《RELAX》第14回公演『天河鈴の妖霊病症録~鬼の巻~』千秋楽を観てきた。

さすがに席が埋まっていて、年齢幅も広い観客。
今日はMHさんと一緒に3列目の席へ。

初日に観た時より、全体的に完璧なメリハリある芝居となっていた。
満月から半月、三日月へと変わっていくのを、今度ははっきりと意識して見た。
声と照明の舞台づくりで、意外と音楽が流れないのが面白い演出だ。だから最後の愉快な音楽とタイトルコールが効果的に返ってくる。
モノノケたちキャラクターがみんな、何度見ても個性的で愛着がわく。シリーズ化されるなら、ホントにメインキャラのグッズとかを作って頂きたいものだ。できればボイス付きでw。

戸部公爾@熊さんは、何度も場面を転換させる重要な役どころで、台詞ひとつで皆を注目させる力と技量が必要。ヤマ場の呪文を大きく唱えるところは、緊迫感あふれる中での仁王立ちだったが、いかにも天狗らしくて格好良かった。

飛田展男@花木田は、頑固な風に登場するだけで笑いを誘う重厚かつコミカルな役。出方や去り方が毎回颯爽と自然なのがイイ。
天河はモノノケを制御する力を持っているらしく、リンと動きを止められた花木田が、踊り子のように片足でクルリと回される場面が見どころ。柔軟かつ静止の動きはさぞ難しいと思うが、飛田さんは達者にこなした。
花木田と信夫の関係が意味深くて、色々と想像をめぐらしてしまう。実在した折口信夫も、顔にアザがあり、同性愛者だったという。このお芝居の花木田は、信夫を”人”であって欲しいと願い遠ざけていたが、他にも色々と理由はあったのだろう。でも信夫はとっくに”人”に見切りをつけて、先生と同じ世界に留まりたいと願っていた。彼の見切りの要因となったのは、たぶん以前愛した”人”であった男性だったのだろう。そんな三角関係も視野に入れて、信夫と師匠の花木田をメインにした、外伝の舞台を観てみたいと思う。

部外者であったペーターが実に面白いキャラだった。太陽のようにやって来て嵐を巻き起こし、風のように去っていく狼さん。片言っぽい日本語が場面にアクセントと笑いを起す。好きな国の人になろうとする狼さんは、やはり小泉八雲なんだろう。
花木田と熊の頬に、次々と陽気にキスするペーターは役得だな~w。キスされて訝しげな表情を見せる花木田@飛田さんが可愛い。いち早く逃げ出した天河を、追いかけろとペーターに無言で合図する花木田のちょい意地の悪さ、無理やりキスされて悲鳴をあげる天河の可愛い場面が最高に可笑しかった(^o^)。

そして、またも信夫から逃げ出そうとする花木田を止めるため、余計なことは言わずに、湯呑みを机に置くことで伝える熊さん。花木田と熊の長年の深い絆が垣間見えた場面だった。
それ程多くなかった戸部さんと飛田さんの絡みが、ラストにかけて一気に昇華したようで楽しませて貰った。


終演後、役者さんとの歓談。
飛田さんとご挨拶と握手。来春からの『薄桜鬼』が楽しみだが、OVAの『ムダヅモ無き改革』のブッシュJR.の出番は少々だとか。最後まで目を見て丁寧にお礼を言って下さるのが嬉しい。
戸部さんとご挨拶と握手。舞台裏や稽古の話などもお聞かせくださった。ホントに来年も楽しみ。
ありがとうございました。
ご一緒してくれたMHさん、そしてRさん、楽しかったです。ありがとう。
『ネオロマンス スターライト・クリスマス』昼&夜へ行ってきた。

物販目当てに早めに到着。『遙か3』限定CDに、『クリスマス』CDパック。メロディーカードが鳴るといけないので後渡しになってたが、終わった後はさっさと帰りたかったのでその場で引き取る。売るほうも疑問に思う売り方と商品だ^^;。
昼はSSの後ろ、夜はSSの前方の座席で、どちらも真ん中辺りなので観易い。

会場アナンスは、成田剣と杉田智和。ユーイからの注意事項を丸読み!? この二人はイベント中のドラマでも謎の声で登場するので、ある意味活躍。
オープニングは聖歌隊コーラス。どこぞの合唱団? どうせならキャストに、あのコスチュームを上から着て貰えばよかったのに。

出演者は、【アンジェリーク】堀内賢雄(オスカー役)関俊彦(ルヴァ役)森川智之(エルンスト役)【遙かなる時空の中で】井上和彦(風早役)保志総一朗(布都彦役)【金色のコルダ】伊藤健太郎(土浦梁太郎役)岸尾だいすけ(柚木梓馬役)【ネオ アンジェリーク】高橋広樹(レイン役)平川大輔(ベルナール役)木村良平(ロシュ役)の10人。司会は久遠一。敬称略。
関さんはDC芝居の金髪の名残の明るい茶系で前髪を下ろして、周りが黒髪が多かったので目立つ。若々しく見えるが、役的には年寄り臭いからな~^^;。昼は黒、夜は白のファー付きジャケであったかそう。個人的に昼の紫が私とアイコv。モリモリが昼は白、夜は赤とクリスマスらしい。

ネオロマンス初のクリスマス・イベントなので、作り手も観るほうも、若干手探り感があっただろうか。
大雑把な内容は【クリスマス・スペシャル・ドラマ】【シークレット・ラブ・トーク】【クリスマス・スペシャル・トーク】【愛のメッセージ】【ライブ】【聖夜ソング】。キャストのおかげで楽しめたが、構成的・演出的に盛り上がりはイマイチだったか^^;。

オープニングドラマは4作品チームの出会い。『遙か』チームは、昼は『遙か4』キャラだが、夜は『遙か3』キャラになっていたw。
二本立てドラマは、『遙か』&『ネオアンジェ』、『アンジェ』&『コルダ』に分れて進行。昼の布都彦が実直でバカ真面目で「破廉恥な」にウケたw。
夜のドラマのほうがやはりノリがよくアドリブもバンバン入ってて面白かったな。ルヴァはすっかり陽気でお喋りなおじさまキャラと化してて、「盆栽」プレゼントを推薦するも却下されショボン。オスカーとの漫才なかけ合いが愉快で、「ラヴァ」とオスカーに言われ、くしゃくしゃに苦笑するルヴァ@関さんが可愛かった。
其々が、大事な人への「聖夜への贈り物」を色々と考えて纏まるが、エンディングドラマでどう生かされたのかどうか^^;。会場の女子たちへのメッセージはあれど、ストーリー的には中途半端で詰まらなかった。

愛のメッセージは、ステージ右にあるピアノの生演奏付き。みんな「好き」を連発し、その度に会場からキャーの歓声w。夜はルヴァも真剣に「私は あなたが 好きです」。

何がシークレットなのか分らんが、風早と布都彦トークは真面目すぎて。イベント中は割と密接させていた和彦さんと保志くんだが、この二人ってドラマCD『タクミくん』シリーズ後半のタクミ&ギイなんだよねw。コルダの土浦と柚木のトークは、「白いのに黒い」「制服っぽい」と互いの服をネタにするとこが最高!(^o^)

トークコーナーは、其々トナカイ帽カチューシャやサンタ帽を被って登場。進行役の人のトークはなし!? 夜は関さんが赤ちびトナカイ帽カチューシャで登場。クリスマスのビックリプレゼントを話し「えへ。お揃いだぞぉv」に胸キュン。でも「所詮、作り話だよ」「おそまつ!」とあっけらかんw。「カラマワリ」する隣の保志くんの話に、めっちゃ笑ってる関さん。ちょこちょこと『最遊記』シリーズのイベントの面影が感じられたw。でも岸尾くんは先輩に向かってちょいヤリスギ^^;。『コルダ』内ではしゃぐのはいいが、他作品と合同なら自制も必要だろう。

スクリーンの予告CMがいっぱい。
開演前は『戦国無双3』で立花宗茂@東地さんの声。戦国イベントが気になってきた。『コルダ3』のキャラクターはすっごいバラエティで、森田くんや日野くんのキャラに会場から笑い。『ラブФサミット』からはキャストのコメントもあり。

ライブは昼夜ともに6人ずつ。新曲が多く、CDも販売していた布都彦の新曲もお披露目。昼のモリモリはクリスマスらしい歌で、迫力ある歌唱で格好良かった。夜の平川&木村のデュエットは息ぴったり、イベント中も肩を組んで唄い仲良かった。
関さんは「Flower Shower~さよならの花~♪」をしっとりとのびやかに熱唱。選曲が意外で、卒業式にはぴったりだが、クリスマスには合わないような^^;。一日だけの出演なので昼も夜も唄ってくれたが、夜はマイク音声の調子が悪くて^^;、声が割れて聞き取り難かったのが残念。

全員が揃ってのライブは賑やか。「クリスマスの街角で♪」は耳に慣れてないが、みんな楽しそう。関さんとモリモリが肩を組んで唄ってる様子を初めて見たかも。広樹がピアノに向かって弾くフリしてて似合ってたw。
出演者がホルダー付きキャンドルを持って登場。其々がみんなへ感謝の言葉。ルヴァは「貴方の心に灯したいと願っています」。レインの「もっと煽ってくれ!」に笑った。
聖歌隊を交えた「HOLY SNOW♪」は、スクリーンに歌詞も映り、お馴染みのクリスマス・メドレーの替え歌っぽい。覚えるのもさぞ大変だったろうと思うが、チームごとに楽しく唄うこと。最後の「永遠に捧げる」の部分では、関さんの声がとても目立っていたのがイイ。

アンコールは、会場前方の左右横扉からキャストが登場し、前横通路からステージへ。ホントに前方席の人しか美味しくないので、あまり意味がない。
並び順は左から、アンジェ、遙か、コルダ、ネオアンジェ。チームごとに『コルダ3』や『遙か3』の宣伝を嬉しそうにする。アンジェはないから羨ましいなと思っていたら、夜にモリモリが『恋する天使』DVD-BOXの宣伝を。
ひと言挨拶では、保志くんが昼は「自分を取り戻そうと…」と何やら深刻な面持ちで、夜は「55%取り戻せた」と結果報告、「パッピー!」で元気良く締め。関さんは昼は「仏教徒ですけど」とクリスマスを歓迎し、夜は会場のライトの「光りモノ」に感激して「みんなから優しいプレゼントを貰いました」とお礼を述べた。

最後はみんなで「Promised Rainbow X’mas Ver.♪」。チームごとにパートを歌い上げ、ホントに賑やか。この歌はイベントでは初めてだったハズの関さんが、歌の振り付けをちゃんとやっていたのでビックリ。むしろ隣の賢雄さんのほうがアヤフヤで~w。『S.S.D.S』からの流れもあり和気藹々のアンジェ3人だが、関さんと賢雄さんは唄ってる間も密接しているようで仲良しさんだった。
会場が一丸となって盛り上がる中、赤と緑のキラキラテープが大きく舞う。ちょい持ち帰り。

