舞台『朱雀家の滅亡』を観てきた。

「【美×劇】-滅びゆくものに託した美意識-」と題したシーズンテーマの第1弾。
三島由紀夫の原作。『サド侯爵夫人』と一緒の文庫本も販売されている。
演出は演劇芸術監督の宮田慶子。
太平洋戦争末期のある華族の滅亡を描く三島氏晩年の名作。

「国家」や「天皇」へ盲目的に忠誠心を捧げる男。その父を尊敬し、お喋りな叔父を侮蔑し、志願兵として死地に赴く長男。朱雀経隆に朱雀経広と「経」の字が継承されるも、息子のほうは「ひろさん」と呼ばれているのが面白い。
経広を危険の少ない内地勤務にさせようとする女中おれいの強引なやり方は、現代の働く女性の感性に似ている。そんな彼女を卑劣だと激しく罵倒する経広の姿は、今時の10代の若者の反抗とソックリではないか。
経広の婚約者璃津子は、出生前に何とか結婚しようとひとり祝言の杯をあけるが、現実的で感情的な現代の少女とも重なる。彼女からの申し出をむべなく断る経広の姿に、本当は璃津子を愛してなかったのではと思わせる。

自分のため、朱雀家の跡継ぎのため、朱雀家の存続のために誠心誠意で生身をさらけだす女たち。
女は本能的に種の存続を考える生き物なのだ。
対して、国のため、天皇のため、朱雀家の名誉と誇りのために誠心誠意で生身をなげだす男たち。
男は本能的に崩壊を賛美する生き物なのかもしれない。
だから「戦争」を起し人を「殺す」。いかに潔く、いかに誇らしく、いかに美しい「死」であったのかが大切なのだろう。
死んだらみんな同じような骸なのに。たったの紙きれ一枚になってしまうのに。
天皇のために…というが、天皇は戦争でひとりも息子を失っていない、というリアルな言葉がかえって空々しく感じられた。

張り出し舞台にリビングを置いた広々とした舞台空間に、出演者は5人のみ。
段差のある正面席だったが、たまに舞台前方に役者が座ると、前の人が重なって見え難くなることもある。
舞台と客席はそれ程離れていないのに、役者の声が聴き取り難いこともしばしば^^;。モノローグに近い國村隼の台詞が特に聴き取れない。美しい佇まいで動きの少ない朱雀侯爵の声が伝わってこないと、余計芝居の根幹が分らなくなる。まるで客席の庶民と舞台の華族の間の越えられない隔たりを表しているかのようだった。
後半でお客様のひとりがもの凄く咳き込み、これがなかなか止まらない。まるで劇中の台詞を邪魔しているようなシツコサと煩さだった。

香寿たつきは一幕と二幕で趣がガラリと変わるが、濃厚な演技が少々癇にさわる。
近藤芳正は一番庶民の感覚に近いムードメーカーな存在。
柴本幸は芯の強い演技が上手く、ラストの美しい装束が見どころか。
木村了は坊主頭が初々しく、思ったより小柄に見えた。姿勢や台詞の発し方に稽古の成果が現れていて好ましい。

「日本的なる美」の世界観を追求した作品だが、肝心の台詞を存分に堪能できなかった空間が残念である。
「美」は時に睡魔ももたらすらしく、私を含めてトロトロしてたお客さんも少なくなかったw。
映画『探偵はBARにいる』を札幌で観てきた。

舞台は札幌・ススキノ。行きつけのBARで仕事の電話を受ける探偵が、“コンドウキョウコ”と名乗る謎の女からの依頼を受けたことから、相棒兼運転手の高田と共に、最低サイアクの事件に次々と巻き込まれていく。

原作は未読だが、札幌で今最も読まれているらしい「ススキノ探偵シリーズ」。
この映画を、札幌の映画館で観ることに意味がある。
初秋と真冬の違いはあるが、「あの場所だ!」というようなシーンがいっぱい出てくる。
映画を見た後、そのまま街に繰り出せるから嬉しいw。自ずと作品への思い入れがわく。

俺“探偵”は、大泉洋。映画『もしドラ』クランクアップの翌日からこっちの撮影に入ったのかな?
大泉さんの上半身裸を見てビックリ。腹筋が割れている逞しい体に、思わず目が釘付けv。ただのコメディ野郎とは違う。アクションや殴られ役も果敢にこなし、ヒョイと見せるシリアスな表情がふとカッコよく見えちゃうw。
“相棒”高田の松田龍平は、ユニークなクールガイ。大泉さんとのコンビも絶妙。ただ今回は“探偵”の単独暴走が目立っていて、まだバディものとまではいかない。
鮮烈な二面性の魅力を出した小雪、切なげな北の母の竹下景子が印象的。高嶋政伸の大胆な怪演には驚かされた。

“俺”探偵のナレーションが愉快痛快なのだから、探偵の見ていないシーンは出来る限り省いて欲しかった。殺す場面なんて特に入れなくても、探偵の視点からで充分だろう。ヘンにクドくてお節介なカットがあるのが残念だ。
斜めになったり横になったりとカメラワークが緻密で妙。
二人のグリーンの愛車が、ツンデレなもうひとりの相棒みたいでカワイイ。

映画第二弾も作られるようだ。今度はどんな場所が出てくるのかな。

探偵がいそうなススキノの店をめぐるスタンプラリーも実施中。
そのうちの1店に、住所を頼りに行ってきて、「BAR KELLER OHATA」の名刺を貰ってきた。
その店が偶然にも、アニメイト札幌店とマックの向かいにある分かりやすさ。イケメンなスタッフもおいでだったし、また札幌に行った時に寄りたいな。
「ケラーオオハタ」の店内はセットだが、看板が立っていたのは南6西3の路地らしい。
劇団岸野組『石松と土佐のよばれたれ~森の石松外伝~』千秋楽を観てきた。

ロビーはさすがに混み合って賑やか。
観易いお席で、最前列よりも美味しいかもしれない。
一昨日といい、今回も関さんの視線がチョコチョコ感じられる場所だったv。

喜劇には特に必要だが、役者の間の取り方や掛け合いは抜群だ。
よくまあ毎回ピタリと合わさってくると思う。目立ったミスやオチもなくてほぼ完璧。
初見の人も多く、今回も笑いがいっぱい起こった。

昨日の『ペリクリーズ』の地図ではないが、今回の再演では四国の地図が掲げられているのが嬉しい。物語の理解に役立つし、地名も場所も頭にスンナリ入ってくる。

若侍が目を輝かせながら、石松に世界を語り、夢を語り、未来を語っていく場面がとても好きだ。5年前に観た時よりも、彼の考えや意志が柔軟に受け止められ、温かいものが込み上げてくるのを感じた。
関俊彦さんの演技に更なる深みと濃くが出て、明瞭に伝わってきたのか。それとも、大河ドラマを経て、私の意識が少し変化を遂げたのか。再演の良いところは、年月を経て成長した人の心に、新たに感じ取れるものがあるということだ。

岸野組の千秋楽は、役者の紹介と挨拶がないのがちょっと残念。せめて岸野幸正さんに客演の3人の紹介だけでもして頂きたかった。
全員のお辞儀の時に関さんと丁度直線の位置で、頭を下げてる関さんの両手ばかり見つめていたw。
終演後、劇団員がお見送り。またまた色男の大倉正章さんと握手v。私の顔だけは覚えて頂けたかな?

関さんの土佐弁も聞きたいし、関さんの殺陣ももう少し観たいし、『よばれたれ』の第二弾か続編をいつか観たいものだ。京都を舞台に30代になった“よばちゃん”が、女連れの石松とひょっこり再会する話とかをね。
芸術劇場小ホールとかでやって頂きたいが、芸劇は現在改修工事中。来年いっぱいまでムリそうだ。
関さんの次の舞台は11月のDC公演『きらら浮世伝』。その前に、てらそまさんの舞台『兄帰る』へのトークショーゲストが控える。

ところで、関俊彦さん(アニメ)、昨日の柄谷吾史さん(Axle)、本日千秋楽の『愛が殺せとささやいた』の鈴木拡樹さん(歌劇伝)と、『最遊記』の玄奘三蔵を演じた三人が、時を同じくして其々舞台出演をしていることが、ちょいと面白いなと思う。

明日からちょっこし北海道へ。
愛さんが行きたかった北海道。龍馬が憧れた北海道。DCメンバーと憩った北海道。
札幌でお見舞いを済ませて、すぐ東京へ帰ってくる予定。
夜から、『牙狼<GARO>~MAKAISENKI~』初日舞台挨拶へ行ってきた。

10月からテレビ放送される作品だが、その先がけ上映の舞台挨拶。
ミュージカル『ドラキュラ』以来の小西遼生さんがお目当て。
遼生さん@冴島鋼牙が映ったクリアファイルも売ってたので買った。

登壇者は、雨宮慶太監督、小西遼生、肘井美佳。プレゼンターで黄金騎士ガロ。
鋼牙な遼生さん、久しぶりに見る白いコートに指輪と剣を携えて凛々しいこと。
鋼牙としてひとこと「ただいま!」。

上映前の挨拶なのでネタバレできない辛さはあるが、前回の牙狼からを踏まえたコメント。
「時間経過があって、時間の流れを感じる関係になっている」と遼生さん。肘井さんも「今回は、見えないけど見えるもの」と絆の深さを感じさせる。
雨宮監督からは「大先生あっての牙狼ですから」「お互いが相手のやってるキャラが大好き」。

