんが出る来年の『銀河英雄伝説 第二章』を楽しみに待ちたい。
Studio Life音楽劇『夏の夜の夢』Savarinチーム初日を観てきた。

解りやすく親しみやすいシェイクスピア音楽劇シリーズ。スタジオライフには3度目の『夏の夜の夢』だ。
妖精王と女王の諍いに妖精パックの勘違いが加わり、森に入り込んだ2組のワケあり若き男女が思いも寄らぬ展開へ。芝居をする男たちも巻き込んで、しっちゃかめっちゃかの大騒ぎになる話。

一部キャストが変わったが、ストーリーも歌も前回と同じ世界観。
だが大きく変わったのが、今回新たに参加された宇野亜喜良氏による舞台ヴィジュアル。
衣装やヘアメイクがとにかく奇抜で可笑しい! サーカス小屋のようなドレスにバイキング。50過ぎたオッサンにピンクのリボンw。妖精4人は派手で分り易い。
メイクも濃すぎるほど塗り捲ってるw。
小道具もアート的。壁とか月とか印象的。彫像も凝っていて、ラストの男女のレリーフはエロティックで面白い。

ステージ上にはボックスや台に4本のポール。
シェイクスピアでも、さすがオールメールパワー。ここで男性役者が歌って踊って動き回り暴れ捲りw、元気で愉快な舞台を繰り広げる。
夏じゃないけど、夢とロマンあふれる楽しいひと時を過ごすことができた。

ポールダンシングなアクションと飛び降りを見せたのが、岩崎大のハーミア。運動能力が高いね。今年はアクション芝居がなかったから、ここで発奮させてるみたいw。「デカい女」と劇中盛んに言われてたがw、女とかもう意識させない。男で女だからこそできる中性的な言動が、かえって観客をスカっとさせる。
ハーミアに首っ丈の仲原裕之ディミートリアス。大くんと絡むと、夏の『abc』を思い出してしまうw。
殆どライフ団員と化した坂本岳大(客演)のヘレナも濃密な芝居で絶好調。大ハーミアがいてこそ引き立つデカい愛らしさだ。
笠原浩夫がライサンダーで初参加。若々しくやってるが、高台からの飛び降りはムリがありそう。
曽世海司は父親イジーアスへ。「ゲッダウン!」から「ゲッアップ!」に変わった(笑)。
松本慎也は可憐なヒポリタへ。でも上腕二等筋がスゴいことw。
オーベロンの石飛幸治、ティターニアの林勇輔、パックの倉本徹はそのままの安定感。パックはダブルキャストで見たかったかも。
夏秋までみんな其々のフィールドでやっていた面子が、ここで一気に集合した感じで、芝居の進歩や成長が表れていた。ここにミカシュンやアラケンやオノケンがいないのがちょっと寂しい。

ボトムの大役は奥田努。テンション高い芝居をよくこなし、ピラマスになった時はヒーローぽく格好良く見えるのがイイ。
馬面になったボトムが、ティターニア配下の豆の花たち妖精をこき使うシーンが今回すっぽり抜けていた。馬ボトムや妖精たちをじっくり拝めなくなったのが残念。時間短縮のためだろうか。
シスビーになった青木隆俊は、ハーミアたちよりも綺麗でイイ声だったw。

Bonbonチームの『夏の夜の夢』は来月観劇予定だが、その前に『十二夜』を観劇予定。
今回は忙しい3パターン公演なので、団員も体力勝負の意気込みだろう。

初日はキャスト全員が其々挨拶。サザエさんに波平にプードルなヘアメイクをアピールw。
挨拶の後もカテコで盛り上がった。
終演後の物販にハーミア大くん。パンフを買って挨拶した。大くんは年末の『大江戸鍋祭り』も控える。
シス・カンパニー公演『泣き虫なまいき石川啄木』を観てきた。

石川啄木の晩年3年間を描いた井上ひさし氏の戯曲を、新米演出家だと自称する俳優・段田安則が演出。
いつもの「こまつ座」ではなく、シス・カンパニーの上演というのがポイントか。
亡き夫・石川啄木こと一(はじめ)が遺した日記を読み進める妻・節子。三年前の夏、東京本郷に貸間に暮らす一と家族の「実人生の白兵戦」の貧しい日々がよみがえってくる。

真っ青な空と海から、2階6畳二間の陰湿な舞台へ転換。6人の大人がドタバタと繰り広げる小さな空間が、尚更狭っくるしく感じられる。
母カツと妻節子の激しいぶつかり合い。カツは自分の名前さえネタにする剣幕。家出したり不倫疑惑が出る節子は頑固で情緒不安定。家の大事なものを質に入れて酒浸りの父・一禎は、禅僧の如く説教臭い。親離れ子離れできない家族を腹立たしく思う妹・光子はキリスト精神を尊ぶ。兄嫁と小姑の間に確執がないのが救いだろうか。
家の収入を一手に背負い、家族の不始末にあえて首を突っ込まない一は、曖昧で忍耐強いが、やがて爆発し怒鳴ったりと激しい苛立ちを見せる。同情心を煽って、親友の金田一から何かと金銭を恵んでもらったりと、したたかな一面も覗かせる。

すべては「貧乏」のなせる喧騒と波乱。貧乏家族の様子はとても生々しい。生々し過ぎて個性的過ぎて、誰にも思い入れがわかない。家族の問題はあまりに身近すぎる。「白兵戦」の戦場となる「家族」は足かせでもあり、失望と恐怖が見えてくる。

それぐらい、役者の演技も迫真でリアルっぽさがある。
演出した段田安則は、ダメダメな父を人間味豊かに演じる。
カツ役の渡辺えりの盛岡弁は流暢で存在感が凄まじい。こんな姑はイヤだと思わせる。
西尾まりは二度目の光子役で慣れているが、10年前の同じ舞台を演出したのが、今上演中のD-BOYSの演出家・鈴木裕美氏だったという。
金田一京介役の鈴木浩介が、達者な弁舌で場を和らげて好演。
節子の貫地谷しほりは可愛らしいが、妊娠中の動きに考慮が必要か。
一の稲垣吾郎は、場を追うごとに波にノる感じで、真摯で誠実な内面性が浮き出る。
稲垣さんと貫地谷さん以外の4人が、其々違う人物も兼ね役。段田さんが禅とキリストを両方説くのも可笑しい。
稲垣さんと鈴木さんの会話に、『金田一少年の事件簿』の「金田一一」の名前が浮かんでしまった(笑)。