こうしてみんなでクリスマスをお祝いし、楽しむのもいいかもね。
ご一緒してくれたSさん、色々とありがとう、楽しかったです(^o^)。
舞台『困ったメン~絶望のジングルベルMIX~』を観てきた。

先週行ったスペース・ゼロが、また一段と華やかにクリスマス気分。
今作は三方から観る変則ステージなので、座席もタテとヨコシートに分れる。私は迷わず正面から観るタテシート。
前説アナンスはナマなのか、ランダムなキャストが時に噛んでたりw。

より深刻な不景気を迎えていた2013年。不況や雇用悪化で、夢も希望も生きる意味も見失いかけていた若者たちが、幾多の挫折と苦難に合いながら、自分自身でハッピーなクリスマスを求めようとする話。
出てくるキャラクターが「おバカ」なら、設定もストーリーも「おバカ」で、若い「困ったメン」の勢いと熱に巻き込まれながら、ジェットコースター的展開をただ楽しめばいいんだという舞台だった。
そこには理屈も深読みも批判も感激も何も要らない。一時でもこの不景気を忘れさせ、激情へと突っ走って、クリスマスを笑って唄えればそれでいい。ノリとフィーリングが爆発したような作品を、拙者ムニエルの村上大樹が書いて演出した。

上山竜司(RUN&GUN)が主人公タダオを熱血をもって膨らませる。その牽引力と存在感は、見るだけで引き込まれ圧倒されそう。先陣をきった歌もダンスも確かなものを見せてくれる。
海老澤健次が一番変化が激しい役どころだが、それだけに注目される。厳しい猛者ぶりがあったから、中盤からのアノ役がより生きてくる。正直、海老澤くんがこんなに愉快な役者だとは知らなかった。
鯨井康介がグンと痩せていてビックリ。精悍な顔つきになっていたが、役的には逆だったような。
松本慎也(Studio Life)は可愛さ重視かと思いきや、日和見的な役だった。
上山くんとマツシンのやり取りは、『フルーツバスケット』を思い出させるが、鯨井くんとマツシンが頻繁に絡む場面は見るだけで嬉しくなる。
7人の「困ったメン」以外は兼ね役もするが、其々堂にいったおバカっぷりを披露。
紅一点・平田敦子がボリュームある演技だが、メンズを従え美味しい役どころには違いない。

それにしてもみんな、歌もダンスも達者で上手いな。踊れるのが普通だというぐらい踊り込まれている。ダンスではやはり青柳塁斗が目立つか。アクロバットやコンビネーションプレイも難なく披露してくれ、みんな本当に楽しそうだった。マツシンは彼らの荒波についていく感じ、「みんなと一緒に踊りたいんです」という言葉は本音だったに違いない。
ステージでは収まりきれない動きや演技は、新たに増やした客席通路をたっぷりと使って、更なる臨場感を追及。客をも巻き込んだ暴れっぷりは、会場に活気を与えること。

それにしても、着る服もなく食べものも買えず、100円を後生大事にするという、”貧乏”をテーマにした作品がかつてあっただろうかw。借金を背負いながらも働くのが面倒臭いからたかる、裏切られたから騙してやるという、”最低野郎”を主人公にした芝居がかつてあっただろうか^^;。
「超現実逃避型青春コメディ」とうたってはいるが、4年後にはホントにこんな社会が来るかもしれないし、それは誰にも分らない。こんな大不況が更に続き、若者達が働けない社会がずっと続くなら、若者たちも「おバカ」にならざるを得ないだろう。「おバカ」にならないと生きていけなくなる社会になるのだ。
「おバカ」のベクトルが、人に迷惑をかけたり犯罪を引き起こすよりは、一年に一度笑って唄って踊るところへ向けられたほうがよっぽどいい。「おバカ」の仲間同士が集まるなら、絶望もひょっとして希望に変えられるかもしれない。
などと、真面目に深読みして考えてしまうお話だった(^o^)。

最後はやっぱり客席の手拍子で賑やかに幕。楽にかけて、その前の歌の時も手拍子が出てくるだろう。
全員のお辞儀もちゃんと三方向を向き丁寧にやっていて好感がもてた。

終演後は『困ったマン』。毎回、誰かが自分の脚本と演出で一人芝居を披露するコーナー。今回は青柳塁斗。
怪盗るいるい参上。床を鮮やかに滑る! 得意のダンスも披露。
驚いたのは、アレを器用に回しながら、山手線一周。お客にちょっと助けられながら大江戸線一周。
若いのに色んなワザを持ってるんだ。るいるいの魅力にあらためて感服。10分間が楽しかった(^o^)。


今年は『イタKiss』をはじめ、るいるいの舞台をあれこれ観たな~。年末は『ハンサム』イベントもあるし、今年のるいるいはまだ終わらない。
海老澤くんには東映からも花壇がきていた。『炎神戦隊ゴーオンジャー』終了後は、ステージでブルー、グリーン、イエローと見てきたが、ついにブラックを拝めた。レッドはまだ見てないが、来年は2つ舞台がある。

テレビと舞台が表裏になった『インディゴの夜』のチラシ。舞台には和樹の名前はまだなし。
舞台『罠』が主人公の加藤和樹は残して、キャストも新たに再演。上山竜司が今度はアノ役か!? 辺見えみり、松田賢二との共演も楽しみ。今度は銀河劇場。
てか上山くん、来年は半年間に3本も舞台に出るの!?
《RELAX》第14回公演『天河鈴の妖霊病症録~鬼の巻~』初日を観てきた。
前夜に明日は行けそうだと分り、朝からスケジュールいっぱいなのに更に詰め込み、勇んで出かけた。

今回は役者のフォト展示は会場左手へ移動。写真を見るだけでも可笑しい。
座席フリーなので、思いきって最前列へ。

とある診療所と思しき所に現れ出でたる、天河鈴という女。妖しい雰囲気が漂う中、関係者や来訪者が入り乱れ、魑魅魍魎の”愛”のものがたり(?)が進行する。
”妖怪モノ”は数多くあれど、《RELAX》版、妖怪百鬼夜行はひと味もふた味も違う。

作・演出は、お馴染み奇才のEMI。怖い話、怪談話、ホラーも大好きというEMIさんだけのことはあって、出てくるモノノケたちは半端じゃない。
妖怪・妖精・モノノケ・怪物…。たくさんのモノノケどもがわんさか登場。知っていても知らなくても、そのうち紹介してくれるので助かる。
彼らは口々に”人”を語り、”人”を批判し、”人”に絶望する。その冷静で普遍的な見方が、真実を鋭く突いていて深いこと。
そして人も登場する。だがひょっとして、一番分らない謎で一番怖い生き物は、この”人”なのではないだろうか。

暗転中の闇が多い芝居である。だが暗闇が深くて長いほど、暗転後の光が眩しく明るく引き立つものだ。
最初こそ闇の中で声が幾重にもこだまし、おどろおどろしくも怖い雰囲気だったが、モノノケと人との静かで熱を帯びた掛け合いが、どんどん可笑しくエスカレートして引き込まれる。
役者の達者な芝居もあり、キャラクターが生き生きと楽しい。《RELAX》さんには珍しい、色とりどりのカワイイ衣装が舞い、観るほうの気分も柔らかくさせる。
そして、相変わらず登場人物の名前が凝っているのにも注目。
天河鈴とは、何てチャーミングな名前だこと☆

その天河鈴を岡本嘉子。いつもの岡本さんとは違う衣装に注目。とにかく声がデカくて迫力たっぷり。明るく世話好きで情もあり、騒がしい人たちをキッチリとまとめる、懐が深い役だろう。
清水スミカは、『不思議な国のアリス』のウサギに近いだろう。モコモコ衣装が可愛く、いつもより数倍若々しく楽しく見えた。

戸部公爾は、熊さんにピッタリな髭の濃い役どころ。下駄歩きは大変そうだ。熊さんが登場した途端、それまでピリリと静寂だった場面がいっぺんに明るく賑やかになって、さすが存在感ある戸部さんだ。クシャクシャに笑った顔が可愛く、力の篭った大きな声が頼もしく、舞台に楽しさと安らぎも与えてくれた。
飛田展男は、「先生」とも呼ばれる頑固で渋い役どころ。上品な和装で、自前だというお髭をたくわえ、どっしり落ち着いていつもお茶を啜る。立ち座り位置は、ステージ右寄りが多いかな。早くから登場し、人に対して手厳しいが、実は人によって一番変化させられたキーマンなのかもしれない。

戸部さん&飛田さんは、掛け合い的にはボケ&ツッコミだろうか。違うようで似ているフシギな関係、ラストの台詞も息ぴったりv。熊さんにはペーターがいて、先生には弟子がいるから、他者との関係性も見どころ。
ペーターの松本ヨシロウが、背がぐんと高くて逞しく、好奇心旺盛な役を陽気な声で愉快に表現。
今回は若手が多く知らない役者さんも多かったが、ベテランに混じって上手く関わり、人物と世界観をしっかり作り出していた。

出てくるモノノケたちが、互いに憎しみ合ったり激しく嫌ったりする関係でないのが良かった。其々の事情を知ったり理解したり、静かに見守ったり寂しがったり、底つ根の国なのにあたたかさに満ちている。
”人”に対して絶望していたのに、”人”と通じ合うことで、闇の中からひとすじの希望を見い出した。
妖怪たちが大好きという作り手ならではの、怖くて可笑しくて、ピリリと苦辛くてズンと優しいお芝居だった。
EMIさんの作品は2度観るとうんと楽しめるので、日曜楽も観劇予定。


終演後、ロビーで台本販売。表紙は3色。

恒例の役者さんとの歓談。
飛田さんとご挨拶。いろいろお話して握手とお写真も。ありがとうございます。
戸部さんとご挨拶。たくさんお話して握手とお写真も。ありがとうございます。
お二人から台本にサインまで頂戴した。

”鬼の巻”というから、シリーズ化されるだろうと思っていたが、次回公演は一年後、2010年11月の『天河鈴の幽怪病症録~蠱の巻~』。
続編も観たいし、次が決まっているのは嬉しいことだ。
Studio Life若手公演『パンジー・メイズ』Adventurerチームを観てきた。

スタジオライフが劇団初期に上演した、倉田淳のオリジナル作品で、私は未見。
14年半の時を経て、若手公演としての再演だ。

30歳の未婚OL吉田幸子は、会社でもプライベートでも不満の毎日を送っていたが、突然フシギな迷路のような世界に迷い込んでいく話。
作品全体に漂う”古めかしさ”に、苦笑を通り越して脱力感をおぼえながら、興味がもてない退屈なお芝居だった。つまらなさに何度も眠りの渕に陥ってしまった^^;。チケット代からすると勿体無いこと。