今回の拘りや見逃せないところなど。
雨宮監督は「1話完結の面白さは変わっていない」「2回見た時印象が変わるように仕掛けた」「基本的に死んでない人を後半に続々登場させた」など。そして「1話2話は大先生が吹替えなしでアクションやってる(アザ作りながら)」と煽ること。
遼生さんも「いつの間にか大所帯で、懐かしいメンバーと再会できて嬉しい」。
肘井さんも「私が初めて会う人もいて、イイ緊張感が流れてよかった」。
前が子どもでだんだん青年になり女性になったと、二人のことを言う雨宮監督について、キャストからひと言ずつ。肘井さんは父の日に書けなかったことを今言うからと、あれこれ賞賛するが「心の雪どけ…みたいな」「纏めると、イイ人です」(笑)と簡潔w。「雨宮監督に育ててもらっている感覚」と言う遼生さんは「アメミヤイズムをもっているので」と堂々宣言。

サイン入りポスターの抽選会。刀を振上げてポーズするガロ。大先生が引いて当たったのは男性二人。男性客も多かったな。
最後に三人からひと言ずつメッセージが述べられて終了した。


本編1話~3話を上映。10/8(土)からは4話~6話を上映。

元老院付き魔戒騎士となった、ガロの称号を持つ冴島鋼牙。
謎の赤い仮面の男による破滅の刻印。現れた若き魔戒法師レオ。新たなる戦いの幕開け。

第1話のゲストは竹中直人。濃いキャラクターと凄まじい存在感。
第2話のゲストは広田レオナ。妖艶で不気味な存在。
第3話では零との再会。舞台『愛が殺せとささやいた。』の藤田玲が浮かんだ。

CGもスゴイが、アクションもスピードと迫力があってカッコイー。鋼牙のニヒルな魅力に釘付けv。
りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ 第七弾『ペリクリーズ ~船上の宴~』東京公演昼&夜と二回観てきた。

和の精神・手法を使い、シェイクスピア作品に新たな命を吹き込むりゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ。
新潟りゅーとぴあオリジナル企画で、海外でも高い評価を得てきたようだが、こういうシリーズの舞台があったことを私は初めて知った。
今回はシェイクスピア後期のロマンス劇『ペリクリーズ』。Axleや劇団ひまわりのゲストを3名迎えたことで、東京での公演も実現。新潟まではとても行けないので嬉しいことだ。
演出家、栗田芳宏曰く、「シェイクスピア最大の収穫祭!」だという。

タイアの若き領主ペリクリーズが、アンタイオケからの逃亡地ペンタポリスで王女タイーサと結婚、海上で姫マリーナを授かるが、過酷な運命が彼らを待ち受けていたという物語。
ペリクリーズの波乱万丈な人生を、中世の詩人ガワーが物語るという趣向。

会場はお初の能楽学院会館。選択できたので、観劇はやはり正面席を選んだ。
能舞台と同様、舞台には大道具や小道具類を置かないシンプルな床面。
揚幕から橋掛りをゆっくり渡り歩いた役者全10人が、終始舞台脇に控え、和楽器を演奏したり鳴らしたり、役を演じたりとナマのドラマが作られる。ゲスト3人以外の役者は、小物類を駆使して2役以上の兼ね役を演じるのも興味深い。

難しいシェイクスピア作品を、和風(モンゴル風)にアレンジされていて、とても異色なテイストだった。
衣装や鬘や小物がとても凝っていて美しいこと。男性陣の髪型はどこまでが地毛なのだろう?
役者の皆さんも達者な芝居で、喋り方が綺麗で聴き取り易く、立ち姿や動きや所作のひとつひとつも美しい。
能を鑑賞するように、静かにじっくりと味わうことができるシェイクスピア。
ただ、展開の起伏があまりなく、ジョン・ガワー役の栗田芳宏が中盤まで語り手として物語を転がしていくので、少々退屈な時もある。お目当ての柄谷さんが、中盤からしばらく下手に引っ込んでしまうのも集中力を削ぐ要因だろう。
たまにウトウトしそうになることもあったが^^;、お隣の男性なぞ寝息を立ててたり、前の女性は首が完全に横になってたりで、眠くなったのは私だけではなかったようだw。

タイトルロールのペリクリーズ役は、Axleの“看板俳優”柄谷吾史。情熱的で思考力も行動力もある若者から、世捨て人として哀れな壮年までを、凛々しく逞しく表情豊かに熱演する。踊りも男らしく力強くて、張りのあるバリトンの台詞が心地良い。お髭の顔は落ち着きが引き出され、中国風の衣装がとても似合っていた。Axle公演では女性との絡みがなかったので、妻とのラブシーンにはちょっぴり妬けそうになったりw。娘を抱き締めるシーンでは、父親としての慈愛に満ちて深みがあった。
同じくAxleの“若手俳優”西村大輔は、役での出番は思ったよりは少ない。ライシマカスとして誠実で潔い演技を見せたが、いつもの愉快な大輔味ではなく、普通のイケメンになっていたw。
劇団ひまわりの田上真理奈が、愛らしくも芯の強いマリーナ役を好演。

栗田芳宏は演出家としてだけでなく、役者として小物を交えながら7役も兼ねていて驚かされる。舞台前の6個のトンガリ布を次々と取り、中の冠や帽子を身につける動作も滑らかだ。声音や表情までキッチリと変えていくのもスゴイ。
山賀晴代、氷宝千晶の女性陣も、気高さと品の良さを表現しながら役をこなし、とてもお綺麗だった。

舞台正面と右手側面のカーテンに、ペリクリーズの旅路の地図が掛かって、物語導入として役に立つ。
シリア、パレスチナ、エジプト、トルコ…。イスラムな空気を、東洋の風が吹きぬけるような舞台だった。
終着点はエフェソス。昔、その地を旅したときのことが思い出され、懐かしさが込み上げた。祝福の地であることを有難く思った。
カテコは、全キャストが下手からゆっくりと出てきて、斜めに並んで座って手をついて丁寧にお辞儀。2回繰り返され、とても優雅に見えた。

これまでも『マクベス』『リア王』『ハムレット』などが上演されてきたシェイクスピアシリーズ。
『十二夜』や『じゃじゃ馬馴らし』の喜劇が、ここではどのようにアレンジされるのか少々興味がわいた。
会場も便がいいし、出演者次第でまた別の作品を観劇したくなりそうだ。

アクサルサービスで、柄谷さんのサイン入り写真3種類を頂戴した。出演者への応援メッセージも送らせて頂いた。
吉谷さんらメンバーのお姿もあったが、Axle本公演も待ちたい。

終演後はすっかり夜に包まれて、東中野から新宿へ。
映画『僕たちは世界を変えることが出来ない』&初日舞台挨拶へ行ってきた。

お初のスバル座は上品な映画館で便がイイ。
実質一番前のような座席で、登壇者を観易かった。

上演前に舞台挨拶。
登壇者は、向井理(田中甲太役)松坂桃李(本田充役)柄本佑(芝山匡史役)窪田正孝(矢野雅之役)。
『ゲゲゲの女房』トリオ再び(笑)。窪田くんと桃李くんが同い年というのも初めて知った。ぶっちゃけ、舞台『薄桜鬼』以来の窪田くんがお目当てだったりw。
本日最後の舞台挨拶。ネタバレは出来ないが、マスコミもいないのでフリートークな雰囲気。

観終わった後の反応や感想。「心に刺さるエネルギーをもった映画で、たくさんの人に伝わればいいなと自信が持てました」と向井さんは達者な弁舌。「人に伝えることってこういうことかと、この仕事を通して色々伝えたいと思いました」とややはにかんだ口調の桃李くん。「特殊な撮影で繋げるとどうなるかと思ったが納得。活劇という印象がありました」と分り難い表現の佑さんに、「わかりにくい!」と向井さんがツッコミw。佑さんの後は答えにくいという窪田くんは「カンボジアで五感すべてを使って観たそのまんまをカメラに納めた。葉田さんの一人の人として刺激を貰いました」と自分の言葉で真摯に語る。

カンボジアで出会った印象的な人は、みんな声を揃えて「ガイドのブティさん」。原作者・葉田甲太さんのガイドでもあった方。いつも身近にいて、真面目な方で、友情も芽生えたという。
プールで一緒に遊んだり潜水もしたり。佑さんはクモの唐揚げ、窪塚くんはカエルの足とアリを食べたという話。桃李くんはひとりだけ朝焼けを見て感動したという。
最後に向井さんからメッセージ。「たくさんの年月と人の力を借りてここまで来れました」「ここに来れなかったスタッフや映ってない人の代表で僕たちは来ています」「映画のメッセージを感じ取ってまたバトンタッチしていける、成長できる映画だと思います」と語った。
最後にみんながお辞儀をする時、帽子を取って深々と頭を下げていた窪田くん。

面白発言でムードメーカーの佑さんに、絶妙にツッコミをする年長の向井さん。その様子を笑って見守る、おとなしめな窪田くんと控えめな桃李くんという図。こんなに可愛らしい窪田くんと桃李くんを観たのははじめてだw。