渡辺えりさんが昨年9月に出演されたgood morning N.5の舞台『祝・絶望!!』のタイトルを思い出した。
喜劇風に仕立てた突破口の見えない家族の話は、薄い笑いは起きるが、もどかしさと苛立ちと怒りは収まらない。
だが病の恐怖まで味わう一は、それでも苦悩を泣き笑いして立ち上がる。
「すべてがうまくいかないが、それでもひと筋の光があるのではないか」
もうダメだと絶望した中でも、小さな「希望」をわずかでも期待してしまう、人生にしがみつく人間の“業”。滑稽だけど、愛おしい。
最後の最後まで“生”を捨てきれなかった男の人間らしさに、ようやく共鳴できるのだった。

でも妻・節子は、日記を焼却してくれという夫の遺言に従わず、後に作品を世に出したのだったっけ。
最後の最後に亡き夫に小さな反逆をした妻もまた、生にしがみついた人だったのだ。
舞台『絆2011 -少年よ大紙を抱け-』初日を観てきた。

2010年上演された舞台の再演。
卒業近い全日制イケメン学生と、廃校前の定時制問題児学生とが、学校の一大イベント“予餞会”で「書道パフォーマンス」対決をする話。
一部キャスト変更があったが、ほぼ同じキャストで同じ内容を見せる、ダンスと歌と映像のミュージカル風舞台。
一番の見どころ“袴姿で書道”のパフォーマンスでは、若い女性客のハートをガッチリ捉えて、たくさんの拍手や手拍子が贈られた。

大スクリーンに映されたLEDの映像がパワーアップ、より美しく鮮やかに世界観を作り出していた。これにはかなり金がかかっていることだろう。おそらくチケット代の半分は映像分だったのでは?w
物語は今回も起承転結の「転」が曖昧。全日制はともかく、定時制生徒が一丸となって書道に取り組む動機づけが弱い。キャラクターの描き方も中途半端で物足りなさ感がある。「愛」に恋する二人には見せ場があるが、他の生徒たちは上っ面だけだ。彼らに感情移入など沸きようがなかった。

所詮Leadファンをターゲットにしての、Leadメインの舞台。カテコのライブも盛り上がった。
高木万平&高木心平の役柄は弟&兄のまま。映像の増殖も見ものw。
根本正勝は手堅い芝居で笑いをキッチリ取る。若い面子の中、ダンスも頑張ってこなしていた。
寿理はそろそろ現役高校生役はツラそう。前髪をあげた加藤良輔は中村優一ソックリに見えたw。
入野自由から代わったタモト清嵐は、ドラムの腕を披露。書道よりずっとカッケーと思うがw。
えまおゆうのハスキーなクセのある芝居、松尾伴内のしつこく頑固な芝居も昨年のまま。

歌の度に拍手がわいたが、私は「翼をください」だけに拍手した。
初日だからか、歌の時の音響がやけに大きく、前半は歌詞が聞き取れないほどやかましかった。
何も変わっていない話と、単調で退屈な演出と若いイケメンたち。映像で何とか堪えられた。こういう舞台は私は1回観ただけで充分だ。

昨年からの役者たちは、より結束力が固まってリアルに“絆”が深まったと思う。
Leadファンも同じ目的と楽しみの“絆”ができ、ライブでも高揚感が増していた。
様々な“絆”が生まれた舞台としては成功といえるのだろうか。座席は8割ほどの集客だった。

高木双子に中村昌也から花壇が届いていたが、本人がロビーに現れた。デカイのですぐ目立つ。間近で観たのは昨年の4月以来だ。

帰りにタワレコ新宿でAshのイベント整理券付きCDを予約してきた。当日参加できるか分らないが予約はタダだしね。
キャラメルボックス『飛ぶ教室』を観てきた。

ドイツの作家エーリッヒ・ケストナーが1933年に書いた児童文学の傑作の舞台化。
クリスマス目前のドイツの高等中学校が舞台。5人の少年たちを中心に、生徒たちの日常や生活、先生たちとの交流と触れ合い、親たちとの関係を鮮やかに描く。

タイトルだけでぜひ観たいと思った。観ておいて良かった。この舞台がキャラメルボックスで良かった。
その昔読んだ物語で、細かいエピソードは忘れていたが、舞台を観ながら徐々に記憶がほぐれてワクワク感が止まらなかった。様々なシーンやセリフに込み上げるもの沸き立つものがあふれ出し、いつしか涙がこぼれ落ちるほど感動していた。

構成・演出の成井豊による【世界名作劇場vol.3】だという。
原作にとても思い入れがある成井氏は、ケストナー自身を水先案内人として劇中に頻繁に登場させ、分り易く解説させる。ケストナー独特の語り口を存分に生かし、細かいエピソードも残さずすくって、スピーディーで温かい世界観を舞台上に構築した。
場面転換が早く、役者自身が椅子や小物を次々に移動させたり、メインの役以外はみんな兼ね役をしたりと、とにかく活発でパワフル。役者は段取りや細かい作業などさぞ大変だと思う。だが各々の情感豊かで的確な芝居で、観るほうをどんどん引き込んでいく。
生徒たちが動き回り騒ぐ様子は、『トーマの心臓』のコミックのほうを連想させた。それぐらいキャラクターが生き生きとしていて感情移入し易い。先生とかつての親友の重厚かつコミカルな空気が、安らぎと強さの媒介となる。
現代ではベタと思われる、友情や勇気や成長、生徒と先生との交流、先生とかつての親友の生き様、親子の愛情と絆。舞台から純粋に伝わってくる人と人との“繋がり”や“思い”は、いつしか心を浄化させてくれる。

ベク先生役の大家仁志の人間味あふれる芝居が実に頼もしくて素晴らしかった。青年座の大家さんは3度目の客演らしいが、キャラメルに絶妙なスパイスを効かせている。
ケストナー他を演じた左東広之が達者な弁舌で牽引する。
禁煙さんの石原善暢、クロイツカム先生の小多田直樹と、幅の広い役作りができるのが強み。
マルチンの多田直人、マチアスの筒井俊作、ウリーの小林千恵、ジョーニーの井上麻美子、ゼバスチアンの鍜治本大樹が、若々しくパワフルで高揚感が増す。