女性の30歳って、当時はそんなに切羽詰っていたのだろうか。お局様と呼ばれ、社員からも煙たがれ反発されるほどの存在だったのか。今となっては考えられない状況だが、今では死語となった台詞が舞台上でポンポン飛び交い、ありきたりの型通りの展開で、観ていて不快にもなってきた。
そんな壁を打破していくような主人公だったら文句ないが、吉田幸子は不満を抱えながら悶々と流されていく、”受け身”の女だから始末におけない^^;。昔の相手をずっと想い続けながら、上司との不倫も続けて、このままの状態で何となく過ごしてしまう毎日。自分自身で何かをしようとか、立ち上がり進もうとか、変えていこうとか、そういう気持ちも埋没している女。
そんな女にはとうてい共感も共鳴もできない。幸子の同僚の道子のほうが、キャリアウーマンらしく率直でまだマシだった。幸子の”詩”の朗読もさっぱり解釈できず、アザといだけだったな。
幸子役の青木隆敏は、ほっそりとした体に、女らしい仕草と柔らかい声でとても色っぽい。でも女はこういうものだという先入観があるのか、すべてがワザとらしく見えてしまう。または演出がそういう演技を求めているのだとしたら、かえって逆効果だろうと思う。

迷路の壁たちは、熱演は伝わるが、個性を出すためかやたらテンション高くて煩くて騒がしい。一発芸もヘタなお笑いのように滑稽で、耐えられずスルーしてしまった。でも壁たちのダンスや鮮やかなマジックは見応えはあり。壁たちが実は幸子が作り出した障害だということに気づいたのは、随分後になってからだ。
仲原裕之と青木くんのダンスは踊り込まれていて官能的。
倉本徹は役にハマっていたのか変態ぽい。歌は確かにヘタだが^^;、都はるみってのも古すぎる。
大沼亮吉は攻め役なのか? 石飛幸治はMの役どころだったがw、渋い男らしい声が舞台を引き締めていた。
日替わりゲストで登場したのは、笑顔でフニャフニャの舟見くん。台詞もフリも覚えておらず、周りからもツッコまれまくり^^;。ゲスト場面は毎回お笑いだけを追及するためのものなのか。

音楽も古めかしくて苦笑するが、「イエスタデイ・ワンスモア♪」は私が学生の時に始めて覚えた英語の歌だったので、懐かしく口ずさんでしまった。
舞台装置だけは機能的で斬新だったが、水槽の魚のところがよく見えなかった。食らいつく幸子は魚好きだったのか!?
タイムショッカーの声が元気すぎるし、小人はどういう意味をもつんだろう? 存在がよく分らないキャラが多かった。

迷路の中で真実の自分と向き合い、壁や殻を破って前を向き立ち上がったまでは分ったが、その後、幸子がどう行動したのかまでは描かれず、すっきり感もわかないお芝居だった。上司とすっぱり別れたとか、会社をやめたとか、ガードマンと結ばれたとか、そういったことは個人の想像に任せる作品だったのか。
14年前に観ていたら、もう少し作品に共鳴もできたのだろうが、今の現実社会とはそぐわない作品には違いない。身近な世界観だからこそ、再演にあたっては、リ・イマジネーションによる構築が必要だったかもしれない。

クローズアップヤングアクターイベント開催中。
今回は仲原裕介。リーフレットがアクター監修限定版で、終演後もショートトークショーがあるが、時間的都合でパスした。開演前に前説もやるようだが、いつあったんだろう?^^;

Studio Lifeの来年の公演は、『トーマの心臓』と『訪問者』から。
開いたチラシの折り目が、写真の本の開きとも重なって開放的に見える。
映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』を観てきた。

入場者プレゼントは、ガンバライドしたじきとカード。でもこの画って早くもネタバレ!?
第1ステージから第3ステージまで、「東映まんがまつり」みたいな3部構成。
東映の無音ザッバーン!が3回も出てくるので笑い。


『仮面ライダーディケイド 完結編』
TVシリーズ最終回(第31話)を受けた「本当の終わり」。

”破壊”による”創造”の裏側には、人々の記憶の隅に追いやられていた仮面ライダーシリーズを”復活”させることで、新たな商品戦略を狙うという、関係者の奥深い企みがあったとはw。
「ディケイド」は、そのための”媒介”にしかすぎず、仮面ライダーディケイドも門矢士も存在そのものに意味はないのか^^;。

井上正大の髪型がやけにクルンクルンw。大樹&ディエンドにNo.2の位置も士のマブダチとしての存在も、すっかり奪われた格好のユウスケ&クウガだが^^;、前半のユウスケは格好良かった。やはり少々ブラックな敵役のほうが村井良大には合ってるv。カブトもライジングアルティメットのほうが色的に強そうw。
まさかのキバーラがっ!? 森カンナもすっごく嬉しかっただろう。タックルも蜂女も知らなかったが^^;、あの胸は…。全体的に女性キャラがサービスも兼ねてチョコチョコ活躍。
瀬戸康史が思ったより喋ってて、二人の少年も最後の変身。鈴木拡樹はほんの一瞬w。

それにしても写真がアイテムになってたり、ネオ生命体といい、放送中の『JIN-仁-』みたいだなw。


『仮面ライダーW ビギンズナイト』
TV第1話の冒頭のフラッシュシーンを解明する「本当の始まり」。

おやっさんの死のことは、TV版では娘にまだ内緒だったハズだが、ついにバラしちゃったのか!?
フィリップの名前の由来とか、ピンをつけてない髪のフィリップとか、フィリップに関することがあれこれ。変身後に翔太郎の方が意識を失うこともあるわけか。

おやっさん、めっちゃ渋くてカッコイー! 最初は吉川晃司に見えないほどで、とてもサマになってハマってる。イメージとしては「カサブランカ・ダンディ」のジュリーだが、後から読んだパンフにもそう書いてあった。
厳しくて強くて男前で、信念を貫いているし、人生経験から出たひとつひとつの言葉がとても深い。
仮面ライダースカルも『夕陽のガンマン』みたいでこれまた格好良い。スーアクが永徳さんということで、ディエンドとはまた違った動きが楽しめる。

でも、おやっさんに調査を依頼した人物とは誰だろう?とまた謎が深まった。
キーアイテムは帽子だが、キーワードは”決断”。おやっさんの意思を継いだ二人だが、いつかはおやっさんを超えなければならないと思うので、翔太郎もオリジナルの決め台詞を考えたほうがいいかも。


『MOVIE大戦2010』
『完結編』と『ビギンズナイト』のラストからの「合流編」。

”大”に”スーパー”ときたから、次は”ゲキ”ショッカーとかにならんのか!?
平成仮面ライダーたちが参戦。全仮面ライダー集結とまではいかなかったか。
慣れた調子で、仮面ライダー同士が「ちょっとくすぐったいぞ」「痛くないから」と言い合い、ドミノ倒し状態になっていくのがかなり笑えた(^o^)。

どさくさで電王ソードフォームも登場。いつの間にかクライマックスフォームで笑えるし。関俊彦@モモの声もアチコチで出没、やたら耳に残るが、最後の台詞は「お疲れさん」!?w 
夏からこっちヤキモキさせた「仮面ライダー10周年」記念の終結だが、皆さんお疲れさまでした。オロナミンCとか出てきそう~。

見どころはディケイドの大根斬り!(^o^) TV版『仮面ライダーW』を更に注目させるワンショットが!?
GACKTが唄う主題歌「Stay the Ride Alive♪」が、情熱的でスケール感があってぐっときた。


年末年始は仮面ライダー関係のイベントも目白押し。
その中で、1月11日の『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』イベントは参加予定。
村井良大絡みで先行前に情報を知ったが、これも俳優と声優がてんこ盛りで豪華キャストが出演。あいにくドラマ本編は観ていないが、いつか観る日のために楽しんで予習しておきたい。
劇団ヘロヘロQカムパニー第22回公演『カラクリ雪之JOE変化』2回目を観てきた。

初日にあった2つ3つのシーンがごっそり無くなっていた!(゜o゜)
魚や野菜を持ち寄る場面や、姫の”馬小屋”発言や^^;、お婆の変化など、それなりに面白かったけど、本編とは直接の関わりはないと判断して、初日終了後に考察されたのだろうか。
カットされたことで、時間的にも余裕が生まれ、全体的に前よりもスリムに引き締まっていたと思う。でも折角のシーンだし、カット部分はDVD等で補完されるのだろうか。
初日のシモネタやお笑いネタの台詞も、一部カットされていた模様。笑いよりマジメさ重視にしたのだろうか。

前回とは全く逆の花道の左手座席だったので、花道を通る役者が間近によく見えて、臨場感があった。
ただ残念だったのは、幻十郎とスミレが花道上でデンと壁のように立ちはだかっていたため、幼い兄妹の回想シーンが全く見えなかったこと(-_-;)。初日に観て補完していたのでよかったが、まるでドラマCDのように声しか聞こえなかった。やはり花道左手席は不利。回想シーンではステージ左に移動させ立たせるとか、もう少し演出の工夫が必要だ。

キーマン葛江順之助を、櫻井孝宏が演じる初回。当然Wキャストの入野自由と比べてしまう。
花道から疾走してくるところは、まるで009の加速装置のような爽やかさw。眼鏡も衣装も同じだが、タッパがあるせいか、弱々しさやドジっぽさがあまり感じられない。入野くんよりもややハスキーだが、はっきりした声で台詞が聴き取り易い。動きにやや硬さが見られたが、笑顔が可愛くて熱演。
雪之JOEとはつかず離れずのイイ関係だが、二人のよちナデ場面で会場が一斉に沸いたので、BL風味がプラスされたかもw。入野くんと福圓さんの間に感じた淡い絆が、今回の櫻井くんと福圓さんからはあまり伝わってこなかった。

女優・福圓美里の魅力にますます惹かれた。台詞も演技もとっても分り易くて的確で自然で、上手い役者だとつくづく思う。私の好みに合って相性がいいのか、りん姫を見る度にどんどん好きになってしまう。髪の後ろのピンクのシュシュも可愛いし、『天空の城ラピュタ』のシータを思い出させる後半衣装も似合うこと。
昔とった杵柄を思い出させ、津本陽日演じるお婆が好きだ。若者たちには厳しいが優しく頼もしく、冷静な判断と深い知識をもち、この世界観にはかけがえのない存在だろう。
今回の関智一は出トチリというか、出だしから躓いていたので、私も含めて会場から思わず笑いw。
小西克幸が登場時はやはり笑いの渦。雪之JOEの存在そのものが愛らしくてたまらない。

今回は全体的に、台詞を噛んだり言い直したりと、不安定だったのが目立つ^^;。
それでも、雪之JOEの純真さや懸命な表情に胸うたれたり、りん姫の健気さや台詞の数々に胸がきゅんとなったりと、今回はこらえきれず何度か涙が流れた(;_;)。
「友の心で生かされている」と言えるまでになった姫。お婆とともに、りんの成長を心から喜べた。
智一さん、私が好むような良い話をつくってくれたな~。