映画本編上映。2時間6分。

東京編は、ゲゲゲトリオのパラパラとか、パンツで抱き合うとか、結構笑える場面もあり。
桃李くんが一番役とギャップがあった。

カンボジア編はドキュメンタリータッチ。役を通しての自然な表情や反応がリアルで共鳴できる。
ポル・ポト政権時代の黒歴史には、画面を通して観てるほうにも痛く辛いものが突き刺さる。
カンボジアの子どもたちの笑顔がホントに素晴らしい。自ずと熱いものが込み上げてくる。
ブティさん、あの男の子、ネアリーさん…。たくさんの人たちの表情が脳裏にこびりつく。

歌はいいねぇ。
子どもたちが唄ってくれた歌。矢野たちが歌う「青空」。
主題歌の「歩み」は、自分のハンドルネームとも重なって、聞くだけで涙が出てきそうになった。

「できない。」……でも、自分たちが変わることはできる。
ずっと先まで何かを追いかけられる、その一歩になれる作品だと思った。


今日は朝から夜まで怒涛のコース。
時間との勝負で、せわしなく大変だったが、何とか予定通り達成。こういう慌ただしいのはもう懲り懲りだ。
でも、一日でゴーカイレッド&シンケンレッド&モモタロスを拝めたのは楽しかった(^o^)。
午後から、劇団岸野組『石松と土佐のよばれたれ~森の石松外伝~』マチネを観てきた。

もしかして間に合わないかもと思ったが、何とか無事に到着。
今回は最前列の真ん中。開演に遅刻したら目立ってしまうところだ。

四国の山奥で、謎の忍びに襲われている娘と護衛する姉弟と出会った森の石松。助っ人代わりに一緒に旅をするうち、彼らのお役目と忍びの正体が判明していくも、思いも寄らない闘いに巻き込まれていく。

本来なら観世佳男の新作上演となるハズが、震災の影響で、岸野組で人気だった作品の再演とあいなった。
岸野組レパートリーの中では、前向きで後味も抜群のこの作品。
座長・岸野幸正の石松、客演の関俊彦の若侍、大倉正章ら座員の役は前回と同じ。新たに三石琴乃、福圓美里のゲストを迎え、新鮮味もプラスされている。

相変わらず岸野組らしい、ぬる~い笑いとお約束がいっぱいのゆるい展開。
初見の人が多かったのか結構笑いも起こり、わかっていてもクスリとさせる。
強引な手法ながら、爽やかであったかい気持ちに包まれる喜劇であった。

関俊彦さんを見た途端、あ~歳を取ったなぁとちょっと思ったり^^;。おデコを出した鬘のせいかな。タオルを詰め込んだのかお腹のあたりもフックラ。やはり今の関さんには、二十歳頃の若侍役はツライかな?などと。
でもね。関さんの声は青年のように若々しい。関さんの表情もクルクル変わって楽しい。気難しい顔より、笑ってる関さんの顔はとても爽やかだ。
夢見るように世界のことを熱く語っていく“よばちゃん”は、少年のようにみずみずしく凛々しく見えたv。先日観た『新・幕末純情伝』にあった似たようなシーンとも重なった。あちらの舞台では、14までじゃなくホントは13なんですよ、と言っていたw。
岸野さんと関さんとのシンクロ率が前よりパワーアップしていたw。二人の息の合った動きと表情も見どころのひとつ。

よばちゃんのお姉さん役が三石琴乃。『サイバーフォーミュラナイト』でも言ってたが、アスカと加賀の姉弟なんて最強!(笑)三石さん、ハキハキした爽快なセリフと軽快な身のこなしとキュートな表情で、演技がとても上手い。
福圓美里さんはとても可愛らしく柔軟に好演している。
奥戸裕子、山路清子、志賀克也、大倉正章らお馴染みのメンバーも楽しい。八百八狸のダンスもBGMも全然変わってないようだw。

お金をかけてのスピードとパワーが席巻する舞台が多い中、こういうまったりした和やかな舞台は貴重。
パンフはモノクロだが500円という安さも嬉しい。
千秋楽にもう一度観劇予定。

銀座から有楽町へ。夕方までマックで過ごした。
朝から、海賊戦隊ゴーカイジャーショー シリーズ第3弾『海賊戦隊ゴーカイジャー 海賊パワー炸裂!宝島大決戦!!』に行ってきた。

入口でゴーカイレッドと握手とハグ。前よりは写真も撮れた。
早めに取ったので、2列目の通路側。次からはこんな席は取れないだろう。

ナビゲートのナビィ、ナレーションの関智一は同じ。ザンギャックもTVと同じ声?
ゴーカイジャーたち6人の声はソックリだが違う。11月からは素顔の戦士たちの声に替わるのだろうか?
いきなりゴーカイジャー5人がスライダーで登場。惜しかったのがイエローの銃と縄が絡んで、スピーディーな攻撃が途切れたこと。
ゴーカイシルバーは相変わらず亜流で、みんなに付いていくマスコットな存在。

3つの光る玉を其々チームごとで捜すゴーカイジャーたち。
レッド&ピンク&シルバー、ブルー&イエロー、グリーン(&原始人?)。グリーンがTV版に負けないぐらい愛嬌あるパフォーマンスw。
今回の豪快チェンジはゴーオンジャー中心なのかな。其々バラバラにオーレンジャーやゲキレンジャーやバトルフィーバーなどにチェンジ。
しかし宝島は実は罠。神殿の中にはバリゾーグや歴代の猛者3人が待ち伏せして攻撃。
危うくヤられそうになるゴーカイジャーたちに、会場から「ガンバレー!」の熱い声援。

立ち上がる戦士たち。マーベラスの指示で別行動していたシルバーもシステム破壊で応戦。
ハリケンジャー&シュリケンジャー、ゴーゴーファイブからラ~イブマン。原始人も助っ人?w
ブーマVSチェンジドラゴン。客席後方まで広げた立ち回りと通路を使った疾走感。ジェットマンのフライングがカッコイー!
二刀流のゴーカイブルーは、バリゾーグや他怪人を相手に颯爽と立ち回り。
「なに一人で突っ走ってるんだジョー!」バリゾーグからの攻撃をみんなでフォロー。
ファイナルウェーブでトドメ。神殿が崩れ落ち、危機一髪で逃げ切ったゴーカイジャー。
お宝は、子どもたちの声援w。カラーテープが飛んだ。次のお宝はなにかな?

大掛かりな立ち回りやアクションがいっそう派手になってきた。
映像の緻密さと迫力が一段と増し、効果音と合わせて、様々な世界観を作り上げて素晴らしい。
11月からは素顔の戦士たちが登場。
ポスターにはシルバーはいれど鎧の姿が無い。6人全員揃うのだろうか?

終演後、後楽園から新宿三丁目へ大急ぎで向かった。


昼から、『小澤亮太さん握手会』へ参加してきた。
マーベラスこと、小澤亮太の写真集「COLOR」の発売記念イベント。
小さな子どもから若い人や年配や男性陣まで、様々な人が集まっていた。

事前に取った整理番号券をもって、50分間位は立ち並んで、ついに私の番。
亮太くんは翼宿役が印象的だし、また舞台に立って欲しいと話した。素顔の戦士出演も楽しみだとw。笑顔が可愛い亮太くんと握手とチェキv。
写真集は重かったけどね^^;。

終わるとすぐ、新宿三丁目から銀座へ向かった。
ミュージカル『テニスの王子様』青学VS氷帝の東京凱旋公演を観てきた。

7月末の東京楽日から約2ヶ月ぶりの凱旋公演。
前説アナは越前リョーマ。他キャストからも「東京に戻ってきたぞ~!」の力強いメッセージが飛び交う。

全体的にみんなの声がよく出ていた! 
台詞や歌詞が、7月の時よりもはっきりと聞き取れる。
これは音響や座席のせいでもないらしい。
とにかく全国を回った彼らの成長を感じられると共に、一段とパワーアップした舞台となっていた。

ちょこちょこと小ネタも変化。
桃城とラリーするのが裕太。「知ってるぞ」「お前、千石や神尾ともラリーしてんだってな」と牽制しながら、孤高の歌を気取る裕太が可愛かったw。
自転車の後ろのリョーマに乾メガネをかけさせたり、自分の膝にリョーマを乗せたり、桃城のアドリブがここにきてまた冴える。
日替わりゲストは、山吹の南と東方のジミーズ。イベントでも分っていたが、このコンビは漫才的でホントにオモロイw。「台風去った」と早速ネタも取り込み笑わせる。

二人で2分間スピーチは、東方と橘。「正レギュラーの俺があんなオールバックと…」と落ち込む橘に、「こちとら全国区」と返す東方w。東方ツッコミ役で、橘とぬる~い漫才で笑わせる。ついには橘の口から「景吾」呼びw。こんな呼び方初めてだが、あくまでポーカーフェイスを気取る跡部。今日は劇中で芥川が膝の上に乗っかったり、カテコで宍戸から首を抱きつかれたりと、どんどん跡部と親密度が増しているようだw。氷帝チームの更なる結束力を感じさせた。
終わりの挨拶

今回は2階だったが、「Junping up! High touch!」では日吉が来てくれてハイタッチ。ステージに戻った日吉がハァハァと息をさせてた。
小越勇輝から締めの挨拶。多くの観客を前に一段と感慨深いというような力強いメッセージだった。残り4公演。
初見の人も結構いたようだし、凱旋初日から大いに盛り上がって終了。3時間近く。