誰が出ていようと、こういう良作の舞台は何度でも観たかった。ドイツ語を習ってる息子にも見せたい。「きよしこの夜」もドイツ語でみんなで唄ってみたい(パンフに歌詞が載せてほしかった)。
今回は日程的にムリだが、いつか同じ劇場で再演を望みたい。先月やっとシェイクスピアの『ペリクリーズ』を知ったので、第一弾の『僕の大好きなペリクリーズ』の再演も希望する。
D-BOYS STAGE『検察側の証人』マチネを観てきた。

ネタも結末も分った2度目となると、ミステリーとしての面白味はだいぶ薄れるので、キャラクターやキャストに的を絞った見方になる。
初日にぬるかったシーンは、演出で手が加えられたようだ。冒頭の健の登場と吾郎との会話は、だいぶほぐされていた。ラストの志摩子の動作も綿密に表現されていて、見守る側に隙を与えていなかった。

台詞の掛け合いにほんの少し噛みが見られたのが惜しい。テンポよく言い合う会話が醍醐味だから、若い役者にはホントに難しいと思う。
瀬戸康史のソフトと激しさの切り替えし、五十嵐隼士のパワフルな流暢さは、芝居の中にどんどん溶け込んでいる。柳下大は徐々にパワーが薄れ声が掠れてきたが、粘り強くしがみついて欲しい。荒木宏文は声の強弱のメリハリが上手く場をキュっと引き締める。

だがみんなまだ若い。意外性がないのがつまらない。今回はメイクや衣装で役作りをしていないので、年齢相応に見えるのだが、登場人物に深みが出てこないのが勿体無いのだ。
荒木さん@藤堂には貫禄や誇りのようなものが映らないし、トモ@洋一にはもう少し作り込んだオーラが欲しい。人物的に迫力と存在感があったのはラッシーの星野ぐらいか。
橋本汰斗の片山は、ケンカばかりの越方と星野を上手くバランスを取り操ることができるクールな才覚のある男。その点、汰斗はよくやってる。問題は“女”ネタで操る手管。女に関してもある程度知る男でないとできないと思うが、汰斗からは女っ気が殆ど感じられない。言葉に説得性が感じられずチグハグな印象を受けた。
吾郎と健の過去も関係性も浅い。“その昔”悪さをしていたからには、少なくとも二人は20代中ほどになっていなくてはおかしい。だがどちらも年相応にせいぜい10代後半にしか見えない。健と吾郎の会話からも硬い絆のようなものが感じられない。吾郎に関しては、チンピラというより新聞の集金屋、ブラックな側面が全く見受けられないw。役作りが中途半端、正直、吾郎の存在価値が見い出せなかった。
メイクでも何でもいいから、もう少し年齢を上げた厚味のある役作りをしてくれたら、台詞にも重みが出て、メリハリの効いた芝居となったと思う。

今回は前から4番目中ブロックでこれまでになかったような最良席。とてもとても観易かった。
でも一幕目のやり取りが退屈で、三幕目の法廷シーンでは眠気が増して堪えるのに必死^^;。イイ席というのも辛いこと。

終演後は瀬戸くんから、観た後で原作を読んでも面白いからぜひ!という挨拶。
今回はハイタッチ会。後方席から案内されるので、前方席までくるのに待つこと長し。
アラタはお疲れな表情、フード被ってたアラヤンは眠そうにニッコリ、ラッシーだけが元気に力強くお礼を言っていた。これだけで彼らの心境を物語っているなぁw。
ハイタッチよりトークショーのほうが私はいいが、チケット取り後の発表で選べない。

次は東京千秋楽。一般で取った2階席なのでグッスリはできそうw。

 ̄ ̄ ̄
渋谷PARCOで開催中の展覧会『戦国鍋TV~渋谷パルコ 秋の陣~』に寄ってみた。入場無料。

テレビ番組『戦国鍋TV』の主要コーナーをパネル展示。
「ミュージック・トゥナイト」の番組セットが再現され、これまでのアーティストのビデオが流されていて、ついつい見入っちゃう。衣装も公開。
「うつけバーNOBU」のセットも公開、NOBUママの写真に見惚れたりw。
有料の縁日で遊んでる人はなし。

番組関連グッズやDVDやCDや書籍も販売中。イベント限定クリアファイルを購入。
最終の22日23日はまたも兼続くんがやってくるそう。
写真撮影もオッケーなので、いっぱい撮ってしまった。
ケイダッシュステージ『コントンクラブ image5』を観てきた。

オムニバスギャグエンターテインメント『コントンクラブ』シリーズ第5弾。
このテの演劇にしては珍しく本多劇場。サンモールが取れなかったのかな。
販売写真が飾ってあるとはいえ、ロビー内の花まで撮影禁止なのは残念。

開演前のロビーで、利根川渡の一人芝居。ダダンダダン! 今年もう何回観たことだろうw。後夜祭もやるらしい。
最前席だがステージと程よい距離感。客が入らないのか、高校生の団体がいた(演劇部か?)。

ショートコントにショートストーリー、歌とダンス、合間の白い箱の移動、言葉が通じない演出家で“六重苦”だと、終演後に柏進が話していたが、オムニバスもそろそろネタがつきた感じ。
舞台演出家リチャード・レインについて、マスコミ各メディアでバッシング報道されたという話が本番中にも出たが、そのテの噂や情報を私は全く聞いてなかったので、単なるネタとしてか思えない^^;。リチャード本人からも挨拶と事実の説明があるからと前説であったが、本人は来てもいなく、単に舞台ネタだった模様。はっきりしないまま終わってしまいモヤモヤ感が残った^^;。

ショートコントは、いまいち面白くなかった。出演者みんなが持ち寄ったアイデアやネタを吟味して採用するものだが、今回はとっても微妙^^;。後ろのほうで若い人達が笑っていたが、何が可笑しいのかもわからない。中には、全く笑いが取れなかったコントもあった。特に大河元気のやったアジア人監督と日本のアニメ声優の話は、実際の現場を馬鹿にされた感でムカついてきた。やってる本人たちには悪気はないんだろうが。ちなみにサンタネタは相馬圭祐の実体験w、しりとりネタは元気くんだった。