終演後、全員がラインナップしたところで、智一さんから物販宣伝&次回公演予告。所々で長沢さんと小西くんから補足ツッコミもw。
ノンストップでキッチリ150分。アンケを出そうとBOXの場所を尋ねたら、スタッフが慌ててBOXを用意していたw。
映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』(ワンピース ストロングワールド)を観てきた。
入場者プレゼントも功を奏したのか、平日昼なのに満員なのでビックリ。
原作者・尾田栄一郎が描きおろした0巻は、映画の後で読む。

弱肉強食の戦いを繰り広げる空飛ぶ島を舞台に、悪魔の実の能力者”金獅子のシキ”に連れて行かれたナミを救うため、ルフィたち麦わら一味が運命を賭けた冒険に立ち向かう話。
原作者初の映画オリジナル・ストーリー。分り易い設定から隅々のディテールに至るまで、”冒険”もの王道の楽しさがたっぷり詰まっており、スタッフやキャストの渾身の力作となっている。

オープニングは麦わら海賊団の紹介で実にカッコイー。
原作コミックは読んでおらず、テレビアニメも見たり見なかったりなので、ルフィたちがいつの間にかバラバラになっていて当初は困惑。やがて何故そうなったかが知らされ、今回はナミがメインなのだと分る。
始めからルフィたちが大技を惜しげもなく発揮したが、これが後の布石になったりもして、どんなに能力を出しても叶わないほど、シキはもの凄く強大な敵なのだということが分る。
それにしても、昆虫や動物愛護、自然保護の見地からすると、何とも惨くて後味の悪い設定だ。

”メルヴィユ”の村民にとってシキ一派は、沖縄をめぐる米軍基地のようだ。早く別の所へ行って、この地から去って貰いたいと思う厄介者。
空に浮かぶ海賊船や島というと、『天空の城ラピュタ』にすぐ繋げてしまうが、キャラ設定も繋がっているのか。
ナミはいつも以上に露出サービスでセクシーだが、可愛さとしなやかさを意識しているのか。仲間のため、故郷のためを考えて行動せざるを得ないナミは、まさしくラピュタに出てくるシータだろう。
ナミの心情を計れず単純に言葉を受け取るルフィは、パズーとソックリだ。田中真弓がずっと変わっていないキャラを演じているのに苦笑。
シキの王宮へ殴り込むルフィたちは、まるで討ち入りする赤穂浪士のようw。雪の夜だし、正装で統一性があるし、松の廊下っぽいしw。公開が『忠臣蔵』の時期とも重なるし。みんなのコスも似合ってとにかく格好良かったv。
シキの名も”キラ”と音的に似てるかも。シキも結局は恨みや憎しみや復讐から出た野心だったと思うし。

今回はみんな其々たっぷり見せ場があって、戦闘シーンに燃えた。いつの間にか能力もレベルアップ、進化した荒技を思う存分見せてくれた。
中井和哉の台詞こそ少ないゾロだが、アクションは実際のモノを見ただけに、妙な感激がわいてきてカッコイー。
サンジは最初は平田広明を意識したのか、ジョニデのコスっぽく見えて苦笑。いつにも増してメロリンラブしてたが、足蹴りもバージョンアップしてたv。
着ぐるみチョッパーが可愛くて、ブルックの骨ネタが意外と沢山あって美味しいトコどり。アラバスタ編のカルーにも似たwビリーが大活躍。

竹中直人@シキは圧倒的な存在感と共に、どこか柔らかさがあって、特徴ある笑い方がユニーク。中尾隆聖キャラはアノ音が耳障りだったが、喋るといいんだよね。銀河万丈キャラは、万丈さんに聞こえないほどヘン。

『めざまし』で、ワンピースで大人が泣ける場面として、ルフィとナミのアノ名シーンをピックアップしていたが、それもこの映画の布石だったわけねw。どちらもグッときたが、泣くまでには至らなかったな。
単純明快なストーリーの中、ルフィたち麦わら一味の団結力と絆の深さをあらためて確認できた、昔ながらの熱く胸躍る映画だった。

映画を見終わった後で買ったパンフが高めだが、キャストインタビューと写真(正装?)がたっぷりで読み応えあり。他に中井さん&平田さんが、尾田っちにも「なんかくれ。」と言ってるトコが可笑しい。
ホリプロ五十周年記念 日英合作舞台企画『ANJIN ~イングリッシュサムライ~』を観てきた。

ロビー物販が様々なグッズで賑やか。台本もあるが、これは観てから考えよう。
実在の人物・三浦按針の故郷イギリスと、彼が辿った日本地図が飾られ、彫像と伊東で造った船ベンツーラ号の模型が目をひく。
少し安く買い求めたチケットだが、1階中程真ん中でステージは観易い。
字幕テロップがステージ上段にあり、1階前方だと見上げる形で大変そうだ。

嵐で日本に漂着したイギリス人船乗りウィリアム・アダムズが、時の権力者・徳川家康に気に入られ、祖国に帰りたいと願うも、三浦按針として家族をもち友情を育みながら、激動の日本の時代を生きていく話。
実話を基にしたオリジナル・ストーリーで、アダムズと家康の仲介役で、オリキャラの宣教師ドメニコが登場、怒涛の運命に巻き込まれる。

この舞台のキモは、英語と日本語がポンポンと飛び交うところ。英語と日本語が同時に発せられると、喧しさを通り越してこんなに汚くなるとは驚きだ。
英会話では上段字幕とステージを交互に観ることになり、慣れないと視覚的に負担がかかりそう。字幕切り替えがヘタで、台詞とズレがあったり、長台詞なのに瞬間映るだけだったりと読み取り難い。日本語だけの会話では英字が流れるが、興味をひきそちらにも目がいってしまうw。いっそ舞台にも出たフィーリングで、大まかに意味を感じ取ることも必要か。
日本語だけでも聞き辛い時もあって、ことに鹿児島弁は英語より手強いことw。

そんな状況を逆手にとり、故意による誤訳や勘違いがネタになって、前半は結構笑えてストーリーを膨らませる。人物描写も生き生きと的確で、役者の達者な演技が光る。
だが思ったよりも歴史を詳細になぞり過ぎたようだ。関ヶ原や大坂の陣をじっくりやってくれて、『天地人』の流れでそれはそれで興味深いが、武将間の感情や争いごとは、按針にはあまり関係ないように思う。おそらく海外向けの構築なのだろうが、日本人には今更の歴史確認だろう。
休憩後は戦と戦の間の場面がどんどん単調になり、面白味も薄れて、ちょっぴり眠気が起きてしまった。
按針と家康の人間性に触れ、二人の関係をあらためて知るひと時は貴重で胸に沁みたが、休憩含めての3時間30分はやはり長いと感じた。

異国の地で領地と名前を与えられ、”青い目のサムライ”となった按針は、幅広い知識と柔軟な考えを持った真面目で率直な青年として描かれる。オーウェン・ティールが日本語も操り、男前で力強いこと。大柄な身体で跪きひれ伏し土下座をする姿が印象的。日本女性に色っぽい眼差しを見せるところがセクシーだ。
『天地人』では悪人だった徳川家康が、ここでは情が深く度量と器も大きく信頼厚い男となっていて、市村正親の凛とした渋さが冴える。ことに世界や海に憧れる向上心あるところや、父親としての思いが丹念に描かれており、新鮮な家康像として映った。

メインの一人かと思われたドメニコ役の藤原竜也は、思ったよりも出番や見せ場が少なく、位置的に曖昧な存在に思えた。前半は明朗とした意思の強さに共鳴できるが、中盤からはガラリと衣装や趣を変え、彼の葛藤や考えが伝わり難くなる。通訳中の英語は小さい声なのでよく聞こえないが、英語の発音や滑らかさは勉学しただけの成果は出ていたようだ。
宣教師らしさを意識したのか、藤原くんがあまりにほっそりと痩せていて吃驚。胸板まで細かったのは役作りの為だろうか。

他キャストが其々何役も演じ分けていたのに注目。
徳川秀忠と大谷吉嗣をを演じた高橋和也、石田三成と真田幸村を演じた沢田冬樹が、格好良い声を発し好演して目立った。
小林勝也演じる本多正純が、飄々とした存在感で笑いを醸し盛り上げる。
外人サイドでは、達者な日本語で煙をまくジェイミー・バラード、英国風イケメンのセバスチャン・アーメストが印象的。

家康が按針から、戦関係の武器知識を学んで役立てた場面があったが、西洋学問を学んだ場面が殆どなかった。算術や天文学は支配者には役立ったのだろうか。
家康を訪れた按針が持参したのが丸いものだったので、てっきり”首”かと思ってしまった^^;。
二重三重に造り込まれた奥行きのある舞台だが、障子がスムーズな自動式なのが愉快。徳川の家紋が賑わうステージだった。

カトリックとプロテスタントの激しい反目。英国や列強の威圧的態度。当時の日本の良いところと誇れるところ、足りないものと弱いもの。今更ながらこの舞台で感じると共に、そういったしがらみや対立の真っ只中に立たされた、按針や宣教師たちの苦しみや嘆きを思い計る。
いつの時代も権力者によって戦が始まり、権力者によって状況が左右され、人の命が無数に失われていく。地球の正反対に位置する二つの国を憂う按針の孤独は、深かったに違いない。

カテコは2回。その前に帰る人も多かったが、スタオベの人も多し。
舞台袖にはける時に、箍が外れたように、藤原くんがジェイミーさんと笑いながら飛び上がっていた。市村さんは愛想よく何度も客席に手をふること。最後にオーウェンさんも微笑んで手をふっていた。
劇団ヘロヘロQカムパニー第22回公演『カラクリ雪之JOE変化』初日を観てきた。
早めにロビー開場。今作のDVD特典の写真がデカッ。
ヘロQ芝居は初めての人が多いのか、スタッフにトイレの場所を尋ねる人が多し。

謎の”カバラの力”をめぐり、父を殺され城を逃げ延びてきた姫のため、機械仕掛けの”カラクリ”とその発明者、忍びや新たな仲間たちが、助け合い団結して強大な敵に立ち向かおうとする話。
ヘロQの第三回公演のリメイク版、というより、リ・イマジネーションだという。

登場人物がとにかく多い。其々に複雑な事情や深い秘密を抱えて生きており、彼らの生き様が時に格好良く、時に切なくはかなく、時に天晴れに描かれる。
人ではないが、人以上に人であろうとする、機械仕掛けの”カラクリ”を通して、人間らしく自分らしく生きるとは何なのか、を問いかけているようだ。
いつものヘロQよりは少なめだが、スピーディで迫力ある展開に、笑いありアクションありの楽しさ、真剣で達者な役者陣と抜群のスタッフワークの力で、正義を貫く娯楽作品に仕上がっていた。