大阪、名古屋公演から追加グッズを販売。
<全国公演記念バージョン>ポスカと、宍戸の舞台写真を買った。
宍戸@桑野晃輔の人気もうなぎ登りだが、ケンケンがブログで三人の【KK】と書くから意識しちゃうじゃんw。加藤和樹、鎌苅健太に続き、晃輔もこのままビッグになって貰いたい。
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の2回目を観てきた。

ぐんぐん評判が良くなっているのか、座席は完売であとは立ち見だけ残っているという。
今回はお手洗い席に近くて良かった。

今回のダブルキャスト、ロミオは山崎育三郎、マーキューシオは良知真次。
この二人に替わると、モンタギュー・トリオの雰囲気がガラリと派手に陽気になり、結束力が高まってくる感じ。いいよ、この3人!(^o^) 背も同じぐらいだし、抜群のバランス感覚。まんま良い子(ロミオ)悪い子(マーキューシオ)普通の子(ベンヴォーリオ)に当てはまっちゃうw。一幕の「世界の王♪」なんて迷わず手拍子で賑やかにさせちゃう。二幕の「街に噂が♪」でも3人の絆や愛が試されてるようでゾクゾクきちゃう。そのまま決闘シーンになだれ込むと、3人の関係の崩壊に思わず切なさが込み上げてきた。
この3人、『ロミ&ジュリ』だけじゃ勿体無い。ヤング三銃士とかヤング新撰組とかの設定でまた共演させて欲しいなw。

山崎育三郎のロミオは、甘くて頼りなくて護ってやりたくなるような感じ。ところが恋をした途端、情熱的で男っぽい表情に変わっていく。恋は少年を“男”にする。舞踏会会場の階段でジュリエットと最初に出逢う刹那が、まるでマリウスとコゼットの一目惚れのような、みずみずしさが感じられた。でもラブシーンは城田くんのほうがムードたっぷりで上手いw。
初夜後の場面で育くんの裸を初めて見たが、白い肌で程よく筋肉がつき思ったよりも逞しかった。隣で寝てる昆さんの肌よりも白いかもw。
ジェリエットは先週に続き、昆夏美。とうとうフランク莉奈のジュリエットは拝めず。でも昆さんと育くんは、背のバランス的には丁度いい。ハーモニーも綺麗に溶け合い、気のせいか昆さんがのびのびと歌っているようにも思う。
ジュリエットの普段着の衣装がちょっと変わり、前スカートの丈がちょい長めになっていた。これだけで随分子どもっぽさが抑えられる。

マーキューシオの良知真次は、登場した途端に目立つこと。右頬と右腕には黒いタトゥー、石井マーキューシオにはこんなのなかったゾw。黒いソフト帽被ると、そのまんま『時計じかけのオレンジ』ができるよw。野生的な小顔に目付きが鋭く、女好きで喧嘩っぱやくて極悪な良知さんw。石井さんと比べてダンスが抜群で、ムーンウォークにバク転と盛んに披露。ストリートではお前が“王”だよ、ってぐらい貫禄w。「綺麗は汚い♪」では乳母のスカートをめくったり両胸を触ったりとやんちゃし放題w。昨日の『アイコロ』の省二郎と同じコトやってるのに、この違いはなに!?^^;
ティボルトとの決闘では、拳を振るう前に右腕をブルンブルンさせて、いかにも噛み付きそうなオオカミ! ところが一転、ロミオの腕に倒れ込むと目をウルウルさせ苦笑しながら、絞り出すような声でロミオに託す。そのギャップがたまらない。

先に上原ティボルトを観ていたせいか、平方元基のティボルトはどうも物足りない。声を張り上げてソツなく歌っているが、いまいち迫力が足りない。ジュリエットへの激しい想いも伝わってこない。マーキューシオとの対峙では、今回はティボルトが完全に迫力負けw。『戦国鍋TV』と同じく、普通の子ティボルトだった。

キャピュレット夫人のティボルトへの想いも、先週ほどには感じられなかった。ティボルト役によるのかな。
逆に先週よりも、モンタギュー婦人の存在感が増した。大鳥れいの品の良いソプラノが力強く響き、涼風真世との対峙でも負けていない。
関係性でも歌唱的にも、前回観た時はキャピュレット家の圧勝だったが、今回はモンタギューの勝ちに見えたw。
今回も「死」のダンサーは中島周。堕天使ガブリエルに悪魔、不気味な薬商人に聖イエスキリストと、見事な表現性は圧巻。

カーテンコールは、「世界の王♪」の手拍子から「エメ♪」へ。真っ白なドレスの昆さんのお辞儀に癒される。
ダブルカテコでスタオベ。最後に育くんが「台風の中をわざわざお越し頂きありがとうございます」「気をつけてお帰り下さい」と言って終了した。幕が閉じるまで手を振る出演者たち。

これで私の『ロミ&ジュリ』は終了。
印象的なミュージカルナンバーと魅力的なキャストで、若さと熱気あふれたドラマチックな舞台で楽しめた。
DVDは出ないのかな。今回観劇したキャストでいいからテレビで放送して欲しいものだ。

観劇後、台風の影響で乗っていた地下鉄が突然運転ストップ。
あと数駅で到着なのに~(~o~)。いつ運転再開するか分らないまま、座席に腰掛けてひたすら待った。その間、携帯イジったり軽食したり目を瞑ったり。お手洗いも我慢。結局、2時間以上も車内で待機、ようやく運転再開となった。
駅外に出たら、いつの間にか台風が去っていて、強風だけが残されていた。なんやねん!心身ともに疲れた。
でも考えてみれば、台風が昨日だったら『アイコロ』の観劇も握手会もできなかったし、これが翌日ならば『テニミュ』の観劇が不可能になっていたかもしれん。21日でよかったのだと自分に納得させてみたw。
舞台『愛が殺せとささやいた』参回目を観てきた。

今日は最前列。ステージと客席が近いので、1回目2回目と徐々に前方に移動する度に緊張感が増す。
ところが最前列殆どに何故かチラシが置かれておらず。新しい情報もありそうだし、係りの人に言って貰った。

特に面白いストーリーでもなく、どちらかといえば暗いサスペンス心理劇だが、3回観てもフシギと飽きがこない。
ひとつには、舞台ならではのハプニングが毎回あることw。
最前席だからこそ見えてしまったが、開演前から既にソファの下に真珠が一個残されていたり、流しのところにタオルが掛かっていなかった。これはマズイだろ!?^^; 昼公演はなかったので、昨夜の公演後の後始末の不手際か、開場前の舞台チェック不完全か。当然舞台監督の責任にもなるのだろう。
普通の作品ならいざしらず、これは推理劇。布石にも関わるアイテムのひとつだ。目に留まると、開演前から気になってしょうがないw。劇がスタートし、どう処理していくのかと興味津々で見守っていたw。
結局タオルは、粕谷佳五さんが苦戦しながらアドリブで済ませた。いつの間にかタオルが出てきたので知ってるほうは苦笑w。真珠は劇中ずーっと残されたままだったが、最後に鈴木拡樹さんがついでに拾って回収。それまで暗転は2回程あったが、キャストで気づいた人はいなかったのだろうか。
観てるほうを一応スッキリさせたが、推理ものとしては何てヘマな舞台w。つくづく推理劇を舞台でやることの難しさを感じさせた。

もうひとつは、登場人物の過去や心情をあれこれ想像させてくれること。それぐらい過去や設定が綿密に作られている。
1940年頃から戦後までは、幸一郎は愛子と省二郎と三人で貧しくとも幸せで天国みたいな生活を味わっていたんだろう。一方その頃、竜太は孤児としてそれはもう地獄のような日々を生き延びていたんだろう。幸一郎が三条を憎んでいたなら彼を貶めることもできただろうに。そもそも彼が製薬会社に入ったのは、ある薬を扱うことを視野に入れていたのかな。幸一郎に女の影がないのも母親の影響なのだろうか。そして幸一郎と竜太がいまも生きていたら、82歳の老人だろうなとw。
現代なら、省二郎には作業所など働く場が提供されたり、愛子には家政婦がいたりして、問題がいっそう複雑になりそうだが、やはり昭和30年だからこその状況。テレビも東京タワーもない時代だから、愛子は女優として活躍できたんだろう。わさび栽培には綺麗な水を必要とするが、断水までする都内のマンションから供給できるのだろうか。

今回の幸一郎役は加藤和樹。品よく着こなすスーツがよく似合う大人の雰囲気で、竜太と同年齢にはちょっと見えないw。省二郎と共に大柄なので、おそらく父方の鶴田のDNAを継いでいるのだろうw。
17日と比べて、演技に艶が出てきた。後半で一気に感情がほとばしる様子が鮮やかで素晴らしかった。演技の上手い下手ではなく、どこか惹き付けられるものがある。藤田玲さんが感情をぶつけてくるのに対して、和樹は感情をこすり付けてくるようだ。それがまた快感に繋がるのか、水沢アキさんの表情に陶酔するような何かがあった。たぶん、母と息子を超えた“男”を感じていたんだろう。二人の関係性は『身毒丸』をも連想させてくれた。

ここまで考えさせてくれる、岡本貴也の脚本と演出には拍手を贈りたい。
最後はちゃんと写真盾が立てられてライトが当たっていた。岡本氏はやはり淡白で真面目な方なのだろう。