ショートストーリーにも続いた、学校ネタは愉快だった。小野健太郎の三上先生、真面目で不気味で変態でオモロイw。相馬圭祐&鈴木拡樹の同級生コンビも抜群。途中で聡太郎番長がやってきて三つ巴。コレって、シンケンゴールド&ゲキチョッパー&仮面ライダーブレイドの特撮対決か!? 青春してるなぁw。
ラップ校歌はぬるい。幼稚園ネタでは植田圭輔と天野博一が可愛い。植田くんは柏さんの今回のお気に入りらしいw。関さんボイスが聞こえてきそうな、ニャじろうのイラストに吹いたw。女性陣が出てくるとイイ匂いが漂ってくるわw。
ショートストーリーの堤泰之作品はハートフルで気に入った。太田善也作品も手馴れていた。

ダンスは男性6人のうち、若手4人がメイン。特に相馬くんが中心で、長い脚がカッコイー。歌担当の元気くんの踊りはちょい微妙。
男性陣の今回の主役、元気くんと相馬くんが最後にカチっと握手してる様子がよかった。また新たな友情が生まれたのかな。

でもオムニバスもそろそろネタが尽きた感じ。
image6があるなら、脚本をしっかり練って作りこんでいただきたい。
相馬圭祐くんあてに、松坂くんと鈴木くんから花壇。いまだに義理堅いw。

小野健太郎さんあてには、『毒蛇とわたし』から花壇。先週放送分から倉田役で登場したオノケン。オノケンの過去作品からのイメージで、倉田は誠実そうに見えても胡散臭くてたまらんw。主人公の櫻井淳子とは結婚しないと思うw。でも渋江譲二や加藤和樹とタイマンを張ってる様子は実に頼もしい。
来年のStudio Life『OZ』再々演には、今回の植田圭輔くんが客演するが、劇団員のオノケンは出ないようだ。劇団本公演にもそろそろ出て貰いたい。
マリア・マグダレーナ来日公演『マグダラなマリア~魔愚堕裸屋・恋のカラ騒ぎ~』の2回目を観てきた。

マグダラでは珍しくリピートだが、気づいたことや見落としてたことが発見できてよかった。
セリフは相変わらず早口なノリで、たまに難しい言葉が出たり聞き取れなかったりと完璧に把握できないが、2度観る価値はありそう。

はちゃめちゃドタバタな展開で、エレガントさは殆どなくコメディー調と化してるが、全体的なテーマは「勇気をもって一歩進むこと」だろうと思う。
自己嫌悪で想いを口にできないカールと、彼からの告白を待っているローズマリー。
自己嫌悪と陶酔感で悪夢に苛まれ前に進めないでいるヴェロニカ。
共に“薬”の力を借りたとはいえ、ようやく自らの意志で一歩を踏み出せたという話になっていた。
そのためのアイテムが、絆となる“マフラー”であり“宝石”。
その決意を表す歌がカール&ローズマリーの「愛は罪を超えて」であり、ヴェロニカの「旅立ち(仮)」だったりする。
とてもジンとさせる話ながら、問題はその描かれ方だろう。もう少しバランスよく明瞭に描いて欲しかった。二幕は触媒のお葉がキーマンに出張ってきて、肉食系メインの話に気を取られたから、ヴェロニカサイドの内容が薄れてしまった。アレクセイがオットーに金をもたせるための存在としても、勿体無い使われ方だ。

冒頭の兵士4人、昨日はKENNだけは分ったが、どうやらKENN、藤原祐規、小林健一、清水良太郎の順らしい。軍服着ると、みんな格好良く見えるw。
前方席から観ても、岡田浩暉は美しく露にした肌もとても綺麗だった。『BONNIE&ClYDE』を観ても思い出しそうw。
途中から包帯をしてきたクリッパラだが、右耳を切り落とされたんだとやっと分った。ちょっとブラック^^;。
幕間のコバーケンの「指原」パーカーは意味不明、大阪公演の名残りかと思ったが、AKBだったとやっと知った。前もって説明してくれ^^;。コバーケンのパンツはやっぱ日替わりw。マッパーマンの形態も歌もそろそろ飽きてきた^^;。田代さんイイ仕事。
「通路側だけ危険だと思うなよ」は前回もそうだったがw、3列目が特に危険だと確信したw。カールやロージィもやってくる美味さはあるけどw。
全体的にカミカミが多かった。芝居も歌も、昨日のほうがイイ出来だったかな。
セリフはなく、ただ抱き合って名残を惜しむ別れのシーンにはジンときた。男爵が手の甲にキスするシーンも素敵。

えびさわなおきのレトロなアコーディオンに加え、今日はチラリと見えたピアノの生演奏が素敵で聞き入っていた。
観終わっても「二月の空」のメロディーラインが頭にこびりつく。ヴェロニカ&マリアの「アナスタシア」は身震いするほどの迫力で素晴らしかった。美しい歌唱力が目立つ今回は、ミュージカルのように歌の後で当然のように拍手が起きた。
芝居のクセや展開のもどかしさをすべて払拭するぐらい、歌の力や楽曲の素晴らしさのほうが印象に残って、面白かったと思える舞台だった。

一応キャラクターに決着がついて大団円。
マリアさん&グレイス&コバーケン(&クリッパラ)は残っているので、続編もありえるかな。
可愛い女になれるキュートな若者をまた連れてこないとね。
舞台DVDに電子書籍版舞台写真集、次々と幅広く展開するマグダラワールド。
マリア・マグダレーナ来日公演『マグダラなマリア~魔愚堕裸屋・恋のカラ騒ぎ~』を観てきた。

シリーズ第4弾の新作。時系列的には、第1弾初演と再演の続編という形。
大阪公演を経て、ホームのサンシャイン劇場である。

ロシア革命の残り香の中、魔愚堕裸屋に恋の騒動が次々と巻き起こり、あのカップルもついに決着という話。
歌手で女優で高級娼婦のマリア・マグダレーナと周囲が繰り広げる、芝居と歌のエロティシズム・コメディショウ。