小西克幸が、カラクリ雪之丞役。出てくるだけで和ませ、動くだけで笑わせる、愛すべきキャラクターだv。ビジュアル的にツボだったのが、膝小僧とか口の辺りとかお尻とか後ろの穴とかw。胸をはだける場面のノンベンダラリとした顔がたまらなくカワイイ。コニタンも実に楽しそうにやっているが、動きを止める演技は大変そうだ。表情や声音は型通りだが、たまに発する男前声にときめき、汗いっぱいの中で笑顔を見せたのが印象的でジンときた。

この話のホントの主人公は、りん姫なのだろう。気が強く我が儘で世間知らずだった姫が、雪之丞の純粋さに触れ、人々の優しさや情けを知ることで、世の中を良くする為にも自分ひとりで立ち上がろうとする自立の物語。見た目と声の可愛さだけかと思っていた福圓美里が、役にハマって実に生き生きと演じる。チョコチョコ動き回り飛び蹴りまで披露、体当たりの演技がみずみずしいこと。特にりん姫が決意した時の声には確固たる力が篭っていて、その健気な姿にジワっときた。

Wキャストの入野自由は、眼鏡と小柄な体が知的な可愛さに満ちて、演技も愛嬌たっぷり。さすが慣れたもので、他者との関係性や距離感の表現力が上手い。ことに雪之丞との親子愛や兄弟愛にも似た絡みっぷりは、笑いを伴い安らぎや暖かさが感じられた。
産みの苦しみを味わったという関智一は、ドラネタはあれど冷徹なヒール役に徹する。出番は多くないが、妹を想う兄の優しさが伝わる役だった。
べろ武田が、舞台『戦国BASARA』の織田信長のような迫力で圧倒。永松寛隆の力演には拍手したい。
長沢美樹や岩田栄慶の派手なアクションに加え、おぐらとしひろ達の軽快なアクションが盛り上げる。

ステージの様々な箇所を使って映した風景やアニメが、臨場感と雰囲気を醸して面白い。花道はみんなが満遍なく使うが、奈落をああいう形で使うとは考えた。花弁にも似た雪をたっぷり使用するのも気風がいい。
あちこち細かいところで、演出の楽しさが表れている。

終演後、全員がラインナップしたところで、智一さんからお馴染みの物販宣伝。こういう場ではいつも噛むのがご愛嬌w。
次回公演予告は『電波ヒーロー』、4/21の小西克幸お誕生日記念からだというw。
入野自由とWキャストの櫻井孝宏の出演回は火曜日に観劇予定。『クロスゲーム』コンビだね。
ロビーに中尾隆聖&関俊彦から花壇。
チラシのイラストは『無限の住人』の沙村広明氏だが、アニメには智一さんや小西くん、それに関俊彦さんも出ていたな。智一さんは来年の岸野組に客演。
ノンストップ150分、ヘロQ終演後はいつもトイレに駆け込む私なのだったw。
劇団道学先生『リンゴ リンゴ リンゴ』を観てきた。

劇団道学先生5年ぶり、中島淳彦の書き下ろし脚本と演出で、それなりに期待がふくらむ。
実は別日に観劇を予定していたが都合が悪くなり、急遽チケットを取り替えて頂いたもの。座席的には同じ列だが、こちらの方向はステージが観易いかもしれん。

借金を背負った元・演歌作詞家の中年男が、千葉のおんぼろアパートを仮の住み家とし、住人や管理人や関係者たちと絡み過ごしていく中で、ホントの自分に向き合っていく話。
当初は旅館部屋かと思った舞台装置は、一応壁があるという設定で開放的な空間に見える。たまに柱が邪魔をして人物が見えないのはご愛嬌か。古臭いミシミシ感がたまらないが、あの部屋の出入口は引き戸なのか開けっ放しなのか?

主宰・青山勝も中島氏もともに40代後半という。一発奮起した新作は、飛びたくてもなかなか飛べない中年男のもんもんとした悲哀を描く、「ドン・キホーテ」をモチーフにしたお芝居。
今年あった出来事や人物を巧みに盛り込み、”五輪”を”リンゴ”と呼ばせる風刺的ストーリーだが、キャラクターの居心地の無さに物足りなさを感じさせた。中年男とはかくも情けないものなのか。

出てくる登場人物は、個性的過ぎるのか掴みどころがなく、どの人にも共鳴できないのが辛かった。
特に主人公のアベオサムがよく分らない。過去を振り返り嘆き苦しみ、その後で現在の自分とじっくり向き合って、何かをつかみ立ち上がり、がむしゃらに前進していく姿を、観るほうは期待していた。
だが、彼を取り巻く周りの人達が現実を見据えて、どんどん変わっていくのに、彼だけは一向に変わる様子がない。いつまでも過去を懐かしみ、妄想を追いかけ、他力本願にすがるだけなのだ。これでは観るほうが滅入ってしまう。
彼の腹違いの弟も、親切心を押し付け、神経を逆撫でする言葉を平気で捲し立て、KYの典型のようで気分が悪い。
ベテラン青山勝が達者に切り込み、六角精児の珍妙な演技が煙をまく。二人の様子がホントの兄弟のように似ること。

お目当ての土屋裕一(*pnish*)は、ゴルファー猿に完璧になっていて、ヤマダイチロウという役名も忘れるほどw。半ジーンズに縞々が可愛いが、コートを着る時も足がモロ見えで笑えた。的確な芝居で関係性を表現し、長身でユニークな存在感が光る。半端なく上手い泣き声や泣き顔のおかげで、女の母性本能を擽らせまんまとゲットするところに、tutiの本領が発揮されたかw。
tutiとは呑み友達の津村知与支は、眼鏡で惹くアダルトかつセクシーな役どころ。

結局はお金なのか!?  名声よもう一度、妻よもう一度、五輪よもう一度と嘆きながらも、お金に固執するアベオサム。ホント、小さいなぁ。
一度堕ちたものは、なかなか這い上がれない社会。そんなとき、周りの協力や支えが必要なのに、それさえも手放してしまう中年男。
懐かしい「リンゴの唄♪」が流れて口ずさみそうになるが、リンゴは見るだけじゃなく、味わってみないと始まらない。
主人公以外の9人が格好良く勇姿をお披露目し、先頭のtutiの目線が飛び込んでいい気分には浸れた。だが、主人公がこの先、ちゃんと立ち上がり前進していけるかは定かではない。
羽衣1011 第5回プロデュース公演『純情姉妹繁盛記』を観てきた。
予約特典プレゼントも可愛く、手作り感あふれるグッズがロビーを賑わす。

Kaoriこと山像かおりとMisaこと渡辺美佐、女優二人芝居ユニットの公演も2004年から始まって5回目。
狭い会場の自由席だが、パンパンの満員状態で、次から次へと補助席座布団席ができあがる。

姉妹漫才が解散離別して○年後。再会した二人が、過去を振り返りながらしばしの時間を過ごす、ノンストップ90分。
熱にうなされて書いたという秋之桜子の脚本と、彼女たちと5年以上も関わってきた郷田ほづみの演出。

ステージに散らばったたくさんの箱が、ビックリ箱のようで楽しいこと。次から次と箱から飛び出してくる、色とりどりの愛しい衣装たち。次から次へと蘇る、その時代に生きた姉妹と思い出の数々。
同世代ネタがてんこ盛りで、懐かしいメロディーと替え歌に苦笑しつつ、その時代の自分を思い出して共鳴した。”赤い”シリーズは定番だが、ここでいう”マクロス”は時空要塞のほうねw。

二人のテンポ良い会話が怒涛の風を起こし、お芝居はまるでメリーゴーランドのような楽しさだ。
注目は、早替わりの妙も含めて彼女たちの様々な衣装替え。10代の可愛いものから老年の地味~なものまで、コス気分をぼんやり満足させる。
目新しさは、2人以外の人物の即興芝居。小物ひとつで、声音と表情をガラリと変えるだけで、スッパリ誰かに成りきって、オチも忘れない。彼女たちの達者な演技力あればこそで、あらためて感服した。
さりげないライト効果も絶妙。スクリーンの凝ったアニメ映像、音楽と効果音と、演出やスタッフワークも抜群だ。

数ヶ月の年の差の姉妹。ある時は憎み、ある時は励まし、其々に悩みや葛藤を抱えながら、互いに支え合い過ごしてきた日々。どんなに遠く離れていても、どんなに長く離れていても、思いはいつも同じ~♪ なんて歌がどこかにあったっけ。「同じなんだ」と苦笑し合った二人に、姉妹の絆の深さが滲み出ているようでジンワリときた。
ウクレレとギターも初披露かな。お客さんの前で「純情姉妹繁盛唄♪」とお笑いを披露する二人の笑顔が、まるで双子のようにソックリだった。

姉妹が食べるラーメンやおでんは、一見して冷めきっているように見えた。でも5年前から揺るがない、かおりさんと美佐さんのパワーと情熱で、食べ物があったかく美味そうにも思えて、お腹の虫がなりそうだった。


開場前にロビーに着いたら、郷田ほづみさんがいらしていてビックリ。土曜マチネにおいでとは珍しいが、ひらり。さんの演出も抱えているしお忙しそうだ。今年はもうお会いできないと思っていたので、思いがけない嬉しさだった(*^^*)。

終演後、かおりさんと美佐さんが一人一人と言葉を交わしてお見送り。お疲れだろうに、二人の笑顔が眩しい。第6回公演も楽しみに待ちたい。

いったん帰宅して食事の支度後、再び観劇のため外出。郷田さんも演出されたことがある劇団道学先生の芝居だ。
Ash レコ初ワンマンライブ『01 White ~冷やし中華始め…いや、ライブ始めました!~』夜の部へ行ってきた。

整理番号順に入場だが、大雨の中で立ったまま待つのも寒いので、番号近くまでガレージ内で待機。
3度目の正直で手に入れたチケットで番号も遅く、後ろのほうでまったりなどと考えていたが、ラッキーにも階段上に立つことができて視界も遮られず観易い。会場も狭いので、ステージがとても近いこと。お酒もありで、ほろ酔い気分。

Ashの中村誠治郎と根本正勝が登場。白黒っぽい服に、根本さんのピンクが目立ち、右腕にリストバンド。
バンドメンバーは3人。ヒビキさんとジローさんと、ドラムの人が思いだせん。
誠治郎くんが、歌う前からヒビキさんの譜面を落したり、途中でピックを落したりと、ドジっ子ぶりを披露。「ドンマイ!」誠治郎が合言葉にw。彼をクールかつやんわり見つめる根本さん。ここでは「誠くん」「まーくん」呼びかなw。

曲は「Real♪」からスタートし、ちょい前の「With you♪」や「タイムマシーン♪」ときて、ギターを弾きながら誠くんメインの「moonchild♪」、根本さんメインの「Life♪」と『01 White』からたっぷり披露。
誠くんの張りのあるのびやかな歌声が響き、根本さんのちょっぴりハスキーな声が心に染み入る。