『アイコロ』の観劇もこれでお仕舞い。
3回リピーター特典のフォトも頂戴した。でも4回目のフォトのほうが良さげ。

終演後、加藤和樹との握手会。
思ったより参加者が多かった。本日初見の方も多く、ロビーのCDも結構売れたみたい。
現れた和樹は劇中と同じスーツ姿。スーツの和樹と握手なんてめったにないことv。
17日と違って流れはハイスピード。握手しながら、ふたこと言葉を交わすのがやっとだったが、照れ笑いの素の顔がとても可愛かったv。
次に和樹を拝めるのは来月の赤坂ライブだろうか。
ルドビコ★vol.7『八犬伝 -疾風異聞録-』を観てきた。

1年半ぶりの本公演らしい。
【八犬伝】は色々な形で何度も上演されているが、印象的だったのはAxleさんのだろうか。
今回は豪華キャストと座員との賑やかなお祭り感覚の舞台である。

戦国の世、安房の国。悪政の果てに処刑された玉梓の呪いと復讐によって、八つの玉に導かれた八人の若者たちが、金碗大輔の導きで、宿命の闘いを繰り広げていく話。

原作は複雑怪奇で膨大なストーリーであるが、今回の舞台は半分以上が脚色されたオリジナル・ストーリー。
最初のうちはそのハチャメチャ感に入っていけなかったが、こういうのもアリで分り易くはあると徐々に受け入れられた。
ストーリーそのものより、人間味のある登場人物と関係性、魅力的なキャストと衣装を楽しむのにつきる。
ミュージカル風味もあり、思ったより殺陣や立ち回りも多くて、賑やかで活気あふれる舞台となっていた。
それに恒例となった本編後のレビューショー。誰もが歌い踊り、陽気にお祭り騒ぎ。実は本編よりも楽しめたw。

一番驚いたのが、犬塚信乃@林修司の声! かなり掠れていて聞き苦しいったらない^_^;。いったい修司さんにナニがあったんだ!? 座長がこれじゃマズイだろ!? 裏で懸命に喉の治療をしているんだろうが、観劇は一回こっきりだしね。せめてDVDにはちゃんとした声を入れて欲しいものだ(買わないけど)。
犬飼現八@曽世海司(Studio Life)の声がいっそう凛々しく男前に聴こえる。修司さんのチャラ男に海司さんの堅物、息の合ったライバル同士で、二人の顔がどんどんシンクロしてくるw。そういやAxleとStudio Lifeでやった『11人いる!』で、二人とも“王様”をやっていたっけ。二人とも“司”が入ってるし、見れば見るほどソックリ。いつか双子の役でもやっていただきたいw。

真面目な犬江親兵衛@林明寛と柔軟な勘兵衛@篠谷聖も、空気感がとても合っていてホントの兄弟のように見える。さすがに二人とも殺陣やアクションが軽やかで見応え充分。特に明寛くんは身体能力抜群なので迫力があること。明寛くんは仏頂面な役なので、見れば見るほど高橋龍輝の顔に似ていてしょうがないw。いつか龍輝くんと舞台で再共演していただきたいw。
チャラ男の犬山道節@ヨウスケ・クロフォードは、実はラブシーンが見どころかw。
小野健斗はヒョロリとした背が目立つ飄々とした存在、名前から早々と正体が判明しそう。
この4人が一堂に会する場面があり、八つの玉が揃わぬうちに、テニミュキャストが揃ったみたいに見えたw。

小文吾@越村友一が何かと騒がしいムードメーカー、変装マジックの技が痛快だw。
荘助@北村悠と、大角@長谷部恵介が、純粋でひたむきな中に芯の強さがあって好演。
特筆すべきはベテラン勢の歌唱力。園岡新太郎と高嶺ふぶきが、大らかで味わい深い歌を披露して世界観を魅せる。
ロックミュージカル『BLEACH』の京楽の記憶も鮮やかな石坂勇が、人間味あふれる渋い役どころを熱演し強い存在感。
加古臨王がキュートな不気味さで、山下親子と玉梓の三人が揃うと、まるで『妖怪人間ベム』家族まんまに見えたw。
それでも、やっぱりこの舞台の真の主役は犬坂毛野@桜木さやか。自ら美味しい場面も用意していたが、いかんせん桜木さんの背が小さく華やかさが足りないので際立たない^^;。高嶺さんみたいに元宝塚の人でも呼び寄せるか、いっそ女役もできる男優に毛野をやって貰えばよかったかもと思う。毛野の相方の小野くん的にもそっちのほうが面白そう。

カテコから、レビューショーへ突入。
手ぬぐい振り回すって、『池田屋チェックイン』と同じじゃんw。こちらの手ぬぐいは3種類。
みんなまんべんなく歌う。園岡さんと高嶺さんはしっとり。ナマ歌を聞くのは初めてかもな人もいたり。
みんなのダンスも愉快。アダルト陣のダンスでは結構頑張ってる人もいたりw。
石坂さんが特にノリノリで、華麗にダイナミックにダンスやパフォーマンスを披露、思わず格好良く見えちゃったw。
曽世さんもハジけ飛んで満面の笑みでとっても楽しそう。声が不調な修司さんより歌も踊りも快調だった。
大人が騒いでるんだから、若手も負けちゃいられないw。明寛くんのバック転もカッケー。
役とのギャップも面白く、本編を忘れるぐらいw楽しいひと時だった。

特典付きチケットだったが、入場時に何ももらえなかった(-_-;)。
同じホールで11月にルドビコ★plus+『花咲ける青少年』イベントがあるが、何故か今日と座席番号が同じw。
昨日に続き、舞台『愛が殺せとささやいた』の弐回目を観てきた。

東京留守中の和樹に代わって、藤田玲が出演回。
昨日より前方席なので、色々見得るものもあった。

この舞台は、やはり2度観たほうが面白味が出てくる。
筋や人物などすべてを知り尽くした上で、もう一度はじめから見ていくと、様々なことがわかってくる。登場人物の表情やリアクションもあらためて見ると、なるほどと思わせる仕掛けが入っている。

特にキーマンの竜太を演じる松本慎也は、細やかな表情や動きが伏線にもなっていて味わい深い。竜太の最初の過去シーンは、三条による全くの創作だったんだと苦笑させられる。
宮川一朗太演じる三条は、胡散臭い表情からなかなか真意を計れないが、流暢な喋りと演技で何もかも納得させる力をもつ。
水沢アキ演じる愛子も、熱く激しく切ない感情の起伏を表現するのが上手い。前半の布を被せられた中には、ホントに彼女が寝ていた。
三上市朗の越田刑事は、あれこれの伏線や証拠品にさりげに目を向ける動きが見事だった。ホントの刑事ドラマみたい。
鈴木拡樹の省二郎は、実は最初っからキーワードを喋っていたのだとわかる。ランニングシャツのシーンがあったが、役どころにしてはやけに筋肉がついてたw。

幸一郎を演じた藤田玲は、昨日の和樹とはだいぶ雰囲気が違う。狂気が入った怖さがあって、激しく荒々しく力強い。和樹のが純粋さの中に狂気が秘められているのだとすれば、玲さんのは狂気の中に純粋さが入っているといった感じ。演技力的には玲さんのほうが流暢で、拡樹さんとの背のバランスもイイ。ただ、拡樹さん的には和樹のほうに馴染んでいるような気がするw。
ラストの玲さんはとにかく迫力があって、引きちぎり方も派手だったw。そのせいか、終了後も舞台に真珠が1個ポツンと置き忘れてあるハプニング。これはストーリー的にマズイんじゃないか?(笑)
それ以外にも、水沢さんの右のツケまつげも飛んでいた模様w。トークショー最初で、舞台上に置き忘れてあったのを苦笑しながら拾いに行く水沢さん本人。いつかの舞台の黒柳さんみたいで、会場を忽ち和ませた。


トークショーは全員立ち並んでスタート。司会は玲さん。水沢さんからは「フジヤン」と呼ばれてるらしいw。
お題は稽古場のエピソード。宮川さんのタロット占いが当たるという原絵里さんに「君が誘ったんだろ」(笑)と宮川さんw。水沢さんはみんなに日替わり弁当を作ってくれたと感動する粕谷佳五さんだが、「若い子だけよ」と水沢さんw。残って稽古中に原さんが号泣したので感激したというマツシン。最後の台詞が上手く言えなかったと言う鮎川太陽に、「太陽くんは癒しだから」と水沢さん。後から参加したが、みんな温かく迎えてくれたカンパニーと拡樹さん。でもみんな飲みにも食事にも行かないしメルアドも教えてくれない、そんなカンパニーだと愚痴っぽい三上さんw。アキさんの弁当もなく自販のカップヌードルを食べていたという宮川さんw。それでフジヤンのエピソードは何だっけ?
水沢さんはテンション高くて、最初から「みんな私の顔を見てないもの」(笑)。宮川さんも便乗して「僕の顔も見てないですよ」w。
水沢さんは息子が24で娘が23だから、誰かイイ人いないかな~と密かに物色中なコメントで(笑)笑わせてくれた。「フジヤン、イイ男だし」と特にプッシュ中。和樹には「カズキ」と呼んでおいでなのかな? 母としてのお気持ちわかりますw。
約20分。水沢さんを中心とした愉快な異色カンパニーだとわかった。
メモ魔の私だが、トーク中にメモ取ってたのは私じゃないですよw。