前説ナレは、スケベ調グレイス&クリッパラの『はてるまでラジオ』コンビ。
全体的に先日の『リボコン5』外伝のような面子だw。
男優10人のうち半分が女性役。ドレスもメイクも更に凝ってて面白い。
新キャラも登場し、ハチャメチャでてんやわんやな騒動はパワーアップ。
今回は肉食系なテイストが強く、そこかしこでイチャイチャと情事にふけていたりw。
展開はドタバタだが、描かれている内容はしごく真面目で真摯なものだったと思う。
ひとつにはロシア革命という歴史的背景。キーマンともいうべきヴェロニカが、のっけから壮絶な回想を歌い上げて、シリアスな気分へと誘う。
お葉という不気味なお手伝いの存在が、全体を引っ掻き回し、第1弾で引き摺ったカールとローズマリーの関係にどう作用するのかも見どころ。ロージィの父の再登場も重要だ。
ひと目惚れに恋心に愛情、欲望と嫉妬と憎しみ。人を想う気持ちだけは真面目に切々と描いているので、観終わった後は小さな爽快感と温かさが味わえそう。

楽曲や歌はどれも美しく鮮やかで、ロシア風な凛としたリズムは胸に染みる。
今回は歌唱力のあるキャストを投入。美しいメイクが映える岡田浩暉の張りのある歌声は、セクシーに力強く響き渡って場をうならせる。『テニミュ』で名の知れた清水良太郎は、誠実な歌声で魅せる。
マリアさんの歌にもますます磨きがかかる。マリアさんと岡田さんのエレガントなデュエット「アナスタシア」は圧巻! マリアさんのラストの恋歌はムーディーに纏めあげた。
藤原祐規はフライングで歌い難そう。KENNと米原幸佑のダブルハーモニーは切なげでキュート、もちろん名曲「愛は罪を超えて」は客席を通り抜けるほど激しくて笑いどころたっぷりw。

津田健次郎がロングドレスで繰り出すアクションがスゴかったw。痩せてるKENNと比べて、米原幸佑(RUN&GUN)がますます骨太で筋肉質に見えたw。でも今回のローズマリーは大人しくて、やけに可愛く見えてしまうw。
日替わりゲスト出演以来の永山たかしは胡散臭さいっぱいw。お葉はブリっ子な動作も喋り方もどうもウザくてシツコイ。
問題は、酒井敏也や小林健一までが恋騒動に加わるキモさかなw。

ステージ上の自転車乗りが皆さん器用。
通路を使った演出も健在だが、お客にダイビングするアドリブも快調w。
休憩後半から二幕冒頭のコバーケン・ステージにはやや飽き^^;。ヤられるお客さんはイイ思い出に、みてるお客さんは他人事だけに笑うだけw。まぁでも眠気を防ぐ“カツ”にはなりそうだ。
今回はマッパーマンに釣られ、清水良太郎までツツツと登場。福山雅治な顔でお客さんに詰め寄っていたw。

マリアさんの歌と全員によるラストダンスは、優雅でショービズのようだった。
チームワークと歌の力に満足して、カテコの拍手を贈っていた。

本日ソワレは、エレガントな装いを推奨するドレスアップデー。
お洒落して劇場に足を運んだが、たまにはパーティー気分を味わう日もイイもんだ。
明日ソワレのカジュアルデーも観劇予定。
D-BOYS STAGE 9th『検察側の証人~麻布広尾町殺人事件~』初日を観てきた。

昭和初期、東京。相反する二人の新米弁護士が、殺人容疑の男とその妻に関わったことから、法廷で無罪を実証しようとする話。
アガサ・クリスティーの同名戯曲を大胆に翻案。
D-BOYSには初の女性演出家・鈴木裕美を迎え、D-BOYS STAGEが新たな可能性と更なる高みへ挑戦する。

法廷ミステリーなので、核心に触れた感想は控える。
パンフも観劇後の開封をお願いしている。

セリフや声が“命”の舞台だった。
言葉が聞き取れるか。思いが響いてくるか。心に残っていくか。
ぶっちゃけ後方席でも2階席でも、台詞が届いてくるのなら構わない。
ただ、初日は7割ぐらいの出来。
更なるブラッシュアップ、スキルアップが必要だろう。

キャラクターの持ち味や魅力が楽しめる。法廷シーンの衣装も見どころ。
ダテ組、もとい、D☆DATEの4人は適材適所。瀬戸康史は黒髪とオデコが可愛い。五十嵐隼士はめきめきと存在感が増す。荒木宏文はイイ意味で一匹狼。初舞台の堀井新太は最初は硬さが目立つが徐々に馴染む。
柳下大は集大成感が出た旨味のある芝居。橋本汰斗はキッチリとこなす勉強家。演出家なら二人をぜひ起用したいと思うだろう。汰斗はそのままの格好で、隣の円形劇場の『少年探偵団』に出ても似合うと思ったw。
個性的な客演の方々も舞台を盛り上げ支えて素晴らしい。馬渕英俚可は着こなしも素敵だった。

全体的に、水っぽさがある雰囲気だった。法廷シーンはもう少し乾いた感じでもよかったかな。
ラストはまさにアガサ・クリスティーのテイストたっぷり。
一度観ても、二度三度と楽しめそうな舞台だと思う。

カテコは2回。初日挨拶の瀬戸くんは「より高みを目指して」をリピートw。
山田悠介、牧田哲也が観劇にきていた。
次はもう少し前のほうで観劇できそう。

山田の『トラベルモード』など、チラシ束前半の舞台は殆ど観劇予定だなw。汰斗は『ベーカリー』に続き『ALTAR BOYZ』出演と目覚しい。
アミューズ舞台『Mystic Topaz』を観てきた。

昨年の『BLACK PEARL』に続く【宝石シリーズ】第2弾。
震災の影響で4月の上演が延期され、夏の『PINOCCHIO』の後に、会場を変更して上演となったもの。
4月のチケットは払戻し、新たに取ったものはもう少し前のほうの席になったのでよかった。
物販グッズのパンフはトートバッグと抱き合わせ商法なのが困るけどね^^;。

手にした者の願いを叶えるという幻の宝石「ミスティックトパーズ」。その闇取引の場所に、知らずに現れた部外者の青年が、クセのある人物たちの騒動にどんどん巻き込まれていく話。
「ミスティックトパーズ」は別名レインボートパーズとも言われているそうな。
7色のとおり、アミューズの若手俳優7人による、ワンシチュエーション・コメディー。

軽快なノリにベタな伏線が配されるが、じんと心に響くセリフが散りばめられていて、脚本・小峯裕介の力を感じる。
私が気に入ったのは「望みはめぐりめぐってきっと叶えられる」。時空を超えた生きる重みを感じさせる言葉だった。観る人によって、印象に残る台詞やシーンは変わってくるだろう。
及川拓郎の演出は手堅く、俳優の個性的な役作りが光る、スピーディーでコミカルでハートウォーミングな舞台として楽しめた。