合間に、愉快なVが2本。1本目は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」をモチーフにレコーディングやジャケット撮影風景、ネコとAshの柔らかな映像。
2本目は、関係者からの激励メッセージ。汐崎アイル、成松慶彦、佐野大樹、江戸むらさきから。『リバースヒストリカ』『心霊探偵八雲』で其々と共演した大樹くんからは、後ほど二人へプレゼントが贈られるが、汗拭きタオルと髭剃りってw。江戸むらさきの二人は誠治郎くんと会ったこともなかったり。
二人の家族からのメッセージも流れ、誠くんの兄弟が面白いw。成さんのメッセージは長いのか、3度に分けて流れて、もういいよっ!状態w。
両親からのメッセージの時に、跪きながら観ていた根本さんが顔を伏せて照れていた様子が可愛い。
二人のボケ&ツッコミ的トークも変わらず炸裂。分るのは、二人の間に確かな信頼と好き合っている感情が流れていることだ。

アンコール。バンドメンバー紹介の後、二人のライブの夢が実現し、願えば叶うもんなんだと感無量の根本さん。
誠くんが忙しい中で一生懸命に作ったという新曲「サプリ♪」を披露。ギター弾き語りの誠くん、胸に手をあてしっとり歌う根本さん。二人の裏声が透き通るように響く。
ラストはやっぱり「Real♪」。会場の手フリも賑やかに、二人もノリノリで、最高潮に盛り上がる曲だ。

ダブルアンコールは「moonchild♪」。最後に5人が前に出てラインナップ。肉声で根本さんらが「ありがとうございました!」とお辞儀。
1時間30分のミニライブだったが、楽しいひと時だった(^o^)。

終演後は、物販に根本さんと誠治郎くんが現れ、間近に見てちょっとドキドキ。
根本さんの写真セットだけは買ったv。

今年のAshはこれでお仕舞い。次に根本さんを見るのはいよいよ1月の『遙か十年祭』。武道館アリーナだから見難そうだが、参加できるだけでよし。
TWIN-BEAT Presents bpm公演『ハイカラ』を観てきた。

『シーサイド・スーサイド』と交互に、ハイブリッド・アミューズメント・ショウbpmがおくる、もうひとつのシチュエーション・コメディ。

昭和14年、夏。太宰治ら文豪たちやその妻たちが、絡み合いすれ違いながら、ひとつの恋を成就させようとする話。
『シースー』とうって変わって、舞台は神社の境内。デンと構えた狛犬、のどかな葉桜に着物姿と、古き良き日本の香りが伝わるような光景だ。

あまり馴染みのない作家も含め^^;、たくさんの登場人物が、入れ代わり立ち代わり、テンポ良く繰り広げる会話劇。各々の個性と誇りと意地が混ざり合い、巧みな伏線と文学的ネタを散りばめながら、勘違い野郎たちの喜怒哀楽がたっぷりと描かれる。
誰にでもあるほんの少しの悪意と大らかな優しさが、友情や絆を拾い上げていくのが人間くさい。ただのハチャメチャドタバタ・コメディにとどまらず、浅沼晋太郎の人生讃歌がゆっくりと昇華しているようだ。

ここでも秋枝直樹が、太宰治のハマリ役。今回は主人公!着物はシースーと同じようだが、シースーより少々若くてやんちゃで無鉄砲。逃げたりダッシュしたり擦り寄ったりと軽やかな動きで、悪友や天敵との対決に臨むw。ここまでくると秋枝さんの太宰にどんどん愛着がわいてきてたまらんv。
太宰の妻・美智子役の猪狩敦子は、さしずめ『ヴィヨンの妻』といったところかw。シースーとはガラリと変えた天然おっとりキャラが可愛らしい。

郷本直也@織田作之助が、久しぶりの関西弁で楽しそう。その妻役の小原正子(クワバタオハラ)もマシンガントークな関西弁。漫才コンビの如し二人の会話はめっちゃ愉快だが、愛情も流れているのが伝わる。
伊勢直弘@坂口安吾が、眼鏡キラリのクールでブラックな味が冴え渡る。
多根周作@井伏鱒二が、のほほんとした柔和さで和ませるが、一番損な役回りだったか!?
そしてシースーでも話題になった(?)川端康成に押野大地。すごい!ホントに川端康成っぽいw。太宰とのやり取りや豊かな表情に笑わせてもらった。ノーベル賞とったんだものね!

『戦国BASARA』以来の谷口賢志が、テンション高くメリハリ効いた演技でキーマン。浅沼氏とはアニメでも沢山共演している牧野由依が、初々しくも可憐でしなやか。笹岡幸司が、落ち着いた中に複雑な感情を醸す。

おもしろうてやがて哀しき、可笑しくてやがて切なき。笑って笑って笑った先に見えるのは、迫りくる時代の荒波。
人間臭くて大して偉くもない文豪たちだが、彼らが己の人生から作り出した言葉や文面が、時にひとりの人間の心を救い、人の人生を左右することもある。人間を変えられれば、社会もいつかは変えられるだろうか。
登場人物すべてが、今はもういないという事実。彼らのエピローグに、あらためて開眼させられ、人生を愛おしく思った。
川端康成さんの最後の言葉に深く深く共鳴し、じわっと涙が込み上げてくるのだった(;_;)。また泣いちまった。

こちらも最後に、映画予告風な『シーサイド・スーサイド』の予告上映。
役者たちの平日クリスマス・プレゼント企画は、bpmの伊勢さんと秋枝さんが中心でスムーズに盛り上がり。大雨なので大物は大変そう^^;。
TWIN-BEAT Presents bpm公演『シーサイド・スーサイド』初日を観てきた。

太宰治生誕100年の今年。ハイブリッド・アミューズメント・ショウ「bpm」が、太宰治をネタにした、シチュエーション・コメディの二作品を同時上演する。
浅沼晋太郎のオリジナル脚本『シーサイド・スーサイド』『ハイカラ』とも再演ではあるが、今回この2作品を交互上演するのが珍しい。舞台セットの取替え等、スタッフの大変さも想像できる。
2作品とも観劇する人が多く、パンフが表裏の1冊で纏められているのが嬉しい。


『シーサイド・スーサイド』
ある漫才コンビのひとりが自殺しようとするのを、必死で思い止まらせようとする相方と、彼らを取り巻く奇妙な登場人物たちを描く、ファンタジー&ヒューマンコメディ。
海岸浜辺を模したような装置だが、聞こえる波の音と反して、木の匂いが温泉地のような気分にさせるw。

巧みな伏線と緻密な構成に加えて、浅沼氏の人間讃歌がストレートに伝わってくるような話。太宰治の小説ネタや映画ネタがこれでもかと詰め込まれ、人生に関するウンチクが次から次へと蒔かれる土壌。
ともすれば難しいインテリ風な空気を、若者たちの熱い波で吹き流して、ジェットコースターの如く笑いに変えてしまう楽しい展開だった。笑いの後に問いかけられ、しみじみ思う人生の切なさがまた可笑しかった。

主人公を取り囲む人物たちの設定は『アヴェ・マリターレ!』に近いだろうか。其々の能力が突拍子もないが、最後まで無能だと思っていた男が実は…という翼役を、作・演出を担当した浅沼晋太郎が演じる。
ベテラン秋枝直樹が、何とキーマンの太宰某役! これが似てるのか似てないのか当の本人に会ったことがないので分らないが、達者な演技のおかげでキャラが立っていて楽しいこと。コミカルだったりマジメだったりとふり幅が激しいが実に人間くさい。彼の飛び込みはバリエーション豊かで、何度も何度も笑わされた(^o^)。

浅沼氏と現在共演中で、『5D’s』からは宮下雄也(RUN&GUN)『PASH!』から木村良平が出演。宮下くんが”遊戯王”なら、木村くんは”撃墜王(AIR KING)”だろうか(ちゃいまっせ~)。この二人が”スーサイド”という漫才コンビを組み、愉快な漫才を披露してくれる。
宮下くんはやはり浅沼氏と相性がいい! 今年は『ガンバの冒険』『BANANAFISH』『黒執事』と宮下くんの舞台を沢山観たが、今回は主人公で関西弁効果もあり、今までで一番宮下くんらしさが生き生きと出たハマリ役だ。芝居にパワーがある、熱情がある、迫力がある。パントマイム的動きや目の動きも上手い。明らかに相方の木村くんをグイグイ引っ張っていく力も感じられた。
”めっちゃ、泣ける”という煽り文句は信じなかったが、宮下くんが叫んだヤマ場の台詞に、じわっと涙が込み上げた(;_;)。泣いちまったじゃん。
その劇的場面中、浅沼氏がなぜかグラサンをかけて真正面を見ていたのを見逃さなかったw。演出家として観客のリアクションを探っていたのだろうか。

木村くんは、最初こそ声に力がなくて不安があったが、徐々に勢いと輝きを篭めた演技を見せた。
客演の女性二人は初舞台なのか、滑舌が不安の平坦な演技だが、其々色っぽさを出して華やぐ。
お馴染みの猪狩敦子は、そんな二人を逆手にとったような、滑舌不安定を謝るキュートな役どころを愉快に演じる。
特筆すべきは、初演に続き代わりは誰もいないというケント・フリックの存在感。さすが”効果音の魔術師”! 彼のマイク芸は、驚きを通り越して、ただスゴイ!としか言いようがない(^o^)。ぜひ映画や戦場の世界に浸って貰いたい。温和な物言いや、やたら日本に詳しいなど、役どころの痛快さもハマっていて楽しい。

いつか人生の終わりが来る時も、いっぱい悔いを残すのだろう。ちょっとした欲望が、自殺を思い止まらせる。君が死んでも何も変わらないが、生きて変わるものがある。
どれもこれも聞き覚えのある言葉だが、新鮮な驚きを伴って蘇ってくる舞台だった。
人はなんで生まれてくるの?という問いかけには、私ならこう答えるだろう。
生まれてくるんやない! 生むんや! わてが! 命をかけてな!
関西弁に脳を乗っ取られたみたいで、喋ってみたくてかないまへーんw。

映画予告風に『ハイカラ』の予告上映が最後にあり。金曜日に観る予定。
平日クリスマス・プレゼント企画で、役者たちの私物のプレゼントもあり。ニアミスばかりw。
浅沼氏のブログのP.S.は、『ゼーガペイン』舞台化を勘ぐらせる言葉ばかりw。
舞台『パッチギ!』を観てきた。
観客は幅広い年代層だが、後方に空席が多いのが惜しい。チケット代も関係しているのだろうか。

1968年の京都を舞台に、日本と在日コリアンの高校生が巻き起こす事件を、恋愛と友情を散りばめながら描く青春物語。
井筒和幸監督の大ヒットした同名映画は実は観ていない。井筒氏は舞台でも総合演出を担当するが、D-BOYSの『鴉~KARASU~』をヒットさせた羽原大介の脚本と茅野イサムの演出を楽しみにしていた。
舞台化にあたってスタッフやキャストが目指したのは、”映画をパッチギるパッチギ!”だったという。