次は和樹回をもう一度。終演後に握手会もあるし、3回リピーター特典もいただけそう。
夕方から、『加藤和樹 BEST ALBUM リリースイベント』へ参加してきた。

「KAZUKI KATO 5th Anniversary K.Kベストセラーズ」発売記念リリースイベントのトーク&ミニLIVE。
2週間位前に急遽知ったが、舞台観劇後に会場に駆けつけた人も私を含めて幾らかいたようだ。

昨年の「灼熱」ラクーアと比べて、整列する人数が明らかに多くてちょっと驚き。
それだけファンの数が増えたということか。
3時頃から整理券列に並びながらお喋りできたし、抽選の入場番号も割と早かったのでラッキー。
前から6列目ぐらいのまぁまぁ観える場所をキープ。

加藤和樹が颯爽と登場。さっきまでの舞台とはまた違った、クルクルヘアに白いブラウス。
ファンから募集して1位と2位になった楽曲を披露。てっきり3曲ぐらい歌うかと思ったが、2曲だけ。イベント終了後、大阪のメンタメで唄うし、体力的にも時間的にも仕方ないだろう。

その代わり、サプライズで何と携帯で和樹を撮影オッケータイム!
割とステージ近くで良かった~。一応少しは撮れたが、携帯そのものが安いし画質はまぁまぁ。
後で早速ミクシィにアップw。

そして、和樹の口から秋以降はユニットを組む宣言にビックリ!
確かに歌うのをやめたわけではなく、個人でも歌うのだろうが、突然の予想外の告知に会場も騒然。同じ180センチ以上の人とのユニット。誰と組むかはおいおい報告って、勿体つけるところがまた気になる。
ユニットと聞いてすぐ浮かんだのが、ケンケンのココア男。と、D-BOYSのD☆DATE。自分から望んだことなのか、avex移籍に伴ってやらされることなのか。ユニット名募集というが、誰と組むのかにもよるだろう。

ステージ終了後は、入場整理券やCD封入イベント参加券を持つ人と握手会。
流れ作業でなく割と時間を取ってくれた握手会。ひとりひとりとしっかり目を合わせて、表情豊かにお礼やリアクションをしてくれる和樹。
和樹と握手をしながら、舞台の役の感想など、二言ほど言葉を交わすことができた。ホントですか?と笑ってくれた和樹が可愛かった。

二つのサプライズに一喜一憂したが、実り多き楽しいミニイベントだった。
来週も舞台でまた拝める予定。
舞台『愛が殺せとささやいた』を観てきた。

お馴染みDHE@stage制作。舞台『タンブリング』の岡本貴也の脚本・演出。

昭和中期。ある国民的女優の死の真相をめぐり、警察の事情聴取によって、関係者たちの隠れた複数の側面が抉り出されていく話。

ミステリー形式のシチュエーションドラマ。回想ではなく、こういうこともあったのではないか?という想像と現実とが交錯する世界観は、ドラマや映像ではベタだが、舞台では意外と珍しいのではないか。
戦中戦後を経てラジオドラマ全盛のアノ時代だからこそ、成立する事件であることは間違いない。
そして、刑事・越田役の三上一朗の好演があればこそ、成立する舞台なのであろう。
ベテランから若手まで様々な個性と魅力が混ざり合った、どこかチグハグで、どこか異様な熱を放った舞台であった。

主演は水沢アキ。水沢さんの舞台を観るのは初めてだが、歳相応の凄みと可愛らしさを併せ持った女優さん。水沢アキさんの息子・ジュリアンさんが出演したミュージカル『MITSUKO』の記憶も新しいが、親子で舞台で活躍中とは素晴らしい。今回はイケメンの息子がいる役だし、公私ともに賑やかな環境だろう。

その息子役はダブルキャスト。正直、和樹のスケジュールの都合か!?と勘ぐらざるを得ない。
今回観たのは加藤和樹。まだかまだかとヤキモキさせて中盤から登場、後半から少しずつ存在感が増していく。真面目な和樹にぴったりの情のある役どころで、じわじわと深みのある演技が良かった。
その弟役を演じるのが鈴木拡樹。理性でも狂気でもない、ナチュラルな異彩をぶつける、激しくも難しい役どころだろう。つい先日まで『abc★』の舞台を抱えていたし、稽古調整もさぞ大変だったと思う。拡樹さんのレベルアップした演技力と新たな魅力を認識できたようだった。
チケットはStudio Lifeでも取ったが、松本慎也の演技がピタリと決まる。純粋さとしたたかさの絶妙なマッチングが、キーマンである孤高の青年を生き生きと鮮やかに彩った。女性と絡む役どころも新鮮に映るw。

粕谷佳五、原絵里、鮎川太陽がテンション高く脇を固める。
宮川一朗太の安定した演技力が光るが、ある意味、美味しい役どころだろう。
やはり、刑事コロンボばりの三上市朗の淡々とした上手さがあってこそ、芝居全体が引き立つ舞台だろうと思う。

カテコでは、知的な表情の拡樹くんと隣で満足気な笑みを見せる和樹が印象的。アキちゃーん!の客席からの掛け声に、大いに照れ笑いしてた水沢さんがカワイイ。
せっかくだから、明日はダブルキャストの藤田玲出演回を観劇予定。周りの演技のリアクションも変わっていきそうだ。

終演後、地下鉄で後楽園へ。
俳優の和樹と、アーティストの和樹。一日に2回、和樹の二つの面を拝めるのも嬉しい機会。
ハイブリッド・アミューズメント・ショウbpm公演『池田屋チェックイン』を観てきた。

bpmさんにしては珍しくキャパの大きな劇場。
前方席にも空席が結構あったが、土日以外は2階3階まで果たして埋まったのだろうか。
ロビーはちょっとしたお祭り騒ぎのごとし。
和装・和物に団扇プレゼントは、和物シュシュでしっかり頂いてしまったw。でも手拭いは買わず。

元治元年6月5日(1864年7月8日)。宿・池田屋において、長州の2人、坂本龍馬と関係者、新撰組メンバー、桂小五郎と関係者、宿の使用人らが入り乱れての大騒ぎを描く、歴史ものシチュエーション・コメディ。
作・演出は浅沼晋太郎。キャストを殆ど一新させての再演のようだ。
先の『FRONT LINE』の幕末版ホテルではないが、池田屋へのチェックインから始まり、チェックアウトで終わる、脚色たっぷりの新しい「池田屋事件」。

オープニングはミュージカル風の「ええじゃないか」。今までにない派手な雰囲気だ。
ストーリーは浅沼氏お得意の、笑いを盛り込んだ掛け合いで作り出す知的なパズル方式。終着にもっていくために、アノ手コノ口で動きやセリフを盛り込み、後であれは布石だったと気づかされる計算尽くなパターン。『サムライ・ナイト・フィーバー』のように、史実にあったとされるネタもふんだんに入っていて、歴史好きにもニヤリとさせる。コミカルで笑えるというより、そういった手法の上手さが面白い。
「池田屋事件」で立ち回りが殆どないのも珍しいが、「不殺」へともっていくため、複雑なピースをひとつひとつ合わせていく丹念なやり方はさすがである。
ラストのオチは好みが分かれそう。二重の仕掛けも浅沼氏らしいが、実はこういうエピローグも私の予想の範囲内。だって、せっかく豪華なキャストを使ってるんだもん!w どうせならエンディングもミュージカル風で締めて欲しかった。

ただ、今回は2時間20分がやたら長く感じられた。途中で集中力が途切れてしまった。後方では寝てた人もいたようだ。この間延びした感覚はなぜだろう。
ひとつはキャラクターへの感情移入の難しさ。前半は長州と山崎で、山崎が思ったより出番が多いじゃん!と喜ばせる。キーマンの龍馬が出てくるまで随分待たせる。新撰組4人の個性的な登場はいいが、途中で不意と姿が分らなくなる。桂の出番も中盤以降で、何度も姿が消える。そのうち龍馬姉や佐那子も出て脚光を浴びる龍馬だが、遊女らが出てきて存在感が薄くなる。山崎も後半は殆ど存在感が薄い。
まさに出たり入ったりのキャラ混戦模様。キャストはさぞ大変な集中力を必要とするだろう。客のほうは舞台への視線が散漫になり、いったい誰を見て誰に思いを託せばいいのかモヤモヤ感が募る。
もうひとつは舞台装置の動線の不味さ。二階座敷と階下廊下の装置だが、階段も玄関も下手にあるため、どうしても下手側の芝居が多くなる。客から観て左手からの移動ばかりで、右手が殆ど使われない。右手席だったから、体を横にしながらとても観難かった。広い劇場をスピーディーに使おうと座敷と廊下を交互で見せるのも、観るほうは煩わしさと苛立ちが出る。
合間で出てこないキャラも気にかかる。上手に引っ込んだ新撰組や桂はいったいどうしているのか?お手洗いにそんなに時間がかかるのか?w 大きな立ち回りもないのだし、セットを見直したほうがいいのではないかと思った。