主人公の平間壮一は殆ど出ずっぱり、総受け総ツッコミをテンポよくこなす。達者な演技力で、“普通”ならではの魅力と存在感を発揮していた。
キーマンの植原卓也は、ユニークな老店主を最後までやり通し、またもや変幻自在ぶりを知らしめた。彼はいったいいくつ引き出しがあってどこまで昇っていくのか。“ミスティック”とはまさにたっくんのこと。ずっと見守っていきたい。
栁澤貴彦は味のある幹部を熱演し、芝居の上手さが際立つ。以前よりも凛々しい変化が見られる。
水田航生は前半はハチャメチャ感があったが、後半はおとなしく纏まっちゃった。役的に飛べなかったのが惜しい。
桜田通は今回ものびのびと楽しそうだが、注目させるオーラを持ってる。割と低めで明瞭な声が良く、まだまだ開拓して欲しい。

今回の舞台でようやく認識した二人が、加藤潤一と吉沢亮。
長身で深みのある声の加藤くんは、野性の持ち味が良かった。あまりいないタイプなので、渋くセクシーな役もやらせたい。
高校生の吉沢くんはちょっぴり硬さを感じたが、経験を積みながら色々挑戦してもらいたい。

アミュっ子の魅力と成長を認識しながら、誰でも何度でも楽しめる舞台だと思った。
最後の挨拶は壮一くん。でも隣のたっくんにバトンを渡しちゃうw。通くんはハットが気になってすぐラインナップ体勢に入れず笑いを誘った。

開演1分前に会場に入ってきたのが三浦春馬くん。客席がざわついていたな~。
帰宅後、テレビから『君に届け』の宣伝で春馬くんが出ていた。春馬デーかw。
年末は恒例のハンサムライブに一日だけ参加予定。
来年3月4月の『海盗セブン』も取れてしまったので、早速新しい手帳に記入。

明日はD-BOYS Stage『検察側の証人』観劇予定。次はDボっ子だw。
彩の国シェイクスピア・シリーズ第24弾『アントニーとクレオパトラ』を観てきた。

ローマの英雄アントニーが、エジプトの女王クレオパトラに身も心も捧げ翻弄され、やがて共に破滅への道を歩む姿を描く、シェイクスピア戯曲。
主役のアントニー役は吉田鋼太郎。吉田さんの劇団AUNで一昨年『アントニーとクレオパトラ』を観たが(吉田さんは演出でアントニー役)、今回の蜷川幸雄の演出だと、同じ戯曲でも丸っきり印象が違う。

シンプルな中に豪華絢爛で、史実の物語も分り易く展開し、登場人物がとてつもなく人間臭い。
役者全員が腹の底から声を張り上げ、ステージや客席を動いて動いて駆けずり回り、男女問わず肉と肉とがぶつかり合う。
彫像や壁絵を組み替えることでローマとエジプトをひっきりなしに入れ替え、剣や肉の効果音のみで余計な音楽も入れない。
キャストもスタッフも全身全霊で取り組む疾走感で、エネルギッシュで力強い舞台となっていた。

ただし中味は殆ど昼メロw。先の戯曲『ジュリアス・シーザー』では青年政治家だったアントニーが、ここでは国も妻もほったらかしにして美女の色香に迷う中年のダメ男になっている。クレオパトラは純粋だが嫉妬深く、高慢でしたたかな女盛り。そんな二人が純愛に身を投じようとする様子は、まさに中年版『ロミオとジュリエット』。二人の末路を知れば悲劇になるハズだが、舞台上で彼らが繰り広げる話は喜劇にしか映らないから困る。
観劇中、何度か笑いが込み上げ、シリアスな場面では笑いを押し殺すのに必死だったw。お客さんの中に笑い上戸の方がいらしたが、そんな笑いさえ伝染する。役者が真剣に真面目に芝居をすればするほど、可笑しさが増幅されてしまうw。
政治と恋愛、妻と愛人の板挟みでアタフタし没落する中年男の姿とはこんなにも滑稽で可愛いものか。吉田鋼太郎さんの切々とした感情表現や掠れた声も哀れを誘い、熱演に圧倒される。
対して安蘭けいのクレオパトラは、スレンダーな肢体を宝石を散りばめた豪華な衣装で身を包み、裾から足を投げ出す振る舞いで男を欲情させる。だが匂い立つような芳香ではなく、中性的で颯爽とした魅力を押し出す。
時に少年のように時に熟女のように、アントニーの心を繋ぎ止めようとするクレオパトラ。今回は最前席真ん中だったので、目の前で二人がイチャイチャ絡まる場面を見る度に可笑しさが込み上げた。大人の男女のふざけ合いほど笑えるものはない。二人の関係性は男女逆転のようにも見えた。アントニーがジュリエットってことかな。

池内博之のオクタヴィアス・シーザーは、浅黒い肌がセクシーで精悍で格好良い。ただ姉オクテーヴィアへのシスコンぶりを見ると笑える。
橋本じゅんのイノバーバスは、最初は一兵卒な雰囲気ですぐに気づかず。クセのあるパワフルな演技で、道化師的な役回りで前半を牽引。注射針が折れてしまいそうな太い腕に注目したが、どことなく吉田さんと重なる部分もある。女を取ったアントニーに反して国を取ったイノバーバス。結果的にどちらも破滅したというのも皮肉である。
シャーミアンの熊谷真実、オクテーヴィアの中川安奈もいい女優だが、今回は徹底した脇役なのであまり光が当てられない。

しかし舞台上では別の色香が漂っていたのは見逃せない。序盤の占い師の場面に出てきた真っ裸の天使、ポンペイの船の宴の時に出てきた少年歌手。どちらも声は出さないが、まさしく美少年の色気がじんわりw。
シェイクスピア時代は男優のみの劇だったので、クレオパトラの役も当然男性が演じてたと思うが、その部分を補う意味でも物語にはたくさんの美少年や若い兵士や召使いを用意してくれた。賢く凛々しいローマ兵、従順でセクシーなエジプト人。キャスティングされた男優しかり、観客は二重の隠れた楽しみを味わえると共に、アントニーの側近や従者にも思いを馳せる。