日本と朝鮮という複雑でデリケートな問題を扱いながら、作品そのものはみずみずしくも甘辛い、そして熱気を帯びている。若い俳優さんたちがとにかく真剣で前向きで、”熱”をもって取り組んでいるのが分る。
舞台で度々出てくる朝鮮語が彼らを身近に感じさせ、美しくも色とりどりの衣装を着た女性たちのムヨン(舞踊)が、彼の国への興味と憧れを誘ってくれるようだ。
コリアンたちの「イムジン河」を沁み入るように聞きながら、当時日本で流行った流行歌の数々を懐かしむ贅沢な空間。南北を隔てた川ではないけれど、日本とコリアンという今なお続く歴史の反目やわだかまりを、人々の思いを込めた”歌と踊り”で、一気に洗い流して、橋をかけて繋げてくれるような良質な舞台だった。

登場人物は日本側とコリアン側にほぼ分れる。
松山康介@山本裕典の舞台を初めて観たが、まっすぐで純粋で好きな人を一途に思う高校生を好演。ナマのギター弾き語りが初々しくてストレートだ。安定した演技を見せるが、コリアンたちに罵倒される時のリアクションがなくて残念。冷静だったり感情的だったりする康介像に、もう少し厚味が欲しかった。
リ・アンソン@石黒英雄は、野生的であり繊細でありながら、独特の牽引力と存在感があって頼もしい。目にも声にもパワーが感じられ、ラストのどでかい歓喜はすがすがしくこの上ない。
そういや山本くんも石黒さんも、仮面ライダー『カブト』『電王』の1月のイベントで一度は拝見したという共通点があったw。

コリアンのトリオでは、アンソンが赤、バンホーが青、チェドキが黄と色分けしているのが面白い。
バンホー@中村昌也が、長身なだけに特に目立つ。前半は○○○ネタで笑わせるムードメーカーだが、後半は真剣で熱い男をずっしりと演じ、役的にも格好良いこと。D-BOYS Stageでは去年のバットから今年は刀ときて、今回は棒を振り回すというのが可笑しい。様々な場面で茅野氏との相性の良さを実感、間違いなく昌也の代表作となるだろう。
二人の舎弟であり相棒でもあるチェドキ@椎名鯛造が、元気でやんちゃでタフに活躍しながら、繊細で複雑な面を覗かせて深い。お得意のバク転もいいが、飛ばされ具合も軽妙。何より、昌也といつもイチャイチャハチャメチャふざけ合い、息の合った良きコンビぶりを見せるので、妙に嬉しくなってしまうw。

東高空手部の不良たちは、名前は覚え易いがw、ちょっぴり個性が足りないかな。
大声で圧する朝香賢徹、クールな包帯野郎の植原卓也、強気でフルパワー全開の小野賢章、押忍!で全て表現の戴寧龍二が、テンション高い芝居と程良い緊張感で盛り上げる。
鯛造くんと小野くんの小柄同士ガチ対決が愉快だが、どうせなら小野くんのバク転も見たかった。鯛造くんと戴寧さんとの『最遊記歌劇伝』対決は残念ながらなし、悟空と八戒の絡みも見たかった。
鯛造くんと山本くんとのやり取りを強調させて、二人が唄う場面でもあれば関係性に深味が出ただろう。

インテリ風の山崎育三郎は、歌を披露する場面もあり、康介との漫才的やり取りも痛快だったが、ラストにも出番が欲しかった。
リ・キョンジャ@三倉佳奈は、明るく清楚で可愛らしい中に芯の強さを秘めて、舞踊も軽やかに表現。ガンジャ@ちすんは、ツンデレかと思いきや、落ち着いた包容力ある看護女性を演じる。
坂崎先生@小市慢太郎が、人間味ある反骨精神を掲げていて共鳴、歌の素晴らしさに聞き惚れた。
ソンド@渡辺哲は、コミカルとシリアスのふり幅が激しい重厚な役だが、康介に対して激憤させる流れは納得し辛い。

日米安保反対集団に不良軍の団結、群舞の連なりなど、一見して『ラストゲーム』にも近い群集演出が面白い。
フォークソングと乱闘と出産とお葬式が舞台上で交錯する場面は、情熱がほとばしるような見事な演出で、思わず目に熱いものが込み上げた。そこでは誰もが哀しみや苦しみを乗り越えようとしており、アンソンの「パッチギ!」の叫びが自ずと観客の快感を誘った。
加藤和彦氏のザ・フォーク・クルセダーズのことをよく知らない私でも、舞台を通して、名曲の数々をあらためて意味をもって噛み締めることができた。普遍的な音楽と共に、普遍的な舞台となるであろう。

もう1度ぐらい観たいなと思うが、いかんせんチケットが高い^^;。リピーターでもS席8千円とは、去年の『風強』よりも高い。もう少し小屋も人員も低めに抑える料金にしたら、観客の熱も広めることができるだろう。
『聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝』展へ行ってきた。

ポタラ宮やノルブリンカなど各地の寺院や博物館から、美術・文化の名品を集めて、チベット文化を総合的に紹介する、わが国初の展覧会。
出品全123件(173点)のうち、36件が国家一級文物という貴重な作品。
世界地図の中でチベットはこの辺りと大まかには分るが、チベットの歴史や仏教文化、チベット密教については殆ど知らなかったので、作品を通して少しでもチベット文化に触れることができたのは良かった。

序章:吐蕃王国のチベット統一
★ソンツェンガンポ坐像…チベットを最初に統一した王。
★魔女仰臥図…魔女は仏教が来る以前のチベットの象徴。魔女の力を封じるため12の関節にお寺を建てたという。

第一章:仏教文化…ティソンデツェン王によって7世紀末に仏教の国教化
★弥勒菩薩立像…なめらかな体の線と華やかな装飾。
★カーラチャクラマンダラ・タンカ…カーラ(時)チャクラ(輪)インド仏教最後の聖典の書写。
★ナイラートミヤー坐像…”空”を表す女体のすがた。
★ダマルパ坐像…ダマル太鼓を持つ者の意味で、右手に太鼓をもっていたという。

第二章:チベット密教…9世紀に仏教が廃されるが、10-11世紀インドから再び仏教流入増大。後期密教が主流。
★十一面千手千眼観音菩薩立像…1000の手と眼をを持つ。8本の手が前面に、後方には無数の手が伸びていてハリネズミのようw。
★カーラチャクラ父母仏立像…慈悲を象徴する父(カーラチャクラ)と悟りの智慧を象徴する母(ヴィシュヴァーマタ)が抱き合い、一体となることで悟りの世界に到達できることを表現。其々4つの表情がみんな違い、見る角度によって表情が変わるのは面白い。雰囲気的に阿修羅像のよう。
★白傘蓋仏母立像…手に魔性を遮る傘を持ち、西洋風魔女のように見える。国土と人民を災厄からまもる女神。
★ダーキニー立像…髑髏杖と髑髏杯をもち髑髏冠と髑髏首飾りをする。男性を悟りに導いてくれる、女性パートナーを象徴する女神。

第三章:元・明・清との交流…フビライ、永楽帝と宣徳帝、乾隆帝が熱心な信者だったという。
★パクパ坐像…フビライのチベット密教での師(チベット僧)。
★青花高足碗…コバルトによる染付け。チベット文字のある磁器。

第四章:チベットの暮らし
★チャム装束(チティパティ)…舞踏劇の装束。5つのドクロは人間の五罪(食欲・妬み・愚かさ・幼稚さ・欲情)に対する克服を意味する。
★ドゥンチェン…チベット楽器中最大。
★四部医典タンカ・樹木比喩図…「四部医典」はインドのアーユルヴェーダ系の医学の影響を受けて、17世紀に156章に整備された医術書。これは樹木に例えて病因に応じた治療法を図説したもの。

★「ポタラ宮と天空の至宝」映像。約9分30秒。
ラサのチョカン(総本山)において五体投地で礼拝を繰り返す人々。マニ車は右回り。
ポタラ宮の紅宮。歴代ダライラマの霊塔など。
★タルチョの解説。
経文が書かれた五色の旗で、風にはためくことで仏法が拡がるという。青・白・赤・緑・黄は、空・風・火・水・地を表す。

入口で、おみくじ風”守りがみ”をひける。中は”ヤマーンタカ”ばかりかな。
物販は、干支と組み合わせたお守りとかが多い。

COOKING BOYS #01

2009年12月6日 イベント
SUNBEAM Presents『COOKING BOYS #01』へ参加してきた。

お初の中野富士見町。ちと道に迷いそうに。
整理番号順に会場に入ると、そこはもう”キッチン”。定員50名だったが、満席にはならず。

この催しは、イケメン俳優さんが料理研究家に料理を教わりながら、トークを行うCOOKINGイベントで、新しい試み。ゲスト2人は日替わりで、先月の26日から始まっていた。
今日の楽を飾るのは、Studio Lifeの船戸慎士と三上俊。どうも周りは、みかしゅんファンが多かったようだ。てっきりエプロン姿で登場かと思いきや、シェフの格好で二人ともよくお似合い。
MCは「クッキングオヤジ」こと池田伸一氏で、とても面白い方。
講師は、極上家庭料理研究家の是友麻希氏。トークも流暢で気さくで快活な方。
是友先生に「今日はコック役」「シェフになりきれば」だと言われた二人。みんなで左拳を引いて「レッツ・クック・トゥギャザー!」の合言葉。
ちなみに此処では、みかしゅんは「しゅんしゅん」、船戸さんは「キング」あらため「しんしん」と呼ばれることにw。是友氏は「先生」池田氏は「オヤジ」。

【簡単 ふわとろ明太オムライス ゴマクリームソース添え】
1.ソース作り…しんしんとしゅんしゅんの初めての共同作業からスタート。練りゴマに牛乳を入れる場面で、「あいっOK!」「カモン」「はいっストップ!」とテンション高いのに慎重なしんしんw。
2.めんたいこ…”ひとはら”とは繋がってる2本のこと。半腹に筋をつけて開く作業。包丁はめったに握らないというしんしんが思ったより器用で繊細。少しは経験あるしんしんも上手い。「俺の皮を見てくれ!」とまな板を見せる2人w。
3.卵割り…「吉野家とかでやるがうまくいかない」としんしんw。始めは両手でポン!パン! 最後は片手で割るしゅんしゅん。
4.卵と牛乳と明太子をかき混ぜる…泡立て器で黄身を崩してタテで切るようにシャカシャカ。「俺のタマゴ」とまた見せる2人w。
5.ごはん…ゴマと塩を入れるしゅんしゅん、ヘラで混ぜるしんしん。また「ストップ」「カモン」の共同作業w。
6.大葉…包丁を前へ前へリズミカルに切るので、流れる音楽♪ 大葉の千切りは初めてのしんしん。
7.フライパンでオムライス…ゆる~くスクランブルエッグをつくる。IHコンロは私も初めてだ。卵を流して泡立て器でかき混ぜる。トロトロの最中にボールに全部戻す。余熱で少し固まる。
8.盛り付け…しゅんしゅんがご飯を皿に入れる。しんしんが上から卵をかける。しゅんしゅんがその上からソースをかける。しんしんがその上に大葉を散らす。おまけでCheeza。余熱があった卵のボールの”アツさ”で二人に熱い掛け合いありw。