役者陣は粒ぞろいで個性的で達者な芝居だ。方言もサマになっている。
坂本龍馬@中河内雅貴は、最初はヒョロっとしたひ弱な感じだったが、どんどん馴染んで見えて、中河内龍馬として新たな魅力を放った。流暢な土佐弁も随分と稽古を積んだんだろうな。
土方歳三@萩野崇と、近藤勇@小田井涼平は、『仮面ライダー龍騎』以来の抜群のコンビネーション。お二人とも共演がさぞ嬉しかっただろう。長身で逞しいガタイだし、セクシーで渋いしで両方ともホントにハマリ役。この二人に立ち回りがなかったのが勿体無くてたまらんw。
山崎丞@根本正勝は、流暢な京都弁で前半の場を牽引し、緊張感をほぐす重要な役割。その芝居の上手さに舌鼓をうった。やっぱりスゴイ舞台役者だ。『BARAGA-鬼』では土方だったし、この調子で新撰組隊士全部やれるんじゃないかと思うw。もちろん浅沼氏とは『遊戯王5D’s』以来だし、二人の小さな絡みが嬉しかったりw。

藤堂平助@谷口賢志は荒々しい若武者ぶりも似合う。沖田総司@浅沼晋太郎は『ESORA』のキャラがそのまま総司になった感じで、演出兼だからエネルギーを使わないやんちゃな役どころ。
伊勢直弘は『新撰組異聞 PEACE MAKER』演出に続く幕末ものに出演。猪狩敦子の千葉佐那子がキュートだったが、剣道二段の腕前らしくピタリとくる構えだ。政岡泰志のテンション高い芝居が合う。着実な芝居で支える大河内浩の出番が少ないのが残念。
伊藤マサミ、NAO-Gがエッセンスを添える。パフォーマーやダンサーメンバーがわんさか出る割に、最後が盛り上がったかは疑問。

『abc★』みたいに、カテコはスタンディングまでさせて手拭いを振り回してのショーと化すが、客席で振ってるのは3分の1程度。ラストの静かな余韻から一気にお祭り騒ぎにさせても、すぐには気持ちがついていかないかも。
チケット代に見合う賑やかな舞台だったが、何度も観たいという面白さは見つからなかった。

終演後は、希望者にbpm役者による握手会。谷口さん、浅沼さん、伊勢さんのご機嫌なお三方だった。てか、ハイタッチじゃん。ハグもオッケーだったり。 
映画『グリーン・ランタン』3D吹替え版を観てきた。
ウヴァさんが喜びそうな“緑”のラッシュですよw。

宇宙の平和を守る勇者たち【グリーン・ランタン】の闘いを描く、DCコミックのスーパーヒーローの実写化。
グリーン・ランタンの宿敵パララックスとの戦闘で傷つき、地球に不時着したアビン・サーのパワーリングによって後継者に選ばれたのは、お調子者でダメ男のハル・ジョーダン。ヒーローたる資格も覚悟も備えていなかった彼が、葛藤しながらもやがて恐怖を乗り越えて人類を救おうと決意する話。
漫画は読んだことはないが、映画は2代目ランタンとなった地球人の若者の心の成長を描く。

複雑怪奇な設定と長いストーリーを、コンパクトにスタイリッシュに纏め上げ、極めて人間臭い新たなヒーローものとして楽しめた。
光り輝くグリーンスーツがとても綺麗で、浮かび上がる筋肉がリアル。緑はホっと安心させる色だ。顔のマスクは一応顔を隠すためで声音も変えるのに、早々と正体がバレるところが面白い。どこかトボけて間抜けなヒーローぶりは『タイバニ』の虎徹みたいだw。
スピード感や疾走感は超迫力! 目まぐるしい映像に惹き付けられる。使用者の意志力によってリングから次々と実体化される、ありとあらゆるものがワクワク感を誘う。高速の飛行能力も爽快感がある。そのエネルギーはバッテリーチャージが必要というのも可笑しい。

社長令嬢でヤリ手のキャロルをめぐって、幼馴染みのハルとヘクターとの対比が見どころ。
ハルとヘクターが共に味わってきた、父親を亡くした“恐れ”と父親からの脱却への“恐れ”。己の無力さと情けなさへの“怖さ”。
それまで頑なに“恐怖”を拒んで逃げて辞めてきたハルが、ようやく恐怖を恐怖として認めた場面にジンときた。グリーン・ランタンの異星人は恐怖を知らない強者たちだが、人間であるハルには己と向き合い、恐怖を乗り越えようとする勇気と意志が生まれるのだ。
恐怖に立ち向かわず、憎しみに変えて反逆するヘクターにはすべてが遅すぎたのだろう。

ハル役ライアン・レイノルズは、セクシー度は足りないが、闘ってる表情が時おり格好良く見える。スーツを着たプロポーションが、コミックヒーローの姿とソックリで見惚れそう。
メイクや合成によって作り出される怪物フェイスも見どころか。ハルをサポートするトーマス役タイカ・ワイティティが好印象。

エピローグは布石たっぷりのシーンで、続編も期待させる。
今作がヒットしたら第二弾もあり得るが、三代目四代目グリーンランタンの登場もあり得そう。

ハルにパワーリングを託すアビン・サーの声にてらそままさき。初っ端から威厳のあるボイスを聴けるが、予想通りはじめのほうだけ。
ハルの声は松本保典。調子のイイ軽快な芝居と戦闘での逞しさを楽しめる。
キャロルの甲斐田裕子は、いつものように強気でキュートな芝居。
驚いたのがヘクターの川島得愛で、これまでにないような大胆な怪演を見せている。
シネストロの加藤亮夫、トーマスの落合弘治にも注目。内海賢二がまたもやラスボスのパララックス声。
パルコ劇場 つかこうへい追悼公演『新・幕末純情伝』初日を観てきた。

『熱海殺人事件』『飛龍伝』と並ぶ、故・つかこうへい氏の代表的作品として愛され、幾度となく上演され続けてきたもの。
今年、この三作品を一気に観劇できたのは幸せだと噛み締めたり。
今回は、今はなき北区つかこうへい劇団の先行で早々とチケットを取れたのもラッキーだ。

幕末、沖田総司と名付けられた女剣士が、厳しく育ててくれた兄・勝海舟、新撰組に引き入れ愛情をぶつける土方歳三、強引に愛情を注ぎ自由平等な時代を説く坂本龍馬ら男たちに翻弄されながら、真実の愛を見い出し自ら信じた道を突き進もうとする話。
沖田総司が実は女だったという、独特のユニークな着想のもと、1989年にPARCO劇場にて初演。20年ぶりに再演される今回、5代目沖田総司を演じるのは鈴木杏さん。
『新』が付くだけあって、あらたなキャストも投入し、あらたな物語と伝説が創られている。

今まで観てきた、つか作品の集大成といった作風。相変わらず、洪水のように早口で吐き出されるセリフの量とエネルギーは圧巻。だが今回は、心に染み入るような胸に突き刺さるような、熱い言葉や深いメッセージが多い。
設定的にはリアリティ感がないが、バタ臭くて人間くさいからこそ愛おしくなる。下ネタやギャグやホモにも躊躇なくw、病気や障害にも容赦ないから、人間の奥底の真実を突いてくる。
憤りと諦めの中で笑わせて苦笑させながら、優しくて痛々しくて切ないものが込み上げてくる。
革命を起す人と国を治める人は違うというが、お偉いさんは「国」のためにいかようにも「個人」を利用し切り捨てられる。人間は偉くなると当初の夢や志を失くして、ただの「ひと」になってしまうのだろう。
いつまでも人間であろうとした総司と龍馬は、愛と痛みを分かち合うことで「人間」の国を目指して、「国」という残酷な怪物に敗れたのだろうか。
あれこれ考えるより先に、胸にガツンガツンと感じさせる舞台であることは間違いない。

純粋可憐でひたむきな総司@鈴木杏と、お調子者で馬鹿だが弁舌が鮮やかな龍馬@馬場徹。
久しぶりに観る杏さんは太った!? 2ヶ月ぶりに観る馬場くんは痩せた!? 二人とも筋トレを重ねたのか、どちらも胸は大きくてw、“赤”がよく似合ってたw。馬場くんは体脂肪を落としてかなりの役作り。
杏さんの殺陣はまずまずの動きで奮闘。初っ端から汗をかき過ぎで、顔のテカテカがスゴかったw。
杏さんの感受性豊かな芝居が上手い。馬場くんのセリフ回しは絶品で、高低音の響きが見事だ。相当な熱光線をあびて、たまに格好良く見えてしまうw。

龍馬の良き相棒の岡田以蔵@和田正人(D-BOYS)は、達者な芝居で場を盛り立てる。馬場くんとの息の合った掛け合いも愉快。軽快で殺伐とした殺陣も魅せる。合言葉は“うなぎパイ”かなw。最後の最後まで見どころがあるのも嬉しい。
桂小五郎@吉田智則は人間臭い芝居、勝海舟@加藤雅也は計算高い冷淡な芝居、土方歳三@山崎銀之丞は胡散臭い熱い芝居で、若手と場を支える。吉田さんはコミカルな場が、雅也さんは何と異様な濡れ場がw、山崎さんは本音を叫ぶ場がそれぞれ見どころかも。
武田義晴は変態な芝居が光る。富岡晃一郎ら新撰組キャストの真面目な芝居にも注目。

トリプルカテコで、やり遂げた感の杏さんが満面の笑みでお辞儀をしていた。
公演は2週間続くが、1回観ただけで充分。観るほうにもエネルギーを消費させるので、そう何度も観続けられない。