アントニーの重臣イノバーバスは、報われぬ愛が募って憎しみと化し逃げるように去った。だが寛大で潔いアントニーの思いを知り、憎みきれずに思いを抱いたまま頓死したのだ。なんと哀れなこと。
極めつけは臣下エロース。クレオパトラの後を追おうとエロースに介錯を頼むアントニーだが、「できません」と泣いてすがるように断るエロース。涙でくしゃくしゃになった彼の顔からは、アントニーへのひたむきな思慕と情愛が見てとれる。愛する人の死んでいく姿は見たくないと、先に逝ってしまうエロース。なんといじらしいこと。そのエロースの後を追うように剣で己を突き刺すアントニーにもビックリ。おいおい、それじゃ無理心中じゃないか!? ロミジュリをこの二人でやってしまうのか!? とこっそりツッコミを入れてしまったがw。それほどまでに濃密な愛の切なさを感じさせる場面だった。アントニーとクレオパトラよりも、アントニーと家来たちのほうがよっぽど深いかもw。

蜷川さんの作品にはたまに印象に残る美少年たちがヒョイと登場する。昨年の田島優成くんしかり。今回も、若い男優陣をひそかにチェックしとこう。古代ローマの英雄たちもこうしたチェックをしていたのだろうか。シェイクスピア時代も、たくさんの男優陣を投入することで、男性だけの愛の世界もいっしょに描こうとしていたのだろうか。

カテコもやりきった感の男優たちが汗も含めて光り輝いていて、女優陣の影が薄くも感じられたり。最後は、吉田さんがお隣の安蘭さんの手を握ったので、安蘭さんがちょっとおどけて笑って、微笑ましい様子を見せてくれた。
最前のため、劇中はドタバタと役者の地響きが凄く、唾もいっぱい飛ぶ感じだった。ステージ上でクネクネと動く蛇も気になったが、席近くに落とされた蛇も気にかかった。いかにもオモチャなのだが、目の前にあるとちょっとイヤンな気分になるw。
舞台『想い出のカルテット ~もう一度唄わせて~』初日を観てきた。

黒柳徹子主演の海外コメディ・シリーズ第25弾。
満員御礼の客席に、本日が初日だと遅まきながら気づいた。
なにしろ今回は電話が繋がり難くて、やっと繋がったのがバスの車内w。
苦労した甲斐あって、前方ド真ん中の席! 役者と目線が合わせ易く、休憩挟んで2時間半、眠気など起き様もないほど集中できた。

引退した音楽家が集まる老人ホームが舞台。かつて「リゴレット」で共演したことがある元オペラ歌手4人が、ホームのガラコンサートで昔の四重奏を歌ってくれと頼まれる話。
イギリスで大ヒットした作品を高橋昌也が演出。昨年の『33の変奏曲』に続き、また音楽絡みのお芝居だ。
劇中登場する『リゴレット』はジュゼッペ・ヴェルディ作曲による全3幕からなるオペラ。もちろん私も含めて知らないお客さん多数なので、別に解説チラシも配布。
下ネタやきわどい台詞もある、ウィットに富んだ大人向けのロマンチック・コメディ。
予想通り4幕あり、4人芝居なので、一人一人の台詞も膨大、出番もいっぱい。演者にとってもハードな舞台であろう。
役者の魅力が光り、和やかな笑いに包まれたあたたかい舞台だった。

登場人物4人は昔は名を馳せたオペラ歌手たち。今は、女好きのムードメーカーオヤジと、男好きで豊満な陽気オバサンと、セクシーで渋いが頑固なロマンスグレーと、好き嫌いが激しくイカれたツンデレオカンに変貌しているw。
黒柳さんがとてもお洒落でチャーミング。メイクや衣装で、昨年よりも若々しく見えてお元気そうだ。
阿知波悟美は溌剌として包容力たっぷり。ついつい豊満な胸に注目しちゃうw。
昨年の今頃は*pnish*の『ウエスタンモード』にご出演だった団時朗。一幕は出ずっぱりだが、台詞も動きも精悍で格好良い。足も長~い。黒柳さんのお相手として頼もしいダンディぶり。
鶴田忍は一番台詞が達者で味のある演技力。お茶目で愉快な魅力を振りまいてくれた。

初日だからか途中で言葉が出てこなかったりやり取りが合わない場面があったが、抜群のアドリブとセンスが発揮され、台本通りなのかそうでないのか観るほうは煙に巻かれる。
なんせ演じてる役者も60過ぎならば、登場人物も痴呆が始まった60過ぎのご老人なのだ。区別のつきようがないw。
4幕で黒柳さんと鶴田さんが杖をもって現れたが、それとて台本通りなのかホントに腰を痛めたのか察せない。
でも最後は杖なしで、颯爽とひとりで舞台に立たれた皆さんの姿が凛々しく思えた。

衣装がとてもステキ。見どころは「リゴレット」の衣装を身につける過程が唐突ではなく、小出しになっていること。ゆっくりとゆっくりと昔の時へ戻っていく様子が微笑ましく、観るほうにも共感を与えてくれる。
「感動させなければ、芸術ではない」という言葉が出てくるが、カテコで黒柳さんが感無量の顔でお辞儀をし投げキッスをする姿を観たら、なんだか涙が込み上げてしまった。芝居だけでなく、舞台の黒柳さんの存在そのものが感動を与えてくれるのだ。
老人たちの力で元気と勇気をもらえる舞台。美しい音楽に包まれて、良き時間を過ごさせていただいた。
舞台『少年探偵団』を観てきた。

江戸川乱歩作品でお馴染み、小林少年を主役とする『少年探偵団』の舞台化。
今年2月に上演された『黄金仮面』から始まった江戸川乱歩シリーズのひとつだが、小林少年役以外、すべて新キャストの新しいテイストで贈る。

人形に扮した宝石泥棒「人形怪盗」が世間を席巻する中、小林少年を団長とした「少年探偵団」が結成され、事件の謎を話し合う。ある日、怪しい男を探偵団の少年たちが尾行したことから、危機一髪の対峙を強いられる小林少年たちの話。

少年探偵団の結束と絆、転校生との友情、学校の先生のほろ苦い思いなどを描いたものかな。キーポイントは「BDバッジ」の登場。
前作から引き続いた、小林少年役の佐藤永典がついに座長。真っ黒な髪と利発な表情がノスタルジーな雰囲気をまとう。前回も思ったが、佐藤くんはセリフが明瞭で演技がしっかりしてるから安心して任せられるのがイイ。
病気の延山信弘に代わって出演した鯨井康介は、年齢的にどうかと思ったが、帽子を被って若々しい役作り。さすが滑らかでメリハリがあり、若手の中で演技はピカイチだ。
D2の阿久津愼太郎と根岸拓哉は、最初は硬いが徐々に爽快感を発揮。少年にしては背が高過ぎるのが難^^;。
岩義人が一番少年らしくて可愛い。平井浩基は静の演技で印象づけた。