試食会。俳優の2人が調理した料理を試食できるのは抽選で2人のみ。エスコートされて右側のソファで一緒に食べる。「女性のために作ったのなんてないですよね」「いただきます!」と先に食べる4人。しゅんしゅんの「おーいしー!」はシンゴちゃんのマネ!?w 「1週間以内に自分でまた作ってブログに載せます」としんしんが約束。楽しみだ~w。
他の参加者にも、前もって作られた料理が配られすぐ試食。小腹が空いていたのか、忽ち平らげてしまったw。大葉が効いててサッパリしてて美味しかった。

試食後はソファに座ってミニトーク。今日の料理は「斬新でしたね」としんしん。「ホットケーキをハート型にして焼く」というしゅんしゅん。思い出の味は?で「ごはん」「外で炭火でやった焼肉」としんしん。「しょっぱいおいなりさん」とお袋の味を思い出すしゅんしゅん。辛いのが好きなのに胃が弱いしんしんと、大腸が弱いしゅんしゅん。

ゲームコーナー。お題は女性と一緒に作りたいものは?で、二人がフリップに書いたことを、会場のみんなで当てる。しんしんのはすぐ分ったが、しゅんしゅんのは凝ってるというかw。二人とも”肉食男子”なのは分ったw。
2人の対決は、リンゴのウサギちゃん。包丁に慣れてないしんしんも頑張るっ。いち早くしゅんしゅんの勝ち。

COOKING SONG。アジのなめろうを手早く作りながら、ロック調の「アイラブなめろう♪」を唄うオヤジさん。手拍子しながらも、作り方をチェックする私。「クラーッシュ!」が連発、二本包丁でガシガシするのが気持ち良さそう。ご飯がないまま「なめろう茶漬け」を食べるオヤジさん。「肉じゃがブルース♪」もあるそうだ。
夜の料理は魚をおろすとか。魚をおろすのも初めてなしんしんは意気込みバッチリ。

しゅんしゅんがリードしてライフの告知。しんしんは来年の舞台宣伝。
最後は4人と一緒にみんなでポーズつけて「レッツ・クック・トゥギャザー!」。
O型のみかしゅんが見た目と違って男っぽくて、A型の船戸さんが実は慎重で繊細で可愛い人だった。
2人の料理の腕前や、素の顔や意外なリアクションも見れて、和気藹々とした中でとても楽しかった(^o^)。

『#01』というから、この企画が好評ならシリーズ化もありそうだ。
またStudio Lifeのどなたかが出れば参加してみたい。
映画『Dear Heart -震えて眠れ-』&初日舞台挨拶を観てきた。

高原の別荘を舞台に、心臓移植によって、殺人鬼の狂気を宿した夫を持った妻が、恐怖にさらされるサイコホラー。
”臓器移植による記憶の転移”という実例をもとにした現代的モチーフ。そういったような話がとっくに周知されている今では、凡庸なストーリーに見えて、サスペンス風味はそれ程感じられない。
むしろ猟奇殺人さながらのショッキングな映像が随所に出て、グロさにやや閉口するが、ホラー風味としては中途半端で思ったより怖くなかった。

実力派の俳優陣には注目したい。
映画『シャイニング』のジャック・ニコルソンばりの狂気を、夫役の榎木孝明が楽しそうに怪演。フード越しに見えるギラついた眼とか、果物をふくむエグイ唇とか、セクシーな妖しも見せる。
夫を献身的に支える妻・美輪子役で高島礼子が熱演。健康的な色気の中に、ひたむきさと繊細さをのぞかせて好ましい。
お目当ての加藤和樹は、爽やかで真っ直ぐで快活な大学生の武役。見る前は薪割り青年かと思ってたが、結局運転手どまりかw。夫婦とはつかず離れずの微妙な立場で、ラストの軽妙な動きは見どころだが、すかっとさせる出番はない。
特別出演の西村雅彦が、愛想のない渋い味を見せている。島田陽子は変わらず美しいが、滑舌の悪さが気になった。

元の殺人鬼が若い女をターゲットにしてたのに、夫の魔の手を真っ先に受けた女性看護師が、それ程若くも綺麗でもなかったのが怖さを半減させたかもw。
唯一若い武が、密かに美輪子に思いを寄せていたとか、殺人鬼と繋がりがあったとかの秘密があれば、関係に深味が出てきたのに。看護師がもっと若くて美人だったら、武と恋愛関係になっていたかもしれんw。
担当医の否定的な見解が甘すぎて反発する。むしろ助手のドライで率直な意見のほうが小気味よい。

思わせぶりたっぷりな割には、最後まで決定的な盛り上がりもなく、安直なラストで終わって消化不良な話。キャストの熱演と、効果音や演出の上手い仕上がりに助けられた作品だった。


上演前に、2回目の初日舞台挨拶。ステージ右から、井坂聡監督、高島礼子、榎木孝明、加藤和樹が立ち並ぶ。皆さん、黒っぽい衣装。

監督は「非常に熱くなる作品」「心理的にじわじわとくる怖さ」と話し、「俳優さんの演技が凄かった」と絶賛。
「皆さまのイメージを裏切るのが楽しみ」と言った榎木さんがとっても楽しそう。和樹は「ベテランに囲まれた緊張感の中で楽しく撮影した」「リアルに怖い所での撮影だった」。
撮影は11日間しかなかったのに「加藤さんが雨を降らせてくれて…」と、監督が和樹の”雨男”ぶりを話すと会場も爆笑。和樹も「すみませんでした」と頭を下げて「僕のシーンになると、パーっと雨が降ってくるんです」と苦笑した。後で高島さんが「そのおかげで私達は休めたし」と優しくフォローする場面も。
「とっても明るい現場」「キツイけど濃くて集中できる現場」と語る高島さんは、「皆さんが私を通して臨場感を体験する役どころ」と捉える。クライマックスは清里の廃工場の撮影だったが、虫に刺され眼が痒くて、右目が腫れあがった状態で翌日のNHK大河ドラマの撮影をこなしたとかw。
榎木さんが「臓器が記憶を持つというのは本当で、真実に基づいた話」と言えば、和樹も似たような話を聞いたと語る。
和樹は「自分の人生に置き換えて、守り抜くことを考えた」と真剣に向き合う。
最後に高島さんが「2度3度足を運んでいただけたら」と笑顔でコメント。皆さん退場する中、最後の和樹が丁寧にお辞儀して終了。約15分弱。

外で、ぴあの出口調査に初めて答える。『シャカリキ!』の時は息子が答えたからな。今日の調査の中では私がたぶん最年長かもw。
リピータースタンプラリーを貰ったが、3回なんてとても鑑賞できない。
クリスマスイベントで、トークや抽選会付きの上演回もあるが、どのくらい人を集めるだろうか。
でもこれで年末の和樹を観れて良かった。

1月上演舞台『King of the Blue』ではお年玉イベント付き。チケット発売からだいぶ経った今頃に発表とは、売れてないんだろうか^^;。先行で取ったのが後方席でガッカリして、追加公演分を自力で頑張り良席をゲットしたが、丁度その公演回が和樹が出演するトーク付き!(^o^) 
TVアニメあれこれ。

日曜『ミラクル☆トレイン~大江戸線へようこそ~』
1話では反発していた娘が、なぜか2話以降徐々にハマってしまい、今ではすっかりミラトレ・ファンに!(^o^) 予録して消さないで~と毎度娘に頼まれ、翌日必ず観るという熱中ぶり。
正直、あんまり面白いアニメとは私は思えないのだが^^;、トクガワが出ているし、たまに出てくる大江戸線ウンチクが面白いので、何とかついていくのみ。
今回は初めて男がミラクル☆トレインに乗ってきて、駅たちを困惑させる話。『オトメン』を思い出させるが、久しぶりに男同士の会話で楽しませた。

水曜『遊戯王5D’s』
1月公開の劇場版を控えチェックしてたが、先日の『ジャンBANG!』に来たのは宮下雄也と星野貴紀の二人だけだった。あらためて見ると二人ともイケメンw。
油断してたら、こっちのエンディングで歴代主人公3人の映像がキタっ! 宮下雄也に、すっかりアダルトなKENN、そして久しぶりの風間俊介。『金八先生』が思い出されたが、風間くんの笑顔は変わってない。でも宮下くんとKENNに囲まれると、風間くんがちっこく可愛く見えちゃう。イケメンそろい踏みで、映画も楽しみだ。

木曜『銀魂』
”六角事件”で巻き添えになったという父の仇として命を狙われる沖田。その説明役で、カブキワンコのヅラ@石田彰が出たのは嬉しいが、もっと不意打ちだったのが、沖田と共に事件の生き残りだった神山の声が関俊彦! 
ビックリした~我が耳を疑ったもんw。グリグリ眼鏡のビジュアルが関さんキャラとしては新鮮だが、とにかくテンション高過ぎっ(^o^)。沖田を「隊長」と呼び「イエス・サー!」と返事、ケツに○○ルと尻に拘りとにかく煩い。「過去から一生戻ってこなくていいから」と沖田@鈴村健一に冷たくあしらわれるが、キャスト的にどうもリュウタがモモを一蹴しているように聞こえなくもないw。
事件の発端、創界堂の残党・天堂蒼達で小西克幸がオネェ言葉で登場。やたら豪華キャストで、フラグも忘れそうだ。

木曜『NARUTO疾風伝』
こっちは仇というより復讐か。3週に渡って続いたサスケとイタチの壮絶な兄弟対決もついに終焉。なにしろ主人公はSPの進行役程度で他キャストは回想のみ。本編で殆ど喋っていたのは、過去話も含めて杉山紀彰と石川英郎の二人、そして彼らの闘いを俯瞰的に見ていたゼツ@飛田展男だけだったという面白さ。
さすが飛田さん、白黒ゼツの演じ分けがただものではない。「もう二人ともバテバテだね」「そのようだ」白ゼツが気楽なボケのムードメーカーだとすれば、黒ゼツは解説的冷静なツッコミ役。飛田さんの可愛い少年声と、重厚な老人声をたっぷりと一気に楽しめちゃうというわけだ(*^。^*)。予告まで登場し存在をアピール、二人の死闘と共に声の魅了も堪能した。
イタチの右指は何を言いたかったのか。「ゆるせサスケ。また今度だ」回想の冒頭でイタチが喋っていたことが蘇る。復讐の涯てにサスケが見い出したものは何だろうか。虚しさばかりが包む。
見れば見るほど、卓球のラケットだよな~w。

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