冬に観た馬場くんの舞台は『モモ』で、今回の役は坂本龍馬。なにやら関俊さん関連な気もw。
明後日はbpm公演の『池田屋チェックイン』。またもや幕末新撰組もの。戦国時代より流行ってるのか。坂本龍馬役は中河内雅貴だが、時を同じくして立海大の柳生と仁王が同じ役を演じるとは奇遇なりw。
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』を観てきた。

舞台としてのロミ&ジュリはStudio Lifeで観たことがあるが、ミュージカルとしては初。
もちろん宝塚など観ていない。
今回はロミオとジュリエット以外のキャラクターにもダブルキャストがあり、様々な組み合わせの公演を楽しめそうだが、いかんせん時間的金銭的にムリ^^;。先行チケット予約前に、全キャストのスケジュールが発表されなかったのも残念だ。

時代が交錯するような街ヴェローナを舞台に、モンタギューの若者ロミオとキャピュレットの令嬢ジュリエットが、激しく対立する両家をよそに、愛し合い秘密の結婚式をあげるが、若者たちの抗争が彼らの運命を狂わせ悲劇へと誘う。

魅力的な若手キャストを投入した斬新な演出で、『ウエスト・サイド物語』のような雰囲気。
ふんだんにあるロックやヒップホップな歌やダンスにも惹き込まれ、エキサイティングでエネルギッシュな舞台だった。
同じステージで先日までやってた『abc★』とはまた違った高貴な熱気。チケット代も高かったけどねw。
キャストの抜群の歌唱力と舞台を支えるダンサーのおかげで、深みのある濃密な物語が生み出されていた。

今回観たのは城田優ロミオ。D-BOYSの『ヴェニスの商人』みたいに、ニートに遊び人とチャラ男がいっばい登場w。
主役はロミオとジュリエットで歌も出番も多いが、彼らの仲間や近親者にも光を当ててじっくり描き出す群像劇にもなっているのが嬉しい。

城田優は外見も歌唱も、凛々しくも情熱的なロミオ。この妥協しない歌いっぷりが城田くん的の120%なのかと聞き惚れた。でっかい体とは対照的に、ジェリエットへの一途な想いや、柔軟で繊細な心も見事に表現している。
ジェリエットの昆夏美は、小さくて可愛くて純粋でひたむきで、真摯で豊かな表現力。高いキーまで出せる歌声は美しく大人っぽくも感じられる。城田くんの背に合わせた、高いヒールで動く様子も可愛らしい。昆さんは胸がないのでw、肌や足を出した衣装は貧弱に見える。ラストのたっぷりしたドレスが一番可憐に見えた。
最初は二人が兄妹の関係にも見えたが、徐々に隔たりがなくなって気にならなくなる。バルコニー階段の城田くんからのキスシーンが色っぽい。

ロミオのマブダチwベンヴォーリオ@浦井健治は、こんなにも歌えるのか~と新鮮な感じがした。役的にも絶妙な立ち位置と存在感でまとめてくれた。
マーキューシオ@石井一彰も新しいテイストで、おかまチックで危なっかしいイカレ具合がよく合ってる。カテコで帽子の扱いにミスして苦笑いしてた顔が可愛かった。今回でマーキューシオの位置も確認したし、良知さん回を観るのも楽しみ。
ジュリエットの従兄弟ティボルト@上原理生は、『レミゼ』のアンジョルラスと似た赤の衣装で、荒々しくもセクシー。のびやかな低音を響かせてジュリエットへの想いを歌い上げ、報われぬ寂しさと怒りを切々と訴えて存在感を際立たせた。ダブルの平方さんは『戦国鍋TV』でしか知らないが、どんなティボルトを見せてくれるのか。

石井さんに上原さん、石川禅も『レ・ミゼラブル』以来。重厚な中にも憂いを秘めたキャビュレット卿で、歌にも深みがあった。
キャピュレット夫人には涼風真世。スペイン風な赤いドレスで、娘への愛情と嫉妬を鮮やかに表現した唄いっぷりだった。こちらの客席へ冷ややかな目で凝視されると、『るろうに剣心』がふと浮かんでしまうw。
未来優希の乳母が最高! 逞しいボリューム感と大らかで優しい唄いっぷりが素晴らしい。彼女がジュリエットの成長と幸せを願った歌に感動し、今回唯一涙ぐんでしまった。最後は常識的な選択をジュリエットに促すけど、親心としては当然だと思う。

お金のあるなしも関係するが、陰気で破滅的なロミオより、陽気で面白いパリスと結婚したほうが幸せになるハズw。特にパリスが岡田亮輔だったしね。岡田さんといえば『bambino』や『マグダラなマリア』だったので、とても親近感を感じてしまったw。
ロレンス神父@安崎求も『レミゼ』以来だが、包容力と深みのある歌が染みる。
ヴェローナ大公@中山昇の、歯切れのいいバリトンの響きが心地良かった。

どの楽曲も素晴らしくて、印象的な歌も見つかる。キャピュレットの若者たちが賑やかに歌い踊るコーラスが好きだな。色々なアレンジを見せる「エメ」もイイ。
上下左右にのびるセットが大胆緻密。可動式も『レミゼ』のバリケードを思わせた。
中島周による不気味な「死」のダンサーは、死すべき人にちゃんと寄り添う。最後の姿にも注目。
残された者たちのコーラスと共に、すべてが許され報われるラストとなった。

カーテンコールはリズミカルでつい手拍子。
ダブルカテコで早くもスタオベ。城田くんが最後に、争うことの虚しさや愚かしさ、愛することの尊さを語って、会場を和ませたw。
どうせなら、ロミオのように頭に血が上って罪を犯してしまう、若者の愚かさも指摘するべき。それと、ケータイの怖さもねw。
来週はもうひとりのロミオを観劇予定。

フジテレビ『ごきげんよう』で加藤和樹も出した「当たり目」の賞品の試供品を、入場時にいただける。ジュリエットだしね。和樹としろたん、まだ小さな繋がりw。
劇団アルターエゴ第46回公演『シンプル・レヴュー3 ~愛に関するオムニバス~』千秋楽を観てきた。

さすがに劇場は超満員。
前説で三ツ矢雄二さんが登場。あのアメリカ同時多発テロから10年、東日本大震災から半年、このスリリングな日によくぞ劇場にお越しくださいました、とおっしゃる。確かに^^;。御礼と共に緊急時の避難などを伝え、「レヴューはレヴューでもシンプルですから」「省エネ、エコですから」と前置きの話術で楽しませてくれた。

前回やった作品や新作も含めた、8本の短編の作品を通して「生きている喜び」を感じていただければ…という舞台。作・演出は三ツ矢雄二。
キャストには馴染みの方や初参加者もいて豪華。田中真弓、鈴木真仁、内藤玲は安定感。ジャグリングのこ~すけは『おっ、ぺれった』以来。
三ツ矢さんに誘われたという水島裕。水島さん&三ツ矢さんだと『ゴッドマーズ』のマーズ&マーグじゃん!と密かにニンマリw。三ツ矢さんと事務所を立ち上げた日髙のり子。もちろん『タッチ』の達也&南ちゃん! 舞台の日髙のり子さんって初めて観るかも。ミュージカルで活躍の樋口智恵子。若い樋口さんのダンスもステキ。
メインキャストが私とだいたい同じような世代で、おおむね小柄だというのにも親近感がもてるw。もちろんアルターエゴの若手がたくさん出演し、芝居に歌に踊りにと盛り上げる。

日髙のり子さんの声は全然変わっていない。愛らしいボイスはよく通り、表情がとても豊か。二人芝居の短編だが、思ったより台詞が多かったw。
鈴木真仁さんは、相変わらず独特の個性。学生役をやっても違和感なし。
田中真弓さんと三ツ矢雄二さんの掛け合い。舞台の真弓さんはいつも達者な芝居と爽快なコメディセンスで大好きだ。
水島裕さんの役は重々しくもセンシティヴな役どころでとても難しそう。難解な言葉や台詞も多い。若手と共に場を束ねながら、水島節を発揮されていた。でもこの6作目、短編ながら30分も重々しい雰囲気が続き、ちょっぴりクドさを感じた^^;。
こ~すけのジャグリングは、赤ちゃんから老人までの扮装を見せて披露。
8作目の「プラットホーム・オペラ」はミュージカル風コメディ。可愛らしい真弓さん&のり子さん、オカマに言い寄られる水島さん、三ツ矢さん&真仁さんの変カップル。三ツ矢さんの股間から緑のシャツがはみ出してる格好が可笑しくってw。シニア世代の歌と踊りがとても楽しくて元気が出てくる。三ツ矢さんの高らかな歌声がまた麗しい。
そのままフィナレーレに突入。全員の歌と踊りに思わず手拍子が出た。
あられもない格好のまま三ツ矢さんが最後のご挨拶。皆さん、晴れ晴れとした笑顔だった。

どの作品も「死」をテーマにして、「生」を語っていたようだ。でもちょっぴり切ない。
やはりラストの「プラットホーム・オペラ」が一番気に入った。歌と踊りと会話とエネルギーで「生」の楽しさを語る。これだ。こういうミュージカル風の作品をもっと観たいし聴きたいな。皆さんの歌も聴けるしね。
アルターエゴ次回公演は12月の『メディア』。

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