前作で明智探偵だった小西遼生が別舞台を抱えており、今回は石倉良信か細見大輔のどちらかが明智をやるのかと当初は思っていた。たぶん石倉さんが刑事役で、細見さんが明智かなと。それも渋くていいかもとw。
でも今作は留守中ということで、石倉さんも細見さんも明智の役ではない。ある意味、ちょっとホッとした。いつか遼生さんの明智が戻ってくることもあり得るしね。
石倉さんは味のある飄々とした芝居がイイが、マジメな言葉を言うとくすぐったくて笑えるw。
細見大輔は、アニメ『C』の男前な声が印象的だが、実に渋くて男前で良い声だったv。小山力也さんや東地宏樹さんを思わせるような、ムードたっぷりのセクシーボイス。声音や芝居も多彩な演技派だ。しかも背が高く格好良く品のある彫りの深い顔。ちょっとドキドキしちゃったw。

中央にジャングルジムのような二階通路の鉄骨を組み、床には白い線を引いた、シンプルでクールな舞台装置。二階は片側だけに支えがあるので、二階の芝居はより緊張感を伴った危険性が生じそう。落ちたら大怪我をしそうだ。
運動神経が達者で集中力もある役者ばかりなのか、階段の昇降も二階も難なくクリアしていたが、ヒヤヒヤしながら見守っていた。
“人形”がキーなので、からくりやネジを思わせる音が抜群の効果。じっと静止する演技も多いが皆さん奮闘していた。
円形劇場なので、観る方向によって芝居の持ち味も変わり、様々な見方が試される舞台でもある。
幸いにもCブロックの最前席で、臨場感のある芝居と共に、重要なシーンの表情や息遣いも拝めてとても観やすかった。細見さんのびっしょり汗をかいた顔も貴重だ。

留守中の明智探偵の分まで頑張っていた小林少年と探偵団。少年がやれることには限界があるが、それでもやれることまでやり通す。それが少年時代の特権なのだろう。
探偵団メインだと、“子どもだまし”な演出に見えることもあったが、子どもはだませないというオチまでついた舞台だったw。
休日なので当日券で入った親子連れもいたようだが、こういう子ども向けの舞台もいいかもしれない。
江戸川乱歩シリーズの公演はまだまだ続きそう。今度こそ明智探偵に帰ってきてもらいたい。
演劇集団円『ウエアハウス -circle-』を観てきた。

「ウエアハウス」とは単純に訳すと「倉庫、問屋」。
劇作家エドワード・オルビーの戯曲『動物園物語』から、鈴木勝秀が変奏を重ねてこれまで八作も創ってきた作品だという。
新たに生まれ変わったこの戯曲を観ようと思ったのは、演劇集団円の“顔”でもある俳優・橋爪功と金田明夫が演じるから。鈴木氏と橋爪さんとの出会いが、前に観た舞台『レインマン』だったというのも縁だ。
ところで、堤真一と大森南朋と小泉今日子による2人芝居『アット・ホーム・アット・ザ・ズー』を観劇したのも、ここシアタートラム。あの時は一番後方だったが、今回は最前席というのも妙である。

取り壊しが決まった教会の地下にある“空間”を舞台に、善良な中年男エトウと初老の男オリベとの徐々に変わっていく関係性を描く。

年を取った男の孤独ややるせなさや絶望が、痛々しいほど生々しく展開されていた。
日常の中でふと生じる非日常。
甘苦しい怖さとゾクゾクするような触れ合いで充満された舞台だった。

前半は“暗唱の会”メンバーを動かして、会の中のエトウの立ち位置や存在感を巧みに知らしめる。
人と深く交わらずテンションやノリもなく、真面目に自分と向き合うエトウ。ただの“イイ人”で終わるはずだった。体に負った小さな傷も絆創膏でごまかせておけるハズだった。だが、その絆創膏を剥がし、傷口に塩を塗りたぐり傷口を広げて化膿させ、更に手ひどい傷をつけようとする“ワルイ人”が立ちはだかる。
自分の根本のことは話さず、相手のことを根ほり歯ほり訊ねてくる話術とはこういうものかと、悪徳商法の手口を垣間見た。
私ならこういう風に切り抜けてこういう言葉で誤魔化すだろうと見守るが、“イイ人”は逆の方向へ流され術中にどんどんハマっていく。観ていてイライラさせる人。“ワルイ人”にノせられる“イイ人”も実は“ワルイ人”なのかもしれん。

橋爪功と金田明夫が、攻めと受けを鮮やかに演じていて面白い。
人の好さそうな笑顔を振りまく一方で辺りを丹念に伺う橋爪さんは、いかにも胡散臭い存在。黒いポロシャツとズボンで、思ったよりもよく動き回り、獲物に的を絞ると粘り強く時に激しく喰らい付いていく。
人当たりのいい受け答えですぐ頭を下げ、なかなか怒らず反発せず我慢する金田さんは、昔の典型的な日本人、良心の鏡みたいな存在だろう。生成りのジャケットにダボダボのズボンで、言葉や動きを受け止めては翻弄される。
狼が羊に一度だけ牙を見せる刹那は、演者にとっても観客にとっても、至福の狂気かもしれない。
エトウを追いつめるオリベ。エトウに触れるオリベ。エトウを挑発するオリベ。エトウに迫るオリベ。『兄帰る』の幸介にも似た色香を感じるが、相手が女ではなく男だということに、更なる芳香をそそられる。

ステージ上の四角の周り舞台が、逆三角形や長方形と形を変え、喜怒哀楽の情景を転がしていく。
オリベからエトウへ、受けつがれていく“孤独”と“闇”と“救い”。まるで“輪廻”のような舞台空間。
「circle」とは暗唱会サークルであり、輪であり、孤独な者が唯一思いを発せられる“センターサークル”の意味でもあったか。
そのサークルを断ち切ろうとする職員役の佐藤銀平も充分、橋爪さんの後を継げる胡散臭さだったw。

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